JP2017228319A - 自動車用電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】書込みツール200からECU100に対し、ECU100上のROM110に書込むためのデータを転送するとき、ECU100は、通信バッファ領域141の通信バッファのうち、車載状態においてECU100が書込みツール200と通信するために使用する通信バッファに加えて、車載状態において書込みツール200以外の装置と通信するために使用する通信バッファを使用して通信を行う。
【選択図】図2
Description
従って、例えば、書込みツールからデータを1回受信するごとにその応答を書込みツールに送信するような同期を取る通信の場合、自動車用電子制御装置は、受信する回数と同じ回数の送信を行うことになる。このため、自動車用電子制御装置と書込みツールとの間で通信する回数が多くなり、書込みデータを転送する時間を長くする原因の1つとなっていた。
ECU100に搭載されたROM(例えば、フラッシュROM)に対し、アプリケーションプログラム(例えば、エンジン制御プログラム)を書込むためのECU製造工程10及びアプリケーションプログラム書込み工程20を図1に示す。
なお、ECU製造工程10は、例えば、ECUサプライヤ等によって行われる作業の一部である。
なお、後の検査工程において、自動車に組付けられたECU100のROMに、その自動車に応じたアプリケーションプログラムが書込まれているか否かを検査する。また、アプリケーションプログラム書込み工程20は、例えば、自動車工場等のECU組付け工程に関連して行われる作業である。
また、自動車工場等では、アプリケーションプログラム書込み工程20のROM書込みの前まで、車種毎のECU100の保持及び管理(在庫状況など)が不要となる。よって、これらの工程により、ECUサプライヤ及び自動車工場等では、製造及び管理等を大幅に削減できるメリットがある。
この要求に応じるECU100及び書込みツール200の構成を図2に示す。
ECU100は、CAN(Controller Area Network)などの通信回線300によって、書込みツール200に対し着脱可能に接続される。
RAM130には、第1のバッファ領域133及び第2のバッファ領域134が存在する。第1のバッファ領域133及び第2のバッファ領域134は、ROM110にデータを書込むときに使用される。
書込みツール200は、ストレージ210(例えば、ハードディスク)及び通信回路240を含んで構成される。
また、書込みツール200は、端末(例えば、パーソナルコンピュータ)及びECU100と接続する装置を含み、書込みツール200を操作する作業者が、書込みツール200に対し対話的に指示を出すことができる。書込みツール200は、ストレージ210に格納されている書込みデータを、ECU100に対して転送する。
通信回路240には、通信バッファ領域241が存在する。通信バッファ領域241は、書込みツール200が通信回路240によってECU100と通信するときに使用される。
ECU100の通信バッファ領域141には、一定のサイズの通信バッファ(例えば、CANにおけるメールボックス)が複数存在する。ECU100は、各装置と通信するとき、通信バッファ領域141の通信バッファのうち、通信相手となる装置との通信用として予め割当てられている通信バッファを使用する。
なお、それぞれの通信バッファは、データの送信に使用される送信バッファ(TX)と、データの受信に使用される受信バッファ(RX)とに分かれている。また、通信相手となる装置との通信用として予め割当てられている通信バッファの数を、車載状態の通信環境で使用する数とする。
なお、通信バッファ領域241の通信バッファのサイズは、ECU100の通信バッファ領域141の通信バッファのサイズと同じである。
即ち、書込みツール200が64バイトのデータを8バイトに分けて転送し、ECU100は8バイト受信するごとに書込みツール200に応答を返すため、通信回数が16回となる。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、作業者が、書込みツール200にECU100を接続する。ECU100は、書込みツール200に接続されると電源が投入され、マイクロコンピュータ120が最低限プログラムを実行することによって、書込みツール200と通信可能になり、書込みツール200から転送されるデータの受信待ち状態となる。
ECU100は、転送されたアプリケーションプログラム等を受信しながら、アプリケーションプログラムをROM110に書込む。以下、このステップ2の処理を、プログラム書込み全体処理と呼ぶ。
なお、この後、ECU100は、各自動車に組付けられる。また、検査工程において、ECU100のROM110に正しいアプリケーションプログラムが書込まれた否か(例えば、組付けられた自動車に応じたアプリケーションプログラムか否か)がチェックされる。正しいアプリケーションプログラムが書込まれていなければ、自動車に組付けられたECU100に対し、書込みツール200を接続し、正しいアプリケーションプログラムを書込む。
ステップ11では、書込みツール200は、作業者によって書込みプログラム及びROM110に書込むためのアプリケーションプログラムが指定されると、書込みプログラム及びアプリケーションプログラムを転送するデータ転送プログラムを起動する。そして、書込みツール200は、データ転送プログラムによって、ECU100に対し、書込みプログラム(例えば、書込みプログラム2)の転送を開始するメッセージを送信すると共に、指定された書込みプログラムを転送する。
書込みプログラムは、ECU100に転送され、通信環境の変更などの初期化処理、書込みデータの受信処理、及び、書込みデータをROM110に書込む処理をECU100上で実行する。
また、書込みプログラムは、書込みメインプログラム及び書込みサブプログラムから構成される。
また、書込みメインプログラムは、書込みツール200から転送されるアプリケーションプログラムを、書込みプログラムに応じた書込み条件(書込むROMの領域のアドレス等)によってROM110に書込む。
書込みサブプログラムは、書込みメインプログラムから起動され、通信バッファ領域141にある受信データを、第1のバッファ領域及び第2のバッファ領域にコピーする。
各アプリケーションプログラムは、それぞれの車種に応じたエンジン制御用プログラム等である。
ここで、RAM展開プログラムは、ECU100が受信した書込みプログラムをRAM130上に展開する処理を行う。従って、ECU100は、書込みプログラムを受信しながら、RAM展開プログラムによって、受信した書込みプログラムをRAM130に展開する。
ステップ14で、ECU100は、書込みプログラムによって、ECU100と書込みツール200との間の通信環境を、その書込みプログラムに応じた通信環境に変更し、書込みツール200に対し、アプリケーションプログラムの送信を要求するメッセージを送信する。
また、プログラム書込み全体処理の途中で、何からの異常(例えば、書込みプログラム動作時、書込みツール200との通信が切断された等)が発生した場合は、ECU100が自らをリセットする。そして、ECU100の通信環境は、初期状態に戻る。
このため、例えば、通信速度がより高速な書込みプログラムを動作させることで高速に通信を行い、プログラム書込み全体処理を高速化することができる。
なお、ECU100に書込みツール200に加えて他の装置が接続された状況でも、ECU100は、プログラム書込み全体処理の間、他の装置との通信を遮断し、書込みツール200のみと通信するようにすれば、プログラム書込み全体処理を実行することができる。
このため、作業者は、書込みプログラムを、他の装置と共通の通信環境を確立するものを指定し、プログラム書込み全体処理を実施する。このとき、ECU100は、書込みツール200のみと通信し、他の装置との通信を遮断する。
アプリケーションプログラム書込み工程20のような状況において、ECU100は、書込みツール200以外の装置と通信しないため、書込みツール200以外の装置と通信するために予め割当てられた通信バッファ(以下、他の装置用通信バッファと略記する)は、使用されない。
図6の例では、ECU100は、書込みツール200と通信するとき、書込みツール用通信バッファとして2個の通信バッファ、及び、他の装置用通信バッファのうちの7個の通信バッファを使用する。
このとき、ECU100が使用する9個の通信バッファは、TXとして1個、RXとして8個を設定する。なお、このとき、書込みツール200の通信バッファ領域241の通信バッファは、TXが8個、RXが1個となる。
即ち、書込みツール200が64バイトのデータを1つのデータとして8バイトごとに分けて転送し、ECU100は8バイトのデータを8個受信するごとに書込みツール200に応答を返す。このため、通信回数が9回となる。
また、他の装置用通信バッファを使用するため、通信バッファのオーバライトを気にすることなく、書込みツール200が連続してデータを転送することができる。
図7及び図8は、書込みツール200において、書込みプログラム及びアプリケーションプログラムが作業者によって指定されたことを契機として、データ転送プログラムが、書込みツール200によって実行する処理のフローチャートを示す。
ステップ33では、データ転送プログラムが、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信したか否かを判定する。データ転送プログラムは、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信していれば、処理をステップ34に進める(Yes)一方、ECU100から次のデータの要求メッセージを受信していなければ、処理をステップ33に戻す(No)。
データ転送プログラムは、ECU100からメッセージを受信していれば、処理をステップ37に進める(Yes)一方、ECU100からメッセージを受信していなければ、処理をステップ36に戻す(No)。
データ転送プログラムは、受信したメッセージが、書込みプログラムが正当に転送された旨のメッセージであれば、処理をステップ38に進める(Yes)一方、受信したメッセージが、書込みプログラムが正当に転送された旨のメッセージでなければ、処理をステップ39に進める(No)。
なお、アプリケーション転送処理サブルーチンは、指定されたアプリケーションプログラムのデータを、複数に分割して転送する処理を行う。以下では、この分割して転送するデータを分割データと呼ぶ。
ステップ41では、データ転送プログラムは、書込みツール200がECU100よりメッセージを受信したか否かを判定する。データ転送プログラムは、ECU100よりメッセージを受信していれば、処理をステップ42に進める(Yes)一方、ECU100よりメッセージを受信していなければ、処理をステップ41に戻す(No)。
ここで、データの読出しサイズは、転送した書込みプログラムがECU100において確立する通信環境で使用する各RXのサイズの総計から、チェックサムのサイズを減算した値にする。
また、分割データに対し、書込みツール200側で、何番目に転送した分割データであるかを示すシーケンス番号を分割データに含め、ECU100側で、受信した分割データのシーケンス番号をチェックすることで、正しい順序で分割データが受信できたか否かをチェックするようにしてもよい。
例えば、分割データが64バイト、及び、1個あたり8バイトのTXが通信バッファ領域241に8個ある場合、データ転送プログラムは、分割データを、8バイトごとに8個のデータに分けて各TXに格納する。
なお、TXに格納されたデータは、通信回路240によって、ECU100に転送される。
データ転送プログラムは、受信したメッセージが分割データ書込みNGメッセージでなければ、処理をステップ48に進める(Yes)一方、受信したメッセージが分割データの書込みNGメッセージであれば、処理をステップ50に進める(No)。
データ転送プログラムは、アプリケーションプログラムの転送を最後まで完了していれば、処理をステップ49に進める(Yes)一方、アプリケーションプログラムの転送を最後まで完了していなければ、処理をステップ41に進める(No)。
RAM展開プログラムは、書込みツール200からデータを受信していれば、処理をステップ52に進める(Yes)一方、書込みツール200からデータを受信していなければ、処理をステップ51に戻す(No)。
RAM展開プログラムは、受信したデータが書込みプログラムの転送完了メッセージであれば、処理をステップ53に進める(Yes)一方、受信したデータが書込みプログラムの転送完了メッセージでなければ、処理をステップ56に進める(No)。
RAM展開プログラムは、転送された書込みプログラムが正当であれば、処理をステップ54に進める(Yes)一方、転送された書込みプログラムが正当でなければ、処理をステップ58に進める(No)。
ステップ55では、RAM展開プログラムが、RAM130に展開した書込みプログラムのなかの書込みメインプログラムを起動する。
ステップ57では、RAM展開プログラムが、書込みツール200に対し、次のデータの要求メッセージを送信する。
なお、ROM書込み処理サブルーチンは、分割データの転送元である書込みツール200から分割データを受信し、分割データに基づいてアプリケーションプログラムのデータをROM110に書込む処理を行う。
ステップ71では、書込みメインプログラムが、第1のバッファ領域133を、書込みツール200から受信する分割データをコピーするためのコピー用の領域に設定する。
ステップ73では、書込みメインプログラムが、ROM110に書込むデータ(アプリケーションプログラムのデータ)のうち、何番目のデータが処理中であるかを表わすカウンタである変数nに1を代入する。
ステップ75では、書込みメインプログラムは、書込みツール200から受信した分割データがコピー用の領域にコピーされたことを示すメッセージ(分割データのコピー完了メッセージ)を書込みサブプログラムより通知されたか否か判定する。書込みメインプログラムは、分割データのコピー完了メッセージが通知されていれば、処理をステップ76に進める(Yes)一方、分割データのコピー完了メッセージが通知されていなければ、処理をステップ75に戻す(No)。
書込みメインプログラムは、初回の分割データが正常に受信できていれば、処理をステップ77に進める(Yes)一方、初回の分割データが正常に受信できていなければ、処理をステップ78に進める(No)。
なお、分割データの再送要求メッセージと共に、分割データを正常に受信できなかったことを示すメッセージ(分割データの受信NGメッセージ)を、書込みツール200に送信するようにしてもよい。
なお、分割データの送信要求メッセージと共に、前回の分割データを正常に受信できたことを示すメッセージ(分割データの受信OKメッセージ)を、書込みツール200に送信してもよい。
書込みメインプログラムは、n番目のデータがROM110に正常に書込まれていれば、処理をステップ82に進める(Yes)一方、n番目のデータがROM110に正常に書込まれていなければ、処理をステップ84に進める(No)。
書込みメインプログラムは、コピー用の領域に格納されたデータがアプリケーションの転送完了メッセージであれば、処理を終了する(Yes)一方、コピー用の領域に格納されたデータがアプリケーションの転送完了メッセージでなければ、処理をステップ87に進める(No)。
ステップ85では、書込みメインプログラムが、書込みを行ったROM110の領域のデータを消去する。
ステップ87では、書込みメインプログラムが、コピー用の領域にコピーされたn+1番目の分割データをチェックサムにより検証することによって、n+1番目の分割データが正常に受信できたか否かを判定する。書込みメインプログラムは、n+1番目の分割データが正常に受信できていれば、処理をステップ88に進める(Yes)一方、n+1番目の分割データが正常に受信できていなければ、処理をステップ91に進める(No)。
なお、n+1番目の分割データの検証は、n+1番目の分割データを受信した直後に書込みサブプログラムが行ってもよい。
なお、分割データの送信要求メッセージと共に、n番目の分割データをROM110に書込んだ旨のメッセージ(分割データの書込みOKメッセージ)及びn+1番目の分割データを受信した旨のメッセージ(分割データの受信OKメッセージ)を書込みツール200に送信するようにしてもよい。
ステップ91では、書込みメインプログラムが、n+1番目の分割データを再度取得するために、分割データの再送要求メッセージを書込みツール200に送信する。なお、分割データの再送要求メッセージと共に、n+1番目の分割データが正常に受信できなかった旨のメッセージ(分割データの受信NGメッセージ)を、書込みツール200に送信するようにしてもよい。
ステップ101では、書込みサブプログラムが、受信した分割データを、通信バッファ領域141のRXからコピー用の領域にコピーする。
なお、コピー用の領域を、通信バッファ領域141のRXに相当する領域に設定し、ECU100が、コピー用の領域を使用してデータを受信するようにしてもよい。この場合、通信バッファ領域141のRXからコピー用の領域に分割データをコピーする処理が不要となる。
これにより、ECU100において、一方のバッファ領域を使用しROM110にデータを書込む処理と、分割データの受信、及び、受信した分割データを他方のバッファ領域にコピーする処理とを並列に行うことができる。このため、プログラム書込み全体処理に要する時間を削減することができる。
ここで、書込みツール200が転送するプログラムの大きさは、180バイトである。また、ECU100の各RXのサイズの総計は64バイトである。
書込みツール200は、アプリケーションプログラムのデータのうち、最初の62バイトのデータを読み、2バイトのチェックサムを付加して初回の分割データを作成し、ECU100に転送する。
次に、ECU100は、初回の分割データの検証を行い、第2の分割データの送信要求メッセージを書込みツール200に送信する。また、ECU100は、第1のバッファ領域133を使用し、データをROM110に書込む処理、及び、書込みデータの検証を行う。
また、ECU100は、第2の分割データの検証及び初回の書込みデータの検証が完了すると、第3の分割データの送信要求メッセージを書込みツール200に送信する。さらに、ECU100は、第2のバッファ領域134を使用し、データをROM110に書込む処理、及び、書込みの検証を行う。
書込みツール200は、第4の分割データの送信要求メッセージを受信すると、アプリケーションの転送完了メッセージをECU100に送信する。
また、1つの書込みツール200に複数のECU100を接続し、1つの書込みツール200が、各ECU100に対し、ROM110に書込むためのデータを時分割に転送するようにしてもよい。
(イ)前記制御プログラム及びデータの受信に使用する通信バッファは、車載状態の通信環境で未使用な通信バッファを含むことを特徴とする請求項1記載の自動車用電子制御装置。
前記プログラムの受信を、車載状態の通信環境で使用する数を超える数の通信バッファを使用して行うことを特徴とする自動車用電子制御装置。
前記プログラムの受信を、車載状態の通信環境で使用する数を超える数の通信バッファで行うことを特徴とするデータ通信方法。
Claims (1)
- 少なくとも、車両制御の制御プログラムと通信バッファの設定プログラムの書込みを行う外部書込み装置に接続される自動車用電子制御装置であって、
前記自動車用電子制御装置は、
一時的に制御プログラム及びデータを保持する揮発性メモリと、
電気的にデータの消去及び書込みが可能な不揮発性メモリと、
前記外部書込み装置との通信に用いる第1の通信バッファと車両制御を行う外部装置との通信に用いる第2の通信バッファを有する通信回路部と、
を含んで構成され、
前記外部書込み装置から受信した前記通信バッファの設定プログラムによって、前記第2の通信バッファを前記第1の通信バッファとして割当て、前記第1の通信バッファ及び前記第1の通信バッファとして割当てられた前記第2の通信バッファを用いて制御プログラム及びデータを受信することを特徴とする自動車用電子制御装置。
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