JP5944499B2 - 合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法および組成物 - Google Patents

合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法および組成物 Download PDF

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Description

本発明は、合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法、および、合成鉱物粒子を含む組成物に関する。
本明細書において、「鉱物粒子」は、炭素を、含む場合は、炭酸塩またはシアン化物の形態でしか含まない、すべての無機粒子を意味する。
本明細書において、「熱水処理」は、オートクレーブなどの閉鎖容器内で、水の存在下、所定の温度および大気圧を超える圧力で行われるすべての処理を意味する。
ホウ酸塩またはケイ酸塩などの多数の鉱物が様々な産業分野で用いられている。タルクなどのフィロケイ酸塩鉱物粒子は、例えば、微粒子の形態で、熱可塑性物質、エラストマー、紙、塗料、ニス、繊維、冶金、医薬品、化粧品、植物病害防除製品さらには肥料など、多数の産業部門で用いられており、これらにおいて、タルクなどのフィロケイ酸塩は、不活性添加剤(これらの化学的安定性のため、さらには、高価な活性化合物の希釈のため)または機能的添加剤(例えば一部の材料の機械的特性を強化するため)として組成物中に組み込まれて用いられている。
式SiMg10(OH)のケイ酸マグネシウム水和物である天然タルクは、フィロケイ酸塩族に属する。フィロケイ酸塩は、結晶構造を有する基本シートの不規則な積層から構成され、基本シートの数は数単位から数十単位まで様々である。フィロケイ酸塩(層状ケイ酸塩)のうち、特にタルク、雲母およびモンモリロナイトを含む群は、各基本シートが1層の八面体層とその両側に位置する2層の四面体層の組み合わせで構成されることを特徴とする。この群は2:1型フィロケイ酸塩に該当し、これは特にスメクタイトを包含する。2:1型フィロケイ酸塩はまた、その構造からT.O.T.(四面体−八面体−四面体)型とも呼ばれる。
2:1型フィロケイ酸塩の八面体層はO2−およびOHイオン(O2−/OHのモル割合は2:1)の2つの平面で形成されている。この中央層の両側に、四面体の二次元格子が配置され、四面体の頂点の1つは八面体層の1個の酸素が占める一方、他の3つの頂点は、ほぼ同一平面上にある酸素で占められる。
タルクについては、これらの用途の多くに関し、高い純度、粒子の細かさおよび良好な結晶特性が求められており、その理由は、これらの特性が最終製品の品質を決定づけるものだからである。
しかしながら、天然タルクのブロックからの、タルクの破砕および処理による粉末組成物の調製では、得られるタルクの純度、層状特性、および粒子サイズを制御することができない。さらに、天然タルクの破砕は、タルクの非晶質化、または少なくともその結晶化度の大幅な低下を、修復不可能な程にもたらす。
この状況において、WO2008/009799は、式(SiGe1−x11・n’HOのケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの液体状態での300℃〜600℃の温度での熱水処理による、式(SiGe1−x10(OH)のケイ素/ゲルマニウム−金属合成鉱物を少なくとも含むタルク組成物の調製方法を提案している。WO2008/009799によるかかるタルク組成物は、式(SiGe1−x10(OH)のケイ素/ゲルマニウム−金属粒子を含んでおり、この粒子は天然タルクとの構造的類似性を示し、X線回折において、タルクに特徴的な特定の回折線、すなわち、(001)面、(020)面、(003)面および(060)面に対応する線を示す。
このように、WO2008/009799による方法は、純度を制御し得る、タルクに近い合成鉱物の調製を可能にするが、効率、採算性および得られる合成鉱物粒子の構造的品質に関する高度な産業上の要求に適合することは依然として困難である。
WO2008/009799
Ross M.、Smith W.L.およびAshton W.H.、1968、「Triclinic talc and associated amphiboles from Gouverneur mining district,New York;American Mineralogist」、53巻、751〜769頁
本発明は、合成鉱物粒子を含む組成物の改善された調製方法を提案することを目的とする。
本発明はまた、合成ケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物の改善された調製方法を提案することを目的とする。
本発明は、少なくとも1つの非膨潤相を呈する、合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物の改善された調製方法を提案することを目的とする。
本発明は、改善された構造特性を示す合成鉱物粒子、特に合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物の調製方法を提案することを目的とする。
本発明は、合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法であって、調製期間が、従来技術に記載のかかる組成物の調製方法において必要な調製期間に比して顕著に短縮された調製方法を提案することを目的とする。
本発明はまた、タルク組成物の調製方法であって、ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの熱水処理を低い温度で、および/または、短い期間行い、改善された特性を示すフィロケイ酸塩粒子を含むタルク組成物を得ることを可能にする調製方法を提案することを目的とする。
本発明は、実施が簡易かつ迅速であり、産業利用における制約に適合した、かかる方法を提案することを目的とする。
本発明は、積層性を有し、粒度が微細で、粒度分布の分散が小さく、改善された、熱的に安定な結晶構造を有する合成鉱物粒子を含む、高純度の合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物の調製方法を提案することを目的とする。
本発明はまた、改善された特性、特に構造特性を示す合成鉱物粒子を含む組成物を提案することを目的とする。
本発明はまた、様々な用途において、天然タルク組成物の代わりに用いることのできる合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物を提案することを目的とする。
このために、本発明は、合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を、
−ケイ素を含む少なくとも1つの化合物と、
−少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物と
の共沈反応により調製する、前記合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法であって、
前記共沈反応が、式R−COOM’(式中、
−M’はNaおよびKからなる群から選択される金属を示し、
−Rは、Hおよび5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択される)
の少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下で行われることを特徴とする、方法に関する。
実際、本発明者らは驚くべきことに、上記で定義したとおりの、式R−COOM’の少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下で合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製する本発明の方法により、改善された特性を示す合成鉱物粒子が得られることを確認した。特に、式R−COOM’のカルボン酸塩をハイドロゲル前駆体の調製媒体に単純に添加することで、改善された特性、特に結晶化度に関して改善された特性を示す合成鉱物粒子を含む組成物を調製することができる本発明により得られた極めて驚くべき結果に対して、何ら明確な説明を与えることはできない。とりわけ、本発明による方法は、このように、天然タルクに極めて近い、特に従来技術のタルク組成物よりも天然タルクに近い構造特性を示す合成鉱物粒子を含む組成物の調製を可能にする。
本発明により、有利には、少なくとも1つの金属元素を含む化合物として、前記合成鉱物粒子の前記ハイドロゲル前駆体の前記共沈反応で反応するのに適したあらゆる金属化合物を用いることができる。本発明により、有利には、少なくとも1つの金属元素を含む前記化合物は、式M(R−COO)
(式中:
−RはHおよび5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
−Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1つの二価金属を示し、ここで、各y(i)は、
Figure 0005944499

となるような範囲[0,1]の実数を表す)
のジカルボン酸塩である。
本発明により、有利には、前記ハイドロゲルは、前記合成鉱物粒子の取得を可能にすることに適したあらゆる処理、例えば、熱水処理に供される。
本発明により、有利には、前記合成鉱物粒子を得るために、前記ハイドロゲルを、次に、150℃〜400℃の温度の熱水処理に供する。
とりわけ、ハイドロゲルの熱水処理が行われる温度は、150℃〜370℃、特に200℃〜350℃である。
また、熱水処理の期間は、特に熱水処理が行われる温度に応じて、前記合成鉱物粒子の取得を可能にすることに適したものである。本発明により、有利には、前記ハイドロゲルを30分〜30日、とりわけ1時間〜15日、例えば2時間〜24時間の期間熱水処理に供する。
とりわけ、本発明により、有利には、前記ハイドロゲル前駆体の共沈媒体を直接熱水処理に供する。実際、式R−COOM’の前記カルボン酸塩を含む前記ハイドロゲル前駆体の共沈媒体を熱水処理を実行するために保持することが可能であり、しかも、前記カルボン酸塩の存在により前記熱水処理を加速することができる。
このように、本発明による方法は、式R−COOM’の少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下で合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製し、続けて、すなわち前記ハイドロゲルの共沈媒体を変更することなしに、前記ハイドロゲル前駆体を熱水処理により合成鉱物粒子を含む組成物に変換することで、簡易な手法で合成鉱物粒子を含む組成物を調製することを可能にする。
基RおよびRは、同一であっても異なっていてもよい。本発明により、有利には、基RおよびRは、CH−、CH−CH−およびCH−CH−CH−からなる群から選択される。とりわけ、本発明により、有利には、基RおよびRは同一である。
本発明により、有利には、ケイ素を含む化合物として、前記合成鉱物粒子の前記ハイドロゲル前駆体の前記共沈反応で反応するのに適した、少なくとも1つのケイ素原子を含むあらゆる化合物を用いる。とりわけ、本発明により、有利には、ケイ素を含む前記化合物は、ケイ酸ナトリウムおよびシリカ(二酸化ケイ素)からなる群から選択される。本発明により、有利には、ケイ素を含む化合物としてメタケイ酸ナトリウムを用いる。
本発明により、有利には、前記合成鉱物粒子の前記ハイドロゲル前駆体は、式(SiGe1−x11・n’H
(式中、
−xは範囲[0,1]の実数であり、
−n’は前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルに結合する水分子の数に関する)
のケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルである。
本発明による方法の特に有利な実施形態において、前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルは式Si11・n’HOを有する。この場合、前記式Si11・n’HOのケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルは、ケイ素−金属ハイドロゲルである。
本発明により、有利には、前記合成鉱物粒子は、ケイ酸塩鉱物粒子、すなわち、構造が四面体[SiO]基を含むケイ酸塩族に属する粒子である。とりわけ、本発明により、有利には、前記合成鉱物粒子は、フィロケイ酸塩鉱物粒子、すなわち、例えば雲母やタルクを包含する層状ケイ酸塩族に属する粒子である。
本発明により、有利には、前記フィロケイ酸塩鉱物粒子は、化学式(SiGe1−x10(OH)の2:1型フィロケイ酸塩の基本シートの積層で形成される少なくとも1つの非膨潤相を呈する。とりわけ、本発明による方法の特に有利な実施形態において、前記非膨潤層は、化学式Si10(OH)、より特定すると化学式SiMg10(OH)(この場合、Mはマグネシウムを示す)の2:1型フィロケイ酸塩の基本シートの積層で形成されてもよい。
とりわけ、本発明による方法で調製された式(SiGe1−x11・n’HOのケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲル前駆体の熱水処理の後、X線回折において、9.40Å〜9.90Åの距離に位置する(001)面の特徴回折線を少なくとも1つ示す合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物を得る。かかる回折線の存在は、天然タルクに極めて近い製品(produit)に特徴的である。また、かかる組成物は、X線回折において、12.00Å〜18.00Åの距離に位置する面の特徴回折線を示さない。この回折線は、通常、層間カチオン、および、場合によっては水分子が存在する層間空間を呈する膨潤相が残存していることを明らかにする。かかる膨潤相は式(SiGe1−x10(OH)のタルク製品とは異なる。
また、本発明による方法により得られた合成フィロケイ酸塩鉱物粒子を含む組成物は、X線回折において、4.60Å〜4.80Åの距離に位置する(002)面の特徴回折線を少なくとも1つ示す。
本発明により、有利には、式R−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)は、ケイ素に対して、0.1〜9のモル比R−COOM’/Siを示すように存在する。
本発明により、有利には、ハイドロゲル前駆体の調製媒体中のカルボン酸塩(単数または複数)の濃度は、合成鉱物粒子を含む組成物を、短縮された期間の熱水処理の後に得ることを可能にするために適合させることができる。本発明により、有利には、式R−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)は、0.2mol/L〜5mol/Lの式R−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)の濃度を示すように存在する。
本発明により、有利には、前記ハイドロゲル、特に前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ゲルの熱水処理をオートクレーブを用いて行う。これは、例えば、Hastelloy(登録商標)(Haynes International、Kokomo、米国から市販)などのニッケルベースの合金で形成されたオートクレーブ、または、チタン製のオートクレーブ、もしくは場合によっては熱水処理の温度が250℃を超えない場合は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の内部ライナーを有する鋼製のオートクレーブであってもよい。かかるオートクレーブは、任意の容量、例えば、200mL〜50Lの容量を呈していてもよい。
本発明により、有利には、前記熱水処理を機械的撹拌下で行う。このために、例えば金属製の内部ローターを備えたオートクレーブを用いてもよい。
本発明により、有利には、前記熱水処理を0.5MPa(5バール)〜20MPa(200バール)の圧力で行う。本発明により、有利には、前記熱水処理を自生圧力下、すなわち、水の飽和蒸気圧(気相が液相と平衡状態となる圧力)に少なくとも等しい圧力で行う。熱水処理の過程でオートクレーブ内で達成される自生圧力は、したがって、特に、前記熱水処理を行う温度、オートクレーブの容量および存在する水量に依存する。熱水処理を、水の飽和蒸気圧または自生圧力より高い圧力で、熱水処理を行う容器内で行うこともできる。このために、熱水処理を行うオートクレーブまたは容器内に、熱水反応に対して化学的に中性のガスを注入する。かかるガスは、不活性ガス(希ガス)、特にアルゴン、二窒素(N)、二酸化炭素および空気(圧縮空気)からなる群から選択される。
本発明により、有利には、オートクレーブ内に、前記ハイドロゲル、とりわけ前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルとともに、処理温度に達したこのオートクレーブ内部で飽和蒸気雰囲気をもたらすのに少なくとも十分な量の水(好ましくは蒸留水)を追加する。
本発明により、有利には、熱水処理を、2〜20、特に5〜15の液体/固体比(液体の量はcmで表示し、固体の量はグラムで表示し、乾燥ハイドロゲルのみの、すなわち、カルボン酸塩(単数または複数)を考慮しない量を示す)を有する液化されたハイドロゲル、とりわけケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルを用いて行う。場合によっては、必要に応じて、前記液化ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルに、この比を達成するのに適切な量の水を追加する。
本発明により、有利には、本発明に従うケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの熱水処理終了時に、少なくとも1つの非膨潤相を呈するフィロケイ酸塩鉱物粒子を含むコロイド溶液の形態にある組成物を得る。溶液状のこれらの合成鉱物粒子は、粒子が相互に1つ1つ分かれた、合成鉱物粒子の凝集体(単数または複数)が極めて少ないか、存在しない状態にある。
本発明により、有利には、熱水処理の後で、カルボン酸塩(単数または複数)の水溶液中に懸濁した合成鉱物粒子を含むコロイド組成物を回収する。前記コロイド組成物は、次いで、場合によっては前記カルボン酸塩(単数または複数)を少なくとも一部除去するような水による洗浄工程の後、乾燥工程に供してもよい。かかる洗浄工程は、前記コロイド組成物の洗浄/遠心分離を少なくとも1サイクル含む。
本発明の方法により得た、合成鉱物粒子を含む前記組成物は、任意の粉末乾燥技術により乾燥することができる。本発明により、有利には、前記熱水処理に引き続き、得られた前記合成鉱物粒子を凍結乾燥により乾燥する。乾燥はまた、乾燥機を用いて、例えば、60℃〜130℃の温度で1時間〜48時間の間、マイクロ波照射下で、または噴霧化によって行ってもよい。
さらに、熱水処理の後に得られた合成鉱物粒子を含む組成物を、空気中、350℃を超え、かつ、合成鉱物粒子の分解温度未満の温度での無水熱処理に供することができる。本発明により、有利には、熱水処理の後に得られた合成鉱物粒子を含む組成物を、350℃〜850℃、とりわけ400℃〜750℃、とりわけ450℃〜600℃の温度で、例えば、30分〜24時間の期間、無水熱処理に供する。本発明により、有利には、前記熱水処理の後、前記合成鉱物粒子を含む組成物を無水熱処理に供する。かかる熱処理または「焼鈍」は、得られた粒子の結晶化度をさらに上昇させることを可能にする。
本発明はまた、合成鉱物粒子を含む組成物であって、X線回折において、以下の特徴回折線:
−9.40Å〜9.90Åの距離に位置する(001)面、
−4.60Å〜4.80Åの距離に位置する(002)面、
−3.10Å〜3.20Åの距離に位置する(003)面、
−1.51Å〜1.53Åの距離に位置する(060)面
を示し、
(002)面の特徴回折線の強度は、4.40Å〜4.60Åの距離に位置する(020)面に対応する信号強度より高く、(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度の比は、0.60〜1.50であることを特徴とする、組成物に関する。
かかる組成物は、本発明の方法により調製される。実際、とりわけ、長い期間および/もしくは十分に高い温度で行われる熱水処理の場合、ならびに/または、無水熱処理の結果として、かかる組成物が、X線回折において、強度が、4.40Å〜4.60Åの距離に位置する(020)面の代表回折線の強度よりも、(020)面の代表回折線が(002)面の特徴回折線によって隠れ得るほど高い、4.60Å〜4.80Åの距離に位置する(002)面の特徴回折線を示すことが可能である。
本発明により、有利には、前記合成鉱物粒子は、2:1型フィロケイ酸塩の、化学式(SiGe1−x10(OH)
(式中、
−xは範囲[0,1]の実数であり、
−Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1つの二価金属を示し、ここで、各y(i)は、
Figure 0005944499

となるような範囲[0,1]の実数を表す)
の基本シートの積層で形成される少なくとも1つの非膨潤相を呈するフィロケイ酸塩鉱物粒子である。
とりわけ、前記組成物は、X線回折において、通常、膨潤相が多少なりとも多く残存していることを明らかにする、12.00Å〜18.00Åの距離に位置する面の特徴回折線を示さない。
また、本発明による組成物の近赤外線スペクトルは、天然タルクの振動バンドに特徴的な線を示す。本発明により、有利には、本発明による組成物は、近赤外線において、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1に振動バンドを示す。
さらに、本発明による合成鉱物粒子を含む組成物の近赤外線スペクトルは、本発明による合成タルク組成物に特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水分子の存在を明らかにする、5000cm−1〜5500cm−1に位置する振動バンドを示す。したがって、本発明により、有利には、本発明による合成タルク組成物は、近赤外線において、シート辺縁に結合した水の存在に対応する、5000cm−1〜5500cm−1、とりわけ5200cm−1〜5280cm−1に位置する振動バンドを示す。高い強度を示すかかる振動バンドの存在は、本発明による合成タルクと天然タルクの赤外線における他の振動バンドが類似していることから、本発明による合成タルクと天然タルクとの識別を可能にし得る。
本発明は、上記または下記の特徴のすべてまたは一部の組み合わせを特徴とする、合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法および合成鉱物粒子を含む組成物にも関する。
本発明の他の目的、利点および特徴は、本明細書、および、本発明による方法により得た組成物に対して行ったX線回折分析に対応する回折図を表す添付の図面を参照する以下の実施例を読むことにより明らかになる。
A/−本発明による合成鉱物粒子を含む組成物の調製の一般的手順
1/−ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの調製
ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルは、式R−COOM’(式中、M’はNaおよびKからなる群から選択される金属を示し、Rは、Hおよび5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択される)の少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下での、試薬としての、ケイ素を含む少なくとも1つの化合物、式M(R−COO)の少なくとも1つのジカルボン酸塩が関わる共沈反応により調製することができる。
この共沈反応は、タルクの化学量論(4のSiに対し3のM、Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)、式中、各y(i)は、
Figure 0005944499

となるような範囲[0,1]の実数を表す)を有するケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲル水和物を得ることを可能にする。
ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルは:
1.メタケイ酸ナトリウム5水和物水溶液もしくはメタゲルマン酸ナトリウム水溶液、または、これら2つの溶液の、モル割合x:(1−x)での混合物、
2.1つまたは複数の式M(R−COO)のジカルボン酸塩を、酢酸などのカルボン酸で希釈して調製した、ジカルボン酸塩(単数または複数)の溶液、および
3.1つまたは複数の式R−COOM’のカルボン酸塩を、蒸留水で希釈して調製した、カルボン酸塩(単数または複数)の溶液
から実施する共沈反応によって調製する。
このケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの調製は、以下の手順に従って行う:
1.メタケイ酸ナトリウム溶液と、式R−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)とを混合する、
2.式M(R−COO)のジカルボン酸塩(単数または複数)の溶液を速やかに添加すると、共沈ハイドロゲルが直ちに生成する。
さらに、前記ハイドロゲルの調製媒体を超音波処理に供することができる。
この沈殿の後、水溶液中のケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲル(SiGe1−x11・n’HOをカルボン酸塩(単数または複数)が得られ、前記ハイドロゲルは強く水和しており、多少なりともゼラチン様の稠度を示す。
式R−COOM’およびR−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)の存在下で得たケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲル(SiGe1−x11・n’HOは、こうして、いつでも熱水処理に直接供することができる。
ハイドロゲルはまた、遠心分離(例えば、3000〜15,000rpm、5〜60分間)および上清(カルボン酸塩(単数または複数)の溶液)の除去、場合によっては、脱イオン水での洗浄(例えば、連続する2回の洗浄および遠心分離)とその後の乾燥、例えば、乾燥機内での(60℃、2日間)、凍結乾燥による、噴霧乾燥による、または、マイクロ波照射下での乾燥による、乾燥の後に回収することもできる。式(SiGe1−x11・n’HOのケイ素/ゲルマニウム−金属粒子は、こうして、以後の場合による熱水処理のために、粉末の形態(水での洗浄が行われたか否かに応じて、カルボン酸塩(単数または複数)の存在下または不在下)で保管することができる。
2/−前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの熱水処理
上記で得た、乾燥させたまたは乾燥させていないケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲル(SiGe1−x11・n’HOを特に150℃〜370℃の温度で熱水処理に供する。
このために:
1.沈殿後に得られた(適切な場合、式R−COOM’およびR−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)との懸濁物の状態の)、または事前に乾燥させたハイドロゲルを、反応器/オートクレーブに入れる、
2.必要があれば、前記ハイドロゲルに、(水和物または無水物の形態の)式R−COOM’のカルボン酸塩を少なくとも1つ含む水溶液を撹拌下で添加する、
3.場合により、液体/固体比を2〜20、特に5〜15の値に調整する(液体の量はcmで表示し、固体の量はグラムで表示し、乾燥ハイドロゲルのみの、すなわち、カルボン酸塩(単数または複数)を考慮しない量を示す)、
4.反応器/オートクレーブを、処理の全期間にわたって、(150℃〜350℃で設定された)所定の反応温度の炉または乾燥機の内部に入れる。
熱水処理の過程で、ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルは次第にゼラチン様の稠度を得る。熱水処理の後に得られる鉱物粒子を含む組成物は、X線回折において観察可能な結晶化度を示し、この結晶化度は熱水処理の期間とともに上昇し、対応する回折図において、処理の過程で急速に細く強くなる特徴的な線の急速な出現として表れる。
さらに、近赤外線分析により、Mg−OH結合の振動に対応する振動バンドの強度もまた熱水処理の期間とともに増大することが観察された。
この熱水処理の後、カルボン酸塩(単数または複数)の水溶液中に懸濁された、フィロケイ酸塩鉱物粒子を含むコロイド状のタルク組成物を得る。この熱水処理の終了時に、反応器内に含有されるタルク組成物を遠心分離(3000〜15,000rpm、5〜60分間)とその後の上清の除去により回収する。上清溶液は、式R−COOM’の前記塩(単数または複数)を含有しており、当該カルボン酸塩(単数または複数)を回収し、再利用するために保存してもよい。
好ましくは、回収した鉱物粒子を含む組成物を、次に、洗浄/遠心分離を少なくとも2サイクル行うことにより、水、とりわけ蒸留水またはRO水で洗浄する。
最後の遠心分離の後に回収される鉱物粒子を含む組成物は、次に:
−60℃〜130℃の温度の乾燥機で1〜24時間、または
−凍結乾燥により、例えば、CHRIST ALPHA(登録商標)1−2 LD Plus型の凍結乾燥機で48時間〜72時間、
−または噴霧化により
乾燥してもよい。
最終的に、ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルの調製に用いた式M(R−COO)のジカルボン酸塩(単数または複数)の性質(およびまた、適切な場合、このジカルボン酸塩(単数または複数)のそれぞれの割合)に応じた色の、分割された固体組成物を得る。
本発明者らは、こうして、当初のハイドロゲルの、結晶化された熱的に安定な材料への変換を可能にするのに比較的短い期間の熱水処理で十分であることのみならず、得られる合成鉱物粒子が改善された結晶化度を示すことにも気付くことができた。
本発明による方法により得られるタルク組成物に含有されるフィロケイ酸塩鉱物粒子は、既知のタルク組成物の調製方法において従来必要とされた熱水処理の期間に比べ有意に短縮された期間の熱水処理にもかかわらず、純度、結晶化度および熱安定性に関して顕著な特性を示す。
さらに、本発明による方法により得られた組成物、とりわけタルク組成物は、場合によっては、熱水処理に引き続き、5バール(0.5MPa)未満の圧力、350℃を超え、かつ、合成鉱物粒子の分解温度未満の温度、特に450℃〜600℃の温度で、例えば30分〜24時間、とりわけ1〜15時間の期間行われる、無水熱処理に供してもよい。
B/−分析および構造の特性化
上述の手順に従って得られたタルク組成物の分析結果は下記に報告されている。これらの結果は、本発明により、天然タルクのものと非常に類似した構造的特徴(特に積層性および結晶化度)を有する合成フィロケイ酸塩鉱物粒子の形成を効率的に達成できることを確認するものである。これらの結果はまた、本発明が、特に実施温度および実施期間の選択により、極めて簡易に、安定で純粋な、規定の予測可能なサイズおよび結晶特徴を有する合成ケイ素/ゲルマニウム−金属鉱物粒子の合成を可能にすることを示している。
分析は、特にX線回折、赤外線および電子顕微鏡観察により行った。収集したデータは、添付の図面および実施例に示してあり、下記で解説されている。
1/−X線回折分析
X線(XR)回折において、アーノルド鉱山(ニューヨーク州、米国)に由来するタルクのような天然タルクは、以下の特徴回折線を示すことが知られている(刊行物Ross M.、Smith W.L.およびAshton W.H.、1968、「Triclinic talc and associated amphiboles from Gouverneur mining district,New York;American Mineralogist」、53巻、751〜769頁による):
−(001)面については、9.34Åの距離に位置する線、
−(002)面については、4.68Åの距離に位置する線、
−(020)面については、4.56Åの距離に位置する線、
−(003)面については、3.115Åの距離に位置する線、
−(060)面については、1.52Åの距離に位置する線。
図1〜図3は、X線回折図を示し、そのそれぞれにおいて、オングストロームで表示した格子間距離に応じた信号の相対強度(秒当たりカウント)が表されている。
図1および図2は、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での3時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線1)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での6時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線2)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での18時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線3)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での24時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線4)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での10日間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線5)
に対して行ったX線回折の分析結果を示す。
図2は、図1に表す回折図の一部、すなわち、2Å〜4Åの格子間距離に対応する回折図の部分のみを拡大して示したものであり、このようにすることで、(003)面に対応する線をより良好に視覚化することができる。
図3は、酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、300℃での18時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物(曲線3)、ならびに、550℃での5時間の無水熱処理後のこの同じ合成タルク組成物(曲線10)に対して行ったX線回折の分析結果を示す。
図1〜図3に表したX線回折図は、INEL社(Artenay、フランス)から市販されている装置CPS120に記録した。これは湾曲検出器を備えた回折計であり、120°の角度範囲のリアルタイム検出が可能である。使用した加速電圧は40kV、電流は25mAである。構造上の等距離を与えるブラッグの関係式は、dhkl=0.89449/sinθ(コバルト製の対陰極を使用)である。
このX線回折による分析により、本発明に従って調製したタルク組成物のフィロケイ酸塩鉱物粒子と、天然タルクの粒子との間に構造上の高い類似性が存在することが確認される。
とりわけ、(003)面および(060)面にそれぞれ対応する回折線は、天然タルクの基準回折線の位置と完全に一致する位置を有する。
さらに、調製したタルク組成物のX線回折図の分析により、各タルク組成物について、その「コヒーレントドメイン」、すなわちc*方向に大きな欠陥なく積層した基本シートの数(合成鉱物粒子の結晶格子の逆格子空間の数)を決定することも可能となる。コヒーレントドメインは、(00l)の線について決定することができ、対応する線の中程の幅と、対応する回折角とに特に依存する。合成タルクの場合、コヒーレントドメインは、とりわけ(003)の線から決定する。
LYAONING(中国)省由来の天然タルクは、例えば、70シートのコヒーレントドメインを呈する。
本発明の方法により調製したタルク組成物は、天然タルクのコヒーレントドメインと同様であり、かつ、同等の温度および期間の熱水処理による従来技術の合成タルクのコヒーレントドメインを上回るコヒーレントドメインを呈する。
調製したタルク組成物のX線回折図の分析により、(001)面の特徴回折線の強度と(003)面の特徴回折線の強度との比を決定し、これを天然タルクのものと比較することも可能となる。LYAONING(中国)省由来の天然タルクについて、(001)面の特徴回折線の強度と(003)面の特徴回折線の強度との比は0.61である。
2/−近赤外線分析
赤外線において、天然タルクが、近赤外線において、Mg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1に振動バンドを示すことが知られている。
図4および図5は近赤外線スペクトルを示し、それぞれのスペクトルにおいて、cm−1表示の波長に応じた信号強度が表されている。図5は、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での3時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線11)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での6時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線12)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での18時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線13)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での24時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線14)、
−酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での10日間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)(曲線15)、および、LYAONING(中国)省由来の天然タルク組成物(曲線16)
の近赤外線スペクトルを表す。
図4は、酢酸ナトリウムの存在下でのケイ素−金属ハイドロゲルの沈殿と、前記ハイドロゲルの300℃の温度での18時間の熱水処理を伴う本発明の方法により調製された、合成タルク組成物SiMg10(OH)の近赤外線スペクトル(曲線13)、ならびに、550℃での5時間の無水熱処理後のこの同じ合成タルク組成物の近赤外線スペクトル(曲線20)を表す。
これらのスペクトルの取得は、NICOLET 6700−FTIR分光計により、9000cm−1〜4000cm−1の領域で行った。
3/−顕微鏡観察および粒子の粒度の評価
本発明に従うタルク組成物を構成し得る粉末の微細さを考慮し、同組成物を構成するフィロケイ酸塩鉱物粒子のサイズおよび粒度分布を、電界効果型走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡での観察により評価した。
基本粒子の粒度が20nm〜100nmの間で様々であることが確認される。
さらに、本発明の方法により調製された合成タルクの粒子が、多くの産業分野において有益となる可能性がある真珠光沢効果を示すことが観察された。
以下の実施例は、本発明の調製方法、および、その方法によって得られる合成鉱物粒子を含む組成物、とりわけ、フィロケイ酸塩鉱物粒子を含むタルク組成物の構造的特徴を例証する。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
42.43gのメタケイ酸ナトリウム5水和物NaSiO・5HOと140mLの脱イオン水とを含む第1のメタケイ酸ナトリウム水溶液を調製し、この溶液を撹拌下室温(21℃)で10分間維持する。次いで、溶液に、171gの酢酸ナトリウム3水和物CH−COONa・3HOを、溶液を撹拌下10分間、ウォーターバスにより30℃〜50℃の温度に維持しながら添加する。この第1の溶液中の酢酸ナトリウム濃度は4mol/Lである。
次に、32.17gの酢酸マグネシウム4水和物Mg(CH−COO)・4HOと100mLの1Mに濃縮した酢酸とを含む第2の酢酸マグネシウム溶液を調製する。
最後に、メタケイ酸ナトリウムと酢酸ナトリウムとの第1の溶液が室温に戻ったら、第2の溶液を第1の溶液に、撹拌下速やかに一度に添加する。
乳状の稠度のハイドロゲルの形態を呈する合成タルク粒子のハイドロゲル前駆体の懸濁物を得る。ハイドロゲルの沈殿の終了時に、ハイドロゲル懸濁物中の酢酸ナトリウム濃度は、その後の熱水処理中と同様4mol/Lである。得られたハイドロゲルを、次に、直接熱水処理に供する。
ハイドロゲルの熱水処理は、300℃の温度で3時間、80バール(8MPa)(反応器内の水の飽和蒸気圧)の圧力で行う。
このために、こうして得られたハイドロゲルの懸濁物をチタン製の閉鎖反応器内に直接入れる。次いで、チタン製反応器を300℃の温度の炉内に3時間配置する。
室温まで冷却後、反応器を開き、得られた懸濁物を遠心分離する。遠心分離後、タルク組成物を回収する一方で、特に酢酸ナトリウムを含む上清溶液を回収する。この酢酸ナトリウムは、その後回収し、場合によっては再利用することができる。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行う。
遠心分離後に回収したタルク組成物は、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図1に表す(曲線1)。このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.77Åの距離に位置する(001)面(I=100)、
−4.78Åの距離に位置する(002)面(I=33)、
−4.55Åの距離に位置する(020)面(I=26)、
−3.17Åの距離に位置する(003)面(I=61)、
−1.52Åの距離に位置する(060)面(I=11)。
かかるタルク組成物は、12シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は1.49である。
得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図5に表す(曲線11)。同スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。近赤外線スペクトルはまた、本発明の合成タルクに特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する、5251cm−1での振動バンドも示す。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
実施例1に記載の手順に従い、合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製する。
得られたハイドロゲルを直接、300℃の温度で6時間、80バール(8MPa)(反応器内の水の飽和蒸気圧)の圧力での熱水処理に供する。熱水処理中の酢酸ナトリウム濃度は4mol/Lである。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行い、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図1に表す(曲線2)。
このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.45Åの距離に位置する(001)面(I=100)、
−4.72Åの距離に位置する(002)面(I=34)、
−4.57Åの距離に位置する(020)面(I=20)、
−3.14Åの距離に位置する(003)面(I=98)、
−1.53Åの距離に位置する(060)面(I=18)。
かかるタルク組成物は、19シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は1.06である。
得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図5に表す(曲線12)。同スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。近赤外線スペクトルはまた、本発明の合成タルクに特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する、5251cm−1での振動バンドも示す。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
実施例1に記載の手順に従い、合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製する。
得られたハイドロゲルを直接、300℃の温度で18時間、80バール(8MPa)(反応器内の水の飽和蒸気圧)の圧力での熱水処理に供する。熱水処理中の酢酸ナトリウム濃度は4mol/Lである。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行い、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図1に表す(曲線3)。
このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.64Åの距離に位置する(001)面(I=100)、
−4.74Åの距離に位置する(002)面(I=30)、
−4.59Åの距離に位置する(020)面(わずかなショルダー)、
−3.15Åの距離に位置する(003)面(I=100)、
−1.52Åの距離に位置する(060)面(I=5)。
示した対応する線の強度Iは、最も強い線の強度を100に等しいとみなして、回折図の最も強い線に対して正規化してある。本発明の方法により調製されたかかる組成物は、X線回折において、他の線と比べて極めて高い強度の(001)面および(003)面に対応する線を示すことが観察されており、これは天然タルクの結晶化度に極めて近い結晶化度をうかがわせる。さらに、(002)面に対応する線は、(020)面に対応する線より高い強度を示している。(020)面の特徴回折線は(002)面の特徴回折線と一部一体化しており、わずかなショルダーの形で存在するにすぎない。
かかるタルク組成物は、25シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は0.96である。得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図4および図5に表す(曲線13)。同スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。近赤外線スペクトルはまた、本発明の合成タルクに特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する、5251cm−1での振動バンドも示す。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
実施例3で得たタルクを無水熱処理または「焼鈍」に550℃で5時間供する。
こうして焼鈍後に得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物を、X線回折および近赤外線分析により特性化した。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図3に表す(曲線10)。
このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.51Åの距離に位置する(001)面(I=98)、
−4.70Åの距離に位置する(002)面(I=29)、
−3.14Åの距離に位置する(003)面(I=100)、
−1.52Åの距離に位置する(060)面(I=5)。
示した対応する線の強度Iは、最も強い線の強度を100に等しいとみなして、回折図の最も強い線に対して正規化してある。
焼鈍前の合成タルクのX線回折図に比べ、(002)線の強度の、(020)線の強度に対する増大が観察され、(020)線はこのため(002)面の特徴回折線と一体化している。また、(001)線、(002)線および(003)線の強度、つまり、より一般的に、(00l)線の強度の増大も観察される。したがって、このような焼鈍は、調製された合成タルクの結晶化度をさらに上昇させることができ、このため調製された合成タルクの構造的特徴は天然タルクの構造的特徴により一層近づく。
かかるタルク組成物は、焼鈍後、28シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は0.98である。
得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図4に表す(曲線20)。焼鈍後に得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。この振動バンドの強度は、焼鈍前の合成タルクの近赤外線スペクトルに比べ増大しており、これは得られた合成タルクの結晶化度の上昇を証明するものである。また、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する振動バンド(5273cm−1に位置する)の強度の、熱処理前の合成タルクの曲線13に対する減少も観察され、これは焼鈍の過程でシート辺縁でタルクに結合した水分子の数の減少を明らかにしている。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
実施例1に記載の手順に従い、合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製する。
得られたハイドロゲルを直接、300℃の温度で24時間、80バール(8MPa)(反応器内の水の飽和蒸気圧)の圧力での熱水処理に供する。熱水処理中の酢酸ナトリウム濃度は4mol/Lである。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行い、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図1に表す(曲線4)。
このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.54Åの距離に位置する(001)面(I=100)、
−4.73Åの距離に位置する(002)面(I=31)、
−3.15Åの距離に位置する(003)面(I=96)、
−1.52Åの距離に位置する(060)面(I=7)。
(002)面に対応する線が、(020)面に対応する線より高い強度を示しており、(020)面の特徴回折線が(002)面の特徴回折線と一部一体化しており、ごくわずかなショルダーの形で存在するにすぎないことが観察される。
かかるタルク組成物は、24シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は0.96である。
得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図4および図5に表す(曲線14)。同スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。近赤外線スペクトルはまた、本発明の合成タルクに特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する、5251cm−1での振動バンドも示す。
本発明の合成鉱物粒子を含む組成物の調製
実施例1に記載の手順に従い、合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を調製する。
得られたハイドロゲルを直接、300℃の温度で10日間、80バール(8MPa)(反応器内の水の飽和蒸気圧)の圧力での熱水処理に供する。熱水処理中の酢酸ナトリウム濃度は4mol/Lである。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行い、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
次に、回収したタルク組成物に対し、脱イオン水での洗浄と遠心分離のサイクルを2回連続して行い、最終的に72時間の凍結乾燥により乾燥する。
こうして得られた、式SiMg10(OH)の合成タルク組成物のX線回折図を図1に表す(曲線5)。
このタルク組成物のX線回折図は、タルクの回折線に対応する回折線、とりわけ以下の特徴回折線を示す:
−9.51Åの距離に位置する(001)面(I=92)、
−4.73Åの距離に位置する(002)面(I=26)、
−3.14Åの距離に位置する(003)面(I=100)、
−1.52Åの距離に位置する(060)面(I=5)。
(002)面に対応する線が、(020)面に対応する線より高い強度を示しており、(020)面の特徴回折線が(002)面の特徴回折線と一体化しており、(002)面の特徴回折線と識別することが困難であることが観察される。
かかるタルク組成物は、34シートのコヒーレントドメインを呈する((003)線を使用)。(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度との比は0.81である。
得られた合成タルク組成物の近赤外線スペクトルを図5に表す(曲線15)。同スペクトルは、タルクのMg−OH結合の振動に代表的な7185cm−1での振動バンドを示す。近赤外線スペクトルはまた、本発明の合成タルクに特徴的な、シート辺縁でタルクに結合した水の存在に対応する、5251cm−1での振動バンドも示す。
このように、熱水処理の期間が増大すればするほど(無水熱処理についても同様)、得られる合成タルク組成物は、天然タルクに、とりわけコヒーレントドメインの値および(001)面の特徴X線回折線の強度と、(003)面の特徴X線回折線の強度との比に関して、近づくことが分かる(同じハイドロゲル前駆体および一定の熱水処理温度について)。
このように、本発明による種々の合成タルクの近赤外線スペクトルが、天然タルクの近赤外線スペクトル(図5、曲線16)に、天然タルクでは本発明による合成タルクほど高い強度ではない5000cm−1〜5500cm−1の振動バンドを除き、極めて近いことを指摘することができる。
本発明は、上記の実施形態および実施例に対する、他の多数の用途および様々な改変の対象となり得る。とりわけ、前記タルク組成物は、(SiGe1−x11・n’HOにおいて、Mが式(Co0.5Ni0.5)を有するような、異なる金属が八面体位置に位置するフィロケイ酸塩鉱物粒子を含んでもよい。

Claims (16)

  1. 合成鉱物粒子のハイドロゲル前駆体を、
    −ケイ素を含む少なくとも1つの化合物と、
    −少なくとも1つの金属元素を含む少なくとも1つの化合物と
    の共沈反応により調製する、合成鉱物粒子を含む組成物の調製方法であって、
    前記共沈反応が、式R−COOM’
    (式中、
    −M’は、NaおよびKからなる群から選択される金属を示し、
    −R は、Hおよび5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択される)
    の少なくとも1つのカルボン酸塩の存在下で行われることを特徴とする、方法。
  2. 少なくとも1つの金属元素を含む前記化合物が、式M(R−COO)
    (式中、
    −Rは、Hおよび5個未満の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
    −Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1つの二価金属を示し、ここで、各y(i)は、

    Figure 0005944499

    となるような範囲[0,1]の実数を表す)
    のジカルボン酸塩であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記合成鉱物粒子を得るために、前記ハイドロゲルを、次に、熱水処理に供することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ハイドロゲル前駆体の共沈媒体を直接熱水処理に供することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 基RおよびRが、CH−、CH−CH−およびCH−CH−CH−からなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 基RおよびRが同一であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. ケイ素を含む化合物としてメタケイ酸ナトリウムを用いることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記合成鉱物粒子が、ケイ酸塩鉱物粒子であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記合成鉱物粒子が、フィロケイ酸塩鉱物粒子であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記合成鉱物粒子の前記ハイドロゲル前駆体が、式(SiGe1−x11・n’H
    (式中、
    −xは、範囲[0,1]の実数であり、
    −n’は、前記ケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルに結合する水分子の数である)
    のケイ素/ゲルマニウム−金属ハイドロゲルであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式R−COOM’のカルボン酸塩(単数または複数)が、ケイ素に対して、0.1〜9のモル比R−COOM’/Siを示すように存在することを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記熱水処理を150℃〜400℃の温度で行うことを特徴とする、請求項3ないし11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記熱水処理を5バール〜200バールの圧力で行うことを特徴とする、請求項3ないし12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 成鉱物粒子を含む組成物であって、該組成物が、X線回折において、以下の特徴回折線:
    −9.40Å〜9.90Åの距離に位置する(001)面、
    −4.60Å〜4.80Åの距離に位置する(002)面、
    −3.10Å〜3.20Åの距離に位置する(003)面、
    −1.51Å〜1.53Åの距離に位置する(060)面
    を示し、
    (002)面の特徴回折線の強度は、4.40Å〜4.60Åの距離に位置する(020)面に対応する信号強度より高く、(001)面の特徴回折線の強度と、(003)面の特徴回折線の強度の比は、0.60〜1.50であることを特徴とする組成物。
  15. 前記合成鉱物粒子が、2:1型フィロケイ酸塩の、化学式(SiGe1−x10(OH)
    (式中:
    −xは範囲[0,1]の実数であり、
    −Mは、式Mgy(1)Coy(2)Zny(3)Cuy(4)Mny(5)Fey(6)Niy(7)Cry(8)を有する少なくとも1つの二価金属を示し、ここで、各y(i)は、

    Figure 0005944499

    となるような範囲[0,1]の実数を表す)
    の基本シートの積層で形成される少なくとも1つの非膨潤相を呈するフィロケイ酸塩鉱物粒子であることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
  16. 近赤外線において、シート辺縁に結合した水の存在に対応する、5000cm−1〜5500cm−1に位置する振動バンドを示すことを特徴とする、請求項14または15に記載の組成物。
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