JP5940427B2 - 電解加工工具及び電解加工システム - Google Patents

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Description

本発明は、電解液を介して電極と被加工材との間を通電することにより、被加工材を電解加工するための電解加工工具、及びこの電解加工工具を備えた電解加工システムに関する。
機械加工が困難な難削材の穿孔加工は、一般的に電解加工法や放電加工法によって行われており、特に高アスペクト比を有する難削材に対して穿孔加工をする際には電解加工法が用いられる。
ところで、例えばガスタービンのタービン翼内には、このタービン翼を冷却すべく冷却媒体を流通させるための冷却孔が形成されている。この冷却孔による冷却効率を高めるためには、冷却孔の形状をタービン翼の幾何形状に沿って湾曲させることが好ましい。しかしながら、従来のタービン翼に対する電解加工法では直線孔の形成は可能であるが、湾曲形状に沿った加工孔、即ち、曲がり孔を形成することは困難であった。
ここで例えば特許文献1には、曲がり孔を加工すべく工夫を施した曲がり孔加工装置が開示されている。この曲がり孔加工装置では、加工用電極工具の表面における一部を除いて絶縁部材で覆うことにより加工用電極工具の周方向位置で加工量に差を持たせることとしている。即ち、絶縁部材で覆われていない部分においては被加工材と加工用電極工具との間に発生する電流が大きくなる。従ってこの部分で加工量が多くなり、この加工量の多い側に加工用電極工具が進行していくことで曲がり孔が形成されるようになっている。
特開平7−51948号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、加工用電極工具の表面の絶縁部材で覆われている部分と覆われていない部分との間の加工量の差によって加工用電極工具の進行方向を決定している。このため、場合によっては絶縁部材で覆われていない部分での加工量が絶縁部材で覆われている部分での加工量と比較して極端に大きくなってしまい、加工孔の形状が歪になってしまうおそれがある。従って、形状を管理しながら加工孔を形成することが難しいといった問題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、所望の曲率の曲がり孔を容易に形成しながら、孔形状を精度よく管理することができる電解加工工具及び電解加工システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る電解加工工具は、軸線に沿って延在する筒状をなして可撓性を有する導電性材料からなり、内側を先端側に向かって電解液が流通する電極、及び、前記電極の外周面に被覆された絶縁層を有して先端に前記電極が露出する第一通電部が形成された工具本体を備え、前記工具本体に、前記絶縁層が周方向の所定範囲にわたって開口することにより前記電極の外周面が露出された第二通電部と、該第二通電部よりも前記工具本体の基端側で、前記絶縁層の周方向の少なくとも前記所定範囲を除く部分が前記周方向にわたって開口することにより、前記電極の外周面が露出された第三通電部と、が形成されていることを特徴とする。
このような電解加工工具によると、第一通電部において、工具本体の先端から導出された電解液を介して電極と被加工材との間が通電し、被加工材が電解されながら加工孔が形成されていく。この際、第二通電部において周方向の所定範囲で電極と被加工材との間での通電が起こるため、被加工材の加工量は第二通電部に対向する位置でより多くなる。従って、加工孔の孔形状は、第二通電部の形成された所定範囲で径方向外側に向かって突出するような歪な断面形状に形成されるとともに、この突出する方向に工具本体が湾曲しながら進行していく。さらにこの状態で第三通電部において電極と被加工材との間が通電することで、第一通電部及び第二通電部によって形成された加工孔の内面のうち、径方向外側に向かって突出する凸形状となっているところを電解し、第二通電部によって歪になった加工孔の形状の修正を行っていくことで、加工孔を滑らかな内面形状を有する曲がり孔として加工することができる。
また、前記工具本体における前記第二通電部が形成された前記所定範囲とは前記軸線を挟んで前記周方向の反対側の部分に、前記電極を流通する前記電解液を前記工具本体の径方向外側に向かって導出する流体導出部が形成されていてもよい。
電解液は、電極の先端から導出される他、一部は流体導出部から工具本体の径方向外側へと向かって導出されることとなる。この際、流体導出部から導出された電解液が被加工材に形成された加工孔の内面に流体作用力を付与することにより、工具本体にはその反力が付与される。これにより電解液の動圧効果を利用して、工具本体が反力の方向に撓むように変位し、より確実に加工孔を曲がり孔として形成することができる。
また、工具本体に及ぼされる反力の大きさは、電極の内側を流通する電解液の流量に応じた値となるため、流体導出部からの電解液の流量を調整することで工具本体の変位量を決定することができる。
さらに、前記工具本体に、前記先端側から前記基端側に向かって順に、前記第二通電部、前記流体導出部、前記第三通電部が形成されていてもよい。
このような順に第二通電部、第三通電部、流体導出部が形成されていることで、第三通電部によって加工孔の孔形状が修正される前に流体導出部から電解液を導出することができる。即ち、より工具本体と加工孔の内面との距離が小さい状態で電解液を導出することができるため、電解液の動圧効果をより有効に利用可能となり、さらに容易に加工孔を所望の形状の曲がり孔として加工できる。
また、本発明に係る電解加工システムは、上記の電解加工工具と、前記電解加工工具を被加工材に対して所定の進行方向となるように案内するガイド部と、前記電解加工工具を進行させる移動機構と、を備えることを特徴とする。
このような電解加工システムによると、電解加工工具によって被加工材が電解されながら加工孔が形成される際、被加工材の加工量は第二通電部に対向する位置でより多くなる。このため、第二通電部の形成された所定範囲で径方向外側に向かって突出するような歪な孔形状に形成され、この突出する方向に工具本体が曲がりながら進行する。この状態で第三通電部において電極と被加工材との間が通電することで、第一通電部及び第二通電部によって形成された加工孔の内面のうち、径方向外側に向かって突出する凸形状となっているところを優先的に電解しながら、歪な形状となった加工孔の形状の修正を行う。よって、加工孔を滑らかな内面形状を有する曲がり孔として加工することができる。
本発明の電解加工工具及び電解加工システムによると、工具本体に形成された第一通電部、第二通電部、第三通電部によって、所望の曲率の曲がり孔を容易に形成しながら、孔形状を精度よく管理することが可能である。
本発明の第一実施形態に係る電解加工システムを示す全体概略図である。 本発明の第一実施形態に係る電解加工システムに関し、電解加工工具を示す縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電解加工システムに関し、電解加工工具の側面図であって、(a)は、図2のA矢視図であり、(b)は(a)のB矢視図である。 本発明の第一実施形態に係る電解加工システムに関し、(a)は電解加工工具及び加工孔を軸線方向から見た横断面図であり、(b)は電解加工工具及び加工孔を径方向から見た縦断面図であってC−C断面図が(a)である。 本発明の第一実施形態の第一変形例に係る電解加工システムに関し、図3(a)と同様に見た電解加工工具の側面図である。 本発明の第一実施形態の第二変形例に係る電解加工システムに関し、図3(a)と同様に見た電解加工工具の側面図である。 本発明の第一実施形態の第三変形例に係る電解加工システムに関し、図3(a)と同様の位置から見た電解加工工具の側面図である。 本発明の第二実施形態に係る電解加工システムに関し、電解加工工具を示す縦断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態に係る電解加工システム1について説明する。
電解加工システム1は、被加工材100に対して、湾曲する曲がり孔である加工孔101を形成するための装置である。本実施形態では一例として、被加工材100はガスタービンのタービン翼であり、被加工材100の加工孔101は、タービン翼を冷却するための冷却孔となっている。
図1に示すように、この電解加工システム1は、被加工材100へ加工孔101を形成する電解加工工具3と、この電解加工工具3を進行させる移動機構4と、電解加工工具3を進行させる際にこの電解加工工具3を案内するガイド部5とを備えている。
移動機構4は、電解加工工具3を被加工材100に対して進退させる。そして、本実施形態の移動機構4は、被加工材100であるタービン翼の先端100a側に配置され、この先端100aに対して進退移動可能に構成されている。
そしてこの移動機構4は、例えば図示しない電動機等の駆動源を用いて電解加工工具3の進退移動を行なう。
さらに、この移動機構4は、被加工材100側の面に電解加工工具3の基端10bを把持する複数の把持部4aを有している。この把持部4aは、内部が中空状とされた筒状をなしており、その一端側に電解加工工具3の基端が挿入されることで電解加工工具3を把持可能としている。また、把持部4aの他端側は、不図示の電解液流通路に接続されており、この電解液流通路を介して把持部4aの内部に電解液W(図2参照)が供給されるようになっている。この電解液Wの供給量は、図示しない流量制御装置によって任意に調整可能とされている。なお、電解液Wとしては、例えば硫酸、硝酸、食塩水等が用いられる
ガイド部5は、移動機構4と被加工材100の先端100a(タービン翼のチップシュラウド)との間に配置されており、移動機構4によって進退される電解加工工具3を被加工材100の先端100aに対して所定の進行方向となるように案内する。このガイド部5には、移動機構4側と被加工材100側とを互いに連通する複数のガイド孔5aが穿設されている。これらガイド孔5aにはそれぞれ電解加工工具3が移動機構4側から被加工材100側に向かって挿通されている。そして、この状態でこれら電解加工工具3が移動機構4によって前進させられることで、ガイド孔5aの配置に応じて被加工材100の先端10aにおける所望の位置に、かつ、先端100aに対して所望の角度で電解加工工具3を導入することができるようになっている。
次に、電解加工工具3について説明する。
図2に示すように、電解加工工具3は、被加工材100に加工孔(タービン翼の冷却孔)101を電解加工により形成するものであって、電極11、及びこの電極11を外周から覆う絶縁層12を有して、全体として筒状をなす工具本体10を備えている。
またこの工具本体10には、一部が絶縁層12によって覆われずに電極11が露出する第一通電部15、第二通電部16、第三通電部17が形成されている。
工具本体10における電極11は、軸線Oに沿って延びる筒状をなしており、例えばステンレス、銅、チタン等の可撓性を有する導電性材料から構成されている。この電極11の内周側の中空部分(電極11の内部)は、移動機構4の把持部4aの中空部分と連通している。これによって、電極11の内部には、工具本体10の基端10b側(移動機構4側)から先端10a側(被加工材100側)に向かって、電解加工に供される電解液Wが流通されるようになっている。また、先端10a側での電極11の端面は、軸線Oに直交する平坦状、もしくはテーパ形状をなしている。なお、本実施形態では電極11は円筒状をなしているが、例えば断面多角形の角筒状をなしていてもよい。
工具本体10における絶縁層12は、電極11の外周面に被覆されており、例えば電気絶縁性を有するポリエステル系の樹脂等から構成されている。
第一通電部15は、工具本体10の先端10a側の端面で電極11が露出することにより形成されており、工具本体10の先端10aから導出される電解液Wを介して被加工材100との間で通電可能となっている。
図2及び図3に示すように、第二通電部16は、工具本体10の先端10aと基端10bとの間となる先端10a側寄りの中途位置で、電極11の外周面が周方向の所定範囲で露出することで、被加工材100と径方向に対向するように形成されている。そして、工具本体10の先端10aから導出される電解液Wを介して被加工材100との間で通電可能となっている。なお、この第二通電部16はできるだけ工具本体10の先端10a側に形成されていることが好ましい。また第二通電部16は、工具本体10の先端10aの端部に設けられて、第二通電部16と先端10aとの間に絶縁層12が無い状態となっていてもよい。
第三通電部17は、第二通電部16よりも工具本体10の基端10b側で、電極11の外周面が周方向にわたってリング状に露出して、被加工材100と径方向に対向するように形成されている。そして、工具本体10の先端10aから導出される電解液Wを介して被加工材100との間で通電可能となっている。
このような電解加工システム1においては、ガイド部5によって案内された電解加工工具3の内部に電解液Wを順次供給しながら、この移動機構4を被加工材100に向かって徐々に進行させていく。この際、上記の流量制御装置によって電解液Wの流量が調整される。
そして、図4(b)に示すように、工具本体10の内部、即ち電極11の内部を流通した電解液Wが、工具本体10の先端10aから導出され、工具本体10と加工孔101の内面との間の空間が電解液Wによって満たされる。
その後、工具本体10の電極11を陰極、被加工材100を陽極としてこれら電極11と被加工材100との間に電圧が印加される。その結果、電解液Wを介して電極11の先端10a側の端面と被加工材100の加工孔101の内面との間が通電することで被加工材100が電解し、電解加工工具3の進行に伴って加工孔101が延びるように加工されていく。
ここで、第一通電部15によって加工孔101が延びるように加工されていく際、第二通電部16によっては、周方向の上記所定範囲で電極11と被加工材100との間が通電するため、被加工材100の加工量は第二通電部16の形成された周方向位置でより多くなる。従って、図4(a)の実線に示すように、孔形状は第二通電部16の形成された所定範囲で径方向外側に向かって突出するような歪な孔形状に形成される。そして、図4(b)に示すように、この突出する方向に工具本体10が曲がりながら進行していく。
さらにこの状態で、第三通電部17によって、電極11と被加工材100との間が通電することで、図4(a)の二点鎖線に示すように、第一通電部15及び第二通電部16によって形成された加工孔101の内面のうち径方向外側に向かって突出する凸形状となっているところを優先的に除去していきながら、第二通電部16によって歪な形状となった孔の修正を行っていく。
ここで孔の形状修正を第三通電部17によって行うに際して、第二通電部16によって加工されて歪になった部分での第三通電部17と加工孔101の内面との間の距離は大きくなり、この部分での第三通電部17による加工は進みにくくなる。一方で、その他の部分では第三通電部17と加工孔101の内面との間の距離は小さくなるため、第三通電部17による加工は進み易くなる。この結果、図4(a)の二点鎖線に示すように、第三通電部17によって加工孔101はきれいな円形断面となるように形状が修正され、最終的に滑らかな内面形状を有する曲がり孔を加工することができる。
本実施形態の電解加工システム1によると、第一通電部15によって加工孔101を延びるように形成し、第二通電部16によって加工孔101を所望の方向に湾曲するようにし、最終的に第三通電部17によって加工孔101断面を円形となるように修正することができる。よって、加工孔101を所望の曲率の曲がり孔を容易に形成しながら、孔形状を精度よく管理することが可能である。
ここで図5に示すように、第三通電部17Aは、必ずしも周方向にわたってリング状に形成されていなくともよく、例えば第二通電部16が形成された周方向の少なくとも所定範囲を除く部分に形成されていればよい。このようにすることで、加工孔101において、第二通電部16によって加工された部分以外を確実に第三通電部17Aによって加工することができるようになるため、より効率的に加工孔101の断面形状を円形とすることができる。
また図6に示すように、リング状に形成されており、かつ第二通電部16の形成された周方向の所定範囲に向かうに従って、電極11の露出部分が漸次低減するように、周方向視で第二通電部16の形成された位置に向かって軸線O方向の幅寸法が狭くなっていく三角形状に第三通電部17Bを形成してもよい。これにより第二通電部16が形成された周方向の所定範囲での電解量を低減でき、第二通電部16によって加工された加工孔101の内面を第三通電部17Bによって電解し過ぎてしまうことを防止できる。
ここで、工具本体10が周方向に揺動されながら加工が行われる場合には、第二通電部16によって加工される範囲は周方向に広がった範囲となる。このため、例えば図7のように、第二通電部16が形成された周方向の、少なくとも所定範囲を除く部分のみに形成し、かつ、周方向視で第二通電部16の形成された位置に向かうに従って、軸線O方向の幅寸法が漸次狭くなっていくような周方向視でナイフ状となるように、第三通電部17Cを形成してもよい。このようにすることで、第二通電部16によって加工された加工孔101の内面を第三通電部17Cによって電解し過ぎてしまうことを防止できる。
即ち、目標とする電解量にあわせて第三通電部17、17A、17B、17Cの形状を決定すればよく、その形状は適宜変更可能である。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係る電解加工システム21について説明する。
なお、第一実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、電解加工工具22の工具本体23において、第一通電部15、第二通電部16、第三通電部17(17A、17B、17C)に加えて、さらに流体導出部24が形成されている点で第一実施形態とは異なっている。
図8に示すように、流体導出部24は工具本体23の周方向位置の一部に形成されて、電極11の内側を流通する電解液Wを工具本体23の径方向外側に向かって導出する。
そして本実施形態においては流体導出部24として、電極11及び絶縁層12を径方向に貫通して電極11本体の内外を連通させる孔部を採用しており、工具本体23の径方向から見た形状は、周方向及び軸線O方向を向く線分を辺として構成された矩形状をなしている。なおこの孔部の形状は矩形状に限られることなく、例えば、円形や正方形状等の他の形状であってもよい。
また、この流体導出部24は、軸線O方向について第二通電部16と第三通電部17(17A、17B、17C)との間に形成されている。換言すると、工具本体23の先端10aから基端10bに向かって順に、第二通電部16、流体導出部24、第三通電部17(17A、17B、17C)が形成されていることとなる。
さらにこの流体導出部24は、第二通電部16が形成された上記所定範囲とは軸線Oを挟んで周方向の反対側の部分、即ち、流体導出部24である孔部の中心位置と、第二通電部16の形成された所定範囲の中心位置とが、軸線O回りに180°離間した位置に形成されている。
このような電解加工システム21においては、第一通電部15、第二通電部16、第三通電部17(17A、17B、17C)によって被加工材100に加工孔101が延びるように形成されていく。この際、流体導出部24からは工具本体23内部の電解液Wの一部が径方向外側に向かって導出される。
この際、流体導出部24から導出された電解液Wが加工孔101の内面に流体作用力F1を付与することにより、工具本体23にはその反力F2が流体作用力F1の反対向きに付与される。本実施形態では、第二通電部16が形成された位置から軸線O回りに180°離間した位置から、径方向外側に向かって電解液Wが導出されるため、第二通電部16が、対向する加工孔101内面に近接する方向に、工具本体23に反力F2が及ぼされる。
ここで電極11自体は可撓性を有しているため、電解液Wの動圧効果を利用して工具本体23は反力F2の方向に撓むように変位し、第二通電部16が、対向する加工孔101の内面に、より近接するように電極11が曲げ変形されて加工孔101が形成されるため、さらに確実に被加工材100の加工孔101を曲がり孔として形成することができる。
さらに、工具本体23に及ぼされる反力F2の大きさは、電極11の内側を流通する電解液Wの流量に応じた値となるため、電解液Wの流量を調整することで工具本体23の曲げ変位量を決定することができ、確実に所望の形状の曲がり孔を形成することができる。
また、流体導出部24は、第二通電部16よりも工具本体23の基端23b側に形成し、第三通電部17(17A、17B、17C)よりも工具本体23の先端23a側に形成されていることで、第三通電部17によって孔の孔形状が修正される前に、流体導出部24から電解液Wを導出することができる。即ち、より工具本体23と加工孔101の内面との距離が小さい状態で電解液Wを導出することができるため、電解液Wの動圧効果をより有効に利用可能となり、さらに容易に加工孔101を曲がり孔として加工できる。
ここで例えば、第二通電部16、流体導出部24、第三通電部17(17A、17B、17C)の形成順序は、例えば工具本体23の先端23aから基端23bに向かって順に第二通電部16、第三通電部17、流体導出部24が形成されていてもよい。即ち、少なくとも第二通電部16よりも第三通電部17の方が基端10b側に形成されていればよく、流体導出部24の形成位置は、上述の実施形態に限定されることはない。
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
上述の実施形態では、第二通電部16は工具本体10(23)の先端10a(23a)と基端10b(23b)との間となる中途位置で、かつ工具本体10(23)の先端10a(23a)寄りの位置に形成されている。しかし、例えば第二通電部16は第一通電部15に連続するように形成されていてもよく、即ち、第一通電部15と第二通電部16との間に絶縁層12が設けられていなくともよい。
また、第三通電部17(17A、17B、17C)は、加工孔101内で電解液Wの流速が周方向に安定する位置に形成することが好ましく、即ち、工具本体10(23)の先端10a(23a)から、ある程度の離間した位置に形成するのが好ましい。
また、上述の実施形態のように、被加工材100はタービン翼に限定されず、加工孔101もタービン翼の冷却孔である場合に限定されず、様々な部材の孔加工に上述の電解加工システム1(21)を適用することができる。
なお、電解加工工具3(22)については、第三通電部17(17A、17B、17C)による加工孔101の拡径分を考慮し、より小径の電解加工工具3(22)を用いることで、所望の孔径の加工孔101を形成することができる。
1…電解加工システム 3…電解加工工具 4…移動機構 4a…把持部 5…ガイド部 5a…ガイド孔 10…工具本体 10a…先端 10b…基端 11…電極 12…絶縁層 15…第一通電部 16…第二通電部 17…第三通電部 17A、17B、17C…第三通電部 100…被加工材 100a…先端 101…加工孔 O…軸線 W…電解液 F1…流体作用力 F2…反力 21…電解加工システム 22…電解加工工具 23…工具本体 23a…先端 23b…基端 24…流体導出部 F1…流体作用力 F2…反力

Claims (4)

  1. 軸線に沿って延在する筒状をなして可撓性を有する導電性材料からなり、内側を先端側に向かって電解液が流通する電極、及び、前記電極の外周面に被覆された絶縁層を有して先端に前記電極が露出する第一通電部が形成された工具本体を備え、
    前記工具本体に、前記絶縁層が周方向の所定範囲にわたって開口することにより前記電極の外周面が露出された第二通電部と、
    該第二通電部よりも前記工具本体の基端側で、前記絶縁層の周方向の少なくとも前記所定範囲を除く部分が前記周方向にわたって開口することにより、前記電極の外周面が露出された第三通電部と、が形成されていることを特徴とする電解加工工具。
  2. 前記工具本体における前記第二通電部が形成された前記所定範囲とは前記軸線を挟んで前記周方向の反対側の部分に、前記電極を流通する前記電解液を前記工具本体の径方向外側に向かって導出する流体導出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電解加工工具。
  3. 前記工具本体に、前記先端側から前記基端側に向かって順に、前記第二通電部、前記流体導出部、前記第三通電部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電解加工工具。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電解加工工具と、
    前記電解加工工具を被加工材に対して所定の進行方向となるように案内するガイド部と、
    前記電解加工工具を進行させる移動機構と、
    を備えることを特徴とする電解加工システム。
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