JP5939214B2 - 反射板 - Google Patents
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Description
前記極薄金属板の長辺側または短辺側のいずれかの辺側の両端部をそれぞれ固定部材に巻き付け、それら2つの固定部材のうち、少なくとも一方の固定部材を移動可能に保持しておき、
前記移動可能に保持された固定部材の両端近傍、または/および、前記固定部材の両端の間である枠辺中間部に1ヶ所以上、に設置した調整部材により、双方の固定部材が離間する方向に固定部材を移動させて、前記極薄金属板に張力を導入するとともに、その導入された張力に応じて、固定部材への極薄金属板の固定が強固になるようにしたことを特徴とする反射板。
前記固定部材を、極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有する円形断面の管状体とするとともに、当該固定部材の長手方向に極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有するスリット部を設けておき、
当該スリット部に前記極薄金属板の両端部の折り曲げ部を挿入した後、前記極薄金属板の反射面の裏面側に向って前記固定部材を1周以上回転させ、前記極薄金属板を前記固定部材に巻き付けて保持することを特徴とする前記[1]に記載の反射板。
前記調整部材により、前記押圧部材を双方の固定部材が離間する方向に移動させて、極薄金属板に張力を導入するとともに、前記押圧部材と前記固定部材によって極薄金属板を挟圧支持することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の反射板。
本発明の実施形態1について述べる。
反射板1の枠10には、反射面に用いる極薄金属板11に剛性がなく、導入張力が大きいため、強固な材料を用いる。鋼材やアルミ押し出し材など、適切な材料を用いて、所定の強度、剛性を確保する必要がある。幅、長さは任意に設定可能である。
反射面に用いる極薄金属板11は、自重で塑性変形を生じてしまう程度の薄い板厚を基本とするが、自重で自立するのが難しい厚みと大きさを有し、固定部材への巻き付け可能な厚さまでの板厚を包含して定義したものである。基材の材質は、入手と取り扱いの容易さから、例えば、鋼板が好ましい。強度は使用環境に応じて選択すればよいが、引張強度270〜490MPaが好適である。反射面の幅が300mm程度以下、長さが1〜2m程度の場合、基材の厚さは、0.05mm程度から0.3mm程度までが最も好適である。この範囲外の強度や板厚でも、反射板1および各部材の大きさを考慮して、任意に設定することができる。例えば、極薄金属板11の板厚が厚くなると、重量やスプリングバックの増加により、極薄金属板11は、後述する固定部材12に巻き付けにくくなっていくが、反射板11の幅や長さが大きくなると、導入張力が大きくなるため、変形防止のためには、固定部材12も大型化する必要があり、この場合は、曲率が大きくなるため、0.5mm、あるいはそれ以上の板厚でも問題なく使用できる。
少なくとも一方の固定部材12は、極薄金属板11の短辺の長さ方向に沿って水平方向に平行移動可能な状態で、極薄金属板11の長辺側端部を保持する。固定部材12は、鋼管等の金属管として、形状は円形が望ましいが、角部にRがある角鋼管を用いてもよい。
形鋼により構成した長方形枠10の長辺側の両端部に、固定部材12の固定部を設ける。ただし、長方形枠10にハット形鋼を利用するなどして、上方から固定部材12を押さえる構造であれば、別途固定部を設ける必要はない。
第2固定部14には、固定部材12を固定するボルト21用のボルト孔24のほかに、ねじ切り部(めねじ部)25を設け、短辺の中心方向をねじ頭側にして、有効ねじ長さが水平移動距離以上となるボルト(調整部材)15を配した調整部を有する。ボルト21の本数を2本とすると、その2本のボルト21の間に調整部材15を設けるとよい。調整部材15先端側には、ばねをはめ込んでもよい。調整部材15をねじ込むことによって、調整部材15が固定部材12を押し出し、極薄金属板11に張力を与える。この際、極薄金属板11は、固定部材12に巻きつけられているので、より固定部材12に強く締め付けられることになり、固定度合も向上していく。
極薄金属板11が薄いため、枠長辺中間部では、調整部材15のねじ込みだけで固定部材12の押し出しを行うと、調整部材15先端で極薄金属板11を損傷させる恐れがある。そこで、枠長辺端部に設置した調整部材15のねじ先端と固定部材11の間には、板状の押圧部材16を介するとよい。固定部材12を固定するボルト21の本数を1箇所あたり2本とすると、押圧部材16の両端に、ボルト21を貫通させ、容易にスライド可能となる大きさの貫通孔26を設ければよく、調整部材15をねじ込むことによって、押圧部材16は枠の外側に移動し、固定部材12を押し出すことによって、極薄金属板11に張力を与える。調整部材15が枠長辺中間部にも設置されている場合は、そこでは、極薄金属板11を固定部材12と押圧部材16で挟持して固定する。この押圧部材16は比較的板厚が厚い方がよく、それにより、固定部材12の局所的変形を防止する。押圧部材16は、平板状でも良いが、固定部材12の外形にあわせた形状、ここでは、円弧状の板とすると、押圧による摩擦がより大きくなり、極薄金属板11の固定度をより高めることができる。
本発明の実施形態2について述べる。なお、上記の本発明の実施形態1と同じ部分については、ここでの説明を省略する。
極薄金属板11の長辺側端部には、反射面の裏面側に向う折り曲げ部が形成されている。例えば、極薄金属板11の長辺側端部の反射面の裏面にL形状の金物27を両面テープ30で取り付けて、折り曲げ部28を形成してもよいし、極薄金属板11の短辺側端部を反射面の裏面側にL状に折り曲げて、折り曲げ部28を形成してもよい。
固定部材12には、ボルト21用のボルト孔22と直交して、断面視で90度となる位置に、スリット29が形成されている。
本発明の実施形態3について述べる。なお、上記の本発明の実施形態1、2と同じ部分については、ここでの説明を省略する。
最も望ましくは、押圧部材16を、長さが固定部材12の全長にわたり、かつ高さが固定部材12の高さ以下であり、板状断面を備えた板状体あるいは固定部材12の外周以上の内半径を有する円弧状の立ち上げ部を有する矩形断面(L型断面)あるいは多角形断面を備えた棒状体とすることである。
(1)反射板の枠
枠10として、短辺を、山形鋼L−50×50×4で、長さ272mmとし、長辺を、山形鋼L−50×50×4で、長さ1800mmとし、長辺中央部の近傍において、後述する第2固定部14の両側に、山形鋼L−50×50×4で、長さ172mmの補強部材を配した。これらは、溶接により接合したが、ボルト、ナット等のファスナーを用いて組み立てても良い。
極薄金属板11は、引張り強度400MPaのステンレス鋼板を基材にした。ステンレス鋼板の板厚は0.1mmとし、その表面に表面粗度がRa0.015μmの反射膜を設けた。反射膜は、アルミニウムを90質量%以上含有させて、蒸着法により、膜厚を0.2μm以下となるように成膜する。さらに、反射膜の表面には、シランカップリング剤を用いた厚さ0.5μmの保護層を設けた。ステンレス鋼板は、反射層(反射膜)と保護層の表面の粗度を低下させるため、予めペーパー研磨と電解研磨の複合研磨によって処理した。原板の幅は500mm、厚さは0.05mm、長さは1600mmである。長辺側の両端部には、厚さ0.5mm、幅20mmのブチルゴム両面テープを取り付けた。
固定部材12は、外径27.2mm、板厚2.3mm、長さ1800mmの鋼管とした。固定部材12の両端部には、端部から15mm、60mmの位置に、直径7mmのボルト孔22を設けた。また、極薄金属板11の取り付けのために、固定部材12の両端から、それぞれ100mmの位置にマーキングを行った。
(4a)第1固定部
第1固定部13は、板厚6mm、高さ90mm、幅75mmの板材とし、その両幅端部からそれぞれ15mm、下端から63.5mmの位置に、直径7mmのボルト孔23を設け、枠10の長辺部の両側端に取り付けた。
第2固定部14は、山形鋼L−40×40×5で、長さ75mmとし、その長さ方向両端部からそれぞれ15mm、下端から13.5mmの位置に直径7mmのボルト孔24を設け、枠10の短辺部の上面の、第1固定部13から39mm離隔した位置に、その下フランジを枠10の短辺の中心側に向けて配置した。
第2固定部14には、2箇所のボルト孔24の中間位置に、6mmのねじ切り部(めねじ部)25を設けて、そのねじ切り部25に、呼び径6mm、長さ20mmのボルト(調整部材)15を、その先端を枠10の外側に向けて配した。
押圧部材16は、高さ30mm、幅75mm、板厚5mmの鋼板とし、両幅端部から15mmの位置に、直径7mmのボルト孔26を設けた。
極薄金属板11両端部のブチルゴム両面テープ30により、極薄金属板11両端部をそれぞれ固定部材12に貼り付けた。貼り付け位置は、固定部材12の両端からそれぞれ100mmの位置で、固定部材12の断面視で、ボルト孔22と90度の位置に、極薄金属板11の長辺を合わせて、固定部材12を反射面の裏面側に向って巻き付け、反射板ユニットを構成した。固定部材12への巻き付け量は1周半として、極薄金属板11の長辺端部が固定部材12の下面側になるように配置した。
第1固定部13と第2固定部14の間に固定部材12の端部を配置し、それぞれのボルト孔22、23、24の位置を合わせて、呼び径6mm、長さ65mmのボルト21を貫装した。押圧部材16は省略することもできるが、ここでは、第2固定部14と固定部材12の間に、押圧部材16を介装した。
実施例1で示した反射板について、極薄金属板11の端部に折り曲げ部28を形成し、その折り曲げ部28を固定部材12のスリット29に嵌合して、極薄金属板11を固定部材12に巻き付ける手順について説明する。なお、実施例1と同じ部分については、ここでの説明を省略する。
極薄金属板11の原板の幅は500mm、厚さは0.05mm、長さは1600mmとし、長辺側の両端部に、厚さ0.2mmのステンレス鋼板をL形状に曲げ加工した長さ1600mmのL形状の金物27(L−20×20×0.2)を厚さ0.5mmの両面テープ30により貼り付けて、極薄金属板11の端部に折り曲げ部28を形成した。
固定部材12は、外径27.2mm、板厚2.3mm、長さ1800mmの鋼管とし、それぞれの両端から95mmの範囲を除外して、長手方向に幅0.5mmのスリット24を形成した。固定部材12の両端部には、端部から15mmと60mmの位置に、直径7mmのボルト孔22を、スリット29に対して断面視で90度の位置で、かつ平面視でスリット29と直交するように設けた。
極薄金属板11の長辺側両端に形成した折り曲げ部28を固定部材12のスリット29に嵌め込み、固定部材12を反射面の裏面側に向って回転させて、極薄金属板11を固定部材12に巻き付けて、反射板ユニットを構成した。極薄金属板11の巻き付け量は、1周半として、スリット29を下向きに配置した。そのため、当該部分のカバーは省略した。また、極薄金属板11の巻き付けに際しては、ブチルゴム両面テープ30を併用した。ブチルゴム両面テープ30は、折り曲げ部28に近接する極薄金属板11裏面に配し、極薄金属板11の位置決めと折り曲げ部28の保護を行った。
実施例1、2で示した反射板について、押圧部材16を、長さが固定部材12の全長にわたり、かつ高さが固定部材12の高さ以下であり、板状断面を備えた板状体あるいは固定部材12の外周以上の内半径を有する円弧状の立ち上げ部を有する矩形断面あるいは多角形断面を備えた棒状体とした例として、押圧部材16にアングル部材(山形鋼)を用いた例について説明する。実施例1、2と同じ部分については、ここでの説明を省略する。
(4a)第1固定部
第1固定部13は、板厚6mm、高さ90mm、幅75mmの板材とし、その両幅端部からそれぞれ15mm、下端から63.5mmの位置に、直径7mmのボルト孔23を設け、枠10の長辺部の両側端に取り付けた。
第2固定部14は、山形鋼L−40×40×5で、長さ75mmとし、その長さ方向両端部からそれぞれ15mm、下端から13.5mmの位置に直径7mmのボルト孔24を設け、枠10の短辺部の上面の、第1固定部13から39mm離隔した位置に、その下フランジを枠10の短辺の中心側に向けて配置した。
第2固定部14には、2箇所のボルト孔24の中間位置に、6mmのねじ切り部(めねじ部)25を設けて、そのねじ切り部25に、呼び径6mm、長さ20mmのボルト(調整部材)15を、その先端を枠10の外側に向けて配した。
押圧部材16は、山形鋼L−30×30×3で、長さ1800mmとし、その長さ方向両幅端部から15mmと60mmの位置に、直径7mmのボルト孔26を設けた。
第1固定部13と第2固定部14の間に固定部材12の端部を配置し、それぞれのボルト孔22、23、24の位置を合わせて、呼び径6mm、長さ65mmのボルト21を貫装した。第2固定部14と固定部材12の間に、押圧部材16を、そのウェブが第2固定部14側に向くようにして配置した。
10 枠
11 極薄金属板
12 固定部材
13 第1固定部
14 第2固定部
15 調整部材
16 押圧部材
21 ボルト
22 ボルト孔
23 ボルト孔
24 ボルト孔
25 ねじ切り部
26 貫通孔
27 L形状の金物
28 折り曲げ部
29 スリット
30 両面テープ
Claims (4)
- 矩形の極薄金属板の一方の面を反射面として用いる反射板であって、
前記極薄金属板の長辺側または短辺側のいずれかの辺側の両端部をそれぞれ固定部材に巻き付け、それら2つの固定部材のうち、少なくとも一方の固定部材を移動可能に保持しておき、
前記移動可能に保持された固定部材の両端近傍、または/および、前記固定部材の両端の間である枠辺中間部に1ヶ所以上、に設置した調整部材により、双方の固定部材が離間する方向に固定部材を移動させて、前記極薄金属板に張力を導入するとともに、その導入された張力に応じて、固定部材への極薄金属板の固定が強固になるようにし、
前記極薄金属板の両端部に、反射面の裏面側に向う折り曲げ部を備え、
前記固定部材は、極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有する円形断面の管状体であるとともに、当該固定部材の長手方向に極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有するスリット部を備え、
当該スリット部に前記極薄金属板の両端部の折り曲げ部が挿入され、かつ前記固定部材には、前記極薄金属板の反射面の裏面側に向って前記極薄金属板が1周以上巻き付けられてなることを特徴とする反射板。 - 矩形の極薄金属板の一方の面を反射面として用いる反射板であって、
前記極薄金属板の長辺側または短辺側のいずれかの辺側の両端部をそれぞれ固定部材に巻き付け、それら2つの固定部材のうち、少なくとも一方の固定部材を移動可能に保持しておき、
前記移動可能に保持された固定部材の両端近傍、または/および、前記固定部材の両端の間である枠辺中間部に1ヶ所以上、に設置した調整部材により、双方の固定部材が離間する方向に固定部材を移動させて、前記極薄金属板に張力を導入するとともに、その導入された張力に応じて、固定部材への極薄金属板の固定が強固になるようにし、
前記調整部材と前記固定部材の間に押圧部材を配し、
前記調整部材により、前記押圧部材を双方の固定部材が離間する方向に移動させて、極薄金属板に張力を導入するとともに、前記押圧部材と前記固定部材によって極薄金属板を挟圧支持することを特徴とする反射板。 - 前記極薄金属板の両端部に、反射面の裏面側に向う折り曲げ部を備え、
前記固定部材は、極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有する円形断面の管状体であるとともに、当該固定部材の長手方向に極薄金属板の両端部の幅以上の長さを有するスリット部を備え、
当該スリット部に前記極薄金属板の両端部の折り曲げ部が挿入され、かつ前記固定部材には、前記極薄金属板の反射面の裏面側に向って前記極薄金属板が1周以上巻き付けられてなることを特徴とする請求項2に記載の反射板。 - 極薄金属板は、基材が鋼板であり、表面に表面粗度がRa≦0.015μmである反射膜を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射板。
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