JP5937815B2 - ユニット式建物の外壁断熱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ユニット式建物の外壁断熱構造に関するものである。
住宅等の建物として、複数の建物ユニットを複数並べて構築されたユニット式建物がある(例えば特許文献1)。ユニット式建物において充填断熱工法が採用されている場合、建物ユニットにおいては天井大梁と床大梁との間にグラスウール等の断熱材が充填されている。
特開2010−90565号公報
しかしながら、上記のような充填断熱工法では天井大梁や床大梁などの大梁が熱橋となり、それによって建物の断熱性が低下するということが懸念される。この場合、例えば、夏期において屋外の熱気が大梁を伝わって屋内に入ってきたり、冬期において屋内の暖房空気が大梁を伝わって屋外に逃げだしたりしてしまう。特に、大梁が鉄等の金属材料により形成されている場合、大梁が熱橋となる問題が顕著になる。そこで、大梁の屋外側に梁用断熱材を取り付けるなど、大梁に対して断熱補強を施すことが考えられる。
ここで、ユニット式建物の上下階の階間部分においては、上下の建物ユニットの各大梁が一対の階間大梁として上下に隣り合っており、それら階間大梁に対しては工場において梁用断熱材をあらかじめ取り付けておくということができず、建物建築現場にて一対の階間大梁に跨るようにして梁用断熱材を取り付ける作業を行わざるを得ない。また、既設のユニット式建物を対象として、リフォームなどにより一対の階間大梁に対して断熱補強を施す場合にも、リフォーム現場において梁用断熱材の取り付け作業を行わざるを得ない。
ところが、外壁面材の屋内側に通気層を有している外壁において、その通気層が外壁面材と階間大梁との間に形成されている場合、階間大梁に対して梁用断熱材を後付けする際に、その梁用断熱材が設置されることで通気層が上下に遮断されてしまうことが懸念される。この場合、外壁の通気層において通気性が低下し、外壁に湿気や熱がこもるという不都合が生じてしまう。
本発明は、外壁において好適に断熱補強を行い、しかも、その断熱補強により外壁内の通気性低下を回避することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明のユニット式建物の外壁断熱構造は、柱と大梁とからなる建物ユニットを複数並べて構築され、多層階を有するユニット式建物の外壁断熱構造であり、前記ユニット式建物の外壁は、外壁面材と、該外壁面材の屋内側において前記建物ユニットごとに上下の大梁間に設けられている第1断熱層と、前記第1断熱層及び前記外壁面材の間に設けられている第1通気層とを有しており、前記外壁面材においては、上下の建物ユニットの階間部分で上下に隣り合う一対の階間大梁を上下に挟む位置に、上側開口部と下側開口部とがそれぞれ設けられ、前記外壁面材の屋外側に、前記上側開口部及び前記下側開口部を含む範囲で外付け面材が設けられ、前記外付け面材の屋内側には、前記一対の階間大梁を屋外側から覆う第2断熱層と、前記第2断熱層及び前記外付け面材の間に設けられている第2通気層とが設けられ、前記第2通気層は、前記上側開口部を通じて上階側の前記第1通気層と連通されているとともに、前記下側開口部を通じて下階側の前記第1通気層と連通されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、ユニット式建物において上下に隣り合う一対の階間大梁に対して第2断熱層により断熱補強が施されているため、それら階間大梁が熱橋となることを抑制できる。しかも、第2断熱層の屋外側には、上側開口部及び下側開口部を通じて第1通気層に連通された第2通気層が形成されているため、第2断熱層が第1通気層を上階側と下階側とに分断してしまうということを回避できる。これにより、階間大梁に対して断熱補強が施された構成において、第1通気層での通気が第2断熱層により遮断されて外壁内に湿気や熱がこもるということを抑制できる。さらに、外付け面材は外壁面材の屋外側に配置されているため、第2通気層の通気性が第2断熱層により低下しないように、外壁面材と第2断熱層との離間距離を十分に確保できる。
以上により、外壁において好適に断熱補強を行うことができ、しかも、その断熱補強により外壁内の通気性が低下することを回避できる。
第2の発明では、前記外付け面材の屋内側には、該外付け面材の下地となる下地板材が、前記一対の階間大梁を屋外側から覆うように設けられており、前記外付け面材が胴縁部材を介して前記下地板材に取り付けられていることで、前記外付け面材と前記下地板材との間には前記第2通気層が形成されており、前記下地板材の板面に沿って延びるように前記第2断熱層が設けられている。
第2の発明によれば、第2断熱層が、一対の階間大梁を上下に跨ぐ下地板材に沿って延びるように設けられている。この場合、第2断熱層を、一対の階間大梁を屋外側から覆った状態で保持することができるため、第2断熱層が自重等により一対の階間大梁の下部に偏るということが生じにくくなっている。つまり、第2断熱層を一対の階間大梁に対する断熱補強にとって好適な状態に保つことができる。
第3の発明では、前記第2断熱層は、前記下地板材と前記一対の階間大梁との間に設けられている。
第3の発明によれば、第2断熱層が一対の階間大梁から離間することを下地板材により抑止できる。さらに、下地板材により第2通気層と第2断熱層とが壁厚み方向において仕切られるため、第2断熱層が第2通気層にはみ出して第2通気層の通気性が低下するということを回避できる。
第4の発明では、前記一対の階間大梁の屋外面には、前記外壁面材を支持する外壁フレームが設けられており、前記下地板材は、前記外壁フレームに取り付けられている。
第4の発明によれば、外壁フレームを外壁面材の支持部材としてだけでなく、下地板材の支持部材として利用できる。このため、一対の階間大梁に対する断熱補強についてコスト負担を抑えることができる。
第5の発明では、前記下地板材及び前記外壁面材は、上下に並べて前記外壁フレームにそれぞれ取り付けられており、前記上側開口部及び前記下側開口部は、それぞれ前記下地板材と前記外壁面材との間の隙間である。
第5の発明によれば、下地板材と外壁面材との間に設けられた壁連通部により第1通気層と第2通気層とが連通されているため、仮に第1通気層が第2断熱層により上階側と下階側とに分断されていても、分断された第1通気層各を第2通気層により上下に連通できる。例えば、下地板材と外壁面材との間に壁連通部が設けられていない場合、外壁面材と下地板材とが外壁フレームに沿って上下に並べられている構成においては、外壁面材の屋内側に配置された第1通気層と、下地板材の屋外側に配置された第2通気層とが外壁面材や下地板材により壁厚み方向に仕切られ、第1通気層が第2断熱層により上下に分断されてしまう。
第6の発明では、前記外壁面材には、前記上側開口部及び下側開口部を含む範囲で面材開口部が設けられており、前記下地板材は、前記面材開口部において前記外壁面材と上下に並べて設けられており、前記面材開口部において前記下地板材が設置されていない部分のうち、前記下地板材の上側が前記上側開口部とされ、下側が前記下側開口部がとされている。
第6の発明によれば、外壁面材に面材開口部が設けられているため、下地板材を一対の階間大梁に対して固定するよりも前に、第2断熱層を下地板材又は階間大梁に沿って延びる状態としておくことで、第2断熱層を下地板材と階間大梁との間に好適に設置することができる。この場合、下地板材と階間大梁との間に第2断熱層を押し込むという作業を行う必要がないため、階間大梁に対する断熱補強を施す作業を容易化できる。
第7の発明では、前記外付け面材の外縁側の板面は、前記外壁面材の屋外面と対向している。
第7の発明によれば、外付け面材の外縁側の板面が外壁面材と重なっているため、外付け面材を外壁面材に対して固定することが容易となる。
第8の発明では、前記外付け面材と前記外壁面材との間には、前記第2通気層と屋外空間とを連通する外側連通部が設けられている。
第1通気層と第2通気層とが上側開口部及び下側開口部により連通されている場合、それら通気層は全体として第2断熱層を屋外側に迂回した形状となっていることなどに起因して、外壁内部の通気性が低下することが懸念される。これに対して、第8の発明によれば、第2通気層が第1通気層よりも屋外側に配置されていることを利用して、第1通気層と第2通気層との境界部付近に外側連通孔が設けられている。この場合、外壁内部と屋外空間との通気が、外壁の上端及び下端に加えて上下階の境界部付近において行われるため、外壁内部の通気性が低下することを抑制できる。
第9の発明では、前記一対の階間大梁は、溝部を有する溝形鋼により形成され、前記一対の階間大梁のうち少なくとも1つの大梁において前記溝部内には、熱媒体が流れる媒体通路が設けられており、前記媒体通路には、前記熱媒体に熱を供給する熱源装置が接続されており、前記建物ユニットは、前記媒体通路が設けられた前記大梁を介して前記熱媒体の熱が建物内空間に伝わることにより、前記建物内空間の暖房が行われる構成とされている。
第9の発明によれば、階間大梁の溝部内を媒体通路の設置スペースとして有効利用できる。しかも、それら階間大梁に対して断熱補強が施されているため、熱媒体の熱が屋外に逃げることを抑制できる。つまり、建物内空間の暖房効率が低下することを抑制できる。
建物の概要を示す正面図。 建物ユニットの骨格を示す斜視図。 図1のA−A線断面図。 断熱補強の作業手順を説明するための外壁の拡大正面図。 外壁周辺の縦断面図。 暖房設備の構成を示す概略図。 別の外壁周辺の縦断面図。 断熱補強の作業手順を説明するための別の外壁の拡大正面図。 別の外壁周辺の縦断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を、鉄骨ラーメンユニット構法により構築された二階建てユニット式建物として具体化している。図1は建物10の概要を示す正面図、図2は建物ユニット20の骨格を示す斜視図である。
図1に示すように、住宅等の建物10は、基礎11の上に設けられた建物本体12と、建物本体12の上に設けられた屋根13とを有している。建物本体12は、下階部としての一階部分14と上階部としての二階部分15とを有しており、建物本体12の外壁面には、上下階の境界部に沿って延びるように化粧幕板18が設けられている。
建物本体12は、複数の建物ユニット20を有しており、それら建物ユニット20が互いに連結されることで構成されている。一階部分14に配置された建物ユニット20を下階ユニット20aとし、二階部分15に配置された建物ユニット20を上階ユニット20bとすれば、下階ユニット20a及び上階ユニット20bは上下に重なった状態とされており、それらユニット20a,20bの境界線であるスタッキングラインSLが上下階の境界部となっている。化粧幕板18は、スタッキングラインSLを上下に跨いだ状態で、そのスタッキングラインSLと平行に延びている。
図2に示すように、建物ユニット20は、四隅に配置された柱21と、柱21の上端部(上仕口)に連結された天井大梁22と、柱21の下端部(下仕口)に連結された床大梁23とを有しており、これら柱21、天井大梁22、床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、溝部開放側を互いに向き合わせるようにユニット内側に向けて配置されている。
建物ユニット20において長辺部(桁面)に沿って延び且つ相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく長辺部に沿って延び且つ相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25及び床小梁26は、それぞれ同一の間隔で且つ短辺側(妻側)の天井大梁22及び床大梁23と平行に延びている。天井小梁25及び床小梁26はそれぞれリップ溝形鋼よりなる。
なお、建物ユニット20においては、天井大梁22が上側大梁に相当し、床大梁23が下側大梁に相当する。
次に、建物本体12の構成について図3を参照しつつ説明する。図3は、図1のA−A線断面図である。
図3に示すように、一階部分14はリビング等の一階空間31を有しており、二階部分15は寝室等の二階空間32を有している。一階空間31と二階空間32との間には階間空間33が設けられている。一階空間31と階間空間33とは、一階空間31の天井部35により上下に仕切られており、二階空間32と階間空間33とは、二階空間32の床部36により上下に仕切られている。
一階部分14の天井部35は、天井大梁22及び天井小梁25の上に設けられた天井面材41を有している。天井面材41は、例えば2枚重ねの石膏ボードにより形成されており、野縁42を介して天井大梁22及び天井小梁25に対してビス等により固定されている。
二階部分15の床部36は、床大梁23及び床小梁26の上に設けられた床面材44を有している。床面材44は、パーティクルボード等の板材により形成されており、床大梁23及び床小梁26に対してビス等により固定されている。なお、床大梁23の上には、床面材44が根太45を挟んで載置されている。
建物本体12は外壁51を有しており、その外壁51は天井大梁22及び床大梁23等の躯体に取り付けられた外壁パネル52を有している。外壁パネル52は、一階部分14及び二階部分15のそれぞれに配置されており、一階部分14においては下階ユニット20aに対して取り付けられ、二階部分15においては上階ユニット20bに対して取り付けられている。各階の外壁パネル52は、各ユニット20a,20bのそれぞれにおいて天井大梁22と床大梁23とに架け渡された状態となっている。
外壁パネル52は、外壁面を形成する外壁面材53と、その外壁面材53の裏面側(屋内面側)に固定された外壁フレーム54とを有している。外壁面材53は、例えば窯業系サイディング等の外装材により形成されている。外壁フレーム54は、断面コ字状の軽量鉄骨材からなる複数のフレーム材54a,54bが矩形枠状に連結されることにより形成されている(図4参照)。具体的には、外壁フレーム54は、外壁面材53に沿って上下方向に延びる縦フレーム材54aと、外壁面材53に沿って左右方向に延びる横フレーム材54bとを有している。
外壁フレーム54は、天井大梁22及び床大梁23の屋外側面に対して固定されている。例えば、横フレーム材54bのうち、各階において外壁フレーム54の上端に配置された横フレーム材54bは、各ユニット20a,20bの天井大梁22に沿って延びており、その天井大梁22の屋外側面に対してビス等により固定されている。縦フレーム材54aは、横フレーム材54bと連結されていることで、その横フレーム材54bを介して大梁22,23に対して固定されている。なお、縦フレーム材54aにおける大梁22,23の屋外側面と対向している部分が、それら大梁22,23に対してビス等により直接固定されていてもよい。
外壁パネル52の屋内側には、内壁面を形成する内壁面材61が設けられており、外壁面材53と内壁面材61との間には第1断熱層62が設けられている。内壁面材61は、例えば石膏ボードにより形成されており、図示しない下地フレームを介して外壁フレーム54に対して固定されている。第1断熱層62は、グラスウール等の繊維系断熱材により形成されており、内壁面材61の裏面(屋外側面)に沿って延びている。第1断熱層62は外壁面材53から屋内側に離間しており、その離間部分が第1通気層63とされている。ちなみに、本実施形態の建物10においては充填断熱工法が採用されており、第1断熱層62は、下階ユニット20a及び上階ユニット20bのそれぞれにおいて天井大梁22と床大梁23との間に配置されている。
第1通気層63は、一階部分14及び二階部分15(ユニット20a,20b)のそれぞれに配置されており、それら第1通気層63は、後述する第2通気層74により上下に連通されている。二階部分15の第1通気層63は、外壁51の上端において屋根裏空間を介して屋外空間に通じており、一階部分14の第1通気層63は、外壁51の下端にて基礎11の屋外側を介して屋外空間に通じている。この場合、外壁51の下端から第1通気層63に流れ込んだ外気が第2通気層74を通じて外壁51の上端から屋外に流れ出すことにより、外壁51内の湿気や熱が屋外に放出される。
なお、第1通気層63には横フレーム材54bが設けられているが、横フレーム材54bに通気孔が設けられていることや、横フレーム材54bと縦フレーム材54aとの間に隙間が形成されていることなどにより、第1通気層63において上下方向に空気が流れるようになっている。
下階ユニット20aの天井大梁22と上階ユニット20bの床大梁23とは上下に隣り合っており、階間空間33の屋外側において集合した状態となっている。これら大梁22,23を一対の階間大梁56とすれば、それら階間大梁56は、互いに近接していることなどに起因して熱橋(ヒートブリッジ)になりやすいと考えられる。つまり、階間大梁56により建物10の断熱性能が低下することが懸念される。そこで、本実施形態では、一対の階間大梁56に対して断熱補強が施されており、それによって、建物10の断熱性が低下することを抑制している。
なお、一対の階間大梁56の各溝部内には梁内断熱材65が設けられている。この場合でも、梁内断熱材65では上下方向において一対の階間大梁56の設置部分全体を覆うことはできず、フランジなど一部が階間空間33側に露出していることなどに起因して熱橋になりやすいと考えられる。ちなみに、梁内断熱材65は、第1断熱層62と同様にグラスウール等の繊維系断熱材により形成されている。
ここでは、一対の階間大梁56に対する断熱補強の構成について説明する。
一対の階間大梁56の屋外側においては、一階部分14及び二階部分15の各外壁面材53に面材開口部67が形成されている。面材開口部67は、上下方向において一対の階間大梁56を含む範囲で設けられており、面材開口部67が設けられた範囲においても、外壁フレーム54は設けられている。面材開口部67の上下寸法L1は、一対の階間大梁56の上下寸法L2よりも大きくされており、上下方向において面材開口部67の中心はスタッキングラインSLとほぼ同じ高さ位置とされている。なお、上下寸法L2は、一対の階間大梁56のうち上側の階間大梁56の上端と、下側の階間大梁56の下端との間の寸法としている。
化粧幕板18は、面材開口部67を屋外側から覆った状態で各外壁面材53の屋外側に設けられている。化粧幕板18は、外壁面材53と同様に、例えば窯業系サイディングボード等の外装材により形成されている。なお、化粧幕板18が外付け面材に相当する。
化粧幕板18の屋内側には、その化粧幕板18の下地となる下地板材71が設けられている。下地板材71は合板などにより形成されており、面材開口部67において外壁フレーム54に対してビス等により取り付けられている。このため、下地板材71と上階側及び下階側の各外壁面材53とは外壁フレーム54に沿って上下に並べられており、それぞれの裏面(屋内側面)がほぼ面一となっている。
下地板材71の上下寸法L3は、一対の階間大梁56の上下寸法L2よりも大きくされており、上下方向において一対の階間大梁56を含む範囲で設置されている。一対の階間大梁56の屋外側面に対しては、下地板材71及び化粧幕板18の両方がスタッキングラインSLに沿って平行に延びている。
下地板材71は、外壁フレーム54を挟んで階間大梁56から屋外側に離間している。下地板材71と一対の階間大梁56との間には、それら階間大梁56の屋外側面の全体に沿って延びるように第2断熱層72が設けられており、その第2断熱層72により一対の階間大梁56に対する断熱補強がなされている。第2断熱層72は、第1断熱層62と同様に、グラスウール等の繊維系断熱材により形成されており、下地板材71と一対の階間大梁56との間に挟まれた状態となっている。第2断熱層72は、下地板材71、一対の階間大梁56、外壁フレーム54のいずれかに固定されている。
下地板材71と一対の階間大梁56との間に第2断熱層72が設けられている場合、第1通気層63が一階部分14側と二階部分15側とに分断された状態となり、第1通気層63において上下方向への通気が遮断されてしまう。これに対して、本実施形態では、下地板材71の屋外側面と化粧幕板18との間に第2通気層74が形成されているとともに、第1通気層63と第2通気層74とがスリット75,76により連通されており、一階部分14側の第1通気層63と二階部分15側の第1通気層63とが第2通気層74を介して上下に連通されている。
まず、第2通気層74について説明する。化粧幕板18は、胴縁部材73を介して下地板材71に取り付けられている。胴縁部材73は、化粧幕板18を下地板材71から屋外側に離間した状態で支持することで、それら化粧幕板18と下地板材71との間に第2通気層74を確保するものである。胴縁部材73は、上下方向に延びる木製の長尺部材であり、所定間隔で横並びに複数設けられている。これにより、第2通気層74において上下方向への通気が胴縁部材73により遮断されないようになっている。
次に、スリット75,76について説明する。上下方向において、下地板材71と上階側及び下階側の各外壁面材53との間にはスリット75,76が形成されている。スリット75,76のうち上側スリット75は、下地板材71と上階側の外壁面材53との間に形成された隙間であり、下側スリット76は、下地板材71と下階側の外壁面材53との間に形成された隙間である。下地板材71の上下寸法L3は、面材開口部67の上下寸法L1よりも小さくされており、スリット75,76は下地板材71の上下両端部に沿って延びている。この場合、第2通気層74は、下側スリット76を介して一階部分14側の第1通気層63に連通されており、上側スリット75を介して二階部分15側の第1通気層63に連通されている。なお、上側スリット75が上側開口部に相当し、下側スリット76が下側開口部に相当する。
化粧幕板18は、上側スリット75及び下側スリット76の両方を屋外側から覆っている。化粧幕板18の上下寸法L4は、面材開口部67の上下寸法L1より大きくされており、上下方向において化粧幕板18の中心はスタッキングラインSLとほぼ同じ高さ位置とされている。この場合、化粧幕板18の下端は一階部分14の外壁面材53の屋外側面と対向しており、上端は二階部分15の外壁面材53の屋外側面と対向している。
化粧幕板18と上下の各外壁面材53との間には、第2通気層74と屋外空間とを遮蔽する遮蔽部材77が設けられている。遮蔽部材77は、防水性を有する外装材により形成されており、上側スリット75の上方及び下側スリット76の下方のそれぞれに配置されている。遮蔽部材77は、化粧幕板18の上端及び下端に対して設置されており、それぞれ化粧幕板18に沿って延びている。なお、化粧幕板18は遮蔽部材77を介して外壁面材53(外壁フレーム54)に対して固定されている。
上下の各遮蔽部材77のうち下側の遮蔽部材77には、第2通気層74と屋外空間とを連通する外側連通孔78が設けられている。外側連通孔78は、所定間隔で横並びに複数設けられており、第2通気層74を下方に向けて屋外に開放している。この場合、外気は外壁51の下端に加えて外側連通孔78からも第1通気層63に流れ込むことになり、外壁51内の湿気や熱が屋外に効率良く放出される。
本実施形態の建物10は、一対の階間大梁56に対する断熱補強がリフォーム等により施された建物であり、ここでは、断熱補強の作業手順について図4、図5を参照しつつ説明する。図4は、断熱補強の作業手順を説明するための外壁51の拡大正面図であり、図5は、外壁51周辺の縦断面図である。なお、図5においては、(a)が図4(a)のB−B線断面図であり、(b)が図4(b)のC−C線断面図である。
図4(a)及び図5(a)に示すように、断熱補強前の建物10においては、外壁面材53に面材開口部67が設けられておらず、一階部分14及び二階部分15の各外壁面材53がスタッキングラインSLにて突き合わされた状態となっており、それら外壁面材53の境界部を覆い隠すように化粧胴差81が外壁51に対して取り付けられている。化粧胴差81は、合成樹脂材料等などにより形成された長尺部材であり、化粧幕板18よりも上下方向の幅寸法が小さくされている。また、一対の階間大梁56には各外壁面材53が外壁フレーム54を介して固定されており、第2通気層74が設けられておらず、各外壁面材53と第1断熱層62との離間部分に加えて、各外壁面材53と階間大梁56との離間部分も第1通気層63とされている。
まず、断熱補強前の建物10を対象として、上階側及び下階側の各外壁面材53を部分的に切除することで面材開口部67を形成する。具体的には、各外壁面材53について、上下方向において一対の階間大梁56を跨ぐ領域(図4(a)のハッチング領域)を切除対象領域Sとして定める。そして、切除対象領域Sを含む範囲で化粧胴差81を外壁51から取り外すとともに、切除対象領域Sについて電動工具等を用いて外壁面材53を除去する。この場合、切除対象領域Sと非切除部分との境界線に沿って外壁面材53を切断するとともに、切除対象領域Sにおいて外壁フレーム54に対する外壁面材53の固定を解除し、外壁面材53の切除対象領域Sを外壁フレーム54から取り外す。
本実施形態では、外壁面材53の切除対象領域Sを、外壁フレーム54の縦フレーム材54aが固定された領域を含まないように設定する。この場合、切除対象領域Sは横並びに複数設けられており、縦フレーム材54aが固定された領域と交互に並べられている。
図4(b)に示すように、切除対象領域Sが切除されることで外壁面材53には面材開口部67が複数形成される。また、面材開口部67同士の間には、外壁面材53が切除されていない非切除部分が存在している。面材開口部67においては、一対の階間大梁56と、それら階間大梁56に固定された横フレーム材54bが屋外側に露出している。この場合、面材開口部67は一対の階間大梁56を上下に跨いだ状態となっており、階間大梁56の側面側に加えて一対の階間大梁56の上方及び下方においても第1通気層63を屋外側に開放している。
そして、図5(b)に示すように、一対の階間大梁56に対して、第2断熱層72及び下地板材71を取り付け、その後、胴縁部材73及び化粧幕板18を取り付ける。
図4(c)に示すように、一対の階間大梁56に対して第2断熱層72及び下地板材71を取り付けた場合、外壁面材53の面材開口部67が上側スリット75及び下側スリット76を除いて下地板材71によりほぼ塞がれた状態となっている。ここで、第2断熱層72は下地板材71の屋内側面にあらかじめ固定されており、それら第2断熱層72及び下地板材71を断熱ユニットとして外壁フレーム54の横フレーム材54bに対して取り付ける。第2断熱層72はその一部が下地板材71に固定された状態となっており、下地板材71を横フレーム材54bに取り付ける前に、第2断熱層72を横フレーム材54bの溝部内に入り込ませることが可能となっている。なお、第2断熱層72と下地板材71とはユニット化されていなくてもよい。この場合、第2断熱層72、下地板材71の順で横フレーム材54bに対して個別に取り付ける。
図1に示すように、胴縁部材73及び化粧幕板18を外壁面材53の面材開口部67に対して取り付けた場合、全ての面材開口部67が化粧幕板18により屋外側から覆われている。この場合、化粧幕板18により覆われた領域には、外壁面材53の非切除部分も含まれている。ここで、胴縁部材73は化粧幕板18の屋内側面にあらかじめ固定されており、それら胴縁部材73及び化粧幕板18を化粧ユニットとして下地板材71に対して取り付ける。化粧ユニットは、面材開口部67においては下地板材71を介して横フレーム材54bに対して固定し、非切除部分においては外壁面材53を介して縦フレーム材54a又は横フレーム材54bに対して固定する。
本実施形態の建物10には、階間空間33において床大梁23及び床小梁26の溝部内に設けられた媒体通路86を有し、その媒体通路86に熱媒体を流すことで二階空間32の暖房を行う暖房設備85が設けられている。ここでは、暖房設備85について図6を参照しつつ説明する。図6は、暖房設備85の構成を示す概略図である。なお、図6には、上階ユニット20bの床大梁23及び床小梁26の概略平面図を示す。
図6において、暖房設備85は、熱媒体が流れる媒体通路86と、媒体通路86を流れる熱媒体を加熱するべく熱を発生させる熱源装置87とを有している。媒体通路86は、水などの流体が熱媒体として流れる配管により形成されており、上階ユニット20bの床大梁23及び床小梁26に沿って延びるように設けられている。媒体通路86は、階間空間33において、床大梁23及び床小梁26の各溝部内に敷設されている。媒体通路86の両端は熱源装置87に接続されており、熱媒体は熱源装置87を介して媒体通路86を循環する。
熱源装置87は、空気と熱交換を行うことにより熱媒体を加熱するヒートポンプ装置とされている。なお、熱源装置87は、電熱線などの発熱体を有する装置とされていてもよい。
熱源装置87により熱媒体が加熱された場合、熱媒体の熱は床大梁23や床小梁26などの躯体から床部36を介して上方に向けて放射され、二階空間32が温められる。この場合、二階空間32に対しては、床暖房が行われているのと同等の効果が付与されることになる。ここで、熱が床大梁23及び床小梁26から屋外空間に伝わって二階空間32の暖房効率が低下することが懸念されるが、階間空間33の周囲においては、第2断熱層72により一対の階間大梁56に対して断熱補強が施されているため、前記懸念を解消できる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
一対の階間大梁56(下階ユニット20aの天井大梁22及び上階ユニット20bの床大梁23)に対して第2断熱層72が設けられているため、それら階間大梁56が熱橋となることを抑制できる。しかも、第2断熱層72の屋外側には、第1通気層63に通じる第2通気層74が形成されているため、第2断熱層72が第1通気層63を上下に分断するということを回避できる。これにより、第1通気層63での通気が第2断熱層72により遮断されて外壁51内に湿気や熱がこもるということを抑制できる。さらに、外壁面材53の面材開口部67について、第2断熱層72の屋外側には外壁面材53ではなく化粧幕板18が設けられているため、化粧幕板18と第2断熱層72との間に第2通気層74を確保するために化粧幕板18を外壁面材53よりも屋外側に突出した位置に配置することが可能となる。
以上により、外壁51において好適に断熱補強を行うことができ、しかも、その断熱補強により外壁51内の通気性が低下することを回避できる。
第2断熱層72は、一対の階間大梁56を上下に跨ぐ下地板材71に沿って延びるように設けられている。この場合、第2断熱層72を一対の階間大梁56を屋外側から覆った状態で保持することができるため、第2断熱層72が自重等により一対の階間大梁56の下部に偏るということが生じにくくなっている。つまり、第2断熱層72を一対の階間大梁56に対する断熱補強にとって好適な状態に保つことができる。
複数の胴縁部材73により化粧幕板18と下地板材71との間に第2通気層74が確保されているため、化粧幕板18の変形などにより化粧幕板18が下地板材71に近づいて第2通気層74の通気性が低下するということを抑制できる。
第2断熱層72が一対の階間大梁56と下地板材71との間に挟まれた状態となっているため、第2断熱層72が一対の階間大梁56から離間することを下地板材71により抑止できる。さらに、下地板材71により第2断熱層72と第2通気層74とが壁厚み方向に仕切られているため、第2断熱層72が第2通気層74にはみ出すことで第2通気層74の通気性が低下するということを回避できる。
外壁面材53の面材開口部67において下地板材71は、外壁フレーム54を介して一対の階間大梁56に固定されている。このため、外壁フレーム54を外壁面材53の支持部材としてだけでなく、下地板材71の支持部材として利用できる。このため、一対の階間大梁56に対する断熱補強についてコスト負担を抑えることができる。
第2断熱層72は一対の階間大梁56の屋外側に設けられているため、リフォーム等により第2断熱層72を一対の階間大梁56に対して後付けする場合、例えば梁内断熱材65のように一対の階間空間33の屋内側に設置する場合に比べて作業の容易化を図ることができる。しかも、外壁面材53の面材開口部67において外壁フレーム54を下地板材71の支持部材として利用できるため、面材開口部67において外壁フレーム54を撤去して新たに下地板材71用の支持部材を一対の階間大梁56のそれぞれに取り付けるという作業を省くことができる。これにより、断熱補強に関する作業負担を低減できるとともに、コスト負担を抑えることができる。
また、外壁面材53において、面材開口部67は外壁面材53が切除されることで形成されたものであるため、面材開口部67が設けられていない既設の建物についても、リフォーム時において面材開口部67を形成して第2断熱層72を一対の階間大梁56に取り付けることが可能となる。つまり、一対の階間大梁56に対して断熱補強を施すことができる。
外壁面材53と下地板材71とが外壁フレーム54に沿って並べられている構成において、外壁面材53と下地板材71との間にスリット75,76が設けられているため、外壁面材53の屋内側に配置された第1通気層63と、下地板材71の屋外側に配置された第2通気層74とが外壁面材53や下地板材71により壁厚み方向に仕切られてしまうということを回避できる。この場合、第1通気層63が第2断熱層72により上下に分断されていても、一階部分14側の第1通気層63と二階部分15側の第1通気層63とを第2通気層74により連通することができる。
第2断熱層72の屋外側において、化粧幕板18が外壁面材53よりも屋外側に配置されているため、化粧幕板18と一対の階間大梁56との間に第2断熱層72及び第2通気層74が設けられている構成において、第2通気層74の厚み寸法を適正に確保できる。さらに、化粧幕板18と外壁面材53とが重なった部分において、化粧幕板18を外壁面材53に対して固定することが容易となる。
化粧幕板18が外壁面材53の屋外面に重なるように設けられているため、化粧幕板18が面材開口部67を覆うことが可能な大きさ及び形状を有していれば、面材開口部67とは形状が多少異なっていても、化粧幕板18を外壁面材53(外壁パネル52)に対して取り付けることができる。このため、例えば、化粧幕板18を面材開口部67に嵌め込んで化粧幕板18及び外壁面材53の各屋外面を面一にする場合に比べて、化粧幕板18の取り付けに際しての作業負担を低減できる。
化粧幕板18と外壁面材53との間に外側連通孔78が設けられているため、第1通気層63と屋外空間との通気を、外壁51の上端及び下端に加えて中間部分において行うことができる。特に、二階建ての建物10においては、外壁51の高さ寸法が大きいことに起因して第1通気層63及び第2通気層74の通気性が低下しやすいと考えられるため、外側連通孔78が設けられていることは外壁51内での通気性低下を抑制する上で効果的である。
第2通気層74は外側連通孔78により下方に向けて開放されているため、第2通気層74が外側連通孔78を介して屋外空間と通気可能な構成において、外側連通孔78から第2通気層74内に雨水などが浸入することを回避できる。
階間空間33において、建物ユニット20の床大梁23及び床小梁26の溝部内に媒体通路86が設けられている。この場合、床大梁23及び床小梁26の溝部内を媒体通路86の設置スペースとして有効利用できる。しかも、一対の階間大梁56に対して断熱補強が施されているため、熱媒体の熱が階間空間33を介して屋外に逃げることを抑制できる。これにより、媒体通路86を流れる熱媒体を加熱することで二階空間32の床暖房が行われる場合に、その暖房効率が低下することを抑制できる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、第2断熱層72が下地板材71の屋内側に設けられていたが、第2断熱層72は下地板材71の屋内側及び屋外側の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、図7に示すように、下地板材71の屋内側面に沿って延びるように第2断熱層72aが設けられているとともに、下地板材71の屋外側面に沿って延びるように第2断熱層72bが設けられている。この構成では、屋外側の第2断熱層72bが下地板材71と第2通気層74との間に配置されている。また、その第2断熱層72bは、硬質ウレタンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材により形成されている。これにより、第2断熱層72bが下地板材71の屋外側面から離間して第2通気層74の通気性を低下させるということが生じにくくなっている。なお、第2断熱層72a,72bは、それぞれ発泡系断熱材及び繊維系断熱材のいずれにより形成されていてもよい。
化粧幕板18と下地板材71との離間距離は、下地板材71の屋外側に第2断熱層72bが設けられていない場合よりも大きくされている。これにより、下地板材71の屋外側に第2断熱層72bが設けられていても、下地板材71と化粧幕板18との間において第2通気層74の厚み寸法が小さくなることを回避できる。つまり、第2通気層74の通気性が低下することを回避できる。
また、化粧幕板18と外壁面材53との間にある遮蔽部材77には、外側連通孔78が設けられていない。この場合でも、第2断熱層72の下方にある(一階部分14側の)第1通気層63と、第2断熱層72の上方にある(二階部分15側の)第1通気層63とは、第2通気層74により連通されており、外壁51内の通気は行われる。
なお、外側連通孔78は、第2通気層74の上下にある各遮蔽部材77の両方に設けられていてもよく、上記実施形態のように一方に設けられていてもよい。また、外壁面材53と化粧幕板18との間に遮蔽部材77は設けられていなくてもよい。この場合、外壁面材53と化粧幕板18との間の隙間全体が外側連通部に相当する。
(2)上記実施形態では、一対の階間大梁56の屋外側に下地板材71が設けられていたが、下地板材71は設けられていなくてもよい。例えば、下地板材71と外壁面材53との間のスリット75,76により第1通気層63と第2通気層74とが連通されているのではなく、図9(b)に示すように、外壁面材53を貫通する上側開口部91a及び下側開口部91bにより第1通気層63と第2通気層74とが連通されている構成とする。
図8は、断熱補強の作業手順を説明するための外壁51の拡大正面図であり、図9は、外壁51周辺の縦断面図である。なお、図9においては、(a)が図8(a)のD−D線断面図であり、(b)が図8(c)のE−E線断面図である。
この構成では、上側開口部91a及び下側開口部91bは、外壁面材53において一対の階間大梁56を挟んで上側及び下側のそれぞれに設けられており、スタッキングラインSLに沿って延びている。それら開口部91a,91bは、それぞれ横並びに複数設けられているが、断熱補強の範囲全体に沿って延びるように1つ設けられていてもよい。
一対の階間大梁56の屋外側には外壁面材53の面材開口部67は形成されておらず、外壁面材53が外壁フレーム54に対して取り付けられたままの状態となっている。この場合、外壁面材53において上側開口部91a及び下側開口部91bの間の部分が、化粧幕板18の下地となる下地板材71に相当する。
第2断熱層72は、一対の階間大梁56と外壁面材53との間に設けられた内側断熱材92と、外壁面材53の屋外側に設けられた外側断熱材93とを有しており、それら断熱材92,93はいずれも上側開口部91a及び下側開口部91bの間に配置されている。外側断熱材93は外壁面材53の屋外側面に沿って延びており、内側断熱材92は、一対の階間大梁56と第1通気層63との間に設けられている。内側断熱材92は、一対の階間大梁56を第1通気層63から遮蔽するものであり、外壁フレーム54の横フレーム材54bよりも面材貫通孔91側に配置されている。
次に、断熱補強の作業手順について参照しつつ説明する。
まず、図8(a)、図9(a)に示すように、断熱補強前の建物10を対象として、外壁面材53における一対の階間大梁56の上側位置及び下側位置のそれぞれに、電動工具等を用いて上側開口部91a及び下側開口部91bを形成するとともに、化粧胴差81を取り外す。
そして、図8(b)に示すように、上側開口部91aと下側開口部91bとの間において、外壁面材53の屋外面に外側断熱材93を取り付ける。また、開口部91a、91bから外壁面材53と一対の階間大梁56との間に内側断熱材92を挿し入れる。その後、図8(c)、図9(b)に示すように、開口部91a,91b及び外側断熱材93を屋外側から覆うように化粧幕板18を取り付ける。化粧幕板18の取り付け位置においては、胴縁部材73が外壁面材53を介して外壁フレーム54に対して固定され、化粧幕板18が胴縁部材73に対して固定されている。
ここで、一対の階間大梁56の屋外側において外壁面材53の面材開口部67が形成されていないため、上下方向において内側断熱材92を一対の階間大梁56の屋外面全体に対して取り付けることが困難になっている。ところが、上下方向において一対の階間大梁56の屋外面中央付近など内側断熱材92が設けられていない部分が存在していても、第2断熱層72(内側断熱材92及び外側断熱材93)は全体として一対の階間大梁56に沿って延びる状態となっている。このため、一対の階間大梁56に対して断熱補強が適正に施されたことになる。
(3)上記実施形態では、外壁面材53の面材開口部67に、縦フレーム材54aが固定された部分が含まれていてもよい。つまり、横フレーム材54bに加えて縦フレーム材54aの屋外側領域が切除対象領域Sに含まれていてもよい。この場合、面材開口部67を一対の階間大梁56に沿って延びる形状とすることが可能となるため、必ずしも横並びに複数設ける必要はない。
(4)上記実施形態では、下地板材71は、外壁フレーム54を介して階間大梁56に対して固定されていたが、外壁フレーム54を介さずに階間大梁56に取り付けられていてもよい。例えば、外壁フレーム54における階間大梁56に固定された部分が除去され、代わりに階間大梁56の屋外面に支持部材が固定され、その支持部材を介して化粧幕板18が階間大梁56に対して固定された構成とする。この構成でも、一対の階間大梁56の屋外側面と下地板材71との間に第2断熱層72を設けることが可能となっている。
(5)下地板材71は設けられていなくてもよい。この場合でも、一対の階間大梁56の屋外側面に沿って延びるように第2断熱層72が設けられ、その第2断熱層72から屋外側に離間して化粧幕板18が設けられている構成を実現できる。例えば、外壁面材53の面材開口部67において化粧幕板18が外壁フレーム54に固定され、化粧幕板18と階間大梁56との間に第2断熱層72及び第2通気層74が設けられている構成とする。
(6)上記実施形態では、一対の階間大梁56に対する断熱補強は、既設の建物だけでなく新築の建物について施してもよい。この場合、施工現場において外壁面材53に面材開口部67が形成される作業手順としたが、面材開口部67は建物ユニット製造工場において外壁面材53にあらかじめ設けられていてもよい。また、(2)のように外壁面材53に上側開口部91a及び下側開口部91bが設けられている構成においても、面材開口部67と同様に、上側開口部及び下側開口部が、建物ユニット製造工場において外壁面材53にあらかじめ設けられていてもよい。
(7)上記実施形態では、暖房設備85により二階空間32の床部36が温められるが、一階空間31の天井部35が温められてもよい。例えば、媒体通路86が、階間空間33において天井大梁22や天井小梁25の溝部内に設けられている構成とする。この場合、熱媒体の熱が天井大梁22や天井小梁25などの躯体から天井部35を介して下方に向けて放射され、一階空間31が温められる。この場合も、一対の階間大梁56に対して断熱補強が施されているため、暖房効率の低下を抑制できる。
また、暖房設備85により柱21が温められる構成としてもよい。例えば、媒体通路86が柱21の内部に設けられている構成とする。この場合でも、熱媒体の熱が柱21などの躯体から壁体を介して側方に向けて放射され、二階空間32や一階空間31が温められる。
(8)上記実施形態では、媒体通路86が配管により形成されているが、媒体通路86は床大梁23や床小梁26等の躯体により形成されていてもよい。例えば、床大梁23及び床小梁26に各溝部を塞ぐカバー体が取り付けられ、それら溝部内を熱媒体が流れる構成とする。この場合、床大梁23及び床小梁26が媒体通路となる。この場合でも、媒体通路が、床大梁23の溝部の内側に形成されていることになる。
(9)媒体通路86には、熱媒体を冷却する冷却装置が接続されていてもよい。この場合、冷却装置により熱媒体が冷却されることにより、二階空間32の熱が床部36を介して床大梁23及び床小梁26から熱媒体に伝わって、二階空間32が冷房されることになる。
(10)階間空間33には、その階間空間33に空気の流れを発生させるファンが設けられていてもよい。この構成においては、暖房設備85により床大梁23及び床小梁26を介して二階空間32の暖房が行われている場合に、それら床大梁23及び床小梁26周辺にて温められた空気を階間空間33全体に行き渡らせることが可能となり、その結果、二階空間32の暖房に加えて、天井部35を介して一階空間31の暖房を行うことができる。
(11)一対の階間大梁56に対する断熱補強は、二階建ての建物に限らず多層階を有する建物に対して施されてもよい。つまり、第2断熱層72は、下階部の下階ユニット20aと上階部の上階ユニット20bとが上下に並べて配置され、それらユニット20a,20bにより形成された一対の階間大梁56に対して設けられていればよい。
10…建物、14…下階としての一階部分、15…上階としての二階部分、18…外付け面材としての化粧幕板、22…上側大梁としての天井大梁、23…下側大梁としての床大梁、31…建物内空間としての一階空間、32…建物内空間としての二階空間、51…外壁、53…外壁面材、54…外壁フレーム、56…階間大梁、62…第1断熱層、63…第1通気層、67…非設置部分、71…下地板材、72,72a,72b…第2断熱層、73…胴縁部材、74…第2通気層、75…上側開口部としての上側スリット、76…下側開口部としての下側スリット、78…外側連通部としての外側連通孔、86…媒体通路、87…熱源装置、91a…上側開口部、91b…下側開口部、92…第2断熱層を構成する内側断熱材、93…第2断熱層を構成する外側断熱材。

Claims (8)

  1. 柱と大梁とからなる建物ユニットを複数並べて構築され、多層階を有するユニット式建物の外壁断熱構造であり、
    前記ユニット式建物の外壁は、外壁面材と、該外壁面材の屋内側において前記建物ユニットごとに上下の大梁間に設けられている第1断熱層と、前記第1断熱層及び前記外壁面材の間に設けられている第1通気層とを有しており、
    前記外壁面材においては、上下の建物ユニットの階間部分で上下に隣り合う一対の階間大梁を上下に挟む位置に、上側開口部と下側開口部とがそれぞれ設けられ、
    前記外壁面材の屋外側に、前記上側開口部及び前記下側開口部を含む範囲で外付け面材が設けられ、
    前記外付け面材の屋内側には、前記一対の階間大梁を屋外側から覆う第2断熱層と、前記第2断熱層及び前記外付け面材の間に設けられている第2通気層とが設けられ、
    前記第2通気層は、前記上側開口部を通じて上階側の前記第1通気層と連通されているとともに、前記下側開口部を通じて下階側の前記第1通気層と連通されており、
    前記外付け面材の屋内側には、該外付け面材の下地となる下地板材が、前記一対の階間大梁を屋外側から覆うように設けられており、
    前記外付け面材が胴縁部材を介して前記下地板材に取り付けられていることで、前記外付け面材と前記下地板材との間には前記第2通気層が形成されており、
    前記下地板材の板面に沿って延びるように前記第2断熱層が設けられていることを特徴とするユニット式建物の外壁断熱構造。
  2. 前記第2断熱層は、前記下地板材と前記一対の階間大梁との間に設けられていることを特徴とする請求項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  3. 前記一対の階間大梁の屋外面には、前記外壁面材を支持する外壁フレームが設けられており、
    前記下地板材は、前記外壁フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  4. 前記下地板材及び前記外壁面材は、上下に並べて前記外壁フレームにそれぞれ取り付けられており、
    前記上側開口部及び前記下側開口部は、それぞれ前記下地板材と前記外壁面材との間の隙間であることを特徴とする請求項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  5. 前記外壁面材には、前記上側開口部及び下側開口部を含む範囲で面材開口部が設けられており、
    前記下地板材は、前記面材開口部において前記外壁面材と上下に並べて設けられており、
    前記面材開口部において前記下地板材が設置されていない部分のうち、前記下地板材の上側が前記上側開口部とされ、下側が前記下側開口部がとされていることを特徴とする請求項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  6. 前記外付け面材の外縁側の板面は、前記外壁面材の屋外面と対向していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  7. 前記外付け面材と前記外壁面材との間には、前記第2通気層と屋外空間とを連通する外側連通部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
  8. 前記一対の階間大梁は、溝部を有する溝形鋼により形成され、
    前記一対の階間大梁のうち少なくとも1つの大梁において前記溝部内には、熱媒体が流れる媒体通路が設けられており、
    前記媒体通路には、前記熱媒体に熱を供給する熱源装置が接続されており、
    前記建物ユニットは、前記媒体通路が設けられた前記大梁を介して前記熱媒体の熱が建物内空間に伝わることにより、前記建物内空間の暖房が行われる構成とされていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のユニット式建物の外壁断熱構造。
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