JP5937553B2 - 土壌処理組成物 - Google Patents

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    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
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Description

本願が開示する発明は、撥水性土壌の発生予防、及び/又は、撥水性土壌の改善に用いられる土壌処理組成物に関する。また、本願が開示する発明は、芝生に発生するドライスポットの予防、及び/又は、芝生に発生したドライスポットの改善に用いられる土壌処理組成物に関する。
詳しくは、少水量散布に適した土壌処理組成物に関する。
芝生であるゴルフ場のグリーンでは、サンドグリーンを中心にドライスポットと呼ばれる局所的な乾燥害が発生しており、症状が進行すると芝が枯死する。そのため、ドライスポットを発生させないことが課題となっている。
ドライスポットにおいては、土壌が撥水性を帯びた状態にあり、散水しても水をはじく。また、毛細管現象も起きないため、ドライスポット周辺の土壌からドライスポットへの水の移動もない。そのため、ドライスポットでは土壌含水量が非常に低くなり、芝の生育に必要な水分が確保されず、芝は枯死に至る。
土壌の撥水性の原因は必ずしも明らかではないが、土壌の固結、散水ムラ、降雨・散水の表面流出、有機物の過剰な蓄積などに起因すると考えられている。有機物の蓄積に関しては、芝の刈り込みによって生じた刈カスや枯れた葉や茎、根等の分解物および土壌中の菌によって産生される油状物質が砂の表面に付着することにより砂が撥水性を帯びることが指摘されているが、解明はされていない。
ドライスポットを予防するためには土壌を乾燥させないことが大切だが、ドライスポット発生前の土壌でも一旦土壌水分率が低下し撥水性を示すようになると、散水しても水が土壌中に浸透しにくくなり散水の十分な効果が得られなくなる。
そのため、土壌の濡れ性を改善することが特に重要であると考えられ、下記特許文献1、下記特許文献2などには特定の混合物を散布するドライスポットの発生防止方法等が開示されている。
また、一般に界面活性剤を主な原料とした土壌浸透剤と呼ばれる資材の散布を行い土壌の濡れ性を改善する方法が行われている。
特開平10−60437号公報 特開2002−20749号公報
土壌浸透剤、肥料、農薬等の資材の散布に当たっては、タンク車と呼ばれる資材を入れるタンク、散布のためのホース、ホースに送り込むためのポンプが搭載された車を用いることが多く、最低でも2名の作業員が必要である。
近年、ゴルフ場芝生管理従事者は減少傾向にあり、多大な作業を限られた人数で行うことが求められている。そのため、各場面で作業の効率化が図られている。
資材散布の効率化の例としては、一人用の乗用車(スプレイヤー)によるスプレー散布が挙げられる。
このスプレイヤーは、小型で軽量のためグリーンに乗り入れて作業を行うことができ、60〜300ml/m程度の少水量散布が可能であるため、従来のタンク車による散布よりも散布時間を短縮できる。そのため、効率化に大きく寄与し全国のゴルフ場で急速に普及している。
しかしながら、農薬や肥料などは少水量散布に対応したものが上市されているが、土壌浸透剤については未だなく、従来のタンク車による散布に頼っているのが現状である。
すなわち、単純に従来型の土壌浸透剤を高濃度で少水量散布を行うだけでは効果が低く、また、土壌浸透剤による芝等の植物への薬害(植物の枯れ)の危険性がある。
土壌水分率や薬害に着目して、60〜300ml/m程度の少水量散布を実現したいという要望は、ゴルフ場の他に、農場、公園、校庭などでもあった。
本願発明者は、少水量で散布しても効果が高い土壌処理組成物を開発するため鋭意研究を重ねた。その結果、数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール及びポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上が有用であることを見出した。また、更に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上の併用も有用であることを見出した。
以上の知見より、本願発明者は本願が開示する発明を完成した。よって、少水量散布で良好な効果を発揮する土壌処理組成物を提供することを、解決すべき課題とする。
また、当該土壌処理組成物を使用する土壌処理方法を提供することを、解決すべき課題とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明は、
撥水性土壌の発生予防、及び/又は、撥水性土壌の改善に用いられる下記(a)成分を含有する土壌処理組成物である。
(a)数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール及びポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明は、
更に下記(b)成分を含有する第1発明に記載の土壌処理組成物である。
(b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明は、
1質量%水希釈液の曇点が20℃以上である第1発明又は第2発明に記載の土壌処理組成物である。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明は、
前記(a)成分と前記(b)成分との質量基準の含有比が(a)成分:(b)成分=9:1〜1:9である、第2発明又は第3発明に記載の土壌処理組成物である。
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明は、
300ml/m以下で散布する、第1発明〜第4発明のいずれかに記載の土壌処理組成物である。
(第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明は、
第1発明〜第5発明のいずれかに記載した土壌処理組成物を使用する、土壌処理方法である。
本願が開示する土壌処理組成物は、少水量散布で土壌水分率を良好にでき、良好な撥水性土壌の発生予防効果/撥水性土壌の改善効果を示す。
また、当該土壌処理組成物を使用する土壌処理方法は、良好な撥水性土壌の発生予防効果/撥水性土壌の改善効果を示す。
実施例における、濡れ性評価の一例を示す。 実施例における、試験ポットの薬害評価の一例を示す。
以下に、本願が開示する発明を、その最良の実施形態を含めて説明する。
本願は、撥水性土壌の発生予防、及び/又は、撥水性土壌の改善に用いられる下記(a)成分を含有する土壌処理組成物を開示する。
(a)数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール(POE−POP−POEブロックポリマーとも称する。)及びポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(POP−POE−POPブロックポリマーとも称する。)から選ばれる1種以上。
上記撥水性土壌とは、降雨や散水などで水が土壌に滴下したとき、土壌が水をはじき浸み込みにくい土壌である。上記撥水性土壌として、例えば、農場、道路の法面、ゴルフ場、公園、及び校庭の、芝生にみられるドライスポット等がある。
本願が開示する土壌処理組成物は、芝生に発生するドライスポットの予防、及び/又は、芝生に発生したドライスポットの改善に用いられることも好ましい。
本願が開示する土壌処理組成物が、芝等植物が生育する土壌に対して少水量で散布される場合は、一旦土壌処理組成物は芝等の植物に付着すると考えられる。その後、スプリンクラー等による散水又は降雨により芝等の植物に付着した土壌処理組成物が土壌に浸透していくと考えられる。よって、本願が開示する土壌処理組成物は、第1に土壌処理組成物を散布しても芝等の植物の生育の維持ができること、第2に土壌への浸透性が良好であること、が好ましい。
上記(a)成分は、数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール、及び、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上である。
即ち、数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超えるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール、及び、数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超えるポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上である。
当該(a)成分の数平均分子量は2000〜3000であることが好ましい。また、当該数平均分子量は2000〜2600としてもよい。一方、当該数平均分子量が1500〜3000の範囲を外れると、土壌への少水量散布で土壌水分率の改善効果/維持効果が不十分になると考えられる。
当該(a)成分の分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合は、10〜60質量%として良く、10〜40質量%としてもよい。
本願が開示する土壌処理組成物は、上記(a)成分に加えて、(b)成分であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上を併用して良い。当該(b)成分を上記(a)成分と併用することで、土壌処理組成物の土壌への浸透性を向上できると考えられる。また、(b)成分による、薬害が発生する危険性を低下できると考えられる。
当該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン(ポリオキシアルキレン部)と1価高級アルコール(アルキル基部)とがエーテル結合により結合した構造を有するものである。
当該ポリオキシアルキレン部として、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等がある。
上記(b)成分のアルキル基部位の炭素数は限定されない。土壌の濡れ性及び薬害抑制の観点から、アルキル基部位の炭素数は8〜22とすることが好ましく、8〜18とすることがより好ましく、8〜16とすることがより好ましく、10〜16とすることが更に好ましい。
土壌処理組成物が上記(a)成分及び上記(b)成分を含有する場合、両成分の質量基準の含有比は特に限定されない。薬害抑制の観点から、(a)成分:(b)成分=9:1〜1:9であることが好ましく、9:1〜4:6であることがより好ましく、7:3〜4:6であることがより好ましく、4:5〜5:4であることが更に好ましい。
散布時における上記(a)成分及び上記(b)成分の含有量は、土壌の状態を考慮して適宜選択可能である。土壌処理組成物が上記(a)成分を含有する場合は、0.2〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜2.0質量%であることがより好ましい。土壌処理組成物が上記(a)成分及び上記(b)成分を含有する場合は、当該散布時における含有量は、(a)成分と(b)成分の合計で0.2〜5.0質量%であることが好ましく、0.2〜1.0質量%であることがより好ましい。
本願が開示する土壌処理組成物は、上記(a)成分及び(b)成分の他、任意の成分を含有して良い。当該任意成分として、水、上記(a)成分及び(b)成分に該当しない非イオン性界面活性剤、水溶性高分子、農薬、溶剤、着色料、香料、キレート剤、塩類等がある。
本願が開示する土壌処理組成物の曇点は特に限定されない。当該曇点は20℃以上として良く、30℃以上として良く、40℃以上としても良い。
本願において、土壌処理組成物の曇点は、1質量%水希釈液を用いて求める。
本願が開示する土壌処理組成物は、好ましくは、少水量にて散布される。少水量について、具体的には300ml/m以下であり、60〜300ml/mとしてよく、60〜200ml/mとしてよい。
本願が開示する土壌処理組成物は、通常の方法により製造できる。散布時における土壌処理組成物の希釈率は、土壌の状態を考慮して適宜選択可能である。土壌処理組成物は100〜300倍に希釈した後、散布してもよい。
以上のとおり、本願は、本願が開示した土壌処理組成物を使用する、土壌処理方法をも開示する。
以下に、実施例を述べる。本願が開示する発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。
〔試験1:従来品の濡れ性の確認試験〕
従来の散布手法においてゴルフ場グリーンでのドライスポット予防効果が既に確認されている土壌処理組成物である、サンイーグルSB−80(スギムラ化学工業株式会社製)(以下、SB−80とも称する。)及びサンイーグルSB−99(スギムラ化学工業株式会社製)(以下、SB−99とも称する。)を使用した。
−試験方法−
(1)ドライスポットが発生したゴルフ場のグリーンから砂を採取し、ふるいにかけ、粒径1mm以下とした試験砂を用意した。
(2)内径6cmのプラスチック製ポットに、排水を促し濾紙を固定するための穴をあけた板を置いた。次に、当該板の上に、濾紙を置いた。次に、当該濾紙の上に試験砂50gを入れて表面を均した。
(3)SB−80又はSB−99の0.2質量%含有液(原液を500倍希釈した希釈液。希釈媒体は水である。以下の試験において希釈媒体は同じ。)を20ml、試験砂の上方から滴下し、5分間放置した。その後、試験砂表面に液が残っている場合は液を捨てた。コントロールとして、20mlの水を試験砂に滴下した試験も行った。
−評価−
別途用意したトレイ上にプラスチック製ポット中の試験砂をひっくり返し、濾紙をはがして、試験砂の全底面積に対する濡れた面積の割合(濡れた面積/全底面積×100)を目視にて評価した(濡れ性評価)。目視による濡れ性評価の一例を図1に示す。試験は3回繰り返して行い、平均値で評価した。
その結果、SB−80の濡れ性評価は80%であり、SB−99の濡れ性評価は100%であった。一方、水を滴下したコントロールでは水は試験砂上に留まり、試験砂の底面は全く濡れなかった(濡れ性評価は0%)。
以上のとおり、ゴルフ場におけるドライスポット予防効果と濡れ性評価とには相関が見られた。即ち、ゴルフ場のグリーンでのドライスポット予防効果が確認された土壌処理組成物は、試験1では高い濡れ性を示した。また、ゴルフ場のグリーンでのドライスポット予防効果がない水(コントロール)は、試験1では濡れ性評価が悪かった。
よって、試験砂を用いた試験方法は、濡れ性に着目して、原料成分のスクリーニングに利用できると考えられた。
〔試験2:少水量評価試験〕
−試験方法−
(1)ドライスポットが発生したゴルフ場のグリーンから砂を採取し、ふるいにかけ、粒径1mm以下とした試験砂を用意した。
(2)内径6cmのプラスチック製ポットに、排水を促し濾紙を固定するための穴をあけた板を置いた。次に、当該板の上に、濾紙を置いた。次に、当該濾紙の上に試験砂50gを入れて表面を均した。
(3)SB−80又はSB−99の0.5質量%含有液(原液を200倍希釈した希釈液。)5mlを、スプレーにて複数回にわけて試験砂表面に散布し、試験砂の表面に当該希釈液を浸透させた。
(4)希釈液が試験砂の表面に浸透した後、水15mlを試験砂に滴下し、5分間放置した。その後、試験砂表面に水が残っている場合は水を捨てた。
−評価−
濡れ性評価は上記試験1と同じ方法で求めた。その結果、SB−80の濡れ性評価は10%であり、SB−99の濡れ性評価は20%であった。
この結果から、従来品である土壌処理組成物は、少水量散布には適さないと考えられた。
〔試験3:原料成分のスクリーニング試験〕
上記SB−80及びSB−99にかえて、以下の原料(A)〜(k)を用いて試験した。
原料(A):POE−POP−POEブロックポリマー、曇点32℃(数平均分子量2500、内POE分子量が30質量%。)。
原料(B):POP−POE−POPブロックポリマー、曇点20℃(数平均分子量2800、内POE分子量が11質量%。)。
原料(C):POE−POP−POEブロックポリマー、曇点24℃(数平均分子量2000、内POE分子量が13質量%。)。
原料(D):ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル(アルキル基部の炭素数:10)
原料(E):ポリオキシアルキレンカプリルエーテル(アルキル基部の炭素数:8)。
原料(F):ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(アルキル基部の炭素数:12)。
原料(G):ポリオキシアルキレンセチルエーテル(アルキル基部の炭素数:16)。
原料(H):ポリオキシアルキレンオレイルエーテル(アルキル基部の炭素数:18)。
原料(i):POE−POP−POEブロックポリマー、曇点15℃(数平均分子量3800、内POE分子量が10質量%。)
原料(j):POE−POP−POEブロックポリマー、曇点39℃(数平均分子量1100、内POE分子量が14質量%。)
原料(k):POP−POE−POPブロックポリマー、曇点48℃(数平均分子量3500、内POE分子量が40質量%。)
−試験方法−
上記各原料(A)〜(k)を用い、1質量%含有液(100倍希釈した希釈液。)とした点以外は、上記試験2「少水量評価試験」に記載の試験方法と同様とした。
−評価−
上記原料(A)〜(k)のそれぞれについて、濡れ性評価は上記試験1と同じ方法で求めた。その結果、
原料(A)の濡れ性評価は70%、
原料(B)の濡れ性評価は90%、
原料(C)の濡れ性評価は70%、
原料(D)の濡れ性評価は100%、
原料(E)の濡れ性評価は100%、
原料(F)の濡れ性評価は100%、
原料(G)の濡れ性評価は100%、
原料(H)の濡れ性評価は100%、
原料(i)の濡れ性評価は0%、
原料(j)の濡れ性評価は0%、
原料(k)の濡れ性評価は10%、であった。
以上、原料(A)〜原料(H)は良好な濡れ性評価であった。
濡れ性の評価結果から、分子量1500〜3000、かつ、分子内におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、POE−POP−POEブロックポリマー及びPOP−POE−POPブロックポリマーから選ばれる1種以上、並びに、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上は少水量散布に適していると考えられた。
〔試験4:原料(A)と原料(D)〜(H)との混合物の少水量評価試験〕
上記原料(A)と上記原料(D)とを、質量基準の含有比「原料(A):原料(D)」=1:1で混合し、混合物を得た(当該混合物の曇点59℃。)。当該混合物の0.5質量%含有液(200倍希釈した希釈液。)を使用した点以外は、上記試験2と同様の試験方法で試験した。
試験の結果、当該混合物の濡れ性評価は100%であった。
次に、上記原料(A)と上記原料(E)〜(H)のいずれか1つとを、質量基準の含有比1:1で混合し、混合物を得た。当該各混合物の0.5質量%含有液(200倍希釈した希釈液。)を使用した点以外は、上記試験2と同様の試験方法で試験した。
試験の結果、上記原料(E)を用いた混合物の濡れ性評価は100%であった。上記原料(F)を用いた混合物の濡れ性評価は90%であった。上記原料(G)を用いた混合物の濡れ性評価は85%であった。上記原料(H)を用いた混合物の濡れ性評価は80%であった。
濡れ性の評価結果から、分子量1500〜3000、かつ、分子内におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、POE−POP−POEブロックポリマー及びPOP−POE−POPブロックポリマーから選ばれる1種以上と、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上との混合物は少水量散布に適していると考えられた。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキル基部の炭素数が少ない方が濡れ性の評価は高かった。当該アルキル基部の炭素数は8〜16であることがより好ましいと考えられた。
〔試験5:少水量散布における希釈率の検討〕
−試験方法−
(1)ドライスポットが発生したゴルフ場のグリーンから砂を採取し、ふるいにかけ、粒径1mm以下とした試験砂を用意した。
(2)内径6cmのプラスチック製ポットに、排水を促し濾紙を固定するための穴をあけた板を置いた。次に、当該板の上に、濾紙を置いた。次に、当該濾紙の上に試験砂50gを入れて表面を均した。
(3)上記原料(A)又は、上記原料(A)と上記原料(D)とを質量基準の含有比1:1で混合した混合物を用い、希釈倍率と希釈液の散布量を下記表1にあるように変化させて、スプレーにて複数回にわけて試験砂表面に散布し、試験砂の表面に希釈液を浸透させた。
(4)希釈液が試験砂の表面に浸透した後、上記スプレー散布した希釈液の量との合計が20mlになるように調節して試験砂に水を滴下し、5分間放置した。その後、試験砂表面に水が残っている場合は水を捨てた。
−評価−
濡れ性評価は上記試験1と同じ方法で求めた。
〔表1〕
ここで、参考に、スプレー散布量について換算値を述べる。スプレー散布量2.5ml=60ml/mに相当する。スプレー散布量5.0ml=120ml/mに相当する。スプレー散布量10.0ml=240ml/mに相当する。スプレー散布量12.5ml=300ml/mに相当する。
上記試験結果より、単位面積当たりに投下する成分量が同じであれば、希釈倍率が変化しても高い濡れ性効果を発揮した。
〔試験6:ポットを用いた薬害試験1〕
−試験方法−
ポットに砂を入れ、ベントグラス(品種名:ペンクロス)の種子をまき、23℃に設定した人工気象器内で45日間育てた後、芝が生えたポット(以下、当該芝を備えたポットを試験ポットとも称する)を試験に供した。
上記原料(A)、原料(B)又は原料(D)の0.5質量%含有液(200倍希釈した希釈液。)を0.5g、試験ポット上から散布し、各試験ポットに対する原料の散布量は0.6g/mとなるようにした。
散布処理後、各試験ポットを30℃に設定した人工気象器にて3日間育て、その後葉の黄化・褐色変化を評価した。
−評価−
評価基準は、以下の通りとした。
薬害なし:葉の黄化・褐色変化が確認されない。
極軽度:0%<芝の黄化・褐色変化面積≦10%。
軽度:10%<芝の黄化・褐色変化面積≦25%。
中度:25%<芝の黄化・褐色変化面積≦50%。
重度:50%<芝の黄化・褐色変化面積≦100%。
これらの評価に対応する芝の写真を図2に示す。図2は写真左側から、薬害無し、極軽度、軽度、中度、重度の写真である。なお、薬害なし及び極軽度の評価であれば、現場での使用に耐えうると考えられる。
試験の結果、上記原料(D)を使用した試験ポットは「中度」の評価であった。一方、上記原料(A)及び上記原料(B)を使用した試験ポットでは「薬害なし」の評価であった。
以上の結果から、POE−POP−POEブロックポリマー及びPOP−POE−POPブロックポリマーは、薬害が発生しにくいという観点からも、少水量散布に適していると考えられた。
〔試験7:ポットを用いた薬害試験2〕
上記試験6で薬害が確認されたポリオキシアルキレンアルキルエーテルについて、上記原料(A)や上記原料(B)と併用可能であるか検討した。
−試験7−1−
質量基準の含有比「原料(A):原料(D)」=9:1、7:3、1:1、3:7、及び1:9の5種の混合物を用意した。これら5種の混合物についての0.5質量%含有液(200倍希釈した希釈液。)を使用した点以外は、上記試験6「ポットを用いた薬害試験1」に記載の試験方法と同様とした。
試験の結果、「原料(A):原料(D)」=9:1、7:3、及び1:1は「薬害無し」の評価であった。「原料(A):原料(D)」=3:7及び1:9は「極軽度」の評価であった。
いずれの混合物の試験結果も「薬害無し」又は「極軽度」となり、現場での使用に耐えうる試験結果であった。
次に、上記原料(A)にかえて上記原料(B)を使用し、同様に試験したところ、原料(A)を使用したときと同様の結果になった。
−試験7−2−
上記原料(A)と上記原料(E)〜(H)のいずれか1つとを、質量基準の含有比1:1で混合した各混合物を使用した点以外は、上記試験7−1と同様の条件で試験した。
試験の結果、原料(E)を含む混合物は「極軽度」の評価であったが、原料(F)〜(H)を含む各混合物は「薬害なし」の評価であった。
即ち、原料(D)〜(H)はいずれも良好な結果を得た。薬害抑制の観点から、アルキル基部の炭素数が10〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを使用することがより好ましいと考えられた。
以上より、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、特定のPOE−POP−POEブロックポリマー及び/又はPOP−POE−POPブロックポリマーと併用することで、薬害を抑制しつつ少水量散布に利用できると考えられた。また、質量基準の含有比については、「POE−POP−POEブロックポリマー及び/又はPOP−POE−POPブロックポリマー:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル」=1:9〜9:1の範囲内とすることが好ましいと考えられた。
上記濡れ性試験の結果も総合すると、アルキル基部の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを使用することが、濡れ性及び薬害抑制の観点からより好ましいと考えられた。
〔試験8:ゴルフ場での試験〕
ゴルフ場のベントグラスナーセリーにおいて下記試験を行った。
−試験区−
試験区1 : 無処理。
試験区2 : 質量基準の含有比「原料(A):原料(D)」=1:1混合物の0.5質量%含有液(200倍希釈した希釈液。)を散布する。
試験区3 : SB−99の0.2質量%含有液(原液を500倍希釈した希釈液。)を散布する。
−試験方法−
ナーセリーを区切り、250mの区画を3つ準備した。試験前に予め土壌水分率を測定した。
(1)試験区2については、希釈液を200ml/mで散布した。試験区3については、希釈液を500ml/mで散布した。なお、試験区1はこれらに対応する散布処理を行わなかった。
最初の散布日は5月17日とし、第1回目の散布日を試験開始日とした。
(2)上記(1)に記載した希釈液の散布は、月1回の頻度で行った。
(3)各試験区のベントグラスナーセリーは慣行に従って管理し、上記(1)に記載した希釈液の散布の他、降雨を見込んで適宜スプリンクラーによる散水を行った。
−評価−
〔ドライスポットの発生の有無〕
試験区1は、試験開始後3ヶ月の時点でドライスポットが確認された。一方、試験区2及び試験区3は、試験開始後3ヶ月の時点でドライスポットが発生しなかった。
〔土壌水分率〕
試験開始前、試験開始後1月、試験開始後2月、及び試験開始後2.5月に、各試験区の土壌水分率を測定した。土壌水分率は土壌水分率測定器SM−300(Delta−T社製)を使って測定した。なお、測定結果は下記表2中に記載した。
〔表2〕
以上のとおり、試験区2及び試験区3はドライスポットが発生せず、かつ、土壌水分率も良好な数値であった。試験区2は、試験区3に対し、希釈液の散布量を半分以下としても良好な結果を得ることができた。よって、上記原料(A)と原料(D)の1:1混合物は、少水量散布に適した組成物であると考えられる。
試験区2の希釈液に含まれている上記原料(A)及び上記原料(D)については、上記試験3及び上記試験4において、良好な濡れ性が確認されている。また、上記原料(A)と原料(D)の1:1混合物は、上記試験7において「薬害無し」の評価である。
よって、上記試験3「原料成分のスクリーニング試験」又は上記試験4「混合物の少水量評価試験」で良好な濡れ性評価を得た原料や混合物は、土壌での少水量散布に適していると考えられる。
更に、上記試験6又は上記試験7の「ポットを用いた薬害試験」でも良好な結果を得た原料や混合物は、芝等植物が生育する土壌での少水量散布に適していると考えられる。
本願により、少水量散布で土壌水分率を良好にでき、良好な撥水性土壌の発生予防効果/撥水性土壌の改善効果を示す土壌処理組成物が提供される。
また、良好な撥水性土壌の発生予防効果/撥水性土壌の改善効果を示す土壌処理方法が提供される。

Claims (4)

  1. 記(a)成分および下記(b)成分を含有し、前記(a)成分と前記(b)成分との質量基準の含有比が(a)成分:(b)成分=9:1〜4:6である、撥水性土壌の発生予防、及び/又は、撥水性土壌の改善に用いられる土壌処理組成物。
    (a)数平均分子量1500〜3000であり、かつ、分子におけるポリエチレンオキシドが占める割合が10質量%を超える、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール及びポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上。
    (b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上。
  2. 前記(b)成分のアルキル基部位の炭素数が8以上である請求項1に記載の土壌処理組成物。
  3. 1質量%水希釈液の曇点が20℃以上である請求項1又は請求項2に記載の土壌処理組成物。
  4. 300ml/m以下で散布する、請求項1〜請求項のいずれかに記載の土壌処理組成物。
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