JP5935210B2 - 放射性物質を活用した農作物の育成方法及び農作物の育成装置 - Google Patents
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Description
繭玉は,その内部にゼオライト等を封入することにより,水田や果樹畑に存在する放射性物質の除去に利用できる。この放射性物質の除去に利用された繭玉は,発酵液を用いて分解し浄化土壌とすることが好ましいが,繭玉が浄化土壌となるまでには時間が掛かる。そこで,放射性物質を含有する土と共に繭玉を装置1内に収容して,農作物の成育方法に利用することで,放射性物質を含む使用済みの繭玉を有効に再活用できる。
装置1を,土壌の地表面から50cm〜100cmの深さに埋設することで,装置1は,基本的に,農作物の根より深い地中に位置にするようになる。このため,装置1内の放射性物質含土から放出される放射線により,農作物の根に対して活性化エネルギーを効率的に付与できる。また,装置1が地中浅くに配置されると,放射性物質含土から放出される放射線が,農作業者の身体に悪影響を与えることが懸念される。このため,装置1は,少なくとも地表面から50cm深さに埋設されることが好ましい。
本発明の育成装置1は,基本的に,容器本体10と,内蓋20と,外蓋30を備える。
容器本体10は,放射性物質を含有する土11が収容されるものであり,上部が開口している。
内蓋20は,容器本体10の上部に取り付けられるものであり,複数の放射線放出孔21を有している。
外蓋30は,内蓋20の上部に取り付けられ,上方に向かって所定角度傾斜して突起した通気管31を有している。
このような構成を有する育成装置1は,外蓋30を上方とし容器本体10を下方として,農作物が栽培されている土壌の地中に埋設して使用される。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B」であることを意味する。
図1(a)は育成装置1の具体的構成を示す断面図であり,図1(b)は育成装置1に収容される繭玉12の具体的構成を示す断面図である。また,図2は,農作物2が栽培されている土壌3の地中に,放射性物質含有土11及び繭玉12が収容された育成装置1を埋設した状態を概念的に示す側面図である。
使用済み繭玉12は,水田や果樹畑における放射性物質の除去に用いられたものである。例えば,複数の繭玉12を篭の中に収納し,この篭を,水田の水流入口にフィルタとして取り付けておけば,水に放射性物質が含有される場合,その放射性物質を繭玉12によって除去できる。また,例えば,果樹畑の地表面に複数の繭玉12を散布しておけば,果樹畑の地表に存在する放射性物質を繭玉12によって除去できる。このようにして,放射性物質の除去に用いられた使用済みの繭玉12は,農作物の育成装置1の容器本体10内に収容され,農作物の成長を促進するための用途として,再活用されることが好ましい。例えば,繭玉12は,容器本体10の容量に対して10%〜50%,又は20%〜30%程度収容されることが好ましい。
このような繭玉12を製造するためには,まず,天然の蚕の繭玉の一部を切り出して,さなぎを取り出す。その後,切り出した部分から,内容物(例えば,ゼオライト12a,コンポスト12b,及び粘土12c)を入れる。その後,切り出した繭の一部で蓋をする。蓋をした繭を1日から10日(例えば5日)の間,発酵液(又は発酵液と柿酢液)に漬ける。このようにすれば,上記した繭玉12を製造できる。
ブルーベリーの品種はサンシャインブルーを用いた。放射性セシウム含有物質を収容した育成装置を3月下旬に畑に埋蔵した。花の開花は4月上旬であり,実の収穫は7月下旬であった。対照区と比較してみると,枝の繁りと葉の色,及び花の色が良かった。実の色は黒紫でつやがあり,大きさも対照区のものと比較し1.3〜1.5倍に達した。収穫時期は対照区と同じ7月下旬とした。ブルーベリーは,完熟すると果実が落下しやすくなり,完熟果は強風でも落果する。しかし,育成装置埋蔵区のブルーベリーの果実は,殆んど落果がなく,収穫時にこぼれ落ちることがなかった。収量は,対照区のものに比べると約1.8倍の目方増であった。施肥は,対照区と同様に,なたね油粕,発酵液(土着菌も含む)と柿酢(カリウムを含む)であり,特に,柿酢を50倍に希釈し,1本当り10リットルを散布した。カリウム分が不足すると植物はカリウムと同じ分子構造のセシウムを吸収するから,少セシウム果実を得るために,常に多くの自然由来のカリウムを多めに施用することとした。
渋柿の品種は,アンポ柿の原料となる1個250〜400gの蜂屋柿を用いた。この柿は浅根(地下10cm位まで)で,しかも果実を育てる機能を持つ細根が浅い地下に集中する。放射性セシウム含有物質を収容した育成装置は,地下50cmの所に埋蔵した。施肥は,米ヌカ,油粕,発酵液,柿酢とした。育成装置は,蜂屋柿畑に4月中旬に埋蔵した。花の開花は6月中旬であり,収穫は11月初旬とした。育成装置埋蔵区のものは,対照区のものと比較すると,重量は1.5倍で大玉(300〜400g)のものが多く,果実色も赤橙,落果が極めて少なかった。育成装置埋蔵区においては,2012年2月中旬でも取り残しの果実が木になっており,このような現象は従来見られないものであった。柿の木に放射性セシウムの核分裂により微動を与えれば,柿の木はこのように活性化し,よりエネルギッシュになると考えられる。
小松菜の品種は楽天を用いた。小松菜は播種後3カ月で収穫できる。畝の下(地下50cm)に放射性セシウム含有物質を収容した育成装置を埋蔵した。畑にはコンポスト,発酵液,及び柿酢を施用した。育成装置埋蔵区のものは,対照区のものと比べてみると,葉の緑が濃く,茎が太く,葉が大きく肉厚で食べればやわらかいものであった。育成装置埋蔵区において茎の本数は13本と多く,対照区のものは8本であった。収穫は2〜3ヶ月で出来た。
さつま芋の品種は安納3号を用いた。6月10日に定植し,10月1日に収穫した。畝下70cmの処に放射性セシウム含有物質を収容した育成装置を埋蔵した。施肥は,油粕,米ヌカ,コンポスト,発酵液,柿酢を4月にすませ,育成装置の埋蔵はこれと同時期に終了した。対照区と比べてみると,育成装置埋蔵区では1本当りの収量は平均1kgであるのに対し,対照区では700gであった。また,育成装置埋蔵区では芋の大きさも揃っていた。食味は,対照区と同じであった。
トマトの品種はサントリーのシュガーレディを用いた。トマトは浅根であるが,根張りが良く1m先までも伸びる。放射性セシウム含有物質を収容した育成装置は,畝下70cmとした。育成装置埋蔵区では,ミニトマトが1房に30〜50粒もなり,実は25g平均であった。また,着色が真っ赤で糖度も高いものでは12度にも達した。一方,対照区のトマト糖度は最高で8度であった。このように,育成装置埋蔵区のトマトは,対照区のものと比べ,格段に優れているものであった。完熟ミニトマトは,手を触れるとガクを残したまま落下するのが生産現場の悩みであった。これを解決するために種苗会社は,糖度が少なくても赤いミニトマトの種を売り出している。結果,トマトのガクは落ちないが,実が固く美味な食感は得られない。放射性セシウム含有物質を利活用すれば,甘くてガクの落ちないミニトマトが得られることがわかった。ただし,ミニトマトの細根からセシウムを吸収させないために,50倍に希釈した天然由来の柿酢を10日に1度の割合で施した。これにより,セシウムの吸収を防止し,セシウムが核分裂する際に発生する微振動だけを活用できる。
スイカの品種は自家採取(平成元年から)の大玉黒皮スイカであり,商標名ダンディブラック(登録商標)を用いた。セシウム含有のマユ玉と汚染土壌を育成装置に収容し,この育成装置を畝下70cmの所に埋蔵した。育成装置埋蔵の時期は,施肥の時と同じく4月上旬とした。スイカは,カリウムを多く吸収し,果実を充実させる。そのため,カリウムが少しでも不足すれば,セシウムを吸収したがる。そこで,柿酢50倍希釈品をスイカ1本につき20リットル施用し,苗移植1ヶ月前に土づくりをした。スイカの収穫は,7〜9月とした。対照区と比較すると,育成装置埋蔵区のスイカは糖度が14度にも達するというものがあった。なお,スイカは人工的に摘果して玉数(1〜2玉)を決めるので多収ということはない。
上記実施例や表1に示される通り,育成装置埋蔵区のシーベルト毎時は,対照区のシーベルト毎時に比べて約2倍前後高いが,果実などの収穫物のベクレルを比較するとほとんど変化がない。これは,放射性セシウムが農作物の根からも,幹,枝,葉からも吸収されていないことを意味する。放射性セシウムを多く含んだ使用済マユ玉とシルクフィルタと汚染土壌を利用する技術は,農業分野ではなかった。放射性セシウムを含む土を収容した育成装置を地下に埋蔵し,核分裂を起こす際に発する微動だけを利活用する。植物は,微動を根で感知し,己の生命体を更に活性化させるものと推測される。放射性セシウム汚染物質は,地下に厳重な装置によって管理され,植物の細根が忍び込まない深さに設置することが好ましい。これにより,放射性セシウムが農作物に吸収されることを防止しつつ,放射性セシウムから放出される放射線を活かして農作物の成育を促すことができる。
2 農作物
3 土壌
10 容器本体
11 放射性物質含有土
12 繭玉
12a ゼオライト
12b コンポスト
12c 粘土
20 内蓋
21 放射線放出孔
30 外蓋
31 通気管
Claims (4)
- 農作物が栽培されている土壌の地中に,放射性物質を含有する土と放射性物質を含有する繭玉とが収容された装置(1)を埋設して,前記農作物の成育を促進する
農作物の育成方法。 - 前記装置(1)は,前記土壌の地表面から50cm〜100cmの深さの地中に埋設される
請求項1に記載の育成方法。 - 前記農作物が栽培される土壌の放射線量は,0.5マイクロシーベルト毎時以下であり,
前記放射性物質を含有する土の放射線量は,1マイクロシーベルト毎時以上1.5マイクロシーベルト毎時以下である
請求項1に記載の育成方法。 - 放射性物質を含有する土(11)が収容され,上部が開口している容器本体(10)と,
前記容器本体(10)の上部に取り付けられ,複数の放射線放出孔(21)を有する内蓋(20)と,
前記内蓋(20)の上部に取り付けられ,上方に向かって所定角度傾斜して突起した通気管(31)を有する外蓋(30)と,を備え,
前記外蓋(30)を上方とし前記容器本体(10)を下方として,農作物が栽培されている土壌の地中に埋設して使用される
農作物の育成装置。
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