JP5933882B2 - サーボプレス装置 - Google Patents

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Description

本発明はサーボプレス装置、特に永久磁石モータで駆動されるサーボプレス装置に関する。
サーボモータで駆動されるサーボプレス機械は、様々なスライドモーションが実現できる。このため、例えば、プレス負荷が加わる前に減速して絞り加工をしたり、あるいは、同様に減速してプレス加工時の騒音を下げる運転ができる。また、スライドの下死点付近でスライドを上下させるいわゆる振り子運転が行える。このように、サーボプレスを用いると、様々なスライドモーションによって、生産性向上、成形性の向上、あるいは、省エネ加工などが実現できる。前記種々のスライドモーションに対応するために、プレス加工する時の駆動軸には高トルクが要求されるので、プレスを駆動するサーボモータも高トルク、大容量のものが求められる。このために、サーボプレス用のサーボモータとしては永久磁石サーボモータが用いられる(特許文献1)。
一方、永久磁石モータでは、そのモータで利用する磁石材料や磁石形状、モータ構造から決まる最大電流を越える電流を流すと磁石が永久減磁をおこす。このため、永久磁石モータに流すことができる最大電流は永久減磁を起こさない値に決める必要がある。永久減磁が起ると、電流を小さな値に戻しても、減磁した永久磁石の磁束密度が元の磁束密度に回復せず不可逆減磁を起こす(以後、これを永久減磁と略す)。
永久減磁の特性は、例えば、フェライト磁石を用いたモータは温度が低くなるほど永久減磁を起こす電流(保磁力)が小さくなり、ネオジム磁石を用いたモータは温度が高くなるほど永久減磁を起こす電流(保磁力)が小さくなる。
サーボプレスのように大きな最大トルクが必要な駆動モータでは、プレス時にそのモータの最大電流を流すことがあるので、このときに永久減磁を起こす可能性がある。永久減磁を起こすと、磁石の磁束密度が低下するために、モータは所定の最大トルクが発生できなくなる。すなわち、プレスの最大加圧能力が低下する。このためサーボプレスでは、磁石が永久減磁が起きないように予防運転、あるいは、万一永久減磁を起こしたときの対処運転を行うことが必要である。
磁石の永久減磁を判定するために、例えば特許文献2では、モータの無負荷運転を検出し、そのときに検出した電圧と所定の参照値を比較して、永久減磁の程度を判定している。また、特許文献3では、d−q軸変換を用い、実際運転中のq軸電圧とその基準値と比較して永久減磁量を判定している。また、減磁を防止するために、特許文献4では、モータの温度が低下したとき、電流値を低減させることが記されている。
また、サーボプレス機械の診断に関して、特許文献5では、停止機能の診断として停止時に速度の減少率を監視して所定値の減少がない場合、制御装置の異常と判断し、装置を非常停止させる診断機能を実施している。特許文献6では、コンデンサの劣化診断として容量低下がある場合その旨を通知する構成が記載されている。
特開2012−006075号公報 特開2009−022091号公報 特開2005−051892号公報 特開2004−187339号公報 特開平11−267900号公報 特開2004−344946号公報
永久磁石サーボモータの磁石の永久減磁の判定に関して、前記公知の方法には次の課題がある。特許文献2や3に記載された方法は、永久磁石の減磁を判定できるものの、サーボプレス駆動用としてはそのままの方法での適用は困難である。すなわち、サーボプレスでは単純な無負荷運転がない場合や、運転中にトルク指令や回転数が変化して無負荷運転を検出できない場合があるためである。
また、減磁を未然に防ぐための方策として、特許文献4の方法では、温度に応じて電流指令を低減させるので、サーボプレスのトルク指令に対する実トルクが変化してしまい、サーボ系での応答が違ってしまう課題がある。また、減磁を起こさないような小さいトルク領域でもこの温度による制御を動作させてしまうために、プレス装置として減磁が生じない領域で通常のプレス動作ができない恐れがある。
さらに、特許文献5や6には、サーボプレスの制御装置や制御部品が異常を起こしたときの対処方法は記されているものの、永久磁石モータの磁石の減磁に関する運転方法は記載がない。
いずれにしても、従来例には、磁石に永久減磁が起きそうになることを予測して、サーボプレスをどのように運転するか、できるだけプレスの運転に影響を与えないように運転する方法は記載されていない。
本発明は前記課題に対してなされたもので、その目的とするところは、永久磁石モータで駆動されるサーボプレスにおいて、駆動用サーボモータの磁石に永久減磁が起きないように、できるだけプレスの運転に影響を与えない予防運転、あるいは、万一永久減磁を起こしたときの対処運転が行えるサーボプレス装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、永久磁石を有するサーボモータで駆動されるプレス機械と、前記サーボモータを動作制御するトルク指令を発生する位置/速度/トルク制御部と、前記位置/速度/トルク制御部に運転指令を与える指令装置部を備えたサーボプレス装置において、
前記位置/速度/トルク制御部のトルク指令に基づいて前記サーボモータの永久磁石の減磁率を予測し、この予測した減磁率の大きさに基づいて前記位置/速度/トルク制御部から前記サーボモータ側へ供給されるトルク指令と前記指令装置部の運転指令の少なくとも一方の指令値を制限する診断装置部を設けたことを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記診断装置部は、前記トルク指令に基づいてプレス機械が重負荷を実行するか否かを判定する動作指令部と、重負荷を実行すると判定されたときプレス機械の運転条件に応じて減磁率を予測する診断指令部と、予測された減磁率を記録する履歴記録部を備えたことを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記診断装置部は、前記トルク指令と、プレス機械のクランク軸角度に基づく負荷状態から減磁測定を行うかを判定すると共に減磁測定されるサーボモータを無負荷状態に設定する動作測定指令部と、前記動作測定指令部の減磁測定の指令に基づいて無負荷状態に設定されたサーボモータの減磁率を測定する減磁状態測定部と、前記減磁状態測定部で測定された減磁率を統計処理して今後の減磁率を予測する診断指令部と、予測された減磁率を記録する履歴記録部を備えたことを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記診断指令部は、予測した永久磁石の減磁率が所定値を超えたとき、前記位置/速度/トルク制御部と前記指令装置部の少なくとも一方に運転停止信号を出力することを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記位置/速度/トルク制御部はトルク指令を制限するリミッタ部を備え、前記診断指令部は予測された減磁率の大きさに基づいて前記リミッタ部でトルク指令を制限するトルク制限信号を出力することを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記位置/速度/トルク制御部はトルク指令のゲインを切換えるゲイン切替部を備え、前記診断指令部は予測された減磁率の大きさに基づいて前記ゲイン切替部でトルク指令を制限するトルク制限信号を出力することを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記診断指令部は予測された減磁率の大きさに基づいて前記指令装置部に運転指令を変更する運転指令変更信号を出力することを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記診断指令部は、予測された減磁率の大きさに基づいた運転制限結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記サーボモータは複数個からなり、前記診断指令部は、各サーボモータについて減磁率を予測し、予測された減磁率を履歴記録部に記録することを特徴とする。
また、上記に記載のサーボプレス装置において、前記位置/速度/トルク制御部はサーボモータの位置指令を演算する位置指令演算部を備え、前記診断装置部は、前記位置指令演算部からプレス機械のクランク軸角度を取込むことを特徴とする。
本発明によれば、プレス作業を阻害することなく減磁の防止が図れる。すなわち、磁石の永久減磁状態を予測して、予測状態に応じて運転を制限する、すなわち、トルクの制限や運転指令を変更するので、減磁の発生の防止を図ることが出来る。このために、いきなり、異常のために運転制限や停止というのを避けることができる。また、プレス作業を実行中、モータ磁石の万一のトラブルがあったとしても速やかに状況が把握でき、それに対する対策も早めに打つことが出来る。さらに、減磁の予測状態によって、運転状況を指令するので、できる限り運転継続ができる。また、プレス装置として減磁が生じない通常のときと同じ動作ができる。
本発明の基本構成を示すサーボプレス装置。 本発明の実施例1を示す制御系の構成図。 図2の制御系の詳細を示す構成図。 本発明の減磁予測と運転方法を示すフロー図。 図4の運転特性を示す図。 図4のフロー要素の詳細を示すフロー図。 本発明の実施例2を示す制御系の構成図。 図7の制御系の詳細を示すフロー図。 本発明の実施例3を示す制御系の構成図。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9を利用して説明する。
(実施例1)
図1〜図3はサーボプレス装置の一例として、複数のモータで駆動されるプレス機械1とその制御を行う制御部分からなる。プレス機械1は、スライドの駆動部とそれを駆動する2台のサーボモータ11a、11bからなる。制御部分は、前記サーボモータを駆動するインバータ21a、21b、位置/速度/トルク制御部31、指令装置部41および診断装置部51からなる。プレス機械1の構造はエキセンプレスで、中間ギヤが互いに噛み合った構造である。また、サ−ボモータ11a、11bはロータに永久磁石が取り付けられた交流サーボモータであり、永久磁石としては、例えば、ネオジム磁石やフェライト磁石が用いられる。
まず、プレス機械1について概説する。偏心リング3aの偏心部がコンロッド4aの大径部の穴に係合している。コンロッド4aの下端部はスライド2に連結されている。スライド2には金型が取り付けられる。また、偏心リング3bの偏心部がコンロッド4bの大径部の穴に係合している。コンロッド4bの下端部はスライド2に連結されている。偏心リング3a、3bの一端にはそれぞれメインギヤ141a、141bが接続されている。
偏心リング3a、3b、すなわち、メインギヤ141a、141bはそれぞれその中心部142a、142bで回転する。この中心部をここではクランク軸(エキセン軸)と呼ぶ。
メインギヤ141aは中間小ギヤ131aと噛み合わされ、その中間ギヤ軸に接続された中間大ギヤ132aは、ドライブギヤ121aと噛み合わされている。ドライブギヤ121aはサーボモータ11aの駆動軸に接続される。サーボモータ11aの図示とは反端側の駆動軸端にはサーボモータ11aの回転位置を検出するエンコーダ12aが接続される。また、メインギヤ141bは中間小ギヤ131bと噛み合わされ、その中間ギヤ軸に接続された中間大ギヤ132bはドライブギヤ121bと噛み合わされている。ドライブギヤ121bはサーボモータ11bの駆動軸に接続される。サーボモータ11bの図示とは反端側の駆動軸端にはサーボモータ11bの回転位置を検出するエンコーダ12bが接続される。
さらに中間大ギヤ132aと132bは噛み合わされており、これを介してメインギヤ141aと141bが互いに機械的に接続される。図示の例では、メインギヤ141aと141bは互いに逆方向に回転する。こうして、スライド2は左右のメインギヤ141aと141bの同期化を図りながらサーボモータ11aと11bによって駆動される。このように、2つのサーボモータ11aと11bはギヤを介して機械的に連結される。
サーボモータ11aの端子にはインバータ21aが接続され、モータを駆動する可変電圧、可変周波数の交流電圧が印加される。同様に、サーボモータ11bの端子にはインバータ21bが接続され、モータを駆動する可変電圧、可変周波数の交流電圧が印加される。インバータ21a、21bは図示しない直流電源から電力の供給を受ける。この直流電源の直流電圧が後述のVDCである。また、指令装置部41からのプレス装置の動作指令により、位置/速度/トルク制御部31が動作して、インバータ21a、21bはそれぞれPWM制御される。各サーボモータの磁石が永久減磁をするかどうかの予測と予測後の運転指示は診断装置部51で実施する。診断装置部51には表示部を備える。サーボモータ11aからはモータ温度が検出され診断装置部51に供給される。
診断装置部51は本発明の主要部である。トルク指令から減磁診断を行うタイミングを判定し、トルク指令τs、モータ回転数ω、直流電圧VDC、電圧指令、モータ温度Tmなどのプレス機械の運転条件(運転状況)から、磁石の減磁を予測する。あるいは減磁をしているか否か、減磁の予兆や減磁状態、すなわち、磁石の減磁率を予測する診断をする。この実施例では、減磁率を次のように定義する。
減磁率=[1−(Φp/Φn)]×100% (1)
ここで、Φp=磁石が減磁した状態での無負荷時モータ磁束
Φn=磁石が正常状態での無負荷時モータ磁束
そして、その結果から、予測した減磁率に応じてトルクを制限する。また、予測した減磁率に応じた運転を指示する。詳細は後述する。
次に、位置/速度/トルク制御装置部31の動作について図2と図3により説明する。
指令装置部41からのスライド2のモーション指令が位置指令演算部311に出され、位置指令演算部311では時々刻々のサーボモータの回転位置指令が演算される。位置指令演算部311からの回転位置指令は位置制御部312に入力される。位置制御部312は位置指令演算部311からの回転位置指令とエンコーダ12bからのモータ11bの回転位置検出値との偏差に応じて働き、モータ11bの回転速度指令を出す。位置制御部312からの速度指令は速度制御部313に入力される。速度制御部313は位置制御部312からの速度指令とエンコーダ12bから得られる速度検出値との偏差に応じて働き、2つのサーボモータ11aと11bに共通のトルク指令τsを出力する。
速度制御部313の出力はリミッタ部314に入力され、トルク指令が正負の所定値内に入るように制限される。トルク制限のやり方は後述する。リミッタ部314の出力はサーボモータの実際のトルクτcを指令する信号である。ここでは上記のように、モータ11bに取り付けられたエンコーダ12bの信号を位置制御部312と速度制御部313のフィードバック信号として用いる。すなわち、2つのサーボモータ11a、11bのうち、サーボモータ11bをマスター側のモータとしている。11aをマスターモータとしてもよい。
そして、リミッタ部314からサーボモータ11a、11bのトルク指令τcはゲイン切替部315a、315bに入力される。ゲイン切替部315のゲインはそれぞれ各インバータ21a、21bから流れる出力電流の割合を決める。すなわち、トルクは電流に比例するから、ゲイン切替部315のゲインは、トルク指令τcに対する各モータが発生するモータトルクの割合を決める。例えば、ゲイン値を100%と設定したとき、トルク指令が100%なら、当該モータはそのモータとして100%のトルクを出す。すなわち、2つのモータ合計で200%のトルクになる。トルク指令が50%ならば、当該モータはそのモータとして50%のトルクを出す。また、ゲイン値を200%と設定したとき、トルク指令が50%でも当該モータはそのモータとしての100%トルクを出し、トルク指令が25%なら、当該モータはそのモータとしての50%のトルクを出す。このゲイン切替部315a,315bでのゲインを目的によって使い分ける。
ゲイン切替部315aの出力はサーボモータ11aの発生トルクを指令する実トルク指令τcaである。ゲイン切替部315aからの実トルク指令τcaはトルク制御部316aに入力され、トルク制御部316aの出力によりインバータ21aがPWM制御される。なお、13a、13bは、それぞれサーボモータ11aと11bの温度検出器である。
トルク制御部316aの構成例を図3に示す。実トルク指令τcaはId/Iq電流指令部3161aに入力され、トルク指令に適するサーボモータ11aのd軸の電流指令Idca、q軸の電流指令Iqcaが出力される。Id/Iq電流指令部3161aの動作は、例えば、実トルク指令τcaに対してモータのトルクが最大になるようにId/Iq電流指令を出すようにする方法がある。Id/Iq電流指令部3161aからのd/q軸電流指令Idca/IqcaはId/Iq電流制御部3163aに入力される。一方、インバータ21aからのu、v相の出力交流電流iua/ivaを電流検出部22aで検出する。
電流検出部22aで検出した交流電流信号を座標変換部3162aでd/q軸上の電流検出信号Idfa/Iqfaとして検出する。Id/Iq電流制御部3163aはId/Iq電流指令部3161aからの指令信号と座標変換部3162aからの検出信号の偏差によって動作し、d/q軸の電圧を指令する信号Vdca/Vqcaを出力する。この信号は座標変換部3164aを介して静止座標系の3相交流電圧指令信号vuca、vvca、vwcaに変換され、PWM制御部3165aに入力される。PWM制御部3165aによりPWM制御信号が生成され、インバータ21aがPWM制御される。こうして、サーボモータ11aの電流は実トルク指令τcaに応じて制御される。
これら図3に示したId/Iq電流指令部3161a、座標変換部3162a、Id/Iq電流制御部3163a、座標変換部3164a、PWM制御部3165aで構成されるトルク制御部316aによりインバータ21aを制御して交流のサーボモータ11aの交流電流を制御する方式は永久磁石モータのベクトル制御として周知である。このとき、エンコーダ12aから得られるサーボモータ11aの回転子の磁極位置信号を基準にして座標変換部3162a,3164aでの座標変換が行われるのは周知である。さらに、Id/Iq電流制御部3163aにおいて、d/q軸間の電圧の非干渉制御をすることも周知である。
ゲイン切替部314bの出力はサーボモータ11bの発生トルクを指令する実トルク指令τcbである。ゲイン切替部314bの出力はトルク制御部316bに入力され、インバータ21bがPWM制御される。図2の破線で示すトルク制御部316bの構成は図3のトルク制御部316aと同じである。また、トルク制御部316bの動作もサーボモータ11aのものと同じである。
次に、図1と図2に示す診断装置部51は本発明の特徴部であり、図示のような信号を受けて、モータの減磁率の予測を行い、それに基づく表示と運転指令を出す。診断装置部51は図2のように動作指令部511、診断指令部512、表示部512i、履歴記録部513で構成される。以下、診断装置部51で行うモータ磁石の永久減磁を示す減磁予測の診断、それに基づく表示と運転指令について述べる。
図4はこれを実施するフローチャートである。診断装置部51のアルゴリズムは、スタートすると、まず、S101で重負荷を実行するか(重負荷を実行したか、あるいは、重負荷を実行しようとしているか)を判定する。図2の動作指令部511で、速度制御部313から出力されるトルク指令τsによりこの判断を行う。プレス機械ではプレス時に重負荷、すなわち、大きなトルクを必要とするが、磁石はこのときに減磁し易いからである。
重負荷を実行しない(S101でNo)のであれば、診断装置部51で減磁率の予測演算は行わないで戻る。重負荷を実行する場合(S101でYes)、S102でプレス機械の運転状況(運転条件)に応じて減磁率を予測する。予測は診断指令部512で行う。予測値はその条件と共に履歴記録部513に記録される。減磁率の予測を得る方法については後述する。次に、S103では、S102で予測した減磁率に基づいてモータのトルクを制限する。
図5は予測した減磁率の大きさに対応するトルク制限(正確には、トルクにはプラストルクとマイナストルクがある。ここでは、その絶対値の意味である。トルク制限については以下、同じ)の例を示す。予測した減磁率がR1以下では減磁が非常に軽いので、トルクを100%としてトルク制限を実施しない。予測した減磁率がR1からR2(所定値)までは減磁率に応じて、トルクを徐々に制限する。そして、予測した減磁率がR2(所定値)以上では減磁率が非常に大きくなると予測し、運転停止信号を出力して運転を停止する。R1やR2の値は、プレス機械で使用するサーボモータの磁石材料の特性、磁石の形や大きさ、モータの構造、あるいは、プレス機械での使われ方によって決める。
既に出力されたトルク指令τsのトルク制限は、診断指令部512からのトルク制限信号(出力信号)により、リミッタ部314によって実施する。そして、S104でトルクの制限状態に応じて、そのトルク制限にかからないように(その制限トルク以下となるように)、診断指令部512から運転指令変更信号を出力し、指令装置部41の運転指令を変更する。また、診断指令部512で予測した減磁率がR2(所定値)以上では、減磁率が非常に大きくなると予測し、運転停止信号を出力して指令装置部41の運転指令を運転停止するように変更する。
このように、トルク制限と運転停止は、診断指令部512からの出力信号によりリミッタ部314と指令装置部41で二重に(または、2か所で)行われ、より敏速で確実に行われる。なお、減磁率は、(1)式のように定義する。
このとき、診断指令部512に設けられる表示部512iには、予測した減磁率の大きさに基づくトルク制限値に応じた表示を行う。例えば、予測した減磁率がR1以下では表示を特にせず、通常の状態として運転をそのまま継続する。R1からR2までの減磁率を予測すると、例えば、R1に近い状態では、「モータ磁石に軽い異常が予測されます。重負荷での運転は避けて下さい。」などの警告だけを状態表示部512iに表示する。減磁率がR1からR2の間では、「モータの磁石に減磁の兆候が見られます。モータの出すトルクを○%以下に制限して運転します。」または、「モータ磁石に不具合が生じそうなので、○%以下の負荷で運転するように自動調整します。磁石に不具合が生じそうなことを装置メーカに連絡して下さい。」または、「○番モータ磁石に不具合が予測されます。○番モータを開放して運転します。」などの警告を表示する。このとき、プレスは表示した内容で制限された運転または、一部のモータを開放した運転が行われる。
さらに、減磁率が所定値R2以上と予測されると、「モータの磁石が異常状態と予測されます。運転を停止します。装置メーカに連絡して下さい。」などの警報を状態表示部512iに表示するとともに、プレスの運転停止を行う。
警告や警報は、文章による表示に代えて、ランプの色またはフリッカ点灯などで知らせることもできる。また、両者を備えてさらに確実に知らせることもできる。これら内容を表示する状態表示部512iはプレス装置近くに設置する。また、表示内容を装置近くだけでなく、通信回線を利用して装置動作状態を監視する部署に送って表示するか、あるいは、プレス装置のメーカに送ってもよい。あるいは、前記の表示例よりさらに詳しい診断内容(例えば、各モータの予想する減磁率だけでなく、その値の過去の履歴、減磁率を測定したときの運転情報)を送ってもよい。このようにするとモータの状態を遠隔監視でき、プレス装置の状態を見守る監視装置の役割をもち、今後の予測のためのサポートツールとすることができる。
以上のように、モータの減磁率の予測を行い、それに基づく表示と運転を行う。すなわち、モータの減磁率の予測に基づいて、既に出力されたトルク指令のトルクの制限を行い、それに応じてその後の運転指令値を変更する。モータが実際に減磁する前に、減磁率を予測してトルク指令のトルクを制限するので、敏速にトルクが制限されるので減磁の発生を防止することができる。また、制限にかからない範囲では、減磁がないと予測するときと同じプレス運転が行える。このために、プレス打ち抜きや周辺装置との同期制御など、プレス運転時の問題が生じない。
ところで、図4の減磁予測のフローチャートの起動は、重負荷を実行するかどうかの判定条件が成立したときに常時行ってもよいが、特定の時だけ実施してもよい。通常、モータ磁石の永久減磁は生じさせないようにモータが設計されている。このため、図4の起動は適当な周期、例えば数時間ごと、または、プレス機械の運転を開始する毎に行うようにしてもよい。さらに、別の起動タイミングとして、モータ温度を検出しているので、この温度状態から永久減磁が起こりやすい温度状態のとき図4を起動させることもできる。すなわち、永久磁石モータがネオジム磁石のときは高温時に、フェライト磁石のときは低温時に図4を起動させることができる。さらにまた、モータ11aだけ測定して、適当な時間後に11bを測定するように交互に判定しても良い。
このように、適切な時期や条件が成立したときだけに図4のアルゴリズムを起動させるようにすると、減磁判定のための制御系への負担を少なくすることができる。また、判定を実施するかしないかの条件が明確であれば、判定アルゴリズムを簡易化できる。例えば、しばらく運転停止した後だけに前記のアルゴリズムを起動する場合、モータ温度は常温に近いので、常温の磁石特性として扱って、モータ温度を検出せずに電圧の基準値演算を行ってもよい。このときは、モータに取り付けた温度検出器13a、13bも省略できる。
次に、図4のS102で示した運転状況に応じた減磁率を予測する具体例を説明する。図6は図4のS102に対応する詳細フローチャートである。この実施例では図2のゲイン切替部315a,315bでのゲインは100%である。
まず、S201で速度制御部313からのトルク指令τs、回転速度ω、直流電圧VDC、温度検出器13aまたは13bからのモータ温度Tmに対応して、モータのq軸電流指令Iqc,d軸電流指令Idcを演算する。この演算は、前述のId/Iq指令部3161aでの演算と同じである。
ここでの演算は、例えば、次のように行われる。まず、
Iq=K・τs (2)
として、トルク指令τsに比例してq軸電流指令Iqcを決める。ここで、Kは比例定数である。そして、まず、インバータ21aや21bの出力電圧がその最大値に達するまでは、最大トルク制御を行う。最大トルク制御は、同一電流で出来るだけトルクを出す制御である。このとき、q軸電流Iqが決まると、最大トルクを与えるd軸電流Idは
Id=[φ/2/(Lq−Ld)]−√[[φ/2/(Lq−Ld)]**2+Iq**2] (3)
ここで、Ld.Lq=d、q軸インダクタンス
φ=磁束
**=べき乗、例えば、A**2=A×Aを表す。
で与えられる。(3)式から、|Iq|の関数として、d軸電流指令Idcが演算により求められる。
ここで、磁束φはモータ温度Tmの関数として決まる。温度Tmに対応した磁束φの演算式を前もって定める、あるいは、Tmに対応するφのパターンをテーブルとして記憶しておいてもよい。こうして、Idの導出は(3)式の演算を行っても良いし、予めIdのパターンとしてテーブル化して記憶しても良い。
次に、インバータ21aや21bの出力電圧がその最大値に達すると、弱め磁束を行う。弱め磁束制御は出力電圧が最大でも、回転数をできるだけ高くする制御である。このときの、d軸電流指令演算は次のように行う。
エンコーダ12bで検出したモータの回転速度ωの絶対値|ω|と、図示しない検出器で検出したインバータ21bの入力直流電圧VDCから、弱め磁束制御におけるd軸電流は
Id=[−φ±√{(Vmax/ω)**2−(Lq・Iq)**2}]/Ld (4)
ここで、Idは負で絶対値の小さな値を選択
Vmax=VDCに比例するインバータ出力電圧最大値で、その比例定数は
インバータによって定まる。
で与えられる。Idの導出は先と同様に、(4)式の演算でもよいし、Idのパターンとしてテーブル化して記憶しても良い。
以上のようにして、q軸電流指令Iqc、d軸電流指令Idcを演算する。
図6に戻り、S201に続き、S202でこの電流を流したときのモータ温度Tmに応じた減磁率を予測する。サーボモータの磁石がネオジムの場合は、温度が高いほど磁石の保磁力が小さくなり、フェライトの場合は、温度が低いほど保磁力が小さくなる。モータに流す電流により保持力を超える磁石の部位は永久減磁を起こして磁束が低下する。磁束が低下するとその程度により、トルクが出なくなるのでますます大電流が要求され、減磁が進行する恐れがある。
そこで、磁石材料と磁石形状やモータ構造に応じて、モータ温度Tmに対応して、電機子電流の大きさや位相(IdやIqの値)によって、磁石のいろいろな部位で減磁がどの程度生じるか前もって解析や実験により条件を検討しておき、モータ全体での影響を減磁率として、診断指令部512に記憶しておく。記憶した値から、この条件のときの減磁率を予測する。この値を減磁率の予測値とし、その条件と共に履歴記録部513に記録する。
減磁率を予測した後の動作は前記の通りである。すなわち、モータに実際に負荷を加える前に、減磁率を予測し、それに応じてトルク制限をかけ、減磁にいたる電流を流すのを抑制し、実際に減磁が起こるのを回避する。以後、運転条件が同状態なら、設定したリミッタ値で運転する。次に大きなトルクが加わろうとするときに、図4や6のフローにしたがって、リミッタ値を見直す。
(実施例2)
実施例1とは別の方法で減磁率を予測する。図7はこれに対応する制御ブロック図、図8は図4のS102に対応する図6とは別の具体的なフローチャートを示す。プレス負荷のような大きな負荷を実施した後、軽負荷状態で今後の減磁率を予測する。このために、モータを無負荷状態にして、減磁率を予測する。図7の診断装置部51の構成は図2と異なり、他の構成は図2と同じである。診断装置部51は、動作測定指令部515、基準値演算部516a、516b、減磁状態測定部517a、517b、診断指令部518、表示部518i、履歴記録部513で構成される。以下、減磁率を予測する動作を図8のフローチャートによって説明する。
まず、S301で軽負荷状態になるのを待ち、軽負荷になったら、S302で2つのモータ11a、11bの一方を順に無負荷状態にし、無負荷状態のモータの誘起電圧を測定し、誘起電圧に基づいてその時点でのそれぞれのモータのこの測定での減磁率を得る。そして、S303で測定値の統計処理を行って現在の減磁率を出す。
すなわち、1回の測定だけでは減磁率の測定誤差がありうるので、例えば、S302〜S303のフローを数回繰り返して減磁率の平均値を求め、現在の減磁率とする。ついで、S304で現在の減磁率を測定した状態とともに履歴記録部513のメモリに記憶させ、履歴として記録する。次に、S305で今回測定した現在の減磁率とこれまでの減磁率の履歴から、次の減磁状態を予測する。これを減磁率の予測値とする。
診断装置部51のこのような構成と動作を、図7の構成図と図8のフローチャートを用いてもう少し詳細に説明する。
図8でスタート後にS301に先立ち、重負荷を実施したかを判断する。重負荷を実施していると判定されれば、S102に対応する減磁率を予測するステップ(S301以後)を実施する。本実施例2は複数のモータで運転するプレスを対象としているので、S301でクランク軸角度が所定角度の範囲にあり、かつ、負荷トルクが所定値より小さいかどうかを判断し、この状態であれば、S302でそのときに各モータを順に無負荷状態にしてその誘起電圧を測定し、永久減磁状態になったかどうかを測定(以後、単に減磁測定)する。
図1に戻り、エキセンプレスの構造上、スライド2が図示のように上死点付近にあるとき、スライドの質量はエキセン部の上下方向だけに加わる。すなわち、スライド質量を保持するための回転方向の力はエキセン軸にはかからず、モータに負荷トルクはほとんどかからない。また、上死点付近ではプレス作業は行わない。この両者から、上死点付近ではモータの回転トルクは小さい。この状態で現在の減磁測定を行い、今後の減磁率を予測する。
図7の動作測定指令部515は、上記説明のように位置指令演算部311からのクランク軸角度を取込み、このクランク軸角度と、速度制御部313からのトルク指令τsとから軽負荷状態を見極め、減磁予測(測定)を行うかどうか判定する(S301)。すなわち、動作測定指令部515は、クランク軸が所定範囲(例えば、上死点付近)にあり、トルク指令τsの絶対値が所定値より小さいときに減磁予測(測定)の指令を出す。動作測定指令部515は、同時に減磁予測(測定)されるサーボモータを無負荷状態に設定する。トルク指令τsとクランク軸角度の両方で負荷状態を知るので、負荷トルクの状態がより明確化でき、減磁予測を行ってよいかどうかを確実に判別できる。
判定するトルク指令τsの絶対値の所定値は、図2のようにモータが2台のときは、トルク指令τsの絶対値が最大値の50%より小さいかどうかで設定される。すなわち、N台モータで運転するサーボプレス装置では、1台のモータを無負荷にするとき、所定値はトルク指令τs絶対値が(N−1)/N×100%より小さいかどうかで決められる。
次にS302で、減磁率を測定するために減磁測定を行う。まず、サーボモータ11aの減磁測定を行うためにサーボモータ11aを無負荷にして測定を行う。この測定が終了後、次にサーボモータ11bの減磁測定を行うためにサーボモータ11bを無負荷にして測定を行う。1つのモータを無負荷にしても、図1のプレス装置は2つのモータが機械的にギヤで接続されているので、装置全体では1つのモータから全体にトルクが伝わり運転に問題は生じない。また、減磁測定時のモータトルクは100%ではなく、50%より小さいから、1つのモータで運転してもプレス全体では指令通りのトルクが発生できる。
更に詳述すると、動作測定指令部515は減磁測定のタイミング判定だけでなく、減磁測定のための一連の指令を出す。
通常はゲイン切替部315aと315bは、減磁測定動作を行わないときはどちらのゲインも100%の値である。両方のゲインが100%であるので、サーボモータ11a、11bは同じ動作をして両方とも同じトルクを出して運転が行われる。すなわち、リミッタ部314を介して速度制御部313から出されるトルク指令τcに比例して2台のサーボモータ11a、11bは同じトルクを発生する。
減磁測定を行うとき、まず、サーボモータ11aを無負荷にしてこのモータの減磁測定を行う。図2のようにモータが2台のときは、ゲイン切替部315bのゲインは200%の値とする。すなわち、モータN台のときは、無負荷状態にするモータを制御するトルク制御部のトルクを指令する以外の制御部のゲイン切替部のゲインを、N/(N−1)×100%とする。図2の場合はモータが2台なので、モータ11bをマスターモータとしており、ゲイン切替部315bの値を200%とし、ゲイン切替部315aの値を0%として、モータ11bだけで運転を継続し、モータ11aを無負荷状態にする。
ゲイン切替部315のゲインをこのように与えると、トルク指令τcから見たモータ全台数合計の発生トルクは、減磁測定しないときも、減磁測定中も同一にすることができる。図2の例では、モータ11aのトルクはゼロ、モータ11bのトルクは通常運転時のトルク指令の2倍のトルクを出す。トルク指令から見たプレス全体での発生トルクは変わらない。この結果、減磁判定を行うか否かにかかわらず制御的に安定した運転が継続できる。なお、ゲイン切替時のわずかなショックを防止するため、ゲインはいきなり目的の値に変えるのではなく、遷移時間を設け、ある時間内に切替えるようにする。
モータ11aの減磁測定状態では、ゲイン切替部315aのゲインを0%とし、Id/Iq電流指令部3161a(図3)からの電流指令Idca、Iqcaをゼロとする。この制御系の構成では、インバータ21aの出力電圧とサーボモータ11aの端子電圧が大きさも位相も一致しているときだけ、モータ巻線に流れる電流をゼロ電流状態とできる。こうして、モータ11aに電流を流さない状態、すなわち、無負荷状態を実現する。
この無負荷状態のとき、d軸をロータ磁石の磁束方向にとると、図3のId/Iq電流制御部3163aの出力のd軸成分Vdcaはゼロであり、q軸成分Vqcaだけがある値をもつ。この値はモータの無負荷電圧、すなわち、誘起電圧に比例する電圧になる。制御系の信号から誘起電圧を検出するので、電圧センサなどのモータ端子電圧検出のための特別の装置が不要である。なお、電圧の検出精度をさらに高めるために、モータ端子電圧を直接検出することもできる。
無負荷状態が実現されると、基準値演算部516aはモータの運転状態に応じた電圧基準値を演算する。すなわち、エンコーダ12aからの回転速度とモータ11a内に設けた温度検出器13aを参照して、磁石が永久減磁していない状態のモータの無負荷誘起電圧を演算する。通常は誘起電圧係数に回転数を掛算した値が無負荷誘起電圧の演算値である。誘起電圧係数はモータ温度、すなわち、磁石温度の関数であり、磁石特性に応じて温度の関数パターンとして基準値演算部516a内にもつ。あるいは、近似的に温度の1次関数として基準値演算部516aで演算する。こうして得られた無負荷誘起電圧を電圧基準値とする。電圧基準値は磁石が永久減磁を起こしていないときのその温度での無負荷誘起電圧になる。
上記に述べたq軸成分Vqcaと電圧基準値とを減磁状態測定部517aにおいて比較する。q軸成分Vqcaはモータ11aの端子電圧をd軸基準のベクトルとして描いたときのq軸電圧ベクトルに比例する。この比例係数は制御系の構成、PWM制御のやり方、インバータの直流電圧から定まる。減磁状態測定部517aでVqcaと誘起電圧演算値の両者を比較するとき、両者を同座標軸、同一次元に揃えて比較するのは言うまでもない。あるいは、座標変換部3164aの出力である交流電圧の大きさを求めて比較することもできる。こうして、制御演算部(トルク制御部)の信号から現在状態でのモータの誘起電圧を求め、回転数とモータ温度から決まる永久減磁がないときの電圧基準値と上記誘起電圧とを減磁状態測定部517aにおいて比較する。
比較の結果、永久減磁が起きていなければ両者(電圧基準値と上記誘起電圧)は等しい。永久減磁が起きていれば、磁束が低下しているので、Id/Iq電流制御部3163aの出力電圧成分Vqca(上記誘起電圧)は電圧基準値より低い。両者の大きさの割合R(R=Vqcaから得る現在の無負荷電圧/電圧基準値)から、この測定での減磁率[=(1−R)×100%]を求める。こうして、減磁率としてサーボモータ11aの減磁状態を測定する。モータの回転子が回転している状態で測定しているので、回転子上の特定部位の永久磁石に永久減磁が生じても測定できる。なお、先の定義では減磁率は分母、分子を磁束として比較をしている。上記計算は磁束に回転数を掛算した誘起電圧を分子、分母にもつので、磁束を比較しているのと同じである。
次に、サーボモータ11bの減磁測定を行う。測定方法は、上記同様であり、上記説明のサーボモータ11aとサーボモータ11bの立場を入れ替えて行う。すなわち、サーボモータ11bの減磁測定を行うときは、サーボモータ11aをマスター側に切り替えて回転位置制御を行い、モータ11aだけで運転を継続する。モータ11bは無負荷運転である。このために、ゲイン切替部315aのゲインを200%、315bのゲインを0%とする。モータ11bの減磁判定自体は、上記説明のようにモータ11aで行ったものと同じである。このとき、電圧基準値の演算に必要なモータ温度の検出はサーボモータ11bの温度検出器13bで行う。あるいは、2つのモータは同じ回転数、電流で動作をしているので、温度検出器を両モータにつけず、一方だけに取り付け、両モータ共通の温度としてもよい。さらには、モータの温度を模擬する演算部を診断装置部51内にもち、回転数、電流値、外気温度などからモータ温度を予測演算してもよい。この方法では、温度検出器をモータに設置しなくてよいので、装置の信頼性が向上する。
このようにして、プレス装置としては運転を継続しながら、サーボモータ11a、11bを順に無負荷状態にして、それぞれのモータの減磁状態を減磁状態測定部517aと517bで測定して、各モータの永久減磁率を得る。こうしてS302は終了する。なお、2つのモータが同一仕様のものでは、どちらのモータも同じ動作をするので、一方のモータだけの減磁率の予測を行い、他方は予測を止めてもよい。
次に、各モータ1回だけの減磁率測定では、測定誤差が出る恐れがある。このため、S303のように統計処理を行い、誤差が少ない現在の減磁率を得る。すなわち、減磁状態測定部517aと517bでS302で述べた減磁率測定を複数回行い、診断指令部518で測定した各モータの減磁率の平均値を算出(統計処理)して、現在の減磁率を得る。そしてS304で、こうして得た現在の減磁率をその条件と共に履歴記録部513に記憶する。
そして、S305の今後の予測減磁率の予測を診断指令部518で行う。この予測は、履歴記録部513で記憶した減磁率の履歴を利用する。過去の減磁率および現在の減磁率から回帰曲線を引いて今後の減磁率を求めることができる。あるいは、前回と現在の減磁率の変化の割合(傾き)から今後の減磁率を予測する。S305以後は、図4のS103とS104を診断指令部518で実施する。実施形態は、先の説明と同じである。リミッタ値の設定、運転指令値の修正は、以後、リミッタ値の設定の修正がされるまで、継続させる。
このようにして、現在の減磁率と今後の減磁率の予測によって診断を行うと、減磁が起きてからの対処だけでなく、その減磁率の極わずかな変化を予兆としてとらえて診断するので、実際に減磁が本格的に起きるのを防止できる効果がある。また、減磁がごくごく軽いうちからそれに応じた対処ができる。
以上のようにして、減磁診断を行うと、プレス作業を阻害することなく減磁診断が行える。さらに、その結果に基づいて減磁の予兆を捕らえて運転指令を出すので、問題となる減磁が起こらないうちに対処できる。さらに、万一、プレス駆動用のサーボモータの永久磁石に減磁が極わずか発生しても、その減磁をさらに進行させることなく、出来る限りの運転が継続できる。また、異常状況を予兆として確実に、すばやく知ることができるので、異常に対する対策も早めに取ることができる。
前述のように永久減磁の程度によって、プレス運転の方法を変更するが、ステップS103で実施するトルク制限は、リミッタ部314で実施する以外に次のような対応も可能である。
(1)リミッタ部で制限を行わず、別方法でトルクを制限する。
ゲイン切替部315aと315bのゲイン値を小さくしてトルクを制限する。この場合、前記診断指令部が、予測された減磁率の大きさに基づいて前記ゲイン切替部でトルク指令を制限するトルク制限信号を出力することで、ゲイン切替部でトルクを制限する。この方法では、リミッタ部314が不要となる。
(2)それぞれのモータの永久減磁率によって、それぞれのモータトルクを制限する。
両モータをそれぞれの減磁率の程度に応じて個々に制限する。こうすると、個々のモータの減磁状態に応じた適切な運転ができる。それぞれのモータの指令τca、τcbに対してそれぞれリミッタを設け、それぞれの制限値を変える。または、ゲイン切替部315aと315bの値をそれぞれ調整する。1台のモータだけに永久減磁が生じたときは、そのモータだけを制限する。
(3)永久減磁が生じたモータを開放する。
一方のモータだけに永久減磁が生じたとき、そのモータを駆動するインバータ出力を開放する。あるいは、そのモータのトルク指令をゼロとして、無負荷指令運転させる。
次に、他の減磁測定に方法ついて述べる。例えば、負荷運転中の減磁が生じていないときの状態を記憶しておき、実際の負荷運転中の状態と比較する方法もある。まず、減磁が生じていない状態で、特定のモータ温度、回転数、トルク指令に対する電圧ベクトル、電流ベクトル状態を記憶する。そして、実際の運転中に記憶した状態とほぼ同一の温度、回転数、トルク指令になったときの電圧ベクトル、電流ベクトルを測定する。そして、減磁のない状態と測定値とを比較し、これから現在の誘起電圧を演算推定しても減磁測定が行える。この場合、1台モータ駆動のサーボプレスでも減磁診断が行える。
ところで、図8のS301では、さらに次に条件を加えて、その先のステップ(S302)に進むようにしてもよい。永久磁石サーボモータ1を高速回転で運転するために界磁弱め制御を行う場合、高速回転の状態で、減磁判定のために上記のようにモータ11aの電流指令Idca、Iqcaをゼロとして、モータに電流を流さない状態を実現しようとしても、モータの誘起電圧によりモータ側からインバータ21aに逆電流が流れる恐れがある。このときは前記のような無負荷状態は実現できない。界磁弱めを行うモータでは、動作測定指令部515においてクランク軸角度とトルク指令τsの条件に加え、モータの回転速度の絶対値が所定値以下、すなわち、界磁弱め制御を行わない回転数以下であることをも条件として減磁測定を行うかどうかの判断を行う。
さらにまた、モータの回転数が低い場合、無負荷誘起電圧は小さい。このため、低回転速度の電圧が小さな状態で減磁率の測定を行うと、測定誤差が大きくなる。これを回避するために、上記とは逆にモータ回転数が所定値より高いことも条件に加え、減磁測定を行うようにしてもよい。
以上のようにして永久減磁を診断すれば、所定トルク以下の負荷をもつ運転状態でも、モータ定数の影響を受けず、精度良く磁石の永久減磁状態を予測し、それに基づくトルク制限、表示、運転指令を変更するので、いきなり、異常のために運転制限や停止というのを避けることができる。また、プレス作業を実行中、モータ磁石の万一のトラブルがあったとしても速やかに状況が把握でき、それに対する対策も早めに打つことが出来る。さらに、減磁の程度をみて運転状況を指令するので、できる限り運転継続ができる。
(実施例2)
次に、本発明を別の形態のプレスに適用したときの例を図9に示す。図9において、図7と同一符号は同一物を表す。1台のサーボモータでプレスを駆動する。
サーボモータ101は2組の電気的に独立した電機子巻線111aと111bを備える。回転子の軸端にはその回転位置を測定するエンコーダ102を備える。また、モータの内部の温度を検出する温度検出器103を備える。
図示のモータは機械的には1台のモータであるが、電気的な構造は図7に示す2台モータの構成と同じである。この結果、磁石の減磁測定と診断という点でみると先の実施例と同様に扱える。巻線と磁石の位置関係から一方の巻線だけを無負荷にすれば足りるケースとそれぞれの巻線を順に無負荷にするケースが考えられるが、どちらにも対応できる。
このように1台もモータで駆動されるプレス装置にも本発明の意図するところは適用できる。
以上述べた例は一例であり、それらを適宜組み合わせ実行も可能である。また、本発明の趣旨の範囲で他の方法もありうる。
1 サーボプレス装置
2 スライド
3a、3b 偏心リング
4a、4b コンロッド
11a、11b サーボモータ
12a、12b エンコーダ
13a、13b 温度検出器
21a、21b インバータ
22a、22b 電流検出部
31 位置/速度/トルク制御部
41 指令装置部
51 診断装置部
121a、121b ドライブギヤ
131a、131b 中間小ギヤ
132a、132b 中間大ギヤ
141a、141b メインギヤ
142a、142b クランク軸(エキセン軸)
311 位置指令演算部
312 位置制御部
313 速度制御部
314 リミッタ部
315a、315b ゲイン切替部
316a、316b トルク制御部
511 動作指令部
512 診断指令部
513 履歴記録部
515 動作測定指令部
516a、516b 基準値演算部
517a、517b 減磁状態測定部
518 診断指令部
512i、518i 状態表示部

Claims (9)

  1. 永久磁石を有するN台(N≧2)のサーボモータで駆動されるプレス機械と、前記サーボモータを動作制御するトルク指令を発生する位置/速度/トルク制御部と、前記位置/速度/トルク制御部に運転指令を与える指令装置部を備えたサーボプレス装置において、
    前記位置/速度/トルク制御部は、前記トルク指令のゲインを切換えるゲイン切替部と前記サーボモータの位置指令を演算する位置指令演算部を備えており、
    前記トルク指令および前記位置指令に基づき、減磁測定を行うかを判定すると共に、前記ゲイン切替部で前記N台のサーボモータの前記トルク指令のゲインを切り替えることで、減磁測定される1台のサーボモータを無負荷状態に設定し、残りのN-1台を負荷状態に設定する動作測定指令部を有し、前記動作測定指令部の減磁測定の指令に基づいて無負荷状態に設定されたサーボモータの減磁率を測定し、この減磁率の大きさに基づいて前記位置/速度/トルク制御部から前記サーボモータへ供給されるトルク指令と前記指令装置部の運転指令の少なくとも一方の指令値を制限する診断装置部を設けたことを特徴とするサーボプレス装置。
  2. 請求項1に記載のサーボプレス装置において、
    前記診断装置部は、測定したサーボモータの減磁率が所定値を超えたとき、前記位置/速度/トルク制御部と前記指令装置部の少なくとも一方に運転停止信号を出力することを特徴とするサーボプレス装置。
  3. 請求項1に記載のサーボプレス装置において、
    前記位置/速度/トルク制御部はトルク指令を制限するリミッタ部を備え、前記診断装置部は測定された減磁率の大きさに基づいて前記リミッタ部でトルク指令を制限するトルク制限信号を出力することを特徴とするサーボプレス装置。
  4. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記診断装置部は測定された減磁率の大きさに基づいて前記ゲイン切替部でトルク指令を制限するトルク制限信号を出力することを特徴とするサーボプレス装置。
  5. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記診断装置部は測定された減磁率の大きさに基づいて前記指令装置部に運転指令を変更する運転指令変更信号を出力することを特徴とするサーボプレス装置。
  6. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記診断装置部は、測定された減磁率の大きさに基づいた運転制限結果を表示する表示部を備えたことを特徴とするサーボプレス装置。
  7. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記診断装置部は、各サーボモータについて減磁率を測定し、測定された減磁率を記録する履歴記録部を備えたことを特徴とするサーボプレス装置。
  8. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記位置指令演算部は前記プレス機械のクランク軸角度を出力し、
    前記診断装置部は、前記位置指令演算部から前記クランク軸角度を取込み、軽負荷状態を見極め、減磁測定を行うかどうか判定することを特徴とするサーボプレス装置。
  9. 請求項に記載のサーボプレス装置において、
    前記減磁率の測定は、前記無負荷状態に設定されたサーボモータの誘起電圧を測定して得ることを特徴とするサーボプレス装置。
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