本発明は、遊技媒体の払出しを要求する払出信号を送出する払出指令手段と、遊技機に対応して設けられ、当該遊技機から払出された遊技媒体の計数を行うとともに、計数値を送出する計数機と、当該計数値を受信して集計し、集計値が所定の値になると、前記払出信号の送出を前記払出指令手段に要求する集計手段と、前記払出信号を前記払出指令手段から受信すると、前記集計手段が集計した量の遊技媒体の払出しを行う払出手段と、からなる構成とすることにより、遊技機に自動で遊技媒体が補填され、テスト打ち時の遊技場の従業員の作業負担を極力抑制することができ、遊技機の上皿に残っている遊技媒体の減少に合わせて、遊技媒体の払出しを行うことができる。
図1は、遊技媒体自動払出システムAを示す概念図である。遊技媒体自動払出システムAは、従業員用記録媒体1と遊技媒体払出装置2と管理装置3から構成されており、遊技媒体払出装置2と管理装置3は、通信回線を通じて接続されて、情報及び信号の送受信が可能である。従業員用記録媒体1は、内部に情報を書込み、また内部に記録された情報を読出すことのできる媒体であればよく、例えば、集積回路を組み込んだ会員用IDカード、ICコイン等である。特に、従業員用記録媒体1は、当該従業員用記録媒体1に割り振られた固有の識別情報を記録する識別情報記録手段4を有している。なお、本実施例では従業員用記録媒体1に割り振られた固有の識別情報を用いているが、これに限定されるものではなく、各従業員用記録媒体1を識別できるものであれば何を用いても良い。
遊技媒体払出装置2は、図2に示すように遊技機5に対応して設けられている台間機であり、パチンコ玉(遊技媒体)の払出し機である。遊技媒体払出装置2は特に、読取手段6、払出ボタン7、切替操作手段8、切替手段9、払出手段10、表示手段11、払出指令手段12、計数手段13、払出数設定手段17、集計手段18、状態記憶手段30を備えている。
読取手段6は、従業員用記録媒体1と有線又は無線通信を行い、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取る。切替操作手段8は、ボタンやレバー等、遊技場の従業員が遊技媒体払出装置2の外部から操作できるものである。切替手段9は、遊技場の従業者による、ボタンの押下等の切替操作手段8に対する操作と、後述する従業員用記録媒体1の認証の成功を条件として、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードとテストモード以外のモードに切り替える。払出手段10は、払出指令手段12から払出信号を受信すると所定量の遊技媒体を払い出して、遊技機5に供給する制御機構である。表示手段11は、各種の情報、例えば遊技に関する情報や遊技機5の稼働情報を表示したり、本発明の遊技媒体自動払出システムAを制御するコマンドやそれに対する応答出力等を表示したりする、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、モニタ等である。
払出指令手段12は、払出操作手段が遊技場の従業者等による払出操作を受け付けた場合に、遊技媒体の払い出しを要求する払出信号を、払出手段10に送出する。なお、払出操作手段とは、従業員用記録媒体1、読取手段6、払出ボタン7、識別情報記憶手段14、認証手段15を指し、払出操作手段による払出操作とは、従業員用記録媒体1と読取手段6間で通信を行わせ、従業員用記録媒体1に記録されている識別情報と、識別情報記憶手段14に記憶されている識別情報とを認証手段15に比較させて、一致するか否かの認証を行わせること、及び払出ボタン7の押下を指す。
計数手段13は、図2に示すように遊技機に対応して設けられている計数機であり、遊技機から払出された遊技媒体の計数を行うとともに、この計数値を集計手段18に送出する。そして集計手段18は、集計値が所定の値になると、払出要求信号を払出指令手段12に送信して、払出信号の送出を払出指令手段12に要求する。払出数設定手段17は、遊技媒体の払出数を入力可能なキーボードやポインティングデバイス(マウス)、タッチパネル等に代表されるユーザインターフェイスと、入力した遊技媒体の払出数を確認可能なCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、モニタ等の表示器とから構成されている。遊技場の従業員は、この払出数設定手段17を用いて遊技媒体の払出数を設定すれば、払出操作手段の操作により払出手段10の払出す遊技媒体の量を自由に設定することができる。
状態記憶手段30は、例えば大容量メモリーとして機能するハードディスク(HD)を用いることができ、遊技媒体払出装置2の運営モードを記憶するものである。切替手段9により遊技媒体払出装置2の運営モードが、例えばテストモードに切り替わって切替手段9から切替完了の信号を受信したとき、その信号に基づいて状態記憶手段30に記憶している、当該遊技媒体払出装置2の状態情報をテストモードに書き換える。
管理装置3は、プログラム制御により動作するコンピュータであり、管理装置3は特に、識別情報記憶手段14、認証手段15を備えている。識別情報記憶手段14は、例えば、大容量メモリーとして機能するハードディスク(HD) を用いることができ、遊技場の従業員の所持する従業員用記録媒体1の各識別情報を記憶している。
また記録媒体(メディア)へのアクセスを実現するための外部記憶ドライブを識別情報記憶手段14に備えれば、記録媒体に記録されたプログラム等を遊技媒体払出装置2のシステムにロードすることができる。記録媒体には、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、PCカード、DVD、ICメモリーカード、MO、メモリースティック等が含まれる。
認証手段15は、例えば、CPU(Central ProcessingUnit)により構成することができ、識別情報記憶手段14に記憶されている識別情報を呼び出して、遊技媒体払出装置2の読取手段6が読み取った従業員用記録媒体1の識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う。
次に、遊技媒体自動払出システムAの具体的な処理の流れを、図3〜5を用いて説明する。図3に示すように、遊技場の従業員が遊技媒体払出装置2の切替操作手段8を操作すると(ステップS101)、遊技媒体払出装置2は切替操作信号を受け付け(ステップS102)、読取手段6に従業員用記録媒体1を翳すよう促す報知が表示手段11への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す等して(ステップS103)、従業員用記録媒体1と読取手段6との間で通信を行わせると、読取手段6は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、管理装置3の認証手段15に送信する(ステップS104)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS105)。認証が成功した場合には、認証成功信号を切替手段9に送信する。一方、認証に失敗した場合は、エラー信号を遊技媒体払出装置2に送信し、エラー信号を受信した遊技媒体払出装置2の表示手段11は、認証に失敗した旨を表示する。なお、この切替操作手段8による切替操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
認証成功信号を受信した遊技媒体払出装置2の切替手段9は、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードに切り替え(ステップS106)、その旨を表示手段11に表示する(ステップS107)。また、切替手段9はテストモードへの切替が完了すると、切替完了信号を状態記憶手段30に送信し、この切替完了信号を受信した状態記憶手段30は、当該遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードである旨を記憶する(ステップS108)。
なお、本実施例では、切替操作手段8の切替操作の次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、切替操作手段8に対して切替操作を行う構成としてもよい。また、切替操作手段8の操作中に認証手段15による認証を行わせる構成としても良い。例えば、切替操作手段8をボタンで構成している場合、このボタンが押下されている間に従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す、などである。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳しながら切替操作手段8の切替操作を受け付ける構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段6とが交信されている状態で、切替操作手段8による切替操作がなされた場合に、切替手段9が動作するよう構成する。
このテストモードの状態で、払出操作手段の払出操作を行うと、払出指令手段12が払出信号を払出手段10に送信し、払出手段10は遊技媒体の払出しを行う。以下、具体的に説明する。図4に示すように、遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードの状態で、遊技場の従業員が、払出ボタン7を押し下げると(ステップS201)、払出操作信号を受け付け(ステップS202)、読取手段6に従業員用記録媒体1をかざすよう促す報知が表示手段11への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す等して(ステップS203)、従業員用記録媒体1と読取手段6との間で通信を行わせると、読取手段6は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、管理装置3の認証手段15に送信する(ステップS204)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS205)。この認証に成功した場合は、認証成功信号を払出指令手段12に送信する。一方、認証に失敗した場合は、エラー信号を遊技媒体払出装置2に送信し(ステップS206)、エラー信号を受信した遊技媒体払出装置2の表示手段11は、認証が失敗した旨を表示する。なお、この払出操作手段による払出操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
認証成功信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を払出手段10及び集計手段18に送信する。払出信号を受信した集計手段18は、自身が保持している集計値をクリアする(ステップS207)。また、払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS208)。または、予め払出数設定手段17の入力操作によって、設定された量の遊技媒体を払い出す。
なお、本実施例では、払出ボタン7の押下げの次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、払出ボタン7を押下げる構成としてもよい。また、払出ボタン7を押下げながら認証手段15による認証を行わせるように構成しても良い。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳しながら払出ボタン7を押下させる構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段6とが交信されている状態で、払出ボタン7が押下された場合に、払出手段10が動作するよう構成する。
また、遊技機5の上皿24に払い出された遊技媒体を遊技機5内に投入するため、遊技機5に備えているハンドル28を所定位置に固定する。このようにハンドル28を固定することにより、上皿24から遊技機5内に導入された遊技媒体を自動的に遊技機5に投入することができるため、遊技場の従業員は、係るハンドル28の固定作業を行うだけでよく、従業員の作業負担が軽減される。
計数手段13は、遊技機5から払出された遊技媒体の計数を行い、この計数に応じて計数信号を集計手段18に送出している。集計手段18は、払出指令手段12から払出信号を受信すると集計を開始し(ステップS209)、集計値が所定の値になると、払出要求信号を払出指令手段12に送信して、払出信号の送出を払出指令手段12に要求する。払出要求信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を払出手段10及び集計手段18に送信する。払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS210)。または、予め払出数設定手段17の入力操作によって、設定された量の遊技媒体を払い出す。集計手段18は、集計値をクリアしてリセットし(ステップS211)、集計を再び開始し、集計値が所定の値になると、払出要求信号を払出指令手段12に送信する。なお、本実施例においては、払出信号の受信を契機として、集計手段18は集計を開始する構成を示したが、これに限定されるわけではなく、例えば、遊技媒体払出装置2の遊技媒体の払出口(図示省略)に払出しを検知するセンサーを設け、当該センサーからの検知信号の受信を契機として、集計手段18が集計を開始する構成としても良い。
なお、入賞がない状態が続き、遊技機5から払出される遊技媒体がない場合には、集計手段18からの払出要求信号の送出が行われず、その結果遊技機5の上皿24に遊技媒体が不足することもありうる。その場合には上述したように、払出ボタン7の押し下げと、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳し、認証手段15の認証を受けて、払出手段10に遊技媒体の払出しを行わせても良い。なお、上記所定の値は任意の値を定めることができ、例えば、一般的に用いられる500円分の貸玉数である125とすることができる。また、集計手段18からの払出要求信号に応じて払出される所定量の遊技媒体数も任意の値とすることができ、例えば集計値をクリアするタイミングに用いられる上記所定の値と同じ数値(遊技媒体量)とすることができる。
遊技媒体自動払出システムAの遊技媒体の自動払出を終了する場合には、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードからテストモード以外のモード、例えば通常モードに切り替える。具体的な流れは、テストモードへの切替と同様である。図5に示すように、遊技場の従業員が遊技媒体払出装置2の切替操作手段8を操作し(ステップS301)、又従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す等して(ステップS303)、従業員用記録媒体1と読取手段6間で通信を行わせ、認証手段15に認証を行わせる(ステップS305)。その結果、認証に成功した場合、認証成功信号を受信した切替手段9は、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモード以外のモードに切り替え(ステップS306)、その旨を表示手段11に表示する(ステップS307)。また、切替手段9は切替が完了すると切替完了信号を状態記憶手段30に送信する。この切替完了信号を受信すると、状態記憶手段30は当該遊技媒体払出装置2の運営モードを通常モードである旨に書き換えて記憶する(ステップS308)。
なお、自動払出の終了方法としては、上述の方法の他に、例えば遊技媒体払出装置2に設けられている取消ボタン(図示省略)等の所定のボタンの操作や、このボタン操作と従業員用記録媒体1との組み合わせにより行うこととしても良い。すなわち、自動払出の終了とテストモードから他のモードへの切り替えを別個の操作により行うこととしても良い。また、テストモードから通常モードへの切替方法は一例であり、テストモードから他のモードに切り替えられれば、その方法は問わないものである。
上述したように、遊技媒体自動払出システムAを構成することによって、テスト打ちの際に、遊技場の従業員が遊技機に遊技媒体を投入する作業負担を極力抑制することができる。特に、計数手段13及び集計手段18を備えることにより、自動的に遊技媒体の追加の払出しを行うことができるとともに、遊技機5の上皿24に残っている遊技媒体の減少に合わせて、遊技媒体の払出しを行うことができ、便宜である。また、遊技場の従業員は、遊技媒体払出装置2の運営モードの切替及び遊技媒体の払出しの際のいずれの場合においても、遊技媒体払出装置2に対してのみ操作を行えば良いため、操作を一元化でき、便宜である。
図6は、遊技媒体自動払出システムBを示す概念図である。遊技媒体自動払出システムBは、従業員用記録媒体1と遊技媒体払出装置2と管理装置3から構成されており、遊技媒体払出装置2と管理装置3は、通信回線を通じて接続されて、情報及び信号の送受信が可能である。遊技媒体払出装置2は特に、切替手段9、払出手段10、計数手段13、集計手段18を備えている。また管理装置3は特に、読取手段6、払出ボタン7、切替操作手段8、表示手段11、払出指令手段12、識別情報記憶手段14、認証手段15、払出数設定手段17、モード制御手段29、状態記憶手段30を備えている。
次に、遊技媒体自動払出システムBの具体的な処理の流れを、図7〜9を用いて説明する。図7に示すように、遊技場の従業員が管理装置3の切替操作手段8を操作すると(ステップS401)、管理装置3は切替操作信号を受け付け(ステップS402)、読取手段6に従業員用記録媒体1を翳すよう促す報知が表示手段11への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を管理装置3の読取手段6に翳す等して(ステップS403)、従業員用記録媒体1と読取手段6との間で通信を行わせると、読取手段6は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、認証手段15に送信する(ステップS404)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS405)。認証が成功した場合には、切替操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号をモード制御手段29に送信する。モード制御手段29は、切替操作で指定されたモード(テストモード)への切替を指令するモード切替信号を遊技媒体払出装置2の切替手段9に送信する。切替手段9は遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードに切り替えると(ステップS406)、切替完了信号を管理装置3に送信する。この切替完了信号を受信すると、状態記憶手段30は当該遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードである旨を記憶し(ステップS407)、表示手段11は遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードに切り替わった旨を表示する(ステップS408)。一方、認証に失敗した場合は、表示手段11は、認証に失敗した旨を表示する(ステップS409)。なお、この切替操作手段8による切替操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
なお、本実施例では、切替操作手段8の切替操作の次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、切替操作手段8に対して切替操作を行う構成としてもよい。また、切替操作手段8の操作中に認証手段15による認証を行わせる構成としても良い。例えば、切替操作手段8をボタンで構成している場合、このボタンが押下されている間に従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す、などである。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳しながら切替操作手段8の切替操作を受け付ける構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段6とが交信されている状態で、切替操作手段8による切替操作がなされた場合に、切替手段9が動作するよう構成する。
このテストモードの状態で払出操作手段の払出操作を行うと、払出指令手段12が払出信号を遊技媒体払出装置2の払出手段10に送信し、払出手段10は遊技媒体の払出しを行う。以下、具体的に説明する。図8に示すように、遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードの状態で、遊技場の従業員が、管理装置3の払出ボタン7を押し下げると(ステップS501)、管理装置3は払出操作信号を受け付け(ステップS502)、読取手段6に従業員用記録媒体1をかざすよう促す報知が表示手段11への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を管理装置3の読取手段6に翳す等して(ステップS503)、従業員用記録媒体1と読取手段6との間で通信を行わせると、読取手段6は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、認証手段15に送信する(ステップS504)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS505)。この認証に成功した場合は、払出操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号を払出指令手段12に送信する。一方、認証に失敗した場合は、表示手段11は、認証に失敗した旨を表示する(ステップS506)。なお、この払出操作手段による払出操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
認証成功信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を遊技媒体払出装置2の払出手段10及び集計手段18に送信する(ステップS507)。払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS508)。または、予め払出数設定手段17の入力操作によって、設定された量の遊技媒体を払い出す。また、払出信号を受信した集計手段18は、自身が保持している集計値をクリアする(ステップS509)。
なお、本実施例では、払出ボタン7の押下げの次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、払出ボタン7を押下げる構成としてもよい。また、払出ボタン7を押し下げながら認証手段15による認証を行わせるように構成しても良い。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳しながら払出ボタン7を押下させる構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段6とが交信されている状態で、払出ボタン7が押下された場合に、払出手段10が動作するよう構成する。
計数手段13は、遊技機5から払出された遊技媒体の計数を行い、この計数に応じて計数信号を集計手段18に送出している。集計手段18は、払出指令手段12から払出信号を受信すると集計を開始し(ステップS510)、集計値が所定の値になると、払出要求信号を管理装置3の払出指令手段12に送信して、払出信号の送出を払出指令手段12に要求する。払出要求信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を遊技媒体払出装置2の払出手段10及び集計手段18に送信する。払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS511)。払出信号を受信した集計手段18は、集計値をクリアしてリセットし(ステップS512)、集計を再び開始し、集計値が所定の値になると、払出要求信号を管理装置3の払出指令手段12に送信する。
遊技媒体自動払出システムBの遊技媒体の自動払出を終了する場合には、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードからテストモード以外のモード、例えば通常モードに切り替える。具体的な流れは、テストモードへの切替と同様である。図9に示すように、遊技場の従業員が管理装置3の切替操作手段8を操作し(ステップS601)、又従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す等して(ステップS603)、従業員用記録媒体1と読取手段6間で通信を行わせ、認証手段15に認証を行わせる(ステップS605)。その結果、認証に成功した場合、切替操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号をモード制御手段29に送信する。この認証成功信号を受信したモード制御手段29は、切替操作で指定されたモード(例えば通常モード)への切替を指令するモード切替信号を遊技媒体払出装置2の切替手段9に送信する。そして切替手段9は、遊技媒体払出装置2の運営モードを通常モードに切り替え(ステップS606)、切替が完了すると切替完了信号を管理装置3に送信する。この切替完了信号を受信すると、状態記憶手段30は当該遊技媒体払出装置2の運営モードを通常モードである旨に書き換えて記憶し(ステップS607)、表示手段11は遊技媒体払出装置2の運営モードが通常モードに切り替わった旨を表示する(ステップS608)。
なお、自動払出の終了方法としては、上述の方法の他に、例えば遊技媒体払出装置2に設けられている取消ボタン(図示省略)等の所定のボタンの操作や、このボタン操作と従業員用記録媒体1との組み合わせにより行うこととしても良い。すなわち、自動払出の終了とテストモードから他のモードへの切り替えを別個の操作により行うこととしても良い。また、テストモードから通常モードへの切替方法は一例であり、テストモードから他のモードに切り替えられれば、その方法は問わないものである。
上述したように、遊技媒体自動払出システムBを構成することによって、遊技場の従業員は、遊技媒体払出装置2の運営モードの切替及び遊技媒体の払出しの際のいずれの場合においても、管理装置3に対してのみ操作を行えば良いため、操作を一元化でき、便宜である。
なお、本実施例におけるその他の構成及び作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
図10は、遊技媒体自動払出システムCを示す概念図である。遊技媒体自動払出システムCは、従業員用記録媒体1と遊技媒体払出装置2と管理装置3から構成されており、遊技媒体払出装置2と管理装置3は、通信回線を通じて接続されて、情報及び信号の送受信が可能である。遊技媒体払出装置2は特に、払出ボタン7、切替手段9、払出手段10、払出指令手段12、計数手段13、読取手段16、払出数設定手段17、集計手段18、表示手段32を備えている。また管理装置3は特に、読取手段6、切替操作手段8、表示手段11、識別情報記憶手段14、認証手段15、モード制御手段29、状態記憶手段30を備えている。
次に、遊技媒体自動払出システムCの具体的な処理の流れを、図7、図9、図11を用いて説明する。図7に示すように、遊技場の従業員が管理装置3の切替操作手段8を操作すると(ステップS401)、管理装置3は切替操作信号を受け付け(ステップS402)、読取手段6に従業員用記録媒体1を翳すよう促す報知が表示手段11への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を管理装置3の読取手段6に翳す等して(ステップS403)、従業員用記録媒体1と読取手段6との間で通信を行わせると、読取手段6は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、認証手段15に送信する(ステップS404)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS405)。認証が成功した場合には、切替操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号をモード制御手段29に送信する。モード制御手段29は、切替操作で指定されたモード(テストモード)への切替を指令するモード切替信号を遊技媒体払出装置2の切替手段9に送信する。切替手段9は遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードに切り替えると(ステップS406)、切替完了信号を管理装置3に送信する。この切替完了信号を受信すると、状態記憶手段30は当該遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードである旨を記憶し(ステップS407)、表示手段11は遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードに切り替わった旨を表示する(ステップS408)。一方、認証に失敗した場合は、表示手段11は、認証に失敗した旨を表示する(ステップS409)。なお、この切替操作手段8による切替操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
なお、本実施例では、切替操作手段8の切替操作の次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、切替操作手段8に対して切替操作を行う構成としてもよい。また、切替操作手段8の操作中に認証手段15による認証を行わせる構成としても良い。例えば、切替操作手段8をボタンで構成している場合、このボタンが押下されている間に従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す、などである。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段6に翳しながら切替操作手段8の切替操作を受け付ける構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段6とが交信されている状態で、切替操作手段8による切替操作がなされた場合に、切替手段9が動作するよう構成する。
このテストモードの状態で、払出操作手段の払出操作を行うと、払出指令手段12が払出信号を払出手段10に送信し、払出手段10は遊技媒体の払出しを行う。以下、具体的に説明する。図11に示すように、遊技媒体払出装置2の運営モードがテストモードの状態で、遊技場の従業員が、遊技媒体払出装置2の払出ボタン7を押し下げると(ステップS701)、払出操作信号を受け付け(ステップS702)、読取手段16に従業員用記録媒体1をかざすよう促す報知が表示手段32への表示或いは音声等によりなされる。そして、遊技場の従業員が従業員用記録媒体1を遊技媒体払出装置2の読取手段16に翳す等して(ステップS703)、従業員用記録媒体1と読取手段16との間で通信を行わせると、読取手段16は、従業員用記録媒体1の識別情報記録手段4に記録されている識別情報を読み取って、管理装置3の認証手段15に送信する(ステップS704)。識別情報を受信した認証手段15は、識別情報記憶手段14に記憶されている従業員の各識別情報を呼び出して、当該識別情報と比較し、一致するか否かの認証を行う(ステップS705)。この認証に成功した場合は、払出操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号を払出指令手段12に送信する。一方、認証に失敗した場合は、エラー信号を遊技媒体払出装置2に送信し(ステップS706)、エラー信号を受信した遊技媒体払出装置2の表示手段32は、認証が失敗した旨を表示する。なお、この払出操作手段による払出操作と、従業員用記録媒体1を用いた認証とを一定時間以内に行わせるようにしても良い。
認証成功信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を払出手段10及び集計手段18に送信する。払出信号を受信した集計手段18は、自身が保持している集計値をクリアする(ステップS707)。また、払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS708)。または、予め払出数設定手段17の入力操作によって、設定された量の遊技媒体を払い出す。
なお、本実施例では、払出ボタン7の押下げの次に、認証手段15による認証を行う順番になっているが、この構成に限らず、認証手段15による認証が成功した後に、払出ボタン7を押下げる構成としてよい。また、払出ボタン7を押し下げながら認証手段15による認証を行わせるように構成しても良い。さらに、従業員用記録媒体1を読取手段16に翳しながら払出ボタン7を押下させる構成としても良い。この場合、従業員用記録媒体1と読取手段16とが交信されている状態で、払出ボタン7が押下された場合に、払出手段10が動作するよう構成する。
計数手段13は、遊技機5から払出された遊技媒体の計数を行い、この計数に応じて計数信号を集計手段18に送出している。集計手段18は、払出指令手段12から払出信号を受信すると集計を開始し(ステップS709)、集計値が所定の値になると、払出要求信号を払出指令手段12に送信して、払出信号の送出を払出指令手段12に要求する。払出要求信号を受信した払出指令手段12は、払出信号を払出手段10及び集計手段18に送信する。払出信号を受信した払出手段10は、所定量の遊技媒体を払出して、遊技機5に供給する(ステップS710)。払出信号を受信した集計手段18は、集計値をクリアしてリセットし(ステップS711)、集計を再び開始し、集計値が所定の値になると、払出要求信号を払出指令手段12に送信する。
遊技媒体自動払出システムCの遊技媒体の自動払出を終了する場合には、遊技媒体払出装置2の運営モードをテストモードからテストモード以外のモード、例えば通常モードに切り替える。具体的な流れは、テストモードへの切替と同様である。図9に示すように、遊技場の従業員が管理装置3の切替操作手段8を操作し(ステップS601)、又従業員用記録媒体1を読取手段6に翳す等して(ステップS603)、従業員用記録媒体1と読取手段6間で通信を行わせ、認証手段15に認証を行わせる(ステップS605)。その結果、認証に成功した場合、切替操作に基づく認証に成功した旨の認証成功信号をモード制御手段29に送信する。この認証成功信号を受信したモード制御手段29は、切替操作で指定されたモード(例えば通常モード)への切替を指令するモード切替信号を遊技媒体払出装置2の切替手段9に送信する。そして切替手段9は、遊技媒体払出装置2の運営モードを通常モードに切り替え(ステップS606)、切替が完了すると切替完了信号を管理装置3に送信する。この切替完了信号を受信すると、状態記憶手段30は当該遊技媒体払出装置2の運営モードを通常モードである旨に書き換えて記憶し(ステップS607)、表示手段11は遊技媒体払出装置2の運営モードが通常モードに切り替わった旨を表示する(ステップS608)。
なお、自動払出の終了方法としては、上述の方法の他に、例えば遊技媒体払出装置2に設けられている取消ボタン(図示省略)等の所定のボタンの操作や、このボタン操作と従業員用記録媒体1との組み合わせにより行うこととしても良い。すなわち、自動払出の終了とテストモードから他のモードへの切り替えを別個の操作により行うこととしても良い。また、テストモードから通常モードへの切替方法は一例であり、テストモードから他のモードに切り替えられれば、その方法は問わないものである。
なお、本実施例におけるその他の構成及び作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。また、本実施例で詳述していない各構成手段の内容も実施例1と同様であるため、説明を省略する。
なお、上記実施例1〜3においては、遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件として、切替操作手段8の切替操作と、認証手段15の行う認証の成功の2つが必要な構成を示しているが、この構成に限定されるものではなく、切替操作手段8の切替操作あるいは、認証手段15の認証の成功のみを、遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件とする構成としても良い。認証手段15の認証の成功のみを運営モード切替の条件とする場合、認証に成功すると、状態記憶手段30に記憶されているモードをチェックし、通常モードと記憶されていればテストモードに切り替え、テストモードと記憶されていれば通常モードに切り替えるなどの構成とすることができる。また、例えば通常モードからテストモードへの切替えは切替操作手段8の切替操作と認証手段15の行う認証の成功の2つを条件とし、テストモードから通常モードへの切替は認証のみとすることも可能である。この場合はテストモードから通常モードへの切替時に認証に成功すると状態記憶手段30の状態をチェックして切替を行うよう構成することができる。このようにすることで、通常モードを基軸として切替操作手段8を用いて他の複数のモードへ切り替えることができ、通常モードへ戻す場合は簡易な操作で行うことができる。
また、上記実施例1〜3においては、遊技媒体の払出しの条件として、払出ボタン7の押下げと、認証手段15の行う認証の成功の2つが必要な構成を示しているが、この構成に限定されるものではなく、払出ボタン7の押下げ、あるいは、認証手段15の認証の成功のいずれか1つを、遊技媒体の払出しの条件とする構成としても良い。
従って、例えば認証の成功を遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件及び遊技媒体の払出しの条件としない場合には、認証に必要な、従業員用記録媒体1、読取手段6、識別情報記憶手段14、認証手段15、読取手段16の構成要素は不要となる。一方、認証の成功のみを遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件及び遊技媒体の払出しの条件とする場合には、払出ボタン7、切替操作手段8の構成要素は不要となる。更に、例えば認証の成功を遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件とし、払出ボタン7の押下げのみを遊技媒体の払出しの条件とする場合には、従業員用記録媒体1、読取手段6、識別情報記憶手段14、認証手段15の構成要素は、遊技媒体払出装置2の運営モードの切替を行う際にのみ、使用されることとなる。つまり上記実施例1〜3で示した遊技媒体払出装置2の運営モードの切替の条件と、遊技媒体の払出しの条件の組み合わせは、一例であって、条件及びそれに伴う構成要素の組み合わせは自在である。
なお、本実施例では管理装置3に識別情報記憶手段14及び認証手段15を設け、管理装置3にて認証を行っているが、認証を遊技媒体払出装置2で行っても良い。この場合は、例えば各遊技媒体払出装置2に読取手段6、識別情報記憶手段14、認証手段15を設け、所定のタイミングで管理装置3の識別情報記憶手段14の記憶情報を受信して遊技媒体払出装置2の識別情報記憶手段14に記憶しておき、認証に用いるように構成することができる。
また、上記実施例2・3では、遊技媒体払出装置2の運営モードを切り替える際、この切替操作で同時に、又は別個の操作で管理装置3の運営モードをテストモードとテストモード以外のモードとに切り替えるよう構成しても良い。遊技媒体払出装置2と同時に切り替える場合は、上述の切替操作・認証操作を行った際に遊技媒体払出装置2と管理装置3との運営モードをテストモードとテストモード以外のモードとに相互に切り替える。遊技媒体払出装置2の運営モード切替と別個で管理装置3の運営モード切替を行う場合は、遊技媒体払出装置2と管理装置3とに切替操作に必要な構成手段を設け、それぞれで行うよう構成することができる。
また、管理装置3からの運営モードの切替え、遊技媒体の払出指令は、遊技場に設置しているすべての遊技媒体払出装置2に対して一斉に行うこともできるし、個々の、あるいは予め指定された単位(例えば島単位)に属する遊技媒体払出装置2に対して行うこともできる。
なお、上記実施例1〜3において、各構成要素を遊技媒体払出装置2又は管理装置3に備えることとしているが、これは実施例の記載に限定されるものではなく、各構成要素を備える装置が実施例の記載と異なっている場合であっても、本発明の範囲に含まれるものである。例えば、上記実施例1〜3では集計手段18を遊技媒体払出装置2に設け、計数手段13からの計数信号を集計して更なる払出しを行うか否かを判断しているが、集計手段18を管理装置3に設け、この管理装置3内で計数手段13からの計数信号を受信・集計して更なる払出を行うか否かを判断する構成としても良い。