JP5932745B2 - 顔料、それを用いた顔料分散物、着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

顔料、それを用いた顔料分散物、着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、顔料、顔料を構成する化合物、それを用いた顔料分散物、着色組成物、着色感放射線性組成物、カラーレジスト液、カラーフィルタ、インクジェット用インク、および着色感放射線性組成物の製造方法に関する。
従来、携帯電話、モバイルゲーム機、PDA等小型の液晶表示装置、有機EL表示装置では、二次電池や乾電池等の電気容量制限のあるバックライト光源の使用が必須であったため、これらの表示装置に使用されるカラーフィルタの色材としては、輝度が高く、バックライトの輝線をよく透過させて色表示できる着色剤が有利に使用されてきた。
近年、液晶表示装置、有機EL表示装置の大型化が、パーソナルコンピュータの表示モニター、テレビ等の用途で進み、これらの表示装置では、色再現性が重視されている。また、屋外に設置することも想定され、耐熱性、揮散性についても重視されている。
カラーフィルタに用いられる着色剤としては、例えば、特許文献1では、所定の構造の対称メチン色素の金属キレート色素を含有する着色剤が提案されており、特許文献2では、所定の構造の対称メチン色素、ポリメチン色素、およびスクアリリウム色素のいずれかと金属イオン含有化合物との混合物からなる着色剤が提案されている。また、例えば、特許文献3では、メチン色素またはアゾメチン式と金属とから形成された金属錯体色素が提案されており、特許文献4では、所定の構造の色素を含む着色剤が提案されている。
特開2007−100061号公報 特開2001−342364号公報 特開平9−143382号公報 特開2005−250420号公報
しかしながら、本願発明者が検討した結果、特許文献1に記載の染料は、メチン色素が中性配位子として存在しており、このような染料では、耐熱性、揮散性、および耐溶剤性については不十分であることが分かった。また、特許文献2または3に記載の構造を有する染料では、耐熱性等が劣ることがわかった。本発明は、このような点に鑑み成し遂げられたものであり、耐熱性、および揮散性に優れる顔料、顔料を構成する化合物、それを用いた顔料組成物、着色組成物、着色硬化性組成物、カラーフィルタ、インクジェット用インク、および着色感放射線性組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、所定構造を有するメチン色素を金属錯体からなる顔料とすることによって上記課題を解決しうることを見出した。
前記課題を解決するための手段は、下記<1>の手段であり、好ましくは、下記<2>〜<20>の手段である。
<1>一般式(I)で表される顔料。
(一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、Mは1〜3価の金属を表し、Lは金属に配位し得るアニオンまたは配位子を表す。mは1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を表す。( )で括られる基は、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
<2>前記一般式(I)中、R3およびR4が、それぞれ、炭素数1〜5のアルキル基である、<1>に記載の顔料。
<3>前記一般式(I)中、R1およびR2が、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または複素環基である、<1>または<2>に記載の顔料。
<4>前記一般式(I)において、R1とR2、および、R3とR4が、同一の基である、<1>〜<3>のいずれかに記載の顔料。
<5>前記顔料が、JIS K 5101−1991 15に準拠した耐溶剤にじみ性の絶対比較法による評価が5級である、<1>〜<4>のいずれかに記載の顔料。
<6>前記一般式(I)中、nが0である、<1>〜<5>のいずれかに記載の顔料。
<7>前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−A)で表される化合物である、<1>〜<6>のいずれかに記載の顔料。
(一般式(I−A)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、M’は2価の金属原子を表す。( )で括られる基は、それぞれ、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
<8>前記一般式(I)中のM、および前記一般式(I−A)中のM’が亜鉛を表す、<1>〜<7>のいずれかに記載の顔料。
<9>前記一般式(I)で表される化合物が、下記(I−a)〜(I−n)で表される化合物のいずれかである、<1>〜<8>のいずれかに記載の顔料。
((I−f)、および(I−l)中、Meはメチル基を表す。)
<10>前記一般式(I)で表される化合物の分子量が、500〜1200である、<1>〜<9>のいずれかに記載の顔料。
<11><1>〜<10>のいずれかに記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする顔料分散物。
<12><1>〜<10>のいずれかに記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色組成物。
<13><1>〜<10>のいずれかに記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
<14><1>〜<10>のいずれかに記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色感放射線性組成物。
<15><13>に記載の着色硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルタ。
<16><12>に記載の着色組成物を用いたことを特徴とするインクジェット用インク。
<17><15>に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする固体撮像素子または液晶表示素子。
<18><13>に記載の着色硬化性組成物を支持体上に適用する工程と、適用された着色硬化性組成物をマスクを通してパターン露光する工程と、パターン露光された着色硬化性組成物をアルカリ現像する現像工程とを有する、カラーフィルタの製造方法。
<19>一般式(I)で表される化合物を含有する組成物であって、該組成物に含まれる着色剤の50質量%以上が一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする組成物。
(一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、Mは1〜3価の金属を表し、Lは金属に配位し得るアニオンまたは配位子を表す。mは1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を表す。( )で括られる基は、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
<20>前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−A)で表される化合物である<19>の組成物。
(一般式(I−A)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、M’は2価の金属原子を表す。( )で括られる基は、それぞれ、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
本発明によれば、耐熱性、および揮散性に優れる顔料、顔料を構成する化合物、それを用いた顔料組成物、着色組成物、着色硬化性組成物、カラーフィルタ、インクジェット用インク、および着色感放射線性組成物の製造方法を提供することができる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書において、放射線とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。また、着色層とは、カラーフィルタに用いられる画素及び/又はブラックマトリックスからなる層を意味する。
また、本明細書において、顔料とは、水および有機溶媒に難溶である化合物をいい、好ましくは、JIS K 5101−1991 15に準拠した耐溶剤にじみ性の絶対比較法による評価が4級または5級のものをいい、より好ましくは5級以上のものを言う。より詳細には、カラーオフィス編、有機顔料ハンドブック、363頁に記載による評価が5級であるものをいう。
(顔料)
本発明の顔料は、一般式(I)で表されることを特徴とする。また、本発明は、一般式(I)で表される化合物を含有する組成物であって、該組成物中の着色剤の50質量%以上、さらには、80質量%が一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする組成物とすることもできる。
(一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、Mは1〜3価の金属を表し、Lは金属に配位し得るアニオンまたは配位子を表す。mは1〜3の整数を表し、nは0〜2の整数を表す。( )で括られる基は、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
1〜R4はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基、を表す。
アルキル基としては、それぞれ、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基などが挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のチオアルコキシ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)などが挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましい。アリール基は、さらに置換基を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。アリール基が有していてもよい置換基は、アルキル基が有していてもよい置換基と同様である。中でも、フェニル基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基が好ましく、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基がより好ましい。
複素環基としては、炭素数6〜30の複素環基が好ましく、炭素数6〜14の複素環基がより好ましく、炭素数6〜10の複素環基が特に好ましい。複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。複素環基の具体例としては、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フラン基、チオフェン基、オキサゾール基、チアゾール基やこれらのベンゾ縮環体やヘテロ環縮環体などが挙げられ、中でも、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、ピリミジン基が好ましく、ピリジン基がより好ましい。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基が特に好ましい。アルコキシカルボニル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基などが挙げられ、中でも、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基が有していてもよい置換基は、アルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
カルバモイル基としては、炭素数0〜30のカルバモイル基が好ましく、炭素数0〜10のカルバモイル基がより好ましく、炭素数0〜6のカルバモイル基が特に好ましい。カルバモイル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。カルバモイル基の具体例としては、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などが挙げられ、中でも、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基が有していてもよい置換基は、アルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
アルコキシ基としては、それぞれ、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、中でもメトキシ基、エトキシ基が好ましい。アルコキシ基が有していてもよい置換基は、アルキル基が有していてもよい置換基と同様である。
アミノ基は、置換基を有していても良いが、無置換のアミノ基が好ましい。
スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基としては、アルコキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜3のアルコキシスルホニル基)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜8のアリールオキシスルホニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜8のアリールスルホニル基)、窒素原子がアルキル基またはアリール基で置換されていてもよいアミノスルホニル基(好ましくは窒素原子が炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜8のアリールスルホニル基で置換されていてもよいアミノスルホニル基)が例示される。
これらの中でも、R1およびR2としては、それぞれ、アルキル基、アリール基、複素環基が好ましく、アリール基、複素環基がより好ましい。より具体的には、メチル基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基、ピリジン基が好ましい。
また、R3およびR4としては、それぞれ、アルキル基、アリール基、複素環基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
3およびR4は、同一の基であることが好ましく、R1およびR2も同一の基であることがより好ましい。一般式(I)で表される化合物を対称型とすることで、目的とする吸収特性(青色味)が得られ、更には製造が容易となる利点がある。また、会合性が向上し、顔料化しやすくなるという利点もある。
5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。R5が表すアルキル基、アリール基、および複素環基は、R1〜R4が表すアルキル基、アリール基、および複素環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
5としては、水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
Mは、1〜3価の金属を表す。1〜3価の金属としては、Li、Na、K、Cs、Be、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd、Al、Ga、In、Yb、B等が例示される。これらの中でも、Znが好ましい。
Lは、金属に配位し得るアニオン、または配位子を表す。配位子としては式(I)におけるMと配位結合可能であれば特に限定されないが、好ましくはC、N、O、Sを含む置換基を有するものであり、さらに好ましくはNやO、Sなどの孤立電子対を持つ基を有するものが好ましい。配位子を形成する化合物の種類としては、カルボン酸、カルボニル(エステル、ケトン)、リン酸、スルホン酸、アミン、アミド、スルホンアミド、ウレタン、ウレア、アルコール、チオールなどを有する化合物が挙げられ、好ましくはカルボン酸、カルボニル(エステル、ケトン)、リン酸、スルホン酸、アミンを有し、さらに好ましくはカルボン酸、カルボニル(エステル、ケトン)、リン酸、アミンを有するものが好ましい。また、配位可能な基は分子内に1種類に限定されず、2種以上を含んでも良く、解離しても非解離でも良い。
金属に配位し得るアニオンとしては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子)、ClO4、SO4、CN、SCN、BF4、PF6、BPh4(Phはフェニル基を表す)が例示される。
mは、1〜3の整数を表し、1〜2が好ましく、2がより好ましい。
nは、0〜2の整数を表し、0〜1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(I)は、カッコ( )で括られる基全体として、1価のアニオンを形成している。主に、6つの窒素原子全体で1価のアニオンを形成しているが、炭素原子や置換基等もアニオンの形成に寄与していることもある。すなわち、一般式(I)の( )で括られる基と、M(1〜3価の金属)と配位結合および/またはイオン結合した構造となる。
一般式(I)で表される化合物は、一般式(I−A)で表される化合物であることが好ましい。
(一般式(I−A)中、R1〜R4は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホンアミド、スルホン酸エステル若しくはスルホンを形成する基、または、シアノ基を表し、R5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、または、複素環基を表し、M’は2価の金属原子を表す。( )で括られる基は、それぞれ、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
一般式(I−A)中のR1〜R4は一般式(I)中のR1〜R4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I−A)中のR5は一般式(I)中のR5と同義であり、好ましい範囲も同様である。
M’は、2価の金属を表す。2価の金属としては、Be、Mg、Ca、Ba、Zn、Cd等が例示される。これらの中でも、Znが好ましい。
一般式(I)で表される化合物の分子量としては、500〜1200が好ましく、500〜1000がより好ましく、500〜900がさらに好ましい。分子量を500〜1200とすることで、色相および揮散性が向上する傾向にある。
一般式(I)で表される化合物1分子あたりのR3およびR4の部分の各質量が、2〜200であることが好ましく、2〜150であることがより好ましく、12〜80であることが特に好ましい。このような構造とすることにより、より純度の高い化合物が得られる傾向にある。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。なお、式中、Meはメチル基を表す。また、下記のZnを、Be、Mg、Ca、Ba、Cdに変更した化合物も本発明の化合物として好ましく採用できる。
(I−a)〜(I−n)で表される化合物の中でも、(I−a)〜(I−l)が好ましい。
一般式(I)で表される化合物の合成方法としては、公知の方法を参照にして合成することができる。例えば、例示化合物(I−a)は、下記スキームに従って合成することができる。
上記スキームのように、一般式(I)で表される化合物を合成することができる。
本発明の顔料としては、一般式(I)で表される化合物を、JIS K 5101−1991 15に準拠した耐溶剤にじみ性の絶対比較法による評価が5級であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物の色相としては、λmax420〜470が好ましく、λmax430〜465がより好ましく、λmax440〜460がさらに好ましい。
また、本発明の着色組成物としては、着色剤として、一般式(I)で表される化合物を主成分とするものが好ましい。主成分とするとは、配合される青色着色剤の内、最も配合量が多い成分をいう。
本発明における着色組成物としては、カラーレジスト液等に用いられる着色感放射線性組成物やインクジェット用インクが例示される。
本発明の顔料、化合物を顔料化する方法としては、溶解性基を除去したり、分子内及び分子間の水素結合力を強化させるために水素結合性基を分子内に導入したり、分子間のπ−πスタッキング力を強化させるためにπ電子系の置換基などを導入する方法などが挙げられる。また、顔料化する方法として、多量体化する、ハロゲン相互作用で分子間相互作用を上げる等の方法も採用できる。
溶解性基としては、炭素原子数が6以上の長鎖アルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
水素結合性基としては、例えばヒドロキシル基、チオール基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、カルバメート基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、リン酸基などが挙げられる。
π電子系の置換基としては、不飽和結合を有する置換基、置換および無置換アリール基、芳香族ヘテロ環基などが挙げられる。
(顔料分散物)
本発明の顔料分散物は、上記顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする。これにより、分散安定性、着色力、および耐光性に優れた顔料分散物とすることができる。
本発明の顔料分散物は、水系であっても非水系であってもよい。好ましくは、溶剤分散である。
前記溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エチル−3−エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
本発明の顔料は他の着色剤と混合して使用してもよい。このとき、他の着色剤は顔料でも染料でもよい。例えば、好ましい態様の一つとして、青色の色相のフタロシアニン骨格を有する顔料と本顔料を適宜混合して、緑色の着色剤(例えば、緑色のカラーフィルタ用途)を構成してもよい。
さらに、顔料の分散及び画像の品質を向上させるため、界面活性剤及び分散剤を用いてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明における顔料分散物が界面活性剤を含有する場合、その含有率は特に制限はない。例えば、顔料に対して0〜100質量%とすることができる。
<分散剤>
本発明に用いうる分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤、及び、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にりん酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の顔料表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、特開昭54ー37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開平10−339949号、特開2004−37986号公報等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。特に、特開2009−203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂は、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた着色硬化性組成物が示す現像性の観点から特に好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、及び特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性且つ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、顔料分散物の分散性、分散安定性、及び顔料分散物を用いた着色硬化性組成物が示す現像性の観点から特に好ましく、更に、特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製 ヒノアクトT−8000E等、信越化学工業(株)製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商(株)製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、及び三洋化成(株)製「イオネット(商品名)S−20」等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。また、本発明の顔料分散剤は、前記顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子と伴に、アルカリ可溶性樹脂と併用して用いても良い。アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を変性した樹脂が挙げられるが、特に(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。また、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー共重合体、特開2004−300204号公報に記載のエーテルダイマー共重合体、特開平7−319161号公報に記載の重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂も好ましい。
また、水系分散の場合、特開2012−158739号公報の0487〜0516に記載の分散剤を用いることができる。
本発明の組成物における分散剤の含有量としては、着色剤である顔料100質量部に対して、1〜80質量部であることが好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜60質量部であることが更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料100質量部に対して、質量換算で5〜100部の範囲が好ましく、10〜80部の範囲であることがより好ましい。
また、顔料誘導体を併用する場合、顔料誘導体の使用量としては、顔料100質量部に対し、質量換算で1〜30部の範囲にあることが好ましく、3〜20部の範囲にあることがより好ましく、5〜15部の範囲にあることが特に好ましい。
本発明における顔料分散物を調製する際の分散剤の含有量としては、顔料分散物中の着色剤の全固形分質量に対して、1質量%〜90質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
着色硬化性組成物において、着色剤としての顔料を用い、顔料分散剤をさらに用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、着色硬化性組成物を構成する全固形分に対して30〜90質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
本発明において、顔料の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は顔料に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。本発明において、顔料の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いた。その測定は、顔料分散物3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行った。尚、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度にはインク粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いた。
より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上250nm以下であり、更に好ましくは30nm以上230nm以下である。顔料分散物中の粒子の数平均粒子径が20nm未満である場合には、保存安定性が確保できない場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、光学濃度が低くなる場合が存在する。
本発明の顔料分散物に含まれる顔料の濃度は、全固形分の0.1〜50重量%であることが好ましく、3〜45重量%であることがより好ましく、7〜40重量%であることが特に好ましい。
本発明の顔料は、その用途に適した耐溶剤性、分散性、熱移動性などの物性を、置換基で調整して使用する。また、本発明の顔料は、用いられる系に応じて乳化分散状態、さらには固体分散状態でも使用することができる。
(着色組成物)
本発明の着色組成物は、上記顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする。本発明の着色組成物は、着色感放射線性組成物であることが好ましい。
本発明の着色組成物または着色感放射線性組成物は、カラーレジスト液、インクジェット用インク、カラーフィルタ用着色組成物として好適に使用することができる。
本発明の着色組成物は、媒体に本発明の顔料を分散させることによって作製することができる。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、他の顔料および/または染料を含んでいてもよい。これらの他の顔料および染料は、全色材の1質量%以下であることが好ましい。
例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料を使用できる。
また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
〔インクジェット用インク〕
本発明のインクジェット用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記顔料分散物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調製される。ただし、特に問題がない場合は、前記本発明の顔料分散物をそのまま用いてもよい。
本発明のインク中の顔料分散物の含有割合は、記録媒体上に形成した画像の色相、色濃度、彩度、透明性等を考慮すると、1〜100質量%の範囲が好ましく、3〜20質量%の範囲がさらに好ましく、その中でも3〜10質量%の範囲が特に好ましい。
本発明のインク100質量部中に、本発明の顔料を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下含有するのがより好ましく、1〜10質量部含有するのがさらに好ましい。また、本発明のインクには、本発明の顔料とともに、他の顔料を併用してもよい。2種類以上の顔料を併用する場合は、顔料の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
さらに、本発明におけるインクは、上記顔料の他に別の顔料を同時に用いることが出来る。適用できるイエロー顔料としては、例えば、C.I.P.Y.74、C.I.P.Y.128、C.I.P.Y.155、C.I.P.Y.213が挙げられ、適用できるマゼンタ顔料としては、C.I.P.V.19、C.I.P.R.122が挙げられ、適用できるシアン顔料としては、C.I.P.B.15:3、C.I.P.B.15:4が挙げられ、これらとは別に、各々任意のものを使用する事が出来る。適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ顔料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインクジェット用インクに用いられる水溶性溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
前記多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が各々挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることもできる。
本発明に使用される水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。水溶性溶媒の含有量としては、インク全体の1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。インク中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、液体の粘度が大きくなり、インク液体の噴射特性が不安定になる場合が存在する。
本発明のインクジェット用インクの好ましい物性は以下の通りである。
インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
インクの粘度は、1.2mPa・s以上8.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満、更に好ましくは1.8mPa・s以上4.5mPa・s未満である。粘度が8.0mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。
なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
インクには、前記各成分に加えて、上記の好ましい表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、インク全体に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
さらに必要に応じて、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を使用することができる。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
[カラーレジスト液]
本発明の着色硬化性組成物は、上記顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする。着色硬化性組成物は、感放射線により硬化する着色感放射線性組成物であることが好ましい。
本発明の着色感放射線性組成物は、さらにアルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含むことが好ましい。
また、本発明の着色感放射線性組成物を製造する際、上記のようにして得られた顔料はそのまま配合しても、溶剤中に分散した顔料分散物を配合してもよい。上記顔料は、顔料分散物とすることで、色彩的特性、耐久性及び分散安定性、耐光性や耐候性が優れたものとなり好ましい。
本発明の着色感放射線性組成物における上記顔料(他の顔料を併用している場合には用いた顔料の合計量)の使用量は、重合性化合物1質量部に対し、0.01〜2質量部であるのが好ましく、0.1〜1質量部であるのが特に好ましい。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の着色感放射線性組成物は、さらにアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、現像性・パターン形成性が向上する。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を用いることも好ましい。
(式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を、必須成分であるポリマー成分(A)として含むことも好ましい。これにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。前記エーテルダイマーを示す前記一般式(ED)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2012−063735号公報の段落[0242]〜[0244]に記載のエーテルダイマーを参照して使用することができる。
アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、本発明の着色感光性組成物をポジ型の組成物とする場合に好適に用いることができる。アルカリ可溶性フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、又はビニル重合体等が挙げられる。
上記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、又はビスフェノールA等が挙げられる。
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、又はベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記フェノール類及びアルデヒド類は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾール又はこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。
上記ノボラック樹脂は分別等の手段を用いて分子量分布を調節してもよい。又、ビスフェノールCやビスフェノールA等のフェノール系水酸基を有する低分子量成分を上記ノボラック樹脂に混合してもよい。
また、アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で示されるエチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。
一般式(X)
(式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。)
上記式(X)において、R2のアルキレン基の炭素数は、2〜3であることが好ましい。また、R3のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R3のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R3で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
また、本発明における着色硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ-ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002-229207号公報及び特開2003-335814号公報に記載されるα位又はβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては好ましくは30mgKOH/g〜200mgKOH/g、より好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜120mgKOH/gであることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましく、7,000〜20,000が最も好ましい。
本発明における重量平均分子量は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したものをいう。GPCは、得られたポリマーについて、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈して、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本直列につないだものをカラムとして測定することができる。条件は、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行うことができる。
アルカリ可溶性樹脂の着色硬化性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは、2〜12質量%であり、特に好ましくは、3〜10質量%である。
<重合性化合物>
重合性化合物は、カラーフィルタの製造プロセスを考慮して適宜選択すれば良く、重合性化合物としては、感光性化合物及び/又は熱硬化性化合物などが挙げられるが、感光性化合物が特に好ましい。
重合性化合物として、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
これらの重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、M−460(東亞合成社製)などが挙げられる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、特開2011−180307号公報の段落[0191]〜[0193]、特開2012−046712号公報の段落[0093]〜[0094]に記載の式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D-320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D-310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。また、アロニックス(ARONIX)(M−305、東亞合成(株)製)も使用できる。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましく、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、特開2012−003225号公報の段落[0155]〜[0162]に記載のカプロラクトン構造を有する多官能性単量体を使用することができる。
また、重合性モノマーとして、特開2010−085457号公報の段落[0029]〜[0040]に記載の一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択されるモノマーを好適に使用することができる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適である。酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、前記多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
重合性化合物としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。多官能チオール化合物としては、特開2009−086563号公報の段落[0038]〜[0040]に記載されている多環能チオール化合物を使用することができる。
また、重合性化合物としては、アルキレンオキシ基を有する重合性化合物も好適である。アルキレンオキシ基を有する重合性化合物としては、特開2009−175724号公報の段落[0031]〜[0047]に記載されている重合性化合物を使用することができる。
重合性化合物の配合量は20〜90質量%、好ましくは40〜80質量%の範囲が好ましい。
重合性化合物の配合率は、カラーフィルタ用組成物中の全固形分中40〜95質量%であることが好ましく、更には50〜90質量%であることが好ましい。組成物中には、必要に応じて他の樹脂類等を配合することができるが、この場合には、他の樹脂類を合わせた合計量が上記範囲に入ることが望ましい。なお、全固形分とは乾燥、硬化後に固形分として残る成分をいい、溶剤を含まず、単量体を含む。
<重合開始剤>
本発明の着色感放射線性組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤としては、特開2012−053243号公報の段落[0116]に記載の重合開始剤を使用することができる。
前記ケトン化合物としては、例えば、特開2012−053243号公報の段落[0117]に記載のケトン化合物を使用することができる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、 IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載の化合物、特開2000−80068号記載の化合物、特開2006−342166号記載の化合物を用いることができる。
本発明で光重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。また、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)などの市販品も使用できる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025公報および米国特許公開2009−292039記載の化合物、国際公開特許2009−131189公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985公報、特開2010−185072公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
特に好ましくは、特開2007−269779公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、特開2012−032556号公報に記載のオキシム系光重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
光ラジカル重合開始剤の感放射線性組成物中における含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、感放射線性組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲、特に好ましくは1〜8質量%の範囲である。この範囲内であると、良好な感度とパターン形成性が得られる。
本発明では、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光ラジカル重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明に用いられる増感剤としては、例えば、特開2008−32803号公報の段落番号〔0101〕〜〔0154〕に記載される化合物が挙げられる。
顔料組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
[有機溶剤]
本発明の着色感放射線性組成物は、少なくとも一種の有機溶剤を含有することができる。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色硬化性組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(具体的には、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(具体的には、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(具体的には、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、2012−046712号公報に記載のエーテル類を使用することができる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、およびアルカリ可溶性ポリマーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましく、2012−046712号公報に記載に記載の組み合わせを参照することができる。
有機溶剤の着色組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
[架橋剤]
本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物に補足的に架橋剤を用い、着色硬化性組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落番号0134〜0147の記載を参照することができる。
本発明の着色組成物は、前記界面活性剤を含んでいても良い。
前記界面活性剤としての共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
前記界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の顔料着色組成物における界面活性剤の添加量は、特定樹脂100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましく、0.01〜1重量部であることが更に好ましい。
本発明の着色組成物は、前記分散剤を含んでいても良い。前記分散剤の添加量は、特定樹脂100重量部に対して、60重量部以下であることが好ましく、5〜45重量部であることがより好ましく、10〜40重量部であることが更に好ましい。
[重合禁止剤]
本発明の着色硬化性組成物においては、該着色硬化性組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
<着色感放射線性組成物の調製>
本発明の着色感放射線性組成物の調製態様については特に特に制限されないが、例えば、顔料、重合性化合物、及び、所望により併用される光重合開始剤、各種添加剤を混合し、残余の溶剤と混合することで調製することができる。
なお、本発明のカラーフィルタ用着色硬化性組成物の調製に際しては、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、各成分を混合した後、フィルタにより濾過することが好ましい。フィルタは、従来、ろ過用途等に用いられているものが特に限定されることなく用いられる。具体的には、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これらフィルタ素材の中でも、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜2.5μm程度、さらに好ましくは0.01〜2.0μm程度である。この範囲とすることにより、後工程において均一な着色硬化性組成物の調製を阻害する、微細な異物が確実に除去され、均一及び平滑な着色硬化性組成物の形成が可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタを用いたフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせて、第1のフィルタを複数のフィルタからなるものとして、第1回目のフィルタリングとしてもよい。ここでいう孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
また、例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、顔料分散物のみに対して行い、該顔料分散物に他の成分を混合して着色感放射線性組成物とした後に、第2のフィルタリングを行ってもよい。
本発明の着色感放射線性組成物は、固体撮像素子用のカラーフィルタ、液晶表示装置用のカラーフィルタ、印刷用インク、インクジェット用インク等の各種の用途に適用することができる。
<着色硬化膜>
本発明の着色組成物を硬化させて得られた着色硬化膜は、色純度が高く、薄層で高い吸光係数が得られ、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)が良好である。さらに、バックライトとして白色LEDを用いた場合にも、良好な色相の着色画素を形成しうることから、白色LEDを備える液晶表示装置に適用してその効果が著しく、液晶表示装置用のカラーフィルタにおける着色画素の形成に用いられる。
任意の基板又は基材上に着色硬化膜を形成する際には、着色硬化性組成物を塗布するか、或いは、基板等を着色硬化性組成物に浸漬して着色硬化性組成物層を形成し、これを硬化させてもよい。また、パターン状の着色硬化膜を形成する場合、基板上にインクジェット記録方法により適用してもよく、捺染やオフセット印刷などの公知の印刷法を適用してもよいが、高精細なパターンを形成しうるという観点からは、後述する、基板上に着色硬化性組成物層を形成し、パターン状に露光した後、現像して着色硬化性組成物層の未露光部を除去する方法が好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いてなるものである。例えば、後述の支持体上に、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いてなる1色以上(好ましくは、3色または4色)の着色パターンを有して構成される。
本発明のカラーフィルタは、広いDOFマージンを有する本発明の着色硬化性組成物を用いてなるため、現像残渣の発生やパターン周辺の荒れの発生が抑制される。
ここで、着色パターンの膜厚としては、より微細なパターンを形成する観点や、斜め方向にカラーフィルタを通過する光を隣接する撮像素子が受光するのを防ぐ観点から、0.1μm〜2.0μmが好ましく、0.2μm〜1.0μmがより好ましい。
本発明のカラーフィルタを製造する方法としては特に限定はない。例えば、既述の本発明の着色硬化性組成物を支持体上に塗布後、塗布形成された塗布膜をマスクを通して露光し、現像して着色パターンを形成する工程を有するカラーフィルタの製造方法が好適である。3色あるいは4色のカラーフィルタとする場合には、前記工程を各色ごとに繰り返して各色のパターンを形成することにより作製できる。
以下、より具体的なカラーフィルタの製造方法の例について説明する。
即ち、本発明の着色硬化性組成物を支持体上に適用(好ましくは塗布)する工程と、(必要に応じて、更に、塗布された着色硬化性組成物をプリベークするプリベーク工程と)、適用された着色硬化性組成物をマスクを通してパターン露光する露光工程と、パターン露光された着色硬化性組成物をアルカリ現像する現像工程と、(必要に応じて、更に、アルカリ現像された着色硬化性組成物をポストベークするポストベーク工程と)、を有して構成される製造方法が挙げられる。
さらに具体的には、例えば、塗布工程において、本発明の着色硬化性組成物を、スピンナー等により、適当な支持体上に乾燥時の膜厚が一般的に0.1μm〜5μm、好ましくは0.2μm〜2μmになるように塗布し、平滑な塗膜を得る。
着色硬化性組成物を塗布した後、溶媒を蒸発させ乾燥塗布膜を得るため通常プリベークを行う(プリベーク工程)。このプリベークの方法としては、高温の空気などによる間接加熱乾燥、ホットプレート等による直接加熱乾燥(約80〜140℃、50秒〜200秒)等がある。プリベークの前に、減圧乾燥を行ってもよい。
また、現像後に得られたパターンを、十分硬化させて機械強度を高め永久膜とするためにポストベークが行われる(ポストベーク工程)。例えば、3色のカラーフィルタの製造に際しては、最初に形成されたパターンは、その後、他色のレジスト液の塗布、露光、現像を2度受ける。この際に、塗布されたレジスト液との混色、露光、現像によるパターンの欠落が生じないようにポストベークを行うものである。このポストベークはプリベーク同様の方法が用いられるが、プリベークの条件よりも、高温、長時間で行われる。例えば、オーブンによる間接加熱の場合、約180〜250℃、約0.5時間〜2時間、ホットプレートによる直接加熱の場合、約180〜250℃、約2分〜10分間行われる。
露光工程におけるパターン露光のための光源は特に限定されない。パターン形成性に関して顕著な効果がもたらされる光源としては、410nm以下の波長の光が好ましく、中でも水銀灯のi線(365nm)が特に好ましい。
着色硬化性組成物の現像に使用する現像液は特に制限はなく、従来公知の現像液を使用することができ、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、中でも、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの4級アンモニウム塩類の有機アルカリ系の現像液が本発明の目的を達成する上で好ましい。
支持体としては、特に限定されないが、ガラス基板、プラスチックス基板、アルミ基板、固体撮像素子用シリコンウエハ等の電子部品の基材、さらには透明樹脂基板、樹脂フィルム、ブラウン管表示面、撮像管の受光面、固体撮像素子(CCD、CMOS、BBD、CID、BASIS等)が形成された半導体ウエハを用いることができる。また、薄膜半導体を用いた密着型イメージセンサー、液晶ディスプレイ面、カラー電子写真用感光体、エレクトロクロミィー(EC)表示装置を用いることもできる。
また、カラーフィルタ層との接着性を向上させるために、支持体に高密着処理を施すことが好ましい。具体的には、支持体上に予めシランカップリング剤等を薄く塗布した後に着色硬化性組成物のパターンを形成するか、あるいは予め着色硬化性組成物中にシランカップリング剤を含有させてもよい。
尚、支持体上に段差がある場合は、その段差を解消し塗設面を平滑にするための平坦化膜を支持体上に塗設した後、本発明の着色硬化性組成物を塗布することができる。
例えば、CCD、CMOSなどの固体撮像素子(イメージセンサー)は、シリコン基板上に受光量に応じて電子を発生させる光電子変換部(フォトダイオード)と、その発生した電子を出力する為の読み出しゲート部とで構成されている。読み出しゲート部に光が当たるとノイズの原因となり正確なデータが出力されないため、読み出しゲート部の上部には遮光膜層が形成されており、遮光膜層を持たないフォトダイオード部との間で段差が生じている場合がある。このような段差上にカラーレジストを塗布し、直接カラーフィルタを形成すると光路長が長くなるため画像が暗く、また集光性も劣るようになる。これを改善する為、その段差を埋める目的で透明な平坦化膜を、CCDやCMOS等とカラーフィルタとの間に形成することが好ましい。この平坦化膜の材料としては、本発明の着色硬化性組成物のような光硬化性レジスト液、アクリル系、エポキシ系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られた着色硬化膜、或いは、本発明の着色組成物により形成された着色硬化膜を備えるカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、画像表示したときの彩色が鮮やかでコントラストが高く、堅牢性(特に耐熱性及び耐光性)に優れる。さらに、後述するように、公知のCCFLのみならず、白色LEDをバックライトとして用いた場合においても、良好な色相を再現しうるという優れた効果を奏する。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置や固体撮像素子に用いることが可能であり、特に液晶表示装置の用途に好適である。液晶表示装置に用いた場合、染料を着色剤として用い、良好な色相を達成しながら、分光特性及びコントラストに優れた画像の表示が可能となり、更には、白色LEDに対する適性に優れたものとなる。
本発明の着色組成物の用途としては、上記において主にカラーフィルタの着色パターンの形成用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する着色パターン(画素)を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する着色硬化性組成物を用い、塗布、露光、及び現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
本発明の着色組成物を基板上に付与して着色層を形成する場合、着色層の乾燥厚みとしては、一般に0.3μm〜5.0μmであり、好ましくは0.5μm〜3.5μmであり、特に望ましくは1.0μm〜2.5μmである。
以上のようにして得られる、本発明のカラーフィルタは、公知の方法によりG(緑)、B(青)のカラーフィルタパターンとともに画素を形成する。かかるフィルタは、透明性が非常に高く、分光特性にすぐれ、消偏光作用の小さい、鮮明な画像を表示可能な液晶ディスプレイを与えることができる。また、このカラーフィルタが形成されたデバイスを使用すると、良好な分光特性を有するカメラモジュールを与える事が出来る。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD、CMOS等の固体撮像素子に用いることができ、100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等にも好適である。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子や固体撮像素子に用いることができ、特に液晶表示素子の用途に好適である。液晶表示素子に用いた場合、分光特性及び耐熱性に優れた金属錯体色素を着色剤として含有しながらも、比抵抗の低下に伴なう液晶分子の配向不良が少なく、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れる。
<液晶表示素子>
本発明のカラーフィルタは、耐光性に優れた着色画素を有することから、特に液晶表示装置用のカラーフィルタとして好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示素子は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、前記(A)金属錯体色素とともに前記(B)本発明における錯体形成性化合物を、上記割合で含有して硬化させて得られるものであり、液晶材料の比抵抗の低下が飛躍的に防止され、液晶分子の配向阻害、すなわち表示特性の低下が解消されるものと考えられる。これによって、色純度などの良い色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
さらに、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示素子に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタを液晶表示素子に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。本実施例において、配合量を示す「部」は特に述べない限り、「重量部」を示す。
(合成例1)
化合物(I−a)の合成
化合物(I−a)は、以下のスキームにより合成した。
<化合物(3)(4)の合成>
化合物(1)100gとメタノール200mLとを混合し0℃で攪拌した。その混合液に化合物(2)124gのメタノール100mL溶液を、内温を10度以下に保ちながら滴下した。その後反応温度を室温まで上げ30分攪拌した。ヒドロキシルアミン塩酸塩96.6gのメタノール200mL溶液に、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液268gを加えて中和し、析出した塩を取り除いた溶液を反応液に滴下し、室温にて6時間攪拌した。溶媒留去後0℃まで冷却し、析出した結晶をろ過し化合物(4)120gを得た。
<化合物(5)(6)の合成>
化合物(4)200gのN,N-ジメチルアセトアミド600mL溶液を0℃で攪拌し、p−トルエンスルホニルクロライド191gを内温を10度以下に保ちながら4回に分けて添加し、0℃で30分間攪拌した。そこへピリジン103gを内温を10度以下に保ちながら滴下し、さらに1時間30分攪拌した。この反応液を氷冷下、水(1.5L)に注ぎ、析出した結晶を濾過して化合物(5)を得た。得られた化合物(5)をメタノール1Lと混合し攪拌している中へ、ピリジン103gを添加した。反応液を1時間加熱還流し、その後0℃まで冷却して得られた結晶を濾過して化合物(6)92gを得た。
<化合物(7)の合成>
化合物(6)200gと酢酸2.6Lとを混合し、室温下で攪拌。そこへオルトギ酸トリエチル392gを滴下し、85度で2時間攪拌した。その後室温まで冷却し、メタノール1.3Lを滴下、得られた結晶を濾過し化合物(7)200gを得た。
<化合物(I−a)の合成>
化合物(7)220gとテトラヒドロフラン1.5LとN−メチルピロリドン1.5Lを混合し、室温下で攪拌した。そこへ酢酸亜鉛2水和物170gを添加し、70℃で2時間攪拌した。その後、室温まで冷却し得られた固体を濾過し化合物(I−a)220gを得た。
(合成例2〜4)
化合物(I−b)、(I−d)、および(I−h)の合成
化合物(I−a)と同様の方法により合成した。
(合成例2)
化合物(I−k)の合成
化合物(I−k)は、以下のスキームにより合成した。
<化合物(8)の合成>
ジメチルホルムアミド(15mL)を0度で攪拌しているところに、オキシ塩化リン(11.3g)を内温5度以下に保ちながら滴下し、0度で1時間攪拌しホルミル化剤を調整した。化合物(6)(10g)をジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し0度で攪拌しているところに、上記ホルミル化剤を内温5度以下に保ちながら滴下し、0度で1時間攪拌した。その後反応温度を室温まで上げ、さらに1時間攪拌した。反応液に水(50mL)と酢酸エチル(50mL)を添加し抽出・分液した。得られた有機層に飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を添加し洗浄・分液した。得られた有機層から溶媒を減圧下で留去、白色固体を得た。この白色固体にアセトン(50mL)を添加し攪拌、固体を濾過して化合物(8)(7g)を得た。
<化合物(9)の合成>
以下ルートで化合物(9)を合成した。
<化合物(9b)の合成>
イソニコチン酸エチルエステル(9a)90.8gとアセトニトリル24.6gをトルエン500mLに溶解し0度で攪拌した。その混合液にカリウム-t-ブトキシド74.1gを、内温を5度以下に保ちながら添加した。その後、反応温度を室温まで上げ、1時間攪拌した。トルエン100mLを反応液に添加し、析出した結晶を濾過し化合物(9b)89.1g得た。
<化合物(9c)の合成>
化合物(9b)95gとエタノール500mLを混合し、室温下でヒドラジン塩酸塩35.3gを添加し攪拌した。85度で7時間加熱還流し、反応液を室温まで冷却した。反応液に塩酸100mLを滴下し、析出した結晶を濾過し化合物(9c)を152.9g得た。
以下は、この化合物(9c)を化合物(1)の代わりに原料として用いることにより、化合物(6)と同様の方法で化合物(9)を合成した。
<化合物(10)の合成>
化合物(8)(5g)と化合物(9)(5.2g)をメタノール(15mL)と混合し攪拌した。そこへ酢酸(15mL)を滴下して70度で3時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、結晶を濾過して化合物(10)(8g)を得た。
<化合物(I−k)の合成>
化合物(10)5gとテトラヒドロフラン(25mL)とN−メチルピロリドン(25mL)を混合し、室温下で攪拌した。そこへ酢酸亜鉛2水和物(1.6g)を添加し、70℃で2時間攪拌した。その後、室温まで冷却し得られた固体を濾過し化合物(I−k)(3.5g)を得た。
(評価)
以下の基準で合成例1〜4で合成した化合物の耐熱性、および揮散性の評価を行った。
<耐熱性>
得られた化合物をTG/DTA測定装置(EXSTAR6000、SIIナノテクノロジー(株)社製)にて40℃から600℃まで10℃/minで昇温し、分解温度を測定した。以下の基準で判定した。
A:300℃を超えると分解、もしくは分解しない
B:300℃以下、200℃未満で分解
C:200℃以下で分解
<揮散性>
得られた化合物をTG/DTA測定装置(EXSTAR6000、SIIナノテクノロジー(株)社製)にて40℃から600℃まで10℃/minで昇温し、重量減少率を測定した。以下の基準で判定した。
A:400℃までの重量減少率が10%未満
B:400℃までの重量減少率が10%以上30%未満
C:400℃までの重量減少率が30%以上
<耐溶剤性>
得られた化合物をJIS K 5101−1991 15の耐溶剤にじみ性の項に記載の方法で評価した。
比較例として、以下の化合物を使用し、合成例1〜4で合成した化合物と同様に耐熱性、および揮散性を評価した。
比較化合物A:特開2007−100061号公報に記載の実施例化合物。
比較化合物B:特許第3750208号に記載の実施例化合物
比較化合物C:化合物(1−a)のZn錯体化前のメチン色素(化合物7)
表から、実施例は耐熱性、および揮散性に優れることがわかる。一方、比較例1〜3は、耐熱性および揮散性の少なくともいずれかが劣ることがわかる。
(実施例101:カラーフィルタの製造)
<平坦化膜用レジスト液の調製>
下記成分を撹拌機で混合し、平坦化膜用レジスト液を調製した。
〜平坦化膜用レジスト液の成分〜
・ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸共重合体(=70/30[モル比])
…16.4質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート …6.5質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…13.8質量部
・3−エトキシプロピオン酸エチル …12.3質量部
・下記トリアジン系開始剤 …0.3質量部
<平坦化膜付きウエハの作製>
6インチシリコンウエハ上に、上記で得られた平坦化膜用レジスト液をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を、表面温度120℃のホットプレート上で120秒間加熱処理した。ここで、スピンコートの塗布回転数は、前記加熱処理後の塗布膜の膜厚が約1μmとなるように調整した。
上記加熱処理後の塗布膜を、更に、220℃のオーブンにて1時間処理して、塗布膜を硬化させて平坦化膜とした。
以上のようにして、6インチシリコンウエハ上に平坦化膜が形成された、平坦化膜付きウエハを得た。
<カラーレジスト液(着色硬化性組成物)の調製>
以下の成分を攪拌機で混合し、カラーレジスト液を調製した。
〜カラーレジスト液の成分〜
・ベンジルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体(=70/30[モル比])
…3.27質量部
・化合物(I−h) …6.65質量部
・高分子分散剤(Dysperbyk170、ビックケミー社製、顔料分散剤)…2.56質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート …81質量部
・IRGACURE OXE01(BASF社製;光重合開始剤) …1.65質量部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤) …0.002質量部
・アロニックス(ARONIX)M−305(東亞合成(株)製;重合性化合物)
…1.47質量部
・下記重合性化合物 …3.42質量部
<カラーフィルタの作製>
前記平坦化膜付きウエハの平坦化膜上に、上記で得られたカラーレジスト液をスピンコートで均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を、表面温度100℃のホットプレート上で120秒間加熱処理(プリベーク)してカラーレジスト層を形成した。ここで、スピンコートの塗布回転数は、前記加熱処理後の塗布膜の膜厚が約0.8μmとなるように調整した。
次に、i線ステッパー(キャノン製FPA−3000i5+)を用い、後述のフォトマスクを通して上記カラーレジスト層をパターン露光した。
パターン露光は、21行×19列の配置で計399箇所にマトリックス状に行った。ここで、上記21行は、最小露光量500J/m2から250J/m2間隔で、1行ごとに露光量を増加させた条件となっている。
一方、上記19列は、焦点距離最適値(Foucus0.0μm)を中心として0.1μm間隔で焦点距離を変化させた条件となっている。詳しくは、中央1列を焦点距離最適値とし、1列ごとに焦点距離を変化させた条件となっている。
また、フォトマスクとしては、6サイズ(1.0μm角、1.5μm角、2.0μm角、3.0μm角、4.0μm角、7.0μm角)の正方形ピクセルパターンが4mm×3mmの範囲内に配列されたマスクパターンを有するフォトマスクを用いた。
パターン露光されたカラーレジスト層は、有機アルカリ性現像液CD−2060(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を用いて、室温にて60秒間、パドル法(Puddle method)で現像した。その後、20秒間スピンシャワーにて純水でリンスを行い、更に純水にて水洗を行った。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、着色パターンを得た。以上により、カラーフィルタを得た。
このカラーフィルタを固体撮像素子、および液晶表示素子に用いたところ、共に優れた性能を示した。

Claims (17)

  1. 一般式(I)で表される顔料。
    (一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、メチル基、フェニル基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基またはピリジン基を表し、R3およびR4は、それぞれ、独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R5は、水素原子を表し、Mは、ZnまたはAlを表し、nは0を表し、mは2〜3の整数を表し、Lは金属に配位し得るアニオンまたは配位子を表す。( )で括られる基は、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
  2. 一般式(I)中のR1およびR2は、それぞれ独立に、メチル基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基またはピリジン基を表す、請求項1に記載の顔料。
  3. 一般式(I)中のR3およびR4が、メチル基である、請求項1または2に記載の顔料。
  4. 前記一般式(I)において、R1とR2、および、R3とR4が、同一の基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料。
  5. 前記顔料が、JIS K 5101−1991 15に準拠した耐溶剤にじみ性の絶対比較法による評価が5級である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料。
  6. 前記一般式(I)で表される顔料が、下記一般式(I−A)で表される顔料である、請求項1に記載の顔料。
    (一般式(I−A)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、メチル基、フェニル基、p−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基またはピリジン基を表し、R3およびR4は、それぞれ、独立に、炭素数1〜5のアルキル基を表し、R5が水素原子を表し、Mは、Znを表す。( )で括られる基は、それぞれ、該基全体として、1価のアニオンを形成している。)
  7. 下記(I−a)〜(I−n)のいずれかで表される顔料
    ((I−f)、および(I−l)中、Meはメチル基を表す。)
  8. 前記一般式(I)で表される顔料の分子量が、500〜1200である、請求項1〜のいずれか1項に記載の顔料。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする顔料分散物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色組成物。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色硬化性組成物。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の顔料を少なくとも一種含有することを特徴とする着色感放射線性組成物。
  13. 重合性化合物と、光重合開始剤とを含み、前記光重合開始剤がオキシムエステル化合物を含む、請求項12に記載の着色感放射線性組成物。
  14. 請求項11に記載の着色硬化性組成物を用いて形成されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  15. 請求項10に記載の着色組成物を用いたことを特徴とするインクジェット用インク。
  16. 請求項14に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする固体撮像素子または液晶表示素子。
  17. 請求項11に記載の着色硬化性組成物を支持体上に適用する工程と、適用された着色硬化性組成物をマスクを通してパターン露光する工程と、パターン露光された着色硬化性組成物をアルカリ現像する現像工程とを有する、カラーフィルタの製造方法。
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