JP5929643B2 - 金型装置及びガラス板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板に合成樹脂を一体成型するための金型に関し、特に、自動車用のガラス板の周縁部に合成樹脂によって枠体を形成するための金型の構造に関する。
自動車の窓に取り付けられるガラス板は、その外周縁に、合成樹脂の枠体が形成されているものがある。
このような射出成型においては、例えば、図13に示すように、金型の開閉に応じて、キャビティ1内へ侵入した位置又はキャビティ1の外に退避した位置に移動する可動スペーサ6が設けられる。この可動スペーサ6は、回転軸64によってブロック62が回転することによって、キャビティ1の外に退避した位置に移動することができる。
しかし、可動スペーサ6のアームはその後部においてブロック62に固定されているので、可動スペーサ6のアーム部61の先端部65のブレが大きくなる。また、可動スペーサ6は、駆動部(例えば、エアシリンダ、モータ、電動アクチュエータなど)によって動作するが、駆動部の故障によって、可動スペーサ6が正しい位置に止まらず、回転しすぎることがあった。
このため、ガラス板40を正しい位置に配置することができないことがあった。さらに、先端部65が固定側型板20に接触して、金型に傷を付けることがあった。
そこで、アームの先端部の位置精度が高い可動スペーサが求められている。
本発明は、可動スペーサのアームの安定性を高め、駆動部が故障しても、可動スペーサと型板とが接触しない金型を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、固定側型板と可動側型板とが組み合わされて、樹脂が注入される空間を構成し、前記空間内に配置したガラス板の周縁部に前記樹脂を成型するための金型装置であって、前記空間内には、前記ガラス板の前記金型内の位置を決定する位置決め部が設けられ、前記位置決め部は、先端部が前記ガラス板の側面に当接するアーム部と、前記アーム部の後部において前記位置決め部を回転させる回転軸とを有し、前記アーム部の先端部は、前記位置決め部の回転によって、前記空間内に侵入した位置、及び、前記空間から退避した位置のいずれかに移動し、前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記アーム部の先端部と後部との間の略中央部において当接することを特徴とする金型装置である。
また、本発明は、さらに、前記アーム部は、前記略中央部において、前記固定側型板側に突出する凸部を有し、前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記アームの凸部によって当接することを特徴とする金型装置である。
また、本発明は、さらに、前記固定側型板は、前記アーム部の前記略中央部に対応する位置に、前記位置決め部側に突出する凸部を有し、前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記固定側型板の凸部によって当接することを特徴とする金型装置である。
また、本発明は、周縁部に所定形状の枠部が形成されるガラス板の製造方法であって、前述したいずれかの金型装置を用いて成型をする工程を含むことを特徴とするガラス板の製造方法である。
本発明の代表的な一実施形態によれば、位置決め部の先端部の位置精度を高めることができる。
本発明の第1の実施形態の金型装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の金型装置の構成を示すAA断面図である。 本発明の第2の実施形態の金型装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の金型装置の構成を示すBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の可動スペーサのアーム部が金型内に進入した状態で、金型装置が閉じた状態のBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の金型装置が閉じた状態のBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例1の金型装置の構成を示すBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例2の可動スペーサのアーム部が金型内に進入した状態で、金型装置が閉じた状態のBB断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例2の金型装置が閉じた状態のBB断面図である。 本発明の第1の実施例のガラス板を説明する図である。 本発明の第1の実施例のガラス板を説明する図である。 本発明の第2の実施例のガラス板を説明する図である。 従来の金型装置の可動スペーサの構成例を説明する図である。
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の金型装置の構成を示す図であり、図2は、そのAA断面図である。
第1の実施形態の金型装置は、固定側型板20と可動側型板30とから構成され、図2に示すように、固定側型板20と可動側型板30との間の空間によって、ガラス板40の周縁部にキャビティ1が形成される。金型装置は、ガラス板40が略水平に配置され、可動側型板30が上下に移動する縦締めでもよく、ガラス板40が略垂直に配置され、可動側型板30が左右に移動する横締めでもよい。
第1の実施形態の金型装置は、複数の固定スペーサ2を有する。固定スペーサ2は、ガラス板40を配置する側の型板に設けられる。
図2に示すように、固定スペーサ2は、その一面がキャビティ1の側面を構成するように、固定側型板20の凹部に取り付けられる。固定スペーサ2は、下側が細くなっている台形の固定具4をボルト5によって固定側型板20に締め付けることによって、キャビティ1の内側方向に押し付けられ、固定される。なお、固定具4は、台形ではなく、楔形でも、その一端が細い形状であればよい。
固定スペーサ2と固定側型板20との間及び固定スペーサ2と固定具4との間には、シム板3を配置してもよい。挿入されるシム板3の厚さ又は数を変更することによって、固定スペーサ2の位置を移動することができ、固定側型板20に対する固定スペーサ2の位置を調整することができる。なお、複数の固定スペーサ2の一部にシム板3を配置してもよい。
キャビティ1内には、樹脂が一体成型されるガラス板40が配置される。ガラス板40は、その一辺(端部41)が固定スペーサ2に当接することによって、キャビティ1内の位置が決定される。このように、固定スペーサ2は、固定位置決め部として機能する。
なお、ガラス板40と共に金属モール50(例えば、ステンレス鋼製の金属板)をキャビティ1内に配置して、金属モール50も一体成型することができる。この場合、キャビティ1の壁面に吸着部24(例えば、磁石、吸引ノズル)を設け、吸着部24が金属モール50をキャビティ1の壁面に固定するとよい。
また、固定スペーサ2を固定側型板20に設け、吸着部24を可動側型板30に設けることによって、位置決め用の固定スペーサ2と干渉する位置にも金属モール50を取り付けることができる。この場合、金型装置は、可動側型板30が左右に移動する横締めとするのが好ましい。
キャビティ1は、樹脂をキャビティ1内に流入させる一つのゲート11と連通している。なお、ゲート11は複数設けてもよい。ゲート11は、固定スペーサ2と対向する位置、すなわち、固定スペーサ2が設けられた辺と対向する辺(又は、当該辺の近傍)に設けるとよい。換言すると、ゲート11の位置は、前記ガラス板を挟んでガラス板の側面において対向する位置である。また、キャビティ1に注入される樹脂がガラス板40を固定スペーサ2に押し付けるような位置である。また、ゲート11の位置は、固定スペーサ2から遠い点である。このようにすると、ゲート11からキャビティ1内に流入する樹脂によってガラス板40に加わる圧力を、固定スペーサ2が受けることができ、キャビティ1内のガラス板40の移動を抑制することができる。
なお、図1では、ゲート11がキャビティ1の側壁に設けられているように図示したが、ゲート11をキャビティ1の底面や移動側型板30側において、固定スペーサ2と対向するガラス板40の側面の近傍に設けられてもよい。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態では、キャビティ1に注入される樹脂が固定スペーサ(位置決め部)2の方向に射出されるようにゲート11を設けることによって、ゲート11から射出される樹脂によってガラス板40が固定スペーサ2に押しつけられるため、一体成型されるガラス板40の位置ずれを抑制することができる。
また、ゲート11から樹脂が射出されるタイミングを調整する必要がないので、ランナの長さを短くして、樹脂の無駄を省くことができ、コストを低減することができる。
また、ゲート11を一つにすることができるので、ウェルドラインを一つにすることができ、ウェルドラインを目立たない箇所に容易に配置することができる。さらに、ゲートを切除する工数を削減することができる。
また、固定スペーサ2を固定側型板20側に配置し、可動側型板30を上方から、下方に設けられた固定側型板20の方向に移動させることによって、ガラス板40を下側の固定側型板に水平に配置することができる。
また、可動部を有さない固定スペーサ2を設けるので、スペーサの故障頻度を低減して、金型の稼働率を向上させ、生産効率を向上することができる。
また、注入される樹脂が射出される方向(すなわち、ゲート11と対向する辺)に二つの固定スペーサ2を設けるので、ガラス板40を2点で確実に支持し、ガラス板40の位置を確実に決めることができる。
また、固定側型板20と固定スペーサ2との間にシム板3(調整部)を設けるので、固定スペーサ2の位置を微調整することができる。
また、ガラス板40と一体に成型される金属モール50を取り付けるためのモール取付部(例えば、吸着部24)を有する場合には、金属モール50を一体に成型することができる。
また、固定側型板20に固定スペーサ2を設け、可動側型板30に金属モール50を設けることによって、位置決め用の固定スペーサ2と干渉する位置にも金属モール50を取り付けることができる。
<実施形態2>
図3は、本発明の第2の実施形態の金型装置の構成を示す図であり、図4は、そのBB断面図である。
本発明の第2の実施形態の金型装置は、前述した第1の実施形態と異なり、キャビティ1内へ侵入した位置及びキャビティ1外に退避した位置に移動する可動スペーサ6を有する。なお、第2の実施形態の金型装置のAA断面図は、第1の実施形態と同じく、図2に示すとおりである。第2の実施形態において、前述した第1の実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
第2の実施形態の金型装置は、前述した第1の実施形態と同様に、固定側型板20と可動側型板30とから構成され、図2に示すように、固定側型板20と可動側型板30との間の空間によって、ガラス板40の周縁部にキャビティ1が形成される。金型装置は、ガラス板40が略水平に配置され、可動側型板30が上下に移動する縦締めでもよく、ガラス板40が略垂直に配置され、可動側型板30が左右に移動する横締めでもよい。
また、第2の実施形態の金型装置は、固定スペーサ2及び可動スペーサ6を有する。また、固定側型板20は、退避時に可動スペーサを収容する凹部22を有する。
固定スペーサ2は、ガラス板40を配置する側の型板に設けられる。
図2に示すように、固定スペーサ2は、その一面がキャビティ1の側面を構成するように、固定側型板20の凹部に取り付けられる。固定スペーサ2は、下側が細くなっている台形の固定具4をボルト5によって固定側型板20に締め付けることによって、キャビティ1の内側方向に押し付けられ、固定される。なお、固定具4は、台形ではなく、楔形でも、その一端が細い形状であればよい。
固定スペーサ2と固定側型板20との間及び固定スペーサ2と固定具4との間には、シム板3を配置してもよい。挿入されるシム板3の厚さ又は数を変更することによって、固定スペーサ2の位置を移動することができ、固定側型板20に対する固定スペーサ2の位置を調整することができる。なお、複数の固定スペーサ2のうち一部にシム板3を配置してもよい。
可動スペーサ6は複数設けられており、アーム部61(61A〜61C)、ブロック62、駆動装置63及び回転軸64を有する。可動スペーサ6は、金型が開いた状態でアーム部61がキャビティ1内に侵入して、ガラス板40の一端面(端部42)が可動スペーサ6の先端部65に当接することによって、ガラス板40のキャビティ1内の位置を決定する。
図3には、可動スペーサ6の三つのアーム部61A〜61Cが図示されているが、各々の役割は異なる。アーム部61Bの先端部65は、ガラス板40の一端面(端部42)に当接し、ガラス板40のキャビティ1内の位置を決定する。また、アーム部61Aの先端部は、ガラス板40の一端面に当接しておらず、ガラス板40をキャビティ内に配置する際のガラス板40と金型との接触を防止する。また、アーム部61Cの先端部は、モールの端部に当接しており、モールをキャビティ内に配置する際のガラス板40と金型との接触を防止する。
アーム部61の後部は、ブロック62に取り付けられている。アーム部61は、図4に示すように、その略中央部に固定側型板20と当接する凸部66を有する。なお、アーム部61及びブロック62が一体に構成されてもよい。ブロック62には回転軸64が固定されている。駆動装置63は、例えば、電気信号、空気圧などによってアクチュエータを動作させ、固定軸64を回転するように制御する。
ブロック62は、駆動装置63が回転軸64を回転することによって、回転軸64を中心として回転し、可動スペーサ6は、ブロック62が回転することによって、その位置がキャビティ1内へ侵入した位置又はキャビティ1の外に退避した位置に移動する。すなわち、可動スペーサ6は、固定側型板20と可動側型板30とが開いた際に、キャビティ1内に侵入し、固定側型板20と可動側型板30とが閉まる際に、キャビティ1の外に退避する。なお、図示するように、一つのブロック62に取り付けられる可動スペーサ6の数は一つでも、複数でもよい。可動スペーサ6が複数設けられる場合、一つの可動スペーサ6は、ガラス板40の位置を決めるために用いられ、他の可動スペーサ6は、ガラス板40と金型との接触を防止するために用いられる。このため、ガラス板40の位置を決めるためには、少なくとも一つの可動スペーサ6が必要であり、複数の可動スペーサ6を設けることによって、ガラス板40をキャビティ1内に配置する際にガラス板40と金型との接触を防止することができる。
なお、第2の実施形態の金型装置では、キャビティの一側面に二つの固定スペーサ2を設け、他側面に三つの可動スペーサ6を設けたが、固定スペーサ2及び可動スペーサ6の数、位置及び配置は、図示した以外でもよい。しかし、特に、ゲート11と対向する位置に設けられるスペーサは、流入する樹脂がガラス板40に加える圧力を受けることから、固定スペーサ2であることが必要である。
また、アーム部61Bの位置に固定スペーサを設けてもよい。このように、アーム部61Bの位置に固定スペーサを設けることによって、ガラス板40を3点で確実に支持し、ガラス板40を所定の位置に確実に保持することができる。
キャビティ1内には、樹脂が一体成型されるガラス板40が配置される。ガラス板40は、その一辺(端部41)が固定スペーサ2に当接し、他辺(端部42)が可動スペーサ6に当接することによって、キャビティ1内の位置が決定される。このように、固定スペーサ2は、固定位置決め部として機能する。可動スペーサ6は、可動位置決め部として機能し、ガラス板40と金型との接触を防止するように機能する。このため、ガラス板40と金型との接触による、ガラス板40の破損や、金型が傷つくことを防止することができる。
なお、ガラス板40と共に金属モール50(例えば、ステンレス鋼製の金属板)をキャビティ1内に配置して、金属モール50も一体成型することができる。この場合、キャビティ1の壁面に吸着部24(例えば、磁石、吸引ノズル)を設け、吸着部24が金属モール50をキャビティ1の壁面に固定するとよい。
キャビティ1は、樹脂をキャビティ1内に流入させる一つのゲート11と連通している。なお、ゲート11は複数設けてもよい。ゲート11は、固定スペーサ2と対向する位置、すなわち、固定スペーサ2が設けられた辺と対向する辺(又は、当該辺の近傍)に設けるとよい。換言すると、ゲート11の位置は、前記ガラス板を挟んでガラス板の側面において対向する位置である。また、キャビティ1に注入される樹脂がガラス板40を固定スペーサ2に押し付けるような位置である。また、ゲート11の位置は、固定スペーサ2から遠い点である。このようにすると、ゲート11からキャビティ1内に流入する樹脂によってガラス板40に加わる圧力を、固定スペーサ2が受けることができ、キャビティ1内のガラス板40の移動を抑制することができる。
なお、図3では、ゲート11がキャビティ1の側壁に設けられているように図示したが、ゲート11をキャビティ1の底面や移動側型板30側において、固定スペーサ2と対向するガラス板40の側面の近傍に設けられてもよい。
図4に示すように、金型が開いた状態では、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入することができ、金型内に配置されるガラス板40の端部42は、アーム部61の先端部65に当接している。
また、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、凸部66は固定側型板20の底部(キャビティ1の側壁を形成する凸部)と当接している。また、ブロック62の一側面は固定側型板20の底面に当接している。この状態で、可動スペーサ6は、その位置が固定され、ガラス板1を所定の位置に確実に配置することができる。さらに、繰り返しの回転による可動スペーサ6(特に、アーム部61)の疲労破壊を防止することができる。
図5は、第2の実施形態の金型装置において、可動スペーサのアーム部が金型内に進入した状態で、金型装置が閉じた状態のBB断面図であり、図6は、固定側型板20と可動側型板30とが組み合わされ、金型が閉じた状態を示すBB断面図である。
可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、回転軸64はブロック62の中心から右(キャビティ1から離れた位置)に設けられている、このため、ブロック62が回転軸64によって回転すると、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態では、ブロック62はキャビティ1寄り(図において左側)に位置し(図5参照)、可動スペーサ6がキャビティ1外に退避した状態では、ブロック62がキャビティ1から離れた場所(図において右側)に位置する(図6参照)。
可動側型板30は、図5に示すように、固定側型板20方向に突出する凸部31を有する。
このため、図5に示すように、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態では、ブロック62がキャビティ1の近くに位置するので、凸部31はブロック62に当接し、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置まで移動することはできない。一方、図6に示すように、可動スペーサ6がキャビティ1外に退避した状態では、ブロック62がキャビティ1から離れた位置(図において右側)に移動するので、凸部31が凹部22に侵入する空間が形成される。よって、固定側型板20と可動側型板30とが組み合わされる位置まで、可動側型板30が移動することはでき、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置まで移動することができる。
また、図6に示すように、固定側型板20と可動側型板30とが組み合わされるとき、ブロック62は回転軸64を中心に180度回転し、可動スペーサ6がキャビティ1外に退避し、凹部22と凹部32とで形成される空間内に収容される。このとき、アーム部61は、固定側型板20の凹部22の底面に接してもよい。
固定側型板20と可動側型板30とが組み合わされると、固定側型板20と可動側型板30との間の空間でキャビティ1が形成される。また、可動側型板30の凸部31は、固定側型板20の凹部22に収容される位置まで移動する。なお、凸部31は、固定側型板20の凹部22の底部と接してもよい。
また、金型装置は、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされた位置に移動し、金型が閉じたことを検出する検出手段を有する。すなわち、検出手段が金型が閉じたことを検出しない場合、金型がセットされた成型装置は作業者に対してアラームを出力する。
<変形例1>
図7は、本発明の第2の実施形態の変形例1の金型装置の構成を示すBB断面図である。
本発明の第2の実施形態の変形例1では、可動スペーサ6の凸部66に代えて、固定側型板20に凸部23を有する。
可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、凸部23はアーム部61と当接している。この状態で、可動スペーサ6は、その位置が固定され、ガラス板1を所定の位置に確実に配置することができる。さらに、繰り返しの回転による可動スペーサ6(特に、アーム部61)の疲労破壊を防止することができる。
<変形例2>
図8は、本発明の第2の実施形態の変形例2の金型装置において、可動スペーサ6のアーム部61が進入した状態で可動側型板30が閉じた状態のBB断面図であり、図9は、固定側型板20と可動側型板30とが組み合わされ、金型が閉じた状態を示すBB断面図である。
本発明の第2の実施形態の変形例2では、可動側型板30の凸部31に代えて、ブロック62は可動側型板30側に突出する形状となっている。
可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、回転軸64はブロック62の中心から右(キャビティ1から離れた位置)に設けられている、このため、ブロック62が回転軸64によって回転すると、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態では、ブロック62はキャビティ1寄り(図において左側)に位置し(図8参照)、可動スペーサ6がキャビティ1外に退避した状態では、ブロック62がキャビティ1から離れた場所(図において右側)に位置し、凹部22と凹部32とで形成される空間内に収容される(図9参照)。
ブロック62は、図8に示すように、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、可動側型板30方向に突出する凸部67を有する。
このため、図8に示すように、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態では、ブロック62がキャビティ1の近くに位置するので、ブロック62の凸部67は可動側型板30に当接し、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置まで移動することはできない。一方、図9に示すように、可動スペーサ6がキャビティ1外に退避した状態では、ブロック62がキャビティ1から離れた位置(図において右側)に移動するので、ブロック62は凹部32に侵入することができ、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置まで移動することができる。
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、注入される樹脂が射出される方向(すなわち、ゲート11と対向する辺)に二つの固定スペーサ2を設け、前記樹脂が射出される方向と略直角の方向(すなわち、ゲート11と対向する辺に略直交する辺)に少なくとも一つの可動スペーサ6を設けるので、ガラス板40を3点で確実に支持し、ガラス板40の位置を確実に決めることができる。
また、複数の可動スペーサを設けることによって、ガラス板40の横方向への移動を抑制し、ガラス板40の金型への接触を防止できる。
また、可動スペーサ6の先端がキャビティ内に侵入した状態において、可動スペーサ6と固定側型板20とが凸部66又は凸部23によって当接するので、可動スペーサ6の先端の位置のブレを抑制することができる。このため、ガラス板40を正しい位置に配置することができる。さらに、先端部65が固定側型板20に接触して、金型に傷を付けることを防止することができる。さらに、繰り返しの回転による可動スペーサ6(特に、アーム部61)の疲労破壊を防止することができる。
すなわち、第2の実施形態の可動スペーサ6は、アーム部61に凸部66を有し、又は、アーム部61に当接する凸部23を有する。このため、可動スペーサ6が、アーム部61の途中で固定側型板20と当接するので、先端部65の位置が正確に定まり、ガラス板40を正しい位置に配置することができる。また、アーム部61が回転の勢いによって撓むことによる、アーム部61の先端部65の金型との接触を防ぐことができるため、金型に傷を付けることを防止することができる。
また、可動スペーサ6がキャビティ1内に侵入した状態で、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置へ移動する前に、ブロック62と可動側型板30とが当接する。このため、可動スペーサ6がキャビティから退避する前に、可動側型板30が固定側型板20と組み合わされる位置へ移動することができず、可動側型板30の移動による可動スペーサ6の破損を防止することができる。
次に、本実施形態の金型装置を用いて、枠体付ガラス板の製造工程について説明する。
(1)ガラス板40の周縁部にプライマーを塗布し、乾燥させる。
(2)金型が開いた状態で可動スペーサ6をキャビティ1内の所定位置に移動する。
(3)ガラス板40を、固定スペーサ2及び可動スペーサ6に当接する位置にセットする。
(4)可動スペーサ6がキャビティ1外に退避する。
(5)可動側型板30を移動し金型を閉め、ガラス板40の周縁部にキャビティ1を形成する。
(6)ゲート11から樹脂(例えば、PVC、エラストマー樹脂)を注入する。
(7)樹脂が冷却し固まった後に、可動側型板30を移動し、固定側型板20と離す。
(8)樹脂が一体成型されたガラス板40を金型から外し、ゲートを切除する。
(9)ランナを金型から取り出す。
なお、ガラス板40に金属モール50を一体成型する場合には工程(3)が下記の通りに変更される。金属モール50は、例えば、ステンレス板である。
(3)金属モール50を吸着部24にセットした後、ガラス板40を固定スペーサ2及び可動スペーサ6に当接する位置にセットする。
次に、本発明の実施形態の金型装置によって成型されるガラス板の実施例について説明する。以下の実施例では、特に金属モール50を一体に成型したガラス板について説明するが、前述した実施形態の金型装置は、金属モールを一体に成型しないガラス板を製造することもできる。
ガラス板は、例えば、特開2012−24947号公報の図1に記載されるように、1辺を除くすべての辺に金属モールが取り付けられているものが知られている。しかし、特開2012−24947号公報に記載されている構造では、金属モールを取り付けるための製造コストが大きくなる。このため、図10に示すように樹脂によって金属モールを一体成型し、図11に示すように一辺には、填め込み式のモールを取り付けることがある。
固定側型板20に固定スペーサ2を設け、固定側型板20に金属モール50を取り付ける場合、金属モール50は、固定スペーサ2が設けられた辺以外の辺に沿って取り付けることができる。これは、固定スペーサ2の位置と金属モール50が取り付けられる吸着部24の位置とが干渉するので、固定スペーサ2が設けられた辺に沿って金属モール50を取り付けることは困難だからである。
なお、固定側型板20に固定スペーサ2を設け、可動側型板30に金属モール50を取り付けることによって、固定スペーサ2と干渉する辺上にも金属モール50を取り付けることができる。
<実施例1>
図10及び図11は、本発明の第1の実施例のガラス板40を説明する図である。
第1の実施例のガラス板40は、下部(図中で下側の辺)を除く周縁部に、合成樹脂45の一体成型によって構成されたエンキャップ45が形成されている。エンキャップ45には、金属モール50が一体成型される。金属モール50は、例えば、ステンレス鋼製の金属板である。
また、図11に示すように、ガラス板40の下部にロール成形された金属モール46を填め込むことによって、ガラス板40の全周をモールで覆ってもよい。ロール成形された金属モール46にはロール成形された金属(例えば、ステンレス鋼製の金属板)47に樹脂を被覆することで構成することができる。
<実施例2>
図12は、本発明の第2の実施例のガラス板40を説明する図である。
第2の実施例のガラス板40は、上部(図中で上側の辺)から下部(図中で下側の辺)に至る周縁部に、合成樹脂45の一体成型によって構成されたエンキャップ45が形成されている。エンキャップ45には、金属モール50が一体成型される。金属モール50は、例えば、ステンレス鋼製の金属板である。
このような、上辺から下辺にわたる金属モール50を一体成型するための金型は、ガラス板40が略垂直に配置され、可動側型板30が左右に移動する横締めにするとよい。また、固定側型板20に固定スペーサ2を設け、可動側型板30に金属モール50を取り付けると、固定スペーサ2と金属モール50とを同じ辺に沿って設けることができる。
このように、金型を横締めにすると、一体成型されるガラス板40が、その重さによって固定スペーサ2に押し付けられ、成型時のガラス板40の位置を安定させることができる。
また、金型を横締めにすると、横方向に開いた可動側型板30に金属モール50を取り付ければよく、縦締めの金型で上方向に開いた可動側型板30の下面に金属モール50を取り付けるより、作業が楽になる。
1 キャビティ
2、2A、2B 固定スペーサ
3 シム板
4 固定具
5 ボルト
6 可動スペーサ
61(61A、61B、61C) アーム部
62 ブロック
63 駆動装置
64 回転軸
65 先端部
66 凸部
20 固定側型板
22 凹部
30 可動側型板
31 凸部
32 凹部
40 ガラス板

Claims (4)

  1. 固定側型板と可動側型板とが組み合わされて、樹脂が注入される空間を構成し、前記空間内に配置したガラス板の周縁部に前記樹脂を成型するための金型装置であって、
    前記空間内には、前記ガラス板の前記金型内の位置を決定する位置決め部が設けられ、
    前記位置決め部は、先端部が前記ガラス板の側面に当接するアーム部と、前記アーム部の後部において前記位置決め部を回転させる回転軸とを有し、
    前記アーム部の先端部は、前記位置決め部の回転によって、前記空間内に侵入した位置、及び、前記空間から退避した位置のいずれかに移動し、
    前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記アーム部の先端部と後部との間の略中央部において当接することを特徴とする金型装置。
  2. 前記アーム部は、前記略中央部において、前記固定側型板側に突出する凸部を有し、
    前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記アームの凸部によって当接することを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  3. 前記固定側型板は、前記アーム部の前記略中央部に対応する位置に、前記位置決め部側に突出する凸部を有し、
    前記アーム部の先端部が前記空間内に侵入した位置において、前記位置決め部と前記固定側型板とは、前記固定側型板の凸部によって当接することを特徴とする請求項1に記載の金型装置。
  4. 周縁部に所定形状の枠部が形成されるガラス板の製造方法であって、
    請求項1から3のいずれか一つに記載の金型装置を用いて成型をする工程を含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
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