JP5929363B2 - ネイルプリント装置及び印刷制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ネイルプリント装置及び印刷制御方法に関するものである。
従来、指の爪に印刷を施すネイルプリント装置が提案されている。ネイルプリント装置は、例えば、印刷しようとする爪に対応する指を、装置本体に設けた指載置台に位置決めし、この位置決めした指の爪にインクジェット方式等の印刷ヘッド等を用いて色や絵柄等の画像を印刷するプリント装置である。
例えば個人用にプリント装置を使用する場合、印刷を行う度にユーザが自分に合った設定を行うのは煩雑であり、時間もかかる。
そこで、プリント装置にユーザ認証手段を備え、ユーザ認証手段の認証結果に基づいてユーザが予め設定したユーザ設定情報をプリント装置の設定に反映させることにより、ユーザが印刷の度に設定操作を行わなくても、ユーザに対応した設定となるようにプリント装置の動作状態を制御する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−312116号公報
しかしながら、ネイルプリント装置により爪に印刷を行う場合、印刷対象となる爪の爪領域を正確に把握する必要がある。
この点、従来は、ネイル印刷を行う度に、例えば指先全体を撮影部で撮影し、その撮影された指全体の画像からその指の爪領域全体を抽出しており、特に爪領域全体を抽出するのに比較的長い時間がかかっていた。その結果、印刷完了までに長時間を要し、ネイル印刷を迅速に行うことが難しいという問題があった。
この点、特許文献1に記載のプリント装置は、ユーザの認証を行い、その認証結果に基づいてユーザに対応した設定となるようにプリント装置の設定を変更するものであるが、ここでプリント装置の設定に反映されるユーザ設定情報は、印刷時の明るさ、コントラスト、濃度、色合い等であり、ネイルプリント装置において、最も重要でありかつ時間を要する爪領域の抽出、設定についてユーザの認証結果を反映させることができるものではない。
特に、ネイルプリント装置を個人ユーザが使用する場合には、できるだけ煩雑な手続きを省略して、短い時間で自分の爪に合った印刷を簡易迅速に行いたいという要望がある。
特許文献1に記載のプリント装置は、このようなユーザの要望に応えることができるものではなかった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、できるだけ煩雑な手続きを省いて、自分の爪に合ったネイルデザインの印刷を簡易迅速に行うことのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、
上面に指が載置される指載置面と、
前記指載置面上の予め設定された読取位置に載置された前記指から個人識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記指の爪を含む指定領域を撮影して指画像を取得する指画像取得部と、
印刷対象物にインクを塗布して印刷を施す印刷ヘッドを有する印刷部と、
前記生体情報と前記指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部と、
前記記憶部と前記生体情報取得部と前記指画像取得部と前記印刷部とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷を実行するネイル印刷モードを有し、該ネイル印刷モードにおいて、前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指とし、前記生体情報取得部が前記指載置面上の前記読取位置に載置されている前記印刷指に対して取得した印刷指生体情報と前記記憶部に記憶されている複数の前記生体情報とを照合し、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断された特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して前記印刷部が印刷を施す印刷領域を設定し、前記指載置面上の前記読取位置に載置されて、前記生体情報取得部により前記生体情報が取得された後の前記印刷指の前記爪の前記印刷領域に、前記印刷部の前記印刷ヘッドにより前記印刷が施されるように制御することを特徴としている。
また、本発明の印刷制御方法は、
指の爪に印刷を施すネイルプリント装置の印刷制御方法において、
前記爪にインクを塗布して印刷を施すネイル印刷モードにおいて、
前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指として、前記印刷指が指載置面上の予め設定された読取位置に載置されている状態で、該印刷指から個人識別可能な生体情報を印刷指生体情報として取得し、
取得した前記印刷指生体情報と、前記生体情報と前記印刷指の爪を含む指定領域を撮影して取得された指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部に記憶されている複数の前記生体情報と、を照合して、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断した特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して印刷を施す印刷領域を設定し、前記指載置面上の前記読取位置に載置され、前記生体情報が取得された後の前記印刷指の前記爪の前記印刷領域に前記印刷を施すことを特徴としている。
本発明によれば、記憶部に、指から取得された個人識別可能な生体情報と、指の爪を含む指定領域を撮影して取得された指画像から抽出された爪の形状に対応する原爪領域データとが互いに対応付けて複数記憶されていて、爪に印刷を施すネイル印刷モードにおいて、印刷する爪に対応する指の生体情報を記憶部に記憶されている複数の生体情報と照合して、印刷する指の生体情報に合致すると判断された特定の生体情報に対応付けて記憶手段に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、印刷する爪に対する印刷領域を設定する。
このため、ネイル印刷を行う際に、各種の入力や設定等の煩雑な手間をかけることなく、ユーザの爪に合った印刷領域に簡易迅速にネイル印刷を行うことができる効果を奏する。
本発明に係るネイルプリント装置の一実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。 図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 (A)は、本実施形態における掴み部の収納状態における平面図であり、(B)は、(A)のB−B線に沿う断面図であり、(C)は、(A)のC−C線に沿う断面図である。 (A)は、本実施形態における掴み部の引出し状態における平面図であり、(B)は、(A)のB−B線に沿う断面図であり、(C)は、掴み部の一変形例を示す断面図である。 (A)は、本実施形態における指紋読取部の検知面と指との位置関係を示す平面図であり、(B)は、(A)における掴み部のみを断面にして指紋読取部と指との位置関係を示した概念図である。 本実施形態におけるセンサ部の一構成例を示す要部構成図である。 (A)は、本実施形態における指紋読取部による指紋画像の読み取り動作を示す概念図であり、(B)は、指紋読取部により読み取られる指紋画像の一例を示した図である。 図1のネイルプリント装置の正面側の断面図である。 図1のネイルプリント装置の側断面図である。 本実施形態における撮影部により撮影される指定領域を示す説明図である。 第1の実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 第1の実施形態における対応付け記憶部のデータ構成例を示す図である。 第1の実施形態のネイルプリント装置における処理の概要を示すフローチャートである。 図13における使用者登録モードにおける記憶処理を示すフローチャートである。 図13におけるネイル印刷モードにおける印刷処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態において表示部に表示されるデザイン選択画面の一例を示す図である。 部分爪領域データを原爪領域データに当てはめる処理を示す説明図である。 第2の実施形態における対応付け記憶部のデータ構成例を示す図である。 第2の実施形態の使用者登録モードにおける記憶処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態のネイル印刷モードにおける印刷処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態のネイル印刷モードにおける印刷処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態のネイル印刷モードにおける印刷処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態のネイル印刷モードにおける印刷処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態において表示部に表示されるデザイン選択画面の一例を示す図である。 第3の実施形態において表示部に表示されるデザイン選択画面の一例を示す図である。 第4の実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 第4の実施形態に係るネイルプリント装置により行われる処理を示すフローチャートである。 (A)は、印刷指挿入部に印刷指として人差し指から小指を印刷指挿入部に挿入した際の固定態様を示す断面図であり、(B)は、(A)に示す掴み部の平面図である。
[第1の実施形態]
図1から図17を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。蓋体4は、ケース本体2の上面である天板2aの後端部に設けたヒンジ3を介して、ケース本体2に回動可能に連結されている。蓋体4は、ヒンジ3を支点として、ケース本体2の天板2aに重ねられた状態からケース本体2の天板2aに対して立てられた状態(図1参照)まで回動可能となっている。
上記ケース本体2は上方から平面視した場合にほぼ長円状に形成されている。このケース本体2の前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けられたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。
なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。
また、ケース本体2の天板2aには操作部12が設置されており、天板2aのほぼ中央部には表示部13が設定されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行うための入力手段である。
操作部12には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに印刷するネイルデザインを選択するデザイン選択釦、印刷開始を指示する印刷開始釦、その他各種の入力を行うための操作釦121が配置されている。
本実施形態では、例えば表示部13にネイルデザインを選択するための図示しないデザイン選択画面が表示されるようになっており、ユーザは、所望のネイルデザインを操作釦121によって選択することにより、印刷されるネイルデザインが選択される。
また、本実施形態のネイルプリント装置1は、爪Tにネイルデザインを印刷する通常のネイル印刷を行うネイル印刷モードの他に、予めユーザの指紋画像と対応付けて爪全体の爪領域の形状(爪Tの輪郭)を表すデータ(これを「原爪領域データ」という。)を後述する記憶部52(図11参照)に記憶させる使用者登録モードを選択することができるようになっており、操作部12において、いずれのモードの処理を行うかを選択可能となっている。なお、ユーザが両方のモードを選択すれば、原爪領域データを記憶させる使用者登録(記憶処理)を行ったのち、そのままネイル印刷(印刷処理)に移行することも可能である。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。本実施形態において、この表示部13には、例えば、印刷する爪Tに対応する指(以下「印刷指」という)U1を撮影した画像(以下「指画像」という。)、この指画像中に含まれる爪Tの輪郭線(すなわち、爪領域を表す線)、爪Tに印刷すべき画像(すなわち、ネイルデザイン)を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面、告知画面、警告画面等が適宜に表示される。
また、本実施形態では、表示部13の表面にタッチパネルが一体的に構成されている。これにより、ユーザは、図示しないスタイラスペンや指先等により表示部13の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるようになっており、表示部13のタッチパネルも、上記操作部12と同様に、各種指示等を入力する入力手段として機能する。
表示部13は、後述する制御装置50の表示制御部517に接続され、該表示制御部517によって制御されるようになっている。
また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。
この装置本体10は、図2に示すように、印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50(図11参照)を備えている。これら印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bによって構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置され、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。すなわち、下部機枠11aには、印刷指挿入部20a、非印刷指挿入部20b及び掴み部20cが設けられており、これらによって印刷指固定部20が構成されている。
ここで、印刷指挿入部20aは、印刷対象である爪Tに対応する指(以下「印刷指U1」という)を挿入するめための指挿入部である。なお、本実施形態では、印刷指挿入部20aに1本ずつ印刷指U1を挿入して爪Tへの印刷等を行う場合を例として説明する。
印刷指挿入部20aの底面(本実施形態では掴み部20cの上面)は、印刷指U1を載置する指載置面(印刷指載置面)として機能する。印刷指U1の撮影や印刷等は、印刷指U1がこの指載置面としての印刷指挿入部20aの印刷指載置面(掴み部20cの上面)に載置された状態で行われる。
また、非印刷指挿入部20bは、印刷指以外の指(以下「非印刷指U2」という。)を挿入するための指挿入部である。
掴み部20cは、印刷指挿入部20aに挿入された印刷指U1と、非印刷指挿入部20bに挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な部分である。本実施形態において、この掴み部20cは印刷指挿入部20aと非印刷指挿入部20bとを仕切る隔壁によって構成されている。
図3(A)は、掴み部20cを上側から見た平面図であり、図3(B)は、図3(A)におけるB−B線に沿う断面図であり、図3(C)は、図3(A)におけるC−C線に沿う断面図である。
図3(A)等に示すように、本実施形態において、掴み部20cは、指挿入方向の奥側に位置する掴み部本体201とこの掴み部本体201における指挿入方向の手前側端部に係止され、掴み部本体201に対して指挿入方向に沿って引き出し可能に構成された可動部202とを備えている。
掴み部本体201の指挿入方向手前側の内部には、掴み部本体201の指挿入方向の手前側端面に開口し、指挿入方向の手前側から奥側に向かって所定の長さに亘り延在する挿入孔部203が、掴み部本体201の幅方向の両端部近傍にそれぞれ形成されている。挿入孔部203の開口部の径は、挿入孔部203の内部の径よりも小さくなっている。
また、可動部202には、掴み部本体201の挿入孔部203に対応する位置に、それぞれ挿入孔部203内に挿入される挿入支持部204が設けられている。
挿入支持部204の指挿入方向奥側端部には、他の部分よりも径が大きい係止用鍔部205が形成されている。この係止用鍔部205の径は、挿入孔部203の内部の径よりも小さく、挿入孔部203の開口部の径よりも大きくなっている。
図4(A)は、図3(A)に示す掴み部本体201から可動部202が指挿入方向手前側に引き出された状態を示した平面図であり、図4(B)は、図4(A)におけるB−B線に沿う断面図である。
図3(A)及び図3(C)に示すように、可動部202は、挿入支持部204が挿入孔部203内に奥まで挿入された収納状態において、掴み部20cの指挿入方向における長さは最も短くなる。また、図4(A)及び図4(B)に示すように、可動部202は、係止用鍔部205が挿入孔部203の開口部内側に係止されるまで指挿入方向手前側に引き出すことが可能であり、この引出し状態において、掴み部20cの指挿入方向における長さは最も長くなる。本実施形態では、収納状態において掴み部20cにおける指挿入方向手前側端部が印刷指挿入部20aの開口部端面とほぼ面一となり、引出し状態において掴み部20cにおける指挿入方向手前側端部が印刷指挿入部20aの開口部から突出した状態となる。
このように、掴み部20cを掴み部本体201と可動部202とで構成し、掴み部20cの指挿入方向における長さを可変とすることにより、長さの異なる各種の指が印刷指挿入部20aに挿入された場合にも広く対応させることができる。
なお、例えば、可動部202を一定の引き出し状態で係止する係止部材を挿入孔部203や挿入支持部204等に設けてもよい。また、例えば、バネ等の弾性部材を挿入孔部203や挿入支持部204内等に設けて、印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入していなときには、可動部202が掴み部本体201から引き出された状態にされ、印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入して、可動部202に押し込み方向の力が加わったときに、挿入支持部204が挿入孔部203内に挿入されて、可動部202が掴み部本体201側に押し込まれるように構成されていてもよい。
図4(C)は、挿入孔部203内に弾性部材としてバネ206を配置した例を示す断面図である。図4(C)では、バネ206によって挿入支持部204が外側に付勢され、可動部202が掴み部本体201から引き出されている状態を示している。
また、掴み部20cの形状、構成や、指挿入方向における長さを可変とするための構成はここに例示したものに限定されない。
また、図3(B)等に示すように、この掴み部20cの指挿入側端部(すなわち、可動部202の指挿入側端部)は、印刷指U1の腹全体が印刷指載置面に当接した状態で、印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部20cを強く挟持することができるように、指挿入方向の断面がほぼ円形となっている。なお、掴み部20cの指挿入側端部の形状は、図示例に限定されないが、楕円形、多角形等、印刷指U1及び非印刷指U2の付け根が突き当てられた際に自然に馴染む形状となっていることが好ましい。
また、図3(A)〜図3(C)、図4(A)及び図4(B)等に示すように、掴み部20cの上面側であって、撮影部30のカメラ32の撮影可能範囲内には、指紋読取部21(指紋センサ)が配置されている。指紋読取部21は、指載置面である印刷指載置面に載置された指FG(図7(A)等参照。なお、以下単に「指FG」とするときは、ネイル印刷において印刷対象となる爪Tに対応する印刷指U1及び使用者登録を行う場合のユーザの指の双方を含むものとする。)から個人識別可能な生体情報としての指紋画像を取得する生体情報取得部である。
また、掴み部20cの上面側であって指紋読取部21における指挿入方向奥側端部近傍には、印刷指挿入部20aに挿入された指FGの先端部分が突き当てられる突き当て部22が設けられている。
図5(A)は、指載置面である掴み部20cの上面に指FGを載置した状態を上側から見た平面図であり、図5(B)は、図5(A)における指FG以外を断面した側断面図である。
突き当て部22は、所定の位置に指FGを位置決めするものであり、図5(A)及び図5(B)等に示すように指の先端部分が突き当て部22に突き当てられるまで印刷指挿入部20aに指FGを挿入することにより、印刷指載置面に載置された指FGの腹部分が指紋読取部21の検知面DTC上に配置されるようになっている。
なお、指紋読取部21が設けられる位置やその大きさ等、及び突き当て部22等が設けられる位置やその大きさ、形状等は図示例に限定されない。
図6は、本実施形態に係るセンサ部211の一構成例を示す要部構成図であり、図7(A)は、本実施形態に係る指紋読取部21によって指紋画像の読み取りを行う様子を示す概念図であり、図7(B)は、指紋読取部21によって読み取られた指紋画像の一例である。
図7に示すように、本実施形態において、指紋読取部21(指紋センサ)は、センサ部211とこのセンサ部211の下方に配置されているバックライトBLとを備えている。
図6に示すように、本実施形態におけるセンサ部211は、例えば特開2005−242841号公報において開示されているようなダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサPS(ダブルゲート型フォトセンサ)を適用したものである。センサ部211は、大別して、多数のフォトセンサ(読取画素)PSを、透明な基板SUB(図7参照)の上に、例えば、n行×m列(n、mは任意の自然数)のマトリクス状に2次元配列したフォトセンサアレイ110と、各フォトセンサPSのトップゲート端子TGを行方向に接続して伸延するトップゲートラインLtと、各フォトセンサPSのボトムゲート端子BGを行方向に接続して伸延するボトムゲートラインLbと、各フォトセンサPSのソース端子S(図7においてソース電極102)を列方向に接続して伸延するソースライン(データライン)Lsと、ドレイン端子D(図7においてドレイン電極103)を所定の低電位電圧(例えば、接地電位)Vssに共通に接続するドレインライン(コモンライン)Ldと、各トップゲートラインLtに接続されたトップゲートドライバ120と、各ボトムゲートラインLbに接続されたボトムゲートドライバ130と、各ソースラインLsに接続されたソースドライバ140と、を備えて構成されている。
本実施形態のセンサ部211において、トップゲートドライバ120、ボトムゲートドライバ130及びソースドライバ140は、各々ドライバICチップ(集積回路チップ)の形態を有し、フォトセンサアレイ110が形成された透明な基板SUB上であって、該フォトセンサアレイ110近傍の周辺領域に配置、実装されている。
ここで、指紋読取部21により指FGの指紋を読み取る手法について、図7(A)及び図7(B)を参照しつつ説明する。
指紋の読み取りを行う場合には、ユーザは指FGをフォトセンサアレイ110の上面の検知面DTCに密着するように載置する。
そして、まず、トップゲート制御信号に基づいてトップゲートドライバ120によりトップゲート端子TGにローレベル(例えば、トップゲート電圧Vtg=−15V)のバイアス電圧φTiが印加され、これにより、電荷蓄積動作(キャリヤ蓄積動作)が開始される。
すなわち、フォトセンサPSが形成された透明な基板SUBの下方に設けられたバックライトBLから、検知面DTCの上に載置されている指FGに対して照射光Lxが照射されると、その反射光Lyが透明電極層からなるトップゲート電極TGxを通過して半導体層101に入射する。これにより、半導体層101に入射した光量に応じて、半導体層101の入射有効領域(キャリヤ発生領域)で電子−正孔対が生成され、半導体層101とブロック絶縁膜104との界面近傍(チャネル領域周辺)に正孔が蓄積される(電荷の蓄積)。
また、この電荷蓄積動作と並行して、ソースゲート制御信号に基づいてソースドライバ140によりソース端子Sにプリチャージパルス(例えば、プリチャージ電圧Vpg=+5V)が印加され、ソース電極102に電荷を保持させるプリチャージ動作が実行される。
この電荷蓄積動作とプリチャージ動作とを行った後、ボトムゲート制御信号に基づいてボトムゲートドライバ130によりボトムゲートラインLbを介して、ボトムゲート端子BGに読み出しパルス(例えば、ボトムゲート電圧(=読み出しパルス電圧)Vbg=+10Vのハイレベル)φBiが印加される。これにより、電荷蓄積動作においてチャネル領域に蓄積されたキャリヤ(正孔)に応じたソースライン電圧VD(データ電圧Vrd;電圧信号)をソースドライバ140により読み出す読み出し動作が実行される。
ここで、読み出しパルスφBiの印加期間(読み出し期間)におけるソースライン電圧VD(データ電圧Vrd)の変化傾向は、電荷蓄積動作において蓄積されたキャリヤが多い場合(明状態)には、電圧が急峻に低下する傾向を示し、一方、蓄積されたキャリヤが少ない場合(暗状態)には緩やかに低下する傾向を示すので、例えば、読み出し動作の開始から所定の時間経過後のデータ電圧Vrdを検出することにより、フォトセンサPSに入射した光の量、すなわち、被写体の明暗パターンに対応した明度データ(明暗情報)を検出することができる。
そして、このような特定の行(i行目)に対する一連の明度データ検出動作を1サイクルとして、上述したフォトセンサアレイ110の各行(i=1、2、・・・n)に対して、同様の動作処理を繰り返すことにより、図7(B)に示すような指FGの2次元画像(指紋画像)を明度データとして読み取ることができる。
図8は、本実施形態に係るネイルプリント装置1の正面側の断面図であり、図9は、ネイルプリント装置1の側断面図である。なお、図9では、印刷指挿入部20aに指FG(印刷指U1)として左手の親指が挿入されている状態を例示している。
図8及び図9に示すように、撮影部30は、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bには基板31が設置されており、この基板31の中央部下面にはカメラ32が設置されている。カメラ32は、例えば、ドライバーを内蔵し、200万画素程度以上の画素を有している。また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。撮影部30は、このカメラ32及び照明灯33を備えて構成されている。
図10は、撮影部30による撮影範囲を示す平面図である。
撮影部30は、指FGの爪Tを含む指定領域paを撮影して指画像を取得する指画像取得部であり、ネイル印刷を行うために印刷指挿入部20a内に載置された印刷指U1又は使用者登録を行う場合のユーザの指を照明灯33によって照明し、カメラ32によって撮影する。本実施形態では、図10に示すように、指紋読取部21の検知面DTCの上の領域及びこの領域の周辺領域が撮影部30による撮影範囲である指定領域paとして設定される。
この撮影部30は、後述する制御装置50の撮影制御部511に接続され、該撮影制御部511によって制御されるようになっている。
なお、撮影部30によって撮影された指画像の画像データは、後述する記憶部52に記憶される。ここで、指画像の画像データは、指載置面としての掴み部20cの上面の位置情報を含んでいる。
印刷部40は、後述する印刷領域設定部516により設定された印刷領域に、予め設定されたネイルデザインの印刷を施すものであり、主に上部機枠11bに設けられている。
すなわち、図8及び図9に示すように、上部機枠11bの両側板には、2本のガイドロッド41が、掴み部本体201の幅方向に沿った左右方向で水平に、互いに平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、図9に示すように、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が、ガイドロッド41に対して直交する前後方向に沿って、互いに平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。本実施形態において、印刷ヘッド46は、例えば、インクを微滴化したインク滴を噴射し、印刷対象である爪Tにインク滴を着弾させて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。
主キャリッジ42は、動力伝達手段(図示せず)を介してモータ43に連結され、モータ43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動するように構成されている。また、副キャリッジ45は、動力伝達手段(図示せず)を介してモータ47に連結され、モータ47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成、インクカートリッジと印刷ヘッド46とが一体化した構成のものを適用してもよい。
印刷部40は、ガイドロッド41、主キャリッジ42、モータ43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モータ47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。この印刷部40のモータ43、印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の印刷制御部518に接続され、該印刷制御部518によって制御されるようになっている。
また、制御装置50は、例えば上部機枠11bに配置された基板31等に設置されている。図11は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。
制御装置50は、図11に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部51、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部52を備えるコンピュータである。
記憶部52には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
本実施形態において、記憶部52には、ネイルデザイン記憶部521、指紋画像記憶部522、対応付け記憶部523が設けられている。
ネイルデザイン記憶部521は、爪Tに印刷可能なネイルデザインの画像データ(印刷データ)を複数記憶している。
指紋画像記憶部522は、生体情報取得部である指紋読取部21により指FGに対応して取得された生体情報としての指紋画像の画像データを記憶している。各指紋画像の画像データには、各データを特定することのできるアクセス情報(例えば、「指紋画像A」「指紋画像B」「指紋画像C」等)が付帯されている。
対応付け記憶部523は、生体情報取得部である指紋読取部21により指FGに対応して取得された生体情報としての指紋画像と、原爪領域抽出手段である爪領域抽出部514により指FGに対応して抽出された原爪領域データとを互いに対応付けて、複数組を記録している。
図12は、対応付け記憶部523のデータ構成例を示す図である。
図12に示すように、本実施形態では、指紋画像の画像データを特定することのできるアクセス情報(例えば、図12において「指紋画像A」「指紋画像B」「指紋画像C」)等が原爪領域データと対応付けられて対応付け記憶部523に記憶されている。
例えば、指紋読取部21によってユーザの指FGから読み取られた指紋画像が指紋画像記憶部522に記憶されている「指紋画像A」の画像データと一致する場合、このアクセス情報に基づいて「指紋画像A」と対応する原爪領域データを当該ユーザの爪Tの原爪領域データとして対応付け記憶部523から読み出すことが可能となっている。
なお、対応付け記憶部523の構成はここで示したものに限定されず、例えば、指紋画像の画像データ自体が対応付け記憶部523において原爪領域データと対応付けられて記憶されていてもよい。この場合には別途指紋画像記憶部522を設ける必要がない。また、原爪領域データについても個別のデータにアクセスするためのアクセス情報のみが指紋画像と対応付けられて記憶され、原爪領域データ自体は別途記憶部52に記憶される構成としてもよい。
なお、対応付け記憶部523に記憶される内容はここに例示したものに限定されない。例えば、手の種類(すなわち、右手か左手かの区別)、指の種類(親指から小指までの5指)等も対応付け記憶部523に指紋画像と対応付けられて記憶されていてもよい。
なお、記憶部52は、その他、撮影部30によって撮影された画像のデータ等を記憶する記憶部、原爪領域抽出手段である爪領域抽出部514(後述)によって指画像から抽出された爪T全体に対応するデータ(爪T全体の形状等を示す位置座標等で構成されるデータ)である原爪領域データを記憶する記憶部等を備えていてもよい。
制御部51は、機能的に見た場合、撮影制御部511、記憶制御部512、指紋照合部513、爪領域抽出部514、爪領域データ読出部515、印刷領域設定部516、表示制御部517、印刷制御部518等を備えている。これら撮影制御部511、記憶制御部512、指紋照合部513、爪領域抽出部514、爪領域データ読出部515、印刷領域設定部516、表示制御部517、印刷制御部518等としての機能は、CPUと記憶部52のROM等に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。なお、制御部51に含まれる機能部はここに挙げたものに限定されず、その他の機能部を備えていてもよい。
撮影制御部511は、ユーザの指FGの爪Tを含む指定領域pg(図10参照)を撮影して指画像を取得するように、指画像取得部である撮影部30の撮影動作を制御する。撮影制御部511は、撮影部30によって取得された指画像の画像データを記憶部52に記憶させるようになっており、この指画像は爪領域抽出部514が原爪領域データや部分爪領域データを抽出するための指画像として用いられる。
また、例えば撮影制御部511は、ユーザが印刷指U1を印刷指挿入部20aに挿入する際に、印刷指挿入部20a内に挿入される印刷指U1の様子を撮影部30に撮影させる。撮影部30によって撮影された画像は例えば表示部13等に表示され、ユーザが印刷指U1をセットする際に目視にて印刷指U1の配置を確認できるようにすることが好ましい。
記憶制御部512は、本実施形態における生体情報取得部である指紋読取部21により指FG(使用者登録を行うユーザの指FG)に対応して取得された生体情報としての指紋画像と、原爪領域抽出手段である爪領域抽出部514により指FGに対応して抽出された原爪領域データとを互いに対応付けて、記憶部52の対応付け記憶部523に記憶させる。
なお、本実施形態では、前述のように、指紋画像の画像データ自体は指紋画像記憶部522に記憶されるようになっており、記憶制御部512は、指紋画像の画像データにアクセスするためのアクセス情報と原爪領域データとを互いに対応付けて対応付け記憶部523に記憶させる。
指紋照合部513は、生体情報取得部である指紋読取部21により印刷指生体情報としての印刷指U1の指紋画像の画像データが取得されたときに、当該指紋画像の画像データ(印刷指U1の指紋画像)と、指紋画像記憶部522(記憶部52)に記憶されている生体情報としての複数の指FGの各々に対応する複数の指紋画像の画像データとを照合する生体情報照合部である。
すなわち、本実施形態では、使用者登録モードにおいて印刷指挿入部20a内にユーザの指FGが載置されると、この指FGの指紋画像が指紋読取部21により読み取られ、指紋画像記憶部522に記憶される。また、ネイル印刷モードにおいて、印刷指挿入部20a内にユーザの印刷指U1が載置されると、この印刷指U1の指紋画像が指紋読取部21により読み取られる。
指紋照合部513は、ネイル印刷モードにおいて、印刷指U1の指紋画像が指紋読取部21により読み取られると、この指紋画像の画像データが、指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像の画像データのうちの何れかと一致するか否か、パターンマッチングを行う。パターンマッチングの手法は特に限定されないが、例えば複数の特徴点について対応する点があるか否かを判断することにより照合を行う。
爪領域抽出部514は、指画像取得部である撮影部30により取得された指画像から、爪T全体に対応する原爪領域データを抽出する原爪領域抽出手段として機能する。
また、本実施形態では、爪領域抽出部514は、指載置面である印刷指載置面に印刷指U1が載置され、撮影部30により当該印刷指U1の爪Tを含む印刷指画像が取得されたときに、この印刷指画像から、爪Tの一部に対応する部分爪領域データを抽出する部分爪領域抽出手段としても機能する。
爪領域抽出部514は、例えば、撮影部30により取得された指画像の中から、爪Tとそれ以外の指部分との輝度や色の違い等に基づいて爪領域データ(原爪領域データ及び部分爪領域データ)を抽出する。爪領域抽出部514によって抽出される爪領域データは、例えば爪Tの輪郭を示す位置座標のデータである。なお、爪領域抽出部514が爪領域データ(原爪領域データ及び部分爪領域データ)を抽出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。
また、部分爪領域抽出手段としての爪領域抽出部514により抽出される部分爪領域データは、例えば爪Tの根元側の少なくとも一方の側の角部分を含むある程度の長さの領域の輪郭のデータである(例えば図17の左側に実線で示す部分参照)。なお、部分爪領域データとしてどの部分のデータを抽出するかはここに示した例に限定されないが、部分爪領域データは原爪領域データとのパターンマッチング(合わせ込み)を行うためのデータであるため、爪Tの形状の個体差が現れやすく、経時変化しにくい部分に対応するデータであることが好ましい。このため、部分爪領域データとしては、爪Tの根元部分の他、例えば爪Tの幅方向の少なくとも一方の側のある程度の長さ部分の輪郭のデータでもよい。これに対して、爪Tの先端側は、爪Tが伸びることで長さや形状が変化するため、部分爪領域データとして好ましくない。また、輪郭を表す線のデータ以外にも、爪Tの輪郭上の複数の点(特徴点)を部分爪領域データとして抽出してもよい。ここで、部分爪領域データは、指載置面としての掴み部20cの上面の位置情報を含んでいる。
爪領域データ読出部515は、生体情報照合部である指紋照合部513による照合の結果、印刷指生体情報である印刷指U1の指紋画像の画像データが指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像のうちの特定の指紋画像に合致すると判定されたとき、対応付け記憶部523に記憶されている原爪領域データのうちの、当該特定の指紋画像(生体情報)に対応付けて記憶されている特定の原爪領域データを対応付け記憶部523から読み出す。
すなわち、ネイル印刷モードにおいて、ユーザの印刷指U1の指紋画像が取得され、これがすでに対応付け記憶部523に記憶済みの特定の指紋画像と合致する場合に、爪領域データ読出部515は、当該印刷指U1の爪Tの輪郭を表すデータとして、当該特定の指紋画像と対応付けられている原爪領域データを読み出す。これにより、印刷時に改めて印刷対象である爪領域全体の抽出処理を行う必要がなく、印刷領域の設定に要する処理時間の短縮を図ることができる。
印刷領域設定部516は、対応付け記憶部523に記憶されている原爪領域データに基づいて、印刷指U1の爪Tに対応する印刷領域を設定する。
本実施形態において、印刷領域設定部516は、部分爪領域抽出手段としての爪領域抽出部514により印刷指U1の指画像から抽出された部分爪領域データ(すなわち、印刷対象となる爪Tの爪領域の一部を示すデータ)と、爪領域データ読出部515(原爪領域データ読出手段)により読み出された特定の原爪領域データ(すなわち、印刷指U1の指紋画像と合致する登録済みの指紋画像に対応付けられた原爪領域データ)と、に基づいて、印刷指U1の爪Tに対応する印刷領域を設定する。
例えば、部分爪領域データが爪Tの根元部分の一部分の一定範囲(図17において一点鎖線で示す枠内)の輪郭のデータである場合、印刷領域設定部516は、これを原爪領域データにおける爪Tの根元部分の対応する位置に合わせ込むパターンマッチング処理(合わせ込み処理)を行う(図17参照)。
使用者登録モードにおける原爪領域データ取得時の爪Tの位置と、ネイル印刷モードにおける印刷指U1の爪Tの位置とは、両者において印刷指挿入部20aに挿入した印刷指U1の位置が互いに多少ずれていることがあり、必ずしも一致しない。この点、印刷指U1の爪Tの部分爪領域データを原爪領域データに合わせ込むことで、両者の位置がずれていた場合でも、印刷指U1の爪Tに応じた適切な位置に印刷領域を設定することができる。また、印刷領域の掴み部20cの上面における位置は、部分爪領域データの掴み部20cの上面の位置情報に基づいて決定される。
表示制御部517は、表示部13に各種の表示画面を表示させる。
本実施形態では、表示制御部517は、前述のように、印刷指U1の指画像や爪Tの輪郭線(すなわち、爪領域を表す線)、ネイルデザインを選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面、告知画面、警告画面等を表示部13に表示させるようになっている。
印刷制御部518は、印刷領域設定部516により設定された印刷領域に、予め設定されたネイルデザインの印刷を施す。
具体的には、印刷制御部518は、デザイン選択画面等において1つのネイルデザインがユーザにより選択されると、当該ネイルデザインを印刷するネイルデザインとして設定し、設定されたネイルデザインの印刷データを印刷部40に出力し、当該印刷データに基づいてネイルデザインの印刷を行わせる。
次に、図13から図17を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作について説明する。
図13は、ネイルプリント装置1によって行われる処理の全体の流れを示したフローチャートであり、図14は、ネイルプリント装置1によって行われる使用者登録モードにおける記憶処理を示したフローチャートであり、図13は、ネイルプリント装置1によって行われるネイル印刷モードにおける印刷処理を示したフローチャートである。
このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置50を起動させる。
ネイルプリント装置1の電源がONとなり、制御装置50が起動すると、図13に示すように、制御部51は、操作部12や表示部13のタッチパネルから使用者登録モードが選択されたか否かを判断する(ステップS1)。使用者登録モードが選択されたと判断する場合(ステップS1;YES)には、制御部51は、図14記載の使用者登録モードによる記憶処理を行う(ステップS2)。
使用者登録モードによる記憶処理においては、図14に示すように、制御部51(表示制御部517)は、まず、一方の手の指FGを指紋読取部21の上に載置するように指示する指示画面を表示部13に表示させる(ステップS11)。制御部51は、指紋読取部21からの出力又は撮影部30により撮影された画像等に基づいて、指FGが指紋読取部21の上に載置されたか否かを判断する(ステップS12)。そして、指FGが指紋読取部21の上に載置されていないと判断した場合(ステップS12;NO)には、ステップS12の判断処理を繰り返す。他方、指紋読取部21の上に指FGが載置されたと判断した場合(ステップS12;YES)には、制御部51は、指紋読取部21によって取得された指FGの指紋画像の画像データを取得し(ステップS13)、この指紋画像の画像データを指紋画像記憶部522に記憶させる。また、制御部51(撮影制御部511)は、撮影部30を制御して指紋読取部21上を含む指定領域の指画像を取得させる(ステップS14)。さらに制御部51(爪領域抽出部514)は、取得した指画像から爪T全体に対応する原爪領域データを抽出する(ステップS15)。原爪領域データが抽出されると、制御部51(記憶制御部512)は、抽出された原爪領域データを当該指FGの指紋画像に対応付けて、記憶部52(対応付け記憶部523)に記憶させる(ステップS16)。すなわち、記憶制御部512は、対応付け記憶部523に、指紋画像記憶部522に記憶されている当該指FGの指紋画像の画像データにアクセスするためのアクセス情報と原爪領域データとを対応付けて記憶させる(図12参照)。
指紋画像と原爪領域データとの対応付け記憶が終了すると、制御部51は、全指について原爪領域データの取得が終了したか否かを判断する(ステップS17)。例えば、使用者は、使用者登録前に、使用者登録を行う指として左右の手の親指から小指までの5指(全10指)について使用者登録を行うと設定しておくことができ、制御部51は設定された全指について原爪領域データの取得が終了したか否かを判断する。そして、全指の原爪領域データの取得が終了していないと判断した場合(ステップS17;NO)には、制御部51は、他の指を指紋読取部21の上に載置するように指示する指示画面を表示部13に表示させた上で(ステップS18)、ステップS12に戻って処理を繰り返す。また、全指の原爪領域データの取得が終了していると判断した場合(ステップS17;YES)には、さらに、両手の処理が終了したか否かを判断する(ステップS19)。両手の処理が終了していないと判断する場合(ステップS19;NO)には、制御部51は、他方の手の指を指紋読取部上に載置するように指示する指示画面を表示部13に表示させた上で(ステップS20)、ステップS12に戻って処理を繰り返す。また、両手の処理が終了していると判断した場合(ステップS19;YES)には、使用者登録モードによる記憶処理を終了する。
図13に戻って、使用者登録モードによる記憶処理(ステップS2)が完了すると、制御部51は、さらにネイル印刷モードが選択されているか否かを判断する(ステップS3)。また、使用者登録モードが選択されていない場合(ステップS1;NO)には、制御部51は、使用者登録モードによる記憶処理を行わずにネイル印刷モードが選択されているか否かを判断する(ステップS3)。
そして、ネイル印刷モードが選択されていないと判断する場合(ステップS3;NO)には、再度ステップS1に戻って判断処理を繰り返す。他方、ネイル印刷モードが選択されていると判断する場合(ステップS3;YES)には、制御部51は、図15記載のネイル印刷モードによる印刷処理を行う。
ネイル印刷モードにおいては、図15に示すように、制御部51(表示制御部517)は、まず、爪Tに印刷するネイルデザインの選択を指示するデザイン選択画面を表示部13に表示する(ステップS31)。
図16は、デザイン選択画面の一例を示す図である。
図16に示すように、デザイン選択画面には、ネイルデザイン記憶部521に記憶されている複数のネイルデザインのサムネイル画像が、そのデザイン番号(図16においてNo.0001〜No.0018)とともに一覧表示される。なお、ネイルデザインの表示のさせ方、デザイン選択画面のレイアウト等はここに例示したものに限定されない。
デザイン選択画面には、ユーザがネイルデザインを選択、指定するための「決定釦」が設けられており、ユーザが、爪Tに印刷したいいずれかのネイルデザインにタッチして「決定釦」を押すことで、当該ネイルデザインを指定する指示信号が出力され、印刷すべきネイルデザインが指定される。なお、ネイルデザインの指定は、操作部12からデザイン番号を入力する等によって行われてもよい。
また、一画面に収まらない数のネイルデザインがネイルデザイン記憶部521に記憶されている場合には、デザイン選択画面には、次の候補を表示させるための「次ページ釦」、前の候補に戻るための「前ページ釦」が設けられ、ユーザがこれらの釦を操作することで、適宜表示画面を切り替えることができるようになっている。
制御部51は、爪Tに印刷するネイルデザインが指定されたか否か、すなわち、いずれかのネイルデザインを指定する指示信号が出力されたか否かを判断し(ステップS32)、ネイルデザインが指定されていないと判断する場合(ステップS32;NO)には、ステップS32の判断処理を繰り返す。
他方、ネイルデザインが指定されたと判断する場合(ステップS32;YES)には、制御部51(表示制御部517)は、ネイル印刷を行う印刷指U1を指紋読取部21の上に載置するよう指示する指示画面を表示部13に表示させる(ステップS33)。制御部51は、印刷指U1が指紋読取部21の上に載置されたか否かを判断し(ステップS34)、印刷指U1が指紋読取部21の上に載置されていないと判断する場合(ステップS34;NO)には、ステップS34の判断処理を繰り返す。なお、印刷指U1が指紋読取部21の上に載置されているか否かは、例えば、指紋読取部21からの出力や撮影部30により取得される画像等に基づいて判断される。
印刷指U1が指紋読取部21の上に載置されたと判断する場合(ステップS34;YES)には、指紋読取部21によって、指紋読取部21上に載置された印刷指U1の指紋画像を取得する(ステップS35)。制御部51(指紋照合部513)は、指紋読取部21によって取得された指紋画像を、指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像と照合し(ステップS36)、取得した印刷指U1の指紋画像が指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像のうちの特定の指紋画像と合致するか否かを判断する(ステップS37)。具体的には、印刷指U1の指紋画像の画像データが指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像のうちのいずれかの指紋画像の画像データと合致するか否かを、パターンマッチングによって判断する。
印刷指U1の指紋画像が指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像のいずれとも合致しないと判断した場合(ステップS37;NO)には、制御部51(表示制御部517)は、取得した印刷指U1の指紋画像が対応付け記憶部523に記憶されているいずれの指紋画像とも合致しない旨のメッセージを表示部13に表示させ(ステップS38)、印刷処理を終了する。なお、この場合、さらに、使用者登録モードに移行するよう促すメッセージを表示部13に表示させ、使用者登録モードに移行できるように構成してもよい。
他方、印刷指U1の指紋画像が指紋画像記憶部522に記憶されている特定の指紋画像と合致すると判断した場合(ステップS37;YES)には、制御部51(爪領域データ読出部515)は、対応付け記憶部523において当該特定の指紋画像に対応付けて記憶されている特定の原爪領域データを読み出す(ステップS39)。さらに、制御部51(撮影制御部511)は、撮影部30により、指紋読取部21の上を含む指定領域を撮影させて、当該指定領域の指画像を取得させる(ステップS40)。そして、制御部51(爪領域抽出部514)は、この取得された指画像から、爪Tの一部(爪Tの根元側の少なくとも一方の側の角部分を含む一定範囲。図17において一点鎖線で示す枠内)に対応する部分爪領域データを抽出する(ステップS41)。制御部51(印刷領域設定部516)は、対応付け記憶部523より読み出した特定の原爪領域データを、抽出した部分爪領域データ(爪領域の一部のデータ)に当てはめて、原爪領域データを現在印刷載置面上に載置されている爪Tの位置に合わせるパターンマッチング処理(合わせ込み処理)を行い、このパターンマッチング処理後の原爪領域データに基づいて印刷指U1の爪Tに対応する印刷領域を設定する(ステップS42)。また、印刷領域の掴み部20cの上面における位置は、部分爪領域データの掴み部20cの上面の位置情報に基づいて決定される。印刷領域が設定されると、印刷制御部518は、印刷部40により、設定された印刷領域に、指定されたネイルデザインを印刷させる(ステップS43)。なお、両手の全指に印刷を行うように予め設定されていた場合のように、複数本の印刷指U1にネイル印刷を行う設定がなされていた場合には、制御部51は、印刷が予定されている全指についてネイルデザインの印刷が完了したか否かを判断し、印刷が完了していると判断した場合には、印刷処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、生体情報取得部としての指紋読取部21によって指FGから個人識別可能な生体情報としての指紋画像を取得して、この指紋画像と当該指FGの爪T全体に対応する原爪領域データとを対応付けて対応付け記憶部523に記憶させておき、この原爪領域データに基づいて印刷領域を設定する。このように、印刷領域を設定するための原爪領域データを生体情報としての指紋画像と対応付けて記憶させることで使用者の登録処理を行うため、ユーザは指FGを印刷指挿入部20aに入れるだけでよく、原爪領域データの登録に煩雑な入力操作等を行う必要がない。
また、ネイル印刷を行う際には、指紋読取部21によって印刷指U1の指紋画像を読み取り、読み取られた指紋画像と合致する特定の指紋画像と対応付けられている原爪領域データを対応付け記憶部523から読み出す。このように、本実施形態では、一旦使用者登録を行えば、その後煩雑な入力操作等を行う必要がなく、指FGを印刷指挿入部20aに挿入し、所定位置に指先を載置するだけで、自分の爪Tの原爪領域データを読み出すことができる。
また、ネイル印刷においては、印刷を行う領域である爪領域全体を抽出する作業に時間がかかり、これを印刷の度に行うとネイル印刷に要する時間が長くなってしまう。この点、本実施形態では、指紋画像と対応付けて予め記憶されている原爪領域データに基づいてネイル印刷を行う印刷領域を設定する。このため、ネイル印刷を行う度に爪領域全体の抽出処理を行う手間を省くことができ、ネイル印刷に係わる時間を短縮して、簡易迅速にネイル印刷を行うことができる。
なお、本実施形態におけるネイルプリント装置1は、1人のユーザが自分専用機として用いることもできるし、家族や友人等と共用して用いることもできるものである。そして、本ネイルプリント装置1は、1人のユーザが自分専用機として用いる場合にも、煩雑な設定なく自分の爪の形状等を示すデータである原爪領域データを簡易に登録でき、印刷時にはこの原爪領域データに基づいて印刷領域を自動的に設定することができる。また、複数人で共用して装置を用いる場合にも、各ユーザ毎に原爪領域データを簡易に登録でき、印刷時には各ユーザの指紋画像を読み取るだけで当該ユーザの原爪領域データを読み出し、これに基づいて印刷領域を自動的に設定することができる。このため、ユーザが変わる度に煩雑な入力操作等を行う必要がなく、複数のユーザで1台の装置を使用する場合でも簡易迅速にネイル印刷を行うことができる。
また、本実施形態では、ネイル印刷時には、印刷指U1の爪Tを含む印刷指画像を取得して、この印刷指画像から、爪Tの一部に対応する部分爪領域データを抽出し、この部分爪領域データと登録済みの特定の原爪領域データとを合わせこんで印刷領域を設定する。このため、使用者登録を行った際(すなわち原爪領域データが取得された際)とネイル印刷時とで、爪Tの位置がずれている場合でも、ずれを補正して正しい範囲に印刷領域を設定することができる。また、ネイル印刷時に取得する爪領域データは爪Tの一部に対応する部分爪領域データのみであるため、爪領域データの抽出にかかる時間を短縮でき、さらに、原爪領域データとの合わせ込み(パターンマッチング)もこの爪Tの一部に対応する部分でのみ行うため、パターンマッチングに要する処理時間も短縮することができる。
[第2の実施形態]
次に、図18から図20A及び図20Bを参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、対応付け記憶部に記憶される事項等が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態のネイルプリント装置は、第1の実施形態と同様に、ユーザの指紋画像とユーザの爪T全体に対応する原爪領域データとを対応付けて記憶させる記憶処理(使用者登録)を行う使用者登録モードと、ネイルデザインを爪Tに印刷するネイル印刷モードとを行うことができるものである。
ネイルプリント装置は、使用者登録モードの際には、第1の実施形態と同様に、ユーザの指紋画像を指紋読取部21によって取得するとともに、撮影部30によって取得された指画像からユーザの爪T全体に対応する原爪領域データを抽出する。
また、本実施形態において、操作部12、表示部13のタッチパネル等の入力手段は、ユーザに固有の使用者固有情報を入力することができる固有情報入力手段として機能するようになっている。そして、記憶制御部512は、固有情報入力手段である操作部12等により使用者固有情報が入力されたときに、当該使用者固有情報をこれと対応する使用者の生体情報である指紋画像と対応付けて対応付け記憶部523に記憶させる。
ここで使用者固有情報とは、例えば、ユーザの「氏名」「年令」「性別」等のユーザの個人的な情報である。なお、使用者固有情報はここに挙げたものに限定されず、例えば「職業」等が含まれていてもよい。
図18は、本実施形態における対応付け記憶部523の構成例を示す図である。
図18に示すように、本実施形態において、対応付け記憶部523は、生体情報取得部である指紋読取部21によりユーザの指FGに対応して取得された生体情報としての指紋画像(当該指紋画像のアクセス情報)と、原爪領域抽出手段である爪領域抽出部514によりユーザの指FGに対応して抽出された原爪領域データと、当該ユーザによって操作部12等から入力された使用者固有情報と、を互いに対応付けて記録する。
すなわち、例えば「指紋画像A」が読み取られ、これに対応する原爪領域データとして「原爪領域データa」が取得され、ユーザが、自らの使用者固有情報として、氏名「甲」、年令「21」、性別「女」を入力した場合、これらが互いに対応付けられて対応付け記憶部523に記憶される。
なお、使用者固有情報として対応付け記憶部523に記憶される内容はここに例示したものに限定されない。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図19及び図20A、図20Bを参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置の作用について説明する。
図19は、ネイルプリント装置によって行われる使用者登録モードにおける記憶処理を示したフローチャートであり、図20は、ネイルプリント装置によって行われるネイル印刷モードにおける印刷処理を示したフローチャートである。
図19に示すように、使用者登録モードでは、まず、制御部51(表示制御部517)は、使用者名等の使用者固有情報の入力を指示する画面を表示部13に表示させる(ステップS51)。ユーザが操作部12又は表示部13のタッチパネル上で操作を行うことにより、ユーザの氏名、年令、性別等の使用者固有情報を入力すると、入力された情報が制御部51によって取得される(ステップS52)。なお、このとき、使用者登録を行う手の種別(右手か左手か)、指の種別(親指から小指のうちのいずれの指か)等の情報についても合わせて入力してもよい。
使用者固有情報が入力されると、次に指を指紋読取部21の上に載置するよう指示する指示画面が表示部13に表示される。例えば、両手の全指について使用者登録を行う場合、まず、右手の親指を指紋読取部21の上に載置するよう指示する指示画面が表示される(ステップS53)。
なお、このステップS53からステップS57の処理は、第1の実施形態における図14におけるステップS11からステップS15の処理と同様であるため、その説明を省略する。
指紋画像の取得(ステップS55)から原爪領域データの抽出(ステップS57)が終了すると、記憶制御部512は、原爪領域データ及び使用者固有情報(使用者名、年令、性別等)を、指紋画像に対応付けて、対応付け記憶部523に記憶させる(ステップS58)。なお、ステップS51において、使用者登録を行う手の種別、指の種別等の情報が入力されたときは、これらについても指紋画像と対応付けられて、対応付け記憶部523に記憶される。
なお、ステップS59からステップS62の処理は、第1の実施形態における図14におけるステップS17からステップS20の処理と同様であるため、その説明を省略する。
次に、図20A及び図20Bを参照しつつ、ネイル印刷モードにおける処理について説明する。
なお、ステップS71からステップS78の処理は、第1の実施形態における図15におけるステップS31からステップS38の処理と同様であるため、その説明を省略する。
図20Bに示すように、印刷指U1の印刷指画像から取得した指紋画像が指紋画像記憶部522に記憶されている複数の指紋画像のうちの特定の指紋画像と合致する場合(ステップS77;YES)には、制御部51は、対応付け記憶部523に特定の指紋画像に対応付けて記憶されている特定の原爪領域データと、使用者名等の使用者固有情報を読み出して取得する(ステップS79)。なお、手の種別や指の種別の情報についても対応付けて記憶されている場合には、これらの情報もともに読み出される。
制御部51は、取得した使用者固有情報等がユーザ本人の情報に間違いないかの確認を求める確認指示画面を表示部13に表示させる(ステップS80)。ユーザは、表示部に表示された情報を確認して、内容に間違いがなければ、図示しない「OK釦」を操作する等、情報内容を承認する操作を行う。この操作により、制御部51に情報承認信号が出力される。また、内容に間違いがあれば、図示しない「No釦」を操作する等、情報内容を非承認する操作を行う。この操作により、制御部51に情報非承認信号が出力される。制御部51は、取得した情報が正しいか否か、すなわち、操作部等から情報承認信号が送られたか、情報非承認信号が送られたかを判断し(ステップS81)、情報非承認信号が送られた場合には取得した情報が正しくないと判断する(ステップS81;NO)。この場合には、制御部51は、正しい情報を入力するよう指示する指示画面を表示部13に表示させる(ステップS82)。指示画面には例えば、入力内容を確認する図示しない「確認釦」が設けられており、ユーザが表示部13の入力指示に従って情報を入力した後、「確認釦」を操作すると、入力された情報が正しい情報として制御部51に出力される。制御部51は、正しい情報が入力されたか否か、すなわち、情報入力後入力した内容を承認する「確認釦」が操作されたか否かを判断し(ステップS83)、「確認釦」が操作されていない場合(ステップS83;NO)には、ステップS82に戻って処理を繰り返す。他方、情報入力後「確認釦」が操作されたと判断した場合(ステップS83;YES)には、入力された情報に対応する原爪領域データを、対応付け記憶部523より読み出して取得する(ステップS84)。そして、取得した原爪領域データに基づいて印刷領域を設定する(ステップS85からステップS87)。
なお、ステップS85からステップS87の処理は、第1の実施形態における図15におけるステップS40からステップS43の処理と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、対応付け記憶部523に、原爪領域データの他、ユーザの氏名等の使用者固有情報が指紋画像と対応付けられて記憶されている。そして、印刷指U1から読み取られた指紋画像と対応付け記憶部523に記憶されている指紋画像とのパターンマッチングを行い、対応付け記憶部523に記憶されている指紋画像に対応付けられている使用者固有情報を表示部13に表示させ、ユーザに確認を求めるようになっている。
指紋認証における認識率は通常100%ではないため、指紋画像のパターンマッチングの結果対応付け記憶部523から読み出される情報が誤っている可能性もある。誤った原爪領域データに基づいてそのまま印刷処理を行うと、自分の爪Tの形状に合わない範囲が印刷領域として設定され、インクが爪Tからはみ出したり、爪Tの端部等に塗り残しが生じたりするおそれがある。
この点、本実施形態によれば、ユーザは、指紋画像のパターンマッチングにより自分の情報が正しく読み出されたか否かを検証することができ、誤った印刷領域が設定されるのを未然に防ぐことができる。
[第3の実施形態]
次に、図21A、図21B、図22及び図23を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ネイル印刷モードにおける印刷処理の内容が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態のネイルプリント装置では、第2の実施形態に示したのと同様に、ユーザの使用者固有情報(「氏名」「年令」「性別」等。なお、その他「職業」等の情報が含まれていてもよい。)を予め入力するようになっており、対応付け記憶部523には、指紋画像等と対応付けられてユーザの使用者固有情報が記憶されている。
本実施形態において、制御部51は、ネイルデザイン記憶部521に多数記憶されているネイルデザインの中から、この使用者固有情報に基づいてユーザに合ったネイルデザインを選出するデザイン選出手段として機能する。
具体的には、例えば、使用者固有情報として「20代」「女性」であることが入力されている場合には、制御部51は、ポップで華やかな柄のネイルデザインを優先的に選出し、使用者固有情報として「50代」「女性」であることが入力されている場合には、比較的シンプルで落ち着いた柄のネイルデザインを優先的に選出する。
なお、どのような使用者固有情報の場合にどのようなタイプのネイルデザインを選出するか、その判断手法は特に限定されず、適宜設定可能である。例えば、ネイルデザインを「華やか」「シンプル」「かわいい」等の各種パターンに分類し、このネイルデザインのパターン(例えば「華やか」「シンプル」等)と使用者固有情報として入力される条件付け(例えば年令や性別)とを予め対応付けて記憶部52等に記憶させておく。そして、制御部51はこの対応付けにしたがってネイルデザインの選出を行うようにする。制御部51が選出するネイルデザインの数は特に限定されず、例えば、全てのネイルデザインについて表示部13に表示させる際の優先順位をつけるものであってもよいし、使用者固有情報に合うネイルデザインを1又は数個選出して表示部13等に表示させ、ユーザに提案するものであってもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
次に、図21A及び図21Bを参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置によるネイル印刷モードによる印刷処理について説明する。
図21A及び図21Bは、本実施形態におけるネイル印刷モードによる印刷処理を示すフローチャートである。
なお、図21A及び図21Bに示すステップS91からステップS105は、図20A及び図20Bに示すステップS73からステップS87と同様であることから、その説明を省略する。
印刷領域が設定されると(ステップS105)、制御部51は、ネイルデザイン記憶部521に記憶されているネイルデザインの中から、使用者固有情報に基づいて、1又は複数のネイルデザインを選出する(ステップS106)。選出されたネイルデザインは、ユーザにネイルデザインの指定を促すメッセージとともに表示部13に表示される(ステップS107)。
図22は、全てのネイルデザインについて、制御部51が使用者固有情報に基づいて表示部13に表示させる際の優先順位をつけ、優先順位の高い順に表示部13に表示させる場合の表示部13のデザイン選択画面例である。
例えば、指紋画像と対応付けられている当該ユーザの使用者固有情報が、「21歳」「女性」であり、「20代」「女性」との条件には「華やか」で「ポップ」なネイルデザインが対応付けられている場合、制御部51は、「華やか」で「ポップ」なパターンに分類されているネイルデザインが上位に表示されるように順位付けし、図22に示すように、当該順位に従ってネイルデザインのサムネイル画像を表示部13に一覧表示させる。
また、図23は、制御部51が使用者固有情報に合うネイルデザインを4つ選出して表示部13に表示させる場合の表示部13のデザイン選択画面例である。
例えば、指紋画像と対応付けられている当該ユーザの使用者固有情報が、「19歳」「女性」であり、「10代」「女性」との条件には「花柄」「ポップ」に分類されているネイルデザインが対応付けられている場合、制御部51は、「花柄」で「ポップ」なパターンであると分類されているネイルデザインを、ネイルデザイン記憶部521に記憶されている複数のネイルデザインの中から選出する。その結果デザイン番号「No.0008」「No.0014」「No.0016」「No.0018」4つのネイルデザインが選出された場合、図23に示すように、表示部13には、この4つのネイルデザインのサムネイル画像を表示部に一覧表示させる。
なお、ネイルデザインの表示のさせ方、デザイン選択画面のレイアウト等はここに例示したものに限定されない。
デザイン選択画面には、ユーザがネイルデザインを選択、指定するための「決定釦」が設けられており、ユーザが、爪Tに印刷したいいずれかのネイルデザインにタッチして「決定釦」を押すことで、当該ネイルデザインを指定する指示信号が出力され、印刷すべきネイルデザインが指定される。なお、ネイルデザインの指定は、操作部12からデザイン番号を入力する等によって行われてもよい。
また、一画面に収まらない数のネイルデザインがネイルデザイン記憶部521に記憶されている場合には、デザイン選択画面には、次の候補を表示させるための「次ページ釦」、前の候補に戻るための「前ページ釦」が設けられ、ユーザがこれらの釦を操作することで、適宜表示画面を切り替えることができるようになっている。
制御部51は、ネイルデザインが指定されたか否か、すなわち「決定釦」が操作されるとうによりいずれかのネイルデザインが指定された旨の指示信号が操作部12等から送られたか否かを判断し(ステップS108)、ネイルデザインが指定されていないと判断するとき(ステップS108;NO)は、ステップS107に戻って処理を繰り返す。
他方、ネイルデザインが指定されたと判断するとき(ステップS108;YES)は、制御部51(記憶制御部512)は、指定されたネイルデザインを指紋画像に対応付けて、対応付け記憶部523に記憶させる(ステップS109)。なお、このとき指紋画像に対応付けて対応付け記憶部523に記憶されるネイルデザインのデータはネイルデザインの画像データ自体であってもよいが、ネイルデザイン記憶部521にアクセスするためのアクセス情報としてのデザイン番号であることが好ましい。アクセス情報のみを対応付け記憶部523に記憶させておくことで、画像データに確実にアクセス可能であるとともに、画像データが重複して記憶されずに済み、記憶部52のメモリ領域を有効に使うことができる。
また、設定された印刷領域に、指定されたネイルデザインを印刷部40により印刷し、一連の処理を終了する(ステップS110)。
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、指紋画像に対応付けられているユーザの使用者固有情報に基づいて、制御部51がユーザに合ったネイルデザインを選出し、ユーザに提案してくれる。ネイルプリント装置のネイルデザイン記憶部521には多数のネイルデザインが記憶されており、ユーザがこの中から自分に合ったネイルデザインを選ぶのには時間がかかる。
この点、本実施形態のように制御部51がユーザの年令等に合ったネイルデザインを選出する場合には、簡易迅速に自分に合ったネイルデザインを選ぶことができ、自分専用機のような使い勝手のよい装置とすることができる。
[第4の実施形態]
次に、図24及び図25を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第4の実施形態について説明する。なお、以下においては、特に第1の実施形態から第3の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態のネイルプリント装置では、第1の実施形態等に示したのと同様に、ユーザの指紋画像とユーザの爪T全体に対応する原爪領域データとを対応付けて記憶させる記憶処理(使用者登録)を行う使用者登録モードと、ネイルデザインを爪Tに印刷するネイル印刷モードとを行うことができるものである。
図24は、本実施形態におけるネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。
図24に示すように、制御部51には、第1の実施形態等に示した機能部の他、更新管理部519が設けられている。
更新管理部519は、原爪領域データが記憶部52の対応付け記憶部523に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断する。
本実施形態では、図示しない計時手段により、原爪領域データが記憶部52に記憶されてからの経過時間が計時されており、更新管理部519は、原爪領域データが記憶部52に記憶されてからの経過時間を取得し、この経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断するようになっている。
そして、ユーザがネイル印刷モードによるネイル印刷を行う際に、更新管理部519によって、当該ユーザに対応する特定の原爪領域データが記憶部52の対応付け記憶部523に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かが判断され、更新時間を超えていると判断された場合には、その旨が表示部13に表示されるようになっている。ここで、表示部13は、特定の原爪領域データが記憶部52に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えている旨をユーザに報知する報知手段として機能する。
すなわち、本実施形態では、更新管理部519により、当該ユーザに対応する特定の原爪領域データが対応付け記憶部523に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間が超えていると判断されると、ユーザに対して、原爪領域データを更新するよう促す報知画面が表示部13に表示されるようになっている。ユーザがこの表示にしたがって新たに爪Tの原爪領域データを取得する(すなわち、原爪領域データの更新処理を行う)ことを選択すると、原爪領域抽出手段である爪領域抽出部514により新たに当該ユーザの爪Tの原爪領域データが抽出される。そして、新たに当該ユーザの爪Tの原爪領域データが抽出されると、記憶制御部512は、すでに記憶されている原爪領域データを破棄して、特定の指紋画像(生体情報)に対応付ける原爪領域データを新たに取得された原爪領域データに更新する。
爪の形状や大きさは、個人差はあるものの多少の経時変化を生じるものであり、使用者登録を行ってからある程度の時間が経過すると、使用者登録時に取得され指紋画像と対応付けられた原爪領域データが実際の爪に合わなくなってくる可能性がある。このため、本実施形態に示すような原爪領域データの更新処理を行うことが好ましい。
なお、更新処理を行うタイミングとしての所定の更新時間をどの程度の時間とするかは適宜設定されるが、例えば6ヶ月程度である。
なお、爪の形状や大きさの経時変化は、一般に年齢の若い人ほど顕著であり、ある程度の年齢以上の大人であれば殆ど変化しなくなる。このため、第2の実施形態、第3の実施形態に述べたように、指紋画像と対応付けてユーザの年齢等の使用者固有情報を対応付け記憶部523に記憶させておく場合には、例えば10歳代であれば所定の更新時間を1ヶ月程度と短く設定し、20歳代であれば6ヶ月程度とし、30歳代であれば1年程度と長く設定するというように、年代別に所定の更新時間の長さを変えておき、使用者固有情報に基づいて、ユーザの年齢に応じた更新時間で原爪領域データの更新処理を行わせるようにしてもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
次に、図25を参照しつつ、本実施形態におけるネイルプリント装置によるネイル印刷モードによる印刷処理について説明する。
図25は、本実施形態におけるネイル印刷モードにおける原爪領域データの更新処理を示すフローチャートである。
本実施形態において、ネイル印刷モードが選択されると、図25に示すように、制御部51は、まず、ステップS121からステップS127の処理を行って、対応付け記憶部523に特定の指紋画像に対応付けて記憶されている特定の原爪領域データを読み出して取得する。なお、ステップS121からステップS127の処理は、第1の実施形態における図15におけるステップS33からステップS39の処理と同様であるため、その説明を省略する。
次いで、更新管理部519が特定の原爪領域データが取得され対応付け記憶部523に記憶されてから所定時間(所定の更新時間)が経過したか否かを判断する(ステップS128)。
所定の更新時間が経過したと判断される場合(ステップS128;YES)には、制御部51は所定の更新時間が経過していることをユーザに報知し原爪領域データを再取得するよう促す画面を表示部13に表示させる(ステップS129)。
更新管理部519は、原爪領域データの更新処理を行うか否か、すなわち、操作部12や表示部13のタッチパネルから更新処理を行う旨の指示が入力されたか否かを判断する(ステップS130)。そして、更新処理を行う旨の指示が入力されたと判断する場合(ステップS130;YES)には、制御部51(撮影制御部511)は、使用者登録(第1の実施形態における図14等に示した初期段階での記憶処理)の場合と同様に、撮影部30を制御して指紋読取部21上を含む指定領域の指画像を取得させる(ステップS131)。さらに制御部51(爪領域抽出部514)は、取得した指画像から爪T全体に対応する原爪領域データを抽出する(ステップS132)。原爪領域データが抽出されると、制御部51(記憶制御部512)は、前回取得した原爪領域データを破棄し、新たに抽出され取得された原爪領域データを当該指紋画像に対応付けて記憶部52(対応付け記憶部523)に記憶させる更新処理を行う(ステップS133)。
そして、その後、ネイル印刷モードによる印刷処理(例えば第1実施形態において図15に示した処理)が行われる(ステップS134)。この場合、印刷処理における印刷領域の設定は、新たに記憶された更新後の原爪領域データに基づいて行われる。
また、印刷時において所定の更新時間が経過していないと判断される場合(ステップS128;NO)や、所定の更新時間は経過しているが、更新処理を行う旨の指示が入力されなかった場合(ステップS130;NO)には、そのままネイル印刷モードにおける印刷処理(例えば第1実施形態において図15に示した処理)が行われる(ステップS134)。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、原爪領域データが対応付け記憶部523に記憶されてから所定の更新時間が経過したか否かが更新管理部519によって判断され、更新時間を経過していると判断されると表示部13にその旨が表示される。
これにより、ユーザは対応付け記憶部523に記憶されている原爪領域データが現在の爪Tの領域(すなわち印刷領域)を適切に設定するためのデータとしては古くなっていることを知ることができる。
そして、対応付け記憶部523に記憶される原爪領域データを更新する更新処理が行われた場合には、現状の爪Tの形状や大きさに合った印刷領域を設定することができる。
なお、本実施形態では、更新管理部519により原爪領域データが対応付け記憶部523に記憶されてから所定の更新時間が経過したと判断されると、その旨がユーザに対して報知され、新たに原爪領域データが取得されると、すでに記憶されている原爪領域データを破棄して、新たに取得された原爪領域データを指紋画像に対応付ける更新処理を行う場合を例としたが、原爪領域データの更新は所定の更新時間の経過に関係なく、ユーザのモード選択により使用者登録モードが選択された場合等、任意のときに行われてもよい。
例えば、すでに使用者登録が行われているユーザについて重ねて使用者登録モードが選択された場合であって、制御部51が当該ユーザの指紋画像がすでに登録済みの指紋画像と合致すると判断した場合には、当該指紋画像に対応するものとしてすでに記憶されている原爪領域データを破棄し、新たに原爪領域データを取得してこれと当該指紋画像とを対応付ける更新処理を行うようにする。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、指FG(印刷指U1)を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行うネイルプリント装置を例としたが、ネイルプリント装置はこれに限定されず、例えば片手の人差し指から小指までの4本の指を同時に挿入して、各指に連続的に印刷を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。
図26(A)は、複数本の指に対して連続的に印刷処理等を行うことのできるネイルプリント装置の印刷指固定部20の要部断面図であり、図26(B)は、このようなネイルプリント装置における掴み部20cを上側から見た平面図である。
図26(A)では、左手の人差し指から小指までの4本の指を印刷指U1として印刷指挿入部20aに挿入し、親指を非印刷指U2として非印刷指挿入部20bに挿入した状態を示している。
このように、複数の指に対して連続的に処理を行う場合には、図26(B)に示すように、生体情報取得部としての指紋読取部21及び突き当て部22を、印刷指挿入部20aに挿入が予想される指の数に応じて複数(図26(B)では4つ)設ける。
なお、複数の指に対応させる構成はここに例示したものに限定されず、例えば、複数の指が配置される部分全体に一つながりの指紋読取部21を広く配置してもよい。
また、上記各実施形態では、生体情報取得部である指紋読取部21(指紋センサ)として、ダブルゲート型の薄膜トランジスタ構造を有するフォトセンサPS(ダブルゲート型フォトセンサ)を適用したセンサ部211を備えるものを例として説明したが、指紋読取部21の構成はこれに限定されない。
例えば、センサ部211は、ダブルゲート型フォトセンサを適用したものに限定されず、ゲートを一つしか持たない一般的なトランジスタ構造を有するフォトセンサで構成されたものであってもよい。
また、指紋読取部21(指紋センサ)は、掴み部20c等の小さなスペースに配置可能な小型の指紋読取部(指紋センサ)であればよく、その構成は特に限定されない。指(被写体)と検出センサ間に生じる電位の差に基づいて静電容量を検出することにより指紋画像(被写体画像)を読み取る半導体式(静電容量読取型)の指紋センサの他、例えば指紋画像をプリズムやミラー等の光学系を介して取り込み、マトリクス状に配列されたフォトセンサ(具体的には、CCDやCMOSセンサ等)により明暗情報を読み取る光学式(光学画像読取型)の指紋センサ等、いかなる構成のものでも適用可能である。
さらに、上記各実施形態では、指FG(印刷指U1)から個人識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部として、指紋画像を取得する指紋読取部21(指紋センサ)を備える場合を例としたが、生体情報取得部は、指FGから個人識別可能な生体情報を取得し得るものであればよく、指紋画像を取得するものに限定されない。例えば、生体情報取得部は、生体情報として指先部分の静脈パターンを読み取る静脈読取部等であってもよい。
また、本実施形態では、ユーザの指紋画像とユーザの爪T全体に対応する原爪領域データとを対応付けて記憶させる記憶処理(使用者登録)を行う使用者登録モードと、ネイルデザインを爪Tに印刷するネイル印刷モードとを行うことができ、ユーザによって使用者登録モードが選択された場合のみ指紋画像と原爪領域データとを対応付けて記憶させる使用者登録を行う例を示したが、このようなモード選択可能な構成は必須ではなく、ユーザの選択により、又は特に選択を行わなくても、ネイル印刷処理の中で、使用者登録も行う構成としてもよい。
この場合には、例えば、初めてネイルプリント装置でネイル印刷を行う場合に、ユーザが印刷指挿入部20aに指を挿入すると、指紋画像が読み取られ、当該指紋画像が対応付け記憶部523に登録されているか否かの判断が行われる。対応付け記憶部523に登録されていない指紋画像であると制御部51が判断すると、当該指について取得された原爪領域データが当該指紋画像と対応付けられて対応付け記憶部523に記憶される。これにより、2回目以降のネイル印刷時には、登録済みの原爪領域データに基づいて迅速に印刷領域の設定を行うことができる。
また、上記実施形態では、印刷領域設定部516は、原爪領域データと部分爪領域データとのパターンマッチングを行うことによって印刷領域を設定する場合を例として説明したが、印刷領域設定部516が印刷領域を設定する手法はこれに限定されない。
例えば、印刷領域設定部516は、爪領域データ読出部515により読み出された特定の原爪領域データ(すなわち、印刷指U1の指紋画像と合致する登録済みの指紋画像に対応付けられた原爪領域データ)に基づいて、印刷指U1の爪Tに対応する印刷領域を設定してもよい。例えば使用者登録とネイル印刷とを連続して行う場合や、指FGが印刷指載置面において十分に固定されており、使用者登録モードにおいて指FGの指紋画像を取得する位置とネイル印刷モードにおいて印刷指U1の指紋画像とを取得する位置とにずれがない場合には、印刷指U1の指紋画像に対応付けられた原爪領域データにより印刷指U1の爪Tの印刷指載置面における位置を特定することができ、原爪領域データのみにより印刷領域を設定することができる。
また、上記各実施形態では、爪Tの形状を表す輪郭の位置座標データである原爪領域データを指紋画像と対応付けて対応付け記憶部523に記憶させておき、ネイル印刷時には、この原爪領域データに基づいて印刷領域を設定する場合を例としたが、指紋画像と対応付けて対応付け記憶部523に記憶させておくデータはこれに限定されない。
例えば、爪Tの高さ方向の寸法を測定して、これを含めて指紋画像と対応付けて記憶させていてもよいし、爪Tの表面のカーブの具合(爪Tの曲率)を求めて、これを含めて指紋画像と対応付けて対応付け記憶部523に記憶させておいてもよい。なお、爪Tの高さ方向の寸法を測定する手法や爪Tの曲率を求める手法は特に限定されず、各種の公知の手法を適用することができる。
このように、爪Tの立体的な形状を表すデータを指紋画像と対応付けて記憶させておき、使用者登録されているユーザがネイル印刷を行う場合に、これらのデータを考慮して印刷領域等の設定を行うこととすれば、よりユーザの爪Tの形状と合致する適切な範囲に高精細な印刷を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、印刷指画像から部分爪領域データを抽出し、この部分爪領域データを原爪領域データに合わせ込むことで、使用者登録モードにおいて取得された原爪領域データとネイル印刷モードにおける印刷指U1の爪Tの位置とのずれを修正する例を示したが、原爪領域データと印刷対象である実際の爪Tの位置とのずれを修正する手法はこれに限定されない。
例えば、指紋画像記憶部522及び対応付け記憶部523に記憶されている指紋画像A,B,C・・・が印刷指載置面上の位置情報を含んでおり、対応付け記憶部523に記憶されている原爪領域データa,b,c・・・印刷指載置面上の位置情報を含んでいて、指紋画像に対応付けて当該指紋画像の印刷指載置面上の位置情報を指紋画像記憶部522及び対応付け記憶部523に記憶し、原爪領域データに対応付けて当該原爪領域データの印刷指載置面上の位置情報を対応付け記憶部523に記憶しておき、ネイル印刷モード時において取得された印刷指U1の指紋画像の印刷指載置面上の位置の、記憶部52に記憶されている、当該指紋画像に対応する特定の指紋画像の印刷指載置面上の位置に対する位置ずれ量を取得する。そして、指の爪Tと指紋との相対的な位置関係は一定であることから、特定の指紋画像に対応する特定の原爪領域データの印刷指載置面上の位置を、取得した位置ずれ量だけずらすずらし処理を行うことで、印刷指U1の爪Tの印刷指載置面における位置を特定することができる。そして、このずらし処理後の原爪領域データに基づいて印刷領域を設定するようにしてもよい。この手法によれば、ネイル印刷時には爪Tの印刷指画像を取得する必要がなく、印刷領域の設定に要する時間を短縮することができる。
また、爪Tを撮影する撮影手段として、爪撮影用カメラを撮影部30の他に設けてもよい。この場合、例えば印刷部40のキャリッジ等、爪Tの近傍位置に爪撮影用カメラを配置して爪Tに近接した位置から指画像(印刷指画像)を撮影するようにしてもよい。この場合、より鮮鋭な爪Tの画像を得ることができ、爪領域データの抽出をより正確に行うことができる。
また、爪Tを横方向から撮影するカメラ等を別途設けて、横方向から撮影された画像から爪Tの高さ方向の寸法や爪Tの傾き、曲がり具合等を検出してもよい。爪Tの高さ方向の寸法や爪Tの傾き、曲がり具合等を検出した場合には、これらのデータも指紋画像と対応付けて対応付け記憶部523に記憶させておき、印刷領域の設定等において、これらのデータも加味することが好ましい。
また、本実施形態では、ネイルデザイン記憶部521、指紋画像記憶部522、対応付け記憶部523等を備えるネイルプリント装置1の記憶部が、制御装置50内の記憶部52(ROM、RAM)である場合を例としたが、記憶部は、制御装置50内の記憶部52に限定されず、他に別途記憶部が設けられていてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
上面に指が載置される指載置面と、
前記指載置面上に載置された前記指から個人識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記指の爪を含む指定領域を撮影して指画像を取得する指画像取得部と、
印刷対象物にインクを塗布して印刷を施す印刷ヘッドを有する印刷部と、
前記生体情報と前記指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部と、
前記記憶部と前記生体情報取得部と前記指画像取得部と前記印刷部とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷を実行するネイル印刷モードを有し、該ネイル印刷モードにおいて、前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指とし、前記生体情報取得部が前記印刷指に対して取得した印刷指生体情報と前記記憶部に記憶されている複数の前記生体情報とを照合し、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断された特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して前記印刷部が印刷を施す印刷領域を設定することを特徴とするネイルプリント装置。
<請求項2>
前記制御部は、前記記憶部に前記生体情報と前記原爪領域データとを記憶させる使用者登録モードを有し、該使用者登録モードにおいて、複数の指の各々に対して前記生体情報取得部が取得した前記生体情報と、該各指に対する前記指画像から抽出した前記爪の形状に対応する原爪領域データと、を互いに対応付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
<請求項3>
前記生体情報取得部は、前記指載置面に設けられた指紋読取部を有し、
前記指紋読取部は、前記指が前記指載置面に載置されたときに前記指紋画像を前記生体情報として取得することを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。
<請求項4>
前記制御部は、
前記指画像から前記原爪領域データを抽出する爪領域抽出部と、前記印刷指生体情報と前記記憶部に記憶されている前記複数の生体情報との照合を行う生体情報照合部と、
前記印刷指の爪に対する前記印刷領域を設定する印刷領域設定部と、
を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のネイルプリント装置。
<請求項5>
前記指画像取得部は、前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指の爪を含む指定領域を撮影して、前記指載置面上の位置情報を含む印刷指画像を取得し、
前記爪領域抽出部は、前記指画像取得部により取得された前記印刷指画像から、前記爪の一部に対応する部分爪領域データを抽出し、
前記印刷領域設定部は、前記爪領域抽出部が抽出した前記部分爪領域データに前記特定の原爪領域データを合わせる合わせ込み処理を行い、該合わせ込み処理後の前記原爪領域データに基づいて前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
<請求項6>
前記制御部は、前記使用者登録モードにおいて、前記記憶部に、前記生体情報に対応付けて、該生体情報に対応する使用者の固有情報を記憶させ、
前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷領域設定部は、前記使用者により、前記生体情報照合部による前記照合の結果が誤っていると判断されたときに、前記使用者により入力される前記固有情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記原爪領域データに基づいて、前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項5に記載のネイルプリント装置。
<請求項7>
前記固有情報は、使用者の氏名、年令、性別の情報を含むことを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置。
<請求項8>
前記使用者登録モードにおいて、前記指画像取得部は、前記指載置面に前記指が載置されたときに、当該指の爪を含む指定領域を撮影して前記指画像を取得し、
前記爪領域抽出部は、前記指画像から前記原爪領域データを抽出するとともに、前記爪の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
前記生体情報取得部は、前記指載置面に前記指が載置されたときに、前記生体情報を取得するとともに、該生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
前記制御部は、前記記憶部に、前記原爪領域データに対応付けて当該原爪領域データの前記位置情報を記憶させ、前記生体情報に対応付けて当該生体情報の前記位置情報を記憶させ、
前記ネイル印刷モードにおいて、前記生体情報取得部は、前記指載置面に前記印刷指が載置されたときに、前記印刷指生体情報を取得するとともに、該印刷指生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
前記印刷領域設定部は、前記印刷指生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置の、前記特定の生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置に対するずれ量を取得し、前記特定の原爪領域データの前記位置情報による前記指載置面上の位置を前記ずれ量分だけずらすずらし処理を行い、該ずらし処理後の原爪領域データに基づいて前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。
<請求項9>
前記制御部は、前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出す爪領域データ読出部と、前記爪領域データ読出部により前記特定の原爪領域データが前記記憶部から読み出されたとき、該原爪領域データの前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断する更新管理部を備え、
前記制御部は、前記ネイル印刷モードにおいて、前記爪領域データ読出部が前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出した際に、前記更新管理部により前記経過時間が前記更新時間を超えていると判断されたとき、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
<請求項10>
指の爪に印刷を施すネイルプリント装置の印刷制御方法において、
前記爪にインクを塗布して印刷を施すネイル印刷モードにおいて、
前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指として、該印刷指から個人識別可能な生体情報を印刷指生体情報として取得し、
取得した前記印刷指生体情報と、前記生体情報と前記指の爪を含む指定領域を撮影して取得された指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部に記憶されている複数の前記生体情報と、を照合して、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断した特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して印刷を施す印刷領域を設定することを特徴とする印刷制御方法。
<請求項11>
前記記憶部に前記前記生体情報と前記原爪領域データとを登録する使用者登録モードにおいて、複数の指の各々に対して取得した前記生体情報と、前記各指に対して取得された前記指画像抽出されたから前記原爪領域データと、を互いに対応付けて記憶部に記憶させることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御方法。
<請求項12>
前記生体情報として前記指の指紋画像を取得することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御方法。
<請求項13>
前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指が指載置面上に載置されたときに、当該印刷指の爪を含む指定領域を撮影して、前記指載置面上の位置情報を含む印刷指画像を取得し、前記印刷指画像から、前記爪の一部に対応する部分爪領域データを抽出し、前記部分爪領域データに前記特定の原爪領域データを合わせる合わせ込み処理を行い、該合わせ込み処理後の前記原爪領域データに基づいて前記印刷指に対する前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の印刷制御方法。
<請求項14>
前記使用者登録モードにおいて、前記生体情報に対応付けて、該生体情報に対応する使用者の固有情報を前記記憶部に記憶させ、
前記ネイル印刷モードにおいて、前記使用者により、前記生体情報照合部による前記照合の結果が誤っていると判断されたときに、前記使用者により入力される前記固有情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記原爪領域データに基づいて、前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項13に記載の印刷制御方法。
<請求項15>
前記使用者登録モードにおいて、前記指が指載置面上に載置されたときに、当該指の爪を含む指定領域を撮影して前記指画像を取得し、前記指画像から前記原爪領域データを取得するとともに、前記爪の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、前記生体情報を取得するとともに、該生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、前記記憶部に、前記原爪領域データに対応付けて当該原爪領域データの前記位置情報を記憶させ、前記生体情報に対応付けて当該生体情報の前記位置情報を記憶させ、
前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指が前記指載置面上に載置されたときに、前記印刷指生体情報を取得するとともに、該印刷指生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、該位置情報による前記印刷指生体情報の前記指載置面上の位置の、前記特定の生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置に対するずれ量を取得し、前記特定の原爪領域データの前記位置情報による前記指載置面上の位置を前記ずれ量分だけずらすずらし処理を行い、該ずらし処理後の原爪領域データに基づいて前記印刷指に対する前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項12に記載の印刷制御方法。
<請求項16>
前記ネイル印刷モードにおいて、前記照合の結果に基づいて、前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出した際に、該特定の原爪領域データが前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断し、該経過時間が前記更新時間を超えていると判断したとき、その旨を報知することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
20a 印刷指挿入部
21 指紋読取部
30 撮影部
40 印刷部
50 制御装置
211 センサ部
511 撮影制御部
512 記憶制御部
513 指紋照合部
514 爪領域抽出部
515 爪領域データ読出部
516 印刷領域設定部
517 表示制御部
518 印刷制御部
519 更新管理部
521 ネイルデザイン記憶部
522 指紋画像記憶部
523 対応付け記憶部
T 爪
U1 印刷指
U2 非印刷指

Claims (14)

  1. 上面に指が載置される指載置面と、
    前記指載置面上の予め設定された読取位置に載置された前記指から個人識別可能な生体情報を取得する生体情報取得部と、
    前記指の爪を含む指定領域を撮影して指画像を取得する指画像取得部と、
    印刷対象物にインクを塗布して印刷を施す印刷ヘッドを有する印刷部と、
    前記生体情報と前記指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部と、
    前記記憶部と前記生体情報取得部と前記指画像取得部と前記印刷部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記印刷を実行するネイル印刷モードを有し、該ネイル印刷モードにおいて、前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指とし、前記生体情報取得部が前記指載置面上の前記読取位置に載置されている前記印刷指に対して取得した印刷指生体情報と前記記憶部に記憶されている複数の前記生体情報とを照合し、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断された特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して前記印刷部が印刷を施す印刷領域を設定し、前記指載置面上の前記読取位置に載置されて、前記生体情報取得部により前記生体情報が取得された後の前記印刷指の前記爪の前記印刷領域に、前記印刷部の前記印刷ヘッドにより前記印刷が施されるように制御することを特徴とするネイルプリント装置。
  2. 前記制御部は、前記記憶部に前記生体情報と前記原爪領域データとを記憶させる使用者登録モードを有し、該使用者登録モードにおいて、複数の指の各々に対して前記生体情報取得部が取得した前記生体情報と、該各指に対する前記指画像から抽出した前記爪の形状に対応する原爪領域データと、を互いに対応付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。
  3. 前記制御部は、
    前記指画像から前記原爪領域データを抽出する爪領域抽出部と、前記印刷指生体情報と前記記憶部に記憶されている前記複数の生体情報との照合を行う生体情報照合部と、
    前記印刷指の爪に対する前記印刷領域を設定する印刷領域設定部と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。
  4. 前記指画像取得部は、前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指の爪を含む指定領域を撮影して、前記指載置面上の位置情報を含む印刷指画像を取得し、
    前記爪領域抽出部は、前記指画像取得部により取得された前記印刷指画像から、前記爪の一部に対応する部分爪領域データを抽出し、
    前記印刷領域設定部は、前記爪領域抽出部が抽出した前記部分爪領域データに前記特定の原爪領域データを合わせる合わせ込み処理を行い、該合わせ込み処理後の前記原爪領域データに基づいて前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項に記載のネイルプリント装置。
  5. 前記制御部は、前記使用者登録モードにおいて、前記記憶部に、前記生体情報に対応付けて、該生体情報に対応する使用者の固有情報を記憶させ、
    前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷領域設定部は、前記使用者により、前記生体情報照合部による前記照合の結果が誤っていると判断されたときに、前記使用者により入力される前記固有情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記原爪領域データに基づいて、前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項に記載のネイルプリント装置。
  6. 前記固有情報は、使用者の氏名、年令、性別の情報を含むことを特徴とする請求項に記載のネイルプリント装置。
  7. 前記使用者登録モードにおいて、前記指画像取得部は、前記指載置面に前記指が載置されたときに、当該指の爪を含む指定領域を撮影して前記指画像を取得し、
    前記爪領域抽出部は、前記指画像から前記原爪領域データを抽出するとともに、前記爪の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
    前記生体情報取得部は、前記指載置面に前記指が載置されたときに、前記生体情報を取得するとともに、該生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
    前記制御部は、前記記憶部に、前記原爪領域データに対応付けて当該原爪領域データの前記位置情報を記憶させ、前記生体情報に対応付けて当該生体情報の前記位置情報を記憶させ、
    前記ネイル印刷モードにおいて、前記生体情報取得部は、前記指載置面に前記印刷指が載置されたときに、前記印刷指生体情報を取得するとともに、該印刷指生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、
    前記印刷領域設定部は、前記印刷指生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置の、前記特定の生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置に対するずれ量を取得し、前記特定の原爪領域データの前記位置情報による前記指載置面上の位置を前記ずれ量分だけずらすずらし処理を行い、該ずらし処理後の原爪領域データに基づいて前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項に記載のネイルプリント装置。
  8. 前記制御部は、前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出す爪領域データ読出部と、前記爪領域データ読出部により前記特定の原爪領域データが前記記憶部から読み出されたとき、該原爪領域データの前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断する更新管理部を備え、
    前記制御部は、前記ネイル印刷モードにおいて、前記爪領域データ読出部が前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出した際に、前記更新管理部により前記経過時間が前記更新時間を超えていると判断されたとき、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のネイルプリント装置。
  9. 指の爪に印刷を施すネイルプリント装置の印刷制御方法において、
    前記爪にインクを塗布して印刷を施すネイル印刷モードにおいて、
    前記印刷を施す爪に対応する指を印刷指として、前記印刷指が指載置面上の予め設定された読取位置に載置されている状態で、該印刷指から個人識別可能な生体情報を印刷指生体情報として取得し、
    取得した前記印刷指生体情報と、前記生体情報と前記印刷指の爪を含む指定領域を撮影して取得された指画像から抽出された前記爪の形状に対応する原爪領域データとを互いに対応付けて複数記憶している記憶部に記憶されている複数の前記生体情報と、を照合して、該照合により前記印刷指生体情報に合致すると判断した特定の生体情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている特定の原爪領域データに基づいて、前記印刷指の前記爪に対して印刷を施す印刷領域を設定し、前記指載置面上の前記読取位置に載置され、前記生体情報が取得された後の前記印刷指の前記爪の前記印刷領域に前記印刷を施すことを特徴とする印刷制御方法。
  10. 前記記憶部に前記前記生体情報と前記原爪領域データとを登録する使用者登録モードにおいて、複数の指の各々に対して取得した前記生体情報と、前記各指に対して取得された前記指画像抽出されたから前記原爪領域データと、を互いに対応付けて記憶部に記憶させることを特徴とする請求項に記載の印刷制御方法。
  11. 前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指が前記指載置面上に載置されたときに、当該印刷指の爪を含む指定領域を撮影して、前記指載置面上の位置情報を含む印刷指画像を取得し、前記印刷指画像から、前記爪の一部に対応する部分爪領域データを抽出し、前記部分爪領域データに前記特定の原爪領域データを合わせる合わせ込み処理を行い、該合わせ込み処理後の前記原爪領域データに基づいて前記印刷指に対する前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項10に記載の印刷制御方法。
  12. 前記使用者登録モードにおいて、前記生体情報に対応付けて、該生体情報に対応する使用者の固有情報を前記記憶部に記憶させ、
    前記ネイル印刷モードにおいて、前記使用者により、前記生体情報照合部による前記照合の結果が誤っていると判断されたときに、前記使用者により入力される前記固有情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記原爪領域データに基づいて、前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御方法。
  13. 前記使用者登録モードにおいて、前記指が前記指載置面上に載置されたときに、当該指の爪を含む指定領域を撮影して前記指画像を取得し、前記指画像から前記原爪領域データを取得するとともに、前記爪の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、前記生体情報を取得するとともに、該生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、前記記憶部に、前記原爪領域データに対応付けて当該原爪領域データの前記位置情報を記憶させ、前記生体情報に対応付けて当該生体情報の前記位置情報を記憶させ、
    前記ネイル印刷モードにおいて、前記印刷指が前記指載置面上に載置されたときに、前記印刷指生体情報を取得するとともに、該印刷指生体情報の前記指載置面上の位置を示す位置情報を取得し、該位置情報による前記印刷指生体情報の前記指載置面上の位置の、前記特定の生体情報の前記位置情報による前記指載置面上の位置に対するずれ量を取得し、前記特定の原爪領域データの前記位置情報による前記指載置面上の位置を前記ずれ量分だけずらすずらし処理を行い、該ずらし処理後の原爪領域データに基づいて前記印刷指に対する前記印刷領域を設定することを特徴とする請求項11に記載の印刷制御方法。
  14. 前記ネイル印刷モードにおいて、前記照合の結果に基づいて、前記特定の原爪領域データを前記記憶部から読み出した際に、該特定の原爪領域データが前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定の更新時間を超えているか否かを判断し、該経過時間が前記更新時間を超えていると判断したとき、その旨を報知することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の印刷制御方法。
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