JP5928981B2 - 金属材料と樹脂材料との接合体、その製造に用いる樹脂材料接合用金属材料の製造方法及びその接合体の製造方法 - Google Patents
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Description
前記樹脂材料が、チオール、アミド、イミド、エステル及びエーテルから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂材料を含有しており、
前記金属材料の表面上の前記樹脂材料との接合界面の領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されており、
前記接合界面領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が、前記接合界面領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とするものである。
カチオン性ポリマーを含有するポリマー溶液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にカチオン性ポリマー層を形成する工程と、
アニオン性金属ナノ粒子を含有する分散液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にアニオン性金属ナノ粒子層を形成する工程と、
前記カチオン性ポリマー層及び前記アニオン性金属ナノ粒子層が形成された金属材料を、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気下において200〜1000℃の温度条件で加熱して、樹脂材料接合用金属材料を得る工程と、
を含み、且つ、前記樹脂材料接合用金属材料が、該樹脂材料接合用金属材料に樹脂材料を接合する際に前記樹脂材料が接合されるべき領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されたものであり、
前記樹脂材料が接合されるべき領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が前記樹脂材料が接合されるべき領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とする方法である。
前記樹脂材料が、チオール、アミド、イミド、エステル及びエーテルから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂材料を含有しており、
前記金属材料の表面上の前記樹脂材料との接合界面の領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されており、
前記接合界面領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が、前記接合界面領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とするものである。
カチオン性ポリマーを含有するポリマー溶液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にカチオン性ポリマー層を形成する工程(工程(A))と、
アニオン性金属ナノ粒子を含有する分散液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にアニオン性金属ナノ粒子層を形成する工程(工程(B))と、
前記カチオン性ポリマー層及び前記アニオン性金属ナノ粒子層が形成された金属材料を、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気下において200〜1000℃の温度条件で加熱して、樹脂材料接合用金属材料を得る工程(工程(C))と、
を含み、且つ、前記樹脂材料接合用金属材料が、該樹脂材料接合用金属材料に樹脂材料を接合する際に前記樹脂材料が接合されるべき領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されたものであり、
前記樹脂材料が接合されるべき領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が前記樹脂材料が接合されるべき領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とする方法である。
表1に示す金属を用いて、縦10mm、横50mm、厚み1mmの板状体を形成し、その板状体に対して電解研磨処理を施すことにより、金属材料をそれぞれ調製した。なお、電解研磨処理に用いる電解研磨液としては表1に示す混合液を利用した。なお、表1に示す電解研磨液の試薬は全て和光純薬工業社製のものを用いた。また、電解研磨条件は、表1に示す条件を採用するとともに、陰極をSUS304電極とし且つ液温度を25℃とした。
表2に示す樹脂を射出成形することにより、縦10mm、横80mm、厚み4mmの大きさの板状の成形品を調製し、得られた成形品をそれぞれ樹脂材料として利用した。
Ag粒子を含有する分散液を以下のようにして調製した。すなわち、先ず、蒸留水500mL中に硝酸銀(AgNO3:和光純薬製)90mgを溶解してAgイオン溶液を調整した。また、これとは別に、蒸留水100mL中にクエン酸三ナトリウム二水和物(C6H5Na3O7・2H2O:和光純薬製)1.14gを溶解してクエン酸溶液を調整した。次に、フラスコ中に前記Agイオン溶液500mLを投入して、内部にN2ガスを1L/minの流量で導入しながら撹拌して100℃まで昇温した。その後、前記Agイオン溶液を100℃に維持しながら、フラスコ中に前記クエン酸溶液10mLを更に投入して、前記Agイオン溶液と前記クエン酸溶液とを混合した。このようにして前記Agイオン溶液と前記クエン酸溶液とを混合した後、混合液の温度を100℃に維持して3分間経過させたところ、前記混合液の色が黄色になったため、フラスコを氷水で冷却して反応を終了させた。このようにしてAg粒子を含有する分散液(Ag粒子含有分散液)を得た。
〈カチオン性ポリマー層形成工程〉
先ず、蒸留水100mL中にポリエチレンイミン(PEI:シグマーアルドリッチ社製、平均分子量423)0.25gを溶解して、PEIを0.25質量%の濃度で含有するPEI溶液を調製した。次に、PEI溶液50mLをフラットシャーレ(内径:8.5cm、高さ2.0cm)中に導入した。次いで、調製例1で得られたCuからなる金属材料を前記フラットシャーレ中に20分間浸漬した。なお、このような金属材料のPEI溶液中への浸漬に際しては、図1に示すような接合体を形成する際に、図3に示す接合体中の金属材料11の接続界面領域AをXが10mmであり且つYが10mmである領域とするために、金属材料の表面上の接続界面領域Aとなるべき部位に、より確実にカチオン性ポリマー層が形成されるように、該領域Aとなるべき部位を含む少し広めの領域(金属材料11の端部からX方向に向かって10mm以上の長さを有する領域)に対して常にPEI溶液が接触するようにして、金属材料をPEI溶液中に浸漬した。次いで、前記金属材料をフラットシャーレから取り出し、蒸留水により洗浄した。このようにして金属材料の表面上にPEIからなる層(カチオン性ポリマー層)を形成した。
調製例9で得られたAg粒子含有分散液を用い、前記Ag粒子含有分散液50mLをフラットシャーレ(内径:8.5cm、高さ2.0cm)中に導入した。次に、前記PEIからなる層(カチオン性ポリマー層)を形成した金属材料を、該カチオンポリマー層の形成されている領域にAg粒子含有分散液が接触するようにして前記Ag粒子含有分散液の導入されたフラットシャーレ中に20分間浸漬した。すなわち、このような金属材料のAg粒子含有分散液中への浸漬に際しては、図1に示すような接合体を形成する際に、図3に示す接合体中の金属材料11の接続界面領域AをXが10mmであり且つYが10mmである領域とするために、金属材料の表面上の接続界面領域Aとなるべき部位に、より確実に金属ナノ粒子層が形成されるように、該領域Aとなるべき部位を含む少し広めの領域(金属材料11の端部からX方向に向かって10mm以上の長さを有する領域)に対して常にAg粒子含有分散液が接触するようにして、金属材料をAg粒子含有分散液中に浸漬した。次いで、前記金属材料をフラットシャーレから取り出し、蒸留水により洗浄した。このようにして金属材料の表面にAg粒子からなる層(金属ナノ粒子層)を形成した。なお、かかる金属ナノ粒子層はカチオン性ポリマー層上に形成された。
前記樹脂材料積層用金属材料の前駆体に対して、水素ガス雰囲気(H2:100容量%)中、250℃の温度条件で1時間加熱して、樹脂材料積層用金属材料を得た。
<走査型電子顕微鏡(SEM)による測定条件>
測定装置:日立製作所製の商品名「S−3600N」
加速電圧:15kV
ワーキングディスタンス:15mm
観察倍率:5000倍。
<走査型プローブ顕微鏡(SPM)による測定条件>
測定装置:日本ビーコ社製の商品名「NanoScopeV D3100」
カンチレバー:Si製のチップ(日本ビーコ社製の商品名「TESP−SS」)
カンチレバーのレバー幅:35μm
カンチレバーの先端の直径:2nm
測定モードの設定:タッピングモード
共振周波数:320kHz。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料を用い、前述の加熱工程により得られた樹脂材料積層用金属材料の前記凹凸形状の形成されている表面上に、前記樹脂材料を配置し、これらを300℃の温度条件下においてプレス圧0.4MPaで3分間プレスして、金属材料の表面上に樹脂材料を接合して、金属材料と樹脂材料との接合体を得た。なお、前記樹脂材料を配置した領域(接触している領域)は前記凹凸形状の形成されている領域(金属粒子を付着させた領域)とした。また、このような接合工程においては、得られる接合体が図1に示すような形状となるようにし、図3に示す接合界面領域Aが、Xが10mmであり且つYが10mmである正方形状の領域(面積:100mm2)となるようにした。
カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を繰り返し実施する回数を3回から6回に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は100nmであり、二次粒子の平均粒子径は500nmであり、測定領域の全面積に対する凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は63.37%であり、凹凸形状の平均高さは325nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は300nmであった。得られた結果を表3に示す。また、実施例2で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図14に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図15に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例5で得られたPBTからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例2と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例2で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例6で得られたPA6からなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例2と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例2で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例1で得られたCuからなる金属材料の代わりに、調製例2で得られたAlからなる金属材料を用い、カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を繰り返し実施する回数を3回から6回に変更し、加熱工程における温度条件を250℃から400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は200nmであり、二次粒子の平均粒子径は500nmであり、測定領域の全面積に対する凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は53.39%であり、凹凸形状の平均高さは275nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は750nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、実施例5で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図16に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図17に示す。
加熱工程における温度条件を400℃から500℃に変更した以外は、実施例5と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は150nmであり、二次粒子の平均粒子径は450nmであり、測定領域の全面積に対する前記凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は46.63%であり、凹凸形状の平均高さは200nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は1500nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、実施例6で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図18に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図19に示す。
カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を繰り返し実施する回数を6回から12回に変更した以外は、実施例5と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は300nmであり、二次粒子の平均粒子径は1000nmであり、測定領域の全面積に対する凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は71.9%であり、凹凸形状の平均高さは350nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は1500nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、実施例7で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図20に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図21に示す。
加熱工程における温度条件を400℃から500℃に変更した以外は、実施例7と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は300nmであり、二次粒子の平均粒子径は800nmであり、測定領域の全面積に対する凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は74.63%であり、凹凸形状の平均高さは375nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は2000nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、実施例8で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図22に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図23に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例5で得られたPBTからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例5と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例5で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例5で得られたPBTからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例6と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例6で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例6で得られたPA6からなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例5と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例5で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例6で得られたPA6からなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から240℃に変更した以外は、実施例6と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例6で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例1で得られたCuからなる金属材料の代わりに調製例3で得られたFeからなる金属材料を用い、カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を繰り返し実施する回数を3回から6回に変更し、加熱工程における温度条件を250℃から700℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は100nmであり、二次粒子の平均粒子径は300nmであり、測定領域の全面積に対する前記凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は41.3%であり、凹凸形状の平均高さは100nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は900nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、実施例13で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図24に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図25に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例7で得られたm−PPEからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から295℃に変更した以外は、実施例2と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例2で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例7で得られたm−PPEからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から295℃に変更した以外は、実施例5と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本実施例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例5で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
調製例4で得られたPPSからなる樹脂材料の代わりに調製例8で得られたPPからなる樹脂材料を用い、接合時の温度条件を300℃から200℃に変更した以外は、実施例2と同様にして金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、本例において用いた樹脂材料積層用金属材料は実施例2で得られた樹脂材料積層用金属材料と同様のものであった。樹脂材料積層用金属材料の特性を表3に示す。
樹脂材料積層用金属材料を製造する代わりに調製例2で得られたAlからなる金属材料をそのまま(カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を実施せずに)用い以外は、実施例1と同様にして、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、このようなAlからなる金属材料の表面の粗さを、ミツトヨ社製の表面粗さ計「SJ−301」により評価長さ4mmで測定したところ、任意の10点の測定点の平均粗さが、3.2μmであった。
カチオン性ポリマー層形成工程及びAg粒子層形成工程を繰り返し実施する回数を6回から3回に変更し、加熱工程における温度条件を400℃から250℃に変更した以外は、実施例5と同様にして、樹脂材料積層用金属材料を製造した後に、金属材料と樹脂材料との接合体を製造した。なお、得られた樹脂材料積層用金属材料の特性を実施例1と同様にして評価したところ、金属粒子の一次粒子の平均粒子径は100nmであり、二次粒子の平均粒子径は300nmであり、測定領域の全面積に対する前記凹凸形状が形成されている領域の総面積の存在割合(面積比)は34.83%であり、凹凸形状の平均高さは75nmであり、凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離は500nmであった。なお、得られた結果を表3に示す。また、比較例3で得られた樹脂材料積層用金属材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図26に示し、走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図27に示す。
実施例1〜15及び比較例1〜3で得られた樹脂材料積層用金属材料(接合体を製造する際の材料)の特性を表3に示す。
各実施例及び各比較例で採用している方法と同様の方法で、各実施例及び各比較例ごとに接合体をそれぞれ3個準備した。すなわち、実施例1〜15及び比較例1〜3で得られた接合体をそれぞれ3個づつ準備した。このようにして3個づつ準備した各実施例及び各比較例で得られた接合体をそれぞれ用いて、以下のようにして接合強度を評価した。すなわち、各接合体の両端(金属材料の端部(樹脂材料と接触していない端部)と樹脂材料の端部(金属材料と接触していない端部):図1に示す接合体における左側の端部と右側の端部)を、引張試験装置(インストロンジャパン社製の商品名「インストロン型万能試験機」)を用いて、引っ張り速度10mm/minで引っ張って、金属材料と樹脂材料との接合部が剥がれた際のせん断強度(単位:MPa)を測定した。そして、各実施例及び各比較例ごとに、3個の接合体の前記せん断強度の平均値を求め、かかるせん断強度の平均値を接合強度の指標とした。得られた結果を表4に示す。
Claims (11)
- 金属材料と樹脂材料とを接合させた接合体であって、
前記樹脂材料が、チオール、アミド、イミド、エステル及びエーテルから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂材料を含有しており、
前記金属材料の表面上の前記樹脂材料との接合界面の領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されており、
前記接合界面領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が、前記接合界面領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とする金属材料と樹脂材料との接合体。 - 前記金属材料がCu、Al、Fe、Ti、Mg、Zn、Ni、Sn、Cr、Co、Ag、Au及びそれらの合金からなる群から選択される1種を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の金属材料と樹脂材料との接合体。
- 前記金属粒子の二次粒子の平均粒子径が1〜1000nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属材料と樹脂材料との接合体。
- 前記熱可塑性樹脂材料がポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の金属材料と樹脂材料との接合体。
- 金属材料と樹脂材料とを接合させた接合体を製造する際に用いる樹脂材料接合用金属材料の製造方法であって、
カチオン性ポリマーを含有するポリマー溶液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にカチオン性ポリマー層を形成する工程と、
アニオン性金属ナノ粒子を含有する分散液を用いて、前記金属材料の表面上の樹脂材料が接合されるべき領域にアニオン性金属ナノ粒子層を形成する工程と、
前記カチオン性ポリマー層及び前記アニオン性金属ナノ粒子層が形成された金属材料を、不活性ガス又は還元性ガス雰囲気下において200〜1000℃の温度条件で加熱して、樹脂材料接合用金属材料を得る工程と、
を含み、且つ、前記樹脂材料接合用金属材料が、該樹脂材料接合用金属材料に樹脂材料を接合する際に前記樹脂材料が接合されるべき領域に金属粒子からなる凹凸形状が形成されたものであり、
前記樹脂材料が接合されるべき領域中の前記凹凸形状が形成されている領域の総面積が前記樹脂材料が接合されるべき領域の面積の大きさに対して40%以上の大きさを有しており、
前記金属粒子がAu、Ag、Cu、Pt、Ru、Pd、Ir、Os及びRhからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する粒子であり、
前記凹凸形状の平均高さが80〜600nmであり、且つ、
前記凹凸形状の凸部の頂点間の平均距離が100〜3000nmであること、
を特徴とする樹脂材料接合用金属材料の製造方法。 - 前記金属材料がCu、Al、Fe、Ti、Mg、Zn、Ni、Sn、Cr、Co、Ag、Au及びそれらの合金からなる群から選択される1種を含有してなることを特徴とする請求項5に記載の樹脂材料接合用金属材料の製造方法。
- 前記アニオン性金属ナノ粒子が、アニオン性官能基及び金属と結合する官能基の2種の官能基を有する表面被覆用化合物が前記金属粒子の一次粒子の表面に結合したものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の樹脂材料接合用金属材料の製造方法。
- 前記表面被覆用化合物がヒドロキシカルボン酸、チオカルボン酸、アミノアルコール及びチオアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂材料接合用金属材料の製造方法。
- 前記アニオン性金属ナノ粒子の平均一次粒子径が1〜100nmであることを特徴とする請求項5〜8のうちのいずれか一項に記載の樹脂材料接合用金属材料の製造方法。
- 請求項5〜9のうちのいずれか一項に記載の樹脂材料接合用金属材料の製造方法により得られた樹脂材料接合用金属材料を用い、該樹脂材料接合用金属材料の表面上の前記樹脂材料が接合されるべき領域に、チオール、アミド、イミド、エステル及びエーテルから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する熱可塑性樹脂材料を含有する樹脂材料を、該熱可塑性樹脂材料の融点以上であり且つ前記融点よりも35℃高い温度以下であるという条件を満たす温度において接触させることにより、金属材料と樹脂材料とを接合させて金属材料と樹脂材料との接合体を得ることを特徴とする金属材料と樹脂材料との接合体の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂材料がポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエステル及びポリエーテルからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項10に記載の金属材料と樹脂材料との接合体の製造方法。
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