[第1実施形態]
本発明の「遊技機」に相当するパチンコ遊技機10の一実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技板11には、表示窓11Aが貫通形成されていて、その表示窓11Aの後方に、本発明の「表示手段」に相当するディスプレイ13が備えられている。
遊技板11のうち表示窓11Aの周囲には、第1及び第2の始動入賞口14,15、大入賞口22等が備えられている。そして、操作ノブ28の操作により遊技板11の前面に打ち込まれた遊技球が第1又は第2の始動入賞口14,15に入賞すると特別図柄当否判定が行われ、その判定結果が当りであると大入賞口22の可動扉22Tが開く大当り遊技が実行される一方、外れであると大入賞口22の可動扉22Tが閉じたままとなる。
ディスプレイ13には、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。そして、第1又は第2の始動入賞口14,15に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが変動表示(上下方向にスクロール表示)後、例えば、左、右、中の順に停止表示されて、例えば、ゾロ目となったか否かにより前記した特別図柄当否判定の判定結果が報知される。なお、特別図柄13A,13B,13Cが変動してから停止する迄の課程で、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄13B)を除いて他の特別図柄(例えば左右の特別図柄13A,13C)が同一となる状態を「リーチ」という。
ディスプレイ13には、上記した特別図柄13A,13B,13C以外にも遊技を演出するための種々の画像が表示される。そして、それら画像の一部がディスプレイ13から飛び出した状態やディスプレイ13の表面より奥側に位置した状態に見える3D映像として提供される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10のディスプレイ13には、2D映像と3D映像とが切り替えて表示されるようになっている。そのために、ディスプレイ13には、図2(A)に示すように、通常の2D専用ディスプレイが有するバックライト13H及び映像表示液晶層13Gに加えて、映像表示液晶層13Gの前方にバリア表示液晶層13Fが備えられている。また、ディスプレイ13の入力部には、バックライト13Hをオンオフ又は調整するためのバックライト制御信号及び映像表示液晶層13Gに映像を表示するための映像データが外部から入力されると共に、バリア表示液晶層13Fをオンオフ制御するためのバリア切替信号が外部から入力されるようになっている。
ディスプレイ13に「視差バリア・オン」のバリア切替信号が入力されると、バリア表示液晶層13Fに、上下方向に延びた透過性を有しない複数のバリア帯13Rが横方向に等間隔に並べて表示され、それらバリア帯13R,13R同士の間が透明なスリット13Sになる。即ち、本実施形態の視差バリア13Jは、非透過性のバリア帯13Rと透過性のスリット13Sとを横方向に交互に並べてなる。そして、視差バリア13Jが表示されると(以下、これを「視差バリア13Jがオンする」等という)、遊技者は、映像表示液晶層13Gに表示される映像をスリット13Sを通して見ることになり、図3に示すように、映像表示液晶層13Gが、右目のみに視認される右目用帯領域群Rと、左目のみに視認される左目用帯領域群Lとに区画される。つまり、視差バリア13Jにより映像表示液晶層13Gが右目用帯領域群Rと左目用帯領域群Lとに区画される。
一方、ディスプレイ13に「視差バリア・オフ」のバリア切替信号が入力されると、バリア帯13Rが非表示になり(以下、これを「視差バリア13Jがオフする」等という)、バリア表示液晶層13Fの全体が透明になる。これにより、上述のように映像表示液晶層13Gが右目用帯領域群Rと左目用帯領域群Lとに区画されることなく視認される。
以下のように3D用に処理された分割混合映像が映像表示液晶層13Gに表示され、かつ、視差バリア13Jがオンしていると、映像の一部を、ディスプレイ13から前方に飛び出るか、或いは、後方に引っ込んだ3D映像として見せることができる。その分割混合映像は、例えば、同一の映像である第1映像と第2映像とをそれぞれ縦割りに分割して、第1映像を右目用帯領域群Rに割り当てる一方、第2映像を左目用帯領域群Lに割り当てたもので、視差バリア13Jを通して映像表示液晶層13Gに表示されている分割混合映像を視認すると、右目のみで右目用帯領域群Rを捕らえた右目捕獲映像と、左目のみで左目用帯領域群Lを捕らえた左目捕獲映像とが同じになる。そして、右目捕獲映像と左目捕獲映像とが左右方向でずれるように第1映像及び第2映像を右目用帯領域群R及び左目用帯領域群Lに割り当てることで、以下の具体例のような3D映像を提供することができる。
即ち、図4(A)に示すように、右目捕獲映像に含まれる右目視認対象Rzと、左目捕獲映像に含まれる左目視認対象Lzとが同一形状で、右目視認対象Rzが左側、左目視認対象Lzが右側にずれた配置になっていると、右目視認対象Rzと右目とを結ぶ線L1と左目視認対象Lzと左目とを結ぶ線L2とが交差するディスプレイ13(正確には映像表示液晶層13G)の前方位置に視認対象Hcが映し出された3D映像が視認される。
一方、図5(A)に示すように、右目視認対象Rzが右側、左目視認対象Lzが左側にずれた配置になっていると、右目視認対象Rzと右目とを結ぶ線L1と左目視認対象Lzと左目とを結ぶ線L2とが交差するディスプレイ13の後方位置に視認対象Hcが映し出された3D映像が視認される。
また、図4(A)と図4(B)との比較や、図5(A)と図5(B)との比較から理解できるように、右目視認対象Rzと左目視認対象Lzとのずれ(視差)が大きいほど、ディスプレイ13から前方への視認対象Hcの飛出量や、ディスプレイ13の奥側への視認対象Hcの引っ込み量が大きくなる。
以下、視認対象Hcのディスプレイ13からの飛出量と奥行量とを併せて「深度」といい、その深度を「飛出1、奥行1」等と表す。この深度の数値が大きいほど、より飛び出して又はより奥にあるように見える。なお、右目視認対象Rzと左目視認対象Lzとのずれ(視差)がない場合には、視認対象Hcは、ディスプレイ13上(正確には映像表示液晶層13G上)に映し出された深度0の3D映像、つまり、2D映像のように視認される。
また、上記した分割混合映像ではない通常の映像(以下、適宜、「非分割の通常映像」という)が映像表示液晶層13Gに表示され、かつ、視差バリア13Jがオフしていると、透明な視差バリア13Jを通して映像表示液晶層13Gに表示の映像が2D映像として視認される。以上のようにして、ディスプレイ13から2D映像と3D映像とが表示され、それら映像の制御を含むパチンコ遊技機10の制御が、図6に示された遊技制御回路51,映像制御回路54、3D変換IC55等によって行われる。
遊技制御回路51は、メイン制御回路50とサブ制御回路52とからなる。メイン制御回路50は乱数を生成し、その乱数に基づいて前記した特別図柄当否判定を行い、その判定結果をサブ制御回路52に付与する。サブ制御回路52は、その判定結果の報知及びその報知の演出を含む種々の演出を行うためにスピーカ、ランプ及びディスプレイ13を制御する。
図7には、パチンコ遊技機10の電気的構成のうちディスプレイ13の制御に係る部分が示されている。同図に示すように、ディスプレイ13の入力部には、前述の如く、映像データ、バックライト制御信号及びバリア切替信号が入力されるようになっている。それらのうちバックライト制御信号及びバリア切替信号はサブ制御回路52から出力されたものであり、映像データは3D変換IC55から出力されたものである。また、3D変換IC55の入力部には、映像ソースデータ、深度データ及びモード切替信号が入力されるようになっていて、映像ソースデータは映像制御回路54から出力され、深度データ及びモード切替信号はサブ制御回路52から出力される。
映像ソースデータは、例えば、ディスプレイ13に付与すれば、映像表示液晶層13Gに前記した非分割の通常映像として表示されるデータ(以降、適宜「2D専用の映像ソースデータ」という)や第1映像と第2映像とが横に並んだ映像として表示されるデータ(図8(A)参照。以降、適宜「3D専用の映像ソースデータ」という)である。また、モード切替信号は、3D変換IC55を2Dモードと3Dモードとに切り替えるための信号であり、深度データは、3D映像の深度を決定するための信号である。3D変換IC55は、3Dモードになると、例えば、3D専用の映像ソースデータと深度データとに基づき、ディスプレイ13の映像表示液晶層13Gに前記した分割混合映像を表示するための3D用の映像データを生成して出力する。具体的には、3D変換IC55は、3Dモードになると、映像ソースデータに基づく映像における右半分と左半分とをそれぞれ縦割りに分割して交互に並べた映像(図8(B)参照)を表示する映像データを生成し、3D用の映像データとして出力する。一方、2Dモードになると、例えば、2D専用の映像ソースデータに基づき、ディスプレイ13の映像表示液晶層13Gに前記した非分割の通常映像を表示するための2D用の映像データを出力する。より具体的には、3D変換IC55は、2Dモードになると、映像ソースデータをそのまま2D用の映像データとして出力する。
サブ制御回路52は、本発明に係る遊技制御ICである遊技制御用CPU52A,RAM52B及びROM52Cを備えてなり、映像制御回路54は、本発明に係る映像制御ICである映像制御用CPU54A、RAM54B及びROM54Cを有してなる。また、サブ制御回路52のROM52Cが、本発明に係る「深度データ記憶手段」に相当し、映像制御回路54のROM54Cが本発明に係る「ソースデータ記憶手段」に相当する。
サブ制御回路52は、メイン制御回路50から特別図柄当否判定の判定結果等の遊技の進行状態に係る情報を取得し、その情報に基づいて決定した映像切替制御信号及びモード切替信号及びバリア切替信号を映像制御用CPU54A及び3D変換IC55及びディスプレイ13へと出力すると共に、ROM52Cから深度データを取り出して3D変換IC55へと出力する。すると、映像制御用CPU54Aが、映像切替制御信号に応じた映像ソースデータをROM54Cから取り出して3D変換IC55へと出力する。また、3D変換IC55が、映像制御用CPU54Aから取得した映像ソースデータと、遊技制御用CPU52Aから取得したモード切替信号及び深度データとに応じた2D用又は3D用の映像データをディスプレイ13へと出力する。そして、ディスプレイ13が、3D変換IC55から取得した2D用又は3D用の映像データと、遊技制御用CPU52Aから取得したバリア切替信号とに応じて、視差バリア13Jをオフした状態で2D用の映像データを映像表示液晶層13Gに表示するか、視差バリア13Jをオンした状態で3D用の映像データを映像表示液晶層13Gに表示して2D映像又は3D映像を遊技者に提供する。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、3D変換IC55に対するモード切替信号の出力元である遊技制御用CPU52Aと、3D変換IC55に対する画像ソースデータの出力元である映像制御用CPU54Aとが異なるので、以下の第1の懸念事項が挙げられると共に、ディスプレイ13に対するバリア切替信号の出力元である遊技制御用CPU52Aと、ディスプレイ13に対する映像データの出力元である3D変換IC55とが異なるので、以下の第2の懸念事項が挙げられる。そして、それら第1と第2の懸念事項を解消するための構成を本実施形態のパチンコ遊技機10は有している。
即ち、3D変換IC55に対するモード切替信号の出力元と映像ソースデータの出力元とが異なるので、モード切替信号のオンオフのタイミングと、映像ソースデータの切り替えタイミングとがずれて、本来、3D用の映像データに変換するためにROM54Cに記憶しておいた3D専用の映像ソースデータが、3D変換IC55で3D用の映像データに変換されずに、2D用の映像データとしてディスプレイ13に出力され、第1映像と第2映像とが横並びになった映像が表示されてしまったり、2D用の映像データとしてディスプレイ13へと出力するためにROM54Cに記憶しておいた2D専用の映像ソースデータが、3D変換IC55で3D用の映像データに変換されてディスプレイ13に出力され、非分割の通常映像の右半分と左半分とが混ざったような乱れた映像が表示されることが第1の懸念事項として挙げられる。
また、ディスプレイ13に対するバリア切替信号の出力元と映像データの出力元とが異なるので、バリア切替信号のオンオフのタイミングと、2D用の映像データと3D用の映像データの切り替えのタイミングとがずれて、視差バリア13Jがオフした状態で3D用の映像データに基づき前記した分割混合映像が映像表示液晶層13Gに表示されたり、視差バリア13Jがオンした状態で2D用の映像データに基づき前記した非分割の通常映像が映像表示液晶層13Gに表示されることが第2の懸念事項として挙げられる。そして、もし第2の懸念事項が現実化して、視差バリア13Jがオフ状態で映像表示液晶層13Gに表示されている分割混合映像が視認されると、両目で右目用帯領域群R及び左目用帯領域群Lを視認することになるので、乱れた画像として視認される。また、視差バリア13Jがオン状態で映像表示液晶層13Gに表示されている非分割の通常映像が視認されると、上記した右目捕獲映像と左目捕獲映像とが同一形状にならないので、乱れた画像として視認される。
しかしながら、映像ソースデータが、無地で単一色の映像をディスプレイ13の映像表示液晶層13Gに表示させるもの(以下、これを「単一色の映像ソースデータ」という)であれば、映像ソースデータが、3D変換IC55において2D用の映像データと3D用の映像データの何れの映像データとして出力されても同じ映像データになり、映像表示液晶層13Gに無地で単一色の映像が表示されていれば、視差バリア13Jを通しても通さなくても、同じ映像として視認される。
このことに鑑み、本実施形態のパチンコ遊技機10では、ディスプレイ13の出力映像を2D映像から3D映像へと切り替える際に、単一色の映像をディスプレイ13に表示させる制御を行っている。
具体的には、映像制御回路54のROM54Cには、2D専用の映像ソースデータと3D専用の映像ソースデータと2D・3D兼用の単一色の映像ソースデータとが記憶されている。また、単一色の映像ソースデータには、白色単一色と、黒色単一色とが設けられている。そして、ディスプレイ13の出力映像を2D映像から3D映像へと切り替える際には、図9(A)に示すように、映像制御用CPU54Aが映像ソースデータを、2D専用から2D・3D兼用の白色単一色に切り替えた後、予め定められた第1待機時間の経過を待って、遊技制御用CPU52Aが3D変換IC55及びディスプレイ13に対してモード切替信号及びバリア切替信号を出力し、その後、予め定められた第2待機時間の経過を待って、映像制御用CPU54が映像ソースデータを2D・3D兼用の白色単一色から3D専用に切り替える。
また、ディスプレイ13の出力映像を3D映像から2D映像へと切り替える際には、図9(A)に示すように、映像制御用CPU54Aが映像ソースデータを、3D専用から2D・3D兼用の黒色単一色に切り替えた後、予め定められた第1待機時間の経過を待って、遊技制御用CPU52Aが3D変換IC55及びディスプレイ13に対してモード切替信号及びバリア切替信号を出力し、その後、予め定められた第2待機時間の経過を待って、映像制御用CPU54が映像ソースデータを2D・3D兼用の黒色単一色から2D専用に切り替える。これらにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上記した第1及び第2の懸念事項を解消している。
なお、映像制御回路54のROM54Cには、2D専用の映像ソースデータと3D専用の映像ソースデータと白色又は黒色の単一色の映像ソースデータとが演出内容に応じて組み合わされた一連の映像ソースデータ(以降、適宜、「3D演出データ」という)が記憶されており、映像制御用CPU54Aは、演出開始時に受けた映像切替制御信号に応じた3D演出データを一連の流れ通りに3D変換IC55へと出力している。遊技制御用CPU52Aは、この3D演出データの時間経過に合わせてモード切替信号及びバリア切替信号を出力する。なお、視差バリア13Jをオンすると前方に透過する光量が減少し、ディスプレイ13が暗く見え得るが、それを回避するため、視差バリア13Jをオンすると共にバックライト13Hを明るくするように3D演出シナリオデータを構成してもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中に3D映像を表示する3D演出が行われることがある。以下、その3D演出の一例を図1及び図10等を参照して説明する。
ディスプレイ13には、通常は、停止している特別図柄13A,13B,13Cが2D映像が表示されている(図1参照)。そして、第1又は第2の始動入賞口14,15に遊技球が入賞すると、2D映像が維持された状態で特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されると共に、図10(A)に示すように、所定のキャラクターC等の演出映像が表示されると共に、特別図柄13A,13B,13Cが例えば、画面の左上に小さく表示された状態になる。
そして、例えば、図10(B)に示すように、演出映像に、例えば当りを予感させる宝箱Dが登場し、特別図柄13A,13B,13Cがリーチとなる。そして、リーチから当たりになるときに、図10(C)に示すように、画面が所定時間に亘って白色単一色になってから(以下、これを適宜「ホワイトアウトになる」等という)、図10(D)に示すように、例えば、宝箱Dが開いた状態でディスプレイ13の前方に飛び出した3D映像に切り替わる。このとき、特別図柄13A,13B,13Cはディスプレイ13には表示されていない。そして、その後、図10(E)に示すように画面が所定時間に亘って黒色単一色になってから(以下、これを適宜「ブラックアウトになる」等という)、2D映像として、特別図柄13A,13B,13Cはディスプレイ13の左上に当り目(即ち、ゾロ目)になって停止表示されかつ、キャラクターC等の演出映像がディスプレイ13全体に表示される。
上記したように特別図柄13A,13B,13Cの変動表示の開始から停止表示までの間にディスプレイ13に表示される3D映像を含んだ演出が本実施形態のパチンコ遊技機10における3D演出であって、複数種類の3D演出から任意のものを選んで行うために、サブ制御回路52のROM52Cには、図9(A)〜図9(C)に例示した複数種類の3D演出用に複数種類の3D演出シナリオデータが記憶され、各3D演出シナリオデータでは、映像制御信号、モード切替信号、バリア切替信号及び深度データ等が関連付けられている。また、映像制御回路54のROM54Cにも、複数種類の3D演出に対応した複数種類の3D演出データが記憶されている。
詳細には、図9(A)に示す3D演出1では、2回の2D映像の間に3D映像が表示され、図9(B)に示す3D演出2では、変動開始後に3D映像が表示され、図9(C)に示す3D演出3では、停止表示前に3D映像が表示される。なお、図9(A)に示された3D演出3が、前述した図10に示した演出に相当する。
これらの3D演出1〜3では、3D映像の深度が「飛出3、奥行3」、「飛出4、奥行4」、「飛出5、奥行5」とそれぞれ異なるように演出シナリオデータに設定されている。これにより、3D演出ごとに深度が異なる3D映像を遊技者に見せることができるので、3D演出の趣向性が向上する。以降、演出シナリオデータに設定された深度をそれぞれ「シナリオ飛出レベル」、「シナリオ奥行レベル」という。
また、本実施形態では、「飛出レベル」及び「奥行レベル」という、「1」〜「3」の範囲の中で設定可能なパラメータが設定されている。「飛出レベル」及び「奥行レベル」は、「シナリオ飛出レベル」、「シナリオ奥行レベル」を何倍するかという係数として使用される。具体的には、飛出レベル及び奥行レベルが共に「1」の場合には、3D映像の深度は「シナリオ飛出レベル」、「シナリオ奥行レベル」通りの深度となる。よって、例えば、飛出レベル2、奥行レベル3の場合における「3D演出1」(設定深度「飛出3、奥行3」)の3D映像の深度は、「飛出6、奥行9」になる。以降、「シナリオ飛出レベル」に「飛出レベル」を乗じたものを「3D飛出レベル」といい、「シナリオ奥行レベル」に「奥行レベル」を乗じたものを「3D奥行レベル」という。なお、3D変換IC55を2Dモードから3Dモードへ切り替えるときは、その3D演出に設定されたシナリオ飛出レベル及びシナリオ奥行レベルに基づく3D飛出レベル及び3D奥行きレベルを深度データにセットする一方、3Dモードから2Dモードへ切り替えるときは、3D飛出レベル及び3D奥行きレベルを「0」として深度データにセットする。
これらの飛出レベル及び奥行レベルは遊技者が任意に設定することができる。詳細には、変動表示や大当り遊技が行われていない「待機状態」となると、ディスプレイ13に図11(A)に示した設定画面が表示される。この設定画面では、現時点での飛出レベル及び奥行レベルが四角の枠13Wの中に表示されると共に、パチンコ遊技機10の前面に備えられた十字キー29B(図1,図11(B)参照)のうち、上下ボタンで奥行レベルを、左右ボタンで飛出レベルをそれぞれ変更可能であることが示唆されている。この設定画面が表示されている間に、十字キー29Bを設定画面通りに操作することで、飛出レベル及び奥行レベルが変更される。なお、待機状態では、図11(A)の設定画面と共にサンプルムービーとしての3D映像を表示して、深度調整の際に実際の深度を確認できるようになっている。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、3D演出における3D演出の深度を遊技者各個人の好みに対応することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。上記したように本実施形態のパチンコ遊技機10は、視差バリア13Jのオンオフにより2D用と3D用とに切り替え可能なディスプレイ13と、映像ソースデータを2D用又は3D用の何れかの映像データにしてディスプレイ13に出力する3D変換IC55とを有し、これにより、2D映像に加えて3D映像も遊技者に提供することができる。ここで、ディスプレイ13の視差バリア13Jをオンオフする制御や、3D変換IC55を2Dモードと3Dモードとに切り替える制御は、3D変換IC55に対して映像ソースデータを出力するCPUが行うことが一般的であり、2D/3D対応のディスプレイ13及び3D変換IC55の導入に当り、それらを制御するCPUも刷新するのが一般的である。なぜなら、従来の2D専用の遊技機において、映像ソースデータを出力していた映像制御用CPUには、モード切替信号やバリア切替信号を出力する余分な出力ポートがないからである。
これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、3D変換IC55に対して映像ソースデータは映像制御用CPU54Aが出力する一方、モード切替信号は遊技制御用CPU52Aが出力し、ディスプレイ13に対してバリア切替信号を遊技制御用CPU52Aが出力する構成を採ったことで、従来の2D専用の遊技機で多く採用されていた、映像制御用CPU54A及び遊技制御用CPU52Aの構成、即ち、映像制御用CPU54Aが遊技制御用CPU52Aから取得した映像切替制御信号に応じて映像ソースデータの種類を切り替えてディスプレイ13側へと出力するという構成を承継して、2D映像に加えて3D映像も遊技者に提供することができるようになる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、従来の遊技機の構成を有効利用して3D映像を表示可能な遊技機の提供が可能になる。さらに言えば、2D専用の遊技機と部品の共通化を図ることができる。
しかも、本実施形態のパチンコ遊技機10では、2D映像と3D映像との切り替え時に、2D映像と3D映像との何れでも見え方に差がない単一色の映像をディスプレイ13に表示するので、2D・3Dの切り替え時に遊技者に違和感を感じさせないようにすることができる。また、遊技制御用CPU52Aがモード切替信号と共に深度データを3D変換IC55に出力し、3Dモードが維持されている間は深度データを変更しない制御を行っているので、遊技者が3D映像を見たときの違和感を抑えた深度の変更が可能になる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上述の如くディスプレイ13に表示される映像を制御するために、メイン制御回路50、サブ制御回路52等は、メイン制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、メイン制御回路50及びサブ制御回路52における情報処理について説明する。
メイン制御回路50に備えたワンチップマイコンは、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM50Cから図12に示したメイン制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、メイン制御回路メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU50Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、メイン制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、後述するメイン制御回路割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。具体的には、まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、大当り判定等に用いられる乱数カウンタが更新され、更新されたカウンタ値はメイン制御回路50のRAM50Bの記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。
次に、メイン制御回路割り込み処理(S5)は、CPU50Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、メイン制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU50Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
メイン制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図13に示すように、メイン制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理によりメイン制御回路50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御回路52へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(例えば、普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)が検知した場合の信号入力が行なわれる。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記したメイン制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値の更新処理は、メイン制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(メイン制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで、入賞検出処理(S13)が実行される。入賞検出処理(S13)では、始動入賞口14,15に遊技球に入賞したかどうかを判断する。
入賞検出処理(S13)が終了すると、普通動作処理(S14)が行われる。メイン制御回路50は、この処理(S14)によって、始動ゲート18(図1参照)を遊技球が通過したときに行われる普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置(図示せず)での普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく第2の始動入賞口15における可動扉15Tの開閉を、サブ制御回路52を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
普通動作処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)は、特別図柄表示装置(図示せず)の表示状態を直接制御する一方、サブ制御回路52を介してディスプレイ13等を間接的に制御する。
図13に示すように、メイン制御回路割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S16)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行して、メイン制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図12に示すように、次にメインCPU50Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM50Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行されたメイン制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が、メイン制御回路50が実行するメイン制御回路メインプログラムPG1についての説明である。
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について、図14〜図22に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。図14に示すように、サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S60)を行う。この処理では、後述する割り込み処理の設定を行う。また、電源基板(図示せず)に電源を投入すると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONで、RAM52Bの内容が正常であるか判断する(S61)。正常であれば(S61でyes)次に進み、正常でなければ(S61でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S62)。以上の処理(S60〜62)を終えると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S63)。なお、これらステップS60〜S63は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS60〜S63によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S64)、乱数シード更新処理(S65)が実行される。次いで、映像制御回路54(図6参照)等に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S66)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S67)、割込み許可(S68)を行う。そして、これら処理(S64〜68)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S69)、2msタイマ割り込み処理(S70)、10msタイマ割り込み処理(S71)が割り込んで実行される。サブ制御回路52がメイン制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S70,S71)に優先して受信割り込み処理(S69)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S70)は、10msタイマ割り込み処理(S71)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S71)は、2msタイマ割り込み処理(S70)間の残余時間に割り込んで実行される。
図15に示すように、受信割込み処理(S69)ではまず、ストローブ信号をチェックし(S430)、ストローブ信号がONでなければ(S430でNo)、そのままこの処理(S69)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S430でYes)、メイン制御回路50からコマンドや制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ)をサブ制御回路52が受信してRAM52Bに格納する(S431)。
2msタイマ割り込み処理(S70)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図16に示すように、この処理(S70)では、ランプデータ出力処理(S440)、SW/駆動出力処理(S441)、入力処理(S442)、ウォッチドッグタイマ処理(S443)を行う。
ランプデータ出力処理(S440)では、10msタイマ割り込み処理(S71)で作成したランプデータの出力を行う。SW/駆動出力処理(S441)では、10msタイマ割込処理(S58)で作成したスイッチ有効期間及び動作の出力を行う。入力処理(S442)では、10msタイマ割込み処理(S71)でスイッチ状態に基づく処理を実行するために、十字キー29B(図11(B)参照)等のオンオフ状態に対応したスイッチデータを作成し、そのスイッチデータをRAM52Bに記憶する。ウォッチドッグタイマ処理(S443)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割り込み処理(S71)は、10msec周期で繰り返して割り込み実行される。図17に示すように、10msタイマ割り込み処理(S71)では、メインコマンド解析処理(S80)及び3D用のSW入力処理(S81)を実行した後に、その他の処理を実行し(S82)、ウォッチドッグタイマカウンタ2を初期化(S83)してからこの処理(S71)を抜ける。以下に、メインコマンド解析処理(S80)について詳説する。
メインコマンド解析処理(S80)では、メイン制御回路50から受信したコマンドに関する処理を行う。図18に示すように、まず、サブ制御回路52がメイン制御回路50から受信したコマンド(以下、適宜「受信コマンド」という)が「待機状態」であることを示す客待ちコマンドであるか否かを判断する(S450)。受信コマンドが客待ちコマンドである場合(S450でYes)は、SW入力フラグをオンにして(S451)、この処理(S80)を抜ける。一方、受信コマンドが客待ちコマンドでない場合(S450でNo)は、SW入力フラグをオフにした後(S452)、受信コマンドが変動に関するコマンドであるか否かを判断する(S453)。受信コマンドが変動に関するコマンドでない場合(S453でNo)は、受信コマンドが、変動表示中にメイン制御回路50から送信される変動中コマンドであるか否かを判断する(S457)。受信コマンドが変動中コマンドである場合(S457でYes)は、ステップS455へ進む一方、変動中コマンドでない場合(S457でNo)は、受信したコマンドに基づいてその他の処理(S458)を行ってからこの処理(S80)を抜ける。
ステップS453で、受信コマンドが変動に関するコマンドである場合(S453でYes)は、図19に示す演出抽選処理(S454)を行う。演出抽選処理(S454)では、ディスプレイ13で実行される演出に関する抽選を行う。同図に示すように、まずは、上述した乱数シード更新(S65)により「0」〜「99」の範囲内で更新されている演出乱数値を取得する(S460)。
そして、取得された演出乱数値に基づいて執行する演出をセットする。詳細には、取得された演出乱数値が「0」〜「9」であれば(S461)「3D演出1」及び後述する3Dシナリオ設定処理(S456)に関する「3D演出シナリオ1」をセット(S462)し、「10」〜「19」であれば(S463)「3D演出2」及び「3D演出シナリオ2」をセット(S464)し、「20」〜「49」であれば(S465)「3D演出3」及び「3D演出シナリオ3」をセット(S466)し、「50」〜「79」であれば(S467)2D映像のみからなる「演出4」をセット(S468)し、「80」〜「099」であれば2D映像のみからなる「演出5」をセットする(S469)。サブ制御回路52は、この処理(S454)で選択された演出に基づいて、映像制御回路54に映像切替制御信号を送信する。なお、これらの選択確率は、例えば特別図柄当否判定の結果によって異なるように構成してもよい。
図18に示すように、メインコマンド解析処理(S80)では、演出抽選処理(S454)に次いで、又は、受信コマンドが変動中コマンドである場合(S457でYes)、演出抽選処理(S454)で選択された演出が3D演出であるか否かを判断する(S455)。3D演出でない(「演出4」又は「演出5」である)場合はそのままこの処理(S80)を抜ける。一方、3D演出である(「3D演出1」、「3D演出2」又は「3D演出3」である)場合は、3Dシナリオ設定(S456)を行ってからこの処理(S80)を抜ける。以下、この3Dシナリオ設定(S456)について詳説する。
図20に示す3Dシナリオ設定処理(S456)では、変動開始から停止表示されるまでの間、経過時間に応じて、各種設定を行っている。同図に示すように、まず、セットされた3D演出シナリオからその時点での3D変換ICのモードをシナリオモードとして設定する(S480)。また、3D演出シナリオの飛出レベル(以降、「シナリオ飛出レベル」という)を取得して、遊技者が設定した飛出レベルを乗じた数を「3D飛出レベル」として設定する(S481)。同様に、3D演出シナリオの奥行レベル(以降、「シナリオ奥行レベル」という)を取得して、遊技者が設定した奥行レベルを乗じた数を「3D奥行レベル」として設定する(S482)。なお、シナリオモードが2Dモードのときは、飛出レベル、奥行レベルともに「0」が設定される。
次に、設定したシナリオモード、3D飛出レベル、3D奥行レベルが、サブ制御回路52で記憶している3D変換ICのモード、飛出レベル、奥行レベルと不一致であるかをそれぞれ判断し(S483,S484,S485)、全てが一致していれば(S483,S484,S485で全てNo)そのままこの処理(S456)を抜ける。一方、何れかが不一致であれば(S483,S484,S485の少なくとも1つがYes)、以降の処理(S486〜S489)で3D変換ICのモード、飛出レベル、奥行レベルの設定を行う。
具体的には、サブ制御回路52で記憶している3D変換IC55のモード、飛出レベル、奥行レベルに、シナリオモード、3D飛出レベル、3D奥行レベルをそれぞれ設定し(S486,S487,S488)、図21に示す3D設定処理(S489)を実行する。同図に示すように、3D設定処理(S489)では、まず、サブ制御回路52で記憶している3D変換IC55のモードが2Dモードであるか否かを判断する(S500)。2Dモードである場合(S500でYes)は3D用のバリア表示液晶層13Fをオフにする信号をセット(S501)する一方、3Dモードである場合(S500でNo)は3D用のバリア表示液晶層13Fをオンにする信号をセットする(S502)。そして、3D変換ICに出力する信号に、サブ制御回路52で記憶している3D変換ICのモード、飛出レベル、奥行レベルをセットして(S503,S504,S505)この処理(S489)を抜ける。以上が、3D設定処理(S489)、3Dシナリオ設定(S456)、メインコマンド解析処理(S80)の説明である。
次に、10msタイマ割り込み処理(S71、図17参照)におけるSW入力(3D)処理(S81)について図22に基づいて説明する。このSW入力(3D)処理(S81)では、「待機状態」での深度調整に関する制御を行っている。SW入力(3D)処理(S81)では、まず、ステップS451又はS452(図18参照)で設定されるSW入力フラグがオンか否かを判断し(S510)、SW入力フラグがオフの場合(S510でNo)、そのままこの処理(S81)を抜ける。
SW入力フラグがオンの場合(S510でYes)、十字キー29Bのうち左ボタンが押し下げられたか否かを判断する(S511)。左ボタンが押し下げられた場合(S511でYes)は飛出レベルが「1」(飛出レベルの最小値)より大きいか否かを判断し(S512)、飛出レベルが「1」より大きい場合(S512でYes)は飛出レベルを1減算して出力(S513,S514)する一方、飛出レベルが「1」である場合(S512でNo)は何も行わずにこの処理(S81)を抜ける。
ステップS511で左ボタンが押し下げられていない場合(S511でNo)、十字キー29Bのうち右ボタンが押し下げられたか否かを判断する(S515)。右ボタンが押し下げられた場合(S515でYes)は飛出レベルが「3」(飛出レベルの最大値)より小さいか否かを判断し(S516)、「3」より小さい場合(S516でYes)は飛出レベルを1加算して出力(S517,S518)する一方、「3」である場合(S516でNo)は何も行わずにこの処理(S81)を抜ける。
ステップS515で右ボタンが押し下げられていない場合(S511でNo)、十字キー29Bのうち下ボタンが押し下げられたか否かを判断する(S519)。下ボタンが押し下げられた場合(S519でYes)は奥行レベルが「1」(奥行レベルの最小値)より大きいか否かを判断し(S520)、奥行レベルが「1」より大きい場合(S520でYes)は奥行レベルを1減算して出力(S521,S522)する一方、奥行レベルが「1」である場合(S520でNo)は何も行わずにこの処理(S81)を抜ける。
最後に、ステップS511で下ボタンが押し下げられていない場合(S519でNo)、十字キー29Bのうち上ボタンが押し下げられたか否かを判断する(S523)。上ボタンが押し下げられた場合(S523でYes)は奥行レベルが「3」(奥行レベルの最大値)より小さいか否かを判断し(S524)、「3」より小さい場合(S524でYes)は奥行レベルを1加算して出力(S525,S525)する一方、「3」である場合(S524でNo)は何も行わずにこの処理(S81)を抜ける。また、ステップS523で上ボタンが押し下げられていない場合(S523でNo)も何も行わずにこの処理(S81)を抜ける。以上が、SW入力(3D)処理(S81)、10msタイマ割り込み処理(S71)、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2についての説明である。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、パチンコ遊技機10に本発明を適用していたが、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に適用してもよい。
(2)上記実施形態では、単一色の映像ソースデータとして、白色単一色又は黒色単一色のものを使用していたが、赤色や青色など、他の色であってもよい。また、その瞬間毎にディスプレイ13が単一色になればよいので、例えば白色から黒色へ時間経過に応じて色が変化していくような構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、3D映像の深度を調整可能な時間が「待機状態」中のみであったが、3D演出中にも調整可能な構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、3D映像の深度を遊技者が任意に調整できる構成であったが、調整できない構成であってもよい。この場合、上述した「飛出レベル」及び「奥行レベル」をパチンコ遊技機10内でランダムに設定する構成であってもよいし、「飛出レベル」及び「奥行レベル」を廃止して3D映像が常に「シナリオ飛出レベル」及び「シナリオ奥行レベル」通りの深度となるように構成されてもよい。
(5)上記実施形態では、3D演出の実行中は、3D映像の深度が変更されない構成であったが、3D演出の実行中に深度が変化していくように構成されてもよい。
(6)上記実施形態では、映像制御回路54のROM54Cに、2D専用の映像ソースデータと3D専用の映像ソースデータと単一色の映像ソースデータとが演出内容に応じて組み合わされた一連の映像ソースデータが記憶され、映像制御用CPU54Aはこの一連の映像ソースデータを一連の流れ通りに出力する構成であったが、映像制御回路54のROM54Cに2D専用の映像ソースデータと3D専用の映像ソースデータと単一色の映像ソースデータとが別個に記憶され、映像制御用CPU54Aは、遊技制御用CPU52Aから映像切替制御信号を受けることで、出力する映像ソースデータを切り替えていく構成であってもよい。
(7)上記実施形態では、バリア表示液晶層13Fが備えられていたのが映像表示液晶層13Gの前方であったが、映像表示液晶層13Gとバックライト13Hとの間であってもよい。この場合であっても、図23に示すように、視差バリア13Jがバックライト13Hからの光を遮るので、映像表示液晶層13Gが右目用帯領域群Rと左目用帯領域群Lとに区画され、遊技者に3D映像を見せることができる。