JP5927234B2 - ガスホルダ - Google Patents

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Description

この発明はガスホルダに関し、特に、排出するガスの圧力の変動を減少した可変容量式のガスホルダに関する。
製鉄所から排出されるコークス炉ガスなどの可燃ガスは、燃料として利用されている。この可燃性ガスの需要変動に対応するために、製鉄所から排出された可燃性ガスは、例えば可変容量式のガスホルダに一旦貯蔵される。このような可変容量式のガスホルダは、製鉄所のコークス炉ガスなどの貯蔵の他に、畜産廃棄物、し尿処理汚泥などから発生するバイオガスを貯蔵し、或いは、排出されたアルゴンやヘリウムなどの有用な工業用ガスを回収するのに際し、バッファタンクとして使用するといった用途が見込まれている。
特開2013−200004号公報には、第1フランジが上端部に設けられた下部本体、および上記第1フランジに接合される第2フランジが下端部に設けられた上部本体、を有する円筒容器状のホルダ本体と、上記第1フランジと上記第2フランジに挟まれる鍔部、当該鍔部につながって延びる円筒状部、および当該円筒状部の下端を塞ぐ底部、を有し、一連に形成されたダイアフラムと、上記円筒状部の内側に配置され、上記ダイアフラムに支持されるアジャスターと、を備えたガスホルダが記載されている。
この従来のガスホルダにおいては、アジャスターが最下点にあるときに、ダイアフラムの円筒状部の内側に配置されて支持されるため、アジャスターが最上点にあるとき、アジャスターの容積分の空間が無駄になるといった問題がある。
また、従来のガスホルダは、ガスホルダ内に蓄積されたガスを排出する際の圧力は、アジャスターの重量によって定まり、排出ガスの圧力を変更することはできないといった問題があった。
特開2013−200004号公報
この発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、ガス室の圧力の変動を少なくしたガスホルダを提供することである。
この発明の他の目的は、排出するガスの圧力を制御可能とするとともに、圧力の変動を少なくしたガスホルダを提供することができる。
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、ガスホルダは、筒状側壁、底壁および少なくとも一つのガス出入口部を有する容器本体と、容器本体の筒状側壁に周縁端部が固定され、筒状側壁および底壁との間にガス出入口部を含むガス室を区画形成する可撓性のダイアフラムと、容器本体内部で昇降可能に、ダイアフラム上に支持されるアジャスターと、を備え、アジャスターは、外径が筒状側壁の内径よりも小さいアジャスター筒部、アジャスター天井部及びアジャスター開口端部を有し、アジャスター天井部が上方を向きアジャスター開口端部が下方を向くようにダイアフラム上に支持され、筒状側壁に固定される部位からアジャスターを支持する部位までのダイアフラムの外周縁領域部は、アジャスターの垂直方向の上方には変位しない大きさに設定され、ガス室の圧力が外部の圧力より大きい状態において、外周縁領域部が筒状側壁とアジャスター筒部のいずれにも接しない部分がアジャスターの移動に伴って外周縁領域部内で移動する
この局面に従えば、アジャスターは、アジャスター天井部が上方を向きアジャスター開口端部が下方を向くようにダイアフラム上に支持されるので、ガス室としてアジャスター筒部の内部空間を利用することができ、ガス室の最大容積をできるだけ大きくすることができる。
好ましくは、アジャスター天井部は、アジャスターの最上点である。
好ましくは、アジャスターのアジャスター開口端部よりも内方側に存在するダイアフラムの中央領域部は、アジャスター筒部の内方に配設される。
この局面に従えば、ダイアフラムの中央領域部が、アジャスター筒部の内周面およびアジャスター天井部の下面に沿って配設される場合には、アジャスター天井部でガス室を加圧することができ、ガス室を加圧する圧力の変動を少なくすることができる。
好ましくは、外周縁領域部の筒状側壁に固定される部位からアジャスターを支持する部位までの長さは、アジャスター筒部の高さより長い。
この局面に従えば、筒状側壁に固定される部位からアジャスター開口端部に接する部位までの長さがアジャスター筒部の高さより長いので、アジャスターを容器本体内部で昇降する距離を最大にすることができ、ガス室の最大容積をできるだけ大きくすることができる。
好ましくは、アジャスター天井部とアジャスター筒部とは別体をなし、アジャスター天井部の直径はアジャスター筒部の内径よりも小さく、アジャスター天井部は、アジャスター筒部内部の空間で昇降可能にダイアフラム上に支持され、アジャスターのアジャスター開口端部よりも内方側に存在するダイアフラムの中央領域部は、アジャスター筒部の内方で、アジャスター天井部の下面に沿って配設される。
この局面に従えば、アジャスター天井部とアジャスター筒部とは別体をなし、アジャスター天井部は、アジャスター筒部内部の空間で昇降可能にダイアフラム上に支持され、ダイアフラムの中央領域部は、アジャスター筒部の内方で、アジャスター天井部の下面に沿って配設されるので、ガス室の内、アジャスター筒部内部の空間に蓄積されたガスを排出することができる。
好ましくは、アジャスター筒部は、その上方部に、アジャスター天井部の上昇を規制する規制手段を含む。
この局面に従えば、アジャスター天井部は、アジャスター筒部の上方に上昇しないので、ダイアフラムの中央領域部が、アジャスター筒部の外側へ変位しないようにすることができる。
この発明の他の局面によれば、ガスホルダは、制御用流体の導入口部を上方側に有するとともに少なくとも一つのガス出入口部を下方側に有する密閉容器本体と、アジャスター筒部、アジャスター天井部およびアジャスター開口端部を有し、アジャスター天井部が上方を向きアジャスター開口端部が下方を向くように密閉容器本体内に昇降可能に配設されたアジャスターと、外周縁端部が密閉容器本体の側壁に固定され、内周縁端部がアジャスターのアジャスター開口端部に固定された可撓性の環状ダイアフラムと、外径がアジャスターの内径よりも小さい筒状のサブアジャスターと、アジャスターのアジャスター天井部に一端が固定され、サブアジャスターに他端が固定され、所定の長さを有し、湾曲可能な吊り下げ部材と、を備え、アジャスターおよび環状ダイアフラムによって密閉容器本体の内部空間が導入口部を含む制御室およびガス出入口部を含むガス室に区画され、環状ダイアフラムは、アジャスターの垂直方向の上方には変位しない大きさに設定されており、ガス室の圧力が制御室の圧力より大きい状態において、環状ダイアフラムが筒状側壁とアジャスター筒部のいずれにも接しない部分がアジャスターの移動に伴って環状ダイアフラム内で移動し、サブアジャスターの高さ寸法は、最上点位置に在るアジャスターのアジャスター開口端部と環状ダイアフラムが密閉容器本体に固定される部位との垂直方向の距離以上であり、吊り下げ状態で、サブアジャスターの少なくとも一部がアジャスターの下方に位置し、かつ、サブアジャスターの上端がアジャスター開口端部と同じ高さかまたはアジャスター開口端部より上方に位置し、ガス室の圧力が制御室の圧力より小さい状態において、サブアジャスターが最下点でない間は、環状ダイアフラムの筒状側壁とサブアジャスターとのいずれにも接しない部分がアジャスターの移動に伴って環状ダイアフラム内で移動する
この発明のさらに他の局面によれば、ガスホルダは、筒状の筒状側壁を有する容器本体と、筒状側壁の内側に配置され、上下方向の溝を有する誘導部と、円筒状部、底部および天井部を有し、内部にガス室を形成する可撓性の袋状ダイアフラムと、袋状ダイアフラムの上下方向に所定の間隔で円筒状部の外周を囲む複数の補強リングと、補強リングに設けられ、誘導部の溝に沿って摺動可能に係合する突起部と、外径が筒状側壁の内径よりも小さい円盤状で、その下面が袋状ダイアフラムの天井部の上面全体に支持される加圧部と、を備え、袋状ダイアフラムは、ガス室にガスを注入またはガス室からガスを排出するためのガス出入口部を含む。
この局面に従えば、複数の補強リングが袋状ダイアフラムの上下方向に所定の間隔で円筒状部の外周を囲み、複数の補強リングそれぞれに設けられる突起部は、筒状側壁の内側に配置された誘導部が有する上下方向の溝に沿って摺動可能に係合するので、袋状ダイアフラムを、筒状側壁の内側に沿って変形させることができる。また、袋状ダイアフラムの変形が上下方向に規制されるので、加圧部が袋状ダイアフラムに加える圧力の方向の変動を防止することができる。その結果、ガス室の圧力の変動を少なくしたガスホルダを提供することができる。
第1の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。 第1の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。 ダイアフラムの作製手順を説明するための第1の図である。 ダイアフラムの作製手順を説明するための第2の図である。 図4のVII−VII線に沿う拡大断面図である。 ダイアフラムの作製手順を説明するための第3の図である。 ダイアフラムの作製手順を説明するための第4の図である。 ダイアフラムの作製手順を説明するための第5の図である。 ダイアフラムの鍔部の断面構造を模式的に表した断面図である。 第2の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。 第2の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。 アジャスター筒部32Aの平面図である。 I−I線断面図である。 アジャスター天井部の平面図である。 補強リングの一例を示す平面図のである。 第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。 第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。 第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第3の縦断面図である。 上部本体および下部本体の接続部分を拡大して示す断面図である。 第4の実施形態におけるガスホルダのガス未充填時の概略構成を示す縦断面図である。 第4の実施形態におけるガスホルダのガス充填時の概略構成を示す縦断面図である。 図20のII−II線断面図である。 加圧部の一例を示す平面図である。 補強リングの一例を示す平面図のである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。図1は、ガス排出時に後述するアジャスター3が最下点に到達した時点の状態を示す。図2は、第1の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。図2は、後述するアジャスター3が最上点に位置する状態を示す。図1および図2を参照して、ガスホルダXは、ホルダ本体1と、ダイアフラム2と、アジャスター3とを備える。
ホルダ本体1は、下部本体11および上部本体12を有し、これらが一体に組み合わされることにより、円筒容器状をなしている。下部本体11は、円盤状の底壁111と、底壁111の外周縁から上向きに延びる円筒状の側壁112とを有する。側壁112の上端部の外周には円環状のフランジ113が一体的に設けられており、フランジ113には複数のボルト孔113aが形成されている。下部本体11の下端寄りの適所には、ガス導入口114およびガス排出口115が設けられている。上部本体12は、ドーム状の天井壁121と、天井壁121の周縁から下向きに延びる円筒状の側壁122とを有する。側壁122の下端部の外周には円環状のフランジ123が一体的に設けられており、フランジ123には、フランジ113のボルト孔113aに対応するボルト孔123aが形成されている。
フランジ113とフランジ123とは、これらの間に後述するダイアフラム2の鍔部21を挟んだ状態にて、それぞれのボルト孔113a,123aに挿入されるボルト13によって接合される。これにより、下部本体11と上部本体12とは、相互に密封状態にて固定されている。なお、本実施形態では、側壁112の内径と側壁122の内径とが同一の設計寸法とされており、フランジ113,123が接合された状態において側壁112の内周面と側壁122の内周面とは上下方向において同一面状となっている。
なお、第1の実施の形態において、下部本体11と上部本体12とは、相互に密封状態にて固定される必要はない。上部本体12は、側壁122を有していればよく、天井壁121はなくてもよい。
アジャスター3は、例えば金属製であり、外径がホルダ本体1の筒状側壁の内径よりも小さいアジャスター筒部32、アジャスター天井部31及びアジャスター開口端部33を有する。アジャスター3は、アジャスター天井部31が上方を向き、アジャスター開口端部33が下方を向く方向で、側壁112と側壁122とからなるホルダ本体1の筒状側壁の内方側で昇降可能となるように配置される。
ダイアフラム2は、鍔部21と、円筒状部22と、底部23とを有し、一連のシート状に形成されている。このため、ダイアフラム2は、下部本体11との間に気密性のガス室を区画生成する。詳細は後述するが、ダイアフラム2は、ゴム布を用いて構成されており、可撓性を有する。鍔部21は、フランジ113,123に挟まれる部分であり、円環状とされている。本実施形態では、鍔部21の幅はフランジ113,123の幅よりも大とされている。
円筒状部22は、鍔部21の内周縁につながって延びており、底部23につながる。底部23は、上面でアジャスター3のアジャスター天井部31の下面と接する。本実施の形態においては、ダイアフラム2の底部23を、アジャスター天井部31の下面に固定している。アジャスター3とダイアフラム2との相対的な位置を固定するためである。例えば、ダイアフラム2の底部23の複数個所に接着材等で接続した複数のフランジを、アジャスター天井部31の下面の複数個所で、ボルトで固定すればよい。また、ダイアフラム2の底部23を、アジャスター天井部31の下面に接着剤で接着するようにしてもよい。
ダイアフラム2の底部23の上面は、アジャスター天井部31の下面に固定されるので、ダイアフラム2の円筒状部22の一部は、アジャスター3のアジャスター開口端部33よりも内方側に存在する。ここでは、ダイアフラム2のうちアジャスター3のアジャスター開口端部33よりも内方側に存在する円筒状部22の一部と底部23とを、ダイアフラム2の中央領域部という。ダイアフラム2の中央領域部は、アジャスター筒部32の内周面およびアジャスター天井部33の下面に沿って配設される。
ダイアフラム2の円筒状部22は、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスタ筒部32の最下部)に接する部位までの外周縁領域部を有する。外周縁領域部は、図1に示すように、最下点にあるアジャスター3の垂直方向の上方には変位しない大きさに設定される。具体的には、外周縁領域部のフランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスタ筒部32の最下部)に接する部位までの長さが、最下点にあるアジャスター3の垂直方向の上方には変位しない長さ以下の長さに設定される。
また、外周縁領域部は、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスタ筒部32の最下部)に接する部位までの長さがアジャスター筒部32の高さより長くするのが好ましい。アジャスター3の昇降可能な距離を長くするためである。
次に、ダイアフラム2の詳細構造および作製手順の一例について説明する。ダイアフラム2は、ゴム布を用いて構成されており、このゴム布は、繊維からなる織物の両面に合成ゴム(例えばクロロプレンゴム)を積層して形成されたものである。織物は、例えば多軸の合成樹脂繊維からなり、例えば2軸織物、3軸織物等を挙げることができ、好ましくは、2軸織物の一種である平織物が用いられる。
ダイアフラム2を作製する際に使用するゴム布としては、図3に示すように、例えばロール状に巻かれたゴム布シート4が用いられる。図3に模式的に示すように、ゴム布シート4において、織物の織り目方向(繊維方向)は幅方向および長手方向(シートの展開方向)に沿っている。ゴム布シート4の幅方向の寸法は、例えば600〜1200mm程度である。
ダイアフラム2を作製する際には、まず、ゴム布シート4を所定長さごとに破線部で切断し、複数のゴム布片41を得る。ここで、ゴム布シート4の切断方向をゴム布シート4の長手方向に対して傾斜させる。上記長手方向に対する切断方向の傾斜角度αは、例えば60°である。このようにして、平行四辺形状の同一サイズのゴム布片41が得られる。次に、図4に示すように、複数のゴム布片41を、ゴム布シート4の長手方向に沿う端部41aどうしを接合し、図6に示すように、ゴム布片41が周方向に並んで繋ぎ合わされた円筒状基体42を得る。ゴム布片41どうしの接合は、図5から理解されるように、例えば、互いの端部41aどうしを所定幅重ねて縫い合わせ、重合部分の両側からゴムシート41Bを接着することにより行う。ここで、端部41aは、円筒状基体42が延びる方向(上下方向)に対して傾斜している。端部41aの延びる方向が上下方向に対して傾斜する傾斜角度βは、20〜40°もしくは50〜70°の範囲とされ、好ましくは、25〜35°もしくは55〜65°の範囲とされる。本実施形態において、上記傾斜角度βは、30°である。
円筒状基体42は、ダイアフラム2の円筒状部22を構成するものである。この円筒状基体42において、織物の織り目方向は上下方向に対して傾斜している。織物の織り目方向が上下方向に対して傾斜する傾斜角度γは、20〜40°もしくは50〜70°の範囲とされ、好ましくは、25〜35°もしくは55〜65°の範囲とされる。本実施形態において、上記傾斜角度γは、30°である。
次に、円筒状基体42の上部を外側に折り返し、その先端において周方向に間隔を隔てて所定長さの切り込みを入れる。その後、図7に示すように、切り込みを含む部位を外側に折り曲げることにより、折り曲げ部421(第1の折り曲げ部)を形成する。引き続き、折り曲げ部421を、その厚み方向の両側から座板431,432によって挟み、接着剤を用いて接合する。ここで、座板431,432としては、例えば上記したゴム布からなるものが用いられる。座板431,432は、図8に示すように、各々が複数の分割片によって構成されており、全体として円環状となるように構成されている。図8においては、理解のために上下を反転させて表している。なお、座板431,432については、複数の分割片からなる構成に代えて、一体状のリング体からなる構成としてもよい。座板431,432の幅は、折り曲げ部421の長さ(基端から先端までの寸法)よりも大とされている。座板431,432によって折り曲げ部421の基端から先端までを挟むとともに、折り曲げ部421よりも径方向外側において座板431,432が互いに重ね合わされる。ここで、隣接する座板431どうしの境界部と隣接する座板432どうしの境界部とが、平面視において重ならないようにする。そして、折り曲げ部421と座板431,432とのそれぞれの間、および座板431,432の重合部の間に接着剤を充填して接着する。当該接着剤としては、例えばクロロプレン系接着剤が用いられる。なお、座板431,432を貼り合わせる際に、必要に応じて、隣り合う折り曲げ部421の間に上記ゴム布からなる空間補充片433を挿入してもよい(図8参照)。また、図9に示すように、座板431,432を両側から挟むようにゴムシート434,435を貼り合わせてもよい。このようにして、鍔部21が形成される。なお、鍔部21には、フランジ取付用の貫通孔が形成される。図9においては、折り曲げ部421と、座板431,432と、ゴムシート434,435とを、接着剤436を介して積層した場合の鍔部21の断面構造を模式的に表す。
次に、円筒状基体42の下端において周方向に間隔を隔てて所定長さの切り込みを入れる。その後、図7に示すように、切り込みを含む部位を内側に折り曲げることにより、折り曲げ部422(第2の折り曲げ部)を形成する。このとき、隣り合う折り曲げ部422どうしが互いに重なる部分については、必要に応じて切除する。引き続き、円形の底板44を折り曲げ部422の下側に重ね合わせ、これらを接合する。ここで、底板44としては、例えば上記したゴム布からなり、円筒状基体42の外径と略同径のものが用いられる。折り曲げ部422と底板44との接合は、例えばこれら折り曲げ部422および底板44の外周近傍を縫い合わせることにより行う。次いで、折り曲げ部422および底板44を、その厚み方向の両側から座板451,452によって挟み、接着剤を用いて接合する。ここで、座板451,452としては、例えば上記したゴム布からなるものが用いられる。座板451,452は、各々が複数の分割片によって構成されており、全体として円環状となるように構成されている。なお、座板451,452については、複数の分割片からなる構成に代えて、一体状のリング体からなる構成としてもよい。座板451,452の幅は、折り曲げ部422の長さ(基端から先端までの寸法)よりも大とされている。座板451,452によって、折り曲げ部422および底板44の重合部分を挟むとともに、折り曲げ部422よりも径方向内側において底板44を挟む。ここで、隣接する座板451どうしの境界部と隣接する座板452どうしの境界部とが、平面視において重ならないようにする。そして、座板451と折り曲げ部422および底板44との間、ならびに座板452と底板44との間に接着剤を充填して接着する。当該接着剤としては、例えばクロロプレン系接着剤が用いられる。このようにして、底部23が形成される。そして、円筒状基体42のうち円筒状に残存する部分が円筒状部22となり、鍔部21、円筒状部22および底部23を有するダイアフラム2が得られる。
<アジャスターとダイアフラムとの位置関係>
ここで、アジャスター3およびダイアフラム2との位置関係を説明する。まず、図1を参照して、ガス排出時においてアジャスター3が重力によってホルダ本体1の底部に支えられる最下点に位置する状態を示している。
ダイアフラム2の円筒状部22は、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスタ筒部32の最下部)に接する部位までの外周縁領域部を有する。本実施の形態において、ダイアフラム2の外周縁領域部は、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスター筒部32の最下部)に接する部位までの長さが次の2つの条件を満たす。
(1)アジャスター筒部32の高さより長い。
(2)最下点にあるアジャスター3の垂直方向の上方には変位しない長さ以下。
アジャスター3の垂直方向の上方とは、アジャスター3のアジャスター天井部31の垂直方向の上方の円柱状の空間を示す。
アジャスター3が最下点にある状態で、ガス室の圧力は、大気圧と同じである。ガス排出口115を閉じ、ガス導入口114からガスを注入すれば、ガス室の圧力が上昇する。ガス室の圧力が所定の圧力に到達すると、ダイアフラム2がアジャスター3を押し上げ、アジャスター3が上昇を開始する。アジャスター3が最上点に到達するまで、ガス室に所定の圧力でガスを注入することができる。
図2を参照して、アジャスター3が最上点に到達した時点において、ガス室の圧力が、アジャスター3より上の空間の圧力よりも高いので、ダイアフラム2の円筒状部22の一部は、上部本体12の側壁122の内面に押し付けられる。また、ダイアフラム2の円筒状部22の一部は、アジャスター3のアジャスター筒部32の外周面に押し付けられる。このようにして、ダイアフラム2の水平方向への変形が規制される。
また、アジャスター3が最上点と最下点との間にある状態においても、同様に、ダイアフラム2の円筒状部22は、上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3のアジャスター筒部32の外周面に押し付けられる。このため、ダイアフラム2の水平方向への変形が規制される。ダイアフラム2が上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3のアジャスター筒部32の外周面のいずれとも接しない部分は、円環状の部分であり、ガス排出時においてアジャスター3の位置に係わらず、その面積および形状はほぼ一定である。本実施の形態においては、アジャスター筒部32の外径と、上部本体12の内径との差は、12cmとしている。上部本体12の内径を、3mとすれば、ダイアフラム2が上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3のアジャスター筒部32の外周面のいずれとも接しない部分の水平断面の面積は、アジャスター天井部31の面積の約18%である。
ガス室のガス排出時において、アジャスター3の重量がアジャスター天井部31に加わり、ガス室を加圧する。このため、ガスを排出するにしたがってガス室の体積が減少するにも係わらず、ガス室の圧力が変動するのを抑えることができる。
外周縁領域部の長さが上記条件(1)および(2)を満たすので、ダイアフラム2は、アジャスター3をホルダ本体1の内部で、最大でアジャスター3の高さの3倍の高さまで昇降可能に支持することができる。換言すれば、ダイアフラム2は、アジャスター3を、最大でアジャスター3の高さの2倍の距離まで移動させることができる。さらに、アジャスター3の位置に係わらず、ダイアフラム2の上部本体12の側壁112の内面とアジャスター筒部32の外周面のいずれにも接しない部分の面積および形状を一定にすることができる。
さらに、ダイアフラム2の中央領域部は、アジャスター筒部32の内周面およびアジャスター天井部33の下面に沿って配設されるので、ガス室としてアジャスター筒部32の内部空間を利用することができ、ガス室の最大容量をできるだけ大きくすることができる。
また、アジャスター3の重量はアジャスター天井部32によって支えられるので、ガス排出時にはアジャスター天井部32の全体でガス室を加圧する。このため、アジャスター3の位置に係わらず、ガス室を加圧する際の圧力の変動を少なくすることができる。
なお、第1の実施の形態において、後述する第3の実施の形態におけるガスホルダX2と同様に、上部本体12の上端寄りの適所に制御用ガス導入口124を設け、ガス室のガス排出時に、制御室の圧力がガス室の圧力よりも小さくなる範囲内で制御室を加圧するようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
図10は、第2の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。図10は、ガス排出時に後述するアジャスター3Aが最下点に到達した時点の状態を示す。図11は、第2の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。図11は、後述するアジャスター3Aが最上点に位置する状態を示す。図10および図11を参照して、第2の実施の形態におけるガスホルダX1は、ホルダ本体1と、ダイアフラム2Aと、アジャスター3Aと、を含む。第2の実施の形態におけるホルダ本体1は、第1の実施の形態におけるガスホルダXのホルダ本体1と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
アジャスター3Aは、円筒形のアジャスター筒部32Aおよびアジャスター天井部31Aを有する。アジャスター筒部32Aは、外径がホルダ本体1の筒状側壁の内径よりも小さく、ホルダ本体1の筒状側壁の内方側で昇降可能となるように、ダイアフラム2A上に支持される。アジャスター天井部31Aは、アジャスター筒部32Aと別体で、外形がアジャスター筒部32Aの内径より小さい円盤形状である。アジャスター天井部31Aおよびアジャスター筒部32Aは、例えば、金属製である。アジャスター天井部31Aは、アジャスター筒部32A内の空間で昇降可能となるようにダイアフラム2A上に支持される。したがって、アジャスター3Aおよびアジャスター天井部31Aそれぞれは、側壁112と側壁122とからなるホルダ本体1の筒状側壁の内方側で昇降可能である。
図12は、アジャスター筒部32Aの平面図である。図13は、図12のI−I線断面図である。図12および図13を参照して、アジャスター筒部32Aは、その内面に上下方向に延びる4つの誘導部321A〜321Dを有する。誘導部321A〜321Dは、アジャスター筒部32Aの内壁に配置され、上下方向の溝322A〜322Dをそれぞれ有する。また、誘導部321A〜321Dは、溝322A〜322Dの上端に溝を塞ぐ上部規制部323A〜323Dをそれぞれ有し、溝322A〜322Dの下端に溝を塞ぐ下部規制部324A〜324Dをそれぞれ有する。
図14は、アジャスター天井部の平面図である。アジャスター天井部31Aは、その外周に所定の間隔で配置され、外側に延びる突起部311A〜311Dを有する。突起部311A〜311D各々は、アジャスター筒部32Aが備える誘導部321A〜321Dにそれぞれ対応し、対応するものが有する溝322A〜322Dに摺動可能に係合する。また、誘導部321A〜321Dは、溝322A〜322Dの両端に溝を塞ぐ上部規制部323A〜323Dおよび下部規制部324A〜324Dを有するので、アジャスター天井部31Aは、アジャスター筒部32A内の空間内でのみ昇降可能となる。
図11および図12を再度参照して、ダイアフラム2Aは、鍔部21と、円筒状部22Aと、底部23Aとを有し、一連のシート状に形成されている。ダイアフラム2Aの材質および製法は、第1の実施の形態におけるダイアフラム2と同じである。
ダイアフラム2Aの鍔部21は、第1の実施の形態におけるガスホルダXと同様に、フランジ113とフランジ123との間に挟まれる。このため、ダイアフラム2Aは、下部本体11との間に気密性のガス室を区画生成する。なお、第2の実施の形態において、下部本体11と上部本体12とは、相互に密封状態にて固定される必要はない。上部本体12は、側壁122を有していればよく、天井壁121はなくてもよい。
ダイアフラム2Aの円筒状部22Aは、アジャスター3Aを支持する状態において、アジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの内側に位置する収縮部24を含む。収縮部24の外径は、アジャスター筒部32Aの内径よりも小さい。
収縮部24の縦方向に所定の間隔で、収縮部24の外周に沿って複数の補強リング241が配置される。複数の補強リング241は、ガス室の圧力が上昇した時点において、収縮部24の径方向の変形を規制する。複数の補強リング241は、加工が容易となるように、例えば、銅管とするのが好ましい。複数の補強リング241の数は、任意に定めることができる。ガス室の圧力が上昇した時点で、収縮部24の複数の補強リング241と接しない部分が径方向に膨張して変形した後の外形が、アジャスター筒部32Aの内径より小さくなるだけの数とする。ここでは、補強リング241を5つ設ける場合を例に説明する。
図15は、補強リングの一例を示す平面図のである。図15を参照して、補強リング241は、その外周に所定の間隔で配置され、外側に延びる突起部242A〜242Dを有する。突起部242A〜242D各々は、アジャスター筒部32Aが備える誘導部321A〜321Dにそれぞれ対応し、対応するものが有する溝322A〜322Dに摺動可能に係合する。また、誘導部321A〜321Dは、溝322A〜322Dの両端に溝を塞ぐ上部規制部323A〜323Dおよび下部規制部324A〜324Dを有するので、複数の補強リング241各々は、アジャスター筒部32A内の空間でのみ昇降可能となる。
再度、図11および図12を参照して、ダイアフラム2Aの底部23Aは、その上面がアジャスター天井部31Aの下面と接する。本実施の形態においては、ダイアフラム2Aの底部23Aを、アジャスター天井部31Aの下面に固定している。アジャスター3Aとダイアフラム2Aとの相対的な位置を固定するためである。例えば、ダイアフラム2Aの底部23Aの複数個所に接着材等で接続した複数のフランジを、アジャスター天井部31Aの下面の複数個所で、ボルト等で固定すればよい。また、ダイアフラム2Aの底部23Aを、アジャスター天井部31Aの下面に接着剤で接着するようにしてもよい。
ダイアフラム2Aの円筒状部22Aは、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター筒部32Aの最下部に接する部位までの長さがアジャスター筒部32Aの高さより長い。さらに、ダイアフラム2Aの円筒状部22Aは、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター筒部32Aの最下部に接する部位までの長さが、図10に示すように、ダイアフラム2Aが、最下点にあるアジャスター筒部32Aの最上部よりも下方にあるように定められる。
<アジャスターとダイアフラムとの位置関係>
ここで、アジャスター3Aおよびダイアフラム2Aとの位置関係を説明する。まず、図11を参照して、ガス排出時においてアジャスター3Aが重力によってホルダ本体1の底部に支えられる最下点に位置する状態を示している。この状態では、アジャスター天井部31Aおよび複数の補強リング241が重力によってアジャスター筒部32A内の最下点に位置する。アジャスター天井部31Aの下方に、複数の補強リング241が積み重なる状態である。
ダイアフラム2Aの円筒状部22Aは、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター筒部32Aの最下部に接する部位までの外周縁領域部を有する。第2の実施の形態においても、ダイアフラム2Aの外周縁領域部は、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター3の開口端部33(アジャスター筒部32の最下部)に接する部位までの長さが次の2つの条件を満たす。
(1)アジャスター筒部32の高さより長い。
(2)最下点にあるアジャスター3Aの垂直方向の上方には変位しない長さ以下。
このため第1の実施の形態におけるガスホルダXと同様に、ダイアフラム2Aの外周縁領域部の水平方向への変形が規制される。ダイアフラム2Aが上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの外周面のいずれとも接しない部分は、円環状の部分であり、ガス排出時においてアジャスター3Aの位置に係わらず、その面積および形状はほぼ一定である。
図11に示す状態で、ガス排出口115を閉じ、ガス導入口114からガスを注入すれば、ガス室の圧力が上昇する。ガス室の圧力が所定の圧力に到達すると、ダイアフラム2Aの収縮部24がアジャスター天井部31Aを押し上げ、アジャスター天井部31Aが上昇を開始する。本実施の形態において、アジャスター筒部32Aの重量は、アジャスター天井部31Aの重量と5つの補強リングの重量との総和よりも重い。このため、アジャスター筒部32Aが上昇する前に、アジャスター天井部31Aがアジャスター筒部32A内で最上点に到達する。
アジャスター筒部32Aは上部規制部323A〜323Dを有し、アジャスター天井部31Aが有する突起部311A〜311Dと係合し、アジャスター天井部31Aがアジャスター筒部32Aよりも上方に上昇するのを規制する。このため、ダイアフラム2Aの収縮部24が、アジャスター筒部22Aよりも外側へ変形しないようにすることができる。
さらに、ガス室の圧力が上昇して、所定の圧力に到達すると、次にダイアフラム2Aがアジャスター天井部31Aに加えてアジャスター筒部32Aを押し上げる。アジャスター筒部32Aが最上点に到達するまで、ガス室に所定の圧力でガスを注入することができる。
図11を参照して、アジャスター3Aが最上点に到達した時点において、ガス室の圧力が、アジャスター3Aより上の空間の圧力よりも高いので、ダイアフラム2Aの円筒状部22Aの一部は、上部本体12の側壁122の内面に押し付けられる。また、ダイアフラム2の円筒状部22Aの一部は、アジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの外周面に押し付けられる。このため、ダイアフラム2の水平方向への変形が規制される。
また、アジャスター3Aが最上点と最下点との間にある状態においても、同様に、ダイアフラム2Aの外周縁領域部は、上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの外周面に押し付けられる。このため、ダイアフラム2の水平方向への変形が規制される。ダイアフラム2が上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの外周面のいずれとも接しない部分は、円環状の部分であり、アジャスター3Aの位置に係わらず、その面積および形状はほぼ一定である。本実施の形態においては、アジャスター筒部32Aの外径と、上部本体12の内径との差は、30cmとしている。上部本体12の内径を、3mとすれば、ダイアフラム2Aが上部本体12の側壁122の内面またはアジャスター3Aのアジャスター筒部32Aの外周面のいずれとも接しない部分の水平断面の面積は、アジャスター天井部31Aの面積の約18%である。
アジャスター筒部32Aはアジャスター天井部31Aよりも重量が重いため、アジャスター筒部32Aが有する上部規制部323A〜323Dがアジャスター天井部31Aが有する突起部311A〜311Dと係合し、アジャスター天井部31Aがアジャスター筒部32Aを支え、アジャスター筒部32Aの重量がアジャスター天井部31Aに加わる。このため、ガス排出時のアジャスター筒部32Aが最下点に到達するまでの間は、アジャスター3Aの重量の全てがアジャスター天井部31Aに加わり、ガス室を加圧する。この間、収縮部24の径方向への変形は、複数の補強リング241によって規制されるので、収縮部24の外径がアジャスター筒部32Aの内径よりも小さい状態が維持される。ガス室を加圧する面積が一定なので、ガスを排出するにしたがってガス室の体積が減少するにも係わらず、ガス室の圧力が変動するのを抑えることができる。
さらに、アジャスター3Aのアジャスター筒部32Aが最下点に達すると、ダイアフラム2Aの円筒状部22Aの一部である収縮部24を、アジャスター天井部31Aが下方に圧縮する。このため、ダイアフラム2Aの収縮部24が収縮する。この間、収縮部24の径方向への変形は、複数の補強リング241によって規制されるので、収縮部24の外径がアジャスター筒部32Aの内径よりも小さい状態が維持される。このため、アジャスター天井部31Aの重量による圧力によって、収縮部24が収縮する。したがって、アジャスター筒部32Aが最下点に達した後に、ダイアフラム2Aの収縮部24の内部のガスを排出するにしたがってガス室の体積が減少するにも係わらず、ガス室の圧力が変動するのを抑えることができる。
アジャスター筒部32Aが最下点に到達する前は、アジャスター天井部31Aと、アジャスター筒部32Aと、複数の補強リング241との重量の総和でガス室を加圧する圧力が定まり、アジャスター筒部32Aが最下点に到達した後は、アジャスター天井部31Aと、複数の補強リング241との重量の総和でガス室を加圧する圧力が定まる。このため、ガス室を加圧する圧力は、アジャスター筒部32Aが最下点に到達する前後で異なるが、それぞれ一定にすることができる。
第2の実施の形態におけるガスホルダX1において、ダイアフラム2Aの外周縁領域部の長さが上記条件(1)および(2)を満たすので、ダイアフラム2Aは、アジャスター3Aをホルダ本体1の内部で、アジャスター3Aの高さの2倍の距離まで昇降可能に支持することができる。さらに、アジャスター3Aの位置に係わらず、ダイアフラム2Aの上部本体12の側壁112の内面とアジャスター筒部32の外周面のいずれにも接しない部分の面積および形状を一定にすることができる。
さらに、アジャスター筒部32Aはアジャスター天井部31Aよりも重量が重いため、アジャスター筒部32Aが有する上部規制部323A〜323Dがアジャスター天井部31Aが有する突起部311A〜311Dと係合し、アジャスター天井部31Aがアジャスター筒部32Aを支え、アジャスター筒部32Aの重量がアジャスター天井部31Aに加わり、アジャスター天井部32Aの全体でガス室を加圧する。このため、アジャスター筒部32Aが最下点に到達するまでは、アジャスター3の位置に係わらず、ガス室を加圧する際の圧力の変動を少なくすることができる。また、アジャスター筒部32Aが最下点に到達した後は、アジャスター天井部32Aの自重によってアジャスター天井部32Aの全体でガス室を加圧する。このため、アジャスター天井部32Aの位置に係わらず、ガス室を加圧する際の圧力の変動を少なくすることができ、ガス室のうちアジャスター筒部32Aの内部の部分に存在するガスを排出することができる。
なお、第2の実施の形態において、後述する第3の実施の形態におけるガスホルダX2と同様に、上部本体12の上端寄りの適所に制御用ガス導入口124を設け、ガス室のガス排出時に、制御室の圧力がガス室の圧力よりも小さくなる範囲内で制御室を加圧するようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
図16は、第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第1の縦断面図である。図16は、後述するアジャスター3が最上点に位置する状態を示す。図17は、第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第2の縦断面図である。図17は、ガス排出時に後述するアジャスター3が最下点に到達した時点の状態を示す。図16および図17を参照して、第3の実施の形態におけるガスホルダX2は、ホルダ本体1と、環状ダイアフラム2Bと、アジャスター3と、サブアジャスター5と、吊り下げ部材6と、を備えて構成されている。
ホルダ本体1は、下部本体11および上部本体12Aを有し、これらが一体に組み合わされることにより、円筒容器状をなしている。下部本体11は、円盤状の底壁111と、底壁111の外周縁から上向きに延びる円筒状の側壁112とを有する。側壁112の上端部の外周には円環状のフランジ113が一体的に設けられており、フランジ113には複数のボルト孔113aが形成されている。下部本体11の下端寄りの適所には、ガス導入口114およびガス排出口115が設けられている。上部本体12Aは、ドーム状の天井壁121と、天井壁121の周縁から下向きに延びる円筒状の側壁122とを有する。側壁122の下端部の外周には円環状のフランジ123が一体的に設けられており、フランジ123には、フランジ113のボルト孔113aに対応するボルト孔123aが形成されている。上部本体12Aの上端寄りの適所には、制御用ガス導入口124が設けられている。
フランジ113とフランジ123とは、これらの間に後述する環状ダイアフラム2Bの鍔部21を挟んだ状態にて、それぞれのボルト孔113a,123aに挿入されるボルト13によって接合される。これにより、下部本体11と上部本体12とは、相互に密封状態にて固定されている。なお、本実施形態では、側壁112の内径と側壁122の内径とが同一の設計寸法とされており、フランジ113,123が接合された状態において側壁112の内周面と側壁122の内周面とは上下方向において同一面状となっている。
アジャスター3は、例えば金属製であり、外径がホルダ本体1の筒状側壁の内径よりも小さいアジャスター筒部32、アジャスター天井部31及びアジャスター開口端部33を有する。アジャスター3は、アジャスター天井部31が上方を向き、アジャスター開口端部33が下方を向く方向で、ホルダ本体1の筒状側壁の内方側で昇降可能となるように配置される。
環状ダイアフラム2Bは、鍔部21と、円筒状部22と、を有し、円筒状部22は環状である。円筒状部22は、鍔部21の内周縁につながって延びており、鍔部21と反対側の内周縁端部がアジャスター3のアジャスター筒部32のアジャスター開口端部33側にシール部材37によって固定されている。このため、環状ダイアフラム2Bおよびアジャスター3によって、ホルダ本体1の内部空間が制御用ガス導入口124を含む制御室およびガス導入口114およびガス排出口115を含むガス室に区画される。環状ダイアフラム2Bは、ゴム布を用いて構成されており、可撓性を有する。鍔部21は、フランジ113,123に挟まれる部分であり、円環状とされている。本実施形態では、鍔部21の幅はフランジ113,123の幅よりも大とされている。
サブアジャスター5は、例えば金属製であり、筒状である。サブアジャスター5の外径は、アジャスター3のアジャスター筒部32の内径より小さい。サブアジャスター5は、その上部の径方向に横切る受軸51を有する。
サブアジャスター5の高さ寸法は、アジャスター3の高さ寸法より小さく、最上点位置に在るアジャスター3のアジャスター開口端部33と、環状ダイアフラム2Bがフランジ113,123に挟まれる部位との間の垂直方向の距離以上である。
吊り下げ部材6は、その一端がアジャスター3のアジャスター天井部31の下面にビス等で固定され、その他端がサブアジャスター5の受軸51の中心に接続されている。吊り下げ部材6の長さは、アジャスター3の高さよりも短い。これにより、吊り下げ部材6は、サブアジャスター5の上端の高さ方向の位置がアジャスター3のアジャスター開口端部33の高さ方向の位置と同じまたは上方となるように、サブアジャスター5を吊り下げる。このため、吊り下げ状態で、サブアジャスター5の少なくとも一部がアジャスター3より下方に位置し、かつ、サブアジャスター5の上端がアジャスター開口端部33と同じ高さかまたはアジャスター開口端部33より上方に位置する。また、吊り下げ部材6は、サブアジャスター5が最下点にあるときは、サブアジャスター5を吊り下げることなく、湾曲してアジャスター3の下降を妨げることがない。
<アジャスターとダイアフラムとの位置関係>
ここで、アジャスター3、サブアジャスター5および環状ダイアフラム2Bとの位置関係を説明する。まず、図17を参照して、ガスが未充填の状態では、アジャスター3およびサブアジャスター5が重力によって最下点にある。環状ダイアフラム2Bは、フランジ113,123に挟まれる部位からアジャスター筒部32のアジャスター開口端部33側にシール部材37によって固定される部位までの長さがアジャスター筒部32の高さより長い。このため、環状ダイアフラム2Bは、アジャスター3をホルダ本体1の内部でアジャスター3の高さの2倍の距離だけ昇降可能に支持する。
次に、制御用ガス導入口124を開放し、ガス排出口115を閉じ、ガス導入口114からガスを注入すれば、ガス室の圧力が上昇する。ガス室の圧力が所定の圧力に到達すると、アジャスター3が上昇を開始する。アジャスター3がサブアジャスターの高さまで上昇し、ガス室の圧力がサブアジャスター5の重量に相当するだけ上昇すると、サブアジャスター5が、アジャスター3とともに上昇を開始する。図16に示すように、アジャスター3が最上点に到達するまで、ガス室に所定の圧力でガスを注入することができる。
図16を参照して、アジャスター3が最上点に到達した時点において、ガス室の圧力が、アジャスター3より上の制御室の圧力よりも高いので、環状ダイアフラム2Bの一部は、上部本体12の側壁122の内面に押し付けられる。
この状態で、制御用ガス導入口124から制御用のガスを注入することにより、制御室の圧力が上昇し、制御室の圧力がガス室の圧力よりも高くなる。
図18は、第3の実施形態におけるガスホルダの概略構成を示す第3の縦断面図である。図18に示す状態は、制御室の圧力が、ガス室の圧力よりも高い状態を示す。図18を参照して、制御室の圧力がガス室の圧力よりも大きくなると、環状ダイアフラム2Bがサブアジャスター5の外壁に押し付けられる。
吊り下げ部材6は、サブアジャスター5の上端の高さ方向の位置がアジャスター3のアジャスター開口端部33の高さ方向の位置と同じまたは上方となるように、サブアジャスター5を吊り下げるので、吊り下げ状態で、サブアジャスター5の少なくとも一部がアジャスター3より下方に位置し、かつ、サブアジャスター5の上端がアジャスター開口端部33と同じ高さかまたはアジャスター開口端部33より上方に位置する。このため、環状ダイアフラム2Bの水平方向の変形を少なくすることができる。
サブアジャスター5の高さ寸法は、アジャスター3の高さ寸法より小さく、最上点位置に在るアジャスター3のアジャスター開口端部33と、環状ダイアフラム2Bがフランジ113,123に挟まれる部位との間の垂直方向の距離以上なので、制御室の圧力がガス室の圧力より高い状態、かつ、アジャスター3が最下点からサブピストン5の高さ以上の高さまで上昇した状態において、環状ダイアフラム2Bの一部がサブアジャスター5の外周面に接するので、環状ダイアフラム2Bの水平方向の変形を規制することができる。
図18に示す状態で、ガス導入口114を閉じ、ガス排出口115を解放すれば、ガス排出口115からガス室に蓄積されたガスが排出される。この際、制御用ガス導入口124から制御用のガスを注入する圧力を調整することにより、ガス排出口115から排出されるガスの圧力が一定となるように、制御することができる。
アジャスター3が最上点と最下点との間にある状態においては、アジャスター3が下降するに伴って、環状ダイアフラム2Bは、サブアジャスター5の外壁に押し付けられて接する部分が徐々に減少し、他の一部が下部本体11の側壁112の内面に押し付けられて接する部分が徐々に増加する。環状ダイアフラム2Bが下部本体11の側壁112の内面またはサブアジャスター5の外周面のいずれとも接しない部分は、円環状の部分であり、アジャスター3の位置に係わらず、その面積および形状はほぼ一定である。このため、アジャスター3が最上点と最下点との間にある状態において環状ダイアフラム2Bの水平方向の変形を少なくすることができるので、ガス室の圧力を一定に保つのが容易となる。
<上部本体と下部本体接続の変形例>
第1〜第3の実施の形態においては、上部本体12と下部本体11とを、それぞれが有するフランジ113とフランジ123とを、これらの間にダイアフラム2の鍔部21を挟んだ状態にて、それぞれのボルト孔113a,123aに挿入されるボルト13によって接合するようにした。変形例においては、上部本体12と下部本体11との接続に、フランジ113およびフランジ123を用いないようにしたものである。
図19は、上部本体および下部本体の接続部分を拡大して示す断面図である。図19を参照して、下部本体11と上部本体12との間に、断面がL字状で円環状の接続アングル19を含む。接続アングル19の一方の面にダイアフラム2が接続され、他方の面に上部本体12が接続される。さらに、接続アングル19の一方の面にダイアフラム2を接続するための円環上の固定用フランジ191を含む。固定用フランジ191と接続アングル19との間でダイアフラム2を挟むことにより、ガス室がシールされる。
具体的な製造方法は、下部本体11の側壁112の上に、断面がL字状で円環状の接続アングル19を溶接する。次に、接続アングル19の一方の面と、固定用フランジ191とでダイアフラム2を挟んでボルト193で固定する。この段階で、ガス室をシールする。このため、上部本体12を組み付ける前に、ガス室を形成することができるので、ガス室が密封されているか否かの検査を、上部本体12を組み付ける前の状態ですることができる。その結果、組み立て作業が容易になる。
次に、接続アングル19の他方の面に、上部本体12の側壁122をボルト192で固定する。なお、接続アングル19の他方の面と、上部本体12の側壁122との間に、ゴム等の弾性部材を挟むことにより、制御室を密封することができる。
変形例においては、上部本体12および下部本体11それぞれにフランジ113およびフランジ123を設けないようにしたので、ホルダ本体1の外径を、側壁122,112以下となるようにすることができる。
<第4の実施の形態>
図20は、第4の実施形態におけるガスホルダのガス未充填時の概略構成を示す縦断面図である。図21は、第4の実施形態におけるガスホルダのガス充填時の概略構成を示す縦断面図である。図20および図21を参照して、第4の実施の形態におけるガスホルダX3は、ホルダ本体1Aと、袋状ダイアフラム2Cと、加圧部3Bと、を備えて構成されている。
ホルダ本体1Aは、底部11Aおよび上部本体12Bを有し、これらが一体に組み合わされることにより、円筒容器状をなしている。上部本体12Bは、ドーム状の天井壁121Aと、天井壁121Aの周縁から下向きに延びる円筒状の側壁122Aとを有する。側壁122Aの下端部の外周は、底部11Aと、接続される。また、側壁122Aの下端寄りの適所には、後述するガス導入口28およびガス排出口29を貫通させるための穴を有する。ガス導入口28およびガス排出口29を貫通させるための穴は、外部からホルダ本体1A内部に空気が流入を防止するために封止されているのが好ましい。
なお、第4の実施の形態において、底部11Aおよび上部本体12Bとは、相互に密封状態にて固定される必要はない。上部本体12Bは、側壁122Aを有していればよく、天井壁121Aはなくてもよい。
加圧部3Bは、例えば金属製であり、外径がホルダ本体1Aの側壁122Aの内径よりも小さい円盤状である。加圧部3Bは、ホルダ本体1Aの側壁122Aの内方側で昇降可能となるように袋状ダイアフラム2C上に支持される。
袋状ダイアフラム2Cは、ゴム布を用いて構成されており、可撓性を有する。袋状ダイアフラム2Cは、底部23Cと、円筒状部22Cと、天井部21Cとを有し、円筒状のガス室を形成する。袋状ダイアフラム2Cの円筒状部22Cの外径は、上部本体12Bの側壁122Aの内径よりも小さい。袋状ダイアフラム2Cは、円筒状部22Cの下端寄りの適所には、ガス導入口28およびガス排出口29が設けられている。袋状ダイアフラム2Cの材質および製法は、第1の実施の形態におけるダイアフラム2と同様である。例えば、第1の実施の形態におけるダイアフラム2の円筒状部22および底部23が、本実施の形態における袋状ダイアフラム2Cの円筒状部22Cおよび天井部21Cに相当し、第1の実施の形態におけるダイアフラム2の鍔部21を、円盤状の底部23Cと、接着剤等で接着することにより、袋状ダイアフラム2Cを作成することができる。
袋状ダイアフラム2Cの円筒状部22Cの縦方向に所定の間隔で、円筒状部22Cの外周に沿って複数の補強リング251が配置される。複数の補強リング251は、ガス室の圧力が上昇した時点において、円筒状部22Cの径方向の変形を規制する。複数の補強リング251は、加工が容易となるように、例えば、銅管とするのが好ましい。複数の補強リング251の数は、任意に定めることができる。ガス室の圧力が上昇した時点で、円筒状部22Cの複数の補強リング251と接しない部分が径方向に膨張して変形した後の外形が、上部本体12Bの側壁122Aの内径より小さくなるだけの数とする。ここでは、補強リング251を7つ設ける場合を例に説明する。
図22は、図20のII−II線断面図である。図20〜図22を参照して、上部本体12Bは、側壁122Aの内面に上下方向に延びる4つの誘導部14A〜14Dを有する。誘導部14A〜14Dは、側壁122Aの内壁に配置され、上下方向の溝15A〜15Dをそれぞれ有する。また、誘導部14A〜14Dは、溝15A〜15Dの上端に上部規制部16A〜16Dをそれぞれ有し、溝15A〜15Dの下端に下部規制部17A〜17Dをそれぞれ有する。
図23は、加圧部の一例を示す平面図である。加圧部3Bは、その外周に所定の間隔で配置され、外側に延びる突起部38A〜38Dを有する。突起部38A〜38D各々は、上部本体12Bが備える誘導部14A〜14Dにそれぞれ対応し、対応するものが有する溝15A〜15Dに摺動可能に係合する。また、誘導部14A〜14Dは、溝15A〜15Dの両端に溝を塞ぐ上部規制部16A〜16Dおよび下部規制部17A〜17Dを有するので、加圧部3Bは、上部本体12B内の空間でのみ昇降可能となる。
図24は、補強リングの一例を示す平面図のである。図24を参照して、補強リング251は、その外周に所定の間隔で配置され、外側に延びる突起部252A〜252Dを有する。突起部252A〜252D各々は、上部本体12Bが備える誘導部14A〜14Dにそれぞれ対応し、対応するものが有する溝15A〜15Dに摺動可能に係合する。また、誘導部14A〜14Dは、溝15A〜15Dの両端に溝を塞ぐ上部規制部16A〜16Dおよび下部規制部17A〜17Dを有するので、補強リング251は、上部本体12B内の空間でのみ昇降可能となる。
再度、図20および図21を参照して、袋状ダイアフラム2Cの天井部21Cは、その上面が加圧部3Bの下面と接する。本実施の形態においては、袋状ダイアフラム2Cの天井部21Cを、加圧部3Bの下面に固定している。加圧部3Bと袋状ダイアフラム2Cとの相対的な位置を固定するためである。例えば、袋状ダイアフラム2Cの天井部21Cの複数個所に接着材等で接続した複数のフランジを、加圧部3Bの下面の複数個所で、ボルト等で固定すればよい。また、袋状ダイアフラム2Cの天井部21Cを、加圧部3Bの下面に接着剤で接着するようにしてもよい。
<アジャスターと袋状ダイアフラムとの位置関係>
ここで、加圧部3Bおよび袋状ダイアフラム2Cとの位置関係を説明する。まず、図20を参照して、ガスが未充填の状態では、加圧部3Bが重力によって最下点にある。この状態では、加圧部3Bおよび複数の補強リング251が重力によって上部本体12B内の最下点に位置する。加圧部3Bの下方に、複数の補強リング251が積み重なる状態である。 図20に示す状態で、ガス排出口29を閉じ、ガス導入口28からガスを注入すれば、ガス室の圧力が上昇する。ガス室の圧力が所定の圧力に到達すると、袋状ダイアフラム2Cが加圧部3Bを押し上げ、加圧部3Bが上死点に到達するまで、ガス室に所定の圧力でガスを注入することができる。
図21を参照して、加圧部3Bが最上点に到達した時点からガス室のガス排出時において、加圧部3Bの重量が天井部21Cに加わり、ガス室を加圧する。袋状ダイアフラム2Cは、複数の補強リング251によって部分的に径方向の変形が規制される。また、複数の補強リング251は、誘導部14A〜14Dによって、移動する方向が上下方向に規制される。このため、袋状ダイアフラム2Cの円筒状部22Cは、補強リング251の部分で水平方向への変形が規制されて上下方向に収縮する。また、袋状ダイアフラム2Cの変形が上下方向に規制されるので、加圧部3Bが袋状ダイアフラム2Cの天井部21Cに加える力の方向の変動を防止することができる。このため、ガスを排出するにしたがってガス室の体積が減少するにも係わらず、ガス室の圧力が変動するのを抑えることができる。
第4の実施の形態におけるガスホルダX3において、上部本体12Bは、袋状ダイアフラム2Cを覆うので、袋状ダイアフラム2Cが風雨の影響を受けないようにすることができ、ガスホルダX3を屋外に設置することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記誘導部は、その上方に、前記天井部の上昇を規制する規制手段を含む、請求項7に記載のガスホルダ。
X、X1〜X3 ガスホルダ、1,1A ホルダ本体、2 ダイアフラム、2B 環状ダイアフラム、2C 袋状ダイアフラム、3,3A アジャスター、3B 加圧部、4 ゴム布シート、5 サブアジャスター、6 吊り下げ部材、11 下部本体、11A 底部、12,12A,12B 上部本体、13 ボルト、14A〜14D 誘導部、15A〜15D 溝、16A〜16D 上部規制部、17A〜17D 下部規制部、19 接続アングル、111 底壁、112 側壁、113,123 フランジ、113a,123a ボルト孔、114 ガス導入口、115 ガス排出口、121,121A 天井壁、122,112,122A 側壁、123 フランジ、123a ボルト孔、124 制御用ガス導入口、191 固定用フランジ、21 鍔部、21C 天井部、22,22A,22C 円筒状部、23,23A,23C 底部、24 収縮部、241,251 補強リング、242A〜242D,252A〜252D 突起部、28 ガス導入口、29 ガス排出口、31,31A アジャスター天井部、32,32A アジャスター筒部、33 アジャスター開口端部、37 シール部材、38A〜38D 突起部、311A〜311D 突起部、321A〜321D 誘導部、322A〜322D 溝、323A〜323D 上部規制部、324A〜324D 下部規制部。

Claims (8)

  1. 筒状側壁、底壁および少なくとも一つのガス出入口部を有する容器本体と、
    前記容器本体の前記筒状側壁に周縁端部が固定され、前記筒状側壁および前記底壁との間に前記ガス出入口部を含むガス室を区画形成する可撓性のダイアフラムと、
    前記容器本体内部で昇降可能に、前記ダイアフラム上に支持されるアジャスターと、を備え、
    前記アジャスターは、外径が前記筒状側壁の内径よりも小さいアジャスター筒部、アジャスター天井部及びアジャスター開口端部を有し、前記アジャスター天井部が上方を向き前記アジャスター開口端部が下方を向くように前記ダイアフラム上に支持され、
    前記筒状側壁に固定される部位から前記アジャスターを支持する部位までのダイアフラムの外周縁領域部は、前記アジャスターの垂直方向の上方には変位しない大きさに設定され、前記ガス室の圧力が外部の圧力より大きい状態において、前記外周縁領域部のうち前記筒状側壁と前記アジャスター筒部のいずれにも接しない部分が前記アジャスターの移動に伴って前記外周縁領域部内で移動する、ガスホルダ。
  2. 前記アジャスター天井部は、前記アジャスターの最上点である、請求項1に記載のガスホルダ。
  3. 前記アジャスターの前記アジャスター開口端部よりも内方側に存在する前記ダイアフラムの中央領域部は、前記アジャスター筒部の内方に配設される、請求項1または2に記載のガスホルダ。
  4. 前記外周縁領域部の前記筒状側壁に固定される部位から前記アジャスターを支持する部位までの長さは、前記アジャスター筒部の高さより長い、請求項1〜3のいずれかに記載のガスホルダ。
  5. 前記アジャスター天井部と前記アジャスター筒部とは別体をなし、
    前記アジャスター天井部の直径は前記アジャスター筒部の内径よりも小さく、前記アジャスター天井部は、前記アジャスター筒部内部の空間で昇降可能に前記ダイアフラム上に支持され、
    前記アジャスターの前記アジャスター開口端部よりも内方側に存在する前記ダイアフラムの中央領域部は、前記アジャスター筒部の内方で、前記アジャスター天井部の下面に沿って配設される、請求項1〜4のいずれかに記載のガスホルダ。
  6. 前記アジャスター筒部は、その上方部に、前記アジャスター天井部の上昇を規制する規制手段を含む、請求項5に記載のガスホルダ。
  7. 制御用流体の導入口部を上方側に有するとともに少なくとも一つのガス出入口部を下方側に有する密閉容器本体と、
    アジャスター筒部、アジャスター天井部およびアジャスター開口端部を有し、前記アジャスター天井部が上方を向き前記アジャスター開口端部が下方を向くように前記密閉容器本体内に昇降可能に配設されたアジャスターと、
    外周縁端部が前記密閉容器本体の側壁に固定され、内周縁端部が前記アジャスターのアジャスター開口端部に固定された可撓性の環状ダイアフラムと、
    外径が前記アジャスターの内径よりも小さい筒状のサブアジャスターと、
    前記アジャスターの前記アジャスター天井部に一端が固定され、前記サブアジャスターに他端が固定され、所定の長さを有し、湾曲可能な吊り下げ部材と、を備え、
    前記アジャスターおよび前記環状ダイアフラムによって前記密閉容器本体の内部空間が前記導入口部を含む制御室および前記ガス出入口部を含むガス室に区画され、
    前記環状ダイアフラムは、前記アジャスターの垂直方向の上方には変位しない大きさに設定されており、前記ガス室の圧力が前記制御室の圧力より大きい状態において、前記環状ダイアフラムが前記筒状側壁と前記アジャスター筒部のいずれにも接しない部分が前記アジャスターの移動に伴って前記環状ダイアフラム内で移動し
    前記サブアジャスターの高さ寸法は、最上点位置に在る前記アジャスターの前記アジャスター開口端部と前記環状ダイアフラムが前記密閉容器本体に固定される部位との垂直方向の距離以上であり、
    吊り下げ状態で、前記サブアジャスターの少なくとも一部が前記アジャスターの下端より前記アジャスターの下方に位置し、かつ、前記サブアジャスターの上端が前記アジャスター開口端部と同じ高さかまたは前記アジャスター開口端部より上方に位置し、前記ガス室の圧力が前記制御室の圧力より小さい状態において、前記サブアジャスターが最下点でない間は、前記環状ダイアフラムの前記筒状側壁と前記サブアジャスターとのいずれにも接しない部分が前記アジャスターの移動に伴って前記環状ダイアフラム内で移動する、ガスホルダ。
  8. 筒状側壁を有する容器本体と、
    前記筒状側壁の内側に配置され、上下方向の溝を有する誘導部と、
    円筒状部、底部および天井部を有し、内部にガス室を形成する可撓性の袋状ダイアフラムと、
    前記袋状ダイアフラムの上下方向に所定の間隔で前記円筒状部の外周を囲む複数の補強リングと、
    前記複数の補強リング各々に設けられ、前記誘導部の溝に沿って摺動可能に係合する突起部と、
    外径が前記筒状側壁の内径よりも小さい円盤状で、その下面が前記袋状ダイアフラムの前記天井部の上面全体に支持される加圧部と、を備え、
    前記袋状ダイアフラムは、前記ガス室にガスを注入または前記ガス室からガスを排出するためのガス出入口部を含む、ガスホルダ。
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