JP5925680B2 - キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用 - Google Patents

キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5925680B2
JP5925680B2 JP2012527843A JP2012527843A JP5925680B2 JP 5925680 B2 JP5925680 B2 JP 5925680B2 JP 2012527843 A JP2012527843 A JP 2012527843A JP 2012527843 A JP2012527843 A JP 2012527843A JP 5925680 B2 JP5925680 B2 JP 5925680B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
mmol
stirred
added
pyrido
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012527843A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013503859A (ja
Inventor
ジェフリー ブルース スマイル
ジェフリー ブルース スマイル
アダム フォルン パターソン
アダム フォルン パターソン
グオ−リャン ルー
グオ−リャン ルー
ホー フアット リー
ホー フアット リー
アミル アショールザデー
アミル アショールザデー
ロバート フォーブス アンダーソン
ロバート フォーブス アンダーソン
ウィリアム ロバート ウィルソン
ウィリアム ロバート ウィルソン
ウィリアム アレキサンダー デニー
ウィリアム アレキサンダー デニー
ファイ−リン スー
ファイ−リン スー
アンドレイ マロース
アンドレイ マロース
ステファン マイケル フレイザー ジャミーソン
ステファン マイケル フレイザー ジャミーソン
アレクサンドラ マリー マウディ
アレクサンドラ マリー マウディ
ケンダル マリー カーリン
ケンダル マリー カーリン
Original Assignee
オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド
オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド, オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド filed Critical オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド
Publication of JP2013503859A publication Critical patent/JP2013503859A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5925680B2 publication Critical patent/JP5925680B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • A61P19/10Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease for osteoporosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、キナーゼインヒビター、キナーゼインヒビターのプロドラッグ型、それらを含む組成物および医薬、ならびにこのようなインヒビター、組成物および医薬の調製および使用のためのプロセスに関する。
キナーゼ類は、タンパク質、脂質および代謝物のリン酸化を触媒し、かつ広範な種々の細胞過程の調節において中心的な役割を果たす酵素の大きな一群である。異常なキナーゼ活性は、癌を含めて広範な種々の障害に関連している。これによって、治療剤としてのキナーゼインヒビターの開発が導かれる。
本発明は一般に、キナーゼインヒビターとしての活性を有する化合物であって、それらのプロドラッグ型を含む化合物、およびこのような化合物の治療における適用を提供することを課題とする。
第一の態様では、本発明は、式I:
Figure 0005925680

[式中、以下のいずれか:
(1)RはHであり、かつ
(a)Rは、(3−クロロベンジル)オキシ−であり、かつRはクロロであるか;
(b)RおよびRは、それらが結合される炭素原子と一緒になって、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成するか;
(c)Rは、2−ピリジニルメトキシであり、かつRはクロロであるか;
(d)RおよびRは両方ともクロロであるか;
(e)Rはクロロであり、かつRはブロモであるか;
(f)RおよびRは両方ともブロモであるか;
(g)Rはフルオロであり、かつRはエチニルであるか;
(h)Rはクロロであり、かつRはエチニルであるか;
(i)Rはブロモであり、かつRはエチニルであるか;
(j)Rが4位のRと組み合わせて3位にある場合以外は、Rはブロモであり、かつRはフルオロであるか;
(k)Rは2−ピリジニルメトキシであり、かつRはフルオロであるか;または
(l)Rは2−ピリジニルメトキシであり、かつRはブロモであるか;あるいは
(2)R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、ベンジルオキシ、3−クロロベンジルオキシおよび2−ピリジニルメトキシから選択され、かつR、RおよびRのうちの少なくとも1つが、ベンジルオキシでも、3−クロロベンジルオキシでも、もしくは2−ピリジニルメトキシでもない場合、他の各々は独立して、H、ハロゲンおよびC−Cアルキニルから選択され、ただし、R、RおよびRのうちの1つがベンジルオキシもしくは2−ピリジニルメトキシである場合、R、RおよびRのうちの他の2つはHではないか;あるいは
(3)R、RおよびRのうちの2つは、それらが結合される炭素原子と一緒になって、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成し;かつその他は、H、ハロゲンおよびC−Cアルキニルから選択される]
で表されるキナーゼインヒビターあるいはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、式IA:
Figure 0005925680

[式中、RはHであり、かつ以下のいずれか:
(a)Rが(3−クロロベンジル)オキシ−であり、かつRがクロロであるか;
(b)RおよびRが、それらが結合される炭素原子と一緒になって、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾールを形成するか;
(c)Rが、2−ピリジニルメトキシであり、かつRはクロロであるか;
(d)RおよびRが両方ともクロロであるか;
(e)Rがクロロであり、かつRがブロモであるか;
(f)Rがブロモであり、かつRがクロロであるか、
(g)RおよびRが両方ともブロモであるか;
(h)Rがフルオロであり、かつRがエチニルであるか;
(i)Rがクロロであり、かつRがエチニルであるか;
(j)Rがブロモであり、かつRがエチニルであるか;
(k)Rがブロモであり、かつRがフルオロであるか;
(l)Rが2−ピリジニルメトキシであり、かつRがフルオロであるか;または
(m)Rが2−ピリジニルメトキシであり、かつRがブロモである]のキナーゼインヒビター、
ならびに、その薬学的に許容される塩および溶媒和物を提供する。
好ましくは、このキナーゼインヒビターは、以下:
(2E)−N−(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(1)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−2−ブテンアミド(2)、
(2E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(3)、
(2E)−N−[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(4)、
(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(5)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(6)、
(2E)−N−[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(7)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−ブテンアミド(8)、
(2E)−N−[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(9)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(10)、
(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(11)、
(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−{4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−2−ブテンアミド(89)および
(2E)−N−{4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(90);
ならびにその薬学的に許容される塩および水和物から選択される。
上記列挙の化合物の構造は以下である:
Figure 0005925680

別の態様では、本発明は、上記のような式Iのキナーゼインヒビター、またはその塩もしくは溶媒和物の、医薬の調製における用途を提供する。
1つの好ましい実施形態では、この医薬は、プロドラッグであり、かつ式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、還元性トリガーに連結されている。
なおさらなる態様では、本発明は、上記のような式Iのキナーゼインヒビター、またはその塩もしくは溶媒和物と、このキナーゼインヒビターの窒素に対して直接または間接的に連結された還元性トリガーとを備える、還元性プロドラッグを提供する。
特定の実施形態では、この還元性トリガーは式II:
Figure 0005925680

[式中、*が、上記キナーゼインヒビターの窒素に対する結合ポイントであり、かつ式IIでは、Rが、C−Cアルキルから選択され、かつRがH、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONHおよびプロピン−1−イルから選択される]のものである。
特定の実施形態では、この還元性トリガーは、式IIa〜IIg:
Figure 0005925680

からなる群より選択される。
特定の実施形態では、Rは、メチル、エチルおよびプロピル、好ましくはメチルから選択される。
特定の好ましい実施形態では、この還元性トリガーは、式IIaのものであり、ここでRは、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。
最も好ましくは、この還元性トリガーは、式IIaのものであり、ここでRは、メチルから選択される。
1つの実施形態では、上記プロドラッグは、式III:
Figure 0005925680

[式中、Xは、任意の負に荷電された対イオンであり、R、RおよびRは式Iについて定義されており、Rは、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONHおよびプロピン−1−イルから選択され、かつRはC−Cアルキルである]の化合物である。
特定の実施形態では、上記プロドラッグは、式IIIA:
Figure 0005925680

[式中、Xは、任意の負に荷電された対イオンであり、R、RおよびRは式Iについて定義されており、かつRは、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONHおよびプロピン−1−イルから選択される]の化合物である。
さらに別の実施形態では、上記プロドラッグは、式IIIB:
Figure 0005925680

[式中、Xは、任意の負に荷電された対イオンであり、R、RおよびRは式IAについて定義されており、かつRは、H、メチル、エチル、トリフルオロメチル、−CN、−CONHおよびプロピン−1−イルから選択される]の化合物である。
好ましい実施形態では、Xは、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トシレート、乳酸塩、クエン酸塩およびギ酸塩から選択される。
さらに好ましくは、Xはハロゲン化物であり、臭化物が最も好ましい。
好ましくは式IIIの化合物は以下:
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(12)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(13)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(14)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(15)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(16)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(17)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(18)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(19)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(20)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(21)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(22)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(23)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(24)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(25)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(26)、
(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(27)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(28)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(29)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(30)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(31)、
(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(32)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(33)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(34)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(35)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(36)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(37)、
(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(38)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(39)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(40)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(41)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(42)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(43)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(44)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(45)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(46)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(47)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(48)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(49)、
(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(50)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(51)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(52)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(53)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(54)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(55)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(56)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(57)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(58)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(59)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(60)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(61)、
(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(62)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(63)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(64)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(65)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(66)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(67)、
(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(68)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(69)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(70)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(71)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(72)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(73)、
(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(74)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(75)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(76)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(77)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(78)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(79)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(80)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(81)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(82)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(83)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(84)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(85)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(86)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(87)、
(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(88)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(91)、
(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(92)、
(2E)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(93)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(94)、
(2E)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(95)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(96)、
(2E)−4−({4−[3−フルオロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(97)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(98)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(99)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(100)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(101)、
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N−[(2−シアノ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(102)、
(2E)−N−{[2−(アミノカルボニル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(103)および
(2E)−4−({4−[3−ブロモ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−{[1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メチル}−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(104)から選択される。
上記列挙のプロドラッグ化合物の構造は以下である:
Figure 0005925680
Figure 0005925680
Figure 0005925680
Figure 0005925680
Figure 0005925680
Figure 0005925680
Figure 0005925680

なお、さらなる態様では、本発明は、治療における用途のための、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
なお、別の態様では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤もしくは希釈剤と組み合わせて、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む薬学的組成物を提供する。
なお、さらなる態様では、本発明は、そのような治療の必要な患者に対して、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の治療上有効な量を投与する工程を包含する、治療の方法を提供する。
好ましくは、治療の方法は、癌の治療である。
なお、さらなる態様では、本発明は、被験体に対して、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の阻害量を投与する工程を包含する、被験体内のキナーゼ活性を阻害する方法を提供する。
好ましくは、キナーゼ活性のこのような阻害は、抗癌目的を含む治療目的のためにある。
別の態様では、本発明は、ヒトのような温血動物において抗癌効果を生じるための方法を提供し、ここでこの方法は、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量をこの動物に対して投与する工程を包含する。
さらなる態様では、本発明は、細胞において抗癌効果を生じるための方法を提供し、ここでこの方法は、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量とこの細胞とを接触させる工程を包含する。
さらなる態様では、本発明は、ヒトのような温血動物における癌の処置のための方法を提供し、この方法は、上記のような式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物、上記のような還元性プロドラッグ、あるいは上記のような式IIIの化合物またはその塩もしくは溶媒和物の有効量をこの動物に対して投与する工程を包含する。
本発明は、上記のように広範であるが、本発明は、それに限定されるものではなく、また以下の詳細な説明が実施例を提供している実施形態を包含する。
本発明はここで、添付の図面を参照してさらに詳細に記載される。
図1はキナーゼインヒビター1、2、3によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図2はキナーゼインヒビター4、5によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図3はキナーゼインヒビター7、8によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3−4)。 図4はキナーゼインヒビター5、6、9によるq3d×4処置後のA431腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図5はプロドラッグ12、13、15によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図6はプロドラッグ16、17によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図7はプロドラッグ19、20によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3−4)。 図8はプロドラッグ17、18、21によるq3d×4処置後のA431腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図9はプロドラッグ15およびその同族のキナーゼインヒビター3によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図10はプロドラッグ17およびその同族のキナーゼインヒビター5によるq3d×4処置後のH1975腫瘍増殖の中央値(A)および平均値(B)を示す(n=3)。 図11はプロドラッグ17によるq3d×4、q5d×4およびq7d×4投与スケジュールでの処置後のH1975腫瘍増殖の中央値を示す(n=3)。 図12はある範囲の濃度の化合物3での1時間の処置後のインタクトなA431細胞におけるerbB1(EGFR)自己リン酸化およびp44/42MAPK(Erk1/2)リン酸化の阻害を示す。 図13はある範囲の濃度の化合物5での1時間の処置後のインタクトなA431細胞におけるerbB1(EGFR)自己リン酸化およびp44/42MAPK(Erk1/2)リン酸化の阻害を示す。 図14はある範囲の濃度の化合物6での1時間の処置後のインタクトなA431細胞におけるerbB1(EGFR)自己リン酸化およびp44/42MAPK(Erk1/2)リン酸化の阻害を示す。 図15はある範囲の濃度のプロドラッグ15での1時間の処置後のインタクトなA431細胞におけるerbB1(EGFR)自己リン酸化およびp44/42MAPK(Erk1/2)リン酸化の阻害を示す。 図16はある範囲の濃度のプロドラッグ15および化合物3での1時間の処置後のインタクトなA431細胞におけるerbB1(EGFR)自己リン酸化の相対的な(βアクチン補正した)阻害のバンドデンシトメトリー分析のグラフプロットである。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において用いる場合、「アルキル」および「アルキニル」という用語は、別段特定しない限り、直鎖および分岐鎖の基、ならびに未置換基および置換基を包含する。任意の置換基としては、限定するものではないが、ハロゲン、C−Cアルコキシ、CN、OH、NH、NO、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)、CONH、CO(C−Cアルキル)、SONHおよびSO(C−Cアルキル)を挙げることができる。
「抗癌効果」としては限定するものではないが、抗腫瘍効果、奏功率、疾患増悪時間、および生存率が挙げられる。「抗腫瘍」効果としては、限定するものではないが、腫瘍増殖の阻害、腫瘍増殖遅延、腫瘍の退行、腫瘍の退縮、処置の中止に対して腫瘍が再増殖する時間の延長、および疾患増悪の減速が挙げられる。
「有効量」とは、癌を処置するために被験体に投与された場合、その癌にこのような処置を発揮するのに十分な化合物の量を意味する。「有効量」とは、処置されるべき癌、投与される化合物、処置される癌の重篤度、被験体の年齢および相対的健康度、投与の経路および形態、その処置が単独療法かまたは併用療法か、担当臨床医の判断、およびその他の要因に依存して変化する。
「薬学的に許容される」とは、それが薬学的組成物を調製するのに有用であって、その組成物が一般に安全で、非毒性でかつ、生物学的に望ましくないこともなく、その他でも望ましくないこともないことを意味し、かつ獣医学の用途およびヒトの薬学的な用途について受容可能であることを包含する。
ある化合物の「薬学的に許容される塩」とは、本明細書に定義されるような薬学的に許容される塩であって、親の化合物の所望の薬理学的活性を保有する塩を意味する。
このような塩としては以下が挙げられる:
無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成されるか;または、有機酸、例えば、酢酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸などと形成される、酸付加塩;あるいは
親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンで置換されるか;または有機塩基もしくは無機塩基と結合する場合に形成される塩。許容される有機塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。許容される無機の塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。
「温血動物」とは、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種、家畜、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタ;ペット、例えば、ウサギ、イヌおよびネコ;実験用動物、例としては、げっ歯類、例えば、ラット、マウスおよびモルモットなどを含む哺乳動物の分類の任意のメンバーを意味する。
本発明の化合物
上記で定義されるとおり、広義では、本発明は、キナーゼインヒビターとして有用な化合物に関する。このような化合物は治療に適用を有する。
一実施形態では、本発明の化合物は、式Iの4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジン不可逆性のerbB1、2、4キナーゼインヒビターである。
別の実施形態では、この化合物は、式Iのキナーゼインヒビターおよび還元性トリガーを含む。この還元性トリガーは、還元された場合、断片化する。好ましくはこのトリガーのフラグメンテーションは、一電子還元レベルで生じ、かつ酸素の存在によって効果的に抑制され、それによって低酸素環境における選択的活性化が得られる。酸素によるこの抑制は、酸素による一電子ラジカルの再酸化を通じて、またはプロドラッグ還元に必要な還元性中間体の酸化によって生じ得る。後者は、例えば、水和電子などの放射線誘発性還元性ラジカルの酸素によるスカベンジング、またはリダクターゼ酵素の触媒回路における還元性中間体の酸化を包含する。トリガーを還元するために必要な還元等価物は、酵素、放射線誘発性ラジカルまたは化学的還元剤によって提供され得る。
好ましい形態では、トリガーは、還元的に活性化された芳香族ニトロ複素環または芳香族ニトロ炭素環トリガーであって、四級窒素が形成されるように式Iの化合物の四級化可能窒素に対して直接連結される。しかし、トリガーは、上記の式IIの構造を有することが特に好ましい。
このような実施形態では、この化合物は、プロドラッグとして作用し、トリガーの還元は、キナーゼインヒビターを遊離する。本発明の化合物のプロドラッグ型は、上記のような式IIIのものであることが現在、最も好ましい。
本発明の化合物の治療適用
本発明の化合物は、キナーゼの活性の阻害が所望される任意の治療アプローチで適用を有する。従って、本発明は、疾患、例えば、哺乳動物における過剰増殖性、炎症性および血管形成の障害、ならびに骨粗鬆症を、本発明の化合物または本発明の1つ以上の化合物を含む薬学的組成物を投与することによって処置および予防するための方法に関する。
本発明は特に、癌および他の過剰増殖性の障害を、単独療法として単独であろうと、または第二の抗増殖剤と組み合わせようと、本発明の化合物または本発明の1つ以上の化合物を含む薬学的組成物を投与することによって、処置または予防する方法に関する。
投与され得る任意の抗増殖性剤としては限定するものではないが、本明細書に援用される、Merck Index(2006)の第14版の癌化学療法薬物レジメンに列挙される化合物、例えば、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、コラスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エピルビシン、エトポシド、5−フロロウラシル、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシウレア、イフォスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、ロムスチン、メクロレサミン、6−メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシンC、ミトキサントロン、プレドニソロン、プレドニソン、プロカルバジン、ラノキシフェン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシンが挙げられる。
追加の抗増殖性剤としては、平行な経路を調節する他の分子標的剤、例えば、MEK1/2インヒビター類、AKTインヒビター類およびmTORインヒビター類、モノクローナル抗体類、オキサプラチン、ゲムシタビン、ゲフィニチブ、タキソテール、ara A、ara C、ハーセプチン、BCNU、CCNU、DTIC、およびアクチノマイシンDが挙げられる。なおさらなる抗増殖性剤としては限定するものではないが、本明細書に援用される、Goodman and Gilman’s The Pharmacologial Basis of Therapeutics(第11版),編集Molinoffら,出版McGraw−Hill,1225〜1287頁(2006)の新生物疾患の処置に用いられることが公知の化合物、例えば、アミノグルテチミド、L−アスパラギナーゼ、アザチオプリン、5−アザシチジン、クラドリビン、ブスルファン、ジエチルスチルベストロール、2’,2’−ジフロロデオキシシチジン、ドセタキセル、エリスロヒドロキシノニルアデニン、エチニルエストラジオール、5−フロロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジンモノリン酸、リン酸フルダラビン、フルオキシメステロン、フルタミド、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、イダルビシン、インターフェロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲステロールアセテート、メルファラン、ミトタン、パクリタクセル、ペントスタチン、N−ホスフォノアセチル−L−アスパルテート(PALA)、プリカマイシン、セムスチン、テニポシド、テストステロンプロピオネート、チオテパ、トリメチルメラミン、ウリジン、およびビノレルビンが挙げられる。
本明細書において用いられる癌および過剰増殖性障害としては限定するものではないが、固形腫瘍、例えば、乳房、呼吸管、脳、生殖器、消化管、泌尿管、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、上皮小体の癌およびそれらの遠隔転移が挙げられる。これらの障害としては、リンパ腫、肉腫および白血病も挙げられる。
乳癌の例としては、限定するものではないが、浸襲性腺管癌、浸襲性小葉癌、非浸潤性乳管癌および非浸潤性小葉癌が挙げられる。
呼吸器官の癌の例としては、限定するものではないが、小細胞および非小細胞の肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が挙げられる。
脳腫瘍の例としては、限定するものではないが、脳幹および視床下部の膠腫(グリオーマ)、小脳および大脳の星細胞腫、髄芽腫、上衣細胞腫、ならびに神経外胚葉性腫瘍および松果体腫瘍が挙げられる。
男性生殖器の腫瘍としては、限定するものではないが、前立腺および精巣の癌が挙げられる。
女性生殖器の腫瘍としては、限定するものではないが、子宮内膜、頸管、卵巣、膣、および外陰部の癌、ならびに子宮肉腫が挙げられる。
消化器官の腫瘍としては、限定するものではないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆のう、胃、膵臓、直腸、小腸、および唾液腺の癌が挙げられる。
泌尿器の腫瘍としては、限定するものではないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎孟、尿管および尿道の癌が挙げられる。
眼の癌としては、限定するものではないが、眼内メラノーマおよび網膜芽腫が挙げられる。
肝臓癌の例としては、限定するものではないが、肝細胞の癌(線維層板型変種ありなしの肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および混合肝細胞胆管癌が挙げられる。
皮膚癌としては、限定するものではないが、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色種、メルケル皮膚癌、および非黒色腫皮膚癌が挙げられる。
頭頸部癌としては、限定するものではないが、咽頭部/下咽頭/鼻咽頭/口腔咽頭の癌、ならびに唇および口腔の癌が挙げられる。リンパ腫としては、限定するものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられる。
肉腫としては、限定するものではないが、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられる。白血病としては、限定するものではないが、急性骨髄白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、およびヘアリー細胞白血病が挙げられる。
これらの障害は、ヒトにおいて十分特徴付けられているが、また、他の温血動物において同様な病因をもって存在し、本発明の薬学的組成物によって処置することができる。
本発明の化合物を投与することによって処置され得るヒトまたは他の温血動物の状態としては、腫瘍増殖、網膜症、例としては糖尿病性網膜症、虚血性網膜−静脈閉塞、未熟児網膜症および加齢性黄斑変性症;乾癬、または表皮下水疱形成に関連する水疱性障害、例としては、水疱性類天疱瘡、多形性紅斑、または疱疹状皮膚炎、関節リウマチ、変形性関節症、敗血症性関節炎、腫瘍転移、歯周病、角膜潰瘍、タンパク尿、アテローム斑由来の冠状動脈血栓、大動脈瘤、栄養障害型表皮水疱症、外傷性関節損傷後の変性軟骨損失、MMP活性によって媒介される骨減少症、顎関節疾患または神経系の脱髄性疾患が挙げられる。
治療の特定の方法は、選択された投与経路を使用し、この投与経路は、種々の要因(その全てが慣用的に治療剤を投与する場合に考えられる)に依存するということが当業者によって理解される。処置の最適のコース、すなわち、処置の方式および既定の日数間に与えられる本発明の化合物の1日投薬回数は、従来の処置試験を用いて当業者によって究明できることが当業者によってさらに理解される。
治療の投薬量は、1日あたり1mg〜3000mgの範囲である可能性が高い。任意の特定の患者について選択される特定の投与量レベルは、種々の要因、例としては、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康度、性別、食餌、投与時間、投与経路、および排出速度、薬物の併用、および治療背景にある病態の重篤度に依存する。
本発明の化合物の薬学的組成物
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を包含する。
この化合物は、経口的に、局所的に、非経口的に、吸入もしくは噴霧によって、または直腸的に、投与単位製剤で投与され得る。「注射による投与」という用語は、静脈内、筋肉内、皮下および非経口の注射、ならびに注入技術の使用を包含する。1つ以上の化合物が、1つ以上の非毒性の薬学的に許容される担体および必要に応じて他の活性成分と会合して存在してもよい。
経口投与を意図した組成物は、薬学的組成物の製造に関して当該分野で公知の任意の適切な方法に従って調製され得る。このような組成物は、口当たりのよい調製物を提供するために、希釈剤、甘味料、芳香剤、着色料および防腐剤からなる群より選択される1つ以上の剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適切である、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性の希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;ならびに結合剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石であってもよい。錠剤は、コーティングされなくてもよいし、またはそれらを、公知の技術によってコーティングして、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続的な作用を得てもよい。例えば、時間遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを使用してもよい。これらの化合物はまた、固体中で、急速放出型で調製されてもよい。
経口使用のための製剤はまた、硬ゼラチンカプセル(ここでは、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合される)として存在してもよく、または軟ゼラチンカプセル(ここでは、活性成分が水またはオイル媒体、例えば、ピーナツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合される)として存在してもよい。
水性懸濁液は、活性な材料を、水性懸濁液の製造に適切な賦形剤と混合して含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント・ガムおよびアカシア・ガムであり;分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレン・オキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えばエチルまたはn−プロピル p−ヒドロキシベンゾエート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、および1つ以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含んでもよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適切な分散性の粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つ以上の保存剤と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上記されたものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤および着色剤も存在してもよい。
この化合物はまた、非水性の液体製剤の形態、例えば、油状懸濁液であってもよく、この懸濁液は、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブオイル、ゴマ油もしくはピーナツ油中で、または鉱油、例えば流動パラフィン中で活性成分を懸濁することによって処方されてもよい。油性の懸濁物は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。上記のような甘味剤、および芳香剤を添加して、口当たりのよい経口調製物を得てもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって保存されてもよい。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。この油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば、流動パラフィンまたはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然に存在するガム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド(リン脂質)、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、およびこの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。このエマルジョンはまた、甘味剤および香味剤を含んでもよい。
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースとともに処方されてもよい。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤および香味剤および着色剤を含んでもよい。
この化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、通常温度で固体であるが、直腸温度では液体であり、従って直腸において融解してその薬物を遊離する適切な非刺激性の賦形剤とこの薬物とを混合することによって調製されてもよい。このような物質としてはココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の四級窒素塩プロドラッグの調製
本発明のプロドラッグ化合物は、好ましくは、上記のような式IIの、さらに好ましくは式IIaのニトロ複素環還元性トリガーである還元性トリガーに連結されたエフェクター部分を備える。
このエフェクター部分は、式Iの4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジン不可逆性erbB1,2,4キナーゼインヒビターである。
式Iの4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジン不可逆性erbB1,2,4キナーゼインヒビターは、6−位にアミドMichaelアクセプターを保有し、ここでこのMichaelアクセプターは、下に示されるように、三級ジメチルアミン基で終わるメチレン基によってβ炭素で置換される二重結合を特徴とする。
Figure 0005925680

式IVa
式IVaに示されないエフェクター部分の残りは、式Iに規定されるような二環式芳香族環構造を有することが理解される。
好ましいプロドラッグ化合物は、上記のような式IIIの化合物である。一般論として、式IIIの好ましいプロドラッグ化合物は、ニトロ複素環式還元性トリガー部分を有する脂肪族第三級ジメチルアミンエフェクター部分を四級化することによって調製され得る。このような方法は、下にさらに詳細に記載される。
4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジン不可逆性erbB1,2,4キナーゼインヒビターの調製
中央のインヒビターの足場が4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジンであり、かつ6−位がアミドMichaelアクセプターで置換される、上記のような式Iの化合物に関連するエフェクター化合物は、アミドMichaelアクセプターが例えば、未置換である(Smaillら、J Med Chem,1999,42,1803〜1815)、N位、α位またはβ位において、ある範囲の基で、上記のようにジメチルアミノメチレンを除いて、置換される(Smaillら、J Med Chem,2001,44,429〜440)場合、およびMichaelアクセプターが、β位で置換された三重結合を含む(Klutchkoら、J Med Chem,2006,49,1475−1485;米国特許第6,602,863号)場合、当該分野で記載される方法によって調製され得る。本発明の式Iの化合物は、類似の方法を用いて調製され得る。
下のスキーム1は、Rewcastleら,J Chem Soc,Perkins Trans 1,1996,2221−2226およびSoykaら、米国特許出願公開第2005/0085495号(A1)の方法を用いる、公知の中間体である6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジノン(200)(Rewcastleら、J Chem Soc,Perkins Trans 1,1996,2221−2226)からの、本発明の4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジンエフェクター化合物の調製を図示する。
Figure 0005925680

スキーム2は、本発明の特異的なエフェクター化合物の調製を図示する。塩化チオニルは、6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジノン(200)から4−クロロ−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジンへの変換を仲介し、続いて、適切なアニリンとの反応によって、4−アニリノ−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン類が得られた(201−209)。次いで、4−メトキシベンジルアミンでのフッ素置換によって、ベンジルアミン類(210−218)が得られ、これをトリフルオロ酢酸(TFA)と反応させて、アミン類(219−227)を得た。2−(ジエトキシホスホリル)酢酸とのCDI−促進のアミドカップリングによって、ホスホン酸塩類(228−236)を得た。次いで、これらと2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミンのインサイチュでの加水分解に由来するアルデヒドとのホーナー・ワズワース・エモンス(Horner−Wadsworth−Emmons)カップリングによって、典型的なエフェクター化合物1−9が得られた。
Figure 0005925680

プロドラッグの調製
本発明のプロドラッグ化合物は、一般的に言えば、式Iの脂肪族第三級アミン保有キナーゼインヒビターと適切なニトロ複素環式またはニトロ炭素環式のα−メチルハライド/メシラート/トシラートとの反応によって、適切な溶媒中で、かつ適切な長さの時間(例えば、N−メチル−2−ピロリジノン中で約15時間)反応させて、キナーゼインヒビターの窒素に対して直接または間接的に連結されたニトロ複素環式またはニトロ炭素環式還元性トリガー部分を含む四級窒素塩を生成してもよい。
本発明のプロドラッグにおける使用に適切な好ましい還元性トリガー部分は、下に示す式IIのものである:
Figure 0005925680

式中、RおよびRは上記のとおりである。
特に好ましい還元性トリガー部分は、下に示す式IIa〜IIgのものである:
Figure 0005925680

式IIaのα−メチルハライド類は、前に記載のとおり調製され得る(臭化物;Stribblingら、PCT国際特許公開WO2008/039087)(塩化物;Tercelら、J Med Chem,2001,44,3511−3522)。
下のスキーム3は、市販の出発材料から、α−メチル臭化物239への2つの別の方法を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム4は、市販の出発材料から、α−メチル臭化物244への経路を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム5は、1,5−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(238)からα−メチル臭化物250への経路を図示する(スキーム3)。
Figure 0005925680

下のスキーム6は、市販のオキサゾール(251)からα−メチル臭化物261への経路を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム7は、それぞれ、α−メチル臭化物246(スキーム5)および2−ブロモ−1,5−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(245)(スキーム5)からα−メチル臭化物264への2つの別々の経路を図示する。下のスキーム7はまた、α−メチル臭化物264からα−メチル臭化物266への経路を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム8は、(2−ブロモ−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチルアセテート(247)(スキーム5)からα−メチル臭化物270への経路を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム9は、適切な溶媒中でかつ適切な長さの時間にわたって(例えば、N−メチル−2−ピロリジノン中で、約15時間)、式Iの脂肪族第三級アミン−保有キナーゼインヒビターと、適切なニトロ複素環式α−メチルハライド/メシラート/トシラート(式VIII)とを反応させることによる式IIIの四級窒素塩化合物への経路を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム10は、本発明による式IIIの多数のプロドラッグ化合物の調製を図示する。4−アニリノピリド[3,4−d]ピリミジンエフェクター化合物1−9(スキーム2)を、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)中のα−メチル臭化物239(スキーム3)と室温で約15時間反応させ、その後にアセトニトリルを添加して、四級アンモニウム塩類(12、13、15−21)を、微細な沈殿物として得て、これは濾過によって収集し、アセトニトリル、エチルアセテートおよびヘキサンで洗浄した。
Figure 0005925680

下のスキーム11は、本発明によるプロドラッグ化合物の調製を図示する。
Figure 0005925680

下のスキーム12〜14は、RがC〜Cアルキルである、アルキルトリガー臭化物類の調製を図示する。
Figure 0005925680

Figure 0005925680

Figure 0005925680

当業者は、前述の説明を用いて、さらに苦労することなく、本発明を最大限まで利用し得ると考えられる。従って、以下の実施例は、単なる例示であって、決して本開示の残りを限定するものではないと解釈されるべきである。
実験
1.合成
1.1 化学的合成
燃焼分析は、Microchemical Laboratory,University of Otago,Dunedin,NZ.によって行った。融点は、いずれかのElectrothermal Model 9200を用いて決定し、読み取ったとおりである。H NMRスペクトルは、いずれかのBruker Avance−400分光計で測定して、MeSiに対して参照する。高解像度質量スペクトルは、Varian VG−70SE分光計で、名目上5000解像度で記録した。質量分析法は、ThermoFinnigan MSQ単一四重極質量分析計で行った。質量検出は、APCI源で、同時の陽性および陰性のイオン獲得を用いて行った。他に示さない限り、化合物は、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル60支持体(Scharlau,230−400メッシュASTM)によって、示した溶離剤を用いて精製した。
1.1.1 キナーゼインヒビターエフェクターの合成
1.1.1.1(2E)−N−(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(1)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.0g、6.06mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で40分間攪拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、40℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)アニリン(1.79g、6.67mmol)と乾燥DMA(10mL)との混合物を添加した。3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)アニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗浄した。その反応混合物を室温で1時間30分攪拌した。これを酢酸エチル(400mL)と水(400mL)との間で分配した。酢酸エチルの層を分離して、さらに水(2×200mL)で洗浄し、乾燥して(MgSO)、エバポレートして、N−(3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)フェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(201)の粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH=25:1)によって、純粋な201(2.52g、100%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点196−198℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.03 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.07 (d, J=2.5Hz, 1H), 7.75 (dd, J=9.0, 2.5Hz, 1H), 7.57-7.54 (m, 1H), 7.49-7.39 (m, 3H), 7.31 (d, J=9.0Hz, 1H). Anal. Calcd for C20H13Cl2FN4O: C, 57.85; H, 3.16; N, 13.49. Found C, 57.60; H, 3.45; N, 13.32.
化合物201(2.60g、6.27mmol)および4−メトキシベンジルアミン(8.24mL、62.7mmol)の乾燥DMSO(15mL)中での混合物を、窒素雰囲気下で71〜72℃(浴の温度)で91時間攪拌した。これを、酢酸エチル(500mL)と水(300mL)との間で分配した。酢酸エチルの層を分離して、さらに水で洗浄し(3×300mL);乾燥して(MgSO)、エバポレートして、N−(3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)フェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(210)の粗生成物を得た。シリカゲルでのクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:1)によって、純粋な210(2.02g、61%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点120−122℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.59 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.99 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.57-7.53 (m, 1H), 7.48-7.38 (m, 3H), 7.36-7.19 (m, 4H), 7.15 (br s, 1H), 6.91-6.85 (m, 2H), 5.25 (s, 1H), 4.48 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C28H23Cl2N5O2: C, 63.16; H, 4.35; N, 13.15. Found C, 62.96; H, 4.63; N, 13.12.
化合物210(1.46g、2.74mmol)と乾燥DCM(27mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(2.1mL、27.4mmol)、続いてアニソール(0.60mL、5.48mmol)を添加し、その混合物を、さらに室温で91時間攪拌した。これを石油エーテル(300mL)中に注ぎ、室温で約30分間攪拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程をさらに石油エーテル(300mL)を用いて繰り返した。後に残った残渣をアセトン−水=1:1(約100mL)の混合された溶媒中に溶解して、5MのNH(100mL)と室温で1時間攪拌した。その固体を濾過して、アセトン−水=1:4(5×20mL)、石油エーテル−酢酸エチル=3:1(5×20mL)で連続して洗浄し、乾燥してN−(3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)フェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(219)(1.10g、97%)、融点251−254℃(分解)を得た;1H NMR δ[(CD3)2SO] 9.70 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.04 (br s, 1H), 7.73 (br d, J=8.0 Hz, 1H), 7.57-7.53 (m, 1H), 7.48-7.39(m, 3H), 7.26 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.12 (br s, 1H), 7.65 (br s, 2H), 5.24 (s, 2H). Anal. Calcd for C20H15Cl2 N5O: C, 58.27; H, 3.67; N, 16.99. Found C, 58.33; H, 3.57; N, 17.2.
CDI(0.53g、3.25mmol)と乾燥THF(2mL)との、室温でかつ窒素雰囲気下の撹拌混合物に、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(0.64g、3.25mmol)のTHF(1mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物をさらに40℃(浴)で15分間撹拌した(そこからガスの発生が停止した)。化合物219(1.03g、2.50mmol)の乾燥THF(2.5mL)およびDMA(2.5mL)の混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物は、TLC(ジクロロメタン−MeOH=20:1)によってモニターして、50分後わずか約60%の反応しか生じなかったことを確認した。従って、別のバッチの試薬を、CDI[0.53g、3.25mmol;乾燥THF(2mL)]および2−(ジエトキシホスホリル)酢酸[0.64g、3.25mmol);THF(1mL)]から調製して、反応物に添加した。これをさらに3時間40℃で撹拌した。その反応混合物を、水(300mL)の中に注いで、石油エーテル(400mL)と室温で12時間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(200mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×20mL)で洗浄して、乾燥してジエチル2−(4−(3−クロロ−4−(3−クロロベンジルオキシ)フェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(228)(1.37g、93%)を得た;融点106−109℃;1H NMR δ (CDCl3) 9.41 (s, 1H), 9.02 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.54 (s, 1 H), 7.91 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.54 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.40-7.29 (m, 3H), 6.99 (d, J=8.9 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.30-4.18 (m, 4H), 3.15 (d, J=21.1 Hz, 2H), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 6H). δ [(CD3)2SO]: 10.82 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.99 (poorly re
solved d, J=0.6 Hz, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.58 (s, 1 H), 7.95 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.71 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.56 (br s, 1H), 7.50-7.38 (m, 3H), 7.27 (d, J=9.0 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 4.15-4.04 (m, 4H), 3.34 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C26H26Cl2N5O5 P.0.5H2O: C, 52.10; H, 4.54; N, 11.68%. Found C, 52.09; H, 4.60; N, 11.70%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(1.16g、7.20mmol)および水(1.2mL)の室温でかつ窒素雰囲気下の撹拌混合物に、37%のHCl水溶液(1.21mL、14.4mmol)を添加した。添加後、その混合物を40℃(浴)で24時間撹拌した。これを0℃(浴)まで冷却した。これを溶液Aと呼ぶ。KOH(1.03g、18.4mmol)を、水(5.5mL)に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。室温でかつ窒素雰囲気下の、化合物228(1.70g、2.88mmol)およびTHF(5.5mL)の撹拌された不均質な混合物に、最少量のDMA(3mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(122mg、2.88mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。ついで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を、窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=20:1)によってモニターした。25分後、さらにKOH(s)(0.34g、6.13mmol)を添加して、さらに0℃でもう35分間撹拌した。これを、水(200mL)の中に注いだ。石油エーテル(200mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(200mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集した;水(4×20mL)で洗浄して;シリカゲル/KOH上で、減圧下で乾燥して、(2E)−N−(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(1)(1.28g、85%)を、淡黄色固体、融点195−198℃として得た;HPLC:96.8%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.88 (s, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.97 (s, 1 H), 8.58 (s, 1 H), 7.99 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.73 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.56 (br s, 1H), 7.49-7.38 (m, 3H), 7.27 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.87 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.51 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 3.09 (br d, J=6.0 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C26H24Cl2N6O2.0.3H2O: C, 59.05; H, 4.69; N, 15.89. Found C, 58.96; H, 4.62; N, 15.73.
1.1.1.2 (2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−2−ブテンアミド(2)(スキーム2)の調製
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(30mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で5時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、45℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−アミン(PCT国際出願公開第2005058245号,2005年6月30日)(2.65g、11.0mmol)の乾燥DMA(15mL)中の溶液を添加した。1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−アミンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を室温で65時間撹拌した。これを、水(200mL)の中に注いだ。pHを、室温でNaCOの水溶液を用いて約9まで調節した。石油エーテル(200mL)を添加して、室温で2時間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(200mL)を用いてさらに1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(5×25mL)で洗浄した。これを、アセトン(80mL)中に懸濁して、室温で20分間撹拌した。水(160mL)を添加して、さらに1.5時間撹拌した。その固体を濾過して、乾燥し、最終的にシリカカラム(MeOH/ジクロロメタン:勾配は0−10%)によって精製して、6−フルオロ−N−(1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(202)(3.11g、80%)を、薄茶色の固体、融点218−221℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.15 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.30 (d, J=1.3Hz, 1H), 8.28 (br s, 1H), 8.19 (poorly resolved d, J=0.7 Hz, 1H), 7.77 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.72 (dd, J=9.0, 1.8Hz, 1H), 7.42-7.32 (m, 1H), 7.15-7.01 (m, 3H), 5.71 (s, 2H). Anal. Calcd for C21H14F2N6: C, 64.94; H, 3.63
; N, 21.64. Found C, 65.21; H, 3.71; N, 21.63.
化合物202(3.00g、7.73mmol)および4−メトキシベンジルアミン(10.2mL、77.3mmol)の乾燥DMSO(18mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、68−70℃(浴の温度)で165時間撹拌した。次いで、この溶液を冷却して、石油エーテル(200mL)を添加した。これを、室温で15分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(200ml)で繰り返した。水(200mL)を添加して、その混合物を室温で45分間撹拌した。その油状物を、沈殿させた。このように、この生成物を、酢酸エチル中に抽出して;乾燥して(MgSO)、溶媒を除去して褐色の油状物を得た。これを、シリカカラム(EtOAc/石油エーテル:勾配は30%〜純粋なEtOAc)によって精製して、純粋なN−(1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(211)(2.38g、61%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点196−198℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.75 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.22 (poorly resolved d, J=1.3 Hz, 1H), 8.15 (d, J=0.7 Hz, 1H), 7.73 (br d, J=9.0 Hz, 1H), 7.68 (dd, J=9.0, 1.8 Hz, 1H), 7.40-7.31 (m, 3H), 7.24-7.17 (m, 2H), 7.13-7.01 (m, 3H), 6.92-6.84 (m, 2H), 5.70 (s, 2H) 4.49 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C29H24FN7O.1.5H2O: C, 65.40; H, 5.11; N, 18.41%. Found C, 65.45; H, 5.07; N, 18.58%.
化合物211(2.27g、4.48mmol)およびDCM(45ml)の撹拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(3.45ml、44.8mmol)、続いてアニソール(0.99ml、8.96mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で5日間撹拌した。これを、石油エーテル(500ml)中に注いで、室温で約20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程をさらに石油エーテル(300ml)を用いて繰り返した。後に残された固体に、5MのNH(80ml)を0℃で添加して、室温で15分間撹拌した。その固体を収集して、連続して水(6×10ml)、石油エーテル−酢酸エチル=3:1(3×20ml)で洗浄し、乾燥してN−(1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(220)(1.68g、97%)、融点241−244℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.72 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.27 (br s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.75-7.68 (m, 2H), 7.41-7.33 (m, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.14-7.01 (m, 3H), 6.20 (s, 2H), 5.69 (s, 2H). Anal. Calcd for C21H16FN7.1.5H2O: C, 61.16; H, 4.64; N, 23.77. Found C, 61.23; H, 4.71; N, 23.87.
CDI(1.41g、8.73mmol)と乾燥THF(6mL)との撹拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(1.56g、7.94mmol)のTHF(4mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物をさらに40℃(浴)で15分間撹拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物220(1.53g、3.97mmol)の乾燥THF(4mL)とDMA(5mL)の混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=15:1)によってモニターした。一晩(16時間)撹拌した後、約70%の反応しか生じなかったことが確認された。従って、別のバッチの試薬を、CDI[0.42g、2.62mmol;DCM(3mL)]および2−(ジエトキシホスホリル)酢酸[0.47g、2.38mmol);DCM(2mL)]から調製し、反応物に添加した。これを、さらに4時間40℃で撹拌した。その反応混合物を、水(200mL)中に注いで、石油エーテル(400mL)とともに室温で20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(200mL)を用いて1回繰り返した。粘着性の固体を、吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄した。これを、アセトン(50mL)に溶解し、水(100mL)および石油エーテル(200mL)とともに室温で68時間撹拌した。その固体を収集し、アセトン/水=1:10(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(229)(1.95g、87%)を得た;融点111−114℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.81 (s, 1H), 10.36 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.52 (s, 1 H), 8.16 (d, J=0.7 Hz, 1H), 8.13 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.73 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.68 (dd, J=9.0, 1.8 Hz, 1H), 7.42-7.32 (m, 1H), 7.15-7.00 (m, 3H), 5.70 (s, 2 H), 4.17-4.03 (m, 4H), 3.32 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C27H27FN7O4 P.1.6H2O: C, 54.75; H, 5.14; N, 16.55%. Found C, 54.60; H, 5.21; N, 16.60%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(1.32g、8.20mmol)および水(1.4mL)の撹拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(1.38mL、16.4mmol)を添加した。添加後、その混合物を45℃(浴)で25時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(2.36g、42.0mmol)を水(7mL)中に窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物229(1.85g、3.28mmol)とTHF(7mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(4mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(139mg、3.28mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して、窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。さらに30分間撹拌した後、これを水(200mL)中に注いだ。石油エーテル(200mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。より多くの石油エーテル(200mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(4×30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)−2−ブテンアミド(2)(1.55g、95%)を、淡黄色固体、融点240−243℃として得た;HPLC:96.7%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.87 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 9.01 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.53 (s, 1 H), 8.18 (d, J=0.7 Hz, 1H), 8.16 (d, J=0.4 Hz, 1H), 7.73 (br d, J=9.0 Hz, 1H), 7.70 (dd, J=9.0, 1.7 Hz, 1H), 7.41-7.33 (m, 1H), 7.14-7.02 (m, 3H), 6.87 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 5.70 (s, 2 H), 3.09 (dd, J=6.0, 1.1 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C27H25FN8O.1.2H2O: C, 62.59; H, 5.33; N, 21.63%. Found C, 62.59; H, 5.25; N, 21.59%.
1.1.1.3 (2E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(3)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(30ml)および触媒量のDMF(3滴)の不均質な混合物を、還流下で2時間30分間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、40℃(浴の温度)、減圧下でエバポレートして淡褐色の固体を得た。この固体に、3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)アニリン(2.58g、11.0mmol)の乾燥DMA(15ml)中の溶液を添加した。3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)アニリンの残渣を、さらにDMA(2x5ml)で洗い流した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。これを、水(300ml)の中に注いだ。pHを、室温でNaCO水溶液を用いて約9に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(300mL)を用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(4×50mL)で洗浄した。これを、熱い(約50℃)アセトン(300mL)とともに15分間撹拌した。不溶性物質を、濾別して、その濾液を減圧下でエバポレートして、N−(3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(203)(3.18g、83%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点216−219℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.04 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.63-8.57 (m, 1H), 8.22 (br s, 1H), 8.08 (d, J=2.6Hz, 1H), 7.85 (td, J=7.7, 1.8Hz, 1H), 7.75 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.59 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.40-7.35 (m, 1H), 7.32 (d, J=9.0Hz, 1H), 5.31 (s, 2H). Anal. Calcd for C19H13ClFN5O.0.9H2O: C, 57.34; H, 3.75; N, 17.60. Found C, 57.46; H, 3.82; N,17.63.
化合物203(3.07g、8.04mmol)と4−メトキシベンジルアミン(10.6mL、80.4mmol)との乾燥DMSO(20mL)中の混合物を、70℃(浴の温度)、窒素雰囲気下で118時間撹拌した。次いで、この混合物を冷却して、石油エーテル(200mL)を添加した。これを、室温で15分間撹拌した。この層を分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(200ml)を用いて繰り返した。水(200mL)を添加して、その混合物を室温で一晩(22時間)攪拌した。これを、濾過して、固体を水(5×30mL)を用い、次いで石油エーテル(3×30mL)を用いて洗浄した。粘着性の黄色/オレンジ色の固体をアセトン(150mL)とともに室温で20分間撹拌した。水(150mL)を緩徐に添加して、さらに室温で45分間撹拌した。微細な固体を吸引濾過によって収集し、水/アセトン(1:1)(4×20mL)、石油エーテル(3×20mL)で洗浄し、真空中でシリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(212)(3.08g、77%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点182−184℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.60 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.64-8.56 (m, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.01 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.88 (td, J=7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.71 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J=7.7 Hz), 7.42-7.19 (m, 5H), 7.15 (s, 1H), 6.93-6.84 (m, 2H), 5.25 (s, 2H), 4.48 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C27H23ClN6O2.0.6acetone: C, 64.80; H, 5.02; N, 15.74%. Found C, 64.47; H, 5.00; N, 15.95%.
化合物212(2.88g、5.77mmol)とDCM(60ml)との攪拌された不均質な混合物にトリフルオロ酢酸(4.38ml、57.7mmol)、続いてアニソール(1.27ml、11.5mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で攪拌した。72時間後、別のバッチのトリフルオロ酢酸(4.38ml、57.7mmol)を添加して、さらに49時間撹拌した。これを、石油エーテル(250ml)中に注ぎ、室温で約20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程をさらに石油エーテル(250ml)を用いて繰り返した。後に残された固体を、アセトン(150mL)中に溶解して、5MのNH(125ml)を0℃で添加した。この混合物を、室温で30分間撹拌した。その固体を収集して、連続してアセトン/水(1:4)(5×30ml)、石油エーテル/酢酸エチル=3:1(5×30ml)で洗浄し、乾燥して、N−(3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(221)(1.94g、89%)、融点247−250℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.64 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.62-8.56 (m, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.06 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.88 (td, J=7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.73 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.58 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.40-7.34 (m, 1H), 7.26 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.23 (s, 2H), 5.29 (s, 2H). Anal. Calcd for C19H15ClN6O.1.5H2O: C, 56.23; H, 4.47; N, 20.71%. Found C, 56.55; H, 4.45; N, 20.42%.
CDI(2.25g、13.9mmol)と乾燥THF(9mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(2.43g、12.4mmol)のTHF(7mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、40℃(浴)で15分間さらに攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物221(1.88g、4.96mmol)の乾燥THF(10mL)とDMA(16mL)との混合溶媒中の混合物を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=15:1)によってモニターした。17時間攪拌した後、これを、水(300mL)の中に注ぎ、石油エーテル(300mL)とともに室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(300mL)を用いてもう1回繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×20mL)で洗浄して、乾燥してジエチル2−(4−(3−クロロ−4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(230)(2.56g、93%)を得た;融点113−116℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.82 (s, 1H), 10.25 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.63-8.56 (m, 2H), 7.96 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.88 (td, J=7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.70 (dd, J=8.9, 2.6 Hz, 1H), 7.59 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.41-7.34 (m, 1H), 7.28 (d, J=9.0 Hz, 3H), 4.16-4.03 (m, 4H), 3.31 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C25H26ClN6O5 P.1.2H2O: C, 51.90; H, 4.95; N, 14.53%. Found C, 51.85; H, 4.94; N, 14.52%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(1.76g、11.0mmol)と水(1.8mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(1.84mL、21.9mmol)を添加した。添加後、その混合物を、50℃(浴)で22時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(3.14g、56.1mmol)を、水(9mL)に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物230(2.44g、4.38mmol)とTHF(9mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(6mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(186mg、4.38mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。30分間撹拌した後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(400mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(4×30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、化合物3(1.79g、83%)を得て、これは、HPLCによってわずか87%の純度であることが確認された。従って、このサンプルを、30分間、温かいMeOH(200mL)とともに攪拌して、室温まで冷却した。不溶性の物質を濾別して、この濾液に一容積の水を添加して、必要な生成物を沈殿させた。その固体を収集し、水/MeOH=1:1で数回洗浄し、乾燥して、(2E)−N−{4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(3)(1.54g、72%)を淡黄色固体、融点196−199℃として得た;HPLC:94.6%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.88 (s, 1H), 10.19 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.64-8.55 (m, 2H), 8.00 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.88 (td, J=7.7, 1.8 Hz, 1H), 7.73 (br dd, J=8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.59 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.41-7.34 (m, 1H), 7.28 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.87 (dt, J=15.4, 6.1 Hz, 1H), 6.51 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 5.30 (s, 2 H), 3.09 (dd, J=6.1, 1.2 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C25H24ClN7O2.1.5H2O: C, 58.08; H, 5.26; N, 18.97%. Found C, 58.17; H, 5.36; N, 19.00%.
1.1.1.4 (2E)−N−[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(4)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.50g、9.09mmol)、塩化チオニル(20ml)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で1.5時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、50℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3,4−ジクロロアニリン(1.62g、10.0mmol)の乾燥DMA(15mL)中の溶液を添加した。3,4−ジクロロアニリンの残渣をさらにDMA(2×2ml)で洗い流した。その反応混合物を、室温で20時間撹拌した。これを、水(200mL)の中に注いだ。このpHを、NaCOの水溶液を用いて室温で約8に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテルを用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(5×25mL)で洗浄した。これを、真空中で、シリカゲル/KOH上で一晩乾燥して、N−(3,4−ジクロロフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(204)(2.81g、100%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点262−264℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.17 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.35 (d, J=2.5Hz, 1H), 8.26 (poorly resolved d, J=0.7 Hz, 1H), 7.92 (dd, J=8.8, 2.5Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.8 Hz, 1H). Anal. Calcd for C13H7Cl2FN4: C, 50.51; H, 2.28; N, 18.12. Found C, 50.50; H, 2.27; N, 18.42.
化合物204(2.95g、9.55mmol)と4−メトキシベンジルアミン(12.6mL、95.5mmol)との乾燥DMSO(20mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、52℃(浴の温度)で10日間撹拌した。次いで、この溶液を冷却して、石油エーテル(200mL)を添加した。これを、室温で10分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(2×200ml)を用いて繰り返した。水(200mL)を添加して、その混合物を室温で15分間撹拌した。これを、濾過して、固体を水(5×30mL)で、次いで石油エーテル(3×30mL)で洗浄した。粘着性の黄色/オレンジ色の固体を、アセトン(100mL)とともに35−45℃(内部温度)で10分間撹拌した。水(100mL)を添加して、室温で20分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し、水/アセトン(1:1)(5×20mL)で洗い流し、真空中で、シリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(3,4−ジクロロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(213)(2.59g、64%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点209−211℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.76 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.30 (poorly resolved d, J=2.1 Hz, 1H), 7.89 (dd, J=8.8, 2.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.38-7.25 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.92-6.83 (m, 2H), 4.49 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C21H17Cl2N5O: C, 59.17; H, 4.02; N, 16.43%. Found C, 58.93; H, 4.17; N, 16.12%.
化合物213(2.50g、5.86mmol)とDCM(60ml)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(4.49ml、58.6mmol)、続いてアニソール(1.28mL、11.7mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で43時間撹拌した。これを、石油エーテル(600mL)中に注いで、室温で約20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程を、さらに石油エーテル(300mL)を用いて繰り返した。後に残された固体に、5MのNH(80mL)を0℃で添加し、室温で15分間撹拌した。その固体を収集して、連続して水(6×10mL)、石油エーテル−酢酸エチル=3:1(3×20mL)で洗浄し、乾燥して、N−(3,4−ジクロロフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(222)(1.76g、98%)、融点277−280℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.83 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.34 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.92 (dd, J=8.8, 2.5Hz, 1H), 7.63 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.30 (s, 2H). Anal. Calcd for C13H9Cl2N5.0.5H2O: C, 49.54; H, 3.20; N, 22.22. Found C, 49.70; H, 3.08; N, 22.28.
CDI(1.98g、12.2mmol)と乾燥THF(8mL)との攪拌された混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(2.18g、11.1mmol)のTHF(6mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、さらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物222(1.70g、5.56mmol)の乾燥THF(6mL)とDMA(7mL)との混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=15:1)によってモニターした。一晩(17時間)攪拌した後、反応混合物を水(300mL)に注いで、石油エーテル(400mL)とともに室温で20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(400mL)でもう1回繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(231)(2.56g、95%)を得た;融点121−124℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.86 (s, 1H), 10.42 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.67 (s, 1 H), 8.24 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.89 (dd, J=8.8, 2.2 Hz, 1H), 7.65 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.16-4.04 (m, 4H), 3.32 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C19H20Cl2N5O4 P.H2O: C, 45.43; H, 4.42; N, 13.94%. Found C, 45.37; H, 4.20; N, 13.81%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(2.08g、12.9mmol)と水(2.2mL)との攪拌された混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%HCl水溶液(2.16mL、25.7mmol)を添加した。添加後、その混合物を、40℃(浴)で20時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(1.84g、32.9mmol)を、水(10mL)に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物231(2.49g、5.14mmol)とTHF(10mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(5.5mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(218mg、5.14mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を、継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。15分後、約20%の化合物231が残ったことを確認した。さらにKOH(0.40g、7.14mmol)を、固体として添加した。さらに15分間撹拌した後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(4x30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、(2E)−N−[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(4)(2.03g、95%)を、ベージュ色の固体、融点161−164℃として得た;HPLC:98.6%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.92 (s, 1H), 10.36 (s, 1H), 9.09-8.95 (m, 2H), 8.67 (br s, 1 H), 8.27 (br s, 1 H), 7.92 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.65 (d, J=8.8, 1H), 6.88 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 3.09 (dd, J=6.0, 1.2 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C19H18Cl2N6O.1.2H2O: C, 51.99; H, 4.69; N, 19.15. Found C, 51.93; H, 4.59; N, 19.15.
1.1.1.5 (2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(5)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.50g、9.09mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で3時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、40℃(浴の温度)、減圧下でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3−ブロモ−4−クロロアニリン(2.07g、10.0mmol)の乾燥DMA(15mL)中の溶液を添加した。3−ブロモ−4−クロロアニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を室温で19時間撹拌した。これを、水(200mL)の中に注いだ。そのpHを、NaCO水溶液を用いて、室温で約8に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテルを用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(4×20mL)で洗浄した。これを、真空中でシリカゲル/KOH上で一晩乾燥して、N−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(205)(3.20g、99%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点271−275℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.15 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.45 (d, J=2.5Hz, 1H), 8.26 (br s, 1H), 7.98 (dd, J=8.8, 2.5Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.8 Hz, 1H). Anal. Calcd for C13H7BrClFN4: C, 44.16; H, 2.00; N, 15.85. Found C, 44.21; H, 1.87; N, 15.98.
化合物205(3.09g、8.74mmol)と4−メトキシベンジルアミン(11.5mL、87.4mmol)との乾燥DMSO(20mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、58〜60℃(浴の温度)で、1週間攪拌した。次いで、この溶液を冷却して、石油エーテル(300mL)を添加した。これを、室温で20分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、石油エーテル(300mL)でもう1回繰り返した。水(250mL)を添加して、その混合物を、室温で20時間撹拌した。黄色/オレンジ色の固体を濾過によって収集して、水(5×20mL)で、次いで石油エーテル(3×30mL)で洗浄した。粘着性の黄色/オレンジ色の固体を、アセトン(150mL)に45℃(浴の温度)で溶解した。これを、濾過して不溶性の不純物を除いた。この濾液に、水(400mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し、水(5×25mL)、石油エーテル(3×30mL)で洗浄し、真空中で、シリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(214)(3.01g、73%)を、緑色がかった黄色の固体、融点207−210℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.74 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.39 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.38-7.25 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.92-6.85 (m, 2H), 4.49 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C21H17BrClN5O: C, 53.58; H, 3.64; N, 14.88%. Found C, 53.84; H, 3.55; N, 14.63%.
化合物214(2.92g、6.20mmol)とDCM(60mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(4.75mL、62.0mmol)、続いてアニソール(1.36mL、12.4mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で42時間撹拌した。これを、石油エーテル(600mL)中に注ぎ、室温で約20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程を、さらに石油エーテル(300mL)で繰り返した。後に残された固体に5MのNH(80mL)を0℃で添加して、室温で15分間撹拌した。その固体を収集して、連続して水(6×10mL)、石油エーテル−酢酸エチル=3:1(3×20mL)で洗浄し、乾燥して、N−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(223)(2.17g、100%)、融点271〜274℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.82 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.44 (d, J=2.3 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.97 (dd, J=8.8, 2.3Hz, 1H), 7.62 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.30 (s, 2H). Anal. Calcd for C13H9BrClN5.0.6H2O: C, 43.20; H, 2.85; N, 19.38. Found C, 43.00; H, 2.95; N, 19.12.
CDI(1.20g、7.42mmol)と乾燥THF(5mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(1.45g、7.42mmol)のTHF(4mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、さらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物223(2.00g、5.71mmol)の乾燥THF(6mL)とDMA(7mL)との混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=10:1)によってモニターして、1時間後、わずか約60%の反応しか生じなかったことを確認した。そのため、別のバッチの試薬を、CDI[0.87g、5.37mmol;乾燥THF(2.5mL)]と2−(ジエトキシホスホリル)酢酸[0.72g、5.37mmol);THF(3mL)]から調製し、反応物に添加した。これを、さらに3時間、40℃で撹拌した。その反応混合物を水(300mL)の中に注ぎ、石油エーテル(400mL)と室温で20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(400mL)でもう1回繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(3−ブロモ−4−クロロフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(232)(2.85g、94%)を得た;融点113−116℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.86 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.67 (s, 1 H), 8.34 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.94 (dd, J=8.8, 2.3 Hz, 1H), 7.65 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.16-4.03 (m, 4H), 3.32 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.1 Hz, 6H). Anal. Calcd for C19H20BrClN5O4 P.H2O: C, 41.74; H, 4.06; N, 12.81%. Found C, 42.01; H, 3.90; N,
12.78%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(2.11g、13.1mmol)と水(2.2mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(2.19mL、26.1mmol)を添加した。添加後、その混合物を、40℃(浴)で21時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(1.87g、33.4mmol)を水(10mL)に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物232(2.76g、5.22mmol)とTHF(10mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(5.5mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(221mg、5.22mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。35分間後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(4×30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(5)(2.37g、98%)を淡黄色固体、融点168〜171℃として得た;HPLC:96.8%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.92 (s, 1H), 10.34 (s, 1H), 9.10-8.95 (m, 2H), 8.67 (br s, 1 H), 8.38 (br s, 1 H), 7.97 (br d, J=8.3 Hz, 1H), 7.65 (d, J=8.8, 1H), 6.88 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 3.09 (dd, J=6.0, 1.1 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C19H18BrClN6O.H2O: C, 47.57; H, 4.20; N, 17.52. Found C, 47.80; H, 4.25; N, 17.51.
1.1.1.6 (2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(6)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で3時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、50℃(浴の温度)でエバポレートして淡褐色の固体を得た。この固体に、4−ブロモ−3−クロロアニリン(2.27g、11.0mmol)の乾燥DMA(15mL)中の溶液を添加した。4−ブロモ−3−クロロアニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。これを、水(250mL)に注いだ。pHを、NaCO水溶液を用いて室温で約8に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で1時間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテルを用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(4×20mL)で洗浄した。これを、真空中でシリカゲル/KOH上で一晩乾燥して、N−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(206)(3.31g、94%)をベージュ色の固体、融点258−261℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.17 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.35 (br s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.93-7.74 (m, 2H). Anal. Calcd for C13H7BrClFN4: C, 44.16; H, 2.00; N, 15.85. Found C, 43.96; H, 1.96; N, 15.60.
化合物206(3.22g、9.11mmol)と4−メトキシベンジルアミン(11.95mL、91.1mmol)との乾燥DMSO(24mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、70℃(浴の温度)で113時間撹拌した。次いでその溶液を冷却して、石油エーテル(300mL)と、室温で20分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、石油エーテル(300mL)を用いてもう1回繰り返した。水(300mL)を添加して、その混合物を、室温で4時間撹拌した。その固体を濾過によって収集して、水(4×20mL)で洗浄した。粘着性の黄色/オレンジ色の固体を、アセトン(80mL)中に40℃で(浴の温度)溶解した。水(80mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し、アセトン/水=1:1(5×20mL)で洗浄し、真空中で、シリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(215)(3.63g、85%)を緑色がかった黄色の固体、融点175−177℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.77 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.30 (br s, 1H), 7.83 (br d, J=8.2, 1H), 7.77 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.43-7.26 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.88 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.49 (d, J=5.6 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C21H17BrClN5O.acetone: C, 54.51; H, 4.38; N, 13.24%. Found C, 54.83; H, 4.31; N, 13.15%.
化合物215(3.55g、7.56mmol)とDCM(75mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(5.82mL、75.6mmol)、続いてアニソール(1.66mL、15.1mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で46時間撹拌した。これを、石油エーテル(400mL)中に注ぎ、残渣をMeOHで洗い流した。室温で約20分間撹拌した後、石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程を、さらに石油エーテル(400mL)で繰り返した。後に残された固体に、5MのNH(100mL)を0℃で添加して、室温で15分間撹拌した。その固体を収集して、水(5×20mL)で洗浄し、乾燥して、N−(4−ブロモ−3−クロロフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(224)(2.41g、91%)、融点272−275℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.83 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.34 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.84 (dd, J=8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.31 (s, 2H). Anal. Calcd for C13H9BrClN5.0.2MeOH: C, 45.15; H, 2.73; N, 19.36. Found C, 44.84; H, 2.52; N, 19.29.
CDI(2.97g、18.3mmol)と乾燥THF(12mL)との攪拌された混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(3.2g、16.3mmol)のTHF(10mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、さらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物224(2.29g、6.53mmol)の乾燥THF(8mL)とDMA(9mL)との混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=10:1)によってモニターして、3時間後、約80%の反応が生じたことを確認した。従って、別のバッチの試薬を、CDI[0.59g、3.66mmol;乾燥THF(2.5mL)]および2−(ジエトキシホスホリル)酢酸[0.64g、3.26mmol);THF(2mL)]から調製し、反応混合物に添加した。これを、さらに1時間40℃で攪拌した。その反応混合物を、水(500mL)に注いで、石油エーテル(500mL)とともに室温で一晩攪拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、さらに石油エーテル(300mL)とともに10分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(4−ブロモ−3−クロロフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(233)(3.26g、95%)を得た;融点121−124℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.89 (s, 1H), 10.43 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.68 (s, 1 H), 8.24 (d, J=2.1 Hz, 1H), 7.82 (dd, J=8.8, 2.1 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.17-4.00 (m, 4H), 3.32 (d, J=21.5, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C19H20BrClN5O4 P.0.5H2O: C, 42.44; H, 3.94; N, 13.02%. Found C, 42.42; H, 3.99; N, 12.98%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(2.42g、15.0mmol)と水(2.5mL)との攪拌した混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(2.52mL、30.0mmol)を添加した。添加後、その混合物を、40℃(浴)で、48時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(4.30g、76.8mmol)を、水(13mL)に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物233(3.17g、6.00mmol)とTHF(13mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(6.5mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(254mg、6.00mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=20:1)によってモニターした。40分間後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、(2E)−N−[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(6)(2.71g、98%)を ベージュ色の固体、融点176−179℃として得た;HPLC:97.8%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.95 (s, 1H), 10.37 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.68 (s, 1 H), 8.27 (br s, 1 H), 7.84 (br d, J=8.3 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.8, 1H), 6.87 (dt, J=15.5, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.5 Hz, 1H), 3.09 (br d, J=5.4 Hz, 2H), 2.18 (s, 6H). Anal. Calcd for C19H18BrClN6O.H2O: C, 47.57; H, 4.20; N, 17.52. Found C, 47.95; H, 4.16; N, 17.31.
1.1.1.7 (2E)−N−[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(7)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で5時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、50℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3,4−ジブロモアニリン(2.76g、11.0mmol)の乾燥DMA(15mL)中の溶液を添加した。3,4−ジブロモアニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を、室温で19時間撹拌した。これを、水(300mL)中に注いだ。pHを、NaCO水溶液を用いて室温で約8に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテルを用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、連続して、水(5×25mL)および石油エーテル/酢酸エチル(10:1)(4×25mL)で洗浄した。これを、真空中でシリカゲル/KOH上で一晩乾燥して、N−(3,4−ジブロモフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(207)(3.50g、88%)をベージュ色の固体、融点262−264℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.14 (br s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.45 (br s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.91 (br d, J=7.8, 2.5Hz, 1H), 7.80 (d, J=8.7 Hz, 1H). Anal. Calcd for C13H7Br2FN4: C, 39.23; H, 1.77; N, 14.08. Found C, 39.23; H, 1.79; N, 13.86.
化合物207(3.40g、8.54mmol)と4−メトキシベンジルアミン(11.2mL、85.4mmol)との乾燥DMSO(22mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、70℃(浴の温度)で138時間撹拌した。次いで、この混合物を冷却して、水(400mL)中に注いだ。石油エーテル(400mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(400mL)で繰り返した。これを、濾過して、固体を水(3×30mL)で洗浄した。粘着性の黄色/オレンジ色の固体を、アセトン(100mL)を用いて室温で約30分間撹拌して、微細なオレンジ色の沈殿物を得た。水(200mL)を添加して、さらに室温で2時間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し、水/アセトン(2:1)(5×30mL)で洗浄して、真空中でシリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(3,4−ジブロモフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(216)(4.16g、95%)を、緑色がかった黄色固体、融点166−169℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.72 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.40 (br s, 1H), 7.89 (br d, J=7.7 Hz, 1H), 7.76 (d, J=8.7, Hz, 1H), 7.40-7.25 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.88 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 4.49 (d, J=5.9 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C21H17Br2N5O.0.25hexane: C, 50.35; H, 3.85; N, 13.05%. Found C, 50.56; H, 3.54; N, 12.87%.
化合物216(4.08g、7.92mmol)とDCM(80mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(6.07mL、79.2mmol)、続いてアニソール(1.73mL、15.8mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で46時間撹拌した。これを、石油エーテル(500mL)中に注いで、室温で約15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程を、さらに石油エーテル(400mL)で繰り返した。後に残された固体を、最小のMeOH(120mL)に溶解して、5MのNH(150mL)を0℃で添加して、室温で15分間撹拌した。その固体を収集して、連続して、水(5×20mL)、石油エーテル−酢酸エチル=5:1(5×20mL)で洗浄し、乾燥して、N−(3,4−ジブロモフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(225)(2.47g、79%)、融点265−268℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.80 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.44 (d, J=2.2 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.90 (dd, J=8.8, 2.2Hz, 1H), 7.74 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.30 (s, 2H). Anal. Calcd for C13H9Br2N5.0.1hexane: C, 40.47; H, 2.60; N, 17.35. Found C, 40.16; H, 2.45; N, 17.20.
CDI(2.74g、16.9mmol)と乾燥THF(13mL)との攪拌された混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(2.96g、15.1mmol)のTHF(10mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、さらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物225(2.38g、6.02mmol)の、乾燥THF(7mL)とDMA(8mL)との混合溶媒中の溶液を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=15:1)によってモニターした。4時間攪拌した後、反応混合物を、水(250mL)中に注いで、石油エーテル(350mL)とともに室温で20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(200mL)でもう1回繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(3,4−ジブロモフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(234)(3.28g、95%)を得た;融点120−124℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.89 (s, 1H), 10.41 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.67 (s, 1 H), 8.34 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.87 (dd, J=8.8, 2.5 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.17-4.03 (m, 4H), 3.32 (d, J=21.6 Hz, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C19H20Br2N5O4 P: C, 39.81; H, 3.52; N, 12.22%. Found C, 39.48; H, 3.78; N, 11.79%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(2.25g、14.0mmol)と水(2.4mL)との攪拌された混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(2.35mL、28.0mmol)を添加した。添加後、その混合物を、45℃(浴)で23時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(4.02g、71.7mmol)を水(12mL)中に、窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物234(3.21g、5.60mmol)とTHF(12mL)との攪拌された不均質な混合物に室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(6mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(237mg、5.60mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して、窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=25:1)によってモニターした。1時間後、これを、水(200mL)の中に注いだ。石油エーテル(200mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(200mL)を添加して、15分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×20mL)で洗浄して;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、(2E)−N−[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(7)(2.76g、98%)をベージュ色の固体、融点176−179℃として得た;HPLC:97.2%純粋;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.95 (s, 1H), 10.35 (s, 1H), 9.03 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.67 (br s, 1 H), 8.37 (br s, 1 H), 7.89 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.8, 1H), 6.87 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 3.08 (br d, J=5.3 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C19H18Br2N6O.0.5H2O: C, 44.30; H, 3.72; N, 16.31. Found C, 44.24; H, 3.81; N, 15.98.
1.1.1.8 (2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−ブテンアミド(8)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で1時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、45℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3−エチニル−4−フルオロアニリン(J.Org.Chem.,1981,46,2280−2286)(1.49g、11.0mmol)および乾燥DMA(15mL)の溶液を添加した。3−エチニル−4−フルオロアニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を、室温で45時間撹拌した。これを、水(300mL)の中に注いだ。pHを、NaCOの水溶液を用いて室温で約9に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(300mL)を用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(5×50mL);酢酸エチル/石油エーテル(1:10)(4×50mL)で洗浄し、乾燥して、N−(3−エチニル−4−フルオロフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(208)(2.39g、85%)を、薄茶色の固体、融点223−226℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.10 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.24 (br s, 1H), ), 8.12 (dd, J=6.4, 2.8 Hz, 1H), 7.96-7.88 (m, 1H), 7.39 (t, J=9.1 Hz, 1H), 4.54 (s,1H). Anal. Calcd for C15H8F2N4.1.8H2O: C, 57.25; H, 3.72; N, 17.80. Found C, 57.27; H, 3.49; N,17.90.
化合物208(2.31g、8.19mmol)と4−メトキシベンジルアミン(10.7mL、81.9mmol)との乾燥DMSO(20mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、70℃(浴の温度)で118時間撹拌した。この混合物を冷却して、石油エーテル(300mL)を添加した。これを、室温で15分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(300mL)で繰り返した。水(300mL)を添加して、その混合物を、室温で20分間撹拌した。これを、濾過して、粘着性の固体を水(5×30mL)で洗浄した。粘着性の固体を、温かいMeOH(70mL)とともに30分間撹拌した。室温まで冷却した後、固体を収集して;冷却MeOH(3×10mL)で洗浄し、真空中でシリカゲル/KOH上で乾燥して、純粋なN−(3−エチニル−4−フルオロフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(217)(0.92g、28%)を、黄色/オレンジ色の固体、融点197−199℃として得た。濾液をエバポレートして乾燥し、オレンジ色/コハク色の粘性物質を得て、これをシリカカラム[酢酸エチル/石油エーテル(2:1)]に加えて、より多くの化合物217(0.96g、29%)を得た。1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.66 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.08-8.02 (m, 1H), 7.93-7.85 (m, 1H), 7.39-7.13 (m, 5H), 6.88 (br d, J=8.7 Hz, 2H), 4.54-4.44 (m, 3H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C23H18FN5O.0.15MeOH: C, 68.79; H, 4.64; N, 17.33%. Found C, 69.09; H, 4.62; N, 16.97%.
化合物217(2.12g、5.32mmol)とDCM(55mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(3.70mL、48.3mmol)、続いてアニソール(1.17mL、10.6mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で78時間撹拌した。これを、石油エーテル(300mL)中に注いで、室温で約20分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程を、さらに石油エーテル(300mL)で繰り返した。後に残された固体を、アセトン(25mL)に溶解して、5MのNH(100mL)を0℃で添加して、室温で40分間撹拌した。その固体を収集して、連続して、アセトン/水(1:5)(5×20mL)、石油エーテル/酢酸エチル=3:1(5×20mL)で洗浄して、乾燥し、N−(3−エチニル−4−フルオロフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(226)(1.31g、89%)、融点218−222℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.72 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.10 (dd, J=6.4, 2.7 Hz, 1H), 7.96-7.87 (m, 1H), 7.33 (t, J=9.1 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.26 (s, 2H), 4.50 (s, 1H). Anal. Calcd for C15H10FN5.0.8H2O.0.25ethyl acetate: C, 60.87; H, 4.34; N, 22.18%. Found C, 60.67; H, 4.15; N, 22.11%.
CDI(2.01g、12.4mmol)と乾燥THF(9mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(2.18g、11.1mmol)のTHF(7mL)中の溶液を添加した。添加後、反応混合物を、さらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物226(1.24g、4.44mmol)の、乾燥THF(5mL)とDMA(6mL)との混合溶媒中の混合物を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=30:1)によってモニターした。22時間攪拌後、これを、水(200mL)に注ぎ、その残渣をMeOHで洗い流した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で1時間攪拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、さらに石油エーテル(150mL)で繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×20mL)で洗浄して、乾燥して、ジエチル2−(4−(3−エチニル−4−フルオロフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(235)(1.85g、91%)を得た;融点103−106℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.84 (s, 1H), 10.33 (s, 1H), 9.01 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.01 (dd, J=6.4, 2.7 Hz, 1H), 7.92-7.83 (m, 1H), 7.35 (t, J=9.1 Hz, 1H), 4.51 (s, 1H), 4.17-4.03 (m, 4H), 3.32 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C21H21FN5O4 P.MeOH: C, 53.99; H, 5.15; N, 14.31%. Found C, 54.21; H, 4.94; N, 14.43%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(1.56g、9.70mmol)と水(1.6mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(1.62mL、19.3mmol)を添加した。添加後、その混合物を、45℃(浴)で25時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(2.76g、49.3mmol)を、水(8mL)に窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物235(1.76g、3.85mmol)とTHF(8mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(4mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(163mg、3.85mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。30分間撹拌した後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で10分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、10分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(4×20mL)で洗浄して;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、化合物8(1.38g、92%)を得て、これをHPLCによって89.7%のみ純粋であることを確認した。これにより、サンプルをMeOH(約40mL)と30分間撹拌した。不溶性の物質を濾別して、この濾液に一容積の水を添加して、必要な生成物を沈殿させた。その固体を収集し、水/MeOH=3:1(3×15mL)で洗浄し、乾燥して、(2E)−4−(ジメチルアミノ)−N−[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−ブテンアミド(8)(1.28g、85%)を、黄色/褐色の固体、融点152−155℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.93 (s, 1H), 10.29 (s, 1H), 9.02 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.04 (dd, J=6.4, 2.7 Hz, 1H), 7.94-7.85 (m, 1H), 7.35 (t, J=9.1 Hz, 1H), 6.87 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 4.53 (s, 1 H), 3.09 (br d, J=6.0 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C21H19FN6O.0.8H2O.0.7MeOH: C, 61.00; H, 5.52; N, 19.67%. Found C, 61.26; H, 5.25; N, 19.47%.
1.1.1.9 (2E)−N−[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(9)の調製(スキーム2)
6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4(3H)−オン(200)(1.65g、10.0mmol)、塩化チオニル(20mL)および触媒量のDMF(2滴)の不均質な混合物を、還流下で24時間撹拌して、均質な混合物を得た。これを、減圧下、45℃(浴の温度)でエバポレートして、淡褐色の固体を得た。この固体に、3−エチニル−4−クロロアニリン(J.Org.Chem.,1981,46,2280−2286)(1.67g、11.0mmol)および乾燥DMA(15mL)の溶液を添加した。3−エチニル−4−クロロアニリンの残渣を、さらにDMA(2×2mL)で洗い流した。その反応混合物を室温で24時間撹拌した。これを、水(300mL)に注いで、残渣をMeOHで洗い流した。pHを、NaCO水溶液を用いて室温で約9に調節した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(300mL)を用いてもう1回繰り返した。その固体を濾過によって収集して、水(5×25mL);酢酸エチル/石油エーテル(1:10)(4×25mL)で洗浄し、乾燥して、N−(3−エチニル−4−クロロフェニル)−6−フルオロピリド[3,4−d]ピリミジン−4−アミン(209)(3.0g、100%)を、薄茶色の固体、融点218−222℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 10.13 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.32-8.22 (m, 2H), 7.95 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.60 (s,1H). Anal. Calcd for C15H8Cl FN4.0.5H2O.0.5MeOH: C, 57.51; H, 3.43; N, 17.31. Found C, 57.33; H, 3.13; N, 17.10.
化合物209(3.07g、10.3mmol)と4−メトキシベンジルアミン(13.5mL、103mmol)との乾燥DMSO(27mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、70℃(浴の温度)で141時間撹拌した。この混合物を冷却して、石油エーテル(300mL)を添加した。これを、室温で30分間撹拌した。この層を、分離させて、石油エーテルの層をデカントした。この手順を、さらに石油エーテル(300mL)で繰り返した。水(300mL)を添加して、その混合物を、室温で30分間撹拌した。これを、濾過して、粘着性の固体を水(4×20mL)で洗浄した。粘着性の固体を、最小のアセトン(50mL)に溶解して、水(200mL)を添加した。この混合物を、室温で一晩(22時間)攪拌した。粘着性の固体を再度生成した。これによって、この生成物を、酢酸エチル中に抽出して、この後に、水で数回洗浄し、乾燥して(MgSO)、エバポレートした。粗生成物を、シリカカラム(ジクロロメタン/MeOH=50:1)に加えて、N−(4−クロロ−3−エチニルフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(218)(2.30g、54%)を緑色がかった黄色固体、融点201−203℃として得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.72 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.19 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.56 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.39-7.28 (m, 3H), 7.17 (s, 1H), 6.93-6.82 (m, 2H), 4.59 (s, 1H), 4.49 (d, J=6.3 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H). Anal. Calcd for C23H18ClN5O.0.18hexane: C, 67.04; H, 4.80; N, 16.23%. Found C, 66.76; H, 4.79; N, 15.96%.
化合物218(2.27g,5.46mmol)とDCM(55mL)との攪拌された不均質な混合物に、トリフルオロ酢酸(4.2mL、54.6mmol)、続いてアニソール(1.2mL、10.9mmol)を添加し、その混合物をさらに室温で50時間撹拌した。これを、石油エーテル(400mL)中に注いで、室温で約30分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントして、廃棄した。この過程をさらに石油エーテル(400mL)で繰り返した。後に残された固体をアセトン(30mL)中に溶解して、5MのNH(150mL)を0℃で添加して、室温で20分間撹拌した。その固体を収集して、連続してアセトン/水(1:5)(5×20mL)、石油エーテル/酢酸エチル=10:1(5×20mL)で洗浄し、乾燥してN−(4−クロロ−3−エチニルフェニル)ピリド[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(227)(1.54g、95%)、融点210−213℃を得た;1H NMR δ [(CD3)2SO] 9.77 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.24 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.97 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.29 (s, 2H), 4.56 (s, 1H). Anal. Calcd for C15H10ClN5.1.3H2O.0.5 acetone: C, 56.92; H, 4.52; N, 20.11%. Found C, 56.81; H, 4.22; N, 19.82%.
CDI(2.14g、13.2mmol)と乾燥THF(10mL)との攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、2−(ジエトキシホスホリル)酢酸(2.31g、11.8mmol)のTHF(8mL)の中の溶液を添加した。添加後、反応混合物をさらに40℃(浴)で15分間攪拌した(ここからガスの発生が停止した)。化合物227(1.39g、4.70mmol)の、乾燥THF(6mL)とDMA(7mL)との混合溶媒中の混合物を添加して、さらに40℃で撹拌した。この反応物を、TLC(ジクロロメタン−MeOH=15:1)によってモニターした。3時間攪拌した後、これを、水(300mL)の中に注ぎ、その残渣を、MeOHで洗い流した。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で 分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。これを、石油エーテル(200mL)でもう1回繰り返した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×30mL)で洗浄し、乾燥して、ジエチル2−(4−(4−クロロ−3−エチニルフェニルアミノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イルアミノ)−2−オキソエチルホスホネート(236)(2.03g、91%)を得た;融点124−127℃;1H NMR δ [(CD3)2SO]: 10.86 (s, 1H), 10.37 (s, 1H), 9.03 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.14 (br s, 1H), 7.93 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 7.35 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 4.20-4.00 (m, 4H), 3.30 (d, partially obscured by water peak, 2H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 6H). Anal. Calcd for C21H21ClN5O4 P.H2O.0.2THF: C, 51.72; H, 4.90; N, 13.83%. Found C, 52.06; H, 4.82; N, 13.70%.
2,2−ジエトキシ−N,N−ジメチルエタンアミン(1.67g、10.4mmol)および水(1.8mL)の攪拌混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、37%のHCl水溶液(1.75mL、20.8mmol)を添加した。添加後、その混合物を、45℃(浴)で27時間撹拌した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Aと呼ぶ。KOH(2.98g、53.2mmol)を、水(9mL)に窒素雰囲気下、室温で溶解した。これを、0℃(浴)まで冷却した。これを、溶液Bと呼ぶ。化合物236(1.97g、4.16mmol)とTHF(9mL)との攪拌された不均質な混合物に、室温でかつ窒素雰囲気下で、最少量のDMA(4.5mL)を添加して、均質な溶液を得た。LiCl(176mg、4.16mmol)を添加して、0℃(浴)で15分間撹拌した。この冷却溶液Bを添加して、0℃で2分間撹拌した。次いで、この冷却溶液Aを添加して、最終の反応混合物を継続して窒素雰囲気下、0℃で撹拌し続けた。この反応物を、TLC(DCM−MeOH=10:1)によってモニターした。35分間撹拌した後、これを、水(300mL)の中に注いだ。石油エーテル(300mL)を添加して、室温で15分間撹拌した。石油エーテルの層をデカントした。さらに石油エーテル(300mL)を添加して、10分間撹拌した。その固体を吸引濾過によって収集し;水(5×20mL);石油エーテル/酢酸エチル=10:1(3×30mL)で洗浄し;シリカゲル/KOH上、減圧下で乾燥して、化合物9(1.61g、95%)を得て、これがHPLCによって85.2%だけ純粋であることを確認した。従って、このサンプルを、シリカカラム(酢酸エチル/MeOH=10:1)によって精製した。必要な生成物を含む画分を合わせて、エバポレートして、黄色/オレンジ色の固体を得た。その固体を、温かい酢酸エチル(30mL)に溶解し、石油エーテル(90mL)で沈殿させた。固体を収集して;石油エーテル/酢酸エチル=3:1(3×20mL)で洗浄し、乾燥して、(2E)−N−[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(9)(1.1g、65%)を黄色/オレンジ色の固体、融点173−176℃として得た;11H NMR δ [(CD3)2SO] 10.92 (s, 1H), 10.31 (s, 1H), 9.03 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.18 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.96 (dd, J=8.9, 2.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J=8.9 Hz, 1H), 6.88 (dt, J=15.4, 6.0 Hz, 1H), 6.52 (br d, J=15.4 Hz, 1H), 4.58 (s, 1 H), 3.09 (br d, J=5.8 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H). Anal. Calcd for C21H19ClN6O.0.8MeOH.0.1ethyl acetate: C, 60.42; H, 5.25; N, 19.04%. Found C, 60.15; H, 4.90; N, 18.76%.
1.1.2 α−メチルブロミドトリガーの合成
1.1.2.1 5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(239)の調製(スキーム3)
方法1
化合物237(20.0g、157.36mmol)(Chauviereら、J.Med.Chem.2003,46,427−440の方法に従って調製)およびKCO(32.62g、236.04mmol)のDMF(200mL)中の懸濁物に、0℃でヨウ化メチル(14.70mL、236.04mmol)を滴下した。得られた混合物を、室温まで温めさせ、次いで2時間攪拌した後、過剰のヨウ化メチルを室温でエバポレートした。沈殿物を、濾過によって除去して、DMF濾液を、減圧下、45−50℃で濃縮した。得られた残渣をMeCN/DCM(1:9)で徹底的に抽出し、合わせた抽出物を、シリカゲルの短いカラムを通して濾過した。溶媒を除去した後、粗生成物をMeCNおよびトルエンから再結晶化して、化合物238をオフホワイトの(off−white)結晶性固体(15.74g、71%)、融点161−163℃として得た。1H NMR (CDCl3) δ7.33 (s, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.63 (s, 3H).前に報告されたものと同一(Hosmaneら、J.Org.Chem.,1985,50(26),5892−5)。
化合物238(4.00g、28.34mmol)とNBS(5.30g、29.78mmol)とのMeCN(200mL)中の溶液を、還流下で2時間、1000Wのハロゲン化タングステンランプで照射した。溶媒の約半分を、真空中で除去した後に、水(100mL)を添加した。減圧下のさらなる濃縮によって、白色沈殿物を得て、これを濾過によって収集して、水で洗浄して、減圧下で乾燥し、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(239)(4.69g、75%)を、白色固体、融点130−132℃として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ7.74 (s, 1H), 4.50 (s, 2H), 3.83 (s, 3H).以前に報告されたのと同一(Stribblingら、PCT国際特許公開WO 2008/039087)。分析、実測値:C,27.81;H,3.27;N,19.05.CBrN.0.04ヘキサンは以下を要する:C, 28.16; H, 2.96; N, 18.80. HRMS (FAB+) found: 219.97220, 221.97018 (M+1), calcd. for C5H7 79/81BrN3O2: 219.97216, 221.97012.
方法2
化合物237(120g、0.94mol)、KCO(259.8g、1.88mol)、およびアセトニトリル(2L)を、5Lの3つ首フラスコに充填し、その混合物を200rpmで攪拌しながら0℃まで冷却した。硫酸ジメチル(DMS)(97.8mL、1.03mol)を、シリンジポンプによって2時間にわたって緩徐に添加した。2時間後、その反応物を、室温まで温めさせて、一晩保持した。固体をセライト(120g)で濾過して、5Lのフラスコを、アセトニトリル(200mL)で洗浄した。固体を、アセトニトリル(2×500mL)で、全ての生成物を除去するまで洗浄した。この溶液を、75%のブライン(1L)で希釈して、アセトニトリルを、ロータリーエバポレーションによって除去した。得られたスラリーを、ジクロロメタン(4×1L)で抽出した。合わせた有機層を濾過して、その後にトルエン(1L)を添加して、ジクロロメタンを、ロータリーエバポレーションによって除去した。得られたスラリーを濾過して、ケーキをトルエン(2×1L)で洗浄した。湿った固体をオフホワイトの固体(121g)として回収した。湿った固体を、水(1L)から再結晶して、その固体をヘプタン(1L)で洗浄した。その固体を、40℃真空オーブン中で一晩乾燥した。化合物238を、白色固体として回収した(86.6g、67%)。H NMR(上記のものと同一)。
20−Lのリアクターに、N、凝縮器(condenser)、温度プローブおよび空気攪拌を取り付けた。このリアクターに化合物238(100g、0.71mol)、1,3ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)(203.0g、0.71mol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(45.97g、0.28mol)、およびジクロロメタン(6L)を充填した。この反応物を、150rpmで均質な溶液を攪拌しながら加熱還流した。100時間後、この反応物を20℃で36時間保持した後、10%のNaHCO(1.5L)および10%のNa(1L)で反応をpH7およびヨウ化カリウムデンプン紙(KI−starch paper)陰性までクエンチした(注記:ある程度のガスの発生およびわずかな発熱[6℃]がNaの添加の間に観察された)。有機層を分離して、濾過した後に、水(1L)を添加して、ジクロロメタンを、ロータリーエバポレーションによって除去した。得られたスラリーを濾過して、淡黄色の固体を得て、これをトルエン(500mL)中に50℃で2.5時間再懸濁し、その後に室温まで冷却した。次いで、濾過によって固体を得て、これを40℃で真空オーブン中で一晩乾燥し、その後にトルエン(500mL)中で100℃で1時間懸濁化した。室温まで冷却した後、懸濁物を濾過して、固体を得て、40℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(239)(63.3g、38%)を淡黄色固体として得た。H NMR(上記のものと同一)。
1.1.2.2 5−(ブロモメチル)−1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(244)の調製(スキーム4)
化合物240(50.0g、393.39mmol)とKCO(81.55g、590.08mmol)とのDMF(300mL)中の懸濁物に、0℃でヨウ化メチル(36.74mL、590.08mmol)を滴下した。得られた混合物を、室温まで温めさせ、次いで2時間攪拌し、その後過剰のヨウ化メチルを室温でエバポレートした。沈殿物を濾過によって除去して、DMF濾液を減圧下、45〜50℃で濃縮した。得られた残渣をMeCN/DCM(1:9)で徹底的に抽出し、シリカゲルの短いカラムを通して濾過した。溶媒を除去した後、粗生成物を、MeCN(少量のMeOHを含有)およびトルエンから、再結晶して、化合物241(52.22g、94.0%)を白色結晶性固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ7.66 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.43 (s, 3H). LR-MS (APCI +ve): m/e 142.5 (M+1).以前に報告されたのと同一(Rav−AchaおよびCohen,J.Org.Chem.1981,46(23),4717−4720)。
化合物241(33.0g、233.83mmol)とt−ブチルジクロロアセテート(64.90g、350.74mmol)(ジクロロアセチルクロリド、t−ブタノールおよびトリエチルアミンが含有されるDCMから調製)とのDMF(400mL)中の溶液を、カリウムt−ブトキシド(91.83g、818.40mmol)のDMF(400mL)中の懸濁液に−35〜−25℃(ドライアイス/MeCN浴)で滴下した。得られた混合物を、−25℃でさらに20分間攪拌し、その後に0.5NのHCl(約1000mL)中に注いだ。標準の酢酸エチル/水系後処理、次いで、酢酸エチル/ヘキサン(3:2)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、粗化合物242を、濃い色の固体として得て(23.83g、35%)、これをさらに精製することなく用いた。LR-MS (APCI +ve) m/e 290.5/292.5 (3:1, M+1).
上記で調製した化合物242(23.83g、82.25mmol)は、還流する酢酸(120mL)で45分間処理した後、減圧下で乾燥するまで濃縮した。残渣の標準のNaHCO/DCM後処理、続いて酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、次に化合物243(10.00g、64%)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ5.03 (s, 2H), 3.67 (s, 3H), 2.46 (s, 3H). LR-MS (APCI +ve): m/e 190.4/192.4 (3:1, M+1).
化合物243(10.00g、52.74mmol)とLiBr(4.80g、55.20mmol)との酢酸エチル(500mL)中の懸濁液を、4時間加熱還流した後、標準の酢酸エチル/水系後処理に供した。このようにして得た固体を、上記のようなLiBr/酢酸エチルでもう1回処理した。次いで、粗生成物を、DCM/i−PrOから、ヘキサンの添加によって沈殿させ、5−(ブロモメチル)−1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(244)(11.46g、93%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ4.88 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 2.46 (s, 3H). Anal. Calcd for C5H6BrN3O2.0.04hexane: C, 28.16; H, 2.96; N, 18.80%. Found: C, 27.81; H, 3.27; N, 19.05%. LR-MS (APCI +ve): m/e 234.4/ 236.4 (1:1, M+1).
1.1.2.3 5−(ブロモメチル)−2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(250)の調製(スキーム5)
化合物238(12.65g、90.00mmol)のクロロホルム(100mL)中の懸濁液に、臭素(5.53mL、108.00mmol)を緩徐に添加した。次いで、得られた混合物を2時間攪拌した後に、水(130mL)を添加した。次いで、クロロホルムを蒸留によって取り除き、得られた沈殿物を濾過によって収集して、水で洗浄して、減圧下で乾燥し、化合物245(15.50g、79%)を白色固体、融点180−181℃(報告された値と同一)(PymanおよびTimmis,J.Chem.Soc.,Trans.,1923,123,494−503)として得た。1H NMR (CDCl3) δ3.63 (s, 3H), 2.69 (s, 3H). Anal. Calcd for C5H6BrN3O2: C, 27.29; H, 2.75; N, 19.10%. Found: C, 27.56; H, 2.83; N, 19.10%. LR-MS (APCI +ve): m/e 220.3/222.3 (1:1, M+1).
化合物245(2.20g、10.0mmol)とN−ブロモスクシンイミド(NBS)(1.96g、11.0mmol)とのアセトニトリル(100mL)中の溶液を、還流下で2時間、1000Wのハロゲン化タングステンランプによって照射した。次いで、およそ半分の溶媒を、ロータリーエバポレーターによって除去した後、同じ容積の水を添加した。さらなるエバポレーションによって、白色の沈殿物を得て、これを、濾過によって収集して、水で洗浄して、減圧下で乾燥し、化合物246(2.84g、95%)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) d 4.88 (s, 2H), 3.74 (s, 3H). Analysis found: C, 20.36; H, 1.74; N, 13.98. C5H5Br2N3O2 requires: C, 20.09; H, 1.69; N, 14.06. LR-MS (+): m/e 234.4/ 236.4 (1:1, M+1). 298.3/300.3/302.3 (1:2:1, M+1).
化合物246(2.80g、9.36mmol)のDMF(30mL)中の溶液に、無水酢酸ナトリウム(1.92g、23.4mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、標準の水系酢酸エチル後処理によって、化合物247(2.54g,98%)を白色固体、融点110−112℃として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) d 5.50 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.11 (s, 3H). Analysis found: C, 30.48; H, 2.82; N, 15.13. C7H8BrN3O4 requires: C, 30.24; H, 2.90; N, 15.11. LR-MS (+): m/e 278.4/ 280.4 (1:1, M+1).
化合物247(1.90g、6.83mmol)、テトラエチルすず(5.42mL、27.34mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(790mg、0.68mmol)のNMP(20mL)中の混合物を、110〜120℃まで5時間加熱した後、標準の水系酢酸エチル後処理を行った。得られた粗生成物を、MeCN/DCM(1:5)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した後に、ヘキサンの添加によってDCMから沈殿させて、化合物248(1.04g、67%)を白色固体、融点71−73℃として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ5.48 (s, 2H), 3.64 (s, 3H), 2.76 (q, J = 7.43 Hz, 2H), 2.10 (s, 3H), 1.37 (t, J = 7.43 Hz, 3H). Analysis found: C, 48.11; H, 5.90; N, 18.23%. C9H13N3O4.0.04hexane requires: C, 48.11; H, 5.92; N, 18.22%. LR-MS (+): m/e 228.5 (M+1).
化合物248(1.25g、5.50mmol)のMeOH(10mL)中の溶液に、乾燥KCO(1.52g、11.0mmol)を添加した。20分間の攪拌後、溶媒を減圧下で除去して、残渣を、DCM中に溶解し、シリカゲルの層を通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮して白色結晶を得て、これを、濾過によって収集し、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)の混合物で洗浄して、化合物249(949mg、93%)を、白色結晶性固体、融点153−155℃として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ4.96 (d, J = 6.80 Hz, 2H), 3.67 (s, 3H), 2.79 (t, J = 6.80 Hz, 1H), 2.74 (q, J = 7.50 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.50 Hz, 3H). Analysis found: C, 45.71; H, 6.07; N, 22.87%. C7H11N3O3 requires: C, 45.40; H, 5.99; N, 22.68%. LR-MS (+): m/e 186.5 (M+1).
化合物249(685mg、3.70mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、0℃でトリエチルアミン(0.773mL、5.55mmol)、続いてMsCl(0.344mL、4.44mmol)を滴下した。45分間の攪拌後、その混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液で2回、ブラインで1回洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、セライトを通して濾過した。真空下での濾液の濃縮によって、白色固体(971mg)を得て、これを、H NMRによって、メシラートおよびα−塩化メチル(3:1)の混合物であることを確認し、次の工程に直接用いた。この固体(968mg)のTHF(50mL)中の溶液を、還流下で0.5時間、LiBr(6.39g、86.85mmol)処理した。次いで、溶媒を減圧下で除去して、得られた残渣を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を、水で2回およびブラインで1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥して、セライトを通して濾過した。溶媒を真空中で除去して、5−(ブロモメチル)−2−エチル−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール(250)(851mg、93%)を白色固体、融点91−93℃として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ4.88 (s, 2H), 3.65 (s, 3H), 2.76 (q, J = 7.60 Hz, 2H), 1.37 (t, J = 7.60 Hz, 3H). Analysis found: C, 34.41; H, 4.07; N, 16.96%. C7H10BrN3O2.0.04EtOAc requires: C, 34.18; H, 4.13; N, 16.70%. LR-MS (+): m/e 248.4/250.4 (1:1, M+1).
1.1.2.4 5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル(264)の調製(スキーム7)
方法1
化合物246(1.40g、4.68mmol)のDMA(14mL)(数滴の水を含む)中の溶液に、KCO(647mg、4.68mmol)を添加した。得られた溶液を一晩攪拌した後に、標準の酢酸エチル後処理、続いてMeCN/DCM(5:95−15:85)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、化合物262(330mg、30%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (6d-DMSO, 400MHz) δ5.56 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H). LR-MS (+): m/e 236.5/238.5 (1:1, M+1).
化合物262(300mg、1.27mmol)、Zn(CN)(90mg、0.76mmol)、亜鉛粉末(10mg、0.15mmol)、Pd(dba)(23mg、0.025mmol)およびdppf(28mg、0.051mmol)のDMA(3mL)中の混合物を、窒素下、120℃で3.5時間撹拌した。標準の水系NHCl/酢酸エチル後処理、続いて酢酸エチル/ヘキサン(1:1〜2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、次に化合物263(180mg)をオフホワイトの固体として得て、これが、H NMRによって、少量の未反応の出発物質262を含むことを確認し、直接、次の工程に用いた。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ5.09 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 4.00 (s, 3H), 2.49 (t, J = 6.7 Hz, 1H).
化合物263(173mg、約0.93mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、0℃でMsCl(0.088mL、1.14mmol)、続いてDIPEA(0.182mL、1.04mmol)を滴下した。1時間の攪拌後、反応混合物を、標準の水系NHCl/酢酸エチル後処理に供して、黄色の油状物(237mg;H NMRによる、メシラートとα−塩化メチルとの混合物)を得て、これを直接用いた。この油状物(235mg、約0.90mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、LiBr(1.57g、18.06mmol)を添加した。0.5時間の加熱還流後、溶媒を真空中で取り除き、残渣を標準の水系NHCl/酢酸エチル後処理に供した。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(1:4〜1:2)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル(264)(65mg、3工程にまたがって21%)を、ピンク色の油状物として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ4.86 (s, 2H), 3.95 (s, 3H). LR-MS (+): m/e 277.6/279.6 (1:1, M+1+MeOH).
方法2
化合物245(1.10g、5.00mmol)、Zn(CN)(352mg、3.00mmol)、亜鉛粉末(39mg、0.60mmol)、Pd(dba)(92mg、0.10mmol)およびdppf(111mg、0.20mmol)のDMA(10mL)中の混合物を、窒素下、120℃で3時間撹拌した。次いで、この反応物を、水で希釈して、標準の酢酸エチル後処理、続いて酢酸エチル/ヘキサン(3:4の次に1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、化合物265(657mg、79%)をオフホワイトの固体、融点99−101℃として得た。1H NMR (CDCl3) δ 3.84 (s, 3H), 2.72 (s, 3H). Analysis found: C, 43.64; H, 3.58; N, 33.86. C6H6N4O2 requires: C, 43.38; H, 3.64; N, 33.72.
化合物265(166mg、1.00mmol)、1,3ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)(286mg、1.00mmol)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(66mg、0.40mmol)のジクロロメタン(10mL)中の混合物を、5日間、加熱還流した後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:2の次に1:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル(264)(137mg、56%)を無色の油状物として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ 4.86 (s, 2H), 3.95 (s, 3H). Analysis found: C, 30.17; H, 1.99; N, 22.25. C6H5BrN4O2.0.07EtOAc requires: C, 30.03; H, 2.23; N, 22.30. HRMS (ESI+, 79/81Br) found: m/z 266.9490/268.9475 (M+Na), calcd. for C6H5 79/81BrN4NaO2 +: 266.9488/268.9468.
1.1.2.5 5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド(266)の調製(スキーム7)
5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル(264)(70mg、0.29mmol)の90%のHSO(1mL)中の溶液を、65−70℃で1時間加熱した後、水での希釈および標準の酢酸エチル後処理によって、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド(266)(67mg、84%)を、白色固体、融点220−222℃として得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 8.18 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.02 (s, 3H). HR-MS (APCI+, 79/81Br) found: m/z 262.9770/264.9752 (M+1), calcd. for C6H8 79/81BrN4O3 +: 262.9774/264.9754.
1.1.2.6 5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール(270)の調製(スキーム8)
化合物247(500mg、1.80mmol)、トリブチル(1−プロピニル)すず(1.64mL、5.39mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(416mg、0.36mmol)のNMP(15mL)中の混合物を、80℃で一晩加熱し(14時間)、その後、標準の水系−酢酸エチル後処理を行った。得られた粗生成物をさらにMeCN/DCM(勾配は1:20〜1:5)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物267(147mg、34%)を白色固体、1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ5.47 (s, 2H), 3.77 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.10 (s, 3H). LR-MS (+): m/e 238.5 (M+1); followed by compound 268 (105 mg, 30%) also as white solid, 1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ4.96 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.60 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 2.14 (s, 3H). LR-MS (+): m/e 196.5 (M+1).化合物268は、化合物267を、MeOHの中のKCOで処理することによって、定量的に得た。
化合物268(110mg、0.56mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、0℃でトリエチルアミン(0.118mL、0.84mmol)、続いてMsCl(0.052mL、0.68mmol)を滴下した。0℃で30分間、室温で30分間の後、その混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液およびブラインで2回洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトを通して濾過した。減圧下の濃縮によって、化合物(s)269(145mg、約94%)をオフホワイトの固体として得て、これが、H NMRによって、メシラートおよび塩化物の混合物(3.6:1)であることを確認し、さらに精製することなく用いた。1H NMR (CDCl3, 400MHz) for the mesylate: δ5.62 (s, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.13 (s, 3H), 2.15 (s, 3H); for the chloride: δ5.02 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.14 (s, 3H). LR-MS (+): 274.5 (M+1 of the mesylate); 214.4/216.4 (3:1, M+1 of the chloride).
混合物269(145mg、約0.53mmol)を、還流THF(10mL)中のLiBr(922mg、10.61mmol)で30分間処理した。次いで、THFを、真空中で取り除き、得られた残渣を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトを通して濾過した後に、真空中で濃縮した。このようにして得られた粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−(ブロモメチル)−1−メチル−4−ニトロ−2−(1−プロピニル)−1H−イミダゾール(270)(95mg、69%)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ4.86 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.14 (s, 3H). LR-MS (+): m/e 258.5/260.5 (1:1, M+1).
1.1.3 四級アンモニウム塩プロドラッグの合成
方法A:N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)中の四級アンモニウム塩プロドラッグの調製、続いてアセトニトリル沈殿
式Iのジメチルアミン−保有キナーゼインヒビターのNMP中の溶液に、室温でα−メチル臭化物トリガー(1.0−1.2当量)を添加した。得られた混合物を、一晩(約15時間)攪拌した。次いで、アセトニトリルを、この反応混合物に滴下して、沈殿物の形成が開始するまで攪拌を続けた。次いで、得られた混合物をさらに2時間攪拌し、その後、沈殿物を濾過によってまたは遠心分離によって収集して、アセトニトリル、酢酸エチルおよびヘキサンで洗浄した。次いで、真空下での乾燥によって、四級アンモニウム塩プロドラッグを、白色またはオフホワイトの固体として得た。必要に応じて、この生成物を、さらにNMPおよびMeCNからの再結晶化によって精製した。
1.1.3.1 (2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(12)の調製(スキーム10)
NMP(1.2mL)の中の化合物1(500mg、0.96mmol)とα−メチル臭化物239(231mg、1.05mmol)との、方法Aによる反応によって、(2E)−4−[(4−{3−クロロ−4−[(3−クロロベンジル)オキシ]アニリノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(12)(517mg、73%)、融点182−186℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.28 (s, 1H), 10.25 (s, 1 H), 9.04 (s, 1 H), 8.98 (s, 1 H), 8.61 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.98 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 7.74-7.72 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1 H), 7.56 (s, 1H), 7.47-7.40 (m, 3 H), 7.28 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 7.06-6.98 (m, 1H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.26 (s, 2H), 5.05 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.13 (s, 6 H). Analysis found: C, 48.93; H, 3.92; N, 16.27. C31H30BrCl2N9O4.H2O.0.1EtOAc requires: C, 48.96; H, 4.29; N, 16.37.
1.1.3.2 (2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(13)の調製(スキーム10)
方法Aによる、NMP(1.8mL)中の化合物2(500mg、1.01mmol)とα−メチル臭化物239(244mg、1.11mmol)との反応によって、(2E)−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(13)(538mg、74%)、融点183〜187℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.27 (s, 1H), 10.35 (s, 1 H), 9.02 (s, 2 H), 8.56 (s, 1 H), 8.17-8.14 (m, 3 H), 7.75-7.69 (m, 2H), 7.40-7.35 (m, 1H), 7.12-6.99 (m, 4H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.71 (s, 2H), 5.05 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.13 (s, 6 H). Analysis found: C, 51.71; H, 4.53; N, 20.33. C32H31BrFN11O3.1.5H2O・0.1EtOAc requires: C, 51.72; H, 4.66; N, 20.48.
1.1.3.3 (2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(14)の調製(スキーム11)
方法AによるNMP(0.5mL)中の化合物2(100mg、0.20mmol)とα−メチル臭化物244(52mg、0.22mmol)との反応によって、(2E)−N−[(1,2−ジメチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−[(4−{[1−(3−フルオロベンジル)−1H−インダゾール−5−イル]アミノ}ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル)アミノ]−N,N−ジメチル−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(14)(93mg、63%)、融点188−192℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.27 (s, 1H), 10.38 (s, 1 H), 9.03 (s, 2 H), 8.56 (s, 1 H), 8.17 (s, 2H), 7.76-7.68 (m, 2H), 7.40-7.35 (m, 1H), 7.12-6.99 (m, 4H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.71 (s, 2H), 5.05 (br, 2 H), 4.43 (d, J = 6.8 Hz, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 3.11 (s, 6 H), 2.44 (s, 3H). Analysis found: C, 50.81; H, 4.76; N, 19.42. C33H33BrFN11O3.2.9H2O requires: C, 50.63; H, 5.00; N, 19.64.
1.1.3.4 (2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(15)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1mL)中の化合物3(500mg、1.02mmol)とα−メチル臭化物239(225mg、1.02mmol)との反応によって、(2E)−4−({4−[3−クロロ−4−(2−ピリジニルメトキシ)アニリノ]ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル}アミノ)−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(15)(610mg、84%)、融点189−191℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.28 (s, 1H), 10.25 (s, 1 H), 9.04 (s, 2 H), 8.98 (s, 1 H), 8.61-8.60 (m, 2H), 8.14 (s, 1H), 7.99 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.91-7.87 (dt, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H), 7.74-7.71 (dd, J = 2.5, 8.94 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.39-7.36 (dd, J = 5.3, 7.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.06-6.98 (m, 1H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.31 (s, 2H), 5.05 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.11 (s, 6 H). Analysis found: C, 48.65; H, 4.34; N, 18.58. C30H30BrClN10O4.1.8H2O requires: C, 48.54; H, 4.56:, N, 18.87.
1.1.3.5 (2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(16)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1.2mL)中の化合物4(500mg、1.20mmol)とα−メチル臭化物239(290mg、1.32mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(3,4−ジクロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(16)(648mg、85%)、融点191−195℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.32 (s, 1H), 10.41 (s, 1 H), 9.09 (s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.27 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1H), 7.93-7.90 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.07-6.99 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.06 (br, 2 H), 4.45 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.13 (s, 6 H). Analysis found: C, 43.86; H, 3.82; N, 18.79. C24H24BrCl2N9O3.H2O.0.1EtOAc requires: C, 44.13; H, 4.07; N, 18.98.
1.1.3.6 (2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(17)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1.2mL)中の化合物5(500mg、1.08mmol)とα−メチル臭化物239(262mg、1.19mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(17)(650mg、88%)、融点200〜204℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.32 (s, 1H), 10.40 (s, 1 H), 9.08 (s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 8.70 (s, 1 H), 8.37 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1H), 7.98-7.95 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1 H), 7.66 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.06-6.99 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.3 Hz, 1 H), 5.05 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.13 (s, 6 H). Analysis found: C, 41.16; H, 3.67; N, 17.55. C24H24Br2ClN9O3.H2O.0.1EtOAc requires: C, 41.36; H, 3.81; N, 17.79.
1.1.3.7 (2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(18)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1.5mL)中の化合物6(700mg、1.52mmol)とα−メチル臭化物239(367mg、1.67mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(4−ブロモ−3−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(18)(875mg、85%)、融点209〜213℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.35 (s, 1H), 10.43 (s, 1 H), 9.09 (s, 1 H), 9.03 (s, 1 H), 8.71(s, 1 H), 8.27 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.15 (s, 1H), 7.86-7.78 (m, 2 H), 7.07-6.99 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.3 Hz, 1 H), 5.05 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 6.8 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.12 (s, 6 H). Analysis found: C, 40.97; H, 3.68; N, 18.03. C24H24Br2ClN9O3.1.2H2O requires: C, 40.98; H, 3.78; N, 17.92.
1.1.3.8 (2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(19)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1.5mL)中の化合物7(700mg、1.38mmol)とα−メチル臭化物239(335mg、1.52mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(3,4−ジブロモアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(19)(840mg、84%)、融点215−219℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.35 (s, 1H), 10.41 (s, 1 H), 9.09 (s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.37 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1H), 7.91-7.88 (dd, J = 8.8, 2.2 Hz, 1 H), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.07-7.01 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.04 (br, 2 H), 4.44 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.12 (s, 6 H). Analysis found: C, 38.79; H, 3.34; N, 16.70. C24H24Br3N9O3.H2O requires: C, 38.73; H, 3.52; N, 16.94.
1.1.3.9 (2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(20)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1mL)中の化合物8(586mg、1.50mmol)とα−メチル臭化物239(363mg、1.65mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(3−エチニル−4−フルオロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(20)(645mg、70%)、融点198℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.31 (s, 1H), 10.36 (s, 1 H), 9.06 (s, 1 H), 9.00 (s, 1 H), 8.65 (s, 1 H), 8.14 (s, 1H), 8.03 (br, 1H), 7.88 (br, 1H), 7.36 (t, J = 9.1 Hz, 1 H), 7.06-6.99 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.06 (br, 2 H), 4.53 (s, 1H), 4.45 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.13 (s, 6 H). Analysis found: C, 48.61; H, 4.37; N, 18.78. C26H25BrFN9O3.2H2O.0.2EtOAc requires: C, 48.47; H, 4.64; N, 18.98.
1.1.3.10 (2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(21)の調製(スキーム10)
方法AによるNMP(1.2mL)中の化合物9(500mg、1.23mmol)とα−メチル臭化物239(297mg、1.35mmol)との反応によって、(2E)−4−{[4−(4−クロロ−3−エチニルアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(21)(630mg、82%)、融点199〜202℃(分解)を得た。1H NMR [(CD3)2SO] δ 11.34 (s, 1H), 10.39 (s, 1 H), 9.08 (s, 1 H), 9.02 (s, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.17 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1H), 7.96-7.93 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1 H ), 7.59 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 7.06-6.99 (m, 1 H), 6.80 (d, J = 15.2 Hz, 1 H), 5.05 (br, 2 H), 4.60 (s, 1H), 4.44 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.12 (s, 6 H). Analysis found: C, 48.16; H, 4.22; N, 19.19. C26H25BrClN9O3.1.2H2O.0.1EtOAc requires: C, 48.24; H, 4.32; N, 19.18.
2.化合物の有効性
2.1 細胞増殖の阻害性活性
2.1.1.Pan−erbBキナーゼインヒビター類
式Iのキナーゼインヒビター(化合物1−9)類を、先行文献との比較を得るために選択された3つのヒト癌腫細胞株の増殖を阻害する能力について試験した:A431(類表皮)(これは、erbB1(EGFR)を過剰発現する);H1975(非小細胞肺癌)(これは、承認された可逆性erbB1インヒビターであるエルロチニブに対して耐性を付与することが公知であるerbB1の二重変異型であるerbB1 L858R/T790Mを過剰発現する)、およびSKOV3(卵巣)(これは、erbB2(HER2)を過剰発現する)。この細胞を、有酸素条件下で24時間または無酸素条件下で4時間、続いて酸素条件下で20時間のいずれか、試験化合物に曝した。次いで、それらを薬物なしで洗浄して、さらに4日間インキュベートして、その後に、スルホローダミンBで細胞増殖のために染色した。IC50値と呼ばれる、未処理のコントロールウェルに対して50%まで細胞増殖を阻害するために必要な化合物の濃度を算出した。
結果を表1にまとめる。
Figure 0005925680
表1の脚注
化合物の用量応答曲線は、10の濃度で決定した。細胞を、試験化合物に対して24時間曝露した後、薬物なしの培地で洗浄した(×3回)。IC50(umol/L)の値とは、未処理のコントロールに対して50%まで細胞増殖を阻害するのに必要な濃度である。値は、2〜8の独立した決定の平均(%CV<20(全例で))である。実験は完全に有酸素条件下で行った。24時間の薬物曝露の最初の4時間は、無酸素条件下で行った。低酸素細胞毒性比(Hypoxic Cytotoxicity Ratio)=有酸素条件のみを受けた細胞に対して4時間の無酸素を受けた細胞についての実験内のIC50の変化倍数。
不可逆性のerbB1、2、4インヒビター類である1、2、3、4、5、6、7、8および9は、H1975細胞(IC50=1.3〜0.15umol/L)およびSKOV3細胞(IC50=1.8〜0.2umol/L)よりも有酸素のA431細胞(IC50=0.28〜0.005umol/L)の増殖をさらに強力に阻害し、この細胞が、3つの細胞株にまたがって全ての化合物について、0.5〜3.3の範囲におよぶ実験内HCRで4時間の無酸素を受けた場合、なんら有意な力価の変化を示さなかった。
2.1.2 汎(pan)−erbBインヒビター類のプロドラッグ
式IIIの選択されたプロドラッグ化合物(化合物12−21)を、先行文献と比較するために選択した、以下の3つのヒト癌腫細胞株の増殖を阻害する能力について試験した:A431(類表皮)(これは、erbB1(EGFR)を過剰発現する);H1975(非小細胞肺癌)(これは、承認された可逆性erbB1インヒビターであるエルロチニブに対して耐性を付与することが公知であるerbB1の二重変異型であるerbB1 L858R/T790Mを過剰発現する)、およびSKOV3(卵巣)(これは、erbB2(HER2)を過剰発現する)。この細胞を、有酸素条件下で24時間または無酸素条件下で4時間、続いて酸素条件下で20時間、試験化合物に曝した。次いで、それらを薬物なしで洗浄して、さらに4日間インキュベートして、その後に、スルホローダミンBで細胞増殖のために染色した。IC50値と呼ばれる、未処理のコントロールウェルに対して50%まで細胞増殖を阻害するために必要な化合物の濃度を算出した。
結果を表2にまとめる。
Figure 0005925680
表2の脚注
化合物の用量応答曲線は、10の濃度で決定した。細胞を、試験化合物に対して24時間曝露した後、薬物なしの培地で洗浄した(×3回)。IC50(umol/L)の値とは、未処理のコントロールに対して50%まで細胞増殖を阻害するのに必要な濃度である。値は、2〜8の独立した決定の平均(%CV<20(全例で))である。実験は完全に有酸素条件下で行った。24時間の薬物曝露の最初の4時間は、無酸素条件下で行った。低酸素細胞毒性比=有酸素条件のみを受けた細胞に対して4時間の無酸素を受けた細胞についての実験内のIC50の変化倍数。
表2の全てのプロドラッグ(12、13、14、15、16、17、18、19、20および21)は、細胞が4時間の無酸素状態を受けた後、3つ全ての細胞の増殖を阻害するのに有意に強力であった。低酸素細胞毒性比(hypoxic cytotoxicity ratios)(HCR)は、4−ニトロイミダゾール還元性トリガーの低酸素選択性還元、続いて不可逆性erbB1、2、4インヒビターを遊離するトリガーフラグメンテーションと一致して、A431細胞では8〜96、H1975細胞では14〜89、そしてSKOV3細胞では15〜528におよんだ。
2.2.細胞酵素阻害性活性
化合物3、5および6を、それらがEGF刺激性A431細胞で、erbB1(EGFR)、およびp44/42 MAPK(Erk1/2)の自己リン酸化を阻害する能力について、リン−erbB1およびリン−Erk1/2状態のウエスタンイムノブロット測定によって、試験した。
A431細胞を、6ウェルのプレート(αMEM+5%のFCSを含む)に播種した。翌日、プレートを、無血清の培地で1回洗浄し、無血清培地(αMEM)中で18時間増殖させた後に、ある範囲のインヒビターまたはプロドラッグの濃度に1時間曝し、次いで15分間、100ng/mlの上皮細胞増殖因子(EGFレセプターリガンド)で刺激した。次に、細胞を、冷却PBSで洗浄して、氷上で改変RIPA緩衝液中に溶解した(30分)。溶解液をボルテックスして、スピンすることによって清明にした後、サンプルのタンパク質濃度を、BCAアッセイによって測定した。ウエスタンブロット分析のために、1ウェルあたり5μgの総タンパク質をNuPAGE4〜12%ゲルにロードして、150V(1時間)泳動した後、0.45μmのニトロセルロース膜に転写し、続いて2%のBSAが含有されるTBS−Tween0.1%で1時間ブロッキングした。全ての抗体を2%のBSA TBS−Tween 0.1%中に希釈して、リン−EGFR(Tyr 1068)を検出するために、モノクローナル抗体(1:500;Cell Signalling #2234)を4℃で一晩インキュベートして、結合を、ヤギ−抗−ウサギ−IgG−HRP結合体化二次抗体(1:5000;Santa Cruz #SC2054;3h RT)で検出した。下流のリン−p44/42MAPK(Erk1/2)(Thr202/Tyr 204)を検出するために、モノクローナル抗体(Cell Signalling #4370)を1:500希釈で用いた。次いで、ブロットをヤギ抗−ウサギIgG−HRP結合体化二次抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc.sc−2054)を用いて3時間、1:5000の比で処理した。ゲルのロードにおける不正確性を正規化するために、各々のブロットは、抗−β−アクチン抗体(Abacus ALS # MAB−1501R,1:2000希釈)でプローブした。翌日、そのブロットを、ヤギ抗−マウスIgG−HRP結合体化二次抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc.sc−2055)を用いて1時間、1:5000の比で処理した。タンパク質のバンドを、Amersham ECLプラス・ウエスタンブロット検出試薬(Plus Western Blotting Detection Reagent)(GE Healthcare RPN2132)を用いて可視化した。濃度測定は、Image J softwareを用いて決定した。β−アクチンに対して正規化した値を、SigmaPlot 11.0.上にプロットした。
化合物3、5および6は、それぞれ0.0483、0.0395および0.0250μMというIC50で細胞性erbB1(それぞれ、図12A、13Aおよび14A)の強力なインヒビターであることが示された。さらに、A431細胞におけるEGFRリン酸化の抑制は、EGFR活性によって左右されるシグナル伝達ネットワークの調節を示す下流のp44/42 MAPK(Erk 1/2)リン酸化(Thr202/Tyr 204)の協調喪失によって達成された(それぞれ、図12B、図13Bおよび図14B)。対照的に、四級アンモニウム塩誘導体プロドラッグ15は、erbB1自己リン酸化の阻害において、インタクトなA431細胞で、そのそれぞれのインヒビターである化合物3に比べて有効性が110分の1であった(5.29μMというIC50;図15Aおよび図16)(図12A)。同様の力価の喪失が、p44/42 MAPK(Erk 1/2)リン酸化(Thr202/Tyr 204)について観察され(それぞれ化合物3およびプロドラッグ15について、0.179μMおよび8.9μMというIC50(図12Bおよび図15Bを比較)、これによって、EGFR活性によって左右される下流のシグナル伝達ネットワークの有効な調節が不足していることが示される。それぞれのバンド濃度測定の値を、リン−EGFRの用量依存性の阻害についてプロットしたところ(β−アクチンについて補正)、プロドラッグ15が化合物3に対して110倍不活性化されることが明らかである。このプロドラッグの細胞のerbB1阻害性力価のこの喪失は、正に荷電された四級アンモニウム塩の存在に起因するこのプロドラッグの細胞排除に主に起因する。
2.3 放射線分解還元
電子親和性プロドラッグは、正常な組織における正常酸素条件下で比較して固形腫瘍の低酸素領域における一電子過程によって選択的に還元されて、細胞毒性エフェクターが形成または遊離され得る(BrownおよびWilson,Nature Rev.Cancer,2004,4,437−447)。このプロドラッグは、NHEに対して−0.6V〜−0.2V、好ましくは−0.5V〜−0.3Vの一電子還元電位E(1)を保有するトリガー部分を含むべきである。多くの化合物のE(1)値は、文献から得てもよいし(例えば,Wardman,P.J.Phys.Chem.Ref.Data,1989,18,1637−1755)または多数の方法によって決定してもよい。パルスラジオリシス法(pulse radiolysis method)は、例えば、それらの一電子還元の際に形成されたプロドラッグのラジカルアニオンと、ビオロゲンおよびキノン化合物などの参照標準との間の平衡定数を測定し、そのデータから、化合物のE(1)値を算出できる。(MeiselおよびCzapski.J.Phys.Chem.,1975,79,1503〜1509)。プロドラッグ13、15〜19のE(1)値は、パルスラジオリシス法によって測定し、−0.428V〜−0.417Vの範囲であることを確認した(表3)。全てが、それらのラジカルアニオンの酵素的形成を生物学的状態で可能にする適切なE(1)値を有すると考えられる。
適切なE(1)値を有するプロドラッグを、溶液中のプロドラッグのラジオリシス(放射線分解)後に、多数の方法によって、エフェクター部分を遊離する能力について試験してもよい。例えば、放射線分解の前後の質量分析法(MS)および/または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、出発化合物および放射線分解の結果として形成された生成物を特定する。いくつかの一電子還元剤が、異なる溶質を含む溶液の放射線分解の際に生成され得る。例えば、ギ酸イオンを含むγ線照射溶液中で形成されたCO ・−ラジカルは、−1.90Vという低いE(1)を保有し(Schwarzら、Inorg.Chem.,1985,24,433〜439)、より高いE(1)の化合物への容易な電子伝達を受ける。使用される照射条件下では、一電子還元当量における0.66μMという濃度(CO ・−ラジカル)が、吸収された放射線量の1Gy(J kg−1)あたりに生成される。(Mulazzaniら、J.Phys.Chem.,1980,90,5347〜5352)。溶液の放射線分解の際に生成される還元性当量の濃度とプロドラッグ濃度中の損失を比較することによって、各々のプロドラッグの完全な損失のために一電子の還元が必要であるか、または多電子の還元が必要であるかを決定することができる。典型的には、プロドラッグの一電子除去の証拠は、同じプロドラッグ分子の多電子還元を最小化するために、0.95還元当量がこのプロドラッグに移動された後に求められる。プロドラッグの一電子除去の場合、これはそのラジカルアニオンのフラグメンテーションを示す場合が多い。この結論はさらに、遊離された細胞毒性エフェクターおよび一過性のベンジル型ラジカルから生じる生成物の組み合わせたHPLC−MS特定によって支持される(例えば、H原子除去によって形成されるメチルニトロ芳香族化合物(MNA))。これは、特定の関連するアリールメチル四級窒素マスタード類の場合に生じることが示された(Andersonら、J.Phys.Chem.,1997,101,9704−9709;Wilsonら.Radiat.Res.,1998,149,237−245)。プロドラッグ17について得られたデータは、その消費とHPLC−MSによって検出される遊離のエフェクター(化合物5)で、一電子還元レベルで一致している(0.95還元性等価レベルでプロドラッグの損失が50%を超える)(表3)。
還元性プロドラッグは、トリガー部分の一電子還元の際に制御されたフラグメンテーション率定数を有するように選択されることが望ましい。腫瘍細胞の低酸素領域において高濃度の細胞毒性エフェクターを放出するために高速のフラグメンテーションが望ましいが、これは、正常酸素のもとで正常な組織細胞についてとは異なる。エフェクターの遊離を効率的に阻害する、酸素による一電子還元のニトロアレーンベースのプロドラッグの逆酸化の速度定数kOは、以下の表現で示される:−(Wardmanら、Biochem.Soc.Symp.,1995,61,171−194;Andersonら、Org.Biomol.Chem.2005,3,2167−2174)。
logkO/M−1−1=(4.6±0.1)−(5.0±0.2)×E(1)C/C・−
ここでE(1)C/C・−は、プロドラッグの一電子還元電位である。このことは、E(1),−0.5V〜−0.3Vの好ましい範囲にわたって、正常細胞の逆酸化の、みかけの一次速度定数(これは、生理学的条件下で、10μM程度の低い酸素濃度であってもよい)が、130s−1から13s−1まで低下することを意味する。従って、プロドラッグのE(1)における好ましい範囲にまたがって、正常酸素の組織で十分な逆酸化を可能にする、従ってプロドラッグの低酸素選択性フラグメンテーション(例えば、5:1)を付与する、フラグメンテーション速度の範囲は最も好ましくは、所望のE(1)の上限においてプロドラッグについて約2〜30s−1、そして所望のE(1)の下限においてプロドラッグについて約20〜300s−1という領域である。一電子還元プロドラッグのフラグメンテーションの速度定数であるkfragは、ラジカルアニオンのフラグメンテーションの際に生じるベンジル型ラジカルの吸収スペクトルの時間分解形成を観察するためにパルス放射線分解を用いて測定してもよい(Andersonら、J.Phys.Chem.A,1997,101,9704〜9709)。プロドラッグ13、15〜17のkfrag値は、パルス放射線分解によって測定し、表3に示す。全てのプロドラッグが、A431、H1975およびSKOV3細胞ベースの抗増殖性アッセイにおいてインビトロで許容される低酸素細胞毒性比(HCR)を示すものと一致して、所望の範囲で、低酸素下の一電子還元の際のフラグメンテーション速度を有する(表3)。
Figure 0005925680
表3の脚注
メチルビオロゲンに対して決定した、E(1)MV2+/MV+.=−447±7mV。360〜390nmの領域で吸収性のベンジル型ラジカルの形成のためのパルス放射線分解のデータ。
0.95還元当量のHPLC−MSで行った測定;>50%は、一電子還元の際のフラグメンテーションを示す。HPLC−MSによるメチルニトロ芳香族(MNA)の検出。
2.3.1 放射線分解還元の実験
還元当量の導入の際に、エフェクターを遊離するための溶液中の例示的プロドラッグの相対活性を、60Coγ−線照射器の使用によって決定した。プロドラッグは、Millipore水(5mMのリン酸ナトリウムによってpH7で緩衝化された50mMギ酸ナトリウムを添加された)中に、50μM以下の濃度で溶解した。溶液は、気密のガラス製品中に含まれ、Fricke線量測定を用いて以前に測定した、7.5Gy/分の線量での放射線分解の前に、連続的にNOガスで30分間飽和された(FrickeおよびHart,「Chemical Dosimetry」Radiation Dosimetry 第2巻,Attrix,F.H.;Roesch,W.C.;Tochilin,E.(編集),Academic Press,New York,1966,167〜239頁)。上記で使用される放射線条件下で、一電子還元当量において0.66μMの濃度(CO ・−ラジカル)が、1Gyあたりに生成され(Mulazzaniら、J.Phys.Chem.,90,5347〜5352,1980)、プロドラッグ(P)は、電子伝達によって還元される。
γ−照射+HO→e aq+HOH+H
aq+NO→OH+OH+N
OH/H+HCOO−→HO/H+CO ・−
CO ・−+P→P・−+CO
プロドラッグ17の損失およびそのエフェクター5の形成は、二重照射サンプルにおけるHPLC−質量分析(MS)によってモニターした。0.95還元当量レベルでのプロドラッグの濃度の損失パーセンテージおよびエフェクターの形成を決定した。さらに、プロドラッグ17からのメチル−ニトロ芳香族の検出を記録した。0.95還元当量レベルでの濃度の50%を超える損失を示すプロドラッグは、一電子の化学量論を示す。
パルス放射線分解を用いて、一電子還元および化合物の安定性をリアルタイムでモニターした。高速分光光度検出システムを装備した高エネルギー電子(4MeVの200nsで2−3Gy)の短いパルスを送達する線形加速器を用いた(Andersonら、J.Phys.Chem.A,101,9704〜9709,1997)。プロドラッグを、上記のギ酸イオンを含有するNO飽和溶液に溶解し、これによって、パルス放射線分解後に、2〜3マイクロ秒内に化合物のラジカルアニオンの急速形成が得られた。このフラグメンテーションの速度は、トリガー部分のベンジル型ラジカルの形成に相当する波長で一過性の動態を分析することによって決定した。(Baysら、J.Am.Chem.Soc.,105,320〜324,1983;Andersonら、J.Phys.Chem.A,101,9704〜9709,1997)。
2.4 本発明の化合物のインビボ有効性
方法
特異的な無菌の雌性NIH−IIIヌードマウス(Charles River Laboratories(Wilmington,MA)が供給する繁殖マウス由来)を、12時間の明/暗サイクルで温度制御室(22±2℃)で4〜6匹の群で飼育し、水および標準のげっ歯類食(Harlan Teklad diet 2018i)は自由に摂らせた。全ての動物は、耳のタグ番号で個別に特定可能であった。
新鮮に収集した細胞懸濁液を、PBS中に含有される5×10個のH1975またはA431細胞を用いて右脇腹上に皮下摂取した(100μL)。平均の腫瘍径は、最長の径(長さ)と垂直方向の測定値(幅)とを掛けて平均した。腫瘍容積(mm)は、式(L×w)×π/6を用いて算出した(ここで;L=長さおよびw=幅(癌腫のmm))。
増殖遅延実験手順
処置は、キャリパーの測定で決定して、腫瘍が約250mmの容積に達した時に開始した。全ての薬物は、10−20ml/kgの投与容積で腹腔内注射によって与えた。マウスは、q3d×4、q5d×4またはq7d×4のスケジュールにまたがってMTDで投与して、研究の30日の期間にまたがって3〜5日ごとにキャリパーで腫瘍増殖を測定した。マウスは、毒性の兆候を呈した場合、または体重が出発体重の20%を超えて損失した場合に処分した。全ての動物実験は、オークランド大学(University of Auckland)の動物倫理委員会(Animal Ethics Committee)が承認したプロトコールに従った。
腫瘍直径が処理サイズに達した場合、腫瘍保有マウスを、処理群に無作為に割り当てた。動物は、異種移植片が以下の証拠を示す場合、拒絶された:(i)下にある筋肉に対する癒着(局所侵襲のリスクに起因する)、(ii)潰瘍の兆候、または(iii)無痛性の腫瘍増殖。薬物投与は、割り当ての日に開始する。
処置の間および後、腫瘍の大きさおよび体重を定期的に測定した。動物は、(i)腫瘍の平均直径が15mm(生存の終末点)を超えた場合、(ii)体重の損失が処置前の値の20%を超えた場合、(iii)病的状態の延長もしくは過剰な罹患率の証拠がある場合、または腫瘍潰瘍形成が生じた場合、に処分した。実験は、処置開始後、21日(A431腫瘍)または30日(H1975腫瘍)に終えた。
有効性分析
個々の腫瘍について、処置1日に対して4倍まで容積が増大する時間(RTV)を記録した。中央値RTVは、各々の群について算出され、コントロール群と処置群との間のRTVの相違は、腫瘍増殖遅延(Tumour Growth Delay)(TGD)として日数で記載する。RTV値は、0日の腫瘍処置容積のなんらかのバイアスについて正規化する。カプラン・マイヤープロット(Kaplan−Meier plot)を構築して、中央生存を算出した(TTE50)。処置群とコントロール群との間で、RTVに達するのにかかる全生存時間におけるなんらかの相違の統計的な相違を、Log Rank P統計学的検定によって分析した。
毒性
体重損失の最下点(時間とは独立した最大値)を、各々の処置群について記録した。処置関連の罹患率のなんらかの兆候を記録した。許容できる毒性とは、試験の間に群の平均の体重損失が15%を超えることがなく、体重損失が20%を超える個体がおらず、どの24時間の期間にも10%を超える個体の体重損失がないと規定した。全ての不測の死を記録した。
結果
処置後の中央腫瘍増殖曲線を、図1〜11に示す。毒性および有効性に対する処置の効果のまとめの表を下の表4〜6に示す。
全体として、9つのキナーゼインヒビターおよび9つのプロドラッグを、ヒトH1975またはA431の腫瘍異種移植片を有するマウスに投与した。平均(±SD)腫瘍容積は処置開始で、H1975腫瘍について245mm±60mm、およびA431腫瘍については268mm±124mmであった。
耐容される用量レベルで、全てのキナーゼインヒビターが、腫瘍増殖を遅延した。この腫瘍増殖遅延は、H1975腫瘍(図1−3)およびA431腫瘍(図4)の両方において、q3d×4で投与した場合、化合物2〜9について特に有意であった(P<0.05、ログ−ランク検定)。全ての群にまたがって、ごくわずかな体重の損失があったが、H1975異種移植片マウスにおける化合物5および7での処置後1例の死があった(表4)。
Figure 0005925680
表4の脚注
腹腔内注射による乳酸塩緩衝液(pH4)中で投与(<0.02ml/g);薬物関連である可能性が高いと考えられる全ての動物死;各々の個体についての0日の体重に対する平均体重損失最下点(時間とは独立した最大値)(%);腫瘍増殖遅延であって、コントロールの増殖に対して最初の処置容積の4倍に達するのに要する時間(RTV;0日の容積に対して)の増大の%として算出したもの;RTVの生存終末点を想定する、緩衝液処置したコントロールに対して処置した化合物のカプラン・メイヤーログランク(Kaplan−Meier Log Rank)生存分析。
同様に、プロドラッグ(化合物12、13、15〜21)は全てが、q3d×4のスケジュールでの処理後にH1975(図5〜図7)またはA431(図8)異種移植片モデルにおいて腫瘍増殖を有意に遅延した(P<0.05、ログ−ランク検定)。ここでも、全ての処置群においてマウスでごくわずかな体重の損失があったが、化合物19での処置後の死は1例であった(表5)。
Figure 0005925680
表5の脚注
腹腔内注射によって乳酸塩緩衝液(pH4)で投与(<0.02ml/g);薬物関連の可能性が高いと考えられる全ての動物死;各々の個体について0日の体重に対する平均体重損失最下点(時間独立の最大値)(%);腫瘍増殖遅延(Tumour Growth Delay)であって、コントロールの増殖に対して初期処置容積4倍に達するのに要する時間(RTV;0日の容積に対して)の増大の%として算出したもの;RTVの生存終末点を想定する、緩衝液処置のコントロールに対して処置した化合物のカプランメイヤーログランク生存分析。
プロドラッグ15および17を、それぞれそれらの同族のキナーゼインヒビター3および5と一緒に投与して、キナーゼインヒビターに比較してプロドラッグについてのH1975腫瘍における増殖遅延の期間延長が明らかになった(図9〜図10)。
プロドラッグ17を、複数の投薬スケジュールで試験した:q3d×4、q5d×4およびq7d×4、をそのq3d×4 MTDで。全ての3つの投与スケジュールでは、化合物17は、コントロールに比較して、H1975腫瘍の腫瘍増殖を有意に遅延した(図11)。3つの投与スケジュールの間の腫瘍増殖には統計的に著しい相違はなかった。体重損失は、q3d×4投薬後に最大で、q7d×4投薬後に最小であった(表6)。しかし、1例の死亡をq7d×4処置群で観察した。この死亡が薬物関連であるか否かは明らかではなかった。化合物17はまた、q3d×4およびq5d×4で、そのq3d×4 MTDで、A431異種移植片マウスに対して投与され、ここでは、両方の投薬スケジュールが、A431腫瘍増殖において同様の遅延、および動物体重において同様の損失を生じた(表6)。
Figure 0005925680
表6の脚注
腹腔内注射によって乳酸塩緩衝液(pH4)で投与(<0.02ml/g);薬物関連の可能性が高いと考えられる全ての動物死;各々の個体について0日の体重に対する平均体重損失最下点(時間独立の最大値)(%);腫瘍増殖遅延(Tumour Growth Delay)であって、コントロールの増殖に対して初期処置容積4倍に達するのに要する時間(RTV;0日の容積に対して)の増大%として算出したもの;RTVの生存終末点を想定する、緩衝液処置のコントロールに対する化合物処置群のカプランメイヤーログランク生存分析。
全体として、インビトロおよびインビボの活性データによって、キナーゼインヒビターとして本発明の化合物の有効性を示す。従ってこの化合物は、キナーゼ阻害性の治療における使用に適切である。これは特に、還元性プロドラッグおよび癌治療の場合である。なぜなら腫瘍が一般に低酸素領域を有するからである。プロドラッグは、低酸素下で還元されて、親のキナーゼインヒビターを遊離し、腫瘍標的効果を生じる。
プロドラッグ15、17および18は、特に見込みのある治療候補とみなされる。
本発明は、上記のように広範に記載してきたが、当業者は、特定の説明が例示でしかないこと、および改変が以下の特許請求に規定されるように本発明から逸脱することなくなされ得ることを理解する。
上述の全ての刊行物はその全体が本明細書において援用される。

Claims (7)

  1. 化合物(2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド(5)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  2. 化合物(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミド(17)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
  3. 請求項1に記載の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤もしくは希釈剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
  4. 請求項2に記載の化合物を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤もしくは希釈剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
  5. 請求項1に記載の化合物を癌治療薬の製造に使用する方法。
  6. 請求項2に記載の化合物を癌治療薬の製造に使用する方法。
  7. (2E)−N−[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミドと、[(1-メチル-4-ニトロ-1H-イミダゾール-5-イル)エチルブロミドとを接触させることからなる化合物(2E)−4−{[4−(3−ブロモ−4−クロロアニリノ)ピリド[3,4−d]ピリミジン−6−イル]アミノ}−N,N−ジメチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−オキソ−2−ブテン−1−アンモニウムブロミドの製造方法

JP2012527843A 2009-09-02 2010-09-02 キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用 Active JP5925680B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NZ57945809 2009-09-02
NZ579458 2009-09-02
PCT/NZ2010/000174 WO2011028135A1 (en) 2009-09-02 2010-09-02 Kinase inhibitors, prodrug forms thereof and their use in therapy

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015237314A Division JP2016094432A (ja) 2009-09-02 2015-12-04 キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013503859A JP2013503859A (ja) 2013-02-04
JP5925680B2 true JP5925680B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=43649498

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012527843A Active JP5925680B2 (ja) 2009-09-02 2010-09-02 キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用
JP2015237314A Pending JP2016094432A (ja) 2009-09-02 2015-12-04 キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015237314A Pending JP2016094432A (ja) 2009-09-02 2015-12-04 キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用

Country Status (14)

Country Link
US (2) US9101632B2 (ja)
EP (1) EP2473509A4 (ja)
JP (2) JP5925680B2 (ja)
KR (1) KR20120076350A (ja)
CN (2) CN102574846B (ja)
AU (1) AU2010290199B2 (ja)
BR (1) BR112012004720B1 (ja)
CA (1) CA2771016A1 (ja)
IL (1) IL218182B (ja)
MX (1) MX336332B (ja)
NZ (1) NZ598144A (ja)
RU (1) RU2568639C2 (ja)
WO (1) WO2011028135A1 (ja)
ZA (1) ZA201200994B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016094432A (ja) * 2009-09-02 2016-05-26 オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3226869A4 (en) * 2014-12-03 2018-07-18 Auckland UniServices, Ltd. Kinase inhibitor prodrug for the treatment of cancer
JP6692423B2 (ja) 2015-11-01 2020-05-13 ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ コロラド,ア ボディ コーポレイト Wee1キナーゼ阻害剤、並びにそれを作製及び使用する方法
JP7226804B2 (ja) * 2017-03-03 2023-02-21 オークランド ユニサービシズ リミテッド Fgfrキナーゼ阻害剤及び医薬用途
AU2018330171A1 (en) * 2017-09-08 2020-03-12 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Compounds, compositions and methods for treating or preventing HER-driven drug-resistant cancers
WO2019125184A1 (en) 2017-12-19 2019-06-27 Auckland Uniservices Limited Use of biomarker in cancer therapy
AU2019227823A1 (en) * 2018-02-28 2020-08-06 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate WEE1 kinase inhibitors and methods of treating cancer using the same
US20220194940A1 (en) * 2019-04-25 2022-06-23 Board Of Regents, The University Of Texas System Heterocyclic inhibitors of tyrosine kinase
WO2021127456A1 (en) 2019-12-19 2021-06-24 Rain Therapeutics Inc. Methods of inhibiting epidermal growth factor receptor proteins

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0850224B1 (en) 1995-08-18 2003-04-09 Auckland Uniservices Limited Radiation-activated cytotoxin therapy
ATE316799T1 (de) * 1996-03-12 2006-02-15 Sanofi Aventis Deutschland Neuartige prodrugs für die therapie von tumoren und entzündlichen erkrankungen
NZ332119A (en) * 1996-04-12 2001-08-31 Warner Lambert Co Quinazoline compounds which are irreversible inhibitors of tyrosine kinases
ZA986732B (en) 1997-07-29 1999-02-02 Warner Lambert Co Irreversible inhibitiors of tyrosine kinases
TW436485B (en) * 1997-08-01 2001-05-28 American Cyanamid Co Substituted quinazoline derivatives
CN1774250A (zh) 2003-04-16 2006-05-17 霍夫曼-拉罗奇有限公司 作为治疗诸如类风湿性关节炎的炎性疾病的p38激酶抑制剂的(6-(苯氧基)-吡啶并[3,4-d]嘧啶-2-基)-胺衍生物
CA2629249C (en) * 2005-11-11 2015-05-05 Boehringer Ingelheim International Gmbh Combination treatment of cancer comprising egfr/her2 inhibitors
CN101003514A (zh) 2006-01-20 2007-07-25 上海艾力斯医药科技有限公司 喹唑啉衍生物、其制备方法及用途
WO2008151253A1 (en) * 2007-06-04 2008-12-11 Threshold Pharmaceuticals, Inc. Hypoxia activated prodrugs of antineoplastic agents
WO2010104406A1 (en) * 2009-03-11 2010-09-16 Auckland Uniservices Limited Prodrug forms of kinase inhibitors and their use in therapy
BR112012004720B1 (pt) * 2009-09-02 2021-06-29 Auckland Uniservices Limited Inibidores de cinase, seus usos, profármaco e composição farmacêutica que o compreende

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016094432A (ja) * 2009-09-02 2016-05-26 オークランド ユニサーヴィスィズ リミテッド キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用

Also Published As

Publication number Publication date
MX2012002327A (es) 2012-04-10
AU2010290199B2 (en) 2016-10-27
CN102574846A (zh) 2012-07-11
EP2473509A1 (en) 2012-07-11
CN102574846B (zh) 2014-12-03
BR112012004720A2 (pt) 2016-03-15
AU2010290199A1 (en) 2012-03-01
RU2012112396A (ru) 2013-10-10
RU2568639C2 (ru) 2015-11-20
CA2771016A1 (en) 2011-03-10
US20120202832A1 (en) 2012-08-09
JP2016094432A (ja) 2016-05-26
BR112012004720B1 (pt) 2021-06-29
MX336332B (es) 2016-01-15
IL218182A0 (en) 2012-07-31
WO2011028135A1 (en) 2011-03-10
ZA201200994B (en) 2012-10-31
CN104496982A (zh) 2015-04-08
NZ598144A (en) 2014-01-31
US20160031877A1 (en) 2016-02-04
US9101632B2 (en) 2015-08-11
JP2013503859A (ja) 2013-02-04
IL218182B (en) 2018-03-29
KR20120076350A (ko) 2012-07-09
EP2473509A4 (en) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5925680B2 (ja) キナーゼインヒビター、そのプロドラッグ型および治療におけるそれらの使用
JP6704421B2 (ja) Dnaアルキル化剤
EP3193876B1 (en) Crystal forms of glutaminase inhibitors
JP2017527548A (ja) トリプトファンジオキシゲナーゼ(ido1とtdo)の阻害剤及び治療におけるその使用
EP3350188B1 (en) Inhibitors of tryptophan dioxygenases (ido1 and tdo) and their use in therapy
US10851054B2 (en) Derivatives of indole for the treatment of cancer, viral infections and lung diseases
TW200916458A (en) Heterocyclic compounds and methods of use thereof
WO2018009539A1 (en) Inhibitors of hexokinase and methods of use thereof
WO2020199945A1 (zh) 一类邻位羰基氨基取代苯衍生物、其制备方法和用途
JPWO2018168894A1 (ja) 重水素化ベンズイミダゾール化合物およびその医薬用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140916

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20141215

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160121

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5925680

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250