JP5924258B2 - Control device for fuel injection device - Google Patents
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Description
本発明は、燃料噴射装置の制御装置に関する。 The present invention relates to a control device for a fuel injection device.
従来、燃料噴射装置として、燃料を噴射するインジェクタを備える燃料噴射装置が知られている。例えば特許文献1には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置を備える内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを備える燃料噴射装置が開示されている。
Conventionally, a fuel injection device including an injector that injects fuel is known as a fuel injection device. For example,
ところで、燃料噴射装置において、インジェクタの温度が低温の場合、噴孔に凝縮水が付着することが考えられる。この具体例を挙げると、例えばインジェクタの温度が低温の場合、気筒内の酸成分が噴孔に結露することが考えられ、その結果、噴孔に酸成分を含んだ凝縮水が付着することが考えられる。このような凝縮水が噴孔に付着した場合、噴孔が腐食する可能性がある。 By the way, in a fuel-injection apparatus, when the temperature of an injector is low temperature, it is possible that condensed water adheres to a nozzle hole. For example, when the temperature of the injector is low, the acid component in the cylinder may condense on the nozzle hole, and as a result, condensed water containing the acid component may adhere to the nozzle hole. Conceivable. When such condensed water adheres to the nozzle hole, the nozzle hole may corrode.
本発明は、インジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することを抑制することができる燃料噴射装置の制御装置を提供することを目的とする。 An object of the present invention is to provide a control device for a fuel injection device capable of suppressing corrosion of an injection hole of an injector by condensed water.
本発明に係る燃料噴射装置の制御装置は、複数の気筒を有する内燃機関の各々の前記気筒に燃料を噴射するインジェクタを複数有する燃料噴射装置に適用される制御装置であって、前記複数のインジェクタのうち先端部の温度が他のインジェクタよりも相対的に低くなり易い所定のインジェクタの温度を推定し、当該所定のインジェクタの温度が所定値以下となった場合に当該所定のインジェクタ以外の前記複数のインジェクタのうちの少なくとも一つの前記インジェクタの噴孔からの燃料の噴射を停止させる燃料カット制御を実行する制御部を備えることを特徴とする。 A control device for a fuel injection device according to the present invention is a control device applied to a fuel injection device having a plurality of injectors for injecting fuel into each cylinder of an internal combustion engine having a plurality of cylinders, wherein the plurality of injectors The temperature of a predetermined injector that is likely to be relatively lower than the other injectors is estimated, and when the temperature of the predetermined injector falls below a predetermined value , the plurality of other than the predetermined injector And a control unit that executes fuel cut control for stopping fuel injection from the injection hole of at least one of the injectors.
本発明に係る燃料噴射装置の制御装置によれば、燃料カット制御が実行されることで、燃料カット制御が実行されないインジェクタの負荷を増加させることができる。それにより、燃料カット制御が実行されないインジェクタの温度を上昇させることができる。その結果、燃料カット制御が実行されないインジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することを抑制することができる。一方、燃料カット制御が実行されるインジェクタは、噴孔からの燃料の噴射が停止される結果、噴孔から噴射される燃料によってインジェクタの熱が奪われることが抑制される。その結果、燃料カット制御が実行されるインジェクタの温度が燃料の噴射によって低下することが抑制できるため、燃料カット制御が実行されるインジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することも抑制できる。このように本発明に係る燃料噴射装置の制御装置によれば、インジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することを抑制することができる。 According to the control device for a fuel injection device according to the present invention, the fuel cut control is executed, whereby the load on the injector where the fuel cut control is not executed can be increased. Thereby, the temperature of the injector in which fuel cut control is not performed can be raised. As a result, it is possible to suppress the injection hole of the injector where the fuel cut control is not performed from being corroded by the condensed water. On the other hand, in the injector in which the fuel cut control is executed, the injection of fuel from the nozzle hole is stopped, so that the heat of the injector is suppressed from being taken by the fuel injected from the nozzle hole. As a result, since the temperature of the injector where the fuel cut control is executed can be suppressed from being lowered by the fuel injection, it is possible to suppress the injection hole of the injector where the fuel cut control is executed from being corroded by the condensed water. Thus, according to the control apparatus of the fuel injection device according to the present invention, it is possible to suppress the injection hole of the injector from being corroded by the condensed water.
上記構成において、前記制御部は、前記インジェクタの温度が前記所定値以下となった前記インジェクタが存在した場合において、前記所定値と前記インジェクタの温度との差が大きいほど、前記燃料カット制御を実行する前記インジェクタの数を増加させてもよい。 In the above configuration, the control unit executes the fuel cut control as the difference between the predetermined value and the injector temperature increases in the presence of the injector in which the temperature of the injector is equal to or lower than the predetermined value. You may increase the number of the said injectors.
この構成によれば、インジェクタの温度が所定値以下となったインジェクタが存在した場合において所定値とインジェクタの温度との差が大きいほど、燃料カット制御が実行されないインジェクタの負荷を増加させることができる。それにより、燃料カット制御が実行されないインジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することをより抑制することができる。 According to this configuration, when there is an injector whose injector temperature is equal to or lower than a predetermined value, the larger the difference between the predetermined value and the injector temperature, the greater the load on the injector where fuel cut control is not performed. . Thereby, it can suppress more that the nozzle hole of the injector in which fuel cut control is not performed corrodes with condensed water.
本発明によれば、インジェクタの噴孔が凝縮水によって腐食することを抑制することができる燃料噴射装置の制御装置を提供することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the control apparatus of the fuel-injection apparatus which can suppress that the nozzle hole of an injector corrodes with condensed water can be provided.
以下、本発明を実施するための形態を説明する。 Hereinafter, modes for carrying out the present invention will be described.
本発明の実施例に係る燃料噴射装置の制御装置(以下、制御装置110と称する)について説明する。まず、制御装置110が適用される燃料噴射装置100および燃料噴射装置100が適用される内燃機関5の全体構成について説明し、次いで制御装置110の詳細について説明する。図1は燃料噴射装置100および内燃機関5の一例を示す模式図である。図1に示す内燃機関5は車両に搭載されている。本実施例においては内燃機関5の一例として、ディーゼル機関を用いる。内燃機関5は、機関本体10と、吸気通路20と、排気通路30と、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路40と、EGRクーラ41と、EGRバルブ42と、コモンレール50と、温度センサ60aと、温度センサ60bと、クランクポジションセンサ61と、燃料噴射装置100とを備えている。燃料噴射装置100は、制御装置110と、複数のインジェクタ120とを備えている。
A fuel injection device control device (hereinafter referred to as control device 110) according to an embodiment of the present invention will be described. First, the overall configuration of the
機関本体10は、複数の気筒11が形成されたシリンダブロックと、シリンダブロックの上部に配置されたシリンダヘッド12(後述する図2(a)において図示されている)と、気筒11に配置されたピストンとを有している。本実施例において複数の気筒11は列をなして配置されている。気筒11の数は複数であれば特に限定されるものではないが、本実施例に係る気筒11の数は3以上であり、具体的には4である。図1において列状に配置された4つの気筒11を下側から順に、#1気筒11、#2気筒11、#3気筒11および#4気筒11と称する。なお本実施例において機関本体10の#1気筒11が配置されている側(図1において下側)は車両の前輪側(F側)であり、#4気筒11が配置されている側(図1において上側)は車両の後輪側(R側)である。また本実施例に係る気筒11の配列方向はクランクシャフトの軸線方向に一致している。但し車両における機関本体10の配置形態はこれに限定されるものではない。
The
吸気通路20は気筒11に吸入される吸気が通過する通路である。排気通路30は気筒11から排出された排気が通過する通路である。吸気通路20は、吸気管21と、吸気管21の下流端に接続したインテークマニホールド22とを備えている。インテークマニホールド22は下流側が分岐して各々の気筒11に接続している。本実施例において吸気管21の上流端から吸気管21に流入する吸気は新気である。排気通路30は、上流側が分岐して各々の気筒11に接続したエキゾーストマニホールド31と、エキゾーストマニホールド31の下流端に接続した排気管32とを備えている。
The
EGR通路40は気筒11から排出された排気の一部を気筒11に再循環させる通路である。これ以降、EGR通路40を通過して気筒11に導入される排気をEGRガスと称する場合がある。本実施例に係るEGR通路40は、上流端がエキゾーストマニホールド31に接続し、下流端が吸気管21の通路途中に接続している。なおEGR通路40の吸気通路20および排気通路30への具体的な接続箇所は、これに限定されるものではない。EGRクーラ41はEGR通路40に配置されている。EGRクーラ41はEGRガスを冷却する装置である。EGRバルブ42はEGR通路40に配置されている。具体的には本実施例に係るEGRバルブ42はEGR通路40のEGRクーラ41よりも下流側に配置されている。但しEGRバルブ42のEGR通路40における具体的な配置箇所は、これに限定されるものではない。EGRバルブ42は制御装置110からの指示を受けて開閉することでEGRガスの量を調整する。
The EGR
コモンレール50は高圧化された燃料を蓄積する蓄圧パイプである。コモンレール50には複数のインジェクタ120が接続しており、コモンレール50に蓄積された高圧の燃料は複数のインジェクタ120に供給される。本実施例においては、燃料の一例として軽油を用いる。温度センサ60aは内燃機関5の冷媒の温度を検出し、検出結果を制御装置110に伝える。具体的には本実施例に係る温度センサ60aは、機関本体10を経由した冷媒の温度を検出している。但し温度センサ60aの具体的な冷媒温度検出箇所は、これに限定されるものではない。温度センサ60bは燃料の温度を検出し、検出結果を制御装置110に伝える。具体的には本実施例に係る温度センサ60bは、コモンレール50の燃料の温度を検出している。但し温度センサ60bの具体的な燃料温度検出箇所は、これに限定されるものではない。クランクポジションセンサ61は機関本体10のクランクシャフトの位置を検出し、検出結果を制御装置110に伝える。
The
制御装置110はインジェクタ120を制御する装置である。なお本実施例に係る制御装置110は、EGRバルブ42を制御する制御装置としての機能も兼務している。本実施例においては、制御装置110の一例として、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112およびRAM(Random Access Memory)113を備える電子制御装置(Electronic Control Unit)を用いる。CPU111は、インジェクタ120およびEGRバルブ42を制御する制御部としての機能を有している。ROM112およびRAM113は、CPU111の動作に必要な情報を記憶する記憶部としての機能を有している。
The
本実施例に係る燃料噴射装置100は、各々の気筒11に対応するように合計4つのインジェクタ120を備えている。具体的には燃料噴射装置100は、#1気筒11に燃料を噴射するインジェクタ120、#2気筒11に燃料を噴射するインジェクタ120、#3気筒11に燃料を噴射するインジェクタ120および#4気筒11に燃料を噴射するインジェクタ120を備えている。図2(a)〜図2(c)はインジェクタ120の具体的構成を説明するための模式図である。具体的には図2(a)はインジェクタ120がシリンダヘッド12に配置されている様子を模式的に図示している。図2(b)および図2(c)はインジェクタ120の先端部近傍を拡大して断面図示している。図2(a)においてシリンダヘッド12よりも下方側は、気筒11の内部、具体的には燃焼室である。
The
図2(a)を参照して、インジェクタ120はボディ121を備えている。インジェクタ120は、ボディ121の先端部が気筒11内に露出するようにシリンダヘッド12に配置されている。またインジェクタ120は、ボディ121の後端部に、コモンレール50を経由した燃料が供給される高圧燃料部122と、インジェクタ120内から返送された燃料(つまりリターン燃料)が通過する低圧燃料部123とを備えている。なお低圧燃料部123を通過した燃料は回収されて、その後、燃料ポンプによって再びコモンレール50に供給される。
With reference to FIG. 2A, the
図2(b)を参照して、ボディ121の先端部には燃料が噴射される孔である噴孔124が形成されている。噴孔124は各々の気筒11内に配置されている。すなわち、本実施例に係る燃料噴射装置100は、内燃機関5の各々の気筒11に燃料を噴射する噴孔124を先端部に備えたインジェクタ120を複数備えている。なお本実施例において先端部とは、インジェクタ120の気筒11内に露出した部分のうちインジェクタ120の先端から所定距離後端側に至る範囲の部分をいい、具体的にはボディ121の先端の円錐形状を呈している部分(すなわちノズル形状を有している部分)をいう。本実施例において各々のインジェクタ120は、複数の噴孔124を有している。但し各々のインジェクタ120が有する噴孔124の数は複数に限定されるものではなく、1でもよい。
Referring to FIG. 2B, a
インジェクタ120は、ボディ121の内部にニードル弁125を備えている。ニードル弁125は、ニードル弁125の軸200に沿った方向(以下、軸線方向と称し、図2(b)においては上下方向である)に変位することで、噴孔124からの燃料の噴射の開始および停止を行う。具体的にはインジェクタ120は、ニードル弁125を駆動するアクチュエータを備えており、このアクチュエータが制御装置110の制御部からの指示を受けてニードル弁125を軸線方向に変位している。ニードル弁125の先端とボディ121との間にはサック室126が設けられている。ニードル弁125の外周面とボディ121の内周面との間には内部燃料通路127が設けられている。内部燃料通路127には、高圧燃料部122を経由した燃料が流入する。ニードル弁125の先端部には、円錐台形状(円錐の先端を切断したような形状)を呈する部分が設けられており、この部分の表面をシート面128と称する。ボディ121の内周面にはシート面128に対応したテーパ形状の部分が設けられており、この部分をシート部129と称する。
The
図2(b)に示すように、シート面128がシート部129に接触していない場合、サック室126と内部燃料通路127とは連通状態となっている。この場合、内部燃料通路127の燃料はサック室126に供給され、次いで噴孔124から噴射される。図2(c)に示すように、ニードル弁125が先端側に変位し、その結果、シート面128がシート部129に着座した場合(すなわち、シート面128がシート部129に接触した場合)、サック室126と内部燃料通路127とは遮断状態になる。この場合、噴孔124からの燃料噴射は停止される。このように本実施例に係るインジェクタ120は、シート面128がシート部129に着座した場合に噴孔124からの燃料噴射が停止し、シート面128がシート部129から離座した場合に噴孔124からの燃料噴射が開始する構造のインジェクタとなっている。
As shown in FIG. 2B, when the
続いて制御装置110のインジェクタ120の制御内容について説明する。本実施例に係る制御装置110の制御部は、複数のインジェクタ120の中でインジェクタ120の温度が所定値以下となったインジェクタ120が存在した場合に、このインジェクタ120の温度が所定値以下となったインジェクタ120以外のインジェクタ120のうち少なくとも一つのインジェクタ120の噴孔124からの燃料の噴射を停止させる燃料カット制御を実行する。また本実施例に係る制御部は、インジェクタ120の温度が所定値以下となったインジェクタ120が存在した場合において、所定値とインジェクタ120の温度との差が大きいほど、燃料カット制御を実行するインジェクタ120の数を増加させる。制御装置110の燃料カット制御の詳細についてフローチャートを用いて説明すると次のようになる。
Then, the control content of the
図3は、制御装置110が燃料カット制御を実行する際のフローチャートの一例を示す図である。制御装置110は機関本体10の始動後に図3のフローチャートを所定周期で繰り返し実行する。まず制御装置110の制御部は、インジェクタ120の温度を取得する(ステップS10)。本実施例においては、インジェクタ120の温度の具体例として、インジェクタ120の先端部の温度である先端部温度(Tnzl)を用いる。すなわち、本実施例に係る制御部はステップS10において先端部温度を取得している。制御部による先端部温度の具体的な取得手法は、特に限定されるものではなく、以下に説明する種々の手法によって先端部温度を取得することができる。
FIG. 3 is a diagram illustrating an example of a flowchart when the
まず、図2(a)を参照して、先端部温度は、燃焼ガス(気筒11内で燃焼したガス)からの受熱による温度上昇量(Qcomb)と、シリンダヘッド12からの受熱による温度上昇量(+Qhead)またはシリンダヘッド12への放熱による温度低下量(−Qhead)と、噴孔124から噴射される燃料によって冷却されることによる温度低下量(−Qfuel)との和によって表すことができる。これを式で示すと下記式(1)のようになる。
Tnzl=Qcomb±Qhead−Qfuel・・・(1)
First, referring to FIG. 2 (a), the tip temperature is determined by the amount of temperature rise (Qcomb) due to heat received from the combustion gas (gas burned in the cylinder 11) and the amount of temperature rise due to heat received from the
Tnzl = Qcomb ± Qhead−Qfuel (1)
先端部温度は、式(1)に基づいて算出することも可能であるが、式(1)のうち±Qheadの部分を無視して算出することも可能である。式(1)のうち±Qheadの部分を無視して先端部温度を算出する場合、具体的には先端部温度は下記式(2)によって算出することができる。
Tnzl=Qcomb−Qfuel・・・(2)
The tip temperature can be calculated based on the formula (1), but can also be calculated by ignoring the ± Qhead portion of the formula (1). When the tip temperature is calculated by ignoring the ± Qhead portion in the formula (1), specifically, the tip temperature can be calculated by the following formula (2).
Tnzl = Qcomb−Qfuel (2)
式(2)のQcombは、機関本体10の回転数(NE)、燃料噴射時期(IT)および機関本体10のトルク(TQ)に基づいて算出することができる。Qfuelは、冷媒の温度(Tw)および燃料の温度(Tf)に基づいて算出することができる。したがって、式(2)を、機関本体10の回転数(NE)、燃料噴射時期(IT)、機関本体10のトルク(TQ)、冷媒の温度(Tw)および燃料の温度(Tf)を用いて書き換えると下記式(3)のようになる。なお式(3)においてa,b,c,d,eは適合係数(全て正である)であり、内燃機関5の仕様、内燃機関5の個体差、気筒11の配置位置等の種々の条件を考慮して式(3)で得られる先端部温度が実際の先端部温度に適合するように、実験、シミュレーション等によって求められる係数である。
Tnzl=Qcomb−Qfuel
=f(NE,IT,TQ)−f(Tw,Tf)
=(a×NE+b×IT+c×TQ)−(d×Tw+e×Tf)・・・(3)
Qcomb in Expression (2) can be calculated based on the rotational speed (NE) of the
Tnzl = Qcomb-Qfuel
= F (NE, IT, TQ) -f (Tw, Tf)
= (A * NE + b * IT + c * TQ)-(d * Tw + e * Tf) (3)
制御部は、回転数(NE)およびトルク(TQ)をクランクポジションセンサ61の検出結果に基づいて取得する。制御部は燃料噴射時期(IT)を、予め記憶部に記憶されている燃料噴射時期のマップに基づいて取得する。制御部は、冷媒温度(Tw)を温度センサ60aの検出結果に基づいて取得し、燃料温度(Tf)を温度センサ60bの検出結果に基づいて取得する。制御部はステップS10において、式(3)に基づいて#1気筒11〜#4気筒11にそれぞれ配置されているインジェクタ120の全てについて先端部温度を算出し、算出された先端部温度を記憶部に一時的に記憶する。このようにして制御部はインジェクタ120の先端部温度を取得することができる。
The control unit acquires the rotation speed (NE) and torque (TQ) based on the detection result of the crank position sensor 61. The control unit acquires the fuel injection timing (IT) based on a map of fuel injection timings stored in advance in the storage unit. The control unit acquires the refrigerant temperature (Tw) based on the detection result of the
あるいは制御部はステップS10において、上述したように複数のインジェクタ120全てについて式(3)に基づいて先端部温度を取得するのではなく、例えば次の手法によってステップS10を実行することもできる。具体的には制御部はステップS10において、#1気筒11〜#4気筒11にそれぞれ配置されたインジェクタ120のうち、所定のインジェクタ120を選択し(以下、これを所定インジェクタと称する)、この選択された所定インジェクタの先端部温度のみを式(3)に基づいて取得する。制御部は、所定インジェクタ以外のインジェクタ120の先端部温度については、機関本体10の運転状態と所定インジェクタの先端部温度とに基づいて推定する。具体的には制御部は、機関本体10の運転状態(具体的には負荷)に基づいて、所定インジェクタが配置されている気筒11内の温度と所定インジェクタ以外のインジェクタ120が配置されている気筒11内の温度との温度差(以下、気筒間温度差と称する)を推定し、所定インジェクタの先端部温度に気筒間温度差を反映させることによって、所定インジェクタ以外のインジェクタ120の先端部温度を推定する。このような手法によっても制御部は、複数のインジェクタ120全ての先端部温度を取得することができる。
Or a control part can also perform step S10 by the following method, for example instead of acquiring a front-end | tip part temperature about all the some
あるいは制御部はステップS10において、上述したように複数のインジェクタ120全てについて先端部温度を取得するのではなく、先端部温度が相対的に低くなり易いインジェクタ120についてのみ先端部温度を取得してもよい。この先端部温度取得手法について詳細に説明すると次のようになる。まず、本実施例のように気筒11が列状に3つ以上配置されている場合、端部以外の気筒11(つまり両隣に気筒11が存在する位置に配置されている気筒11)の方が、端部の気筒11よりも、シリンダヘッド12からの受熱による温度上昇量(+Qhead)が大きくなる。そのため、端部以外の気筒11に配置されたインジェクタ120の方が端部の気筒11に配置されたインジェクタ120よりも先端部温度が高くなる傾向がある。逆にいえば、端部の気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度は、端部以外の気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度よりも低くなる傾向がある。これについて図を用いて具体的に説明すると次のようになる。
Alternatively, in step S10, the control unit does not acquire the tip temperature for all of the plurality of
図4(a)はインジェクタ120の先端部温度と気筒11の位置との関係を模式的に示す図である。図4(a)の縦軸はインジェクタ120の先端部温度を示し、横軸は気筒番号を示している。本実施例のように4つの気筒11が一列に配置されている場合、端部に存在する#1気筒11および#4気筒11のインジェクタ120の先端部温度は、端部以外の気筒11である#2気筒11および#3気筒11のインジェクタ120の先端部温度よりも低くなっている。したがって、噴孔124への結露は先端部温度が相対的に低い端部の気筒11(#1気筒11および#4気筒11)に対応したインジェクタ120において生じ易いといえる。この性質を利用して、制御部はステップS10において、端部の気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度のみを取得してもよい。具体的にはこの場合、制御部はステップS10において、#1気筒11および#4気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度のみを式(3)に基づいて取得する。以上のような手法によっても、制御部はステップS10を実行することができる。
FIG. 4A is a diagram schematically illustrating the relationship between the tip end temperature of the
あるいは制御部はステップS10において先端部温度を算出するに当たり、式(3)に基づいて先端部温度を算出するのではなく、下記式(4)に基づいて先端部温度を取得することもできる。
Tnzl=f(NE,IT,TQ)−f(k×Tw,Tf)
=(a×NE+b×IT+c×TQ)−(d×k×Tw+e×Tf)・・・(4)
式(4)においてkは補正係数(>0)であり、インジェクタ120が配置されている気筒11の位置によって異なる値をとる。具体的にはkは、#1気筒11および#4気筒11に配置されているインジェクタ120よりも#2気筒11および#3気筒11に配置されているインジェクタ120の方が大きい値をとる。kの具体的数値の一例を挙げると、#1気筒11および#4気筒11に配置されているインジェクタ120ではk=1を採用し、#2気筒11および#3気筒11に配置されているインジェクタ120ではk=1.1を採用する。
Alternatively, when calculating the tip temperature in step S10, the control unit can obtain the tip temperature based on the following formula (4), instead of calculating the tip temperature based on the formula (3).
Tnzl = f (NE, IT, TQ) −f (k × Tw, Tf)
= (A * NE + b * IT + c * TQ)-(d * k * Tw + e * Tf) (4)
In Equation (4), k is a correction coefficient (> 0), and takes a different value depending on the position of the
あるいは制御部はステップS10において先端部温度を算出するに当たり、式(3)に基づいて先端部温度を算出するのではなく、下記式(5)に基づいて先端部温度を取得することもできる。
Tnzl=Z×(Tleak−(Tin+△Tleak))・・・(5)
ここで図2(a)を参照して、Tleakは低圧燃料部123の燃料の温度(つまりリターン燃料の温度)であり、Tinは高圧燃料部122の燃料の温度である。TleakおよびTinは、それぞれ低圧燃料部123および高圧燃料部122に温度センサを配置し、これらの温度センサの検出結果を取得することで得ることができる。また△Tleakは、入口圧Pcrの燃料がインジェクタ120内で減圧された場合に、圧力として蓄えられたエネルギが熱に変換することに起因する先端部の上昇温度である。なお入口圧Pcrは高圧燃料部122の燃料の圧力であり、インジェクタ120に供給される燃料の圧力でもある。△Tleakは、入口圧Pcrと、インジェクタ120内で減圧された燃料の圧力であるPleak(これは所定の定数である)とに基づいて取得することができる。Zは係数であり、インジェクタ120の種類に応じて適宜設定される定数である。
Alternatively, in calculating the tip temperature in step S10, the control unit can obtain the tip temperature based on the following formula (5), instead of calculating the tip temperature based on the formula (3).
Tnzl = Z × (Tleak− (Tin + ΔTleak)) (5)
Here, referring to FIG. 2A, Tleak is the temperature of the fuel in the low pressure fuel portion 123 (that is, the temperature of the return fuel), and Tin is the temperature of the fuel in the high
あるいは制御部は、上述したように先端部温度を数式を用いて算出することで間接的に取得するのではなく、先端部温度を温度センサによって直接取得することもできる。この場合、内燃機関5はインジェクタ120の先端部の温度を直接検出する温度センサを各々のインジェクタ120の先端部に備えている。制御部はステップS10において、これら温度センサの検出結果を取得することで、先端部温度を直接取得する。なおこの場合においても、制御部は#1気筒11および#4気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度のみを温度センサによって直接取得してもよい。
Or a control part can also acquire tip part temperature directly with a temperature sensor instead of indirectly acquiring it by calculating tip part temperature using a numerical formula as mentioned above. In this case, the
以上説明したようにステップS10に係る先端部温度の取得手法は、種々の手法を用いることができる。但し本実施例に係る制御部はステップS10において、式(4)に基づいて全てのインジェクタ120の先端部温度を取得することとする。
As described above, various techniques can be used as the technique for acquiring the tip temperature according to step S10. However, the control part which concerns on a present Example shall acquire the front-end | tip part temperature of all the
図3を参照して、ステップS10の後に制御部は、ステップS10で取得した先端部温度(Tnzl)が所定値(Treq)以下であるか否かを判定する(ステップS20)。所定値としては、先端部温度がこの所定値以下の場合に、噴孔124に凝縮水が付着すると考えられる温度を用いることができる。所定値としては、予め適切な値(具体例を挙げると例えば110℃を用いることができる)を求めておき、これを記憶部に記憶させておくことも可能であるが、本実施例に係る制御部は、次に説明するように、所定値をEGR率に基づいて取得する。
Referring to FIG. 3, after step S10, the control unit determines whether or not the tip temperature (Tnzl) acquired in step S10 is equal to or lower than a predetermined value (Treq) (step S20). As the predetermined value, a temperature at which condensed water is considered to adhere to the
図4(b)は所定値(Treq)の取得手法を説明するための模式図である。図4(a)の縦軸は温度を示し、横軸はEGR率を示している。ここでEGR率とは、EGRガスの量を吸気の量で除した値をいう。なおEGRガスの量はEGRバルブ42の開度と相関を有しているため、制御部はEGRガスの量をEGRバルブ42の開度に基づいて取得することができる。また制御部は、吸気の量をエアフロメータの検出結果に基づいて取得することができる。なおエアフロメータは、図1においては図示されていないが、吸気管21のうち、EGR通路40が接続している箇所よりも吸気流動方向で上流側の部分に配置されている。
FIG. 4B is a schematic diagram for explaining a method for acquiring a predetermined value (Treq). In FIG. 4A, the vertical axis indicates the temperature, and the horizontal axis indicates the EGR rate. Here, the EGR rate refers to a value obtained by dividing the amount of EGR gas by the amount of intake air. Since the amount of EGR gas has a correlation with the opening degree of the
図4(b)に図示されている曲線は所定値(Treq)を示している。図4(b)において曲線以下の領域である領域Aは、凝縮水によって噴孔124に腐食が生じる領域である。図4(b)において曲線よりも上方側の領域Bは凝縮水による噴孔124の腐食が生じない領域である。なお本実施例において、凝縮水による噴孔124の腐食が生じない領域Bは、具体的には、噴孔124に酸性の凝縮水が付着せず、その結果、噴孔124に腐食が生じない領域である。図4(b)の所定値を示す曲線はEGR率が大きくなるほどその値(縦軸)が高くなっている。すなわち、図4(b)は、EGR率が大きくなるほど所定値が高くなるように、所定値をEGR率に関連付けて規定したマップとなっている。
The curve shown in FIG. 4B shows a predetermined value (Treq). In FIG. 4B, a region A which is a region below the curve is a region where corrosion is caused in the
図4(b)のマップは予め実験、シミュレーション等によって求めておき、記憶部に記憶させておく。図3を参照して、制御部はステップS20において、EGR率を取得し、取得したEGR率に対応する所定値(Treq)の値を記憶部のマップ(図4(b))から抽出し、ステップS10で取得した先端部温度(Tnzl)がマップから抽出された所定値(Treq)以下であるか否かを判定している。ステップS20において否定判定された場合(No)、制御部はフローチャートの実行を終了する。なおこの場合、図4(b)の領域Bに相当するため、噴孔124が凝縮水によって腐食することはない。
The map of FIG. 4B is obtained in advance by experiments, simulations, etc., and stored in the storage unit. Referring to FIG. 3, in step S20, the control unit acquires the EGR rate, extracts a value of a predetermined value (Treq) corresponding to the acquired EGR rate from the map of the storage unit (FIG. 4B), It is determined whether or not the tip temperature (Tnzl) acquired in step S10 is equal to or less than a predetermined value (Treq) extracted from the map. When a negative determination is made in step S20 (No), the control unit ends the execution of the flowchart. In this case, since it corresponds to the region B of FIG. 4B, the
ここで、本実施例においては、ステップS10が実行された結果、図4(a)で説明したように、端部の気筒11である#1気筒11および#4気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度が、端部以外の気筒11である#2気筒11および#3気筒11に配置されたインジェクタ120の先端部温度よりも低いという結果が得られたとして、以下の説明を行う。この場合、ステップS20は、#1気筒11および#4気筒11のインジェクタ120の先端部温度が所定値(Treq)以下になった場合に肯定判定されることになる。その結果、#1気筒11および#4気筒11のインジェクタ120が、先端部温度が所定値以下になったインジェクタ120に相当し、#2気筒11および#3気筒11のインジェクタ120が、先端部温度が所定値(Treq)以下になったインジェクタ120以外のインジェクタ120に相当する。
Here, in this embodiment, as a result of the execution of step S10, as described with reference to FIG. 4A, the
ステップS20において肯定判定された場合(Yes)、制御部は所定値(Treq)と先端部温度(Tnzl)との差である乖離量(△T)を算出する(ステップS30)。具体的には制御部はステップS30において、下記式(6)に基づいて乖離量(△T)を算出する。なお本実施例に係る制御部は、#1気筒11〜#4気筒11の全てのインジェクタ120について乖離量(△T)を算出する。
△T=Treq−Tnzl・・・(6)
When an affirmative determination is made in step S20 (Yes), the control unit calculates a deviation amount (ΔT) that is a difference between the predetermined value (Treq) and the tip temperature (Tnzl) (step S30). Specifically, in step S30, the control unit calculates a deviation amount (ΔT) based on the following equation (6). Note that the control unit according to the present embodiment calculates the deviation amount (ΔT) for all the
ΔT = Treq−Tnzl (6)
ステップS30の後に制御部は、ステップS30で算出された乖離量(△T)が第2の所定値(C)以上であるか否かを判定する(ステップS40)。第2の所定値(C)の具体的数値は正の値であれば特に限定されるものではないが、本実施例においては第2の所定値(C)の一例として5℃を用いる。なお本実施例に係る制御部は、ステップS30において算出された#1気筒11〜#4気筒11の全てのインジェクタ120についてそれぞれ算出された乖離量のうち少なくとも一つが第2の所定値以上であると判定された場合、ステップS40を肯定判定する。
After step S30, the control unit determines whether or not the deviation amount (ΔT) calculated in step S30 is equal to or greater than a second predetermined value (C) (step S40). The specific numerical value of the second predetermined value (C) is not particularly limited as long as it is a positive value. In this embodiment, 5 ° C. is used as an example of the second predetermined value (C). In the control unit according to the present embodiment, at least one of the divergence amounts calculated for all the
本実施例に係る制御部は、ステップS40で肯定判定された場合もステップS40で否定判定された場合も燃料カット制御を実行するが、ステップS40で肯定判定された場合に燃料カット制御を実行するインジェクタ120の数をステップS40で否定判定された場合に燃料カット制御を実行するインジェクタ120の数よりも多くする。すなわち制御部は、先端部温度が所定値以下となったインジェクタ120が存在した場合(ステップS20で肯定判定された場合)において、所定値と先端部温度との差が大きいほど(具体的には乖離量△Tが大きいほど)燃料カット制御を実行するインジェクタ120の数を増加させている。
The control unit according to the present embodiment executes the fuel cut control both when the determination is affirmative in step S40 and when the determination is negative in step S40, but executes the fuel cut control when the determination is affirmative in step S40. The number of
具体的には制御部は、ステップS40で肯定判定された場合、先端部温度が所定値以下となったインジェクタ120以外の全てのインジェクタ120である#2気筒11のインジェクタ120および#3気筒11のインジェクタ120からの燃料噴射を停止させる燃料カット制御を実行する(ステップS50)。次いで制御部はフローチャートの実行を終了する。ステップS40で否定判定された場合、制御部は先端部温度が所定値以下となったインジェクタ120以外のインジェクタ120から選択された一つのインジェクタ120からの燃料噴射を停止させる燃料カット制御を実行する(ステップS60)。具体的には制御部はステップS60において、#2気筒11のインジェクタ120または#3気筒11のインジェクタ120からの燃料噴射を停止させる。ステップS60の後に制御部はフローチャートの実行を終了する。
Specifically, when an affirmative determination is made in step S40, the control unit sets all of the
なお制御部は、ステップS60を実行するに当たり、例えばステップS60を実行する毎に燃料カット制御を実行するインジェクタ120を変更してもよい。この具体例を挙げると、今回、ステップS60において#2気筒11のインジェクタ120について燃料カット制御を実行した場合、制御部は、次回ステップS60を実行する場合には、#3気筒11のインジェクタ120について燃料カット制御を実行する。
In addition, when performing step S60, the control unit may change the
続いて制御装置110の作用効果について説明する。図4(c)は制御装置110の作用効果を説明するための模式図であり、具体的にはインジェクタ120の先端部温度と燃料噴射量と燃圧との関係を模式的に示している。図4(c)の縦軸は先端部温度(Tnzl)を示し、横軸は噴孔124からの燃料噴射量を示している。図4(c)の曲線1は燃圧が相対的に高い場合を示し、曲線2は燃圧が相対的に低い場合を示している。なお、本実施例において燃圧とは、インジェクタ120に供給される燃料の圧力をいい、具体的には入口圧Pcrをいう。図4(c)に図示されているQは基準となる燃料噴射量(以下、基準噴射量と称する)である。この基準噴射量Qは、燃料カット制御が実行されない場合、具体的には図3のステップS20で否定判定された場合に噴孔124から噴射される燃料噴射量に相当する。
Then, the effect of the
曲線1および曲線2において、先端部温度は基準噴射量Qよりも右側に行くほど上昇している。すなわち、先端部温度は、燃料噴射量が基準噴射量Qよりも増加するほど上昇している。これは、燃料噴射量が基準噴射量Qよりも増加するほど気筒11における燃焼温度も上昇するため、先端部温度が上昇したものと考えられる。また曲線1と曲線2とを比較した場合、燃圧の高い曲線1の方が燃圧の低い曲線2よりも全体的に上方に位置しており、これは、燃圧が高いほど先端部温度が高くなることを示している。なお、燃圧が高いほど先端部温度が高くなるのは、燃圧が高いほど燃焼温度が上昇し、その結果、先端部温度が高くなったものと考えられる。
In
図3において説明したように、本実施例に係る制御装置110の制御部は、先端部温度(Tnzl)が所定値(Treq)以下となったインジェクタ120が存在した場合に(ステップS20で肯定判定された場合に)、このインジェクタ120以外のインジェクタ120のうち少なくとも一つのインジェクタ120について燃料カット制御を実行している(ステップS50またはステップS60)。このような燃料カット制御が実行された場合、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120から噴射される燃料噴射量は、燃料カット制御が実行されるインジェクタ120から燃料が噴射されない分、増加する。具体的には燃料カット制御が実行されないインジェクタ120からの燃料噴射量は基準噴射量Qよりも増加する。その結果、図4(c)で説明した理由により、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の先端部温度は上昇する。さらに燃料カット制御が実行される場合、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の燃圧は、燃料カット制御が実行されるインジェクタ120から燃料が噴射されない分、上昇する。この場合にも、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の先端部温度は上昇する。なお、インジェクタ120からの燃料噴射量およびインジェクタ120の燃圧は、上位概念化するとインジェクタ120の負荷と称することができる。
As described with reference to FIG. 3, the
以上をまとめると、本実施例に係る燃料カット制御が実行されることで、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の負荷を増加させることができ、その結果、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の温度(具体的には先端部温度)を上昇させることができる。燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の温度が上昇することにより、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の噴孔124に凝縮水が付着することを抑制することができる。それにより、このインジェクタ120の噴孔124が凝縮水によって腐食することを抑制することができる。
In summary, by executing the fuel cut control according to the present embodiment, it is possible to increase the load on the
一方、燃料カット制御が実行されるインジェクタ120は、噴孔124からの燃料の噴射が停止される結果、噴孔124から噴射される燃料によってインジェクタ120の熱が奪われることが抑制される。具体的には、式(1)のQfuelの値が減少し(具体的にはゼロになり)、その結果、噴孔124から噴射される燃料によって先端部温度が低下することが抑制される。それにより、燃料カット制御が実行されるインジェクタ120の温度が燃料噴射によって低下することが抑制される。その結果、燃料カット制御が実行されるインジェクタ120の噴孔124に凝縮水が付着することを抑制することができる。その結果、このインジェクタ120の噴孔124が凝縮水によって腐食することも抑制することができる。
On the other hand, in the
以上のように制御装置110によれば、燃料カット制御が実行されることで、インジェクタ120の噴孔124が凝縮水によって腐食することを抑制することができる。特に本実施例に係る制御装置110は、燃料噴射装置の制御装置のソフトウエアを本実施例に係る燃料カット制御を実行するように変更することで実現できるため、例えばインジェクタ120の温度を上昇させるために内燃機関のハードウエア構造を大幅に変更する必要がない点において、産業上の利用可能性が高い。
As described above, according to the
また制御装置110によれば、図3のステップS40〜ステップS60等において説明したように、制御部は、インジェクタ120の温度(具体的には先端部温度)が所定値(Treq)以下となったインジェクタ120が存在した場合において、所定値(Treq)とインジェクタ120の温度(具体的には先端部温度)との差(乖離量△T)が大きいほど、燃料カット制御を実行するインジェクタ120の数を増加させている。この構成によれば、所定値とインジェクタ120の温度との差が大きいほど、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の負荷を増加させることができる。それにより、燃料カット制御が実行されないインジェクタ120の噴孔124が凝縮水によって腐食することをより抑制することができる。具体的には本実施例に係る制御部は、ステップS50において#2気筒11および#3気筒11のインジェクタ120について燃料カット制御を実行していることから、ステップS50において#2気筒11および#3気筒11のいずれか一方のインジェクタ120について燃料カット制御が実行される場合に比較して、燃料カット制御が実行されない#1気筒11および#4気筒11のインジェクタ120の負荷を増加させることができる。それにより、#1気筒11および#4気筒11のインジェクタ120の噴孔124が凝縮水によって腐食することをより抑制することができる。
Moreover, according to the
なお、本実施例において噴孔124の凝縮水による腐食を抑制するに当たり、外気温は考慮されていないが、次に説明する理由によって問題は生じない。まず圧縮による気筒11内の温度は断熱変化の一般式(下記式(7))によって表される。
T×V(κ−1)=const・・・(7)
本実施例のようなディーゼル機関の場合、圧縮により高温となった気筒11内にインジェクタ120から燃料が噴射され、気筒11内において燃料が自己着火することにより内燃機関5は作動する。そのため、外気温が低い場合であっても、圧縮によって気筒11内の温度が燃料が自己着火可能な温度に到達するように、内燃機関5の圧縮比およびEGR率は設定されている。
In the present embodiment, the outside air temperature is not taken into consideration in suppressing the corrosion caused by the condensed water in the
T × V (κ−1) = const (7)
In the case of a diesel engine such as the present embodiment, fuel is injected from the
より具体的に説明すると、ディーゼル機関の圧縮端温度TTDCは下記式(8)によって表すことができる。なお、圧縮端温度とは上死点温度を意味している。式(8)においてT0は吸気温度であり、εは圧縮比であり、nはポリトロープ指数(比熱比)である。
TTDC=T0×ε(n−1)・・・(8)
More specifically, the compression end temperature T TDC of the diesel engine can be expressed by the following formula (8). The compression end temperature means the top dead center temperature. In Expression (8), T 0 is the intake air temperature, ε is the compression ratio, and n is the polytropic index (specific heat ratio).
T TDC = T 0 × ε (n−1) (8)
高温のEGRガスが気筒11に導入される場合、吸気温度(T0)は高くなるが、EGRによってポリトロープ指標(n)が小さくなるため、圧縮端温度(TTDC)は高くならない。制御部は、外気温が低い場合、EGRバルブ42を閉に制御してEGRガスの気筒11への導入をカットする。それにより、吸気温度(T0)が低い場合でも、ポリトロープ指標(n)を空気と同等(具体的には1.4)にできるため、圧縮端温度(TTDC)を確保することができる。以上のように、外気温が低い場合であっても、圧縮によって気筒11内の温度が燃料が自己着火可能な温度に到達するように(つまり圧縮端温度を確保できるように)、内燃機関5の圧縮比およびEGR率は設定されている。したがって、外気温を考慮しなくても、本実施例に係る燃料カット制御を実行すれば、噴孔124の凝縮水による腐食を抑制することができるのである。
When hot EGR gas is introduced into the
また先行技術文献として例示した特許文献1には、三酸化硫黄(SO3)を含んだ凝縮水による噴孔124の腐食を抑制することを目的として、インジェクタ120の先端部温度および三酸化硫黄の酸露点に基づいてEGRガスの流量を減少させる技術が開示されている。特許文献1に係る技術は、凝縮水による噴孔124の腐食として、具体的にはEGRガスに含まれる三酸化硫黄が硫酸として凝縮した凝縮水による噴孔124の腐食を想定している。しかしながら、凝縮水による噴孔124の腐食はこれに限定されるものではない。例えば、機関本体10の運転が停止した後において気筒11内に残留ガスが存在することが想定されるが、この残留ガス中に含まれる酸成分が噴孔124に結露することで噴孔124に酸成分を含んだ凝縮水が付着することも考えられる。この場合にも、凝縮水によって噴孔124が腐食する可能性がある。
特許文献1に係る技術では、EGRガスに含まれる三酸化硫黄が硫酸として凝縮した凝縮水による噴孔124の腐食は抑制できるかと考えられるが、機関本体10の運転停止後における気筒11内の残留ガスに含まれる酸成分の凝縮水による噴孔124の腐食を抑制することは困難である。これに対して本実施例に係る制御装置110によれば、EGRガスに含まれる三酸化硫黄が硫酸として凝縮した凝縮水による噴孔124の腐食も抑制できるとともに、機関本体10の運転停止後における残留ガスに含まれる酸成分を含んだ凝縮水による噴孔124の腐食も抑制できる。
In the technique according to
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。 Although the preferred embodiments of the present invention have been described in detail above, the present invention is not limited to such specific embodiments, and various modifications and changes can be made within the scope of the gist of the present invention described in the claims. It can be changed.
5 内燃機関
10 機関本体
11 気筒
20 吸気通路
30 排気通路
40 EGR通路
42 EGRバルブ
50 コモンレール
100 燃料噴射装置
110 制御装置
120 インジェクタ
121 ボディ
124 噴孔
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記複数のインジェクタのうち先端部の温度が他のインジェクタよりも相対的に低くなり易い所定のインジェクタの温度を推定し、当該所定のインジェクタの温度が所定値以下となった場合に当該所定のインジェクタ以外の前記複数のインジェクタのうちの少なくとも一つの前記インジェクタの噴孔からの燃料の噴射を停止させる燃料カット制御を実行する制御部を備えることを特徴とする燃料噴射装置の制御装置。 A control device applied to a fuel injection device having a plurality of injectors for injecting fuel into each cylinder of an internal combustion engine having a plurality of cylinders,
Estimating the temperature of a predetermined injector in which the temperature at the tip of the plurality of injectors is likely to be relatively lower than the other injectors, and when the temperature of the predetermined injector falls below a predetermined value, the predetermined injector A control device for a fuel injection device, comprising: a control unit that performs fuel cut control for stopping fuel injection from an injection hole of at least one of the plurality of injectors other than the injector.
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