JP5924004B2 - 細胞回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、培養容器を用いて培養した細胞の回収方法に関し、特に細胞の回収効率を向上させるための細胞回収方法に関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。
このような細胞の大量培養では、一般に培養容器を用いて細胞を培養することが行われている。この培養容器を用いた細胞培養においては、培養後に培養容器から細胞を回収する必要がある。
培養細胞(特に浮遊系細胞)を回収する場合、従来は培養容器から細胞懸濁液を全量回収し、遠心分離により細胞を分離する方法が行われていた。しかし、この方法では、細胞を大量に培養して細胞懸濁液が多量にある場合、何回かに分けて遠心分離する必要があり、時間と手間がかかるという問題点があった。
一方、細胞回収方法に関連する技術として、例えば特許文献1に記載の細胞培養方法において用いられている回収方法を挙げることができる。この回収方法では、まず使用済みの培地上清を培養容器から排出した後に、培養細胞を含む細胞懸濁液を回収しており、これによって濃縮された細胞懸濁液を得ることが可能となっている。
国際公開2007/052716号パンフレット
しかしながら、この方法では、培養容器内に残留して回収できない細胞が比較的多く生じ、回収効率が十分とは言えないという問題があった。
すなわち、この回収方法によれば、濃縮された細胞懸濁液を回収することができるが、細胞懸濁液を回収しても、培養容器内の壁面などに付着した状態で残ってしまう細胞が存在する。また、培養容器が可撓性材料からなる場合には、細胞懸濁液が少量になると培養容器内が閉塞し易く、比較的多量の細胞懸濁液が培養容器に残る結果、細胞が培養容器内に残存してしまうという問題もあった。
このような問題を解決するため、細胞懸濁液を回収した後に、培養容器に新たな洗浄液(生理食塩水やリン酸緩衝液)を入れて攪拌し、培養容器内に残存する細胞を洗浄液に懸濁させて、再度回収を行うという方法も考えられる。しかし、このように洗浄液を用いて培養容器内に残存する細胞を回収する方法では、新たな洗浄液やこれを保存するための洗浄液保存容器が必要となり、コストが余分にかかってしまうという問題がある。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、培養容器を用いて培養した細胞を回収するにあたって、新たな洗浄用の培養液や洗浄液を用いることなく、細胞の回収効率を向上させることが可能な細胞回収方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の細胞回収方法は、少なくとも、細胞を培養するための培養容器と、培養後の細胞を回収する細胞回収容器と、培養後の培地を回収する廃液容器とが、導管によって連結されてなる細胞培養用キットを用いて培養された細胞の回収方法であって、培養済みの培養上清を培養容器から廃液容器へ移送する上清排出工程、濃縮された細胞懸濁液を培養容器から細胞回収容器へ移送する細胞回収工程、廃液容器に排出された培養上清の一部を培養容器に戻し、培養容器に残存する細胞を細胞懸濁液に分散させる上清戻し工程、及び残存細胞が分散された細胞懸濁液を培養容器から細胞回収容器に再度移送する再回収工程を含む方法としてある。
本発明によれば、培養容器を用いて培養した細胞を回収するにあたって、新たな洗浄用の培養液や洗浄液を用いることなく、細胞の回収効率を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態の細胞回収方法において用いられる細胞培養用キットを示す図である。 本発明の第一実施形態の細胞回収方法における洗浄回収手順を示す図である。 本発明の第二実施形態の細胞回収方法における静置手順を示す図である。 本発明の実施形態の細胞回収方法による実験結果を示す図である。
以下、本発明の細胞回収方法の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。まず、図1を参照して、本実施形態の細胞回収方法において好適に用いることができる細胞培養用キットについて説明する。この細胞培養用キットには、培養容器10、培地貯蔵容器20、細胞注入容器30、細胞回収容器40、サンプリング容器50、及びチューブ60が備えられている。また、培地貯蔵容器20は廃液容器としても使用される。
本実施形態の細胞回収方法は、このような細胞培養用キットを使用して細胞培養を行った後に、細胞培養用キットにおける培養容器10から細胞回収容器40に細胞を回収する場合に用いられる方法である。
なお、本実施形態の細胞回収方法において用いられる細胞培養用キットは、このような構成に限定されるものではなく、例えばサンプリング容器50を除いたものや、廃液容器を培地貯蔵容器とは別個に備えたもの、培地貯蔵容器20を複数備えたものなど適宜変更したものを用いることも可能である。
培養容器10は、培養対象の細胞と培養液を入れて、細胞を大量培養するための容器である。培養容器10は、可撓性素材を材料として、袋状(バック型)に形成されている。
この培養容器10は、培養液や細胞の注入、回収などを行うためのポートを備えている。ポートの数は特に限定されないが、1〜3ポートのものが好適に用いられる。図1には1ポートの細胞培養用キットが示されており、このポートを通じてその他の容器と閉鎖系を維持しつつ、培養液や細胞懸濁液等の移送を行うことができるようになっている。
なお、培養対象の細胞としては、浮遊系細胞を好適に用いることができる。培養液としては、一般的な各種培地を用いることができる。
培地貯蔵容器20は、細胞を培養するための培養液(培地)を培養容器10へ移送するために格納する容器である。培地貯蔵容器20は、培養終了後、廃液容器として用いることができる。すなわち、培養容器10から細胞回収容器40に細胞を回収するのに先立って、培養液の上清を廃液容器としての培地貯蔵容器20へ移送することで、その後濃縮された細胞懸濁液を培養容器10から細胞回収容器40へ送ることが可能となる。
また、本実施形態の細胞培養用キットにおいて、培地貯蔵容器20を2以上備えることもできる。これにより、同一の培養液を2倍量以上貯蔵できるほか、それぞれに異なる培養液を貯蔵することで、培養容器10に様々なバリエーションで培養液を供給することもできる。
細胞注入容器30は、培養開始時に必要となる細胞と培養液が入った容器である。この細胞注入容器30における細胞と培養液を培養容器10へ移送することで、細胞の培養が開始される。細胞注入容器30には少なくとも1つのポートが備えられ、このポートを介して細胞と培養液が移送される。
細胞回収容器40は、培養終了後に、培養液の一部と培養された細胞とが含まれる細胞懸濁液を培養容器10から回収するための容器である。細胞回収容器40には、少なくとも1つのポートが備えられ、このポートを介して、培養容器10から細胞回収容器40へ培養液の一部と培養された細胞とが含まれる細胞懸濁液が移送される。
サンプリング容器50は、細胞の培養中や培養終了後に、培養容器10における細胞懸濁液の一部を移送してサンプリングを行うための容器である。このサンプリング容器50へ移送するサンプルとしての細胞懸濁液には、培養された細胞と培養液が含まれる。サンプリング容器50には、少なくとも1つのポートが備えられ、培養容器10と連結する導管(チューブ)が接続され、培養容器10から細胞懸濁液がサンプリング容器50へ送られる。
チューブ60は、細胞培養用キットにおける各容器を連結する導管である。
次に、本実施形態の細胞回収方法が行われる細胞培養装置の構成について、図2を参照して説明する。同図には、細胞培養装置が模式的に示されている。この細胞培養装置に、上述した細胞培養用キットにおける培養容器10が配置され、細胞の培養が行われる。細胞培養装置は、図2に示すように、培養容器10、積載台11、固定部材12、攪拌部材13、仕切部材14、及びチューブ60を備えている。
積載台11は、その上面に培養容器10が載置され、さらにその培養容器10の上面に攪拌部材13や仕切部材14が配設される平面の台である。
固定部材12は、培養容器10を積載台11に固定するための部材である。図2において、固定部材12は、クランプとして示されているが、培養容器10の四隅に孔を備え、これに通して固定するためのピンなどの止め部材として構成することもできる。
攪拌部材13は、培養容器10へ外力を与えることにより、培養容器10内の細胞懸濁液を攪拌する。これによって、培養容器10における細胞を細胞懸濁液内に分散させ、細胞回収容器40へ移送されやすくすることができる。また、培養容器10の内面に付着した細胞を細胞懸濁液に分散させて、細胞回収容器40へ移送されやすくすることも可能となる。この攪拌部材13による培養容器10内の細胞懸濁液の攪拌は、細胞懸濁液の移送前など適切なタイミングで行うようにすることができる。
この攪拌部材13としては、例えばローラを使用することができる。そして、培養容器10の上面を攪拌部材13により所定の深さまで押圧し、かつ攪拌部材13を積載台11と平行に移動させることで、細胞懸濁液を攪拌することができる。
なお、図示していないが、攪拌部材13は、支持台などによって培養容器10上に配置させることができる。そして、この支持台を、駆動装置によって上下方向と水平方向に移動させ、攪拌部材13による攪拌を行うことが可能である。
仕切部材14は、培養容器10の上面と下面が密着するまで培養容器10の端部から培養容器10を押圧し、かつ積載台11に対して水平方向に移動することで、培養容器10の底面積を増減させることができる部材である。
培養容器10が可撓性素材からなるため、仕切部材14によって培養容器10の底面積を縮小させると、培養容器10内では細胞懸濁液が上方に押し上げられて、培養容器10の厚みがやや増加した状態となる。
後述する静置工程においては、培養容器10をこのような状態にして静置した後に、培養容器10内の細胞懸濁液の培養上清を廃液容器へ移送することができる。
このようにして培養上清の廃液容器への移送を行うと、培養容器10の底面積を縮小させることなく培養上清を廃液容器へ移送する場合に比較して、培養容器10における細胞懸濁液の細胞濃度を高めることができる。
これは、培養容器10における底面積に対する上清の量を増やすことができ、培養上清の排出量を増やすことができるためである。その結果、細胞回収容器40へ回収される細胞懸濁液の細胞濃度が高まり、より少量の液量で細胞を回収することが可能となっている。
この仕切部材14は、攪拌部材13と同様にローラなどにより構成することができる。図2には、培養容器10を2個のローラによって上下から挟み込む仕切部材14が示されているが、これに限定されるものではなく、培養容器10の底面積を縮小可能なものであれば良い。なお、仕切部材14の駆動も、攪拌部材13と同様に行うことができる。
チューブ60は、図2において、培養容器10と、細胞回収容器、及び廃液容器等とを連結している。同図の例では、チューブ60は、A,B,Cに分かれ、Aは細胞回収容器に連結され、Cは廃液容器に連結されている。また、Bは例えばサンプリング容器に連結するものとして用いることができる。
[第一実施形態]
次に、本発明の細胞回収方法の第一実施形態について、図2を参照して説明する。本明細書において、以下の上清戻し工程、及び再回収工程を含む細胞回収方法を、洗浄回収と称する場合がある。
(1)上清排出工程
まず、培養容器10を静止させて細胞を下方に沈降させた後に、細胞懸濁液の上清を培養容器10から廃液容器へ移送させる。
これによって、培養容器10における細胞懸濁液を濃縮することができ、細胞の濃度を高めることが可能となる。この培養上清の排出は、チューブ60におけるチューブポンプを作動させて行うことができる。なお、以下に説明する細胞懸濁液の移送や、培養上清の戻しについても、チューブ60におけるチューブポンプを作動させることにより行うことができる。
(2)細胞回収工程
次に、培養容器10から細胞懸濁液を細胞回収容器へ移送する。この移送を終了した状態において、培養容器10内には、培養細胞が含まれる細胞懸濁液が一部残存している。
(3)上清戻し工程
次に、廃液容器から培養容器10へ培養上清を一部戻して、培養容器10を攪拌部材13により攪拌する。これにより、培養容器10内の壁面に付着した細胞など、培養容器10内に残存した細胞を細胞懸濁液内に懸濁させることができる。なお、攪拌は必要に応じて行えばよい。
(4)再回収工程
次に、残存細胞が懸濁した細胞懸濁液を培養容器10から細胞回収容器へ再度移送する。これにより、本実施形態の細胞回収方法によれば、新たな培養液や洗浄液を用いることなく、細胞回収工程において培養容器10に残存した細胞を回収することができ、細胞の回収効率を向上させることが可能となっている。
また、上記細胞回収方法において、上清戻し工程と再回収工程を2回以上繰り返して行うことも好ましい。このように上清戻し工程と再回収工程を2回以上繰り返せば、その都度培養容器10に残存している細胞をさらに回収することができるため、回収効率を一層向上させることが可能となる。
さらに、上記細胞回収方法において、上清戻し工程と再回収工程を同時に行うことも好ましい。このように上清戻し工程と再回収工程を同時に行えば、培養上清を流しながら細胞を再回収でき、培養容器10内に残存している細胞を細胞回収容器40へ移送させやすくすることが可能となる。
[第二実施形態]
次に、本発明の細胞回収方法の第二実施形態について、図3を参照して説明する。
本実施形態の細胞回収方法は、以下のように、上清排出工程を行う前に静置工程を有している点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様である。
(1)静置工程
第二実施形態の細胞回収方法における上清排出工程を行う前に、仕切部材14を用いて、培養容器10の底面積を縮小させる。具体的には、仕切部材14により培養容器10の端部から表面と裏面を密着させながら、仕切部材14を培養容器10上で移動させることで、培養容器10の底面積を縮小させることができる。そして、培養容器10を静置させて細胞を下方に沈降させる。
その後、第二実施形態で説明した上清排出工程、細胞回収工程、上清戻し工程、及び再回収工程を行う。また、上清戻し工程、及び再回収工程を繰り返し行うことも好ましい。
このように培養容器10の底面積を縮小してから洗浄回収を行うことで、底面積に対する上清の量を増やすことができ、培養上清の排出量を増やすことができる。このため細胞回収工程において回収される細胞懸濁液の細胞濃度を高めることができ、細胞の回収効率を向上させることが可能となる。
以上の通り、上記各実施形態の細胞回収方法によれば、新たな洗浄用の培養液や洗浄液を用いることなく、細胞の回収効率を向上させることが可能となっている。
上述した実施形態の細胞回収方法による洗浄回収を行って培養容器から細胞を回収する場合と、洗浄回収を行うことなく培養容器から細胞を回収する場合とを比較し、洗浄回収による効果を検証した。その結果を図4に示す。この実験は、22×66cmの培養容器を用い、これに2000mLの培養液と、8.00E+09個の細胞を封入して行った。
(比較例1)
第一実施形態の細胞回収方法における上清排出工程と細胞回収工程のみを行って、洗浄回収を行うことなく培養容器から細胞を回収した。
その結果、廃液容器へ排出された培養上清は1600mLであり、これに2.00E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は2.5%であった。細胞回収容器に回収された細胞懸濁液は350mLであり、これに6.83E+09の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は85.31%であった。また、培養容器に残存した細胞懸濁液は50mLであり、これに9.75E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は12.19%であった。
(実施例1)
第一実施形態の細胞回収方法における上清排出工程、細胞回収工程、上清戻し工程、及び再回収工程をそれぞれ1回行うことにより、洗浄回収を1回行って、培養容器から細胞を回収した。
廃液容器へ排出された培養上清は1550mLであり、これに1.94E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は2.42%であった。細胞回収容器に回収された細胞懸濁液は400mLであり、これに7.32E+09の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は91.45%であった。また、培養容器に残存した細胞懸濁液は50mLであり、これに4.91E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は6.13%であった。
(実施例2)
第一実施形態の細胞回収方法において、上清排出工程、細胞回収工程、上清戻し工程、及び再回収工程をそれぞれ1回行った後に、上清戻し工程と再回収工程をさらに1回繰り返すことにより、洗浄回収を2回行って、培養容器から細胞を回収した。
廃液容器へ排出された培養上清は1500mLであり、これに1.88E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は2.34%であった。細胞回収容器に回収された細胞懸濁液は450mLであり、これに7.56E+09の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は94.55%であった。また、培養容器に残存した細胞懸濁液は50mLであり、これに2.48E+08の細胞が含まれており、その細胞数の百分率は3.11%であった。
比較例1では、培養容器に細胞懸濁液が50ml残存している。これは液量が少なくなると培養容器が閉塞して細胞回収容器に細胞懸濁液を移送できなくなるためである。
実施例1では、廃液容器から培養上清50mlを培養容器に移送して、培養容器を懸濁して洗浄し、細胞回収容器にさらに50mlを回収している。これにより培養容器に細胞懸濁液が50ml残存している。実施例2では、実施例1の動作を再度繰り返して、2回の洗浄回収を行っている。
細胞回収容器に回収された細胞の数の百分率は、比較例1,実施例1,実施例2の順に、85.31%,91.45%,94.55%であった。
また、廃液容器へ排出された細胞の数の百分率は、比較例1,実施例1,実施例2の順に、2.5%,2.42%,2.34%であった。
さらに、培養容器に残存した細胞の数の百分率は、比較例1,実施例1,実施例2の順に、12.19%,6.13%,3.11%であった。
このように、上記実施形態の細胞回収方法によれば、細胞回収容器への細胞の回収効率は、洗浄回収を行わない場合に比較して、6%以上増加している。また、洗浄回収を1回行う場合と2回行う場合を比較すると、細胞の回収効率は、さらに3%以上増加している。また、廃液容器へ排出された細胞は、比較例1,実施例1,実施例2の順で低減しており、特に、培養容器に残存した細胞は、比較例1,実施例1,実施例2の順で大きく低減している。
以上の結果から、本実施形態の細胞回収方法における洗浄回収によって、新たな洗浄用の培養液や洗浄液を用いることなく、細胞の回収効率が向上していることが分かる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、図2,3では上清戻し工程において、ローラ型の攪拌部材を用いて攪拌を行っているが、積載台を振とうするなどその他の方法で培養容器を攪拌しても良く、また各工程においてさらに攪拌を行うなど適宜変更することが可能である。
本発明は、大量の細胞を培養する必要のあるバイオ医薬や再生医療、免疫療法等の分野において、好適に利用することが可能である。
10 培養容器
11 積載台
12 固定部材
13 攪拌部材
14 仕切部材
20 培地貯蔵容器(廃液容器)
30 細胞注入容器
40 細胞回収容器
50 サンプリング容器
60 チューブ

Claims (7)

  1. 少なくとも、細胞を培養するための培養容器と、培養後の細胞を回収する細胞回収容器と、培養後の培地を回収する廃液容器とが、導管によって連結されてなる細胞培養用キットを用いて培養された細胞の回収方法であって、
    培養済みの培養上清を前記培養容器から前記廃液容器へ移送する上清排出工程、
    濃縮された細胞懸濁液を前記培養容器から前記細胞回収容器へ移送する細胞回収工程、
    前記廃液容器に排出された培養上清の一部を前記培養容器に戻し、前記培養容器に残存する細胞を細胞懸濁液に懸濁させる上清戻し工程、及び
    残存細胞が懸濁した細胞懸濁液を前記培養容器から前記細胞回収容器に再度移送する再回収工程を、含む
    ことを特徴とする細胞回収方法。
  2. 請求項1記載の細胞回収方法において、前記上清戻し工程及び前記再回収工程を2回以上繰り返すことを特徴とする細胞回収方法。
  3. 培地等を貯蔵しておくための培地貯蔵容器が、前記廃液容器として用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞回収方法。
  4. 前記上清戻し工程において、所定の懸濁部材を用いて、前記培養容器の表面が所定の深さに下降する位置まで前記培養容器の表面を押圧しながら、前記懸濁部材を前記培養容器上で水平方向に往復移動させ、前記培養容器に残存する細胞を細胞懸濁液に分散させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細胞回収方法。
  5. 前記上清排出工程の前に、前記培養容器の底面積を縮小させ、前記培養容器を静置させる静置工程を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の細胞回収方法。
  6. 前記静置工程において、所定の仕切部材を用いて、前記培養容器の端部から表面と裏面を密着させながら前記仕切部材を前記培養容器上で移動させ、前記培養容器の底面積を縮小させる
    ことを特徴とする請求項5記載の細胞回収方法。
  7. 前記上清戻し工程における前記培養容器に残存する細胞の細胞懸濁液での分散と、前記再回収工程における培養容器から前記細胞回収容器への細胞懸濁液の移送を、同時に行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の細胞回収方法。
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