JP5922829B2 - ドラム式の洗濯機または洗濯乾燥機 - Google Patents

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本発明は、ドラム式の洗濯機、および洗濯乾燥機に係り、特に洗濯内槽の洗濯容量アップに関するものである。
ドラム式の洗濯乾燥機は、例えば、特開2008−125804号公報(特許文献1)に示すような構成を有する。
この洗濯乾燥機は、洗濯物を収納する洗濯内槽と、回転自在なる洗濯内槽を内置するとのろの洗濯水を溜める外槽と、洗濯内槽を回転駆動する駆動モータと、外槽を防振支持する防振機構を有する。
洗濯内槽は、円筒状の胴体と、胴体の後端側の後側底板と、前記胴体の前側端側に設ける前側補強リングと、前側補強リングに支持される環状のバランスリング等を有する。
特開2008−125804号公報
洗濯容量アップには、洗濯内槽を大きく必要がある。洗濯内槽は、上述したように、胴体、後側底板と、前側補強リングと、環状のバランスリングの構成部材より構成されるので、洗濯容量アップでは、それらの構成部材を変更しなければならない。外槽も大きくする必要があるので、構成部材や外槽を作る製造設備を大幅な変更になる。
本発明は、上記の課題に鑑み、製造設備の大幅な変更を行うことなく、洗濯容量アップができる洗濯機、および洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
本発明は、回転する洗濯内槽と、前記洗濯内槽を内置し、洗濯水を溜める外槽を備え、前記洗濯内槽は、ステンレス鋼板を含む鋼板を円筒状に形成する胴体と、前記胴体の後側端側に設けるステンレス鋼板を含む鋼板で形成される後側底板と、前記胴体の前側端側に設ける環状のバランスリングを有するドラム式の洗濯機または洗濯乾燥機において、前記胴体は、前記後側端側および前記前側端側を径小にした径小部と、前記後側端側および前記両径小部の間に存在する中間部位に前記径小部よりも径大に形成した径大部と、前記径小部から前記径大部に移行する部位に形成した傾斜部とを有すると共に、
前記胴体は、前記径大部に脱水孔を設け、前記径小部に脱水孔を設けず、更に、前記径小部は内径方向に窄める絞り加工により形成され、前記径大部は外周側に膨出させる絞り加工により形成されることを特徴とする。
本発明によれば、胴体に両端側の径小部を除く中間範囲を全体に亘って前記径小部よりも径大に形成された径大部を設けることにより、他の構成部材を変更することなく、洗濯容量アップを図ることができ、製造設備の大幅な変更を回避できる。
本発明の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の外観斜視図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の縦断面図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯内槽、洗濯水を溜める外槽、駆動電動機、防振支持機構を含む洗濯乾燥本体ユニットを外枠を除いて示した図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯内槽、洗濯水を溜める外槽との配置関係を拡大して示した図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯内槽を単体で示した外観斜視図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯内槽を前側から内部を見た破断斜視図である。 本発明の実施例に係るもので、洗濯内槽を後側から内部を見た破断斜視図である。 本発明の実施例に係るもので、図7の部分拡大斜視図である。
本発明の実施形態の実施例について、図を引用して説明する。
まず、図1、図2、図3に沿って洗濯乾燥機の概要について説明する。
外枠1は、前側にドア2を有する。ドア2を開け閉めして洗濯物の出し入れが行われる。外枠1内には、洗濯乾燥本体ユニット3が備えられる。洗濯乾燥本体ユニット3は、洗濯内槽4、洗濯水を溜める外槽5、駆動電動機6、防振支持機構7、送風機構8、送風循環ダクト9、送風加熱部10を有する。洗濯物20は洗濯内槽で洗濯され、矢印22、23に示す乾燥循環風により乾燥が行われる。
図4〜図8を加えて洗濯内槽4、洗濯水を溜める外槽5に関して詳しく説明する。
洗濯内槽4は、胴体30と、後側底板31と、前側補強リング32と、環状のバランスリング33を有する。胴体30は、ステンレス鋼板の帯板を円筒状に折り曲げて形成する。胴体30の後側端側に設ける後側底板31は、ステンレス鋼板で形成される。前側補強リング32もステンレス鋼板で形成される。
環状のバランスリング33は合成樹脂で形成される流体バランサーで、5つの流体室33a、33b、33c、33d、33eを有する。
外槽5は、図4に示すように、合成樹脂で形成される胴体筒部35と、底部36と、前側部37を有する。胴体筒部35と、底部36は一体に形成されている。前側部37の筒部38と胴体筒部35の前側端は、嵌め合いによる結合になっている。
軸受フレームベース40は、中央に軸受部41を有する。軸受部41はボールベアリング42を備える。この軸受フレームベース40は外槽5の底部36に取り付けられる。洗濯内槽4の回転軸43は、ボールベアリング42に回転自在に支持される。
洗濯内槽4は、図4、図6〜図8に示すように、前記後側底板31の外側に洗濯内槽4を支持する支持ベース44を有する。支持ベース44は、アルミダイキャストで形成され、放射状の延びる複数の支持アーム45を有する。前記回転軸43は支持ベース44の中心に固定される。
前記後側底板31は全体的に平坦であるが、前記支持ベース44の支持アーム45に対向する箇所は内側(洗濯内槽4の前側方向)に隆起する隆起部46になっている。この隆起部46に揃うように胴体30の内周にリフター47が設けられる。隆起部46はリフター47と同様な機能を備えている。
胴体30は、前記前側端側と前記後側端側に設けた径小の径小部50、51と、前記両端側の径小部を除く中間範囲を全体に亘って前記径小部50、51よりも径大に形成した径大部52を有する。径小部50、51の径D1は、600mmである。径大部52の径D2は、610mmである。この洗濯内槽4の胴体30に径大部52を設けて径大化することにより、洗濯容量のアップを図っている。
この洗濯容量アップでは、胴体30を除き、後側底板31、前側補強リング32、環状のバランスリング33、外槽5を含む各種の構成部材は洗濯容量をアップしない部材と変らない共通の大きさである。このため、胴体30に関する製造設備(例えば成型用金型など)以外は、洗濯容量アップする前の製造設備が使用でき、製造設備の大幅な変更や設備の新設を必要としない。
洗濯内槽4の胴体30は、径小部50、51から径大部52に移行する部位に外周方向に落ち込み傾斜する傾斜部53を有する。傾斜部53は胴体30の剛性を増す。傾斜部がない平坦だけの洗濯内槽に比べ、上部で1700RPMの高速脱水回転にも耐える。
前側端側の径小部50は、回転軸心方向幅L1がバランスリング33の外周側高さ丈に見合う長さを有する。後側端側の径小部51は、少なくとも回転軸心方向幅L2を必要とする。回転軸心方向幅L2は、支持アーム45の回転軸心方向の高さ丈に見合う長さである。このため、図4などに示す後側端側の径小部51の幅長さは、回転軸心方向幅L2+αになる。
したがって、胴体30の中間部位の範囲を占めるように存在する径大部52の回転軸心方向長さは、胴体30の全長から回転軸心方向幅L1、L2を除いた長さに近似する。
径小部50,51は回転軸心方向幅L1、L2は少ない方が洗濯容量アップになるが、バランスリング33や支持アーム45の取り付け結合に必要である。バランスリング33や支持アーム45との取り付け結合強度を十分確保するのに、回転軸心方向幅L1、L2は必要である。
また、前側端側の径小部50のところでは、前側補強リング32が回転軸心方向幅L1の範囲に亘って前側補強リング32の外周側と径小部50の内周側が嵌合しているので、胴体30の前側端側は丈夫になっている。
後側端側の径小部51のところでは、後側底板31の外周側と径小部51の内周側が嵌合するのは回転軸心方向幅L2の範囲の一部で、はぜ折りかしめ部分の範囲に止まる。支持アーム45の先端が対向する部分だけが、回転軸心方向幅L2の範囲に亘って後側底板31の外周側と径小部51の内周側が嵌合している。
このように後側底板31の底面を径小部51の後端側に寄せることで、洗濯内槽4の容積低減が抑えられる。
洗濯内槽4の製造について説明する。
帯状のステンレス鋼板を円筒状に曲げて両端の合わせ部分を溶接して胴体30を形成する。溶接個所は胴体30の回転軸心方向に沿うように形成される。この後、前側端側の径小部50と、後側端側の径小部51を絞り加工で形成する。径小部50,51は内径方向に窄める絞り加工により形成される。
上記の絞り加工とは、逆の絞り加工でも作れる。合わせ部分を溶接して胴体30の中間部位を外周側に膨出させて径大部を形成することも可能である。
絞り加工で形成された胴体30に後側底板31、および前側補強リング32が取り付け結合される。後側底板31は径小部51に、前側補強リング32は径小部50にはぜ折かしめで結合される。後側底板31と前側補強リング32の取り付け結合されることで、胴体30は、変形しない丈夫な構造になる。
前側補強リング32には、バランスリング33が嵌め込まれ、径小部50の外周側から螺合するビス螺子60でバランスリング33は胴体30の前端側に締結される。前側補強リング32を設けない場合は、バランスリング33は胴体30に直接的に結合する。この場合には、胴体30の前端側の剛性を高めるために特に剛性の強いバランスリングを用いることが望ましい。
後側底板31には、支持ベース44が取り付けられる。後側底板31の外側に配置される支持ベース44は、支持アーム45の先端が径小部51の内周側に対向するように置かれる。胴体30の径小部51の外周側から支持アーム45の先端に締結する螺子61により、支持アーム45と胴体30が締結される。後側底板31も螺子61により一緒に支持アーム45に締結される。
支持ベース44に支持される洗濯内槽4は、支持ベース44に設けた支持アーム45の先端にも螺子61で締結されるので、丈夫な支持構造になる。
螺子61の頭部は、胴体30の径小部51の外周面から突き出ている。この頭部の突出位置と径大部52の外周とを略面一にした。螺子61の頭部と外槽5のギャップGは4〜5mmである。径大部52の外周と外槽5の間には、洗濯内槽4の回転に必要なギャップG(4〜5mm)が確保されるので、洗濯内槽4を支障なく回転させることができる。
このように、径大化する径大部52の径を螺子61の頭部の突出位置と略面一程度に止めるので、洗濯内槽4を径大化して洗濯容量をアップしたのにもかかわらず、外槽5は洗濯容量アップ前の外槽と変らない共用化できる大きさである。このため、外槽5を製造する製造設備の大幅な変更や設備の新設を必要としない。
脱水孔63は径大部52に設け、径小部50、51には設けない。径小部50、51には、前側補強リング32、後側底板31、バランスリング33により、塞がってしまうので脱水孔63を設けない。しかし、径小部50、51の中間部位には、径大部52が存在するので、径小部50、51に残水が滞留することなく、径大部52の脱水孔63から洗濯物20に含まれる水や洗濯内槽4内の水を脱水させることができる。
また、脱水孔63は遠心作用が増加する径大部52に設けたので、脱水が良く行われる。
脱水孔64は後側底板31にも設けられる。この脱水孔64は遠心脱水がではなく、洗濯内槽4内の自然排水や乾燥空気の通風に供する。
上記径小部50、51は同じ径になっている。径小部50、51を違う径にすることも可能であるが、前側補強リング32、後側底板31を含む構成部材を共用化できるメリットが失なわれるので、径小部50、51は同じ径にすることが望ましい。
上記傾斜部53は傾斜にしないでほぼ直角に落ち込むようにすることが可能である。しかし、径小部50、51を窄める絞り加工や径大部52を外周側に膨出させる絞り加工では直角にするよりも傾斜にするほうが成形性がよく、仕上がりも面も良好になる。
4…洗濯内槽、5…外槽、52…胴体、31…後側底板、33…バランスリング、32…前側補強リング、50…径小部、51…径小部。

Claims (1)

  1. 回転する洗濯内槽と、前記洗濯内槽を内置し、洗濯水を溜める外槽を備え、
    前記洗濯内槽は、ステンレス鋼板を含む鋼板を円筒状に形成した胴体と、前記胴体の後側端側に設けステンレス鋼板を含む鋼板で形成され後側底板と、前記胴体の前側端側に設ける環状のバランスリングを有するドラム式の洗濯機または洗濯乾燥機において、
    前記バランスリングは、流体バランサーであると共に、流体室を有し
    前記胴体は、前記後側端側および前記前側端側を径小にした同径の径小部と、前記両径小部の間に存在する中間部位に前記径小部よりも径大に形成した径大部と、前記径小部から前記径大部に移行する部位に形成した傾斜部とを有すると共に、
    前記胴体は、前記径大部に脱水孔を設け、前記径小部に脱水孔を設けず、更に、前記径小部は内径方向に窄めた絞り加工部、又は前記径大部は外周側に膨出させた絞り加工部であり
    更に、前記前側端側の前記径小部にステンレス鋼板で作られた前側補強リングが結合されていると共に、前記バランスリングは前記前側補強リングの前側に嵌め込まれている
    ことを特徴とするドラム式の洗濯機または洗濯乾燥機。
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