JP5921328B2 - 自転車用樹脂部材及び自転車用チャイルドシート - Google Patents

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Description

本発明は、自転車用樹脂部材及び自転車用チャイルドシートに関する。
自転車を構成する部材として、フレーム等を構成する金属、タイヤを構成するゴムのほか、樹脂製の部材が使用される。
例えば、子供を自転車に載せる手段として、自転車の前方又は後方に子供が着座可能な子供用椅子(チャイルドシート)が利用されている。自転車用チャイルドシートは、通常、椅子本体に、ヘッドガード部やステップ部などの各部材を取付けて構成されている(例えば、特許文献1、2参照)。
自転車用チャイルドシートを構成する各部材は、一般的に金属又は樹脂(プラスチック)で形成されているが、金属製では重量が重く、鉄を含む場合はサビが生じやすい。一方、樹脂製では金属製に比べて軽量であり、サビは生じないが、屋外での使用により日光や風雨にさらされることで材料表面の劣化が進み易く、表面劣化が進んだときに自転車の転倒や衝突などにより強い外力を受けると、局部的にクラック等を生じることがある。
特開2002−59879号公報 特開2011−84209号公報
自転車用チャイルドシートを主に樹脂で構成する場合、シート本体に高さを調整できるヘッドガードやステップ部などの部材を取り付けるには、ネジ、ボルト、接着剤を用いるか、シート本体とシート本体に取付ける部材のいずれか一方に凹部又は孔部を、他方に凸部を設け、凸部を凹部(孔部)に嵌め込んで機械的に接合する方法(いわゆるスナップフィット)などが採用される。
自転車用チャイルドシートのステップ部は、子供が乗り降りする際に足掛けとしたり、シートに座っている際には足を乗せているので、従来から負荷がかかり易い。その為、自転車用チャイルドシートのステップ部やシート本体を構成している樹脂の表面劣化が進んだ場合、シート本体とステップ部との連結部分などの高応力部位に局所的なクラックが生じて、乗り降りの際にかかる負荷により進展していく恐れがある。
また、自転車用チャイルドシートに限らず、自転車を構成する樹脂部材(例えば、強度を有するバスケットやキャリア、また、その他にもチェーンケース、ドロヨケ等)は、屋外でも長期にわたって表面劣化が進行し難い高い耐久性を発揮することが望まれる。
本発明は、長期間にわたって表面劣化が進行し難い自転車用樹脂部材及び自転車用チャイルドシートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して、平均分子量が1000以下のヒンダードアミン化合物を0.15質量部以上0.8質量部以下含み、さらに平均分子量が1000を超えるヒンダードアミン化合物を含む自転車用樹脂部材。
本発明の自転車用樹脂部材は、ベース樹脂として三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むことで自転車用部材としての強度を有するとともに伸びが生じ易く、また、老化防止剤として比較的低分子量のヒンダードアミン化合物を多く含んでいるため、屋外の使用によって表面の樹脂が劣化しても樹脂内部からヒンダードアミン化合物が表面に拡散し易い。そのため、本発明の自転車用樹脂部材は、長期にわたって老化防止効果を発揮するとともに樹脂の伸びによって表面クラックの発生と進展がし難い特性を発揮する。
<2> 前記ポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して、さらにヒンダードフェノール化合物を0.15質量部以上含む<1>に記載の自転車用樹脂部材。
上記ヒンダードアミン化合物とともにヒンダードフェノール化合物を上記含有量で含むことで、長期にわたってより表面クラックの発生と進展がし難い特性を有する自転車用樹脂部材が得られる。
<3> 前記ヒンダードフェノール化合物が、ヒドロキシフェニル基を有するヒンダードフェノール化合物である<2>に記載の自転車用樹脂部材。
ヒドロキシフェニル基を有するヒンダードフェノール化合物を用いることで、長期間にわたってより表面クラックの発生と進展がし難い特性を有する自転車用樹脂部材が得られる。
> 前記ベース樹脂100質量部に対して、さらにベンゾフェノン化合物を0.05質量部以上含む<1>のいずれかに記載の自転車用樹脂部材。
上記ヒンダードアミン化合物とともにベンゾフェノン化合物を上記含有量で含むことでベンゾフェノン化合物が紫外線を吸収し、樹脂に直接照射される紫外線量が抑制されるため、長期にわたる耐久性がさらに向上する。
> 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン樹脂である<1>〜<>のいずれかに記載の自転車用樹脂部材。
ポリプロピレン樹脂は伸び易く、長期間にわたってより表面クラックの発生と進展がし難い特性を有する自転車用樹脂部材が得られる。
> 前記ヒンダードアミン化合物が、ピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物である<1>〜<>のいずれかに記載の自転車用樹脂部材。
ピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物を用いることで、長期間にわたってより表面クラックの発生と進展がし難い特性を有する自転車用樹脂部材が得られる。
<7> 前記自転車用樹脂部材が、自転車用チャイルドシート用樹脂部材である<1>〜<6>のいずれかに記載の自転車用樹脂部材。
本発明の自転車用樹脂部材は、屋外での使用でも長期にわたって高い耐久性を示すため、特に安全性が重視される自転車用チャイルドシート用樹脂部材として好適である。
<8> 子供が着座可能なシート本体と、前記シート本体に連結されたステップ部とを有し、前記シート本体と前記ステップ部との連結部分が<1>〜<6>のいずれかに記載の自転車用樹脂部材により形成されている自転車用チャイルドシート。
本発明の自転車用チャイルドシートは、特に高い荷重がかかり易いステップ部とシート本体との連結部分における表面クラックの発生と進展が長期にわたって抑制され、連結部分の破断によりシート本体からステップ部が脱落することを防ぐことができる。
本発明によれば、長期間にわたって表面クラックの発生と進展がし難い自転車用樹脂部材及び自転車用チャイルドシートを提供することができる。
本発明の自転車用樹脂部材が適用される自転車用チャイルドシートの一例を取り付けた自転車の後方部を示す側面図である。 図1に示す自転車用チャイルドシートを示す斜視図である。
以下、本発明の自転車用樹脂部材及びチャイルドシートについて具体的に説明する。
<自転車用樹脂部材>
本発明の自転車用樹脂部材は、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して、平均分子量が1000以下のヒンダードアミン化合物を0.15質量部以上0.8質量部以下含んで構成されている。
(ベース樹脂)
本発明の自転車用樹脂部材は、ベース樹脂として、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含んでいる。三級炭素は炭素−炭素の共有結合により3つ炭素と結合している炭素であり、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂としては、例えば、下記式(I)で表される構造を有するものが挙げられる。

三級炭素を有するポリオレフィン樹脂の具体例としては、ポリプロピレン、分岐構造を有する低密度ポリエチレン(LDPE)に代表される分岐型ポリエチレン、架橋型ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン・アクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。
ベース樹脂として用いる三級炭素を有するポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、自転車用部材としての強度と伸びの観点から、100000以上500000以下が好ましく、150000以上300000以下がより好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂の平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される値である。
三級炭素を有するポリオレフィン樹脂としては、特にポリプロピレン樹脂が好ましく、市販品として、Globalane 7533(LCY社製)、ノバテックPP MA3(日本ポリプロ)などが挙げられる。
また、例えば、三級炭素を有する低密度ポリエチレンの市販品としては、サンテック−LD M6545(旭化成ケミカルズ社製)、ペトロセン 349(東ソー)などが挙げられる。
本発明の自転車用樹脂部材は、ベース樹脂として、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂のみを用いてもよいが、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂と三級炭素を含まない成分(例えば直鎖状の高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)など)とのブレンドを用いてもよい。
なお、ベース樹脂をポリマーブレンドとする場合、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂がマトリックス(海島の海)となるように、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂の含有量をベース樹脂全体に対して50質量%以上とすることが好ましい。ベース樹脂を構成する三級炭素を有するポリオレフィン樹脂の含有量がベース樹脂全体に対して50質量%以上であれば、力学物性としてはマトリックスが支配的となり、本発明の効果が全体として得られる。
(ヒンダードアミン化合物)
本発明の自転車用樹脂部材は、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して、平均分子量が1000以下のヒンダードアミン化合物(以下「低分子量ヒンダードアミン化合物」と略記する場合がある。)を0.15質量部以上含んでいる。
ヒンダードアミン化合物は老化防止剤として機能するが、分子量が大き過ぎるとベース樹脂中での移動が妨げられるため、樹脂部材を長期間使用しても樹脂部材内部に存在するヒンダードアミン化合物は表面に移動せず、時間が経つにつれて樹脂部材全体の耐久性が大きく低下して表面クラックの発生と進展が発生し易い。しかし、分子量が1000以下の比較低分子量のヒンダードアミン化合物を用いれば、初期では樹脂部材の内部に存在しているヒンダードアミン化合物が徐々に表面に現われ、長期間にわたって老化防止作用を発揮することができる。
ただし、ベース樹脂100質量部に対する低分子量ヒンダードアミン化合物の含有量が0.15質量部未満であると、自転車用樹脂部材が長期間屋外で使用された場合の耐久性(耐候性)が得られず、急な表面クラックの発生と進展が生じ易い。かかる観点から、低分子量ヒンダードアミン化合物は、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して0.15質量部以上とする必要があり、0.20質量部以上含むことが好ましい。
一方、低分子量ヒンダードアミン化合物の含有量が多過ぎると材料の粘性が増大して製造上の取り扱い性(混練性、成形性など)が低下する可能性がある。そのため、ベース樹脂100質量部に対する低分子量ヒンダードアミン化合物の含有量は0.8質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.6質量部以下である。低分子量ヒンダードアミン化合物の含有量が0.8質量部以下であれば、ベース樹脂に均一に分散させることが容易であり、耐久特性上も好ましい。
なお、本発明で用いる低分子量ヒンダードアミン化合物は、ピペリジニル基を有する化合物であることが好ましい。
市販品としては、Tinuvin 770DF、Tinuvin 765(以上、BASF社製)、アデカスタブ LA−77(アデカ社製)などが挙げられる。
なお、低分子量ヒンダードアミン化合物は複数種を併用してもよい。低分子量ヒンダードアミン化合物を併用する場合、合計の含有量をベース樹脂100質量部に対して0.15質量部以上とし、0.8質量部以下とすることが好ましい。
また、本発明の自転車用樹脂部材は、補助的な老化防止剤として、分子量が1000を超えるヒンダードアミン化合物(高分子量ヒンダードアミン化合物)を配合してもよい。低分子量ヒンダードアミン化合物が消費された後に、高分子量ヒンダードアミン化合物が樹脂部材の表面に現われて紫外線等による樹脂の劣化を抑制する効果が得られる。なお、分子量が大き過ぎると、マトリクス樹脂中での移動が大きく妨げられるため、分子量は3000以下であることが好ましい。
高分子量ヒンダードアミン化合物の市販品としては、例えば、CHIMASSORB 944(BASF社製)、アデカスタブ LA−94(アデカ社製)などが挙げられる。
高分子量ヒンダードアミン化合物を配合する場合、ベース樹脂100質量部に対して、0.15質量部以上0.4質量部以下であることが好ましい。
(ヒンダードフェノール化合物)
本発明の自転車用樹脂部材は、ベース樹脂100質量部に対して、さらにヒンダードフェノール化合物を0.15質量部以上含むことが好ましい。すなわち、ベース樹脂100質量部に対して、低分子量ヒンダードアミン化合物0.15質量部とともにヒンダードフェノール化合物を0.15質量部以上含むことで、破断耐久性を一層高めることができる。
ただし、ヒンダードフェノール化合物の含有量が多過ぎると材料の粘性が増大して製造上の取り扱い性が低下する可能性がある。かかる観点から、ベース樹脂100質量部に対するヒンダードフェノール化合物の含有量は0.8質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.6質量部以下である。
本発明で用いるヒンダードフェノール化合物は、ヒドロキシフェニル基を有するヒンダードフェノール化合物であることが好ましい。
市販品としては、Irganox 1010(BASF社製)、アデカスタブ OA−60(アデカ社製)などが挙げられる。
(ベンゾフェノン化合物)
本発明の自転車用樹脂部材は、ベース樹脂100質量部に対して、さらにベンゾフェノン化合物を0.05質量部以上含むことが好ましい。すなわち、三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して低分子量ヒンダードアミン化合物0.15質量部とともにベンゾフェノン化合物を0.05質量部以上含むことで、長期にわたる表面クラックの発生と進展に対する耐久性が向上する。
ただし、ベンゾフェノン化合物は、紫外線吸収性を有する特性上、ベンゾフェノン自体がやや黄色を帯びている。ベンゾフェノン化合物の含有量が多過ぎると、黄色が濃くなりすぎて、顔料の調色が難しくなる場合がある。かかる観点から、ベース樹脂100質量部に対するベンゾフェノン化合物の含有量は0.3質量部以下であることが好ましい。
本発明で用いるベンゾフェノン化合物は、市販品として、例えばCHIMASSORB 81(BASF社製)などが挙げられる。
(他の任意成分)
本発明の自転車用樹脂部材は、調色用の顔料、染料などの着色剤を適宜含んでもよい。例えば顔料として、酸化チタン、カーボンブラック、雲母、酸化鉄などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、射出成形時の流動性を調整するため、ワックスを含んでもよい。
また、結晶核剤、短繊維やタルクなどの補強剤、難燃剤などを含んでもよい。
また、他の老化防止剤として、リン系過酸化物分解剤を配合することで、表面クラックの発生と進展に対する耐久性を一層向上させることができる。
上記各任意成分の含有量は各々の目的に応じて、適宜調整すればよい。
なお、樹脂部材に含まれる各成分の種類及び含有量については、LC/MSによって分析・測定することができる。
<自転車用樹脂部材の製造方法>
本発明の自転車用樹脂部材を製造する方法は、老化防止剤等の添加剤をベース樹脂中に分散させて用途に応じて成形することができれば特に限定されず、公知の樹脂成形品の製造方法を適用することができる。
例えば、射出成形機の材料投入口(ホッパー)に、ベース樹脂として三級炭素を有するポリオレフィン樹脂100質量部に対して、老化防止剤として平均分子量が1000以下のヒンダードアミン化合物を0.15質量部以上、さらに必要に応じて前述したような他の成分を含む原料を投入する。射出成形機のスクリュー内で溶融−分散させた後、射出成形することで所望の形状を有する自転車用樹脂部材を得ることができる。
なお、混合比の安定化の観点から、老化防止剤等をマスターバッチ化してものを用いることが好ましく、例えば、あらかじめ数種類の添加剤をマスターバッチ化したものを使用すれば、混合比が安定化し、各種添加剤の分散性が高い高品質の自転車用樹脂部材を製造することができる。
また射出成形の前工程として、小型プラストミル、ニーダー、押出機などを用いた混練工程を採用して添加剤の分散性を向上させてもよい。
混練条件は特に限定されるものではないが、使用する樹脂材料の融点より10℃〜50℃程度高い温度で、3〜10分程度の練りが一般的である。
<自転車用チャイルドシート>
本発明の自転車用樹脂部材は、自転車を構成する部品であればその用途は特に限定されるものではないが、屋外で使用されても長期にわたって表面クラックの発生と進展しにくく、自転車用チャイルドシートとして好適に使用することができる。
図1には、本発明の一実施形態である自転車用チャイルドシート10が取り付けられた二輪車2の後方部が示されている。二輪車2のサドル4の後方に荷台6が設けられ、この荷台6上に自転車用チャイルドシート10のシート本体12が図示しない取り付け金具によって固定支持されている。
自転車用チャイルドシート10は、腰部及び尻部の後方部と両サイドを囲むように湾曲して形成されたシート本体12を備えており、子供が着座可能となっている。椅子本体12の前面側の上方部には、肩部を保護するショルダーガード部14と、このショルダーガード部14の上方で頭部を保護するヘッドガード部16とが一体に形成されたガード本体18が、シート本体12と一部が重なり合うように配設されている。また、シート本体12の前方には、子供の前方側をガードするように掛け渡されたハンドルバー20が設けられ、ハンドルバー20は一端部を支点として他端部が開閉可能となっている。また、シート本体12の下側には、足を載置可能な2つのステップ部22が左右対称となるように設けられている。ステップ部22は、シート本体12に、ネジ、ボルトなどの固定金具あるいは固定金具を用いずにスナップフィットによって取付けられている。
図2に示すように、ショルダーガード部14の内側には、中央部に装着されるクッション44Aと、両サイドの翼部14Bに装着されるクッション44Bが設けられている。これらのクッション44A、44Bは、内部に発泡性ポリウレタンなどの弾性体が装填された衝撃吸収部材であり、ショルダーガード部14の内側面に図示しない面ファスナーよって着脱可能に装着される。また、ヘッドガード部16の内側には、中央部に装着されるクッション46Aと、両サイドに装着されるクッション46Bが設けられている。これらのクッション46A、46Bは、ヘッドガード部16の内側面に図示しない面ファスナーによって着脱可能に装着される。これによって、自転車2が転倒した際に、肩部や頭部の衝撃を吸収することができる。
ショルダーガード部14は、子供の背面に沿って両サイドが前方に湾曲しながら突出する翼部14Bを備えており、この翼部14Bの背面側を覆うようにシート本体12の両サイドが延設されて側面部13が設けられている。翼部14Bと対向する椅子本体12の側面部13の両端部には、ガード本体18のスライド方向に長円形状のスライド孔12Bが形成されている。このスライド孔12Bには、翼部14Bに突設されたガイドピン14Cが上下方向にスライド可能に係止されている。また、椅子本体12のレール部12Aの両側部には、ガード本体18のスライド方向に長円形状のスライド孔12Cが形成されている。このスライド孔12Cには、摺動部14Aに設けられたガイドピン14Cが上下方向にスライド可能に係止されている。これにより、ガード本体18は、ガイドピン14Cによって中央部の2箇所と両サイドの2箇所の計4箇所でスライド孔12B、12Cに案内されながら、上下方向にスライドする。ガード本体18は、ガイドピン14Cがスライド孔12B、12Cの上部に移動した最上部の位置と、ガイドピン14Cがスライド孔12B、12Cの下部に移動した最下部の位置との間をスライド可能となっている。
上記のような構成に限らず、自転車用チャイルドシートは、特にステップ部22に大きな荷重がかかり易く、シート本体12又はステップ部22の劣化が進むと、ステップ部22とシート本体12との連結部分の樹脂表面クラックの発生と進展が生じてステップ部22が落下する可能性がある。しかし、シート本体12とステップ部22との連結部分を本発明の樹脂部材によって形成しておけば、破断する前に連結部分で若干の伸びが生じ、遊びが大きくなる。シート本体12とステップ部22との連結部分における遊びが大きくなると、ステップ部22ががたつくことになるが、これによりシート本体12とステップ部22との連結部分で劣化が進んでいることを認識することができる。そこで、ステップ部22を新品と交換することで自転車用チャイルドシートの使用期間を延ばすことができる。
なお、本発明の自転車用樹脂部材は、自転車用チャイルドシートのステップ部22に限らず、例えば、シート本体12、ショルダーガード部14、ヘッドガード部16、ハンドルバー20など他の構成部品に用いることもできる。
また、図1、図2に示した自転車用チャイルドシートは、自転車2のサドル4よりも後方に取り付けるタイプのものであるが、本発明の樹脂部材はサドル4よりも前方のハンドル付近に取り付けるタイプの自転車用チャイルドシートにも好適に適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の材料を用意した。
(ベース樹脂)
・ポリプロピレン
Globalane 7533(LCY社製)
・低密度ポリエチレン
サンテック−LD M6545(旭化成ケミカルズ社製)
(添加剤)
・ベンゾフェノン化合物
CHIMASSORB(R) 81(BASF社製)
・ヒンダードフェノール化合物
Irganox 1010(BASF社製)
・ヒンダードアミン化合物
Tinuvin 770DF(BASF社製)
・ヒンダードアミン化合物
Tinuvin 765(BASF社製)
・ヒンダードアミン化合物
CHIMASSORB 944(BASF社製)
・リン系過酸化物分解剤
IRGAFOS 168(BASF社製)
・ワックス
KAOWAX EB−FF(花王ケミカル社製)
<実施例1>
(樹脂部材の作製)
表1に示す割合(質量部)で各材料を加え、さらに着色剤として酸化チタンを1質量部、雲母を1質量部、カーボンブラックを0.1質量部それぞれ配合した。
50リットルニーダーに、各材料を所定量投入し、混練した。ニーダー混練の温度、時間は、210℃、5分間とした。
ニーダー混練後のサンプルを一軸押出機にてストランド状に押し出し、ペレタイザーにてペレット状にカットした。
一軸押出機の温度は210℃に設定し、材料投入からストランド状に押し出すまでの押出機内の滞留時間を3分間とした。
作製したペレットを用い、射出成形機にてプレート状に成形した。成形温度は210℃とし、成形した樹脂プレートのサイズは、厚み×縦×横=2mm×100mm×80mmとした。
(初期性能評価)
作製した樹脂プレートから、引張試験片としてJIS−K6251の6号試験片を打ち抜き、JIS−K6251に準じて引張試験を行い、耐久劣化前の初期破断伸びを測定した。各樹脂プレートから4つの試験片を作製して上記初期破断伸びを測定し、それぞれ破断伸びの大きい2つのデータを採用し、その平均値をその樹脂プレートの破断伸びとした。
(劣化後性能評価)
作製した樹脂プレートを、UV照射試験機にて養生した。具体的には、JIS K 7350−2サイクルNo.9に準拠したサイクルを繰り返し、累積時間として約1,000時間の耐久試験を行った。
耐久試験後のプレートから引張試験片としてJIS−K6251の6号試験片を打ち抜き、JIS−K6251に準じて引張試験を行い、耐久劣化前の初期破断伸びを測定した。各樹脂プレートから4つの試験片を作製して上記初期破断伸びを測定し、それぞれ破断伸びの大きい2つのデータを採用し、その平均値をその樹脂プレートの破断伸びとした。
(破断保持率評価)
初期性能評価で得た破断伸びを100と規格化した際の、耐久試験後の破断伸びの相対値を破断保持率(%)として算出し、以下の基準でA〜Fのランク分けを行った。D以上が屋外で長期間使用しても表面クラックの発生と進展が効果的に抑制されると判断した。
A:50以上
B:40以上50未満
C:30以上40未満
D:15以上30未満
E:5以上15未満
F:5未満
<実施例2、3、11、参考例4〜10及び比較例1〜4>
ベース樹脂及び添加剤を表1又は表2に示すように用いたこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製した後、樹脂プレートを作製し、同様の破断保持率評価を行った。
実施例、参考例及び比較例で用いたベース樹脂と添加剤の種類及び配合量並びに破断保持率の評価結果を表1及び表2に示した。
上記評価結果から、実施例1〜11の樹脂部材は、UV照射による劣化評価後の判断保持率が高く、自転車用チャイルドシート用樹脂部材として好適であると考えられる。
2 自輪車(二輪車)
4 サドル
6 荷台
10 自転車用チャイルドシート
12 シート本体
12A レール部
12B スライド孔
12C スライド孔
12D 開孔
13 側面部
14 ショルダーガード部
14A 摺動部
14C ガイドピン
14B 翼部
14D 長孔
16 ヘッドガード部
18 ガード本体
44A クッション(衝撃吸収部材)
44B クッション(衝撃吸収部材)
46A クッション(衝撃吸収部材)
46B クッション(衝撃吸収部材)

Claims (8)

  1. 三級炭素を有するポリオレフィン樹脂を含むベース樹脂100質量部に対して、平均分子量が1000以下のヒンダードアミン化合物を0.15質量部以上0.8質量部以下含み、さらに平均分子量が1000を超えるヒンダードアミン化合物を含む自転車用樹脂部材。
  2. 前記ベース樹脂100質量部に対して、さらにヒンダードフェノール化合物を0.15質量部以上含む請求項1に記載の自転車用樹脂部材。
  3. 前記ヒンダードフェノール化合物が、ヒドロキシフェニル基を有するヒンダードフェノール化合物である請求項2に記載の自転車用樹脂部材。
  4. 前記ベース樹脂100質量部に対して、さらにベンゾフェノン化合物を0.05質量部以上含む請求項1請求項3のいずれか一項に記載の自転車用樹脂部材。
  5. 前記三級炭素を有するポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン樹脂である請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の自転車用樹脂部材。
  6. 前記ヒンダードアミン化合物が、ピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物である請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の自転車用樹脂部材。
  7. 前記自転車用樹脂部材が、自転車用チャイルドシート用樹脂部材である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自転車用樹脂部材。
  8. 子供が着座可能なシート本体と、前記シート本体に連結されたステップ部とを有し、前記シート本体と前記ステップ部との連結部分が請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自転車用樹脂部材により形成されている自転車用チャイルドシート。
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