JP5919473B2 - スピーカ用磁気回路およびこれを用いたスピーカ - Google Patents

スピーカ用磁気回路およびこれを用いたスピーカ Download PDF

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Description

本発明は、車載用途を含めた各種音響機器や映像機器に使用されるスピーカ用磁気回路およびスピーカに関する。
近年のスピーカに関する市場要求は、小型化や薄型化、軽量化が強く要求される傾向にある。そこで、従来のスピーカでは、磁気特性の非常に高い希土類系の磁石1が使用されていた。
図18は、従来のスピーカに用いられる外磁型の磁気回路の断面図である。図18において、磁石1と、第1のプレート2Aと、ヨーク2Bとによって、外磁型の磁気回路3が形成されている。なお第1のプレート2Aと、ヨーク2Bとは共に磁性体材料によって形成されている。
ここで、ヨーク2Bは、底部と、この底部の中央に設けられた凸部いわゆるセンターポール)によって形成されている。なお、磁石1の中央には貫通孔1Aが設けられている。そして、磁石1はヨーク2Bの底部上に搭載されるとともに、ヨーク2Bのセンタポールが貫通孔1Aを貫通するように配置される。
一方、第1のプレート2Aは、磁石1の上面に装着される。この構成により、第1のプレート2Aとヨーク2Bのセンタポールとの間に磁気ギャップ4が形成される。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−78083号公報
希土類系磁石1を用いて、磁気ギャップ4での高い磁束密度を得るためには、磁石1とヨーク2Bとの接触面積を広げることが必要である。そしてこのように接触面積を広げることによって、磁石1の厚みは薄くできる。ところが、磁石1の厚みを薄くすると、磁石1の動作点が低くなる。したがって、高温時に不可逆的に磁力が低下し、この構成によりスピーカの音圧が低下してしまう。
そこでこの熱減磁を回避するために、磁石1の厚みは厚くすることが必要となる。しかしながら、磁石1の厚みを厚くすると、磁石1の体積が増加することとなる。したがって、近年価格が高騰している希土類の使用量が増加し、磁石1のコストが非常に高くなるとともに、スピーカ自体の厚みが増加するという問題を有していた。
本発明は、上記課題を解決し、薄型でありながら、低コストのスピーカ用磁気回路およびスピーカを実現することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明における磁石には、互いに磁気特性が異なる磁石部が設けられている。つまり磁石には、比較的高価ではあるが磁気特性の高い第1の磁石部と、この第1の磁石部に比べて磁気特性が低いが、安価な第2の磁石部とを有している。そして第1の磁石部が、磁気ギャップに近い側となり、第2の磁石部が磁気ギャップから遠い側となるように配置されている。この構成により、所期の目的を達成できる。
以上の構成とすることで、本発明では、第1の磁石部が磁気ギャップの近傍に配置されるので、第1の磁石部の磁力を効率よく磁気ギャップへ集中させることができる。さらに、磁気ギャップの磁束密度の値に対する寄与度が小さな側に、安価かつ磁気特性の低い第2の磁石部を設けられるので、高価な希土類の使用を少なくできる。この構成により、薄型化かつ、低コストなスピーカ用磁気回路を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるスピーカ用磁気回路の断面図 同、第2の例の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 同、第3の例の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 (A)同、第4の例の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図、(B)同、第5の例の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 (A)同、スピーカ磁気回路の第2の例の磁石の上面図、(B)同、スピーカ磁気回路の第3の例の磁石の上面図 (A)同、第6の例の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図、(B)同、第7の例のスピーカ用磁気回路の断面図 本発明の実施の形態2における内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 (A)同、第2の例の内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図、(B)同、第3の例の内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 同、第4の例の内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 (A)同、第5の例の内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図、(B)同、第6の例の内磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 (A)本発明の実施の形態3における内外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図、(B)同、第2の例の内外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図 本発明の一実施の形態における外磁型スピーカの断面図 (A)同、第2の例の外磁型スピーカの断面図、(B)同、第3の例の外磁型スピーカの断面図 本発明の一実施の形態における内磁型スピーカの断面図 同、第2の例の内磁型スピーカの断面図 同、第3の例の内磁型スピーカの断面図 本発明の一実施の形態における内外磁型スピーカの断面図 従来の外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態におけるスピーカ用磁気回路の断面図を示している。なお、図1において、従来と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
本実施の形態における磁気回路10は、図1に示すように、磁石11と、第1のプレート2Aと、ヨーク2B、および磁気ギャップ4によって構成されている。磁石11の一方側には第1の極が形成され、この第1の極の反対側には第2の極が形成されている。
第1のプレート2Aは、第1の極と磁気的に結合され、一方ヨーク2Bは第2の極と磁気的に結合されている。このヨーク2Bは、第1のプレート2Aの側面部と対向する対向部2Cと磁気的に結合されている。なおこの対向部2Cと第1のプレート2Aとの間には、ボイスコイル(図示せず)が配置される隙間が設けられる。この構成により、対向部2Cと第1のプレート2Aの側面部との間に磁気ギャップ4が形成される。
ここで、磁石11には、第1の磁石部11Aと、この第1の磁石部11Aより磁気特性が低い第2の磁石部11Bとが形成されている。ただし、第1の磁石部11Aは磁気ギャップ4の近傍に配置される。一方、第2の磁石部11Bは第1の磁石部11Aに比べて、磁気ギャップ4から離れた側(位置)に配置される。
そして、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの第1の極は、ともに第1のプレート2Aと結合している。一方、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの第2の極は、ともにヨーク2Bと結合している。つまり、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとは磁気的に並列に接続された構成となる。
Figure 0005919473
(表1)は、本実施の形態における第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの一例における磁気特性を示す。このように、残留磁束密度Br、保持力HcB、最大エネルギー積全てにおいて、第1の磁石部11Aの方が、第2の磁石部11Bよりも大きな値となっている。
Figure 0005919473
(表2)は、磁石部の配置と、磁気ギャップ4の磁束密度との関係を示している。具体的には、条件1は第1の磁石部11Aが、磁気ギャップ4に近い側(第2の磁石部11Bが磁気ギャップ4から遠い)側に配置された場合の磁気ギャップ4の磁束密度の測定結果を示す。一方条件2は、第2の磁石部11Bが、磁気ギャップ4に近い側(第1の磁石部11Aが磁気ギャップ4から遠い)側に配置された場合の磁気ギャップ4の磁束密度の測定結果を示す。なお、このとき、図1における第1の磁石部11Aの体積と第2の磁石部11Bの体積とは、同一としている。つまり条件1と、条件2とでは、磁石11の持つ単位体積あたりの磁気エネルギー量は同じである。
(表2)に示すとおり、磁気ギャップに近い方へより磁気特性の高い第1の磁石部11Aを配置した方が、磁気ギャップ4の磁束密度が高いという結果が得られた。つまり、条件1の配置では、磁石11の単位体積あたりの磁気エネルギーを効率良く利用できることとなる。そして、第1の磁石部11Aの断面積と第2の磁石部11Bの断面積との比率を適宜変化させれば、磁気ギャップ4において所望の磁束密度を得ることができる。このようにすれば、所望の磁気ギャップ4の磁束密度を得るために、磁石11の単位体積当たりの磁気エネルギー量を小さくできる。
以上のような構成により、第1の磁石部11Aは、磁気ギャップ4の近傍に配置される。つまり、第1の磁石部11Aは、磁気ギャップ4の磁束密度の値に対する寄与度が大きくなる位置に配置されることとなるので、第1の磁石部11Aの磁力を効率よく磁気ギャップ4へ集中させることができる。また、第2の磁石部11Bは磁気ギャップ4から離れた位置に配置されているので、磁気ギャップ4の磁束密度の値に対する寄与度は小さくなる。したがって、第2の磁石部11Bの磁気特性が、第1の磁石部11Aの磁気特性に比べて低くとも、磁気ギャップ4の磁束密度への影響は小さい。この構成により、磁石11の磁束を効率的に磁気ギャップ4へ集中させることができる。この構成により、磁石11の厚みを大きくせずとも磁気ギャップ4の磁束密度を大きくできるので、磁石11や磁気回路10を薄型化することができる。
また、第2の磁石部11Bの磁気特性は低くとも良いので、第2の磁石部11Bには、たとえばフェライトなどのような安価な磁石を用いることができる。したがって、高価な希土類の使用を少なくでき、低コストなスピーカ用磁気回路を得ることができる。
では、以下に本実施の形態におけるスピーカ用の磁気回路10の実施例について詳しく説明する。図1に示すように、本例におけるスピーカ用の磁気回路10は、磁石11と、第1のプレート2Aと、ヨーク2Bとによって形成された外磁型の磁気回路である。具体的にはヨーク2Bには、底部と、この底部の中央部に設けられた突起(いわゆるセンターポール)とが設けられている。なお第1のプレート2Aと、ヨーク2Bとは共に磁性体材料によって形成されている。なお、本例における磁気回路10は円形であるが、これに限るものではなく、トラック型や、矩形などの形状でもかまわない。
磁石11の中央には、貫通孔12が設けられている。そして、磁石11は、ヨーク2Bのセンタポールが貫通孔12を貫通するように、ヨーク2Bの底部上に搭載される。そして、第1のプレート2Aは、磁石11の上面に装着される。
この構成によって、ヨーク2Bのセンタポールの側面には、第1のプレート2Aの側面と対向する対向部2Cが形成される。この構成により、第1のプレートの2Aの側面と対向部2Cとの間に磁気ギャップ4が形成される。なお本例において、磁石11の上面側に設けられた第1の極はN極であり、磁石11の下面側に設けられた第2の極はS極として説明するが、これは反対としてもかまわない。
磁石11には、複数の磁石部が形成されている。この磁石部はそれぞれ磁気特性が異なっており、磁気ギャップ4に近い側から順に磁気特性が低くなっている。なお、これらの磁石部は全て磁気的には並列に接続される。すなわち全ての磁石部の磁極は、同じ方向を向いている。
ここでは、磁石11が、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの2つの磁石部から形成された場合について説明する。この場合、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの極は、同じ方向を向いて配置される。例えば第1の磁石部11Aの上面側がN極である場合に、第2の磁石部11Bの上面側もN極となる。
本例において、第1の磁石部11Aには、磁気特性の高い磁石を用いており、この第1の磁石部11Aは磁気ギャップ4に近い方に配置される。一方、第2の磁石部11Bには、第1の磁石部11Aよりも磁気特性の低い磁石が用いられ、第2の磁石部11Bは第1の磁石部11Aよりも磁気ギャップから遠い方へ配置される。
ここで、磁石部の磁気特性の代表として、一般的には最大エネルギー積で比較する。しかし、実際的には磁石11が使用される動作点で評価することが必要であり、残留磁束密度Brの値や、HcBの値で比較した方が良い場合もあり得る。
なお、本例における第1の磁石部11Aには、たとえばネオジム磁石などの希土類系の磁石が用いられる。一方、第2の磁石部11Bには、たとえばフェライト系の磁石などが用いられる。このように、第2の磁石部11Bの磁気特性は低くても良いので、第2の磁石部11Bには、フェライト系などの安価な磁性体を用いた磁石を用いることができる。ここで、上記磁石11は、着磁方向である垂直方向に磁気異方性を有している。
(表2)に示したように、磁気ギャップに近い方へより磁気特性の高い第1の磁石部11Aを配置した方が、磁気ギャップ4の磁束密度が高い。つまり、条件1の配置は、磁石11の単位体積あたりの磁気エネルギーを効率良く利用できるので、磁石11の単位体積当たりの磁気エネルギー量は小さくても良い。したがって、第2の磁石部11Bにはフェライト系の磁石などを用いることも可能となる。また、従来に比べて、第1の磁石部11Aの体積も小さくできるので、高価なネオジムなど希土類を含む希少金属の使用量も少なくできる。したがって、低価格な磁石11を実現できるとともに、希土類等の希少金属の省資源化も実現することができる。また、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bに用いる磁性体材料と、体積とを適宜選択すれば、様々な市場要求に対して、磁束密度の高い磁気回路10や、温度に対して磁気特性の変化が小さな磁気回路10などを容易に構成することができる。したがって、設計の自由度も向上できる。
つまり、磁気ギャップ4において、高い磁束密度が必要な場合、第1の磁石部11Aには、最大エネルギー積が大きな磁石を用いる。たとえばこれには、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などの磁石が挙げられる。
また、磁気ギャップ4において、温度に対する磁束密度の変化を小さくしたい場合、第2の磁石部11Bには、高温での減磁が小さな磁石を用いる。たとえばこれには、Sm−Co系磁石やフェライト系磁石などが挙げられる。
ここで、焼結による磁石11は、硬いがもろいという特質を有している。そこで本例では、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとの間には、隙間13が設けられる。この構成により、組み立て時に第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとが当たることがない。従って、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとの組み立て性を良くできるとともに、第1の磁石部11Aや第2の磁石部11Bに欠けなどが発生しにくくできる。
さらに、本例における第2の磁石部11Bの高さは、第1の磁石部11Aの高さより以下となるような寸法としておく。この構成により、第1の磁石部11Aは、第1のプレート2Aやヨーク2Bへ確実に当接するので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。そのために、実際的には第1の磁石部11Aの高さと第2の磁石部11Bの設計基準寸法は同じとしておく。ただし、第1の磁石部11Aには、高さが大きくなる方向の(プラス目)公差とし、第2の磁石部11Bには、高さが小さくなる方向の(マイナス目)公差としておく。
また、本発明の磁気回路10は本例に示したような外磁型以外にも、内磁型や、内磁型と外磁型とが組み合わされたタイプの磁気回路10などへの応用も可能である。さらに、本例に示したような単一の磁石11を用いた磁気回路10に限らず、複数個の磁石を用いたような複雑な形の磁気回路への適用も可能である。その場合、それらの磁気回路の一部のみに本発明の磁気回路10の構成を用いても良いし、全ての磁気回路に対して本発明の磁気回路10の構成を用いても良い。
また、本例において、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bは共に焼結型の磁石を用いたが、これらのうち少なくともいずれか一方には、ボンド磁石を用いても良い。ボンド磁石であれば、例えば、フェライト系、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などが挙げられる。またボンド磁石の成形方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、押出成形、圧縮成形または射出成形を適用することができる。ただし、生産性、配向設備の設置の容易性から、特に射出成形によって成形することが好ましい。
また、磁石11にボンド磁石を用いる場合、金型のキャビティに予めヨーク2Bを設置し、ヨーク2Bと磁石11とを一体射出成形することも可能となる。したがって、接着剤を使用しなくても、磁石11とヨーク2Bとを接合させることもできるので、生産性の向上が可能となる。
図2は、本実施の形態における第2の例の磁気回路の断面図である。なお、図2において、図1と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例が前例と異なる点は、第2の磁石部11Bの高さと第1の磁石部11Aの高さが異なっている点である。つまり、本発明の磁石11は、複数の磁石部で構成されるので、適宜それらの高さを変えることで、容易に磁気ギャップ4における磁束密度を所望の値にすることができる。
ここで、振動板(あるいはダンパ)と第1のプレート2Aとの間の距離は、ボイスコイルが振動した場合でも、振動板(あるいはダンパ)と第1のプレート2Aとが当接しない距離とすることが必要である。一方、第2の磁石部11Bは、第1の磁石部11Aより外側に配置されるので、振動板(あるいはダンパ)の振幅は、中央部に比べて小さい。したがって、第2の磁石部11Bの高さを高くしても、第2の磁石部11Bの位置において、振動板(あるいはダンパ)と第1のプレート2Aとが当接しにくくなる。そこで、本例では第2の磁石部11Bの高さは、第1の磁石部11Aの高さより高くしている。この構成によって、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bによって発生した磁束を磁気ギャップ4へと伝達することができる。
ここで、第1のプレート2Aは、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの両方の磁石部と結合させるために、クランク状に成形している。なお、第1のプレート2Aのクランク状折り曲げ部の外周面は、第2の磁石部11Bの内周側側面と近接(できれば当接)させて配置する。この構成により、この近接部(あるいは接触部)において、第2の磁石部11Bの側面から漏洩する磁束も磁気ギャップ4へ集めることができることとなる。
ただしこの場合、第1の磁石部11Aや、第2の磁石部11Bや、第1のプレート2Aの加工精度は、第1の磁石部11Aと第1のプレート2Aとが確実に接触するように設定する。つまり、最悪時第2の磁石部11Bの上面と、第1のプレート2Aの下面との間に隙間が形成される。しかし、磁気ギャップ4における磁束密度に対して、第2の磁石部11Bの影響度は、第1の磁石部11Aより小さい。また、第1の磁石部11Aと第1のプレート2Aとは確実に接触するので、磁束密度が小さくなりにくい。
また、本例においても前例と同様に、第1の磁石部11A、第2の磁石部11Bの少なくともいずれか一方には、ボンド磁石を用いても良い。
図3は、本実施の形態における第3の例の磁気回路の断面図である。なお、図3において、図1や図2と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例と第1の例との相違点は、本例における第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとが、ボンド磁石であり、かつ第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bの断面形状が台形形状とした点である。
ここで、第1の磁石部11Aは、直角台形であり、第1の極が形成された上底部は、第2の極が形成された下底部よりも短い。そして、この短い上底部側が、第1のプレート2A側となる方向で配置される。つまり、本例において第1の磁石部11Aとヨーク2Bとの接触面積に比べ、第1の磁石部11Aと第1のプレート2Aとの接触面積の方が小さくなる。なお、本例における第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとは共に、下底側から上底側へ向かって、磁気配向されている(図2における矢印方向)。
このような構成とすることで、磁気特性の高い第1の磁石部11Aの磁束は、第1の磁石部11Aの上底へ集中する。したがって、磁気ギャップ4における磁束密度を大きくすることができる。なお、第1の磁石部11Aは、磁気ギャップ4側に直角部が配置される向きで配置される。つまり、第1の磁石部11Aにおける第2の磁石部11B側の側面が、ヨーク2Bの底面に対して、傾斜することとなる。この構成により、第1の磁石部11Aや第2の磁石部11Bの磁束は、第1のプレート2Aにおいて、より磁気ギャップ4に近い領域に集中することとなる。したがって、さらに磁気ギャップ4の磁束を大きくできる。
ここで、本例における隙間13も、前例と同様に第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bとが接触することを防止し、第1の磁石部11Aの磁束が、第2の磁石部11Bを介して第1のプレート2Aへ到達することを抑制している。この構成により、第1の磁石部11Aの磁束を効率的に磁気ギャップ4へ集中させることができる。
また、本例における第2の磁石部11Bの高さは、前例と同様に、第1の磁石部11Aの高さより高くする構成としても良い。
図4(A)は、本実施の形態における第4の例の磁気回路の断面図である。なお、図4(A)において、図1と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例は、第1の例に対して、磁石11がボンド磁石である点が異なっている。具体的には、本例において磁石11には、ボンド磁石によって形成された第1の磁石部(以降、これを第1のボンド磁石部11Cと呼ぶ)と、ボンド磁石によって形成された第2の磁石部(以降、これを第2のボンド磁石部11Dと呼ぶ)とが一体に成されている。
このような構成とすることで、隙間13を設ける必要がないので、その分磁石11の外形寸法を小さくできるので、スピーカを小型化することができる。
次に、本例における磁石11の製造方法について説明する。本例では、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとを、成形金型の中で二色成形することによって、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとが一体となった磁石11を得ている。この構成により、成形金型の中で第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとが、同時に成形できるので、非常に生産性が良い。したがって、安価に磁石11を製造することができ、低価格な磁気回路10を実現することができる。
このように成形することによって、第1のボンド磁石部11Cの上面と、第2のボンド磁石部11Dの上面とを容易に一直線上に並んで形成できる。さらに、第1のボンド磁石部11Cの下面と、第2のボンド磁石部11Dの下面とも容易に一直線上に並んで形成できる。つまり第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dの上面同士、あるいは下面同士には段差が生じない。したがって、磁石11の上面と第1のプレート2Aとの間、および磁石11の下面とヨーク2Bとの間を確実に接触させることができる。したがって、磁気ギャップ4での磁束密度を高くできる。
また、本例における磁石11の他の例の製造方法としては、インサート成形によって磁石11を形成する方法である。この場合、第1のボンド磁石部11Cと、第2のボンド磁石部11Dのいずれかを予め射出成形などによって、製造しておく。その後で、予め製造された磁石部を成形金型へインサート成形する。この構成により、第1のボンド磁石部11Cと、第2のボンド磁石部11Dとが一体となった磁石11を成形することで得ることができる。
本例では、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dに含有する磁性体材料の含有率を変えている。具体的には、第1のボンド磁石部11Cにおける磁性体材料の含有率は、第2のボンド磁石部11Dにおける磁性体材料の含有率より大きい。この構成により、第1のボンド磁石部11Cの磁気特性を、第2のボンド磁石部11Dの磁気特性よりも高くしている。このようにすることにより、第2のボンド磁石部11Dにおける磁性体材料の使用量を少なくできるので、安価な磁石11を得ることができる。したがって、低価格な磁気回路10を実現できる。
もちろん、第1のボンド磁石部11Cに用いる磁性体材料と、第2のボンド磁石部11Dに用いる磁性体材料を異なる材料を用いることによって、第1のボンド磁石部11Cの磁気特性を、第2のボンド磁石部11Dの磁気特性よりも高くしていても良い。例えば第1のボンド磁石部11Cには、Nd−Fe−B系を用い、一方第2のボンド磁石部11Dには、フェライト系を用いる。この構成により、安価な第2のボンド磁石部11Dを得ることができる。
また、本例における磁石11は円形であるが、これは、円形に限るものではなく、他の形状であってもよい。例えば、トラック型や、楕円形、矩形などが挙げられる。
図4(B)は、本実施の形態における第5の例の磁気回路の断面図である。なお、図4(B)において、図1と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
本例における磁気回路10では、第4の例における磁気回路10に対して、第2のボンド磁石部11Dの高さが、第1のボンド磁石部11Cの高さより高い点が異なっている。つまり、本例では第2例の例における第1の磁石部11A、第2の磁石部11Bを、第1のボンド磁石部11C、第2のボンド磁石部11Dへ置き換えている。したがって、第1のプレート2Aは、第2の例と同様に、クランク形状をなしている。
本例における磁気回路10は、第2の例と第4の例における磁気回路10の効果を奏する。さらに、本例における磁気回路10は、第4の例における磁気回路10に比べて、第2のボンド磁石部11Dの体積を大きくできるので、磁気ギャップ4の磁束密度を大きくできる。
図5(A)は、第4の例の磁気回路における第2の例の磁石の上面図であり、図5(B)は、同磁気回路における第3の例の磁石の上面図である。なお、図5(A)、図5(B)において、図4と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例における磁石11の外形は、横長な矩形形状をなしている。一方本例における貫通孔12は、トラック型の形状をなしている。なおこの場合、図示はしていないが、本例におけるヨーク2Bのセンタポールもトラック型の形状をなしている。
ここで、本例の磁石11の短辺方向は、単一の磁石部(第1のボンド磁石部11C)によって構成されている。一方、磁石11の長辺方向にのみ、複数の磁石部(第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11D)が設けられる。この場合、磁気ギャップ4からの距離が近い場所には、第1のボンド磁石部11Cが配置される。そのために、貫通孔12は、この第1のボンド磁石部11C内に設けられる。
一方、第2のボンド磁石部11Dは、磁気ギャップ4からの距離が遠い位置に設けられる。具体的には、第2のボンド磁石部11Dは、磁石11の長辺側の両端部に配置されている。この場合、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとの境界は、直線状でも曲面でも構わない。
図5(A)は、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとの境界を曲面とした場合の磁石を示している。ここで、本例における境界面の形状は、貫通孔12の円周面の形状と近似した形状としている。具体的には、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとの境界面の形状は、貫通孔12の円周部の形状と相似形とする。このようにすることによって、第2のボンド磁石部11Dの体積を大きくしても、磁気ギャップ4での磁束密度は小さくなりにくい。したがって、安価な磁石11を得ることができ、低価格な磁気回路10を実現できる。
図5(B)は、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとの境界を直線とした場合の磁石を示している。このように境界を直線とすれば、第1のボンド磁石部11Cの成形が容易になる。
図6(A)は、本実施の形態における第6の例の磁気回路の断面図であり、図6(B)は、同、第7の例の磁気回路の断面図である。なお、図6(A)、図6(B)において、図1や図4と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
図6(A)、図6(B)において、本例の磁気回路10は、第4の例の磁気回路10に対して、第2のボンド磁石部11Dの高さが第1のボンド磁石部11Cの高さより高い点が異なっている。この構成により、第2の例や第5の例における磁気回路10と同様に、第2のボンド磁石部11Dの磁束を大きくできるので、磁気ギャップ4における磁束密度を大きくできる。
ただし、本例における磁石11の形状は、直角台形(あるいは擬似直角台形)の形状をなしている。この場合、磁石11のヨーク2B側(下面側)の両角が直角となっている。つまり、本例における磁石11は、第1のプレート2Aが搭載される上面側が傾斜するように配置されている。
図6(A)は、平板状の第1のプレート2Aを用いた場合の磁気回路10を示す。この場合、第1のボンド磁石部11Cの上面と、第2のボンド磁石部11Dの上面とは、一直線上に並ぶように設けられる。このようにすることによって、第1のプレート2Aは平板で形成できる。従って第1のプレート2Aを安価に製造できる。また、磁石11の上面が第1のプレート2Aと確実に接触するので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。
なおこの場合、第1のプレート2Aの先端は、センターボールの対向部2Cと対向する角度に加工される。つまり、第1のプレート2Aのセンタポール側の側面2Iは、第1のプレート2Aの上面に対して、傾斜角を有するように形成される。この側面2Iの傾斜角度は、第1のプレート2Aを磁石11へ装着した状態で、側面2Iと対向部2Cとが平行になるような角度としておく。
図6(B)は、第1のプレート2Aにおけるセンタポール側の先端部を折り曲げた場合の磁気回路10を示す。この場合、第1のプレート2Aの先端部は、第1のプレート2Aを磁石11へ装着した状態で、側面2Iと対向部2Cとが平行になるように折り曲げられる。このようにすれば、側面2Iに傾斜角を設ける加工などが不要である。なお本例の場合、磁石11の上面は、第1のプレート2Aの下面の形状と同じ形状をなしている。
なお、第1のプレート2Aは、磁石11の貫通孔12に突出した部分を折り曲げることによって、側面2Iと対向部2Cとが平行になるようにしても良い。この場合、第1のプレート2Aにおいて、磁石11と接触する領域は、平板となる。この構成により第5の例の場合と同様に、第1のプレート2Aと磁石11とを確実に接触させることができる。したがって、磁石11の磁束を確実に磁気ギャップ4へ集めることができるので、磁気ギャップ4の磁束密度を大きくできる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図面を用いて、説明する。図7は、本実施の形態における第1の例の磁気回路の断面図である。図7に示すように、本例におけるスピーカ用の磁気回路10は、磁石11と、第1のプレート2Dと、ヨーク2Eとによって形成された内磁型の磁気回路である。なお、第1のプレート2Dと、ヨーク2Eとは共に磁性体材料によって形成されている。具体的にはヨーク2Eには、底部と、この底部の周縁部に立設して設けられた側面部とが設けられている。ここで、ヨーク2Eの側面部は、底部に対して90度に折り曲げられている。なお、このヨーク2Eは、平板状の材料を折り曲げることによって形成される。
磁石11は、ヨーク2Eの中央部に搭載されている。一方、第1のプレート2Dは、磁石11の上面に装着される。この構成によって、ヨーク2Eの側面部には、第1のプレート2Dの側面と対向する対向部2Cが形成される。この構成により、第1のプレート2Dの側面と対向部2Cとの間に磁気ギャップ4が形成される。なお本例において、磁石11の上面側に設けられた第1の極はN極であり、磁石11の下面側に設けられた第2の極はS極として説明するが、これは反対としてもかまわない。
ここで、本例における磁石11には、複数の磁石部が形成されている。この磁石部はそれぞれ磁気特性が異なっており、磁気ギャップ4に近い側から順に磁気特性が低くなっている。なお、これらの磁石部は全て磁気的には並列に接続される。すなわち全ての磁石部の磁極は、同じ方向を向いている。
以下では、磁石11が、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fの2つの磁石部から形成された場合について説明する。この場合、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fの極は、同じ方向を向いて配置される。例えば第1の磁石部11Eの上面側がN極である場合に、第2の磁石部11Fの上面側もN極となる。
ここで、第1の磁石部11Eには、磁気特性の高い磁石を用いており、この第1の磁石部11Eが磁気ギャップ4に近い方に配置される。一方、第2の磁石部11Fには、第1の磁石部11Eよりも磁気特性の低い磁石が用いられ、第2の磁石部11Fは第1の磁石部11Eよりも磁気ギャップから遠い方へ配置される。つまり、本例では、第1の磁石部11Eは外周側に配置され、第2の磁石部11Fは内側へ配置されることとなる。
なお、本例における磁気回路10は円形であるが、これに限るものではなく、トラック型や、矩形などの形状でもかまわない。
なお、本例における第1の磁石部11Eには、たとえばNd−Fe−B系などの希土類系の磁石が用いられる。一方、第2の磁石部11Fには、たとえばフェライト系の磁石などが用いられる。このように、第2の磁石部11Fの磁気特性は低くても良いので、第2の磁石部11Fには、フェライト系などの安価な磁性体を用いた磁石を用いることができる。ここで、上記磁石11は、着磁方向である垂直方向に磁気異方性を有している。
本例においても、磁気ギャップ4に近い方へより磁気特性の高い第1の磁石部11Eを配置した方が、磁気ギャップ4の磁束密度が高くなり、磁石11の単位体積あたりの磁気エネルギーを効率良く利用できることとなる。そして、第1の磁石部11Eの断面積と、第2の磁石部11Fの断面積との比率を適宜変化させれば、磁気ギャップ4において所望の磁束密度を得ることができる。このようにすれば、所望の磁気ギャップ4の磁束密度を得るために、磁石11の単位体積当たりの磁気エネルギー量を小さくできる。したがって、第2の磁石部11Fにはフェライト系磁石などを用いることも可能となる。また、従来に比べて、第1の磁石部11Eの体積も小さくできるので、高価なネオジムなどの希土類を含む希少金属の使用量も少なくできる。したがって、低価格な磁石11を実現できるとともに、希土類等の希少金属の省資源化も実現することができる。また、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fに用いる磁性体材料と、体積とを適宜選択すれば、様々な市場要求に対して、磁束密度の高い磁気回路10や、温度に対して磁気特性の変化が小さな磁気回路10などを容易に構成することができる。したがって、設計の自由度も向上できる。
つまり、磁気ギャップ4において、高い磁束密度が必要な場合、第1の磁石部11Eには、最大エネルギー積が大きな磁性体による磁石を用いる。たとえばこれには、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系などの磁石が挙げられる。
また、磁気ギャップ4において、温度に対する磁束密度の変化を小さくしたい場合、第2の磁石部11Fには、高温での減磁が小さな磁石を用いる。たとえばこれには、Sm−Co系磁石やフェライト系磁石などが挙げられる。
さらに、本例において、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fとの間には、隙間13が設けられる。この構成により、組み立て時に第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fとが当たることがない。従って、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fとの組み立て性を良くできるとともに、第1の磁石部11Eや第2の磁石部11Fに欠けなどが発生しにくくできる。
ここで、本例における第2の磁石部11Fの高さは、第1の磁石部11Eの高さ以下となるような寸法としておく。この構成により、第1の磁石部11Eは、第1のプレート2Dやヨーク2Eへ確実に当接するので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。そのため実際的には、第1の磁石部11Eの高さと第2の磁石部11Fの設計基準寸法は同じとしておく。ただし、第1の磁石部11Eは、高さが大きくなる方向の(プラス目)公差とし、第2の磁石部11Fは、高さが小さくなる方向の(マイナス目)公差としておく。
本例では、単一の磁石11を用いた磁気回路10であるが、これに限らず複数個の磁石を用いたような複雑な形の磁気回路への適用も可能である。その場合、それらの磁気回路の一部のみに本発明の磁気回路10の構成を用いても良いし、全ての磁気回路に対して本発明の磁気回路10の構成を用いても良い。
図8(A)は、本実施の形態における第2の例における磁気回路10の断面図である。なお、図8において、図7と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。本例では、前例に対して、第2の磁石部11Fの高さが、第1の磁石部11Eの高さよりも高くなっている点が異なる。さらに、本例における第1のプレート2Dの断面は、第2の磁石部11Fに対応して、中央部が上側へ突出している。つまり、第1のプレート2Dの中央部には、凸部が形成される。
そして本例では、第1の磁石部11Eが、ヨーク2Eに搭載された状態において、第1の磁石部11Eの上面が第1のプレート2Dと接触する。一方、第2の磁石部11Fは、ヨーク2Eへ搭載された状態において、第2の磁石部11Fの上面が第1のプレート2Dの下面と近接(できれば当接)するように配置される。
ここで、振動板の中央部にダストキャップが装着されたようなタイプのスピーカでは、磁石11の上方に空間が存在する。したがって、第2の磁石部11Fの高さは、第1の磁石部11Eより高くすることができる。そして、このようにしても、第2の磁石部11Fがダストキャップへ当たることがない。この構成により、第2の磁石部11Fの体積を大きくできるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。
ここで、第1のプレート2Dの凸部の内側面は、第2の磁石部11Fの側面部と近接(できれば当接)させて配置する。この構成により、この近接部(あるいは接触部)において、第2の磁石部11Fの側面から漏洩する磁束も磁気ギャップ4へ集めることができることとなる。
図8(B)は、本実施の形態における第3の例における磁気回路10の断面図である。なお、図8(B)において、図7と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。本例では、前例に対して、第2の磁石部11Fの高さが、第1の磁石部11Eの高さよりも低くなっている点が異なる。さらに、本例における第1のプレート2Dの断面は、第2の磁石部11Fに対応して、中央部が下側へ突出している。つまり、第1のプレート2Dの中央部には、凹部が形成される。
この構成の磁気回路10は、中央部が凹状の形状を有する振動板を使用したスピーカに対して、用いることによって、薄型のスピーカを実現することができる。
ここで、第1のプレート2Dの下面は、凹部に対応し、第2の磁石部11F側へ突出した突出部が形成される。この突出部の側面は、第1の磁石部11Eの内側側面部と近接(できれば当接)させて配置する。この構成により、この近接部(あるいは接触部)において、第1の磁石部11Eの側面から漏洩する磁束も磁気ギャップ4へ集めることができる。
また、上記の第2、第3の例の磁気回路10において、第1の磁石部11Eや、第2の磁石部11Fや、第1のプレート2Dの加工精度は、第1の磁石部11Eと第1のプレート2Dとが確実に接触するように設定する。つまり最悪時、第2の磁石部11Fの上面と、第1のプレート2Dの下面との間に隙間が形成される。しかし、磁気ギャップ4における磁束密度に対して、第2の磁石部11Fの影響度は、第1の磁石部11Eより小さい。また、第1の磁石部11Eと第1のプレート2Dとは確実に接触するので、磁束密度が小さくなりにくい。
また、上記の第2、第3の例の磁気回路10において、第1の磁石部11E、第2の磁石部11Fの少なくともいずれか一方には、ボンド磁石を用いても良い。
図9は、本実施の形態における第4の例における磁気回路の断面図である。図9において、図7と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例は、本実施の形態における第1の例に対して、磁石11がボンド磁石である点が異なっている。
具体的には、本例において磁石11には、ボンド磁石によって形成された第1の磁石部(以降、これを第1のボンド磁石部11Gと呼ぶ)と、ボンド磁石によって形成された第2の磁石部(以降、これを第2のボンド磁石部11Hと呼ぶ)とが一体に成されている。
このような構成とすることで、隙間13を設ける必要がないので、その分磁石11の外形寸法を小さくできるので、スピーカを小型化することができる。なお、本例における磁石11の製造方法は、実施の形態1における第1のボンド磁石部11C、第2のボンド磁石部11Dと同じ製造方法によって成形できる。従って、磁石11の生産性が良好であり、低価格なスピーカを実現できる。
そしてこの場合においても、第1のボンド磁石部11Gの上面と、第2のボンド磁石部11Hの上面とを容易に一直線上に並んで形成できる。さらに、第1のボンド磁石部11Gの下面と、第2のボンド磁石部11Hの下面とも容易に一直線上に並んで形成できる。つまり第1のボンド磁石部11Gと第2のボンド磁石部11Hの上面同士、あるいは下面同士には段差が生じない。したがって、磁石11の上面と第1のプレート2Aとの間、および磁石11の下面とヨーク2Bとの間を確実に接触させることができる。したがって、磁気ギャップ4での磁束密度を高くできる。
本例では、第1のボンド磁石部11Gと第2のボンド磁石部11Hに含有する磁性体材料の含有率を変えている。具体的には、第1のボンド磁石部11Gにおける磁性体材料の含有率は、第2のボンド磁石部11Dにおける磁性体材料の含有率より大きい。この構成により、第1のボンド磁石部11Gの磁気特性を、第2のボンド磁石部11Hの磁気特性によりも高くしている。その結果、第2のボンド磁石部11Hにおける磁性体材料の使用量を少なくできるので、安価な磁石11を得ることができる。したがって、低価格な磁気回路10を実現できる。
もちろん、第1のボンド磁石部11Gに用いる磁性体材料と、第2のボンド磁石部11Hに用いる磁性体材料を異なる材料を用いることによって、第1のボンド磁石部11Gの磁気特性を、第2のボンド磁石部11Hの磁気特性によりも高くしていても良い。例えば第1のボンド磁石部11Gには、Nd−Fe−B系を用い、一方第2のボンド磁石部11Hには、フェライト系を用いる。この構成により、安価な磁石11を得ることができる。
また、本例における磁石11は円形であるが、これは、円形に限るものではなく、他の形状であってもよい。例えば、トラック型や、楕円形、矩形などが挙げられる。
図10(A)は、本実施の形態における第5の例の磁気回路の断面図である。なお、図10(A)において、図9と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例は、前例の磁気回路10と同様に、磁石11はボンド磁石によって形成されている。つまり、本例の磁石11も、第1のボンド磁石部11Gと第2のボンド磁石部11Hとを有している。
ただし、本例が前例と異なる点は、第2のボンド磁石部11Hの高さが、第1のボンド磁石部11Gの高さより高い点である。
この場合、磁石11がヨーク2Eに搭載された状態において、第1のボンド磁石部11Gの上面は、第1のプレート2Dと接触する。一方、第2のボンド磁石部11Hは、ヨーク2Eへ搭載された状態において、第2のボンド磁石部11Hの上面が第1のプレート2Dの下面と近接(できれば当接)するように配置される。
ここで、振動板の中央部にダストキャップが装着されたようなタイプのスピーカでは、磁石11の上方に空間が存在する。したがって、第2のボンド磁石部11Hの高さは、第1のボンド磁石部11Gより高くすることができる。そして、このようにしても、第2のボンド磁石部11Hがダストキャップへ当たることがない。この構成により第2のボンド磁石部11Hの体積を大きくできるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。
ここで、第1のプレート2Dの凸部の内側面は、第2のボンド磁石部11Hの側面部と近接(できれば当接)させて配置する。この構成により、この近接部(あるいは接触部)において、第2のボンド磁石部11Hの側面から漏洩する磁束も磁気ギャップ4へ集めることができることとなる。
図10(B)は、本実施の形態における第6の例における磁気回路10の断面図である。なお、図10(B)において、図7と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。本例では、前例に対して、第2のボンド磁石部11Hの高さが、第1のボンド磁石部11Gの高さよりも低くなっている点が異なる。さらに、本例における第1のプレート2Dの断面は、第2のボンド磁石部11Hに対応して、中央部が下側へ突出している。つまり、第1のプレート2Dの中央部には、凹部が形成される。
この構成の磁気回路10は、中央部が凹状の形状を有する振動板を使用したスピーカに対して、用いることによって、薄型のスピーカを実現することができる。
ここで、第1のプレート2Dの下面は、凹部に対応し、第2のボンド磁石部11H側へ突出した突出部が形成される。この突出部の側面は、第1のボンド磁石部11Gの内側側面部と近接(できれば当接)させて配置する。この構成により、この近接部(あるいは接触部)において、第1のボンド磁石部11Gの側面から漏洩する磁束も磁気ギャップ4へ集めることができる。
また、上記の第5、第6の例の磁気回路10において、第1のボンド磁石部11Gや、第2のボンド磁石部11Hや、第1のプレート2Dの加工精度は、第1のボンド磁石部11Gと第1のプレート2Dとが確実に接触するように設定する。つまり最悪時、第2のボンド磁石部11Hの上面と、第1のプレート2Dの下面との間には、隙間が形成される。しかし、磁気ギャップ4における磁束密度に対して、第2のボンド磁石部11Hの影響度は、第1のボンド磁石部11Gより小さい。また、第1のボンド磁石部11Gと第1のプレート2Dとは確実に接触するので、磁束密度が小さくなりにくい。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態について、図面を用いて説明する。図11(A)は、本発明の実施の形態3における内外磁型のスピーカ用磁気回路の断面図である。本実施の形態における磁気回路10は、実施の形態1と実施の形態2の磁気回路10が合体されている(以降、これを内外磁型の磁気回路という)。本実施の形態における磁石11は、第1の磁石部11Aと第2の磁石部11Bによって構成された第1の磁石11Iと、第1の磁石部11Eと第2の磁石部11Fによって構成された第2の磁石11Jによって構成される。
磁石11Iは、第2の磁石部11Bが外側となるようにヨーク2G上に搭載される。第1のプレート2Fは、磁石11I上に搭載される。一方磁石11Jは、第2の磁石部11Fが内側となるようにヨーク2G上に搭載される。ここで、磁石11Jは、磁石11Iの中央に設けられた貫通孔12のほぼ中心に配置される。第2のプレート2Hが、磁石11Jの上面に搭載される。なお、ヨーク2G、第1のプレート2F、および第2のプレート2Hはすべて磁性材料によって形成されている。
ここで、磁石11Iの一方側には第1の極が形成され、この第1の極の反対側には第2の極が形成されている。また、磁石11Jの一方側には、第1の極と同じ極性を有する第3の極が形成され、この第1の極の反対側には第4の極が形成されている。
そして、第1の極には第1のプレート2Fが結合され、第4の極には第2のプレート2Hが結合されている。一方、第2の極と第3の極はヨーク2Gへ結合されている。この構成によって、本例における磁気回路10では、磁石11Iと磁石11Jとが、ヨーク2Gを介して直列に接続される。そして、本例では、第2のプレート2Hの側面に第1のプレート2Fの側面との対向部2Cが形成される。この構成により、第1のプレート2F(側面)と第2のプレート2H(側面)との間に磁気ギャップ4が形成される。なお本例では、第1の極と第3の極をN極とし、第2の極と第4の極とをS極としている。
なお、磁石11Iには、実施の形態1における例1から例3に記載の磁石11であれば、いずれの磁石11を用いても構わない。また、磁石11Jには、実施の形態2における例1から例3に記載の磁石11であれば、いずれかの磁石11を用いても良い。
以上の構成とすることにより、本例の磁気回路10では、磁石11Iと磁石11Jとが直列に接続されるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。また、第2の磁石部11Bは第1の磁石部11Aより磁気特性を低くしてある。さらに、第2の磁石部11Fは、第1の磁石部11Eより磁気特性を低くしてある。したがって、第2の磁石部11B、第2の磁石部11Fは、低価格な磁性材料によって成形できる。
例えば、第2の磁石部11B、第2の磁石部11Fは、フェライト磁石やボンド磁石によって形成する。一方、第1の磁石部11Aや第1の磁石部11Eには、フェライト磁石より磁気特性が良好な磁性材料であるNd−Fe−B系やSm−Co系による焼結磁石を用いる。
なお、本例において、磁石11I、磁石11Jのいずれか、もしくは磁石11I、磁石11Jの双方とも、ボンド磁石によって形成しても構わない。
図11(B)は、本発明の実施の形態3における第2の例の磁気回路の断面図である。なお図11(B)において、図11(A)と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。
本例における磁気回路10は、前例の磁気回路10に対し、磁石11が、ボンド磁石11Kとボンド磁石11Mによって構成されている点が異なる。具体的には、ボンド磁石11Kは、第1のボンド磁石部11Cと第2のボンド磁石部11Dとが一体となっている。一方、ボンド磁石11Mは、第1のボンド磁石部11Gと第2のボンド磁石部11Hとが一体となっている。
第1のプレート2Fは、ボンド磁石11K上に搭載される。一方、第2のプレート2Hは、ボンド磁石11Mの上に搭載される。ここで、ボンド磁石11Kは、ヨーク2G上に装着される。ボンド磁石11Mは、第1のボンド磁石11Kの貫通孔12の中央に位置するようにして、ヨーク2Gへ搭載される。
ここで、ボンド磁石11Kとボンド磁石11Mとは、ヨーク2Gを介して、直列に接続される。ここで、第2のプレート2Hの側面には、第1のプレート2Fの側面と対向する対向部2Cが形成される。そしてその結果、第1のプレート2F(側面)と第2のプレート2H(側面)との間に磁気ギャップ4が形成される。
以上の構成とすることにより、本例の磁気回路10では、ボンド磁石11Kとボンド磁石11Mとが直列に接続されるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。また、第2のボンド磁石部11Dは第1のボンド磁石部11Cより磁気特性を低くしてある。さらに、第2のボンド磁石部11Hは、第1のボンド磁石部11Gより磁気特性を低くしてある。したがって、第2のボンド磁石部11Dや、第2のボンド磁石部11Hは、低価格な磁性粉を用いて成形できる。
例えば、第2の磁石部11B、第2の磁石部11Fには、磁性材料として、フェライト系ボンド磁石などを用いる。一方、第1の磁石部11Aや第1の磁石部11Eには、フェライト系より磁気特性が良好なNd−Fe−B系やSm−Co系、Sm−Fe−N系のボンド磁石を用いる。
また、ボンド磁石11Mとボンド磁石11Kは直列に接続されるので、ヨーク2Gへの装着時にボンド磁石11Mとボンド磁石11Kとの間で反発しない。したがって、組み立て性が良好であり、組み立て工数の削減ができる。
(実施の形態4)
以下、本実施の形態におけるスピーカについて、図面を用いて説明する。図12は、本実施の形態における外磁型スピーカの断面図である。本実施の形態におけるスピーカ30は、図12に示すように、着磁された磁石11を第1のプレート2Aとヨーク2Bに固着させることによって、外磁型の磁気回路10を構成している。
この磁気回路10における第1のプレート2Aには、フレーム26Aが結合されている。振動板27の外周部は、エッジ29と結合されている。さらにこのエッジ29の外周部が、フレーム26Aの周縁部に接着される。
そして、この振動板27の中心部には、ボイスコイル28の一端が結合される。また、ボイスコイルの反対の一端は、磁気回路10の磁気ギャップ4にはまり込むことによって、磁気的に結合される。
ここで、本実施の形態におけるスピーカ30には、実施の形態1における例1、例3、例4のうちのいずれの磁気回路10を用いる。
そして、このようにすることにより、従来では実現できなかった磁気効率と設計自由度の非常に高いスピーカ30が得られる。また、本実施の形態におけるスピーカ30には、実施の形態1における例1、例3、例4のうちのいずれかの磁気回路10を用いているので、低価格なスピーカ30を実現することができる。
図13(A)は、本実施の形態における第2の例の外磁型スピーカの断面図である。図13(A)において、図12と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
本例におけるスピーカ30には、実施の形態1における第2の例、第5の例のうちのいずれかの磁気回路10を用いる。この構成により、第2の磁石部11Bの体積が大きくできるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。したがって、音圧レベルが高く、高音質な音を再生できるスピーカ30を得ることができる。また、第2の磁石部11Bには、安価なフェライトなどを用いることが可能となるので、低価格なスピーカ30を実現することができる。
図13(B)は、本実施の形態における第3の例の外磁型スピーカの断面図である。図13(B)において、図12や図13(A)と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
本例におけるスピーカ30には、実施の形態1における第6の例、第7の例のうちのいずれかの磁気回路10を用いる。この構成により、第2の磁石部11Dの体積を大きくできるので、磁気ギャップ4での磁束密度を大きくできる。したがって、音圧レベルが高く、高音質な音を再生できるスピーカ30を得ることができる。また、第2の磁石部11Dには、安価なフェライトなどを用いることが可能となるので、低価格なスピーカ30を実現することができる。
(実施の形態5)
以下、本実施の形態におけるスピーカについて、図面を用いて説明する。図14は、本実施の形態における内磁型スピーカの断面図である。図14に示すように、着磁された磁石11を第1のプレート2Dとヨーク2Eに固着させることによって、内磁型の磁気回路10を構成している。
本例の磁気回路10におけるヨーク2Eには、フレーム26Bが結合されている。振動板27の外周部は、エッジ29と結合されている。さらにこのエッジ29の外周部が、フレーム26Bの周縁部に接着される。
そして、この振動板27の中心部には、ボイスコイル28の一端が結合される。一方、ボイスコイルの反対の一端は、磁気回路10の磁気ギャップ4にはまり込むことによって、磁気的に結合される。
ここで、本例におけるスピーカ30には、実施の形態2における第1の例、第4の例のうちのいずれかの磁気回路10を用いている。この構成により、低価格なスピーカ30を実現することができる。
図15は、本実施の形態における第2の例の内磁型スピーカの断面図である。図15において、図14と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。本例におけるスピーカ30には、実施の形態2の第2の例または第5の例の磁気回路10を用いている。このようにすれば、低価格なスピーカを実現できる。
さらに、スピーカ30の厚みを大きくすることなく、磁気ギャップ4の磁束密度を大きくできる。したがって、音圧レベルが高く、高音質なスピーカを実現できる。
図16は、本実施の形態における第3の例の内磁型スピーカの断面図である。図16において、本例におけるスピーカ30は、携帯電話に代表されるモバイル機器などに用いられる。
ここで本例の磁気回路10におけるヨーク2Eには、フレーム26Cが結合されている。振動板27の外周部は、エッジ29と一体に形成されており、このエッジ29の外周部が、フレーム26Cの周縁部に接着される。そして、この振動板27には、ボイスコイル28の一端が結合される。一方、ボイスコイルの反対の一端は、磁気回路10の磁気ギャップ4にはまり込むことによって、磁気的に結合される。
そして、本例におけるスピーカ30には、実施の形態2における第3の例第6の例のいずれかの磁気回路10を用いる。このようにすれば、低価格なスピーカを実現できる。さらに、振動板27の中央部を凹部状にすることができるので、スピーカ30の厚みを薄くできる。
(実施の形態6)
以下、本実施の形態におけるスピーカについて、図面を用いて説明する。図17は、本実施の形態における内外磁型スピーカの断面図である。なお図17において、図16と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。
図17において、本例におけるスピーカ30は、携帯電話に代表されるモバイル機器などに用いられる。図17に示すように、着磁された3個の磁石11を第1のプレート2Fとヨーク2Gに固着させることによって、内外磁型の磁気回路10を構成している。
本例の磁気回路10におけるヨーク2Gには、フレーム26Cが結合されている。振動板27の外周部は、エッジ29と一体に形成されており、このエッジ29の外周部が、フレーム26Cの周縁部に接着される。
そして、ボイスコイル28の一端はこの振動板27へ結合される。一方、ボイスコイルの反対側の一端は、磁気回路10の磁気ギャップ4にはまり込むことによって、磁気的に結合される。
ここで、本例におけるスピーカ30には、実施の形態3における磁気回路10を用いている。この構成により、低価格なスピーカ30を実現できる。また、小型でありながら、磁気ギャップ4における磁束密度を高くできる。したがって、音圧レベルが高く、音質の良好なスピーカ30を実現することができる。
本発明は、小型、軽量でかつ高い生産性を必要とするスピーカに有用である。
2A 第1のプレート
2B ヨーク
2C 対向部
2D 第1のプレート
2E ヨーク
2F 第1のプレート
2G ヨーク
2H 第2のプレート
2I 側面
4 磁気ギャップ
10 磁気回路
11 磁石
11A 第1の磁石部
11B 第2の磁石部
11C 第1のボンド磁石部
11D 第2のボンド磁石部
11E 第1の磁石部
11F 第2の磁石部
11G 第1のボンド磁石部
11H 第2のボンド磁石部
11I 磁石
11J 磁石
11K ボンド磁石
11M ボンド磁石
12 貫通孔
13 隙間
26A フレーム
26B フレーム
26C フレーム
27 振動板
28 ボイスコイル
29 エッジ
30 スピーカ

Claims (9)

  1. 第1の磁石と、この第1の磁石の上側に形成された第1の極と、前記第1の磁石において前記第1の極の反対側に形成された第2の極と、前記第1の極の上方に配置され、前記第1の極に結合された第1のプレートと、前記第2の極の下方に配置され、前記第2の極に結合されたヨークと、このヨークと磁気的に結合されるとともに、前記第1のプレートの側面と対向する対向部と、この対向部と前記第1のプレートの側面との間に形成される隙間にボイスコイルが配置される磁気ギャップとを含むスピーカ用磁気回路において、前記第1の磁石には、第1の磁石部と、この第1の磁石部より磁気特性が低い第2の磁石部とを設け、前記第1の磁石部は前記磁気ギャップの近傍に配置されるとともに、前記第2の磁石部は前記第1の磁石部に比べて、前記磁気ギャップから離れた位置に配置されるとともに、前記第1の磁石部と前記第2の磁石部とは並列に接続されたスピーカ用磁気回路。
  2. 第1の磁石部と第2の磁石部のうちの少なくとも一方は、ボンド磁石である請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。
  3. 第1の磁石部と第2の磁石部はともにボンド磁石で形成されるとともに、前記第1の磁石部と第2の磁石部は一体に形成された請求項2に記載のスピーカ用磁気回路。
  4. 第1の磁石部と第2の磁石部はともにボンド磁石で形成され、前記第1の磁石部において前記第2の磁石部と対向する側の側面は、第1のプレート側に向かって幅が狭くなる方向へ傾斜して形成され、前記第1の磁石部と前記第2の磁石部との間には、空気または非磁性体が設けられた請求項2に記載のスピーカ用磁気回路。
  5. 第2の磁石部の第1の極と第2の極との間の距離は、第1の磁石部の第1の極と第2の極との間の距離よりも大きい請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。
  6. ヨークの上に配置されて、前記ヨークと結合された第2の磁石と、この第2の磁石の下側に形成された第3の極と、前記第2の磁石において前記第3の極の反対側に形成された第4の極とが設けられて、前記第1と第2の磁石とは直列に接続されるとともに、対向部は前記第2の磁石における第4の極側の側面に設けられた請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。
  7. ヨークの上に配置されて、前記ヨークと結合された第2の磁石と、この第2の磁石の下側に形成された第3の極と、前記第2の磁石において前記第3の極の反対側に形成された第4の極と、前記第2の磁石の上方に配置され、前記第4の極と結合された磁性体の第2のプレートとを有し、前記第1と第2の磁石とは直列に接続されるとともに、対向部は前記第2のプレートの側面に設けられた請求項1に記載のスピーカ用磁気回路。
  8. 第2の磁石には、第1の磁石部と、第2の磁石部を有した請求項に記載のスピーカ用磁気回路。
  9. 請求項1に記載のスピーカ用磁気回路と、この磁気回路を結合したフレームと、中心部にはボイスコイルが結合されるとともに、周縁部はフレームの外周に結合された振動板とからなり、ボイスコイルが前記磁気回路の磁気ギャップから発生する磁界により駆動されるスピーカ。
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