JP5917976B2 - グリセリド組成物の製造方法、及び第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法 - Google Patents

グリセリド組成物の製造方法、及び第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法 Download PDF

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Description

本発明は、グリセリド組成物の製造方法、及び第1の精製工程後のグリセリド組成物(RBD油等)に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法に関する。
近年、油脂の風味や安定性を向上させるための試みが種々、なされている。油脂の風味や安定性等の品質の低下には、様々な要素が関係しており、それぞれの要素に応じた油脂の品質の改善方法等が報告されている。また、油脂中に存在する、生理活性に関係すると考えられる微量成分を調整する方法についても多数報告されている。
例えば、特許文献1には、3−クロロプロパン−1,2−ジオール等を含有するグリセリド組成物を、特定の温度条件にて脱臭処理等することにより、グリセリド組成物中のグリシドールの脂肪酸エステル等を低減する方法が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも脱臭処理が施された精製パーム軟質油に、さらに、脱色処理と脱臭処理とを施すことで、特定の色度を有する、良好な風味を備えた再精製パーム軟質油を得る方法が開示されている。また、特許文献3には、規則充填材を具備した薄膜式カラムを用いた精製処理とトレイ式装置を用いた精製処理とを組み合わせて、全構成脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が1質量%以下の油脂を精製する方法が開示されている。
また、油脂の酸化による劣化に伴う、油脂の風味上好ましくない化合物の生成を抑制するために、一般的に、精製された油脂は低温下で保存される。しかし、特にパーム系油脂に関しては、低温保存時において、油脂の風味の劣化を引き起こす「戻り物質」が生成することが知られている。「戻り物質」に関して、詳細は知られていないものの、この物質が、精製された油脂中に存在することにより、油脂の風味が精製前の状態に戻り、「戻り臭」と呼ばれる風味劣化が引き起こされる。
例えば、海外で圧搾された原油は、フィジカル精製工程と呼ばれる精製工程を施され、いわゆるRBD油(Refined Bleached Deodorized)等の精製油として我が国へ輸入される。輸入されたRBD油の大半は、我が国において再精製されるものの、RBD油等の精製油を再精製後に低温下で保存している間、油脂中に「戻り物質」が生じることがある。そのため、再精製後の精製油について、戻り物質による風味劣化の発生を予測できる方法が望まれていた。
特開2011−074358号公報 特開2011−030482号公報 特許4516897号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、再精製後の精製油の、低温下での保存時における風味劣化の発生を予測する方法を提供する。
本発明者らは、RBD油等の精製油中の過酸化物価と、当該精製油を再精製後に低温下で保存した後の戻り臭の発生に相関があることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定する測定工程と、
上記過酸化物価が所定の数値以上である第1の精製工程後のグリセリド組成物を除去する除去工程と、
を含むグリセリド組成物の製造方法。
(2) 上記除去工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール濃度は、1.0〜0ppmである(1)に記載のグリセリド組成物の製造方法。
(3) 上記除去工程で除去された第1の精製工程後のグリセリド組成物に対して、第2の精製工程を行う工程を含む(1)又は(2)に記載のグリセリド組成物の製造方法。
(4) 上記第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール濃度は、1.0〜0ppmである(3)に記載のグリセリド組成物の製造方法。
(5) 上記第1の精製工程後のグリセリド組成物は、上昇融点10℃以上の植物油である(1)から(4)のいずれかに記載のグリセリド組成物の製造方法。
(6) 上記第1の精製工程後のグリセリド組成物は、RBD油である(1)から(5)のいずれかに記載のグリセリド組成物の製造方法。
(7) 第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定することで、第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法。
本発明によれば、再精製後の精製油の、低温下での保存時における風味劣化の発生を予測する方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、本発明では、グリセリドは、グリセリンに脂肪酸が1〜3個エステル結合したものであり、油脂の主要成分であるトリグリセリド(トリアシルグリセロール)のほか、ジグリセリド(ジアシルグリセロール)、モノグリセリド(モノアシルグリセロール)も含むものとする。
本発明の製造方法は、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定する測定工程と、上記過酸化物価が所定の数値未満である第1の精製工程後のグリセリド組成物を除去する除去工程と、を含むことを特徴とする。
本発明者による検討の結果、油脂の風味劣化は、下記の機構が一因となって生じる可能性があることが見出された。すなわち、RBD油等の、第1の精製工程が行われたグリセリド組成物(すなわち、第1の精製工程後のグリセリド組成物)について、さらに第2の精製工程を行う場合、第2の精製工程における脱色工程において、第1の精製工程後のグリセリド組成物中に存在する、ヒドロペルオキシド基(−OOH)を有する過酸化物が、白土等の存在下で加熱されると分解し、2−ノネナールを生成する。本発明者らは、第2の精製工程における脱色工程において生成された2−ノネナール及び/又はその誘導体等が、低温保存時の油脂の風味劣化をもたらす物質、すなわち「戻り物質」のひとつであることを特定した。また、脱色工程で一旦生成した2−ノネナール及び/又はその誘導体等は、その後、さらに脱臭工程等を行っても油脂中に残留していることも分かった。
つまり、油脂の精製を行っても、第1の精製工程後のグリセリド組成物中に過酸化物が含まれていると、その後第2の精製工程を行っても、油脂の低温保存時に、戻り臭が発生する可能性がある。
そこで、本発明者が鋭意検討した結果、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価と、第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール量との間には相関関係があり、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が低い(又は高い)場合は、低温保存時の、第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール量も低い(又は高い)ことが見出された。
そのため、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定することによって、当該グリセリド組成物を第2の精製工程によって再精製後、低温保存時に戻り臭を生じる可能性を予測することができる。その結果、戻り臭を生じる可能性が低いグリセリド組成物については、再精製をすることなく製品としてそのまま流通させることができ、第2の精製工程に関する労力やコストを抑制できる。また、戻り臭を生じる可能性が高いグリセリド組成物に対しては、第2の精製工程時に2−ノネナールを低減させる処理を行う等の適切な品質管理をすることによって、戻り臭が抑制されたグリセリド組成物を得ることができる。
[測定工程]
本発明の製造方法においては、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定する。
(第1の精製工程)
本発明における第1の精製工程において使用される精製方法は、特に限定されず、油脂の精製において通常使用される方法であってもよい。例えば、植物油の精製方法には、ケミカル精製(ケミカルリファイニング)と、フィジカル精製(フィジカルリファイニング)とがあるが、第1の精製工程においては、いずれの精製方法を用いてもよい。
ケミカル精製は、植物油の精製方法として、通常行われている方法であり、原料となる植物を圧搾・抽出した原油が、脱ガム処理、脱酸処理、脱色処理、脱ろう処理、脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。
フィジカル精製は、パーム油やヤシ油等にてよく行われている方法であり、原料となるパームやヤシ等を圧搾した原油が、脱ガム処理、脱色処理、脱酸処理、脱臭処理を経ることで精製され、精製油となる。フィジカル精製によって得られるグリセリド組成物は、RBD油(Refined Bleached Deodorized)と呼ばれる。
原料となる油脂を、第1の精製工程において、上記の精製方法等を使用して精製することで、第1の精製工程後のグリセリド組成物が得られる。本発明における第1の精製工程後のグリセリド組成物としては、品質の高い油脂が得られやすいという点でRBD油が好ましい。
第1の精製工程において精製される、原料となる油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、米油、サフラワー油、ぶどう油、ひまわり油、小麦はい芽油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、落花生油、フラックス油、エゴマ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油、これら2種以上を混合した調合植物油、又は、これらを分別したパームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等の食用分別油、これらの水素添加油、エステル交換油等のほか、中鎖脂肪酸トリグリセリドのような直接エステル化反応により製造された食用油を用いることができる。低温時の風味の劣化が顕著であるという理由から、上昇融点が10℃以上の植物油、特にパーム系油脂(パーム油、パーム核油、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション等)及びその分別油が好ましい。
(過酸化物価)
第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価は、基準油脂分析試験法 暫4−2000に基づき測定する。
第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が、例えば、1未満、好ましくは0.7未満であれば、2−ノネナールの生成及び戻り臭が抑制されたグリセリド組成物が得られる。このグリセリド組成物は後述する除去工程で除去されることなく、そのまま製品として流通させることもできるし、脱色工程や脱臭工程等を適宜行うこともできる。
[除去工程]
第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が1以上、好ましくは0.7以上である第1の精製工程後のグリセリド組成物は、製品として流通するグリセリド組成物のロットから除去され、適宜、後述する第2の精製工程に供される。
(第2の精製工程)
本発明における第2の精製工程においては、第1の精製工程と同様の精製方法を使用でき、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価に応じて、脱色工程及び/又は脱臭工程等で行うべき処理を適宜選択することができる。例えば、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が比較的高ければ、当該グリセリド組成物に対して、第2の精製工程において脱色工程及び脱臭工程を行い、両工程において、グリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための処理を施すことができる。第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が比較的低ければ、第2の精製工程において脱色工程又は脱臭工程のいずれかを行い、いずれかの工程においてグリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための処理を施すことができる。第2の精製工程において、グリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための処理を施すことで、戻り臭が抑制されたグリセリド組成物を得ることができる。
脱色工程における、グリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための方法としては、例えば、脱色工程の前に、グリセリド組成物を、減圧下、100〜270℃の温度条件下にて加熱し、加熱後におけるグリセリド組成物中の過酸化物価を1以下とする方法が挙げられる。当該方法においては、脱色工程の後に、180〜270℃の温度条件下で脱臭工程を行ってもよい。
また、脱色工程における、グリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための方法としては、減圧条件下で、上記グリセリド組成物の全質量に対して0.3質量%以上の水蒸気の吹き込みを行いながらグリセリド組成物を脱色する方法が挙げられる。
脱臭工程における、グリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための方法としては、例えば、脱臭工程において、グリセリド組成物に、クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウムを、上記グリセリド組成物中0.5ppm以上10ppm以下となる量で添加する方法が挙げられる。当該脱臭工程は、210〜265℃の温度条件下で行ってもよい。
上記のグリセリド組成物中の2−ノネナール量を減少させるための方法は、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
[本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物]
本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物は、グリセリド組成物中の「戻り物質」すなわち2−ノネナールの生成量が低減されており、戻り臭や油脂の風味劣化が抑制されている。
本発明の製造方法により得られたグリセリド組成物の戻り臭が抑制されているかどうかは、下記の方法で確認できる。グリセリド組成物を、100mlサンプル瓶に20〜70g分取し、密栓後5℃にて冷暗所に保存する。保存後(例えば7日目の保存後)においてサンプル瓶を取り出し、50〜80℃にて加温溶解した後に、数gを口に含んで官能評価(劣化臭や戻り臭の有無の判断)を行う。
本発明の製造方法により得られたグリセリド組成物中の2−ノネナールの生成量が低減されているかどうかは、下記の方法でグリセリド組成物中の2−ノネナール濃度を定量することで確認できる。グリセリド組成物をヘッドスペース用バイアル管に分取し、50〜100℃にて30〜100分加温した際に発生する揮発性物質を吸着剤にて吸着させる。この吸着剤をガスクロマトグラフィーの注入口にて200〜250℃で1〜10分間再加熱し、揮発性物質をガスクロマトグラフィーのカラムに供する。次いで、カラムにて、単離した各成分を検出器にて検知し、2−ノネナールを同定した後、和光純薬工業製試薬(和光一級)によって定量する。
本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物中の2−ノネナール濃度は、例えば、除去工程において除去されない第1の精製工程後のグリセリド組成物の場合、1.0〜0ppmとなり、好ましくは0.8〜0ppmとなる可能性がある。
また、本発明の製造方法により得られるグリセリド組成物中の2−ノネナール濃度は、第2の精製工程として脱色工程を行った直後では1.0〜0ppmとなり、好ましくは0.5〜0ppmとなる可能性がある。また、第2の精製工程として脱色工程後に脱臭工程を行った場合、脱臭工程後冷蔵保存して14日後に、グリセリド組成物中の2−ノネナール濃度は、例えば、0.10〜0ppmとなる可能性がある。
[第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法]
本発明の判断方法によれば、上述の通り、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定することで、第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断することができる。第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が所定の数値以上である場合、第2の精製工程が必要であると判断し、当該グリセリド組成物に対して上述の通り第2の精製工程を行い、戻り臭の抑制されたグリセリド組成物を得ることができる。第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が所定の数値未満である場合、第2の精製工程が不要であると判断し、当該グリセリド組成物はそのまま製品として流通させることができ、又は適宜脱色工程や脱臭工程を行うこともできる。従って、本発明の判断方法によれば、戻り臭や油脂の風味劣化が抑制されたグリセリド組成物を安定的に供給できる。
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。
[実施例1及び2ならびに比較例1及び2]
下記のように、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価と、第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール生成量及び戻り臭の有無を検討した。
(過酸化物価)
異なる4つのロットのRBDパーム油(原産国マレーシア又は/及びインドネシア製;第1の精製工程後のグリセリド組成物に相当)について、基準油脂分析試験法 暫4−2000に基づき過酸化物価(POV)を測定した。その結果を表2に示す。
(2−ノネナール生成量)
各RBDパーム油に対して、白土の存在下で、105〜110℃で20分間脱色工程(第2の精製工程に相当)を行った後、ろ過により白土を除去して、脱色後のグリセリド組成物を得た。得られた脱色後のグリセリド組成物1〜10gをヘッドスペース用バイアル管に分取した。分取した各グリセリド組成物を、50〜100℃にて30〜100分加温した際に発生する揮発性物質を吸着剤にて吸着させた。この吸着剤をガスクロマトグラフィーの注入口にて200〜250℃で1〜10分間再加熱し、揮発性物質をガスクロのカラムに供した。次いで、カラムにて単離した各成分を検出器にて検知し、2−ノネナールを同定した後、和光純薬工業製試薬(和光一級)によって定量した。その結果を表2に示す。
(戻り臭の有無)
上述の脱色後のグリセリド組成物に水蒸気を吹き込みながら、減圧下、257℃で90分間脱臭工程(第2の精製工程に相当)を行った後に、ろ過を実施し、脱臭後のグリセリド組成物を得た。得られた脱臭後のグリセリド組成物を、100mlサンプル瓶に20〜70g分取し、密栓後5℃にて冷暗所に保存した。保存後14日目においてサンプル瓶を取り出し、50〜80℃にて加温溶解した後に、数gを口に含んで官能評価を行った。その際の5段階評価は、表1記載の基準に従った。
Figure 0005917976
各グリセリド組成物についての官能評価の結果が「3以上」であるものを、低温戻り臭「無し」とし、官能評価の結果が「3未満」であるものを、低温戻り臭「有り」とした。その結果を表2に示す。
Figure 0005917976
表2の結果より、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が低ければ、第2の精製工程(脱色工程)後のグリセリド組成物の2−ノネナールの生成量も低いことが確認された。また、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が低ければ、第2の精製工程(脱色工程及び脱臭工程)後のグリセリド組成物の戻り臭は抑制されていることが確認された。
[実施例1及び比較例5〜7]
実施例1及び2ならびに比較例1及び2と同様に、RBDパーム油を使用して、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価と、第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール生成量及び戻り臭の有無を検討した。さらに、戻り臭の有無について検討した試料(すなわち、脱臭後のグリセリド組成物)中の2−ノネナール生成量についても検討した。その結果を表3に示す。
Figure 0005917976
表3の結果より、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が低ければ、精製工程(脱色工程及び脱臭工程)後のグリセリド組成物の2−ノネナールの生成量も低いことが確認された。また、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価が低ければ、精製工程(脱色工程及び脱臭工程)後のグリセリド組成物の戻り臭は抑制されていることが確認された。
[実施例1及び3]
実施例1及び2ならびに比較例1及び2と同様に、RBDパーム油を使用して、第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価と、第2の精製工程後のグリセリド組成物中の2−ノネナール生成量及び戻り臭の有無を検討した。ただし、実施例3の脱臭工程は245℃で行った。その結果を表4に示す。
Figure 0005917976
表4の結果より、同値の過酸化物価を有する第1の精製工程後のグリセリド組成物について、第2の精製工程(脱臭工程)時の温度条件が異なっていても、得られるグリセリド組成物の戻り臭は抑制されていることが確認された。

Claims (3)

  1. 第1の精製工程後のグリセリド組成物の過酸化物価を測定する測定工程と、
    前記過酸化物価が所定の数値以上である第1の精製工程後のグリセリド組成物を除去する除去工程と、
    前記除去工程で除去された第1の精製工程後のグリセリド組成物に対して、第2の精製工程を行う工程と、
    を含み、
    前記第1の精製工程後のグリセリド組成物は、RBD油である、
    2−ノネナール濃度が1.0〜0ppmであるグリセリド組成物製品の製造方法。
  2. 前記第1の精製工程後のグリセリド組成物は、上昇融点10℃以上の植物油である請求項に記載のグリセリド組成物製品の製造方法。
  3. 第1の精製工程後のグリセリド組成物であるRBD油の過酸化物価を測定することで、第1の精製工程後のグリセリド組成物に対する第2の精製工程の必要性を判断する判断方法。
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