JP5917620B2

JP5917620B2 - 遊技機

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Publication number: JP5917620B2
Application number: JP2014145275A
Authority: JP
Inventors: 惇太橋爪
Original assignee: Kyoraku Industrial Co Ltd
Current assignee: Kyoraku Industrial Co Ltd
Priority date: 2014-07-15
Filing date: 2014-07-15
Publication date: 2016-05-18
Anticipated expiration: 2034-07-15
Also published as: JP2016019675A

Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。

従来、遊技盤に設けられた始動装置へ遊技球が入球することにより大当たり判定を行い表示器にて特別図柄を変動表示させ、このとき遊技盤の中央等に設けられる液晶表示装置に、装飾図柄の変動表示を行う遊技機が知られている。ここで特別図柄が大当たりとなると、対応する装飾図柄が特定の組み合わせ（例えば「７７７」）で停止表示されて、遊技者にとって有利な大当たり遊技が開始される。近年では、特別図柄として、第１特別図柄及び第２特別図柄での大当たり判定を行うのが一般的である。

特開２０１３−２４０５８８号公報

しかしながら、第１特別図柄及び第２特別図柄を用いてはいるが、遊技の興趣の向上という観点において、十分なものとは言えなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第１及び第２の図柄を絡めて遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。

本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。

本発明の遊技機（１）は、第１始動条件の成立に基づいて第１図柄の当たりを判定する第１判定手段（３０１ａ、図１７、図４０）と、第２始動条件の成立に基づいて第２図柄の当たり（大当たり、小当たり）を判定する第２判定手段（３０１ａ、図１７、図４０）と、前記第１判定手段又は前記第２判定手段にて前記当たりであると判定されると、入賞装置を開閉する複数のラウンド遊技で構成される当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段（３０１ａ）と、前記第１判定手段による判定結果に基づいて第１図柄を変動させて停止する第１変動手段（３０１ａ、図１５、図３８）と、前記第２判定手段による判定結果に基づいて第２図柄を変動させて停止する第２変動手段（３０１ａ、図１６、図３９）と、を備え、前記第１変動手段及び前記第２変動手段は、前記第１図柄の変動と前記第２図柄の変動とを並行して実施することが可能であり、前記第１図柄の変動開始から変動停止までの時間である第１変動時間に比べて前記第２図柄の変動開始から変動停止までの時間である第２変動時間のほうが短くなるよう前記第１変動時間及び前記第２変動時間を設定することで、前記第１変動時間に、前記第２図柄の当たりの判定を繰り返し行うようになっており、前記第２判定手段は、前記第２図柄の当たりとして、前記ラウンド遊技の回数が同じになっている第１当たり及び第２当たりの種別を判定し、前記第２変動手段は、前記第２判定手段により前記第２図柄の当たりが判定されたことを契機に、前記第１当たりの場合は、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に第１特定変動時間で第２図柄を繰り返し変動させ、前記第２当たりの場合は、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に前記第１特定変動時間よりも長い第２特定変動時間で第２図柄を繰り返し変動させることを特徴とする。

また、前記第２判定手段により前記第２図柄の当たりが判定されたことを契機に、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に前記第１特定変動時間及び前記第２特定変動時間のいずれで前記第２図柄が繰り返し変動させられるかを報知する報知手段（３２０ａ）をさらに備えていることとしてもよい。

本発明によれば、第１及び第２の図柄を絡めて遊技の興趣を向上させることができる。

遊技機１を示す概略正面図である。表示器１１１の構成を示す説明図である。遊技機１の概略構成を示すブロック図である。（Ａ）は第１特別図柄の大当たり判定テーブルを例示し、（Ｂ）は第２特別図柄の大当たり判定テーブルを例示し、（Ｃ）は普通図柄の当たり判定テーブルを例示する説明図である。（Ａ）は大当たりにおける図柄決定テーブルを例示し、（Ｂ）は第１大当たりと第２大当たりとの割合を例示し、（Ｃ）は、ハズレにおける図柄決定テーブルを例示する説明図である。変動パターンを例示する説明図であり、（Ａ）は通常時変動パターンを例示する説明図であり、（Ｂ）は確変時短変動パターンを例示する説明図であり、（Ｃ）は第２特別図柄の変動パターンを例示する説明図である。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行されるメイン処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される復旧処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される電断監視処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行されるスイッチ処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第１始動装置スイッチ処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第２始動装置スイッチ処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行されるゲートスイッチ処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第１特別図柄処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第２特別図柄処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される大当たり判定処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される変動パターン選択処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される停止中処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される普通図柄処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される開閉部材処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される大入賞装置開放制御処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される開放パターン設定処理を示すフローチャートである。入賞装置１２７ａ，１２７ｂの開放パターンを例示する説明図である。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される入球判定処理を示すフローチャートである。主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される遊技状態設定処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行されるコマンド処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行される変動処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行されるエンディング処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行される保留関連処理を示すフローチャートである。演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって実行される保留処理を示すフローチャートである。確変遊技状態における上乗せ演出を例示する説明図である。確変遊技状態における大当たり後の変動選択演出を例示する説明図である。確変遊技状態における継続有無演出を例示する説明図である。第２実施形態の遊技機における判定テーブルであり、（Ａ）は第１特別図柄の大当たり判定テーブルを例示する説明図であり、（Ｂ）は第２特別図柄の大当たり判定テーブルを例示する説明図であり、（Ｃ）は普通図柄の当たり判定テーブルを例示する説明図であり、（Ｄ）は第２特別図柄の小当たり判定テーブルを例示する説明図である。第２実施形態の遊技機における図柄決定テーブル等を例示する説明図であり、（Ａ）は大当たりにおける図柄決定テーブルを例示する説明図であり、（Ｂ）は第１大当たりと第２大当たりとの割合を例示する説明図であり、（Ｃ）はハズレにおける図柄決定テーブルを例示する説明図であり、（Ｄ）は小当たりにおける図柄決定テーブルを例示する説明図である。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第１特別図柄処理を示すフローチャートである。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される第２特別図柄処理を示すフローチャートである。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される大当たり判定処理を示すフローチャートである。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される停止中処理を示すフローチャートである。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される大入賞装置開放制御処理を示すフローチャートである。第２実施形態において主制御基板３００のメインＣＰＵ３０１ａによって実行される開放パターン設定処理を示すフローチャートである。

以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の実施形態としての遊技機１について説明する。
［遊技機１の構成］
図１を参照しつつ、遊技機１の概略構成について説明する。図１は、遊技機１の概略正面図である。

図１に示されるように、遊技機１は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤１００と、遊技盤１００を囲む枠部材１０１とを備えている。
枠部材１０１は、遊技盤１００と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持するいわゆるガラス枠であり、このガラス板と遊技盤１００とによって遊技球が流下可能な遊技領域１０２が形成されている。

枠部材１０１は、その上部中央に、演出などで発光する枠ランプ１０３を有している。枠ランプ１０３の左右両側に、スピーカ１０４を有している。また、枠部材１０１は、その下部が遊技者側へ突出させて構成されており、その突出部分の上面に、円形の演出ボタン１０５を有している。演出ボタン１０５の左側手前に、４つの押しボタンからなる演出キー１０６を有している。さらに、演出ボタン１０５の奥側には、遊技球を発射装置（不図示）へ案内する皿１０７が設けられている。枠部材１０１は、その右側下部に、ハンドル１０８を有している。ハンドル１０８には、レバー１０９が回転可能に取り付けられている。また、レバー１０９の回転にかかわらず、一時的に遊技球の発射を停止するための停止ボタン１１０が設けられている。なお、遊技盤１００の端部には、表示器１１１が設けられている。

一方、ガラス板と共に遊技領域１０２を形成する遊技盤１００は、その中央に、液晶表示装置１２１を有している。また、液晶表示装置１２１の上方に、演出などで発光する円形の盤ランプ１２２を有している。また、遊技盤１００は、入賞や判定に関する役物として、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂ、開閉ハネ１２３ｃ，第２始動装置１２４、ゲート１２６、下入賞装置１２７ａ、上入賞装置１２７ｂ、及び、４つの一般入賞装置１２８を有している。なお、下入賞装置１２７ａ及び上入賞装置１２７ｂを総称して「大入賞装置１２７」とも記載する。

第１始動装置１２３ａ，１２３ｂは、遊技領域１０２の中央で液晶表示装置１２１の下方に設けられた下第１始動装置１２３ａと、液晶表示装置１２１に隣接するように向かって右側に設けられた上第１始動装置１２３ｂとで構成されている。上第１始動装置１２３ｂの近傍には、開閉ハネ１２３ｃが設けられている。開閉ハネ１２３ｃは、上第１始動装置１２３ｂを開放／閉塞するためのハネ部材である。

下第１始動装置１２３ａの右側やや下方には、第２始動装置１２４が設けられている。液晶表示装置１２１の右側で、上第１始動装置１２３ｂの下方に、ゲート１２６が設けられている。このゲート１２６の下方には、上入賞装置１２７ｂが設けられており、さらにその下方左側に、下入賞装置１２７ａが設けられている。上入賞装置１２７ｂの内部には、図示しないＶ領域が形成されている。

一般入賞装置１２８は、左側下部に３つ設けられており、右側下部に残りの１つが設けられている。遊技領域１０２の最下部には、入賞しなかった遊技球を排出する排出装置１２９が設けられている。

このような構成により、遊技者がハンドル１０８を握ってレバー１０９を時計方向に回転させると、皿１０７に溜められた遊技球が発射装置（不図示）へと案内され、レバー１０９の回転角度に応じた打球力で遊技領域１０２へと発射される。

遊技盤１００には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域１０２における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤１００に沿って落下する。なお、上述したように遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン１１０を操作することによって一時的に停止される。

遊技者がハンドル１０８のレバー１０９を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印１３０に例示されるように遊技領域１０２における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー１０９を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印１３１に例示されるように遊技領域１０２における右側領域を流下する。したがって、上第１始動装置１２３ｂ、ゲート１２６、下入賞装置１２７ａ、上入賞装置１２７ｂ、及び、第２始動装置１２４へ遊技球を入球させるには「右打ち」が必要になる。

下第１始動装置１２３ａは、常時開放されている始動装置である。一方、上第１始動装置１２３ｂ及び第２始動装置１２４は、閉塞された状態と開放された状態とに変化する。
上第１始動装置１２３ｂは、開閉ハネ１２３ｃによって閉塞されている。開閉ハネ１２３ｃは、電源投入後から一定時間間隔で開放／閉塞を繰り返す。図１中に実線で示すのが閉塞状態であり、二点鎖線で示すのが開放状態である。開閉ハネ１２３ｃが開放状態となると、遊技球が入球し易い状態が作出される。これにより、「右打ち」を行っているときにはほぼ一定の割合で上第１始動装置１２３ｂに遊技球が入球するようになっている。

第２始動装置１２４は、開口部を有しており、その開口部がプレート状の開閉部材１２５にて閉塞されている。この開閉部材１２５は、ゲート１２６への遊技球の入球を条件とする判定結果に基づいて、第２始動装置１２４を開放するように姿勢変化する。具体的には、下端部を軸として手前側へ倒れるように姿勢変化する。このときは、第２始動装置１２４が開放されることになり、遊技球が入球し易い状態が作出される。

以下の説明では、ゲート１２６への遊技球の入球を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
なお、下第１始動装置１２３ａ、上第１始動装置１２３ｂ、又は第２始動装置１２４へ遊技球が入球した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定され、その判定結果が表示器１１１に表示される。

以下の説明では、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂへの遊技球の入球を条件として実行される判定を「第１特別図柄判定」ということとし、第２始動装置１２４への遊技球の入球を条件として実行される判定を「第２特別図柄判定」ということとし、これらの判定を総称して「特別図柄判定」ということとする。

下入賞装置１２７ａ及び上入賞装置１２７ｂは、特別図柄判定の結果に応じて開放される。これら大入賞装置１２７の開口部には、大入賞装置１２７を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置１２７は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器１１１に停止表示された場合、すなわち大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置１２７を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。

なお、本実施形態では、大当たり遊技は、１Ｒ及び２Ｒの２つのラウンド遊技で構成される。下入賞装置１２７ａは、１Ｒで開放される。一方、上入賞装置１２７ｂは、２Ｒで開放される。上述したように上入賞装置１２７ｂの内部には、Ｖ領域が設けられている。このＶ領域を遊技球が通過することにより、大当たり遊技の終了後は、確変遊技状態へ移行する。

一般入賞装置１２８は、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球がある入賞装置である。なお、第１始動装置１２３等とは異なり、一般入賞装置１２８に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。

［表示器１１１の構成］
図２は、図１における表示器１１１の拡大図である。表示器１１１は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図２に示されるように、第１特別図柄表示器２０１、第２特別図柄表示器２０２、第１特別図柄保留表示器２０３、第２特別図柄保留表示器２０４、普通図柄表示器２０５、及び、普通図柄保留表示器２０６を有している。

第１特別図柄表示器２０１は、第１特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第１特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第１特別図柄判定の判定結果を報知する。この第１特別図柄表示器２０１には、第１特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第１特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。

第２特別図柄表示器２０２は、第２特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第２特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第２特別図柄判定の判定結果を報知する。この第２特別図柄表示器２０２には、第２特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第２特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。

ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第１始動装置１２３に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第１特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機１は、第１始動装置１２３に遊技球が入賞しても即座に第１特別図柄判定を実行できない場合に、第１特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第１特別図柄保留表示器２０３は、このようにして保留された第１特別図柄判定の保留数を表示する。

同様に、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第２始動装置１２４に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第２特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機１は、第２始動装置１２４に遊技球が入賞しても即座に第２特別図柄判定を実行できない場合に、第２特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第２特別図柄保留表示器２０４は、このようにして保留された第２特別図柄判定の保留数を表示する。

普通図柄表示器２０５は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器２０５における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート１２６を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器２０６は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。

なお、以下の説明では、第１特別図柄表示器２０１又は第２特別図柄表示器２０２に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器２０５に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。

［遊技機１の内部構成］
図３は、遊技機１のブロック図である。遊技機１は、主制御基板３００、払出制御基板３１０、演出制御基板３２０、画像制御基板３３０、ランプ制御基板３４０、発射制御基板３５０、及び電源基板３６０を備えている。

主制御基板３００は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板３００は、ワンチップマイコン３０１を備えており、ワンチップマイコン３０１は、メインＣＰＵ３０１ａ、メインＲＯＭ３０１ｂおよびメインＲＡＭ３０１ｃを含んでいる。また、主制御基板３００は、主制御用の入力ポート及び出力ポート（いずれも不図示）を備えている。

この主制御用の入力ポートには、一般入賞装置１２８に遊技球が入球したことを検知する一般入賞装置検出スイッチ３０２、普通図柄ゲート１２６に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ３０３、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂに遊技球が入球したことを検知する第１始動装置検出スイッチ３０４、第２始動装置１２４に遊技球が入球したことを検知する第２始動装置検出スイッチ３０５、大入賞装置１２７（下入賞装置１２７ａ，上入賞装置１２７ｂ）に遊技球が入球したことを検知する入賞装置検出スイッチ３７１，３７２、Ｖ領域を遊技球が通過したことを検知するＶ通過検出スイッチ３７３、及び、払出制御基板３１０が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板３００に入力される。

また、主制御用の出力ポートには、開閉ハネ１２３ｃを開閉動作させる第１始動装置開閉ソレノイド３７４、プレート状の開閉部材１２５を開閉動作させる第２始動装置開閉ソレノイド３７５，大入賞装置１２７（下入賞装置１２７ａ，上入賞装置１２７ｂ）を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド３７６，３７７、特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器２０１，２０２，２０５、特別図柄判定の保留数及び普通図柄判定の保留数を表示する図柄保留表示器２０３，２０４，２０６、及び、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板３０９、払出制御基板３１０、及び、演出制御基板３２０が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。

なお、遊技情報出力端子板３０９は、主制御基板３００において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板３０９は主制御基板３００と配線接続され、遊技情報出力端子板３０９には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。

主制御基板３００のワンチップマイコン３０１において、メインＣＰＵ３０１ａは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインＲＯＭ３０１ｂに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。

また、メインＲＯＭ３０１ｂには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターンテーブル等が記憶されている。なお、ここに挙げたテーブルは一部に過ぎず、さらに多数のテーブルが設けられている。

さらにまた、メインＲＡＭ３０１ｃは、メインＣＰＵ３０１ａの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインＲＡＭ３０１ｃには、普通図柄判定の保留数Ｔ、普通図柄乱数、特別図柄の保留数Ｕ１，Ｕ２、ラウンド数Ｒ、大入賞装置１２７への入球数Ｙ、確変遊技フラグ、時短遊技フラグなどが記憶される。なお、ここに挙げたものの他にも、多数の情報が記憶される。

払出制御基板３１０は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板３１０は、図示しない払出ＣＰＵ、払出ＲＯＭ、払出ＲＡＭから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板３００に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出ＣＰＵは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ３１１、扉開放スイッチ３１２、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ＲＯＭに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板３００に送信する。また、払出制御基板３１０の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ３１３が接続されている。払出ＣＰＵは、主制御基板３００から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ＲＯＭから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ３１３を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出ＲＡＭは、払出ＣＰＵの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。

演出制御基板３２０は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板３２０は、サブＣＰＵ３２０ａ、サブＲＯＭ３２０ｂ、サブＲＡＭ３２０ｃを備えており、主制御基板３００に対して、当該主制御基板３００から演出制御基板３２０への一方向に通信可能に接続されている。サブＣＰＵ３２０ａは、主制御基板３００から送信されたコマンド、演出ボタン検出スイッチ３２１、演出キー検出スイッチ３２２、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブＲＯＭ３２０ｂに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板３３０やランプ制御基板３４０へ送信する。サブＲＡＭ３２０ｃは、サブＣＰＵ３２０ａの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。

例えば、演出制御基板３２０におけるサブＣＰＵ３２０ａは、主制御基板３００から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置１２１、音声出力装置３３１、演出用駆動装置３４１、演出用照明装置３４２に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板３３０やランプ制御基板３４０へ送信する。

演出制御基板３２０のサブＲＯＭ３２０ｂには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板３００から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する装飾図柄の組み合わせを決定するための装飾図柄決定テーブル等がサブＲＯＭ３２０ｂに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。

演出制御基板３２０のサブＲＡＭ３２０ｃは、複数の記憶領域を有している。これらの記憶領域には、遊技状態、演出モード、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、発射操作情報等が記憶される。なお、この他にも多数の情報が記憶される。

画像制御基板３３０は、液晶表示装置１２１の画像表示制御を行うための図示しない画像ＣＰＵ、制御ＲＯＭ、制御ＲＡＭ、ＣＧＲＯＭ、ＶＲＡＭ、ＶＤＰと、音声ＣＰＵ、音声ＲＯＭ、及び、音声ＲＡＭを備えている。この画像制御基板３３０は、演出制御基板３２０に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置１２１および音声出力装置３３１が接続されている。

画像ＣＰＵは、演出制御基板３２０から受信したコマンドに基づいて、ＶＤＰに所定の画像を表示させる制御を行う。制御ＲＡＭは、画像ＣＰＵの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ＲＯＭから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、制御ＲＯＭには、画像ＣＰＵの制御処理のプログラムや、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが記憶されている。

ＣＧＲＯＭには、液晶表示装置１２１に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像ＣＰＵが演出制御基板３２０から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、ＣＧＲＯＭに格納された所定の画像データをＶＲＡＭに展開させ、ＶＲＡＭに展開された画像データを液晶表示装置１２１に表示させる制御を行う。

また、音声ＲＯＭには、音声出力装置３３１から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声ＣＰＵは、演出制御基板３２０から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置３３１における音声出力制御を行う。

ランプ制御基板３４０は、遊技盤１００に設けられた盤ランプ１２２を点灯制御したり、枠部材１０１に設けられた枠ランプ１０３を制御したりする。また、演出用駆動装置３４１を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板３４０は、演出制御基板３２０に接続されており、演出制御基板３２０から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。

発射制御基板３５０は、タッチセンサ３５１からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム３５２から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド３５３や玉送りソレノイド３５４に対する通電制御を行う。

タッチセンサ３５１は、遊技者がハンドル１０８に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者がハンドル１０８に触れたことを検知すると、発射制御基板３５０に発射用ソレノイド３５３の通電を許可するタッチ信号を出力する。

発射ボリューム３５２は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム３５２に印加された定電圧（例えば５Ｖ）を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板３５０へ供給する。

ここで、発射用ソレノイド３５３の回転速度は、発射制御基板３５０に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約９９．９（回／分）に設定されている。これにより、１分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが１回転する毎に１個発射されるため、約９９．９（個／分）となる。すなわち、１個の遊技球は約０．６秒毎に発射されることになる。

なお、タッチセンサ３５１からのタッチ信号及び発射ボリューム３５２からの電圧信号は、演出制御基板３２０へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板３２０において遊技球の発射を検出可能となる。

電源基板３６０は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機１に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板３００、払出制御基板３１０、演出制御基板３２０、発射制御基板３５０へ電源電圧を供給する。また、遊技機１に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板３００に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインＣＰＵ３０１ａは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインＣＰＵ３０１ａは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。

［各種テーブル］
図４〜図６を用い、メインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。

図４（Ａ）及び（Ｂ）は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図４（Ａ）は、第１特別図柄の大当り判定テーブルであり、図４（Ｂ）は、第２特別図柄の大当り判定テーブルである。

大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「０」〜「９９」のいずれかの整数値をとり、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂ又は第２始動装置１２４への入球時に取得される。

ここで図４（Ａ）及び（Ｂ）に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態においては、大当たりの判定に関する状態として「非確変遊技状態」と「確変遊技状態」とを有する。

「非確変遊技状態」というのは、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂまたは第２始動装置１２４に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当たりとなる確率が１／９９に設定された遊技状態をいう。これに対して「確変遊技状態」というのは、上記大当たりとなる確率が１／１１に設定された遊技状態をいう。したがって、「確変遊技状態」では、「非確変遊技状態」よりも、大当たりに当選し易いこととなる。なお、この確変遊技状態のときには、後述する確変遊技フラグが「ＯＮ」にセットされており、非確変遊技状態のときには、確変遊技フラグが「ＯＦＦ」になっている。また、非確変遊技状態から確変遊技状態に移行するのは、大当たり遊技を終了した後である。

なお、「大当たり」とは、大入賞装置１２７を開放させる特別遊技である。具体的には、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂまたは第２始動装置１２４に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当りに当選したときに実行される遊技をいう。

「大当たり」においては、上述したように、下入賞装置１２７ａが１Ｒで開放され、上入賞装置１２７ｂが２Ｒで開放される。
１Ｒでは、下入賞装置１２７ａに規定個数（９個）の遊技球が入球すると、ラウンド遊技が終了となる。また、２Ｒでは、上入賞装置１２７ｂが開放されるのであるが、上入賞装置１２７ｂの内部に設けられたＶ領域を遊技球が通過することにより、上述した確変遊技状態へ移行することになる。なお、「大当たり」のときには、ハンドル１０８のレバー１０９を大きく回転させる、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。

図４（Ａ）に示す第１特別図柄の大当り判定テーブルによれば、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「３」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「３」〜「１１」の９個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。

大当たり乱数の乱数範囲が「０」〜「９９」であるから、非確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は１／９９であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は約１０倍アップして１／１１である。

図４（Ｂ）に示す第２特別図柄の大当り判定テーブルも、第１特別図柄の大当たり判定テーブルと同様となっている。すなわち、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「３」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「３」〜「１１」の９個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。

図４（Ｃ）は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当り判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「０」〜「６５５３５」のいずれかの数値として、ゲート１２６の通過時に取得される。

ここで図４（Ｃ）に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態では、開閉部材１２５に関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。上述した大当たりの判定に関する状態（非確変遊技状態、確変遊技状態）と開閉部材１２５に関する状態（非時短遊技状態、時短遊技状態）とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。

なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機１の初期の遊技状態は、「非確変遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されている。「非確変遊技状態」かつ「非時短状態」を「通常遊技状態」ともいう。また、本実施形態では「確変遊技状態」であるときは「時短遊技状態」となっている。この「確変遊技状態」かつ「時短遊技状態」を「確変遊技状態」ともいう。

本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、ゲート１２６を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が１２秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第２始動装置１２４への開口部の開放制御時間が０．２秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、ゲート１２６を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示器２０５において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから１２秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、開閉部材１２５の可動により第２始動装置１２４への開口部が約０．２秒間開放される。

これに対して「時短遊技状態」というのは、ゲート１２６を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が３秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第２始動装置１２４への開口部の開放制御時間が３．５秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が１／６５５３６に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が６５５３５／６５５３６に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグが「ＯＮ」にセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグが「ＯＦＦ」になっている。

したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、ゲート１２６を遊技球が通過する限りにおいて、第２始動装置１２４への開口部が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられる。

また、ゲート１２６が遊技盤１００の右側に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、ハンドル１０８のレバー１０９を大きく回転させた、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。

なお、普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
図４（Ｃ）に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「０」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「０」〜「６５５３４」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。

普通図柄乱数の範囲が「０」〜「６５５３５」であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は１／６５５３６であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は６５５３５／６５５３６＝１／１．００００２である。

図５は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図５（Ａ）は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図５（Ｂ）は、第１大当たりと第２大当たりとの割合を示す説明図であり、図５（Ｃ）は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。

図５（Ａ）では、「特別図柄」の種別（遊技球が第１始動装置１２３ａ，１２３ｂ及び第２始動装置１２４のいずれに入球したか）と、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂまたは第２始動装置１２４に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「０」〜「９９」に設定されている。

図５（Ａ）に示すように、第１特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「０」〜「７９」のいずれかであれば「第１大当たり」となり、停止図柄データが「０１」となる。

同様に、大当たり図柄用乱数が「８０」〜「９９」のいずれかであれば、「第２大当たり」となる。このときは、停止図柄データが「０２」となる。第２大当たりを区別するため、ここでは「第２大当たりＡ」とした。

第２特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「０」〜「９９」のいずれであっても、「第２大当たり」となる。ただし、大当たり図柄乱数が「０」〜「４９」のときは「第２大当たりＢ」であり、停止図柄データが「０３」となる。大当たり図柄乱数が「５０」〜「７９」のときは「第２大当たりＣ」であり、停止図柄データが「０４」となる。大当たり図柄乱数が「８０」〜「９９」のときは「第２大当たりＤ」であり、停止図柄データが「０５」となる。

図５（Ｂ）に示すように、第１大当たりと第２大当たりとの割合は、第１特別図柄で大当たりとなった場合が「８０：２０」であるのに対し、第２特別図柄で大当たりとなった場合は、「０：１００」となっている。

図５（Ｃ）に示すように、第１特別図柄においても第２特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「００」となる。
［変動パターン決定テーブル］
図６は、特別図柄の変動パターンを例示する説明図である。図６（Ａ）は通常時変動パターンを例示しており、第１特別図柄に関するものとなっている。図６（Ｂ）は確変時変動パターンを例示しており、第１特別図柄に関するものとなっている。図６（Ｃ）は第２特別図柄に関するものとなっており、通常時確変時共通となっている。

［第１特別図柄の変動パターン］
通常時変動パターンは、図６（Ａ）に例示されるごとくである。変動パターン１では、変動時間が４秒となっている。変動パターン２では、変動時間が８秒となっている。変動パターン３では、変動時間が１３．５秒となっている。変動パターン４は、１３．５秒以上の変動パターンとなっている。

確変時短変動パターンは、図６（Ｂ）に例示されるごとくである。変動パターン５では、変動時間が３０秒となっている。変動パターン６では、変動時間が６０秒となっている。以下同様に、変動パターン７では９０秒、変動パターン８では１２０秒、変動パターン９では１５０秒、変動パターン１０では１８０秒、変動パターン１１では２１０秒、変動パターン１２では２４０秒、変動パターン１３では２７０秒、変動パターン１４では３００秒、変動パターン１５では３３０秒、変動パターン１６では３６０秒となっている。また、変動パターン５〜１６が選択される割合はそれぞれ、５０％、１５％、５％、１０％、１％、３％、１％、５％、１％、３％、１％、５％となっている。

第２特別図柄の変動パターンは、図６（Ｃ）に例示されるごとくである。変動パターン１７では、変動時間が０．５秒となっており、変動パターン１８では変動時間が１秒となっており、変動パターン１９では変動パターンが３秒となっている。

通常遊技状態では、「左打ち」を行うことが前提であるため、下第１始動装置１２３ａへの入球に基づき、第１特別図柄判定が行われる。このとき、特別図柄判定の結果が「大当たり」となっているときには、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが選択される。一方、特別図柄判定の結果が「ハズレ」となっているときには、保留球数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。

一方、確変遊技状態では、「右打ち」を行うことが前提であるため、上第１始動装置１２３ａ及び第２始動装置１２４への入球に基づき、第１特別図柄判定及び第２特別図柄判定の両方が並行して行われる。このとき、第１特別図柄判定に関しては、第１特別図柄判定に先だって所定の割合で変動パターン５〜１６のいずれかが選択される。一方、第２特別図柄判定に関しては、大当たり種別に基づいて、変動パターン１７〜１９のいずれかが選択される。

［主制御基板のメイン処理］
図７を用いて、主制御基板３００において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図７は、主制御基板３００において実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板３００は、電源投入時に、このメイン処理を実行する。主制御基板３００のメイン処理は、メインＲＯＭ３０１ｂに記憶されているプログラムに基づいてメインＣＰＵ３０１ａが実行するものである。

最初のＳ７０１では、メインＲＡＭ３０１ｃへのアクセスを許可する。この処理は、例えば電源投入後、演出制御基板３２０の起動に要する時間（例えば１０００ｍｓ）を待機した後に行われる。

Ｓ７０２では、ＲＡＭクリアスイッチが「ＯＮ」であるか否かを判断する。ここでＲＡＭクリアスイッチが「ＯＮ」であると判断された場合（Ｓ７０２：ＹＥＳ）、Ｓ７１１へ移行する。一方、ＲＡＭクリアスイッチが「ＯＮ」でないと判断された場合（Ｓ７０２：ＮＯ）、すなわちＲＡＭクリアスイッチが「ＯＦＦ」である場合には、Ｓ７０３へ移行する。

Ｓ７０３では、バックアップフラグが「ＯＮ」であるか否かを判断する。バックアップフラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されるものであり、遊技機１への電源が遮断された状態になるとセットされて「ＯＮ」となる。ここでバックアップフラグが「ＯＮ」であると判断された場合（Ｓ７０３：ＹＥＳ）、Ｓ７０４へ移行する。一方、バックアップフラグが「ＯＮ」でないと判断された場合（Ｓ７０３：ＮＯ）、すなわちバックアップフラグが「ＯＦＦ」である場合には、Ｓ７１１へ移行する。

Ｓ７０４では、チェックサムが正常であるか否かを判断する。チェックサムとは、バックアップ情報に対して作成されるものであり、データの加算値が一致することでバックアップ情報の正当性を判断しようというものである。ここでチェックサムが正常であると判断された場合（Ｓ７０４：ＹＥＳ）、Ｓ７０５へ移行する。一方、チェックサムが正常でないと判断された場合（Ｓ７０４：ＮＯ）、Ｓ７１１へ移行する。

Ｓ７０５では、復旧処理を実行する。復旧処理の詳細については後述する。
Ｓ７０６では、ＣＴＣ周期の設定を行う。この処理は、内蔵されているタイマカウンタであるＣＴＣの周期を設定するものである。例えば４ｍｓに設定するという具合である。これにより、メインＣＰＵ３０１ａは、ＣＴＣの周期で、後述するタイマ割込処理を実行する。

Ｓ７０７では、電断監視処理を実行する。電断監視処理の詳細については後述する。
Ｓ７０８では、割込禁止設定を行う。この処理は、メインＣＰＵ３０１ａによるタイマ割込処理を禁止するものである。

Ｓ７０９では、乱数更新処理を行う。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「１」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「０」に戻される。

Ｓ７１０では、割込許可設定を行う。この処理は、メインＣＰＵ３０１ａによるタイマ割込処理を許可するものである。そして、Ｓ７１０の処理終了後、Ｓ７０７からの処理を繰り返す。

Ｓ７１１には、Ｓ７０２で肯定判断された場合、Ｓ７０３で否定判断された場合、及び、Ｓ７０４で否定判断された場合に移行する。Ｓ７１１では、ＲＡＭクリアを行う。ＲＡＭクリアとは、主制御基板３００が設定する各種フラグやカウント値を初期化するものである。例えば各種フラグには、確変フラグや時短フラグが挙げられる。カウント値には、時短変動回数Ｗなどが挙げられる。

Ｓ７１２では、周辺部初期設定を行う。この処理は、主制御基板３００から払出制御基板３１０及び演出制御基板３２０へ初期設定コマンドを送信するものである。これにより、払出制御基板３１０及び演出制御基板３２０にて、初期設定が行われる。Ｓ７１２の処理終了後、上述したＳ７０６へ移行する。

［復旧処理］
図８を用い、主制御基板３００において実行される復旧処理について説明する。この復旧処理は、図７のＳ７０５にて実行されるものである。

最初のＳ８０１では、作業領域を設定する。この処理は、作業領域は、復旧処理に用いられる領域であり、メインＲＡＭ３０１ｃに設定される。
Ｓ８０２では、復旧コマンドを作成する。この復旧コマンドには、遊技状態に関するコマンドが含まれる。すなわち、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグなどである。また、これらフラグに関するカウンタのカウント値が含まれる。さらに、保留表示に関連する保留情報が含まれる。

Ｓ８０３では、復旧コマンドを送信する。この処理は、Ｓ８０２にて作成した復旧コマンドを演出制御基板３２０へ送信するものである。
Ｓ８０４ではバックアップフラグを「ＯＦＦ」とし、その後、復旧処理を終了する。

［電断監視処理］
図９を用い、主制御基板３００において実行される電断監視処理について説明する。この電断監視処理は、図７のＳ７０７にて実行されるものである。

最初のＳ９０１では、割込禁止設定を行う。この処理は、この処理は、メインＣＰＵ３０１ａによるタイマ割込処理を禁止するものである。
Ｓ９０２では、電源が遮断されたか否かを判断する。この処理は、遊技機１への電源供給が遮断されたか否かを判断するものである。ここで電源が遮断されたと判断された場合（Ｓ９０２：ＹＥＳ）、Ｓ９０３へ移行する。一方、電源が遮断されていないと判断された場合（Ｓ９０２：ＮＯ）、Ｓ９０６へ移行する。

Ｓ９０３では、バックアップ情報を作成して格納する。バックアップ情報はメインＲＡＭ３０１ｃに格納される。このとき、チェックサムを作成しバックアップ情報とともに格納する。バックアップ情報は上述したように、復旧コマンドの作成に用いられる。

Ｓ９０４では、バックアップフラグを「ＯＮ」にする。バックアップフラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに格納される。
Ｓ９０５ではＲＡＭアクセスを禁止し、その後、メイン処理（図７参照）を終了する。

Ｓ９０６には、Ｓ９０２で電源が遮断されていないと判断された場合に移行する。Ｓ９０６では、割込許可設定を行う。この処理は、メインＣＰＵ３０１ａのタイマ割込処理を許可するものである。Ｓ９０６の処理終了後、図７のＳ７０８へ移行する。

［タイマ割込処理］
図１０を用いて、主制御基板３００において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図１０は、主制御基板３００において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板３００は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図１０に例示されている一連の処理を一定時間（例えば４ミリ秒）毎に繰り返し実行する。なお、図１０以降のフローチャートに基づいて説明する主制御基板３００の処理は、メインＲＯＭ３０１ｂに記憶されているプログラムに基づいてメインＣＰＵ３０１ａが実行するものである。

まず、Ｓ１００１では、乱数更新処理を実行する。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「１」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「０」に戻される。

Ｓ１００２では、スイッチ処理を行う。この処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行されるものである。なお、スイッチ処理の詳細については後述する。
Ｓ１００３では、特別図柄処理を行う。この処理は、第１特別図柄処理及び第２特別図柄処理を含む。なお、第１特別図柄処理及び第２特別図柄処理の詳細については、後述する。

Ｓ１００４では、普通図柄処理を行う。この処理は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器２０５に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む。この普通図柄処理の詳細については後述する。

Ｓ１００５では、開閉部材処理を行う。この処理は、普通図柄判定を行った結果、第２始動装置１２４への開口部を開放すると判定した場合に、開閉部材１２５を作動させるものである。開閉部材処理の詳細については後述する。

Ｓ１００６では、大入賞装置開放制御処理を行う。この処理は、Ｓ１００３において大当たりであると判定した場合、大入賞装置開閉ソレノイド３０８を制御して大入賞装置１２７を開放するものである。また、ソレノイド３７２を制御してチャンス入賞装置１４１及びＶ領域を開放するものである。大入賞装置開放制御処理の詳細については後述する。

Ｓ１００７では、賞球処理を実行する。この処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御するものである。
Ｓ１００８では、送信処理を実行する。この処理は、Ｓ１００７以前の処理ステップにおいてメインＲＡＭ３０１ｃにセット（格納）された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板３２０に送信するものである。

［スイッチ処理］
図１１は、図１０のＳ１００２におけるスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１１０１では、第１始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第１始動装置検出スイッチ３０４からの検知信号の入力の有無を監視して、Ｓ１００１の処理によって適宜更新される各種乱数（大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数）について、第１始動装置検出スイッチ３０４からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第１始動装置スイッチ処理については、さらに後述する。

続くＳ１１０２では、第２始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第２始動装置検出スイッチ３０５からの検知信号の入力の有無を監視して、Ｓ１００１の処理によって適宜更新される各種乱数（大当たり乱数、及び、大当たり用図柄乱数）について、第２始動装置検出スイッチ３０５からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第２始動装置スイッチ処理についてはさらに後述する。

次のＳ１１０３では、ゲートスイッチ処理を実行する。この処理は、ゲート検出スイッチ３０３からの検知信号の入力の有無を監視して、Ｓ１００１の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲート検出スイッチ３０３からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。ゲートスイッチ処理についてはさらに後述する。

［第１始動装置スイッチ処理］
図１２は、図１１のＳ１１０１における第１始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１２０１では、第１始動装置検出スイッチ３０４が「ＯＮ」になったか否かを判定する。この処理は、第１始動装置検出スイッチ３０４からの検知信号（第１始動装置検出スイッチ３０４が「ＯＮ」になったことを示すＯＮ信号）が入力されたか否かに基づいて、第１始動装置検出スイッチ３０４が「ＯＮ」になったか否かを判定するものである。ここで第１始動装置検出スイッチ３０４が「ＯＮ」になったと判定した場合（Ｓ１２０１：ＹＥＳ）、Ｓ１２０２へ移行する。一方、第１始動装置検出スイッチ３０４が「ＯＮ」になっていないと判定した場合（Ｓ１２０１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第１始動装置スイッチ処理を終了する。

Ｓ１２０２では、保留数Ｕ１が最大保留数Ｕｍａｘ１未満であるか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている第１特別図柄判定の保留数Ｕ１が、予めメインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている最大保留数Ｕｍａｘ１（本実施形態では「４」）未満であるか否かを判断するものである。ここで、Ｕ１＜Ｕｍａｘ１であると判断された場合（Ｓ１２０２：ＹＥＳ）、Ｓ１２０３へ移行する。一方、Ｕ１≧Ｕｍａｘ１であると判断された場合（Ｓ１２０２：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第１始動装置スイッチ処理を終了する。

Ｓ１２０３では、保留数Ｕ１の値を「１」加算した値に更新する。
Ｓ１２０４〜Ｓ１２０７では、各種乱数を取得する。この処理は、第１特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインＲＡＭ３０１ｃに格納するものである。

Ｓ１２０８では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。

ここでは最初に、Ｓ１２０４にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、Ｓ１２０５にて取得した大当たり図柄乱数に基づいて大当たり図柄（停止図柄データ）を決定する。図５（Ａ）に示したように、大当たり図柄乱数が「０〜７９」のときは第１大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「８０〜９９」のときは第２大当たりＡとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「０１」、「０２」となる。

一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄（停止図柄データ）が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「００」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、Ｓ１２０７にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。

一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、Ｓ１２０６にて取得したリーチ乱数、Ｓ１２０７にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。

上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。

Ｓ１２０９では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第１特別図柄に係る保留であるか第２特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」（すなわち保留数Ｕ１）、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。

なお、Ｓ１２０９でセットされた保留コマンドは、図１０のＳ１００８にて演出制御基板３２０へ送信される。
［第２始動装置スイッチ処理］
図１３は、図１１のＳ１１０２における第２始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。第２始動装置スイッチ処理は、上述した第１始動装置スイッチ処理と同様のものである。

最初のＳ１３０１では、第２始動装置検出スイッチ３０５が「ＯＮ」になったか否かを判定する。この処理は、第２始動装置検出スイッチ３０５からの検知信号（第２始動装置検出スイッチ３０５が「ＯＮ」になったことを示すＯＮ信号）が入力されたか否かに基づいて、第２始動装置検出スイッチ３０５が「ＯＮ」になったか否かを判定するものである。ここで第２始動装置検出スイッチ３０５が「ＯＮ」になったと判定した場合（Ｓ１３０１：ＹＥＳ）、Ｓ１３０２へ移行する。一方、第２始動装置検出スイッチ３０５が「ＯＮ」になっていないと判定した場合（Ｓ１３０１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第２始動装置スイッチ処理を終了する。

Ｓ１３０２では、保留数Ｕ２が最大保留数Ｕｍａｘ２未満であるか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている第２特別図柄保留数Ｕ２が、予めメインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている最大保留数Ｕｍａｘ２（本実施形態では「４」）未満であるか否かを判断するものである。ここで、Ｕ２＜Ｕｍａｘ２であると判断された場合（Ｓ１３０２：ＹＥＳ）、Ｓ１３０３へ移行する。一方、Ｕ２≧Ｕｍａｘ２であると判断された場合（Ｓ１３０２：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第２始動装置スイッチ処理を終了する。

Ｓ１３０３では、保留数Ｕ２の値を「１」加算した値に更新する。
Ｓ１３０４、Ｓ１３０５では、各種乱数を取得する。この処理は、第２特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、及び、大当たり用図柄乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインＲＡＭ３０１ｃに格納するものである。

Ｓ１３０６では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第１特別図柄に係る保留であるか第２特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」（すなわち保留数Ｕ２）が含まれる。

なお、Ｓ１３０６でセットされた保留コマンドは、図１０のＳ１００８にて演出制御基板３２０へ送信される。
［ゲートスイッチ処理］
図１４は、図１１のＳ１１０３におけるゲートスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１４０１では、ゲート検出スイッチ３０３が「ＯＮ」となったか否かを判断する。この処理は、ゲート検出スイッチ３０３からの検知信号（ゲート検出スイッチ３０３が「ＯＮ」になったことを示すＯＮ信号）が入力されたか否かに基づいて、ゲート検出スイッチ３０３が「ＯＮ」になったか否かを判断するものである。ここでゲート検出スイッチ３０３が「ＯＮ」になったと判断された場合（Ｓ１４０１：ＹＥＳ）、Ｓ１４０２へ移行する。一方、ゲート検出スイッチ３０３が「ＯＮ」になっていないと判断された場合（Ｓ１４０１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、ゲートスイッチ処理を終了する。

Ｓ１４０２では、保留数Ｔが最大保留数Ｔｍａｘ未満であるか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている普通図柄判定の保留数Ｔが、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Ｔｍａｘ（本実施形態では「４」）未満であるか否かを判断するものである。ここでＴ＜Ｔｍａｘであると判断された場合（Ｓ１４０２：ＹＥＳ）、Ｓ１４０３へ移行する。一方、Ｔ≧Ｔｍａｘであると判断された場合（Ｓ１４０２：ＮＯ）、以降の処理を実行せずに、ゲートスイッチ処理を終了する。

Ｓ１４０３では、保留数Ｔを「１」加算した値に更新する。続くＳ１４０４では、普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインＲＡＭ３０１ｃに格納する。
［第１特別図柄処理］
図１５を用いて、主制御基板３００によって実行される第１特別図柄処理の詳細について説明する。図１５は、図１０のＳ１００３の特別図柄処理に含まれる第１特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１５０１では、第１特別図柄が変動中であるか否かを判断する。ここで第１特別図柄が変動中であると判断された場合（Ｓ１５０１：ＹＥＳ）、Ｓ１５１６へ移行する。一方、第１特別図柄が変動中でないと判断された場合（Ｓ１５０１：ＮＯ）、Ｓ１５０２へ移行する。

Ｓ１５０２では、第１特別図柄の変動が途中停止中であるか否かを判断する。第１特別図柄は、第２特別図柄判定で大当たりとなると、変動途中で停止される。ここで途中停止中であると判断された場合（Ｓ１５０２：ＹＥＳ）、Ｓ１５１９へ移行する。一方、途中停止中でないと判断された場合（Ｓ１５０２：ＮＯ）、Ｓ１５０３へ移行する。

Ｓ１５０３では、保留数Ｕ１が０よりも大きいか否かを判断する。ここでＵ１＞０である場合（Ｓ１５０３：ＹＥＳ）、すなわち第１特別図柄判定に関する保留があるときには、Ｓ１５０４へ移行する。一方、Ｕ１＝０である場合（Ｓ１５０３：ＮＯ）、すなわち第１特別図柄判定に関する保留がないときには、以降の処理を実行せず、第１特別図柄処理を終了する。

Ｓ１５０４では、保留数Ｕ１から「１」を減じて、保留数Ｕ１を更新する。
Ｓ１５０５では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、Ｓ１５０４で減算した第１特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの（最も古いもの）を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。

Ｓ１５０６では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインＲＡＭ３０１ｃにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄（停止図柄データ）が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。

Ｓ１５０７では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、Ｓ１５０６における大当たり判定の判定結果、メインＲＡＭ３０１ｃにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数Ｕ１、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このＳ１５０７の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細については後述する。

Ｓ１５０８では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、Ｓ１５０６の処理で設定した停止図柄データ、Ｓ１５０７の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデータ、遊技機１の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

これに対して、演出制御基板３２０は、主制御基板３００から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機１の遊技状態を特定する。そして、第１特別図柄表示器２０１における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置１２１にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置３３１からどのような音を出力するか、枠ランプ１０３をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０に実行させる。

Ｓ１５０９では、変動表示を開始する。この処理は、Ｓ１５０８の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第１特別図柄表示器２０１を用いて行われる。

Ｓ１５１０では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のＳ１５１１では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ１５１０における変動時間の計測開始から、Ｓ１５０７の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合（Ｓ１５１１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第１特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合（Ｓ１５１１：ＹＥＳ）、Ｓ１５１２へ移行する。

Ｓ１５１２では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第１特別図柄表示器２０１に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。図柄確定コマンドは、Ｓ１００８における送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。これにより、液晶表示装置１２１に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。

Ｓ１５１３では、変動表示を終了する。この処理は、Ｓ１５０９の処理で開始した第１特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、Ｓ１５０６の処理で設定した停止図柄データ（大当たり図柄又はハズレ図柄）を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器２０１に停止表示させる。

Ｓ１５１４では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、Ｓ１５１０の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くＳ１５１５では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。

Ｓ１５１６へは、Ｓ１５０１で肯定判断された場合、すなわち第１特別図柄が変動中である場合に移行する。Ｓ１５１６では、大当たり遊技中か否かを判断する。この処理は、第２特別図柄判定で大当たりとなり、大当たり遊技が行われていることを判断するものである。具体的には、大当たり遊技フラグが「ＯＮ」となっているか否かによって判断する。ここで大当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ１５１６：ＹＥＳ）、Ｓ１５１７へ移行する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合（Ｓ１５１６：ＮＯ）、Ｓ１５１１へ移行する。

Ｓ１５１７では、第１特別図柄の変動を途中停止する。第１特別図柄の変動中に大当たり遊技が行われるのは、確変遊技状態のときである。そこで確変遊技状態にあるとき、第２特別図柄判定で大当たりになると、第１特別図柄の変動を停止させる。

Ｓ１５１８では、経過変動時間を記憶する。この処理は、Ｓ１５１０で計測の開始された変動時間をＲＡＭ３０１ｃに記憶するものである。
Ｓ１５１９へは、Ｓ１５０２にて肯定判断された場合、すなわち第１特別図柄の変動が停止しているときに移行する。Ｓ１５１９では、大当たり遊技中か否かを判断する。ここで大当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ１５１９：ＹＥＳ）、第１特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合（Ｓ１５１９：ＮＯ）、Ｓ１５０８からの処理を繰り返す。

［第２特別図柄処理］
図１６を用いて、主制御基板３００によって実行される第２特別図柄処理の詳細について説明する。図１６は、図１０のＳ１００３の特別図柄処理に含まれる第２特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。

Ｓ１６０１では、大当たり遊技中であるか否かを判断する。この処理は、大当たり遊技フラグが「ＯＮ」となっているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ１６０１：ＹＥＳ）、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合（Ｓ１６０１：ＮＯ）、Ｓ１６０２へ移行する。

Ｓ１６０２では、第２特別図柄が変動中か否かを判断する。ここで第２特別図柄が変動中であると判断された場合（Ｓ１６０２：ＹＥＳ）、Ｓ１６１０へ移行する。一方、第２特別図柄が変動中でないと判断された場合は（Ｓ１６０２：ＮＯ）、Ｓ１６０３へ移行する。

Ｓ１６０３では、保留数Ｕ２が０よりも大きいか否かを判断する。ここでＵ２＞０である場合（Ｓ１６０３：ＹＥＳ）、すなわち第２特別図柄判定に関する保留があるときには、Ｓ１６０４へ移行する。一方、Ｕ２＝０である場合（Ｓ１６０３：ＮＯ）、すなわち第２特別図柄判定に関する保留がないときには、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。

Ｓ１６０４では、保留数Ｕ２から「１」を減じて、保留数Ｕ２を更新する。
Ｓ１６０５では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、Ｓ１６０４で減算した第２特別図柄判定の大当たり乱数、及び、大当たり用図柄乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの（最も古いもの）を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。

Ｓ１６０６では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインＲＡＭ３０１ｃにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄（停止図柄データ）が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。

Ｓ１６０７では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、Ｓ１６０６の処理で設定した停止図柄データ、予め決定されている変動パターンデータ、遊技機１の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。この変動開始コマンドは、第２特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

これに対して、演出制御基板３２０は、主制御基板３００から受信した変動開始コマンドを解析することによって、第２特別図柄判定の結果を特定し、第２特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機１の遊技状態を特定する。そして、第２特別図柄表示器２０２における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置１２１にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置３３１からどのような音を出力するか、枠ランプ１０３をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０に実行させる。

Ｓ１６０８では、変動表示を開始する。この処理は、Ｓ１６０７の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、第２特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この第２特別図柄の変動表示は、第２特別図柄表示器２０２を用いて行われる。

Ｓ１６０９では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のＳ１６１０では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ１６０９における変動時間の計測開始から、予め決定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合（Ｓ１６１０：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合（Ｓ１６１０：ＹＥＳ）、Ｓ１６１１へ移行する。

Ｓ１６１１では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第２特別図柄表示器２０２に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。図柄確定コマンドは、Ｓ１００８における送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。これにより、液晶表示装置１２１に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。

Ｓ１６１２では、変動表示を終了する。この処理は、Ｓ１６０８の処理で開始した第２特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、Ｓ１６０６の処理で設定した停止図柄データ（大当たり図柄又はハズレ図柄）を、第２特別図柄を変動表示していた第２特別図柄表示器２０２に停止表示させる。

Ｓ１６１３では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、Ｓ１６０９の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くＳ１６１４では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。

［大当たり判定処理］
図１７は、図１５のＳ１５０６及び図１６のＳ１６０６における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１７０１では、大当たり判定を行う。ここで、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂへの入球に係る大当たり判定を実行する場合、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている第１特別図柄の大当たり判定テーブル（図４（Ａ）参照）を用いる。一方、第２始動装置１２４への入球に係る大当たり判定を実行する場合、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている第２特別図柄の大当たり判定テーブル（図４（Ｂ）参照）を用いる。なお、本実施形態では、第１特別図柄の大当たり判定テーブルも第２特別図柄の大当たり判定テーブルも共通のものとなっている。

第１特別図柄及び第２特別図柄の大当たり判定テーブルには、大当たり乱数が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第１特別図柄又は第２特別図柄の大当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで大当たりを判定する。一致しない場合はハズレと判定する。このとき、遊技状態が非確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「３」であり、遊技状態が確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「３」〜「１１」のいずれかである。

続くＳ１７０２では、第１特別図柄で大当たりしたか否かを判断する。この処理は、Ｓ１７０１の判定結果に基づき、第１特別図柄での大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第１特別図柄に係る大当たりであると判断された場合（Ｓ１７０２：ＹＥＳ）、Ｓ１７０３へ移行する。一方、第１特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合（Ｓ１７０２：ＮＯ）、Ｓ１７０６へ移行する。

Ｓ１７０３では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル（図５（Ａ）参照）を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、第１大当たりか第２大当たりかを決定する。

Ｓ１７０４では、大当たり図柄をセットする。この処理は、Ｓ１７０３の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄（停止図柄データ）をメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。具体的には、停止図柄データ「０１」又は「０２」がセットされることになる。これにより、上述したＳ１５１３の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第１特別図柄表示器２０１に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。

Ｓ１７０５では、第１大当たりフラグをセットする。第１大当たりフラグは、第１特別図柄で大当たりしていることを示すフラグである。このとき、大当たりの種類が第２大当たりＡ（停止図柄データ「０２」）であれば、次の変動からの第２特別図柄の変動パターンを設定する。具体的には、変動パターン１７〜１９のいずれかを設定するのであるが、乱数などを用いて設定してもよいし、予め定められたもの（例えば変動パターン１７）を設定するようにしてもよい。Ｓ１７０５の処理終了後、大当たり判定処理を終了する。

Ｓ１７０６へは、Ｓ１７０２で否定判断された場合、すなわち第１特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合に移行する。Ｓ１７０６では、第２特別図柄に係る大当たりであるか否かを判断する。ここで第２特別図柄に係る大当たりであると判断された場合（Ｓ１７０６：ＹＥＳ）、Ｓ１７０７へ移行する。一方、第２特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合（Ｓ１７０６：ＮＯ）、Ｓ１７１１にてハズレ図柄をセットし、その後、大当たり判定処理を終了する。

Ｓ１７０７では、第１大当たりフラグがＯＮであるか否かを判断する。第１大当たりフラグは、第１特別図柄で大当たりとなっているときに「ＯＮ」にされる。ここで第１大当たりフラグがＯＮであると判断された場合（Ｓ１７０７：ＹＥＳ）、Ｓ１７１１にてハズレ図柄をセットし、その後、大当たり判定処理を終了する。すなわち、第１特別図柄で大当たりとなっているときは、第２特別図柄での大当たりは消滅する。一方、第１大当たりフラグがＯＮでないと判断された場合（Ｓ１７０７：ＮＯ）、すなわち第１大当たりフラグが「ＯＦＦ」であるときには、Ｓ１７０８へ移行する。

Ｓ１７０８では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル（図５（Ａ）参照）を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、第２大当たりＢ〜Ｄのいずれかを決定する。

Ｓ１７０９では、大当たり図柄をセットする。この処理は、Ｓ１７０８の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄（停止図柄データ）をメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。具体的には、停止図柄データ「０３」〜「０５」のいずれかがセットされることになる。これにより、上述したＳ１６１２の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第２特別図柄表示器２０２に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。

Ｓ１７１０では、変動パターンを選択する。この処理は、Ｓ１７０９の処理で決定した大当たり図柄に基づいて第２特別図柄の次の変動からの変動パターンを選択するものである。第２特別図柄の変動パターンは、図６（Ｃ）に示したように、変動パターン１７〜１９である。ここでは、大当たり図柄が「０３」のときは変動パターン１７が選択され、大当たり図柄が「０４」のときは変動パターン１８が選択され、大当たり図柄が「０５」のときは変動パターン１９が選択される。後述するように確変遊技状態にあっては第２特別図柄の変動時間が短いほど有利となる。したがって、大当たり図柄が「０３」のときは装飾図柄の停止態様が「７，７，７」となり、大当たり図柄が「０４」のときは装飾図柄の停止態様が「１，１，１」、「３，３，３」、「５，５，５」のいずれかとなり、大当たり図柄が「０５」のときは装飾図柄の停止態様が「２，２，２」、「４，４，４」、「６，６，６」のいずれかになることが例示される。

［変動パターン選択処理］
図１８は、図１５のＳ１５０７における変動パターン選択処理の詳細を示すフローチャートである。

Ｓ１８０１では、確変遊技フラグが「ＯＮ」であるか否かを判断する。ここで確変遊技フラグが「ＯＮ」であると判断された場合（Ｓ１８０１：ＹＥＳ）、Ｓ１８０２にて確変時変動パターンを選択し、その後、変動パターン選択処理を終了する。確変時変動パターンは、図６（Ｂ）に示したように、変動パターン５〜１６となっている。この場合、変動パターン乱数に基づいて所定の割合で変動パターンを選択する。一方、確変遊技フラグが「ＯＦＦ」であると判断された場合（Ｓ１８０１：ＮＯ）、Ｓ１８０３にて通常時変動パターンを選択し、その後、変動パターン選択処理を終了する。通常時変動パターンは、図６（Ａ）に示したように、変動パターン１〜４となっている。この場合、大当たり（第１特別図柄に係る大当たり）である場合は、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。また、大当たりでない場合は、保留球数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。

なお、選択した変動パターンに係る変動パターンデータは、メインＲＡＭ３０１ｃにセットされる。変動パターンデータは、大当たり判定処理によって設定された図柄（停止図柄データ）と共に、図１５中のＳ１５０８の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

［停止中処理］
図１９は、図１５中のＳ１５１５及び図１６中のＳ１６１４における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ１９０１では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図１７のＳ１７０１の判定結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合（Ｓ１９０１：ＹＥＳ）、Ｓ１９０２にて大当たり遊技フラグを「ＯＮ」に設定し、その後、Ｓ１９０３へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合（Ｓ１９０１：ＮＯ）、Ｓ１９０６へ移行する。

Ｓ１９０３では、第１大当たりであるか否かを判断する。この判断は、大当たり種別に基づき決定される大当たり図柄に基づいて行われる。ここで第１大当たりであると判断された場合（Ｓ１９０３：ＹＥＳ）、Ｓ１９０４にて時短遊技フラグを「ＯＦＦ」とし、Ｓ１９０５にてオープニングコマンドをセットして、その後、停止中処理を終了する。これにより、第１大当たりが開始されることになる。一方、第１大当たりでないと判断された場合（Ｓ１９０３：ＮＯ）、Ｓ１９０４及びＳ１９０５の処理を実行せず、Ｓ１９０６へ移行する。

Ｓ１９０６では、第２大当たりであるか否かを判断する。この判断は、大当たり種別に基づき決定される大当たり図柄に基づいて行われる。ここで第２大当たりであると判断された場合（Ｓ１９０６：ＹＥＳ）、Ｓ１９０７にて時短遊技フラグを「ＯＦＦ」とし、Ｓ１９０８にてオープニングコマンドをセットして、その後、停止中処理を終了する。これにより、第２大当たりが開始されることになる。一方、第２大当たりでないと判断された場合（Ｓ１９０６：ＮＯ）、Ｓ１９０７及びＳ１９０８の処理を実行せず、停止中処理を終了する。

なお、オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に下入賞装置１２７ａが開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

［普通図柄処理］
図２０は、図１０のＳ１００４における普通図柄処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２００１では、補助遊技フラグが「ＯＮ」であるか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている補助遊技フラグが「ＯＮ」に設定されているか否かを判定するものである。補助遊技フラグは、開閉部材１２５が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ＯＮ」に設定され、補助遊技中でないときは「ＯＦＦ」に設定される。ここで補助遊技フラグが「ＯＮ」に設定されていると判断された場合（Ｓ２００１：ＹＥＳ）、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。この場合、Ｓ１００５の開閉部材処理へ移ることになる。一方、補助遊技フラグが「ＯＮ」でないと判断された場合（Ｓ２００１：ＮＯ）、すなわち補助遊技フラグが「ＯＦＦ」に設定されている場合には、Ｓ２００２へ移行する。

Ｓ２００２では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。この処理は、普通図柄表示器２０５における変動表示が行われているか否かを判断するものである。ここで普通図柄が変動中でないと判断された場合（Ｓ２００２：ＮＯ）、Ｓ２００３へ移行する。一方、普通図柄が変動中であると判断された場合（Ｓ２００２：ＹＥＳ）、Ｓ２０１４へ移行する。

普通図柄が変動中でない場合に移行するＳ２００３では、普通図柄判定の保留数Ｔが「１」以上であるか否かを判定する。ここで保留数Ｔが「１」以上であると判定された場合（Ｓ２００３：ＹＥＳ）、Ｓ２００４へ移行する。一方、保留数Ｔが「１」以上でないと判定された場合（Ｓ２００３：ＮＯ）、すなわち保留数Ｔが「０」である場合には、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。

Ｓ２００４では、保留数Ｔを「１」減算した値に更新する。そして、Ｓ２００５にて、当たり乱数判定処理を行う。この処理は、図１４のＳ１４０４にてメインＲＡＭ３０１ｃに記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かを判定するものである。

Ｓ２００６では、当たりであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２００５の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断するものである。ここで当たりであると判断された場合（Ｓ２００６：ＹＥＳ）、Ｓ２００７にて当たり図柄をメインＲＡＭ３０１ｃにセットし、その後、Ｓ２００９へ移行する。一方、当たりでないと判定された場合（Ｓ２００６：ＮＯ）、すなわちハズレである場合には、Ｓ２００８にてハズレ図柄をメインＲＡＭ３０１ｃにセットし、その後、Ｓ２００９へ移行する。

Ｓ２００９では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、時短遊技フラグが「ＯＮ」に設定されているか否かに基づいて、遊技機１の現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。ここで非時短遊技状態であると判定された場合（Ｓ２００９：ＹＥＳ）、Ｓ２０１０にて普通図柄変動時間を１２秒にセットし、その後、Ｓ２０１２へ移行する。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合（Ｓ２００９：ＮＯ）、すなわち時短遊技状態である場合には、普通図柄変動時間を３秒にセットし、その後、Ｓ２０１２へ移行する。普通図柄変動時間は、普通図柄表示器２０５に普通図柄を変動表示させる時間である。ここでセットされた普通図柄変動時間は、メインＲＡＭ３０１ｃに一時的に記憶される。

Ｓ２０１２では、普通図柄表示器２０５による普通図柄の変動を開始する。そして、Ｓ２０１３では、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する。
一方、普通図柄が変動中である場合に移行するＳ２０１４では、普通図柄の変動を終了させるか否かを判断する。具体的には、Ｓ２０１３の処理によって計測を開始した経過時間が、Ｓ２０１０又はＳ２０１１でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判断する。ここで普通図柄の変動を終了させると判断された場合（Ｓ２０１４：ＹＥＳ）、Ｓ２０１５にて普通図柄表示器２０５における普通図柄の変動表示を終了させ当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させて、その後、Ｓ２０１６へ移行する。一方、普通図柄の変動を終了させないと判断された場合（Ｓ２０１４：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。

Ｓ２０１６では、経過時間をリセットする。この処理は、Ｓ２０１３の処理で計測を開始した経過時間をリセットするものである。
Ｓ２０１７では、Ｓ２００６と同様、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する。ここで当たりであると判断された場合（Ｓ２０１７：ＹＥＳ）、Ｓ２０１８に補助遊技フラグを「ＯＮ」に設定し、その後、普通図柄処理を終了する。一方、当たりでないと判断された場合（Ｓ２０１７：ＮＯ）、Ｓ２０１８の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。

［開閉部材処理］
図２１は、図１０のＳ１００５における開閉部材処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２１０１では、補助遊技フラグが「ＯＮ」になっているか否かを判断する。ここで補助遊技フラグが「ＯＮ」になっていると判断された場合（Ｓ２１０１：ＹＥＳ）、Ｓ２１０２へ移行する。一方、補助遊技フラグが「ＯＮ」になっていないと判断された場合（Ｓ２１０１：ＮＯ）、すなわち補助遊技フラグが「ＯＦＦ」になっている場合には、以降の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。

Ｓ２１０２では、開閉部材１２５が動作中であるか否かを判断する。ここで開閉部材１２５が動作中であると判断された場合（Ｓ２１０２：ＹＥＳ）、Ｓ２１０７へ移行する。一方、開閉部材１２５が動作中でないと判断された場合（Ｓ２１０２：ＮＯ）、Ｓ２１０３へ移行する。

Ｓ２１０３では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。ここで非時短遊技状態であると判断された場合（Ｓ２１０３：ＹＥＳ）、Ｓ２１０４にて動作パターンをセットし、その後、Ｓ２１０６へ移行する。Ｓ２１０４では、開閉部材１２５の動作パターンとして、第２始動装置１２４を０．１秒間開放する動作を２回行う動作パターンをメインＲＡＭ３０１ｃにセットする。これにより、合計０．２秒間の開放が実現される。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合（Ｓ２１０３：ＮＯ）、すなわち時短遊技状態である場合には、Ｓ２１０５にて動作パターンをセットし、その後、Ｓ２１０６へ移行する。Ｓ２１０５では、開閉部材１２５の動作パターンとして、第２始動装置１２４を０．５秒間開放する動作を７回行う動作パターンをメインＲＡＭ３０１ｃにセットする。これにより、合計３．５秒間の開放が実現される。

Ｓ２１０６では、開閉部材１２５の動作を開始する。この処理は、Ｓ２１０４又はＳ２１０５でセットした動作パターンで、開閉部材１２５の動作を開始させるものである。
Ｓ２１０７では、動作が完了したか否かを判断する。ここで開閉部材１２５の動作が完了したと判断された場合（Ｓ２１０７：ＹＥＳ）、Ｓ２１０８にて補助遊技フラグを「ＯＦＦ」に設定し、その後、開閉部材処理を終了する。これにより、補助遊技が終了する。一方、開閉部材１２５の動作が完了していないと判断された場合（Ｓ２１０７：ＮＯ）、Ｓ２１０８の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。

［大入賞装置開放制御処理］
図２２は、図１０のステップＳ１００６における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２２０１では、大当たり遊技フラグが「ＯＮ」に設定されているか否かを判断する。ここで大当たり遊技フラグが「ＯＮ」に設定されていると判断された場合（Ｓ２２０１：ＹＥＳ）、Ｓ２２０２へ移行する。一方、大当たり遊技フラグが「ＯＮ」に設定されていないと判断された場合（Ｓ２２０１：ＮＯ）、すなわち大当たり遊技フラグが「ＯＦＦ」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ２２０２では、オープニング中であるか否かを判断する。例えばＳ１８０５の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合（Ｓ２２０２：ＹＥＳ）、Ｓ２２０３へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合（Ｓ２２０２：ＮＯ）、Ｓ２２１１へ移行する。

Ｓ２２０３では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合（Ｓ２２０３：ＹＥＳ）、Ｓ２２０４へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合（Ｓ２２０３：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ２２０４では、開放パターン設定処理を実行する。この処理は、大当たり遊技の開放パターンを設定するものである。ここでは、ラウンド遊技における開放時間をはじめ、ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル時間や、最終ラウンド終了後のエンディング時間など、大当たり遊技に関する各種時間も設定される。開放パターン設定処理の詳細については後述する。

Ｓ２２０５では、大入賞装置１２７への遊技球の入賞数Ｙを「０」としてリセットする。続くＳ２２０６では、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶される大当たり中のラウンド数Ｒを「１」加算した値に更新する。ラウンド数Ｒは、大当たり開始前は「０」に設定されており、Ｓ２２０６の処理が実行される毎に「１」加算される。

Ｓ２２０７では、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂの開放制御を開始する。続くＳ２２０８では、Ｓ２２０７の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のＳ２２０９では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。Ｓ２２０９の処理終了後、Ｓ２２１６へ移行する。

オープニング中でないと判定された場合に移行するＳ２２１１では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合（Ｓ２２１１：ＹＥＳ）、Ｓ２２２４へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合（Ｓ２２１１：ＮＯ）、Ｓ２２１２へ移行する。

Ｓ２２１２では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中（ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間）であるか否かを判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合（Ｓ２２１２：ＹＥＳ）、Ｓ２２１３へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合（Ｓ２２１２：ＮＯ）、Ｓ２２１４へ移行する。

Ｓ２２１３では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置１２７が閉塞してから、Ｓ２２０４の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合（Ｓ２２１３：ＹＥＳ）、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、Ｓ２２０６へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合（Ｓ２２１３：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ２２１４では、入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になったか否かを判断する。ここで入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になったと判断された場合（Ｓ２２１４：ＹＥＳ）、Ｓ２２１５にて入球判定処理を実行し、その後、Ｓ２２１６へ移行する。なお、入球判定処理の詳細については後述する。一方、入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になっていないと判断された場合（Ｓ２２１４：ＮＯ）、Ｓ２２１５の処理を実行せず、Ｓ２２１６へ移行する。

Ｓ２２１６では、開放動作終了か否かを判断する。この処理は、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂの当該ラウンド遊技における動作が終了したか否かを判断するものである。ここで、開放動作が終了したと判断された場合（Ｓ２２１６：ＹＥＳ）、Ｓ２２１７の処理を実行せず、Ｓ２２１８へ移行する。一方、開放動作が終了していないと判断された場合（Ｓ２２１６：ＮＯ）、Ｓ２２１７へ移行する。

Ｓ２２１７では、入賞数Ｙが入賞上限数Ｙｍａｘとなったか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Ｙが、予めメインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている大入賞装置１２７の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ｙｍａｘ（例えば「９」）と一致するか否かを判断するものである。ここでＹ＝Ｙｍａｘであると判断された場合（Ｓ２２１７：ＹＥＳ）、Ｓ２２１８へ移行する。一方、Ｙ≠Ｙｍａｘであると判断された場合（Ｓ２２１７：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ２２１８では、開放制御を終了する。これにより、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂが閉塞される。
Ｓ２２１９では、ラウンド数Ｒがラウンド上限数Ｒｍａｘとなったか否かを判断する。ここでＲ＝Ｒｍａｘであると判断された場合（Ｓ２２１９：ＹＥＳ）、Ｓ２２２１へ移行する。一方、Ｒ≠Ｒｍａｘであると判断された場合（Ｓ２２１９：ＮＯ）、Ｓ２２２０にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。Ｓ２２２０の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置１２７が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、Ｓ２２１３の処理に使用される。

Ｓ２２２１では、エンディング時間の計測を開始する。そして、Ｓ２２２２では、ラウンド数Ｒを「０」としてリセットする。さらに、Ｓ２２２３では、エンディングコマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットする。このエンディングコマンドは、上入賞装置１２７ｂの開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップＳ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。なお、エンディングコマンドには、Ｖ通過フラグの情報も含まれる。

Ｓ２２２４では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ２２２１の処理によって計測を開始したエンディング時間が、Ｓ２２０４の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合（Ｓ２２２４：ＹＥＳ）、Ｓ２２２５へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合（Ｓ２２２４：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ２２２５では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、大当たり遊技終了後の遊技機１の遊技状態を設定するものである。遊技状態設定処理の詳細については後述する。

Ｓ２２２６では大当たり遊技フラグを「ＯＦＦ」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「ＯＦＦ」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。

［開放パターン設定処理］
図２３は、図２２のＳ２２０４における開放パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２３０１では、大当たりの種類を判定する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄（停止図柄データ）に基づいて大当たりの種類を判定するものである。

Ｓ２３０２では、第１大当たりであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２３０１の判定結果に基づき、第１大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第１大当たりであると判断された場合（Ｓ２３０２：ＹＥＳ）、Ｓ２３０３へ移行する。一方、第１大当たりでないと判断された場合（Ｓ２３０２：ＮＯ）、Ｓ２３０４へ移行する。

第１大当たりであると判断された場合に移行するＳ２３０３では、開放パターン１を選択する。一方、第１大当たりでないと判断された場合に移行するＳ２３０４では、開放パターン２を選択する。ここで、本実施形態における開放パターンについて説明を加える。

［開放パターン］
最初に本実施形態における確変遊技状態への移行条件について説明する。本実施形態では、上入賞装置１２７ｂの内部に設けられたＶ領域を遊技球が通過することで、確変遊技状態へ移行する。

図２４（Ａ）は、第１大当たりのときの開放パターンを示す説明図である。第１大当たりのときは、図２４（Ａ）に示すような開放パターン１が選択される。開放パターン１では、オープニング演出に続けて１Ｒに下入賞装置１２７ａが開放される。一回の開放時間は２９．５秒である。開放時間が経過しなくとも遊技球が規定個数（本実施形態では９個）入球すると、当該ラウンド遊技は終了となる。また、２Ｒにおいて、上入賞装置１２７ｂが開放される。開放パターン１では、上入賞装置１２７ｂについては０．２秒の開放を行う。したがって、上入賞装置１２７ｂへの遊技球の入球は困難となる。このとき、最初の開放から所定数秒後（例えば、４秒後）にＶ領域が開放される。そのため、たとえ上入賞装置１２７ｂに遊技球が入球したとしてもＶ領域を通過することはない。つまり、第１大当たりは、実質１Ｒの大当たりであり、確変遊技状態に移行することはない。

図２４（Ｂ）は、第２大当たりのときの開放パターンを示す説明図である。第２大当たりのときは、図２４（Ｂ）に示すような開放パターン２が選択される。開放パターン２では、オープニング演出に続けて１Ｒに下入賞装置１２７ａが開放される。一回の開放時間は２９．５秒である。開放時間が経過しなくても遊技球が規定個数（本実施形態では９個）入球すると、当該ラウンド遊技は終了となる。また、２Ｒにおいて、上入賞装置１２７ｂが開放される。開放パターン２では、上入賞装置１２７ｂについては０．２秒の開放に続けて所定秒数後（例えば、４秒後）にロング開放がなされる。したがって、上入賞装置１２７ｂへの遊技球の入球は容易となる。このとき、最初の開放から所定数秒後（例えば、４秒後）にＶ領域も開放される。そのため、上入賞装置１２７ｂに入球した遊技球がＶ領域を通過する。つまり、第２大当たりは、２Ｒの大当たりであり、確変遊技状態に移行する。

［入球判定処理］
図２５は、図２２のＳ２２１５における入球処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のＳ２５０１では、入球数Ｙに「１」を加算して入球数Ｙを更新する。この処理は、入賞装置検出スイッチ３７１，３７２からの信号に基づき、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂへの遊技球の入球数Ｙに「１」を加算するものである。

Ｓ２５０２では、Ｖ領域を遊技球が通過したか否かを判断する。この処理は、Ｖ通過検出スイッチ３７３からの信号に基づき、遊技球がＶ領域を通過したか否かを判断するものである。ここでＶ領域を遊技球が通過したと判断された場合（Ｓ２５０２：ＹＥＳ）、Ｓ２５０３へ移行する。一方、Ｖ領域を遊技球が通過していないと判断された場合（Ｓ２５０２：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、入球判定処理を終了する。

Ｓ２５０３では、Ｖ通過フラグを「ＯＮ」にする。Ｖ通過フラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに格納される。
Ｓ２５０４ではＶ領域を閉塞し、その後、入球判定処理を終了する。

［遊技状態設定処理］
図２６は、図２２のＳ２２２５における遊技状態設定処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２６０１では、Ｖ通過フラグが「ＯＮ」であるか否かを判断する。Ｖ通過フラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに格納されており、遊技球がＶ領域を通過したときに「ＯＮ」とされる。ここでＶ通過フラグが「ＯＮ」であると判断された場合（Ｓ２６０１：ＹＥＳ）、Ｓ２６０２へ移行する。一方、Ｖ通過フラグが「ＯＮ」でないと判断された場合（Ｓ２６０１：ＮＯ）、すなわちＶ通過フラグが「ＯＦＦ」である場合には、Ｓ２６０４へ移行する。

Ｓ２６０２では、確変遊技フラグを「ＯＮ」にする。確変遊技フラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ＯＮ」とされ、非確変遊技状態となっている場合に「ＯＦＦ」とされる。

Ｓ２６０３では、時短遊技フラグを「ＯＮ」にする。時短遊技フラグは、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ＯＮ」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「ＯＦＦ」とされる。

Ｓ２６０２及びＳ２６０３の処理によって、遊技状態は、確変遊技状態かつ時短遊技状態となる。
Ｓ２６０４では、確変遊技フラグを「ＯＦＦ」にする。Ｓ２６０５では、時短遊技フラグを「ＯＦＦ」とする。

Ｓ２６０４及びＳ２６０５の処理によって、遊技状態は、非確変遊技状態かつ非時短遊技状態となる。いわゆる「通常遊技状態」となる。
[演出制御基板３２０のタイマ割込処理]
図２７を用いて、演出制御基板３２０のタイマ割込み処理の内容について説明する。図２７は、演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板３２０に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板３２０の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期（例えば２ｍｓ）毎に繰り返し実行される。また、図２７のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板３２０で行われる処理は、サブＲＯＭ３２０ｂに記憶されているプログラムに基づいて実行される。さらにまた、本発明に関係しない処理について適宜省略して示す。

電源投入を契機にして、サブＣＰＵ３２０ａは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ（例えば、サブＲＡＭ３２０ｃ）等の各ユニットの初期化等を行う。初期化が行われた後、サブＲＯＭ３２０ｂに記憶されたプログラムがサブＲＡＭ３２０ｃに読み込まれ、サブＣＰＵ３２０ａによって当該プログラムが実行される。

最初のＳ２７０１では、演出用乱数を更新する。この処理は、演出に用いる各種乱数を更新するものである。具体的には、各種乱数に「１」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「０」にリセットする。

Ｓ２７０２では、コマンド処理を実行する。この処理は、各種コマンドに基づく演出を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板３００から送信される変動開始コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、及び、エンディングコマンドである。コマンド処理に詳細については、後述する。

Ｓ２７０３では、保留関連処理を実行する。この処理は、保留コマンド等に基づく演出表示を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板３００から送信される保留コマンド、及び、復旧コマンドである。保留関連処理の詳細については後述する。

Ｓ２７０４では、送信処理を行う。この処理は、Ｓ２７０３までの処理でセットされたコマンドを画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０へ送信するものである。
［コマンド処理］
図２８は、図２７のＳ２７０２で実行されるコマンド処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２８０１では、コマンドを受信したか否かを判断する。主制御基板３００から送信されたコマンドは、演出制御基板３２０のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合（Ｓ２８０１：ＹＥＳ）、Ｓ２８０２へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合（Ｓ２８０１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。

Ｓ２８０２では、変動開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２８０１で受信したと判断されたコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判断するものである。変動開始コマンドは、図１５のＳ１５０８又は図１６のＳ１６０８でセットされる。ここで変動開始コマンドであると判断された場合（Ｓ２８０２：ＹＥＳ）、Ｓ２８０３にて変動処理を実行し、その後、コマンド処理を終了する。Ｓ２８０３の変動処理については後述する。一方、変動開始コマンドでないと判断された場合（Ｓ２８０２：ＮＯ）、Ｓ２８０４へ移行する。

Ｓ２８０４では、図柄確定コマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２８０１で受信したと判断されたコマンドが図柄確定コマンドであるか否かを判断するものである。図柄確定コマンドは、図１５のＳ１５１２又は図１６のＳ１６１１でセットされる。ここで図柄確定コマンドであると判断された場合（Ｓ２８０４：ＹＥＳ）、Ｓ２８０５へ移行する。一方、図柄確定コマンドでないと判断された場合（Ｓ２８０４：ＮＯ）、Ｓ２８０６へ移行する。

Ｓ２８０５では、図柄確定処理を実行する。図柄確定コマンドは、第１特別図柄表示器２０１又は第２特別図柄表示器２０２に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知するコマンドである。したがって、図柄確定処理では、液晶表示装置１２１に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等を行う。Ｓ２８０５の処理終了後、コマンド処理を終了する。

Ｓ２８０６では、オープニングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２８０１で受信したと判断されたコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでオープニングコマンドであると判断された場合（Ｓ２８０６：ＹＥＳ）、Ｓ２８０７へ移行する。一方、オープニングコマンドでないと判断された場合（Ｓ２８０６：ＮＯ）、Ｓ２８０８へ移行する。

Ｓ２８０７では、オープニング処理を実行する。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置１２７が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、このオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、図１９のＳ１９０５又はＳ１９０８でセットされる。Ｓ２８０７の処理終了後、コマンド処理を終了する。

Ｓ２８０８では、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２８０１で受信したと判断されたコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判断するものである。ここでラウンド開始コマンドであると判断された場合（Ｓ２８０８：ＹＥＳ）、Ｓ２８０９へ移行する。一方、ラウンド開始コマンドでないと判断された場合（Ｓ２８０８：ＮＯ）、Ｓ２８１０へ移行する。

Ｓ２８０９では、ラウンド処理を実行する。ラウンド開始コマンドは、ラウンド遊技が開始されたことを通知するコマンドであり、図２２のＳ２２０９でセットされる。
Ｓ２８１０では、エンディングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ２８０１で受信したと判断されたコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでエンディングコマンドであると判断された場合（Ｓ２８１０：ＹＥＳ）、Ｓ２８１１へ移行する。一方、エンディングコマンドでないと判断された場合（Ｓ２８１０：ＮＯ）、Ｓ２８１１の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。

Ｓ２８１１では、エンディング処理を行う。エンディングコマンドは、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂの最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、図２２のＳ２２２３でセットされる。エンディング処理の詳細については、後述する。

［変動処理］
図２９は、図２８のＳ２８０３で実行される変動処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ２９０１では、保留領域をシフトする。保留領域は、保留表示のための情報を記憶する領域であり、サブＲＡＭ３２０ｃの記憶領域の一部に用意されている。保留領域は、第１特別図柄に係る保留領域として最大保留数Ｕｍａｘ１（本実施形態では「４」）、第２特別図柄に係る保留領域として最大保留数Ｕｍａｘ２（本実施形態では「４」）の合計８つの領域からなる。

Ｓ２９０２では、演出決定処理を実行する。図２８のＳ２８０１で受信される変動開始コマンドには、上述したように「停止図柄データ」、「変動パターンデータ」、及び、「遊技状態データ」が含まれる。これにより、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機１の遊技状態を特定する。そして、第１特別図柄表示器２０１又は第２特別図柄表示器２０２における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置１２１にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置３３１からどのような音を出力するか、枠ランプ１０３をどのような発光パターンで発光させるか等を決定することになる。

Ｓ２９０３では、演出ボタン処理を実行する。この処理は、演出ボタン１２５が押下された際、演出ボタン押下指定コマンドをセットするものである。演出ボタン押下指定コマンドは、図２７中のＳ２７０４で、画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０へ送信される。これにより、画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０にて演出ボタン１２５が押下されたことが検出される。

Ｓ２９０３の処理終了後、変動処理を終了する。
［図柄変動演出］
本実施形態では、通常遊技状態と確変遊技状態とで演出内容が異なる。通常遊技状態にあっては、第１始動装置１２３への入球に基づく第１特別図柄に係る大当たり判定となるため、液晶表示装置１２１に装飾図柄を変動表示させ、リーチ演出等を行う。

一方で確変遊技状態では、第１始動装置１２３への入球に基づく第１特別図柄に係る大当たり判定と第２始動装置１２４への入球に基づく第２特別図柄に係る大当たり判定とが並行して行われる。いわゆる同時変動である。

そこで、第１特別図柄の変動及び第２特別図柄の変動に際し、特に装飾図柄を表示することなく、リーチ演出なども行わない。
［エンディング処理］
図３０は、図２８のＳ２８１１で実行されるエンディング処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、直前の大当たりに関する大当たり図柄（停止図柄データ）及びＶ通過フラグがエンディングコマンドに含めて送信されるものとする。

Ｓ３００１では、大当たりの種類が「第２大当たりＢ〜Ｄ」のいずれかであるか否かを判断する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄（停止図柄データ）に基づいて行われる。ここで第２大当たりＢ〜Ｄでのいずれかであると判断された場合（Ｓ３００１：ＹＥＳ）、Ｓ３００４にて第１エンディング処理を行い、その後、エンディング処理を終了する。一方、第２大当たりＢ〜Ｄのいずれかでないと判断された場合（Ｓ３００１：ＮＯ）、すなわち第１大当たり又は第２大当たりＡであるときには、Ｓ３００２へ移行する。

Ｓ３００２では、Ｖ通過フラグが「ＯＮ」となっているか否かを判断する。ここでＶ通過フラグが「ＯＮ」であると判断された場合（Ｓ３００２：ＹＥＳ）、Ｓ３００３にて第２エンディング処理を実行し、その後、エンディング処理を終了する。一方、Ｖ通過フラグが「ＯＮ」でないと判断された場合（Ｓ３００２：ＮＯ）、すなわちＶ通過フラグが「ＯＦＦ」である場合には、Ｓ３００５にて第３エンディング処理を実行し、その後、エンディング処理を終了する。

なお、第１〜３のエンディング処理は、演出制御基板３２０がエンディング処理指定コマンドをサブＲＡＭ３２０ｃにセットすることで、図２７中のＳ２７０４にて画像制御基板３３０及びランプ制御基板３４０へ送信される。これにより、第１〜３のエンディング処理が実現される。

［保留関連処理］
図３１は、図２７のＳ２７０３で実行される保留関連処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ３１０１では、コマンドを受信したか否かを判断する。この処理は、図２８のＳ２８０１と同様のものである。主制御基板３００から送信されたコマンドは、演出制御基板３２０のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合（Ｓ３１０１：ＹＥＳ）、Ｓ３１０２へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合（Ｓ３１０１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。

Ｓ３１０２では、保留コマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ３１０１で受信したと判断されたコマンドが保留コマンドであるか否かを判断するものである。保留コマンドは、図１２のＳ１２０９又は図１３のＳ１３０６でセットされる。ここで保留コマンドであると判断された場合（Ｓ３１０２：ＹＥＳ）、Ｓ３１０３にて保留処理を実行し、その後、保留関連処理を終了する。保留処理の詳細については後述する。一方、保留コマンドでないと判断された場合（Ｓ３１０２：ＮＯ）、Ｓ３１０４へ移行する。

Ｓ３１０４では、復旧コマンドであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ３１０１で受信したと判断されたコマンドが復旧コマンドであるか否かを判断するものである。復旧コマンドは、図８のＳ８０３で送信される。ここで復旧コマンドであると判断された場合（Ｓ３１０４：ＹＥＳ）、Ｓ３１０５へ移行する。一方、復旧コマンドでないと判断された場合（Ｓ３１０４：ＮＯ）、Ｓ３１０５の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。

Ｓ３１０５では、保留復旧処理を実行する。復旧コマンドは、上述したように、電源の遮断が起きたときに送信される。この復旧コマンドには保留情報が含まれているため、ここでは、保留情報に基づいて、保留表示などを電源遮断前の状態に戻す。Ｓ３１０５の処理実行後、保留関連処理を終了する。

［保留処理］
図３２は、図３１のＳ３１０３で実行される保留処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ３２０１では、保留コマンドを解析する。保留コマンドには、第１特別図柄に係る保留であるか第２特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」（すなわち保留数Ｕ１、Ｕ２）、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。

Ｓ３２０２では、保留時演出決定処理を実行する。保留時演出決定処理では、先読み演出などのほか、確変遊技状態にあっては、後述する時間上乗せ演出を行うか否かを決定する。

Ｓ３２０３では、保留領域にデータを格納する。この処理は、「始動装置データ」に基づいて第１特別図柄に係る保留であるか第２特別図柄に係る保留であるかを特定し、また、「保留数データ」に基づいて何番目の保留であるかを特定し、保留領域のいずれかにデータを格納するものである。格納されるデータは、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」及び変動パターンを示す「変動パターンデータ」である。

Ｓ３２０４では、保留時演出を実行する。具体的には保留時演出指定コマンドが、図２７のＳ２７０４の送信処理によって、画像制御基板３３０へ送信される。これによって、新たな保留に関する保留表示が実現される。Ｓ３２０４の処理実行後、保留処理を終了する。

［本実施形態の遊技機の特徴的処理］
本実施形態の遊技機１は、第１特別図柄及び第２特別図柄による大当たり判定を行うのであるが、第１特別図柄及び第２特別図柄を並行して変動させ（同時変動させ）、両方の図柄の大当たり判定を行うことを特徴としている。ただし、通常遊技状態にあっては、第２特別図柄判定の条件となる第２始動装置１２４への入球がないため、上記同時変動を実現するのは、確変遊技状態に移行した後となる。

［通常遊技状態の説明］
通常遊技状態とは、上述したように、「非確変遊技状態」かつ「非時短遊技状態」である。このとき遊技者は、いわゆる左打ちを行い、下第１始動装置１２３ａへ入球させる。下第１始動装置１２３ａによる第１特別図柄判定が行われ、図４（Ａ）に示したように、非確変遊技状態では、１／９９の確率で大当たりとなる。

このときは、図５（Ａ）及び（Ｂ）に示したように、８０％の確率で第１大当たりとなり、２０％の確率で第２大当たり（第２大当たりＡ）となる。
第１大当たりの際、演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａは、演出決定処理（図２９のＳ２９０２）において、下入賞装置１２７ａの開放に関する報知演出の実行を決定する。例えば画面上に「右打ち！！！」という表示を行うとともに、右打ちを指示する音声出力を行うという具合である。このときは、装飾図柄が揃う態様（例えば「２，２，２」）の表示は行わない。

第２大当たりの際、演出制御基板３２０のサブＣＰＵ３２０ａは、演出決定処理（図２９のＳ２９０２）において、大当たりとなったことを報知する演出の実行を決定する。例えば、装飾図柄が揃う態様（例えば「２，２，２」）の表示を行い、「大当たり！」の表示を行うとともに、右打ちを指示する音声出力を行うという具合である。第２大当たりである場合は、大当たり判定処理において、その後の第２特別図柄の変動パターンが設定される（図１７中のＳ１７０５）。

［確変遊技状態の説明］
確変遊技状態とは、上述したように、「確変遊技状態」かつ「時短遊技状態」である。このとき遊技者は、いわゆる右打ちを行い、上第１始動装置１２３ｂ及第２始動装置１２４へ入球させる。このとき、上第１始動装置１２３ｂは開放ハネ１２３ｃによって所定時間間隔で開放される。また、第２始動装置１２４は、開閉部材１２５によって開放される。開閉部材１２５は、ゲート１２６の通過を契機とする普通図柄判定の結果で開放される。このとき、上第１始動装置１２３ｂへ遊技球が入球すると、第１特別図柄に係る大当たり判定が行われ（図１５中のＳ１５０６）、変動パターンが選択される（Ｓ１５０７）。変動パターンは、変動パターン５〜１６のいずれかであり、３０秒〜３６０秒の範囲で決定される。これに並行して、第２始動装置１２４へ遊技球が入球すると、第２特別図柄に係る大当たり判定が行われる（図１６中のＳ１６０６）。第２特別図柄に関しては、大当たり判定処理において、変動パターンが設定される（図１７中のＳ１７１０）。

そして、第１特別図柄についても第２特別図柄についても、変動開始コマンドがセットされて（Ｓ１５０８，Ｓ１６０７）、変動表示が開始される（Ｓ１５０９，Ｓ１６０８）。このとき、第１特別図柄の変動時間は最低でも３０秒となっている。一方、第２特別図柄の変動時間は、変動パターン１７が０．５秒、変動パターン１８が１秒、変動パターン１９が３秒となっている。したがって、第１特別図柄の一変動の間に、第２特別図柄は複数変動を行うことになる。第２特別図柄の変動時間が短いほうが大当たり判定の回数が多くなり多くの遊技球を獲得できる可能性が大きくなる。そのため、変動パターン１７が選択されることが最も好ましく、次に変動パターン１８が選択されることが好ましい。

確変遊技状態から通常遊技状態へ移行するのは、第１特別図柄に係る大当たり判定において第１大当たりとなったときである。したがって、第１特別図柄の変動停止の際に当該報知を行う。なお、第１大当たりに当選したときは（図１７中のＳ１７０２：ＹＥＳ）、第１大当たりフラグが「ＯＮ」となる（Ｓ１７０５）。このように第１大当たりフラグが「ＯＮ」となっているときは第２大当たりとなっても（Ｓ１７０６：ＹＥＳ，Ｓ１７０７：ＹＥＳ）、大当たり遊技を行わない。

［具体的な演出表示例］
図３３（Ａ）は、確変遊技状態における演出表示例を示す説明図である。確変遊技状態では、液晶表示装置１２１の左上に、確変遊技状態の終了までの残り秒数が表示される。この残り秒数は、第１特別図柄の変動時間に基づくものである。すなわち第１特別図柄で第１大当たりとなった際に確変遊技状態が終了するため、第１特別図柄の変動時間に基づいて残り秒数を表示する。液晶表示装置１２１の中央には、バトル演出などの表示が行われる。このような状態で、すなわち第１特別図柄の変動中に、第２特別図柄の変動が繰り返し行われる。第２特別図柄の変動に合わせて装飾図柄の変動停止が液晶表示装置１２１の右上で行われる。例えば、変動パターン１７が選択されている場合、０．５秒間隔で判定が繰り返されるという具合である。そして、第２特別図柄で大当たりとなると、すべてが第２大当たりであるため、２Ｒ分の出玉を獲得することができる。一つのラウンド遊技が１２個賞球で９カウントである場合、１０８×２Ｒで２１６個の出玉が獲得される。

［残り秒数の上乗せ演出］
上述したように、保留処理では、保留時演出決定処理が実行されて（図３２中のＳ３２０２）、保留時演出が行われる（Ｓ３２０４）。このとき、第１特別図柄に係る保留である場合には、事前判定において選択された変動パターンに基づき、残り秒数の上乗せ演出が実行される。具体的には、保留コマンドが送信されてきたときに、保留コマンドに含まれる「始動装置データ」に基づいて第１特別図柄に係るものであるか否かを判断する。また、「停止図柄データ」に基づいて大当たりであるか否かを判断し大当たりでないと判断された場合、「変動パターンデータ」に基づいて秒数の上乗せを行う。例えば、図３３（Ａ）に示すようなバトル演出の結果を、図３３（Ｂ）に示すように「勝利」などとして報知し、その後、図３３（Ｃ）に示すように、上乗せ秒数「２４０」を表示するという具合である。

［変動パターンの選択に関する報知演出］
本実施形態の遊技機１は、確変遊技状態において第２特別図柄で大当たりとなったとき（図１７中のＳ１７０６）、大当たり図柄に基づいて第２特別図柄の変動パターンを選択する（Ｓ１７１０）。具体的には、大当たり図柄「０３」のときは変動パターン１７が選択され、大当たり図柄「０４」のときは変動パターン１８が選択され、大当たり図柄「０５」のときは変動パターン１９が選択される。０．５秒の変動時間である変動パターン１７を「鬼変動」、１秒の変動時間である変動パターン１８を「超変動」、３秒の変動時間である変動パターン１９を「激変動」とすると、図３４（Ａ）に示すようなキャラクタ表示の演出の途中で、第２特別図柄に係る大当たりとなると、図３４（Ｂ）に示すような「鬼変動」、「超変動」、「激変動」の選択演出が発生し、図３４（Ｃ）に示すように、その中の一つが選択されるという具合である。このとき、より変動時間の短い変動パターンが選択されるほど出玉の増加に期待できるため、遊技者は、選択演出にハラハラする可能性が高い。

［確変遊技状態の継続／終了処理］
本実施形態の遊技機１は、保留コマンドが送信されてきたときに、保留コマンドに含まれる「停止図柄データ」に基づいて大当たりであるか否かを判断し大当たりであると判断された場合、「変動パターンデータ」に基づく秒数の上乗せを行わない。すなわち、第１特別図柄に係る大当たりが発生したときは、その後、残り秒数の上乗せがなされなくなる。そして、図３５（Ａ）に示すように残り秒数が「０．０」となったとき、演出ボタン画像とともに「押せ！」というメッセージが表示される。ここで演出ボタン１０５を遊技者が操作することで、確変遊技状態の継続を報知する「継続」又は確変遊技状態の終了を報知する「終了」のメッセージが液晶表示装置１２１に表示される。なお、「継続」のメッセージが表示されるのは、第１特別図柄に係る大当たりの種別が「第２大当たりＡ」となっているときである。このときは、第１特別図柄判定に係る保留に基づいて秒数を設定し、確変遊技状態を継続する。一方、「終了」のメッセージが表示されるのは、第１特別図柄に係る大当たりの種別が「第１大当たり」となっているときである。このときは、その後、通常遊技状態で制御されることとなる。

＜第２実施形態＞
上記実施形態では、確変遊技状態において、第２特別図柄で大当たりとなったときに当該大当たりの種別によって第２特別図柄の変動パターンを選択する点に特徴があった。これに対し、確変遊技状態において、第２特別図柄で小当たりとなったときに当該小当たりの種別によって第２特別図柄の変動パターンを選択するようにしてもよい。

[大当たり／小当たり判定テーブル]
図３６（Ａ）及び（Ｂ）は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図３６（Ａ）は、第１特別図柄の大当り判定テーブルであり、図３６（Ｂ）は、第２特別図柄の大当り判定テーブルである。

大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「０」〜「９９」のいずれかの整数値をとり、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂ又は第２始動装置１２４への入球時に取得される。図３６（Ａ）に示す第１特別図柄の大当り判定テーブルによれば、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「３」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「３」〜「１１」の９個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。

図３６（Ｂ）に示す第２特別図柄の大当り判定テーブルも、第１特別図柄の大当たり判定テーブルと同様となっている。すなわち、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「３」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「３」〜「１１」の９個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。

図３６（Ｃ）は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当り判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「０」〜「６５５３５」のいずれかの数値として、ゲート１２６の通過時に取得される。

図４（Ｃ）に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「０」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「０」〜「６５５３４」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。

図３６（Ｄ）は、「第２特別図柄の小当たり判定」に用いられる小当たり判定テーブルを例示する説明図である。
小当たり判定テーブルも、大当たり判定テーブルと同様、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「小当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「０」〜「９９」のいずれかの整数値をとり、第２始動装置１２４への入球時に取得される。図３６（Ｄ）に示す第２特別図柄の小当り判定テーブルによれば、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「１２」のときに小当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「１２」〜「２０」の９個の数値で小当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。

大当たり乱数の乱数範囲が「０」〜「９９」であるから、非確変遊技状態のときに小当たりと判定される確率は１／９９であり、確変遊技状態のときに小当たりと判定される確率は約１０倍アップして１／１１である。なお、小当たりは第２特別図柄に係るものであるため、実質的には、第２始動装置１２４が開放される確変遊技状態のときに小当たりが発生す。

図３７は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図３７（Ａ）は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図３７（Ｂ）は、第１大当たりと第２大当たりとの割合を示す説明図であり、図３７（Ｃ）は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図３７（Ｄ）は、小当たりのときの停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。

図３７（Ａ）では、「特別図柄」の種別（遊技球が第１始動装置１２３ａ，１２３ｂ及び第２始動装置１２４のいずれに入球したか）と、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂまたは第２始動装置１２４に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「０」〜「９９」に設定されている。

図３７（Ａ）に示すように、第１特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「０」〜「７９」のいずれかであれば「第１大当たり」となり、停止図柄データが「０１」となる。

第２特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「０」〜「９９」のいずれであっても、「第２大当たり」となる。
図３７（Ｂ）に示すように、第１大当たりと第２大当たりとの割合は、第１特別図柄で大当たりとなった場合が「８０：２０」であるのに対し、第２特別図柄で大当たりとなった場合は、「０：１００」となっている。

図３７（Ｃ）に示すように、第１特別図柄においても第２特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「００」となる。
図３７（Ｄ）に示すように、第２特別図柄においては、小当たり用乱数が「０」〜「４９」のいずれかであれば、「小当たりＡ」となり、このとき、停止図柄データが「０４」となる。また、小当たり用乱数が「５０」〜「７９」のいずれかであれば、「小当たりＢ」となり、このとき、停止図柄データが「０５」となる。また、小当たり用乱数が「８０」〜「９９」のいずれかであれば、「小当たりＣ」となり、このとき、停止図柄データが「０６」となる。すなわち、小当たりＡとなる確率は５０％であり、小当たりＢとなる確率は３０％であり、小当たりＣとなる確率は２０％である。

［第１特別図柄処理］
図３８を用いて、主制御基板３００によって実行される第１特別図柄処理の詳細について説明する。図３８は、図１０のＳ１００３の特別図柄処理に含まれる第１特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ３８０１では、第１特別図柄が変動中であるか否かを判断する。ここで第１特別図柄が変動中であると判断された場合（Ｓ３８０１：ＹＥＳ）、Ｓ３８１６へ移行する。一方、第１特別図柄が変動中でないと判断された場合（Ｓ３８０１：ＮＯ）、Ｓ３８０２へ移行する。

Ｓ３８０２では、第１特別図柄の変動が途中停止中であるか否かを判断する。第１特別図柄は、第２特別図柄判定で大当たりとなると、変動途中で停止される。ここで途中停止中であると判断された場合（Ｓ３８０２：ＹＥＳ）、Ｓ３８１９へ移行する。一方、途中停止中でないと判断された場合（Ｓ３８０２：ＮＯ）、Ｓ３８０３へ移行する。

Ｓ３８０３では、保留数Ｕ１が０よりも大きいか否かを判断する。ここでＵ１＞０である場合（Ｓ３８０３：ＹＥＳ）、すなわち第１特別図柄判定に関する保留があるときには、Ｓ３８０４へ移行する。一方、Ｕ１＝０である場合（Ｓ３８０３：ＮＯ）、すなわち第１特別図柄判定に関する保留がないときには、以降の処理を実行せず、第１特別図柄処理を終了する。

Ｓ３８０４では、保留数Ｕ１から「１」を減じて、保留数Ｕ１を更新する。
Ｓ３８０５では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、Ｓ３８０４で減算した第１特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの（最も古いもの）を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。

Ｓ３８０６では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインＲＡＭ３０１ｃにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄（停止図柄データ）が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。

Ｓ３８０７では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、Ｓ３８０６における大当たり判定の判定結果、メインＲＡＭ３０１ｃにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数Ｕ１、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このＳ３８０７の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細は、第１実施形態で述べたものと同様である。

Ｓ３８０８では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、Ｓ３８０６の処理で設定した停止図柄データ、Ｓ３８０７の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデータ、遊技機１の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

Ｓ３８０９では、変動表示を開始する。この処理は、Ｓ３８０８の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第１特別図柄表示器２０１を用いて行われる。

Ｓ３８１０では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のＳ３８１１では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ３８１０における変動時間の計測開始から、Ｓ３８０７の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合（Ｓ３８１１：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第１特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合（Ｓ３８１１：ＹＥＳ）、Ｓ３８１２へ移行する。

Ｓ３８１２では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第１特別図柄表示器２０１に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。図柄確定コマンドは、Ｓ１００８における送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。これにより、液晶表示装置１２１に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。

Ｓ３８１３では、変動表示を終了する。この処理は、Ｓ３８０９の処理で開始した第１特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、Ｓ３８０６の処理で設定した停止図柄データ（大当たり図柄又はハズレ図柄）を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器２０１に停止表示させる。

Ｓ３８１４では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、Ｓ３８１０の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くＳ３８１５では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。

Ｓ３８１６へは、Ｓ３８０１で肯定判断された場合、すなわち第１特別図柄が変動中である場合に移行する。Ｓ３８１６では、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるか否かを判断する。この処理は、第２特別図柄判定で大当たりとなり大当たり遊技が行われていること、あるいは、第２特別図柄判定で小当たりとなり小当たり遊技が行われていることを判断するものである。具体的には、大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ＯＮ」となっているか否かによって判断する。ここで大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ３８１６：ＹＥＳ）、Ｓ３８１７へ移行する。一方、大当たり遊技中及び小当たり遊技中のいずれでもないと判断された場合（Ｓ３８１６：ＮＯ）、Ｓ３８１１へ移行する。

Ｓ３８１７では、第１特別図柄の変動を途中停止する。第１特別図柄の変動中に大当たり遊技が行われるのは、確変遊技状態のときである。そこで確変遊技状態にあるとき、第２特別図柄判定で大当たり又は小当たりになると、第１特別図柄の変動を停止させる。

Ｓ３８１８では、経過変動時間を記憶する。この処理は、Ｓ３８１０で計測の開始された変動時間をＲＡＭ３０１ｃに記憶するものである。
Ｓ３８１９へは、Ｓ３８０２にて肯定判断された場合、すなわち第１特別図柄の変動が停止しているときに移行する。Ｓ３８１９では、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるか否かを判断する。ここで大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ３８１９：ＹＥＳ）、第１特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中及び小当たり遊技中のいずれでもないと判断された場合（Ｓ３８１９：ＮＯ）、Ｓ３８０８からの処理を繰り返す。

［第２特別図柄処理］
図３９を用いて、主制御基板３００によって実行される第２特別図柄処理の詳細について説明する。図３９は、図１０のＳ１００３の特別図柄処理に含まれる第２特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。

Ｓ３９０１では、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるか否かを判断する。この処理は、大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ＯＮ」となっているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判断された場合（Ｓ３９０１：ＹＥＳ）、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中及び小当たり遊技中のいずれでもないと判断された場合（Ｓ３９０１：ＮＯ）、Ｓ３９０２へ移行する。

Ｓ３９０２では、第２特別図柄が変動中か否かを判断する。ここで第２特別図柄が変動中であると判断された場合（Ｓ３９０２：ＹＥＳ）、Ｓ３９１０へ移行する。一方、第２特別図柄が変動中でないと判断された場合は（Ｓ３９０２：ＮＯ）、Ｓ３９０３へ移行する。

Ｓ３９０３では、保留数Ｕ２が０よりも大きいか否かを判断する。ここでＵ２＞０である場合（Ｓ３９０３：ＹＥＳ）、すなわち第２特別図柄判定に関する保留があるときには、Ｓ３９０４へ移行する。一方、Ｕ２＝０である場合（Ｓ３９０３：ＮＯ）、すなわち第２特別図柄判定に関する保留がないときには、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。

Ｓ３９０４では、保留数Ｕ２から「１」を減じて、保留数Ｕ２を更新する。
Ｓ３９０５では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、Ｓ３９０４で減算した第２特別図柄判定の大当たり乱数、及び、大当たり用図柄乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの（最も古いもの）を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。

Ｓ３９０６では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインＲＡＭ３０１ｃにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄（停止図柄データ）が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。

Ｓ３９０７では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、Ｓ３９０６の処理で設定した停止図柄データ、予め決定されている変動パターンデータ、遊技機１の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。この変動開始コマンドは、第２特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、Ｓ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。

Ｓ３９０８では、変動表示を開始する。この処理は、Ｓ３９０７の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、第２特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この第２特別図柄の変動表示は、第２特別図柄表示器２０２を用いて行われる。

Ｓ３９０９では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のＳ３９１０では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ３９０９における変動時間の計測開始から、予め決定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合（Ｓ３９１０：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、第２特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合（Ｓ３９１０：ＹＥＳ）、Ｓ３９１１へ移行する。

Ｓ３９１１では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第２特別図柄表示器２０２に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。図柄確定コマンドは、Ｓ１００８における送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。これにより、液晶表示装置１２１に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。

Ｓ３９１２では、変動表示を終了する。この処理は、Ｓ３９０８の処理で開始した第２特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、Ｓ３９０６の処理で設定した停止図柄データ（大当たり図柄又はハズレ図柄）を、第２特別図柄を変動表示していた第２特別図柄表示器２０２に停止表示させる。

Ｓ３９１３では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、Ｓ３９０９の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くＳ３９１４では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。

［大当たり判定処理］
図４０は、図３８のＳ３８０６及び図３９のＳ３９０６における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ４００１では、大当たり判定を行う。ここで、第１始動装置１２３ａ，１２３ｂへの入球に係る大当たり判定を実行する場合、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている第１特別図柄の大当たり判定テーブル（図４（Ａ）参照）を用いる。一方、第２始動装置１２４への入球に係る大当たり判定を実行する場合、メインＲＯＭ３０１ｂに予め記憶されている第２特別図柄の大当たり判定テーブル（図４（Ｂ）参照）を用いる。なお、本実施形態では、第１特別図柄の大当たり判定テーブルも第２特別図柄の大当たり判定テーブルも共通のものとなっている。

続くＳ４００２では、第１特別図柄で大当たりしたか否かを判断する。この処理は、Ｓ４００１の判定結果に基づき、第１特別図柄での大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第１特別図柄に係る大当たりであると判断された場合（Ｓ４００２：ＹＥＳ）、Ｓ４００３へ移行する。一方、第１特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合（Ｓ４００２：ＮＯ）、Ｓ４００６へ移行する。

Ｓ４００３では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル（図５（Ａ）参照）を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、第１大当たりか第２大当たりかを決定する。

Ｓ４００４では、大当たり図柄をセットする。この処理は、Ｓ４００３の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄（停止図柄データ）をメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。具体的には、停止図柄データ「０１」又は「０２」がセットされることになる。これにより、上述したＳ１５１３の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第１特別図柄表示器２０１に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。

Ｓ４００５では、第１大当たりフラグをセットする。第１大当たりフラグは、第１特別図柄で大当たりしていることを示すフラグである。このとき、大当たりの種類が第２大当たり（停止図柄データ「０２」）であれば、次の変動からの第２特別図柄の変動パターンを設定する。具体的には、変動パターン１７〜１９のいずれかを設定するのであるが、乱数などを用いて設定してもよいし、予め定められたもの（例えば変動パターン１７）を設定するようにしてもよい。Ｓ４００５の処理終了後、大当たり判定処理を終了する。

Ｓ４００６へは、Ｓ４００２で否定判断された場合、すなわち第１特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合に移行する。Ｓ４００６では、第２特別図柄に係る大当たりであるか否かを判断する。ここで第２特別図柄に係る大当たりであると判断された場合（Ｓ４００６：ＹＥＳ）、Ｓ４００７へ移行する。一方、第２特別図柄に係る大当たりでないと判断された場合（Ｓ４００６：ＮＯ）、Ｓ４０１０へ移行する。

Ｓ４００７では、第１大当たりフラグがＯＮであるか否かを判断する。第１大当たりフラグは、第１特別図柄で大当たりとなっているときに「ＯＮ」にされる。ここで第１大当たりフラグがＯＮであると判断された場合（Ｓ４００７：ＹＥＳ）、Ｓ４０１０へ移行する。すなわち、第１特別図柄で大当たりとなっているときは、第２特別図柄での大当たりは消滅する。一方、第１大当たりフラグがＯＮでないと判断された場合（Ｓ４００７：ＮＯ）、すなわち第１大当たりフラグが「ＯＦＦ」であるときにはＳ４００８へ移行する。

Ｓ４００８では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル（図５（Ａ）参照）を用い、大当たりの種類を決定するものである。

Ｓ４００９では、大当たり図柄をセットする。この処理は、Ｓ４００８の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄（停止図柄データ）をメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。具体的には、停止図柄データ「０３」がセットされることになる。これにより、上述したＳ３９１２の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第２特別図柄表示器２０２に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。

Ｓ４０１０へは、Ｓ４００６で否定判断されたとき、Ｓ４００７で肯定判断されたときに移行する。Ｓ４０１０では、第２特別図柄で小当たりか否かを判断する。小当たりであるか否かは、小当たり判定テーブル（図３６（Ｄ）参照）を用いて判断される。ここで小当たりであると判断された場合（Ｓ４０１０：ＹＥＳ）、Ｓ４０１１へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合（Ｓ４０１０：ＮＯ）、Ｓ４０１４にてハズレ図柄をセットし、その後、大当たり判定処理を終了する。

Ｓ４０１１では、小当たりの種類を決定する。この処理は、小当たりにおける図柄決定テーブル（図３７（Ｄ）参照）を用いて小当たりの種類を決定するものである。具体的には小当たり用図柄乱数が「０」〜「４９」のときは小当たりＡとなり、「５０」〜「７９」のときは小当たりＢとなり、「８０」〜「９９」のときは小当たりＣとなる。

Ｓ４０１２では、小当たり図柄をセットする。小当たり図柄は、小当たりＡのときは「０４」となり、小当たりＢのときは「０５」となり、小当たりＣのときは「０６」となる（図３７（Ｄ）参照）。

［停止中処理］
図４１は、図３８中のＳ３８１５及び図３９中のＳ３９１４における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ４１０１では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図４０のＳ４００１の判定結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合（Ｓ４１０１：ＹＥＳ）、Ｓ４１０２にて大当たり遊技フラグを「ＯＮ」に設定し、その後、Ｓ４１０３へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合（Ｓ４１０１：ＮＯ）、Ｓ４１０９へ移行する。

Ｓ４１０３では、第１大当たりであるか否かを判断する。この判断は、大当たり種別に基づき決定される大当たり図柄に基づいて行われる。ここで第１大当たりであると判断された場合（Ｓ４１０３：ＹＥＳ）、Ｓ４１０４にて時短遊技フラグを「ＯＦＦ」とし、Ｓ４１０５にてオープニングコマンドをセットして、その後、停止中処理を終了する。これにより、第１大当たりが開始されることになる。一方、第１大当たりでないと判断された場合（Ｓ４１０３：ＮＯ）、Ｓ４１０４及びＳ４１０５の処理を実行せず、Ｓ４１０６へ移行する。

Ｓ４１０６では、第２大当たりであるか否かを判断する。この判断は、大当たり種別に基づき決定される大当たり図柄に基づいて行われる。ここで第２大当たりであると判断された場合（Ｓ４１０６：ＹＥＳ）、Ｓ４１０７にて時短遊技フラグを「ＯＦＦ」とし、Ｓ４１０８にてオープニングコマンドをセットして、その後、Ｓ４１０９へ移行する。これにより、第２大当たりが開始されることになる。一方、第２大当たりでないと判断された場合（Ｓ４１０６：ＮＯ）、Ｓ４１０７及びＳ４１０８の処理を実行せず、Ｓ４１０９へ移行する。

Ｓ４１０９では、小当たりであるか否かを判断する。この処理は、図４０のＳ４００１の判定結果に基づいて、小当たりであるか否かを判断するものである。ここで小当たりであると判断された場合（Ｓ４１０９：ＹＥＳ）、Ｓ４１１０にて小当たりフラグを「ＯＮ」とし時短遊技フラグを「ＯＦＦ」にし、Ｓ４１１１にてオープニングコマンドをセットして、その後、停止中処理を終了する。一方、小当たりでないと判断された場合（Ｓ４１０９：ＮＯ）、Ｓ４１１０及びＳ４１１１の処理を実行せず、停止中処理を終了する。

［大入賞装置開放制御処理］
図４２は、図１０のステップＳ１００６における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ４２０１では、大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ＯＮ」に設定されているか否かを判断する。ここで大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ＯＮ」に設定されていると判断された場合（Ｓ４２０１：ＹＥＳ）、Ｓ４２０２へ移行する。一方、大当たり遊技フラグ及び小当たり遊技フラグのいずれも「ＯＮ」に設定されていないと判断された場合（Ｓ４２０１：ＮＯ）、すなわち大当たり遊技フラグ及び小当たり遊技フラグが「ＯＦＦ」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ４２０２では、オープニング中であるか否かを判断する。大当たり遊技又は小当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合（Ｓ４２０２：ＹＥＳ）、Ｓ４２０３へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合（Ｓ４２０２：ＮＯ）、Ｓ４２１１へ移行する。

Ｓ４２０３では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合（Ｓ４２０３：ＹＥＳ）、Ｓ４２０４へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合（Ｓ４２０３：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ４２０４では、開放パターン設定処理を実行する。この処理は、大当たり遊技又は小当たり遊技の開放パターンを設定するものである。ここでは、ラウンド遊技における開放時間をはじめ、ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル時間や、最終ラウンド終了後のエンディング時間など、大当たり遊技に関する各種時間も設定される。開放パターン設定処理の詳細については後述する。

Ｓ４２０５では、大入賞装置１２７への遊技球の入賞数Ｙを「０」としてリセットする。続くＳ４２０６では、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶される大当たり中のラウンド数Ｒを「１」加算した値に更新する。ラウンド数Ｒは、大当たり開始前は「０」に設定されており、Ｓ４２０６の処理が実行される毎に「１」加算される。

Ｓ４２０７では、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂの開放制御を開始する。続くＳ４２０８では、Ｓ４２０７の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のＳ４２０９では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットするものである。Ｓ４２０９の処理終了後、Ｓ４２１６へ移行する。

オープニング中でないと判定された場合に移行するＳ４２１１では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合（Ｓ４２１１：ＹＥＳ）、Ｓ４２２４へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合（Ｓ４２１１：ＮＯ）、Ｓ４２１２へ移行する。

Ｓ４２１２では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中（ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間）であるか否かを判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合（Ｓ４２１２：ＹＥＳ）、Ｓ４２１３へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合（Ｓ４２１２：ＮＯ）、Ｓ４２１４へ移行する。

Ｓ４２１３では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置１２７が閉塞してから、Ｓ４２０４の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合（Ｓ４２１３：ＹＥＳ）、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、Ｓ４２０６へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合（Ｓ４２１３：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ４２１４では、入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になったか否かを判断する。ここで入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になったと判断された場合（Ｓ４２１４：ＹＥＳ）、Ｓ４２１５にて入球判定処理を実行し、その後、Ｓ４２１６へ移行する。一方、入賞装置検出スイッチ３７１，３７２が「ＯＮ」になっていないと判断された場合（Ｓ４２１４：ＮＯ）、Ｓ４２１５の処理を実行せず、Ｓ４２１６へ移行する。

Ｓ４２１６では、開放動作終了か否かを判断する。この処理は、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂの当該ラウンド遊技における動作が終了したか否かを判断するものである。ここで、開放動作が終了したと判断された場合（Ｓ４２１６：ＹＥＳ）、Ｓ４２１７の処理を実行せず、Ｓ４２１８へ移行する。一方、開放動作が終了していないと判断された場合（Ｓ４２１６：ＮＯ）、Ｓ４２１７へ移行する。

Ｓ４２１７では、入賞数Ｙが入賞上限数Ｙｍａｘとなったか否かを判断する。この処理は、メインＲＡＭ３０１ｃに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Ｙが、予めメインＲＯＭ３０１ｂに記憶されている大入賞装置１２７の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ｙｍａｘ（例えば「９」）と一致するか否かを判断するものである。ここでＹ＝Ｙｍａｘであると判断された場合（Ｓ４２１７：ＹＥＳ）、Ｓ４２１８へ移行する。一方、Ｙ≠Ｙｍａｘであると判断された場合（Ｓ４２１７：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ４２１８では、開放制御を終了する。これにより、大入賞装置１２７ａ，１２７ｂが閉塞される。
Ｓ４２１９では、ラウンド数Ｒがラウンド上限数Ｒｍａｘとなったか否かを判断する。ここでＲ＝Ｒｍａｘであると判断された場合（Ｓ４２１９：ＹＥＳ）、Ｓ４２２１へ移行する。一方、Ｒ≠Ｒｍａｘであると判断された場合（Ｓ４２１９：ＮＯ）、Ｓ４２２０にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。Ｓ４２２０の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置１２７が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、Ｓ４２１３の処理に使用される。

Ｓ４２２１では、エンディング時間の計測を開始する。そして、Ｓ４２２２では、ラウンド数Ｒを「０」としてリセットする。さらに、Ｓ４２２３では、エンディングコマンドをメインＲＡＭ３０１ｃにセットする。このエンディングコマンドは、上入賞装置１２７ｂの開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップＳ１００８の送信処理によって演出制御基板３２０に送信される。なお、エンディングコマンドには、Ｖ通過フラグの情報も含まれる。

Ｓ４２２４では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、Ｓ４２２１の処理によって計測を開始したエンディング時間が、Ｓ４２０４の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合（Ｓ４２２４：ＹＥＳ）、Ｓ４２２５へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合（Ｓ４２２４：ＮＯ）、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。

Ｓ４２２５では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、第１実施形態で述べたものと同様である。
Ｓ４２２６では大当たり遊技フラグを「ＯＦＦ」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「ＯＦＦ」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。

［開放パターン設定処理］
図４３は、図４２のＳ４２０４における開放パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。

最初のＳ４３０１では、大当たりの種類を判定する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄（停止図柄データ）に基づいて大当たりの種類を判定するものである。

Ｓ４３０２では、第１大当たりであるか否かを判断する。この処理は、Ｓ４３０１の判定結果に基づき、第１大当たりであるか否かを判断するものである。ここで第１大当たりであると判断された場合（Ｓ４３０２：ＹＥＳ）、Ｓ４３０３にて開放パターン１を選択し、その後、Ｓ４３０５へ移行する。一方、第１大当たりでないと判断された場合（Ｓ４３０２：ＮＯ）、Ｓ４３０４にて開放パターン２を選択し、その後、Ｓ４３０５へ移行する。

Ｓ４３０５では、小当たりであるか否かを判断する。ここで小当たりであると判断された場合（Ｓ４３０５：ＹＥＳ）、Ｓ４３０６にて開放パターン１を選択し、その後、開放パターン設定処理を終了する。一方、小当たりでないと判断された場合（Ｓ４３０５：ＮＯ）、Ｓ４３０６の処理を実行せず、開放パターン設定処理を終了する。

［本実施形態の遊技機１が発揮する効果］
★効果
（１）従来、第１特別図柄と第２特別図柄とで大当たり判定を行うものが一般的であるが、遊技機の中には、第１特別図柄と第２特別図柄とを並行して変動させるタイプのものがあった。いわゆる同時変動である。しかしながら、遊技の興趣を向上させるという観点では十分な構成とは言えなかった。

本実施形態では、第１特別図柄処理（図１５、図３８）及び第２特別図柄処理（図１６、図３９）を並行して実施可能となっている。
これに加え、第１実施形態では、第２特別図柄で大当たりとなったとき（図１７中のＳ１７０６：ＹＥＳ）、大当たりの種類を決定し（Ｓ１７０８）、大当たり図柄をセットして（Ｓ１７０９）、大当たり図柄に応じて次変動からの第２特別図柄の変動パターンを選択する（Ｓ１７１０）。具体的には、変動時間が０．５秒の変動パターン１７、変動時間が１秒の変動パターン１８、又は、変動時間が３秒の変動パターン１９を選択するようになっている。

また、第２実施形態では、第２特別図柄で小当たりとなったとき（図４０中のＳ４０１０）、小当たりの種類を決定し（Ｓ４０１１）、小当たり図柄をセットして（Ｓ４０１２）、小当たり図柄に応じて次変動からの第２特別図柄の変動パターンを選択する（Ｓ４０１３）。同様に、変動時間が０．５秒の変動パターン１７、変動時間が１秒の変動パターン１８、又は、変動時間が３秒の変動パターン１９を選択するようになっている。

すなわち、第１始動条件の成立に基づいて第１図柄の当たりを判定する第１判定手段と、第２始動条件の成立に基づいて第２図柄の当たりを判定する第２判定手段と、前記第１判定手段による判定結果に基づいて第１図柄を変動させて停止する第１変動手段と、前記第２判定手段による判定結果に基づいて第２図柄を変動させて停止する第２変動手段と、を備え、前記第１変動手段及び前記第２変動手段は、前記第１図柄の変動と前記第２図柄の変動とを並行して実施することが可能であり、前記第２変動手段は、前記第２判定手段により前記第２図柄の当たり（大当たり、小当たり）が判定されたことを契機に、前記第２図柄の変動開始から変動停止までの時間である第２変動時間を予め設定された複数の設定時間から選択する。

これにより、大当たり又は小当たりによって第２特別図柄の変動時間が切り替わることになり、第２特別図柄の変動時間によって獲得可能な出玉が変わってくるため、遊技の興趣を向上させることができる。

また、本実施形態では、第１特別図柄の変動開始から変動停止までの時間が３０秒〜３６０秒という具合に（図６（Ｂ））、第２特別図柄の変動時間（図６（Ｃ））に比べて長く設定されており、第１特別図柄判定の結果に応じて第２特別図柄の変動を繰り返し行う。

すなわち、前記第１変動手段及び前記第２変動手段は、前記第１図柄の変動開始から変動停止までの時間である第１変動時間に比べて前記第２変動時間のほうが短くなるように、前記第１変動時間及び前記第２変動時間を設定し、かつ、前記第１判定手段による判定結果に基づいて前記第１変動手段により前記第１図柄を変動させて停止するまでの間に、前記第２図柄の当たりの判定及び前記第２図柄の変動を繰り返し行う。

これにより、第１特別図柄の変動時間によって確変遊技状態の継続期間が決まるため、第２特別図柄の変動時間の選択が、より出玉獲得という観点から重要になってくる。その結果、上述の効果が際立つ。

以上、本発明は、上述した実施形態になんら限定されるものではなく、その技術範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
［その他の実施形態］
（イ）上記実施形態では、第１特別図柄判定の結果が「大当たり」となった場合（図１７中のＳ１７０２：ＹＥＳ、図４０中のＳ４００２：ＹＥＳ）、第１大当たりフラグを「ＯＮ」にして（Ｓ１７０５，Ｓ４００５）、第２特別図柄判定の結果が「大当たり」となっても（Ｓ１７０７：ＹＥＳ，Ｓ４００７：ＹＥＳ）、第２特別図柄に基づく大当たり遊技を実行しないようにしていた。これに対し、第１特別図柄で「大当たり」となった後も第２特別図柄に基づく大当たり遊技を実行するようにしてもよい。つまり、第１特別図柄で「大当たり」となった後、第１特別図柄の変動停止前に第２特別図柄で「大当たり」となった場合、取り決めによって、第２特別図柄での「大当たり」を実行せず消滅させるようにしてもよいし、消滅させず実行するようにしてもよい。あるいは、第１特別図柄で「大当たり」となった後、第１特別図柄の変動停止前に第２特別図柄で「大当たり」となった場合、取り決めによって、第１特別図柄での「大当たり」を実行せず消滅させるようにしてもよい。

（ロ）上記実施形態では、第１特別図柄判定の結果が「大当たり」となった場合（図１７中のＳ１７０２：ＹＥＳ，図４０中のＳ４００２：ＹＥＳ）、第１大当たりフラグを「ＯＮ」にして（Ｓ１７０５，Ｓ４００５）第１特別図柄の変動を継続しているが、第１特別図柄で「大当たり」となった際、第１特別図柄に基づく大当たり遊技を速やかに実行するようにしてもよい。例えば、第１特別図柄の変動パターンとして変動時間の短い（例えば３秒）変動パターンを用意しておいき、第１特別図柄判定に係る保留が「大当たり」となっていることを事前に判定した際、この変動パターンを選択することが考えられる。

（ハ）上記実施形態では、第１特別図柄の変動時間を第２特別図柄の変動時間よりも長いものとし（図６（Ｂ）及び（Ｃ））、第１特別図柄の変動時間に基づいて確変遊技状態を継続する構成であった。これに対し、第１特別図柄及び第２特別図柄の変動時間を同様の長さに設定してもよい。例えば、第１特別図柄判定及び第２特別図柄判定を並行して実施し、第２特別図柄判定で大当たりとなったときは第１特別図柄判定の結果に関わらず確変遊技状態を継続させ、反対に第１特別図柄判定で大当たりとなったときは第２特別図柄判定の結果に関わらず確変遊技状態を終了させるという具合である。

（ニ）上記第１実施形態では大当たりの種類に応じて、上記第２実施形態では小当たりの種類に応じて第２特別図柄の変動パターンを設定していた。これに対し、大当たり及び小当たりの両方で第２特別図柄の変動パターンを設定してもよい。また、変動回数や変動時間を契機として、第２特別図柄の変動パターンを選択するようにしてもよい。

（ホ）上記実施形態では、「右打ち」での遊技の際に一定割合で上第１始動装置１２３ｂへ遊技球が入球するように、開放／閉塞を繰り返す開閉ハネ１２３ｃを設けていた。
これに対し、「右打ち」での遊技の際に一定割合で上第１始動装置に入球するのであれば、開閉ハネ１２３ｃを設けず、下第１始動装置１２３ａと同様の形態の上第１始動装置を右側領域に設けるようにしてもよい。

（へ）上記実施形態では、第２特別図柄の変動時間を大当たり図柄又は小当たり図柄に基づいて決定するものであったため、第２始動装置スイッチ処理において、大当たり乱数及び大当たり図柄用乱数を取得することとしており（Ｓ１３０４，Ｓ１３０５）、変動パターン乱数やリーチ乱数を取得しない構成であった。これに対し、変動パターン乱数やリーチ乱数を取得するように構成しても何ら問題はない。

（ト）上記第１実施形態では、第２特別図柄判定で大当たりとなったときは大当たり図柄に基づく変動時間が設定されるのであるが、この変動時間は次に第２特別図柄で大当たりとなるまで続くものであった。また、第２特別図柄判定で小当たりとなったときは小当たり図柄に基づく変動時間が設定されるのであるが、この変動時間は次に第２特別図柄で小当たりとなるまで続くものであった。これに対し、例えば大当たり図柄に基づく変動時間は大当たり後の所定回転（例えば１０回転）まで継続するものとし、その後は、一律の変動時間が採用されるものとしてもよい。また、例えば小当たり図柄に基づく変動時間は小当たり後の所定回転（例えば１０回転）まで継続するものとし、その後は、一律の変動時間が採用されるものとしてもよい。すなわち、大当たり間及び小当たり間の複数回の変動のうち大当たり図柄や小当たり図柄に基づいて決定される変動時間をどこで採用してもよい。

（チ）上記第１実施形態では、第２特別図柄で大当たりとなった際、「鬼変動」、「超変動」、「激変動」を選択させる演出を行うこととしていた。この点、第２実施形態においても同様の演出を小当たりとなった際に行うようにしてもよい。さらにまた、どの変動パターンが選択されたかの示唆は、大当たり及び小当たりのオープニング、ラウンド中、あるいはエンディング中のどのタイミングで行ってもよい。

（リ）上記実施形態では、確変遊技状態において所定の割合で第１特別図柄の変動パターンが選択されることとした（図６（Ｂ）参照）。これに対し、確変遊技状態において第１特別図柄の保留先読みを行い、第１特別図柄で「大当たり」となっていないときは変動時間の短い変動パターンを選択するようにし、「大当たり」となっているときは変動時間の長い変動パターンを選択するようにしてもよい。「大当たり」となっていないときは変動時間が短くても確変遊技状態が終了することはないため、変動時間の長い変動パターンが連続して選択されることで現実的でないほどの確変遊技状態の継続を抑制できるためである。また、「大当たり」となっているときは８０％の確率で確変遊技状態が終了してしまうため、このロング変動の際に、第２特別図柄判定での「大当たり」を実行するようにして、出玉を獲得させるようにするのが好ましい。

（ヌ）上記実施形態では、確変遊技状態において所定の割合で第１特別図柄の変動パターンが選択されることとした（図６（Ｂ）参照）。これに対し、上述したように第１特別図柄で大当たりとなっているときと大当たりになっていないときとで、別の変動パターンが選択されるように、大当たり時のテーブルとハズレ時のテーブルとを設けるようにしてもよい。

（ル）上記第１実施形態は、大当たり図柄に基づいて第２特別図柄の変動パターンが選択されるものであった。また、上記第２実施形態は、小当たり図柄に基づいて第２特別図柄の変動パターンが選択されるものであった。これに対して、大当たり図柄及び小当たり図柄の両方で変動パターンが選択される構成としてもよい。

１…遊技機（遊技機）
１０５…演出ボタン
１２１…液晶表示装置
３００…主制御基板
３０１…ワンチップマイコン
３０１ａ…メインＣＰＵ（第１判定手段、第２判定手段、当たり遊技実行手段、第１変動手段、第２変動手段）
３０１ｂ…メインＲＯＭ
３０１ｃ…メインＲＡＭ
３２０…演出制御基板
３２０ａ…サブＣＰＵ（報知手段）
３２０ｂ…サブＲＯＭ
３２０ｃ…サブＲＡＭ

Claims

第１始動条件の成立に基づいて第１図柄の当たりを判定する第１判定手段と、
第２始動条件の成立に基づいて第２図柄の当たりを判定する第２判定手段と、
前記第１判定手段又は前記第２判定手段にて前記当たりであると判定されると、入賞装置を開閉する複数のラウンド遊技で構成される当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
前記第１判定手段による判定結果に基づいて第１図柄を変動させて停止させる第１変動手段と、
前記第２判定手段による判定結果に基づいて第２図柄を変動させて停止させる第２変動手段と、を備え、
前記第１変動手段及び前記第２変動手段は、
前記第１図柄の変動と前記第２図柄の変動とを並行して実施することが可能であり、
前記第１図柄の変動開始から変動停止までの時間である第１変動時間に比べて前記第２図柄の変動開始から変動停止までの時間である第２変動時間のほうが短くなるよう前記第１変動時間及び前記第２変動時間を設定することで、前記第１変動時間に、前記第２図柄の当たりの判定を繰り返し行うようになっており、
前記第２判定手段は、前記第２図柄の当たりとして、前記ラウンド遊技の回数が同じになっている第１当たり及び第２当たりの種別を判定し、
前記第２変動手段は、前記第２判定手段により前記第２図柄の当たりが判定されたことを契機に、前記第１当たりの場合は、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に第１特定変動時間で第２図柄を繰り返し変動させ、前記第２当たりの場合は、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に前記第１特定変動時間よりも長い第２特定変動時間で第２図柄を繰り返し変動させること
を特徴とする遊技機。
前記第２判定手段により前記第２図柄の当たりが判定されたことを契機に、前記当たり遊技実行手段による前記当たり遊技の終了後に前記第１特定変動時間及び前記第２特定変動時間のいずれで前記第２図柄が繰り返し変動させられるかを報知する報知手段をさらに備えていること

を特徴とする請求項１に記載の遊技機。