JP5915220B2 - 減圧弁 - Google Patents

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Description

この発明は、減圧弁に関する。
近年、環境に対する配慮から二酸化炭素を排出しない燃料電池車両が注目されている。この燃料電池車両は、燃料である水素を供給する燃料供給システムを備える。このシステムは、図5に示すように、燃料となる水素が貯蔵される水素タンク52と、水素及び酸素を化学反応させるスタック51と、を備える。これら水素タンク52及びスタック51間には、スタック51への水素の供給を調整するインジェクタ53と、水素タンク52及びスタック51間の圧力差を低減する高圧水素タンク用の減圧弁10とが設けられている。
減圧弁10は、図6に示すように、そのボデー11の上部に形成される筒状のシリンダ11aと、そのシリンダ11a内を上下移動可能な円柱状のピストン12と、を備える。
ピストン12は、シリンダ11aに収納された状態で、上側に開口したばね収納穴12aを有する。コイルばね13は、シリンダ11aの内頂面及びばね収納穴12aの底面間に位置することでピストン12を下側に付勢する。シリンダ11aにおけるピストン12を収容する部分が円筒部に相当する。
また、シリンダ11a内において、ピストン12に対して下側に離間する位置には区画部14が形成されている。ピストン12及び区画部14間にはインジェクタ53に接続される減圧室15が形成される。この減圧室15と、ピストン12の上側の空間(低圧側空間)との間を密閉するために、ピストン12の外周には円環状でゴム製のシール部材16が嵌め込まれている。シール部材16は、ピストン12の移動に伴いシリンダ11aの内周面を摺動することで上記密閉状態を保つ。
また、ピストン12の外周面には樹脂製で円環状のウェアリング35が嵌め込まれている。本例では、ウェアリング35は、ピストン12の軸方向に沿ってシール部材16を挟み込む位置に2つ設けられている。ピストン12がシリンダ11a内を上下移動する際には、各ウェアリング35がシリンダ11aの内周面に摺動する。これにより、ピストン12の往復移動がスムーズとなる。
区画部14の下側の空間17には水素タンク52からの水素ガスが流入する。区画部14には、貫通孔14aが形成されていて、その貫通孔14aには上下方向に延びるポペット18が挿通されている。詳しくは、ポペット18は、円柱状の本体部18aと、その本体部18aより直径の小さい円柱状の先端部18bと、これら本体部18a及び先端部18bを連結するテーパ面18cと、を有する。
貫通孔14aは、区画部14の厚さ方向において、減圧室15側からその中央まで円径が同一に形成されるとともに、その中央から下端面までその円径が徐々に大きくなるテーパ面14bが形成されている。ポペット18のテーパ面18cはそのテーパ面14bに面接触可能に形成されている。このテーパ面18cがテーパ面14bに面接触した状態において、ポペット18の先端部18bは区画部14の貫通孔14aを通じて減圧室15側に突出する。また、先端部18bの先端面にはピン20が設けられている。このピン20の上面は、ピストン12の下面に接触した状態となっている。
また、区画部14には、ピン20の外周を覆うピンプラグ19が一体で形成されている。ピストン12の下端面がピンプラグ19の上面に当接することで、ピストン12の下方向へのストロークが制限される。
上記構成において、減圧室15の圧力は、ピストン12、ピン20及びポペット18の動作を通じて一定に保たれる。
減圧室15の圧力が一定値より低い場合、ピストン12はコイルばね13の付勢力に従い下側に移動する。このピストン12の移動に伴い、ピン20ひいてはポペット18が下側に移動する。よって、ポペット18のテーパ面18cが貫通孔14aのテーパ面14bと離間する。これにより、ポペット18及び区画部14の隙間から減圧室15内へ水素ガスが流入して、減圧室15内の圧力が上昇する。
例えば、減圧室15の圧力が一定値以上となった場合、その圧力によりピストン12はコイルばね13の付勢力に抗しつつ上側に移動する。このピストン12の移動に伴い、ポペット18ひいてはピン20が上側に移動する。よって、ポペット18のテーパ面18cが貫通孔14aのテーパ面14bに面接触する。これにより、減圧室15内への水素ガスの流入が抑制されて、減圧室15内の圧力上昇が抑制される(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特に、燃料電池車両においては、高圧の水素ガスが取り扱われるため、上述した圧力制御に関わらず、減圧室15内の圧力が過度に上昇するおそれがある。このため、減圧弁10には、減圧室15内の圧力がしきい値を超えたとき、その圧力を外部に放出するリリーフ弁が設けられる(例えば、特許文献3参照。)。
特開2004−192462号公報 特開2006−164210号公報 特開2004−360491号公報
しかし、リリーフ弁は、例えば、減圧室15と連通する態様で減圧弁30のボデー11に内蔵されるため、減圧弁10のサイズは大きくなる。また、リリーフ弁の設置に伴いボデー11に減圧室15から大気へと繋がる水素ガスの流路を形成する必要がある。このため、ボデー11の加工も複雑となる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リリーフ機能を有しつつ簡易な構成にて小型化を図った減圧弁を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、シリンダ内を高圧側空間及び低圧側空間に区画し、前記低圧側空間から前記高圧側空間へ向けてコイルばねを通じて付勢され、前記高圧側空間内の圧力と付勢する力との差に応じて軸方向に往復移動するピストンと、前記ピストンの外周に嵌め込まれた状態で、前記ピストンの往復移動に伴い前記シリンダの内周面に摺動することで、前記シリンダ内における前記高圧側空間及び前記低圧側空間の間を密閉した状態で区切るシール部材と、を備えた減圧弁において、前記高圧側空間の圧力上昇に伴う前記ピストンの前記往復移動における一方向への移動を規制するとともに、前記高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、前記ピストンの押圧力により変形するストッパ部材と、前記ピストンが前記ストッパ部材を変形させて第1の所定位置に達したとき、前記高圧側空間から圧力を開放する流路を形成する流路形成手段と、を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、ストッパ部材はピストンの押圧力により変形する。これにより、シール部材及びシリンダ間に流路が形成され、この流路を通じて高圧側空間から低圧側空間へガスが流れる。よって、第1の所定値を超える圧力を抑制するリリーフ機能を減圧弁に備えることができる。本構成においては減圧弁にリリーフ弁が不要となるため、減圧弁の小型化を図ることができる。
請求項に記載の発明において、前記ストッパ部材は、前記低圧側空間に収容されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値より小さい第2の所定値未満のときは、前記ピストンと一体移動する態様で前記ピストンと当接した状態、若しくは前記ピストンと相対移動する態様で前記シリンダと当接した状態とされ、前記高圧側空間の圧力が前記第2の所定値に達したときは、当該圧力により前記ピストンが第2の所定位置まで移動することで、前記ピストン及び前記シリンダに挟まれた状態で当接する
同構成によれば、高圧側空間の圧力が第2の所定値未満の場合には、ピストンは、ストッパ部材又はシリンダと離間するため、コイルばねの付勢力と、高圧側空間の圧力に応じたピストンの押圧力とが釣り合う位置とすることができる。このように高圧側空間の圧力に応じてピストンが移動することで、高圧側空間を精度よく減圧することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の減圧弁において、前記ストッパ部材は、前記高圧側空間の圧力が前記第2の所定値に達したときに、前記ピストン及び前記シリンダに当接した状態で前記ピストンからの押圧力に抗することで、前記ピストンの往復移動における一方向の移動を規制し、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたときに、前記ピストンからの押圧力によって変形することをその要旨としている。
同構成によれば、高圧側空間の圧力が常用域(第2の所定値以下)の場合には、ストッパ部材はストッパとして機能する。この機能が発揮されることで、急激な圧力上昇により過度にピストンが移動(オーバーストローク)してコイルばねが過剰に伸縮すること、ひいてはコイルばねのへたりを抑えることができる。また、高圧側空間の圧力が常用域を大きく超えた場合(第1の所定値を超えた場合)には、ストッパ部材が変形することで高圧側空間の圧力を抑制するリリーフ機能を発揮させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記ストッパ部材は、脆性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記押圧力により破断することをその要旨としている。
同構成によれば、高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、ピストンはストッパ部材を破断させる。このため、瞬時にピストンが第1の所定位置に達する。従って、高圧側空間の圧力上昇が迅速に抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記ストッパ部材は、弾性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記ピストンを通じた前記押圧力により弾性変形することをその要旨としている。
同構成によれば、高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、ピストンはストッパ部材を弾性変形させる。そして、ピストンが第1の所定位置に達して高圧側空間の圧力上昇が抑制された後には、ストッパ部材は再びもとの状態に復帰する。従って、ストッパ部材の交換頻度を少なくすることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記流路形成手段は、前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内側面に形成され、前記円筒部の周方向において少なくとも一部が拡径された凹部であって、前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記凹部に達することでその凹形状を通じて前記高圧側空間から前記低圧側空間への流路が形成されることをその要旨としている。
同構成によれば、ピストンがストッパ部材を変形させることで第1の所定位置に達したとき、シール部材が凹部に達する。これにより、シール部材によって高圧側空間を完全に密閉できなくなって、いわゆるシール漏れが生じる。従って、高圧側空間内における過度の圧力上昇が抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記流路形成手段は、前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内側面に形成され、前記円筒部の周方向における少なくとも一部を縮径する突部であって、前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記突部に達することで形成される前記シール部材及び前記シリンダ間の隙間を通じて前記高圧側空間から前記低圧側空間への流路が形成されることをその要旨としている。
同構成によれば、ピストンがストッパ部材を変形させることで第1の所定位置に達したとき、シール部材が突部に達する。これにより、シール部材によって高圧側空間を完全に密閉できなくなって、いわゆるシール漏れが生じる。従って、高圧側空間内における過度の圧力上昇が抑制される。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の減圧弁において、前記流路形成手段は、前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内部から前記減圧弁の外部へと貫通する貫通孔であって、前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記貫通孔に達することで前記貫通孔を通じて前記高圧側空間から前記減圧弁の外部への流路が形成されることをその要旨としている。
同構成によれば、ピストンがストッパ部材を変形させることで第1の所定位置に達したとき、シール部材が貫通孔に達する。これにより、シール部材によって高圧側空間を完全に密閉できなくなって、貫通孔を通じてシール漏れが生じる。従って、高圧側空間内における過度の圧力上昇が抑制される。
請求項8に記載の発明は、シリンダ内を高圧側空間及び低圧側空間に区画し、前記低圧側空間から前記高圧側空間へ向けてコイルばねを通じて付勢され、前記高圧側空間内の圧力と付勢する力との差に応じて軸方向に往復移動するピストンと、前記ピストンの外周に嵌め込まれた状態で、前記ピストンの往復移動に伴い前記シリンダの内周面に摺動することで、前記シリンダ内における前記高圧側空間及び前記低圧側空間の間を密閉した状態で区切るシール部材と、を備えた減圧弁において、前記高圧側空間の圧力上昇に伴う前記ピストンの前記往復移動における一方向への移動を規制するとともに、前記高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、前記ピストンの押圧力により変形するストッパ部材と、前記ピストンが前記ストッパ部材を変形させて第1の所定位置に達したとき、前記高圧側空間から圧力を開放する流路を形成する流路形成手段と、を備え、前記ストッパ部材は、脆性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記押圧力により破断することをその要旨としている。
本発明によれば、リリーフ機能を有しつつ簡易な構成にて小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態における減圧弁の断面図。 本発明の一実施形態における(a)〜(c)は減圧弁の断面図。 他の実施形態における(a)及び(b)は減圧弁の部分拡大断面図。 他の実施形態におけるストッパ部材の斜視図。 背景技術及び本発明の一実施形態における燃料電池車両の燃料供給システムの構成を示したブロック図。 背景技術における減圧弁の断面図。
以下、本発明にかかる減圧弁を燃料電池車両の燃料供給システムに具体化した第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態の燃料供給システムは、上記背景技術における図5と同様の構成を有している。従って、ここでの燃料供給システムの構成の説明を割愛し、そのシステムにおける減圧弁30について説明する。
図1に示すように、減圧弁30は、シリンダ11aと、ピストン12と、コイルばね13と、ストッパ部材21と、ウェアリング35と、シール部材16と、区画部14と、ピンプラグ19と、ピン20と、ポペット18と、を備える。ピストン12、コイルばね13、区画部14、ピンプラグ19、ピン20及びポペット18は上記背景技術と同様の構成であるため説明を割愛する。以下、上記背景技術との相違点及び上記背景技術において説明していなかった点を中心に説明する。
シリンダ11aの内頂面には円環状の対応部22が形成されている。この対応部22の下面22aは、ピストン12の軸方向においてピストン12の上端面12bに対向している。この対応部22の下面22a及びピストン12の上端面12b間にはストッパ部材21が設けられている。
ストッパ部材21は、セラミック又はガラス等の脆性材料からなる。また、ストッパ部材21は、円環状で、かつ断面略Z字状に形成されるとともに、その一端が対応部22の下面22aに固定され、その他端が固定されておらずピストン12の上下移動に伴いピストン12の上端面12bに接離する。ストッパ部材21は、減圧室15内の圧力がしきい値(第1の所定値)を超えたときにピストン12を通じた押圧力により破断するように設計されている。このしきい値は、減圧弁30やインジェクタ53などの耐圧範囲を基準に設定されている。この減圧室15が高圧側空間に相当し、シール部材16を通じて減圧室15と仕切られたピストン12の上側の空間が低圧側空間に相当する。また、上記押圧力は、高圧側空間の圧力に応じて、ピストン12を低圧側空間の方向へ移動させる力である。
図1の円中に拡大して示すように、シリンダ11aにおけるピストン12の外周面に対応する部分の内周面には円環状のリーク溝26が形成されている。このリーク溝26は流路形成手段及び凹部に相当する。ストッパ部材21が破断していない通常時には、シール部材16は、リーク溝26に対して下側に位置している。この状態においては、シール部材16がシリンダ11aの内周面及びピストン12の外周面に接することで減圧室15を密閉する。
次に、減圧弁30の作用について説明する。
減圧室15の圧力が一定値(第2の所定値)より低くなった場合、ピストン12はコイルばね13の付勢力に従い下側に移動する。ピストン12の下端面がピンプラグ19の上面に当接することで、ピストン12の下方向へのストロークが制限される。このとき、ピストン12の上端面12bは、ストッパ部材21と離間する。このピストン12の移動に伴い、ピン20ひいてはポペット18が下側に移動する。従って、ポペット18のテーパ面18cが貫通孔14aのテーパ面14bと離間して減圧室15内へ水素ガスが流入する。よって、減圧室15内の圧力が上昇する。
減圧室15の圧力が一定値以上となった場合、その圧力によりピストン12はコイルばね13の付勢力に抗して上側に移動する。このピストン12の移動に伴い、ピン20ひいてはポペット18が上側に移動する。そして、ピストン12の上端面12bがストッパ部材21に接触することで、ピストン12の上方向へのストロークが制限される。ピストン12はストッパ部材21に接触したとき第2の所定位置にある。このときストッパ部材21に押圧力が加わるものの変形及び破断しない。この状態においては、ポペット18のテーパ面18cが貫通孔14aのテーパ面14bに接触して、減圧室15内への水素ガスの流入が抑制される。よって、減圧室15内の圧力上昇が抑制される。
ところが、上記のように減圧室15内の圧力上昇が抑制された場合であっても、異常な高温下にさらされるような状況では、減圧室15の圧力が上記一定値より大きく超えるおそれがある。この場合、図2(b)に示すように、ストッパ部材21はピストン12による押圧力により破断する。これにより、図2(a)に示すように、ピストン12がオーバーストローク、すなわち図1の位置からさらに上方向に移動して特定の位置(第1の所定位置)に至る。ピストン12が特定の位置にあるとき、ピストン12の下端面がピン20の上面に対して離間する。また、図2(c)に示すように、ピストン12が特定の位置にあるとき、シール部材16がリーク溝26に対応した位置となる。この状態においては、シール部材16とシリンダ11aとの間に隙間(すなわち、リーク溝26)が生じる。よって、シール部材16によって減圧室15を完全に密閉できなくなる、いわゆるシール漏れが生じることで、同図の一点鎖線で示すように、シール部材16及びリーク溝26間を通じて水素ガスがピストン12の上側の空間(低圧側空間)に漏れる。よって、減圧室15内における過度の圧力上昇が抑制される。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)減圧室15の圧力がしきい値を超えたとき、ピストン12がストッパ部材21を変形(本例では破断の概念も含む)させることで特定の位置に達する。ピストン12が特定の位置になると、シール部材16がリーク溝26に達する。これにより、シール部材16によって減圧室15を完全に密閉できなくなって、いわゆるシール漏れが生じる。従って、減圧室15内における過度の圧力上昇が抑制される。よって、減圧室15がしきい値以上の圧力となったとき、その圧力を低下させるリリーフ機能を減圧弁30に備えることができる。本構成においては、減圧弁30に上記背景技術で説明したリリーフ弁を設けることが不要となるため、減圧弁30の小型化を図ることができる。また、ボデー11の加工も不要である。
(2)減圧室15の圧力がしきい値を超えたとき、ピストン12はストッパ部材21を破断させる。このため、瞬時にピストン12が特定の位置に達する。従って、減圧室15の圧力上昇が迅速に抑制される。
また、特に、ストッパ部材21が断面Z字状に形成されることで、応力を一部に集中させることで破断しやすくできる。また、ストッパ部材21の破断後におけるピストン12の上方向へのオーバーストローク量を大きくできる。
(3)ピストン12が特定の位置になると、シール部材16がリーク溝26に達してリーク溝26が水素ガスの流路となる。このとき、シール部材16には傷が付きづらい。よって、ストッパ部材21を新しいものに交換すれば、シール部材16を再利用することもできる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、減圧室15内の圧力がしきい値を超えたとき、リーク溝26を通じたシール漏れにより減圧室15内の過度の圧力上昇が抑制されていた。しかし、減圧室15内の圧力がしきい値を超えたとき、シール漏れを生じさせることができれば、例えば、リーク溝26に代えて、図3(a)に示すように、リーク突部40を設けてもよい。本構成において、ストッパ部材21が破断すると、ピストン12が上方向に移動することで、シール部材16がリーク突部40上を摺動して、同図の二点鎖線で示された位置となる。これにより、リーク突部40がシール部材16の一部をシリンダ11aの内側面から離間させることで、又はシール部材16の一部を傷付けることで、シール部材16及びシリンダ11aに隙間が生じてシール漏れを生じさせることができる。換言すると、リーク突部40は、その上をシール部材16が通過することで、上記過度の圧力上昇を抑制できる程度のシール漏れが生じるように、その大きさ及び形状、並びに数を設定する。
また、リーク突部40を通じて、シール部材16及びシリンダ11a間に隙間が生じれば、シール部材16を傷つけない構成であってもよい。
また、リーク溝26に代えて、ボデー11のリーク溝26(その下端)に相当する位置から上側の部分の内周径をその位置から下側の部分の内周径より大きくしてもよい。本構成においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
さらに、図3(b)に示すように、流路形成手段としてシリンダ11aに貫通孔44を形成してもよい。この貫通孔44は、ピストン12の軸方向に直交する方向(図中左右方向)に延出するとともに、シリンダ11aの内部及び外部を連通する。本構成によれば、ピストン12がストッパ部材21を変形させたとき、シール部材16が貫通孔44に達する。これにより、減圧室15内の水素ガスが貫通孔44を通じて外部に漏れる。従って、減圧室15内における過度の圧力上昇が抑制される。
・上記実施形態においては、ストッパ部材21は、ピストン12を通じた押圧力が増加してもほとんど弾性変形せずに破断する脆性材料であったが、ピストン12が特定の位置に達したときに破断せずに、弾性変形するゴムなどの弾性材料、若しくは塑性変形する金属などの塑性材料で形成してもよい。
例えば、塑性材料でストッパ部材21を形成した場合、減圧室15内の圧力がしきい値を超えたとき、ストッパ部材21が塑性変形することで、シール部材16がリーク溝26に対応した位置となる。よって、上記実施形態と同様に、シール漏れを通じて、減圧室15内の過度の圧力上昇が抑制される。また、弾性材料でストッパ部材21を形成した場合には、ストッパ部材21が弾性変形することで、シール部材16がリーク溝26に対応した位置となる。弾性材料の場合には、押圧力がなくなれば再びストッパ部材21がもとの形状に戻るため、ストッパ部材21の交換頻度を少なくできる。
・上記実施形態においては、ストッパ部材21は断面略Z字状に形成されていたが、断面形状はこれに限らず、例えば、ストッパ部材をS字状、断面多角形状又は断面円状に形成してもよい。また、ストッパ部材21の断面形状において破断させる部位のみを薄く形成したり、その部位に切欠きを形成したりしてもよい。これにより、ストッパ部材21を決まった位置にて破断させることができる。
また、図4に示すように、ストッパ部材45を円環状に形成し、その厚さ方向に複数の貫通孔45aを形成してもよい。本例では貫通孔45aは菱形に形成されている。このように、ストッパ部材45に複数の貫通孔45aを形成することで、ストッパ部材45が弾性材料の場合にはその弾性変形を容易とすることができる。また、ストッパ部材45が脆性材料の場合には、貫通孔45aの数又は大きさを通じてストッパ部材45の破断強さを任意に設定することができる。貫通孔45aの形状は菱形に限らず、その他多角形形状又は円形等であってもよい。また、上記実施形態におけるストッパ部材21に貫通孔45aを形成してもよい。
・上記実施形態におけるリーク溝26の形状及び大きさは適宜変更可能である。例えば、上記実施形態においては、リーク溝26はシリンダ11aの内周の全周に亘って形成されていたが、その一部のみに形成されていてもよい。
・上記実施形態においては、減圧弁30は燃料電池車両の燃料供給システムに適用されていた。しかし、減圧弁30をその他減圧が必要な構成に適用してもよい。
・上記実施形態においては、ストッパ部材21はピストン12による押圧力により破断していたが、ピストン12による引張り力(負の押圧力)により破断してもよい。この場合、例えば、ストッパ部材21及び対応部22をピストン12の下面側に設け、ストッパ部材21の両端が対応部22及びピストン12の下面に固定される構成が考えられる。
11…ボデー、11a…シリンダ、12…ピストン、12a…ばね収納穴、12b…上端面、13…コイルばね、14…区画部、15…減圧室、16…シール部材、18…ポペット、20…ピン、21,45…ストッパ部材、26…流路形成手段としてのリーク溝、30…減圧弁、35…ウェアリング、40…リーク突部。

Claims (8)

  1. シリンダ内を高圧側空間及び低圧側空間に区画し、前記低圧側空間から前記高圧側空間へ向けてコイルばねを通じて付勢され、前記高圧側空間内の圧力と付勢する力との差に応じて軸方向に往復移動するピストンと、
    前記ピストンの外周に嵌め込まれた状態で、前記ピストンの往復移動に伴い前記シリンダの内周面に摺動することで、前記シリンダ内における前記高圧側空間及び前記低圧側空間の間を密閉した状態で区切るシール部材と、を備えた減圧弁において、
    前記高圧側空間の圧力上昇に伴う前記ピストンの前記往復移動における一方向への移動を規制するとともに、前記高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、前記ピストンの押圧力により変形するストッパ部材と、
    前記ピストンが前記ストッパ部材を変形させて第1の所定位置に達したとき、前記高圧側空間から圧力を開放する流路を形成する流路形成手段と、を備え
    前記ストッパ部材は、前記低圧側空間に収容されるとともに、
    前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値より小さい第2の所定値未満のときは、前記ピストンと一体移動する態様で前記ピストンと当接した状態、若しくは前記ピストンと相対移動する態様で前記シリンダと当接した状態とされ、
    前記高圧側空間の圧力が前記第2の所定値に達したときは、当該圧力により前記ピストンが第2の所定位置まで移動することで、前記ピストン及び前記シリンダに挟まれた状態で当接する、ことを特徴とする減圧弁。
  2. 請求項に記載の減圧弁において、
    前記ストッパ部材は、
    前記高圧側空間の圧力が前記第2の所定値に達したときに、前記ピストン及び前記シリンダに当接した状態で前記ピストンからの押圧力に抗することで、前記ピストンの往復移動における一方向の移動を規制し、
    前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたときに、前記ピストンからの押圧力によって変形する、ことを特徴とする減圧弁。
  3. 請求項1又は2に記載の減圧弁において、
    前記ストッパ部材は、脆性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記押圧力により破断することを特徴とする減圧弁。
  4. 請求項1又は2に記載の減圧弁において、
    前記ストッパ部材は、弾性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記ピストンを通じた前記押圧力により弾性変形することを特徴とする減圧弁。
  5. 請求項1又は2に記載の減圧弁において、
    前記流路形成手段は、前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内側面に形成され、前記円筒部の周方向において少なくとも一部が拡径された凹部であって、
    前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記凹部に達することでその凹形状を通じて前記高圧側空間から前記低圧側空間への流路が形成されることを特徴とする減圧弁。
  6. 請求項1又は2に記載の減圧弁において、
    前記流路形成手段は、前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内側面に形成され、前記円筒部の周方向における少なくとも一部を縮径する突部であって、
    前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記突部に達することで形成される前記シール部材及び前記シリンダ間の隙間を通じて前記高圧側空間から前記低圧側空間への流路が形成されることを特徴とする減圧弁。
  7. 請求項1又は2に記載の減圧弁において、
    前記流路形成手段は、
    前記シリンダの一部として前記ピストンを収容する円筒部の内部から前記減圧弁の外部へと貫通する貫通孔であって、
    前記ピストンが前記第1の所定位置に達したとき、前記シール部材が前記貫通孔に達することで前記貫通孔を通じて前記高圧側空間から前記減圧弁の外部への流路が形成されることを特徴とする減圧弁。
  8. シリンダ内を高圧側空間及び低圧側空間に区画し、前記低圧側空間から前記高圧側空間へ向けてコイルばねを通じて付勢され、前記高圧側空間内の圧力と付勢する力との差に応じて軸方向に往復移動するピストンと、
    前記ピストンの外周に嵌め込まれた状態で、前記ピストンの往復移動に伴い前記シリンダの内周面に摺動することで、前記シリンダ内における前記高圧側空間及び前記低圧側空間の間を密閉した状態で区切るシール部材と、を備えた減圧弁において、
    前記高圧側空間の圧力上昇に伴う前記ピストンの前記往復移動における一方向への移動を規制するとともに、前記高圧側空間の圧力が第1の所定値を超えたとき、前記ピストンの押圧力により変形するストッパ部材と、
    前記ピストンが前記ストッパ部材を変形させて第1の所定位置に達したとき、前記高圧側空間から圧力を開放する流路を形成する流路形成手段と、を備え
    前記ストッパ部材は、脆性材料で形成されるとともに、前記高圧側空間の圧力が前記第1の所定値を超えたとき前記押圧力により破断することを特徴とする減圧弁。
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