JP5913953B2 - 樹脂ホース、およびその製造方法 - Google Patents

樹脂ホース、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5913953B2
JP5913953B2 JP2011274109A JP2011274109A JP5913953B2 JP 5913953 B2 JP5913953 B2 JP 5913953B2 JP 2011274109 A JP2011274109 A JP 2011274109A JP 2011274109 A JP2011274109 A JP 2011274109A JP 5913953 B2 JP5913953 B2 JP 5913953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
resin hose
hose
outer cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011274109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013124726A (ja
Inventor
康 水村
康 水村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2011274109A priority Critical patent/JP5913953B2/ja
Publication of JP2013124726A publication Critical patent/JP2013124726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5913953B2 publication Critical patent/JP5913953B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ポリアミド樹脂等の樹脂層を有する樹脂ホースに関し、特に外傷防止層を備える樹脂ホースに関する。
従来から、樹脂ホースは、液体、気体、紛体等の輸送、及び各種の油圧又は水圧、空気圧機器等に用いられる高圧ホース等として使用されている。水圧機器として、特に、ノズルから高圧水を噴射するウォータージェット装置は、近年、各種洗浄、バリ取り、樹脂加工、金属加工、及びハツリ(コンクリート表面粗し)作業等の建築・土木工事等、多くの産業分野で使用されている。ウォータージェット装置には、高圧力発生装置とノズルの間に柔軟性を有する超高圧ホースが用いられる。超高圧ホースとしては、例えば流体と接する樹脂製の内管の表面に、補強層として金属製のワイヤを巻き付け、その外側を被覆する樹脂製の外被層が設けられたものが使用される(特許文献1)。
上記のような樹脂ホースは、その用途及び作業環境によっては、長尺で用いられ、ホースを引き摺る場合がある。特に屋外使用の場合は、ホースが引き摺られることでホース外被層が摩耗により損傷し補強層が露出してしまう場合がある。補強層が露出すると、金属製ワイヤに錆が発生し、強度が低下する場合があるため使用できなくなる。
従って、このような樹脂ホースを用いる場合、外被層の外周に塩化ビニル樹脂製等の保護層を押し出し加工により設けたり、特許文献2に記載の塩化ビニル樹脂等からなる耐摩耗性ホースに上記樹脂ホースを挿入したりして外被層の外傷防止を図っている。また、樹脂ホースに装置やノズルと接続するための口金具を加締めた後、外装ブレードや樹脂製プラマー等の保護材を用いて、外被層を保護する場合もある。
特開平11−230432号公報 特開2000−240858号公報
しかしながら、上述のような樹脂ホースの外被層の外周に塩化ビニル樹脂製等の保護層を設ける場合、外傷防止効果を得るためには、保護層の肉厚を厚くする必要があるため(例えば、厚さ1.0mm以上)、ホース重量の大幅な増加やホースの取り回し難さが問題となる。更に、樹脂ホースに接続用の口金具を加締める場合に、口金具を十分に固定するために補強層まで口金具の固定部を食い込ませるため保護層を除去する場合があり、肉厚が厚い保護層は除去処理し難いという問題もある。
ホース重量の増加や取り回し難さの問題は、耐摩耗性ホースに樹脂ホースを挿入する場合や、外装ブレードや樹脂製プラマー等の保護材を用いる場合も同様である。また、耐摩耗性ホースに挿入したり、保護材を用いたりする場合は、その加工も煩雑であり、更に樹脂ホースを製造後に透明性が低い素材で外被層を覆うことになるため、外被層に印字された製品番号や製品識別のための外被層の色等の視認性が低くなり、耐圧等の使用条件が不明確になる恐れが生じる。
従って、本発明の目的は、外被層の外傷を防止する機能を備えた樹脂ホースであって、ホースの重量が大きく増加せず、取り回し易く、接続用の口金具の加締め処理がし易く、且つホース外被の印字や色の視認性が高い樹脂ホースを提供することにある。
また、本発明の目的は、この樹脂ホースを製造する方法を提供することにある。
上記目的は、内管及び熱可塑性樹脂からなる外被層を備える樹脂ホースであって、外被層の外周に、フッ素樹脂からなる外傷防止層を有し、前記内管は単層構造であり、前記内管を形成する材料が、ポリアミド樹脂、ポリケトン樹脂及びエチレンビニルアルコール共重合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記内管と前記外被層との間に、金属ワイヤ製の補強層を備えることを特徴とする樹脂ホースによって達成される。
フッ素樹脂からなる樹脂層は摩擦係数が0.1程度と低く、耐摩耗性に優れるため、樹脂ホースを引き摺る際に生じる外被層の摩耗による損傷を防止することができる。本発明における外傷防止層は、厚い肉厚の保護層で外傷を防止する場合と比較して、層厚を薄くすることができるため、ホース重量の増加を抑えられ、取り回し易いホースとすることができる。また、外傷防止層は、層厚を薄くすることができるため、接続用の口金具を加締める際に、外傷防止層を除去しなくても十分な固定が可能とであり、より十分に固定するために外傷防止層を除去する場合でも除去し易く、加締め処理が容易になる。更に、外傷防止層は層厚を薄くすることで透明性を高くすることができるため、製品識別のための外被層の色等の視認性を確保することができる。また、本発明の樹脂ホースは外被層の外傷が防止されているので、外被層の内側に、外被層が損傷した場合に錆による劣化が問題となる金属ワイヤ製の補強層を有する樹脂ホースに好適である。
本発明に係わる樹脂ホースの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記外被層の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂を含む。ポリアミド樹脂はフッ素樹脂との接着性を高くすることができ、外被層と外傷防止層とが十分接着することで、外傷防止層の剥離等が生じることを防止し、より高い外傷防止効果を得ることができる。
(2)前記外傷防止層のフッ素樹脂が、反応性基を有するフッ素原子含有エチレン性重合体を含む。これにより、更に外被層と外傷防止層の接着性を高くすることができ、より高い外傷防止効果を得ることができる。
(3)前記外傷防止層の層厚が、0.1〜0.5mmである。外傷防止層の層厚をこの範囲とすることで、よりホース重量の増加を抑え、取り回し易く、口金具の加締め処理が容易であり、且つ外傷防止層の透明性が高く、外被層の色等の視認性が確保された樹脂ホースとすることができる。更にコスト的にも有利である。
(4)最高使用圧力が、50MPa以上の超高圧樹脂ホースである。本発明の樹脂ホースは、特に外被層の損傷が問題となる超高圧樹脂ホースに好適である。
また、上記目的は、本発明の樹脂ホースを製造する方法であって、前記外被層を形成する熱可塑性樹脂組成物と、前記外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物とを共押し出しすることにより前記外被層及び外傷防止層を成形する工程、又は
前記外被層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押し出して外被層を成形した後、外被層が冷却硬化する前に当該外被層上に前記外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物を押し出しすることにより外傷防止層を成形する工程
を含む樹脂ホースの製造方法によって達成される。
外被層と外傷防止層とを共押し出し成形等することで、より十分に両層を接着させることができ、より高い外傷防止効果を有する外傷防止層を備えた樹脂ホースを製造することができる。
本発明の樹脂ホースは、熱可塑性樹脂からなる外被層の外周に、摩擦係数の低いフッ素樹脂からなる外傷防止層を有するので、樹脂ホースを引き摺る際に生じる外被層の摩耗による損傷が防止されている。また、前記外傷防止層は、従来の外被層の保護方法に比べて、薄い層とすることができるため、本発明の樹脂ホースは、ホース重量の増加が抑えられており、取り回しが容易で、口金具の加締め処理がし易く、外被層の色等の視認性が確保された樹脂ホースであるということができる。
本発明の樹脂ホースの代表的な一例を示す一部切欠き概略斜視図である。 本発明の樹脂ホースの実施例を説明するための一部切欠き概略斜視図である。
以下に、本発明の樹脂ホースの実施形態について図面を参照にしながら説明する。図1は、本発明の樹脂ホースの代表的な一例を示す一部切欠き概略斜視図である。
図1において、樹脂ホース10は、内管11、その周囲に設けられた繊維を含む補強層12、その周囲を覆う熱可塑性樹脂からなる外被層13を備え、更に外被層13の外周にフッ素樹脂からなる外傷防止層14を有している。内管11はどのような材料で形成されていても良く、用途に応じで選定することができる。補強層12は用途によっては設けられていなくても良い。
フッ素樹脂からなる外傷防止層14の摩擦係数は0.1程度と低いため、樹脂ホース10を引き摺った場合でも、外傷防止層14は、摩擦による損傷を受け難くなっている。従来の外被層の保護方法は、上述のように塩化ビニル樹脂等の厚い肉厚の保護層や、外装用塩化ビニル管等により、ホースを引き摺る際の摩擦による損傷が生じても、外被層まで達しないように保護する方法であった。本発明においては、樹脂ホースの外被層13の外周に摩擦を低減する外傷防止層14を設けることで、摩擦による損傷そのものの発生を抑制するものである。従って、厚い肉厚で外被層の外傷を防止する保護層と比較して、外傷防止層14は薄い層厚で外傷防止機能を発揮することができる。これにより、本発明の樹脂ホース10は、従来の樹脂ホースの場合と比較して重量の増加が抑えられ、取り回しし易いホースとすることができる。
また、各種装置との接続用の口金具を加締める際に、口金具を十分に固定するためには補強層まで口金具の固定部(歯状)を食い込ませる必要がある。塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂層までで固定部が止まっていると、熱等で保護層が軟化した場合に口金具の脱落が生じる場合があるためである。そこで、塩化ビニル樹脂等の厚い肉厚の保護層が設けられている場合は、口金具を加締める際に保護層を除去する必要がある。本発明においては、外傷防止層14の層厚を薄くすることができるため、外傷防止層14を除去しなくても口金具の固定部を補強層12まで食い込ませることができ、十分な固定が可能となり、必要に応じて、外傷防止層14を除去する場合でも除去が容易である。
更に、外傷防止層14の層厚を薄くすることで、透明性を高くすることができるため、従来の外被層の保護方法では、ホースの使用時に確認できなくなっていた外被層13に印字された製品番号や、製品識別のための外被層13の色等の視認性を確保することができる。
外被層13を形成する熱可塑性樹脂はどのようなものでも良いが、外傷防止層14が外被層13から剥離すると、損傷して外傷防止機能を発揮できなくなる場合があるため、外傷防止層14と外被層13とは十分に接着していることが好ましい。フッ素樹脂との接着性を高くするためには、外被層13の熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含むことが好ましい。これにより外被層と外傷防止層とが十分に接着し、外傷防止層の剥離等による損傷が生じることを防止し、より高い外傷防止効果を得ることができる。ポリアミド樹脂は、分子内にアミド結合の繰り返し単位を含む高分子であり、例えば、アミド結合の大部分が脂肪族、脂環族構造と結合しているナイロン樹脂等を挙げることができる。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン66/12、ナイロン46、メタキシリレンジアミン・アジピン酸の重合体及びこれらの混合物を挙げることができる。また、本発明において、ポリアミド樹脂は、一部にアミド結合の繰り返し単位を有しない構造がブロック又はグラフト結合されているものでも良い。これらの樹脂としては、例えば、ナイロン6/ポリエステル共重合体、ナイロン6/ポリエーテル共重合体、ナイロン12/ポリエステル共重合体、ナイロン12/ポリエーテル共重合体が挙げられる。ポリエステル単位としてはポリカプロラクトンやポリエチレンアジペート等、ポリエーテル単位としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン12が特に好ましく、具体的にはVESTAMID(登録商標)L1723、L2121、L2122、X7393、L2124、L2123、X7293、LX9013、X7229、X7297、LX9011、ZL1107、ZL1105(以上、ダイセル・エボニック社製)、UBESTA(登録商標)3035JU3、3030UFX1、3030LUX、3030JFX1、3030JI5L、3030JI6L、3030JI26L(以上、宇部興産社製)等が好ましい。
外傷防止層14を形成するフッ素樹脂は、どのようなものでも良いが、上述のように外被層13と外傷防止層14とは十分に接着していることが好ましいため、他の樹脂層等との接着性を有するフッ素樹脂が好ましい。従って、フッ素樹脂としては、反応性基を有するフッ素原子含有エチレン性重合体を含むことが好ましい。これにより、外被層13と外傷防止層14の接着性を更に高くすることができ、より高い外傷防止効果を得ることができる。本発明において、反応性基は外被層の熱可塑性樹脂に含まれる官能基と反応する有機基をいう。反応性基としては、カルボニル基(−C(=O)−)を有することが好ましく、特に、外被層13がポリアミド樹脂の場合は、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、カルボン酸基、エステル基、酸無水物基が好ましく、カーボネート基及びカルボン酸ハライド基が好ましい。これにより、ポリアミド樹脂との接着性が高いフッ素樹脂とすることができる。
カルボニル基を有するフッ素原子含有エチレン性共重合体としては、フッ素原子含有エチレン性ポリマー鎖にカルボニル基又はカルボニル基含有官能基が結合されたものである。ポリマー鎖としてはフッ素原子含有エチレン性モノマーから誘導される繰り返し単位のホモポリマー鎖またはコポリマー鎖であり、フッ素原子を含まないエチレン性モノマーから誘導される繰り返し単位が含まれていても良い。フッ素原子含有エチレン性モノマーとしては、例えばテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が挙げられる。フッ素原子を含まないエチレン性モノマーを用いる場合は、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。フッ素樹脂として、具体的には、ネオフロンEFEP RP−5000、RP−4000(以上、ダイキン工業社製)、Fluon(登録商標)LM−ETFE AH−2000、AH−3000(以上、旭硝子社製)等が好ましい。
外傷防止層14の層厚は、特に制限はない。本発明において、外傷防止層14は、上述の通り、厚い肉厚の保護層で外傷を保護する訳ではないため、従来の保護層より薄い層厚とすることができる。よりホース重量の増加を抑え、取り回し易く、口金具の加締め処理が容易であり、且つ外傷防止層の透明性が高く、外被層の色等の視認性が確保された樹脂ホースとするために、0.1〜0.5mmが好ましい。この範囲の層厚であれば、コスト的にも有利である。
本発明の樹脂ホース10において、内管11を形成する材料としては、例えば、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリケトン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレンビニルアルコール共重合物(EVOH))、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン2,6ナフタレート等の有機樹脂が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を適宜混合して用いることができる。また、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等のゴム又は、オレフィン系共重合体、オレフィン系、スチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、フッ素系等の熱可塑性エラストマーを単独でまたは2種以上を混合して用いても良い。更に、内管11は、単層構造でも良く、上記の有機樹脂層及び/又はエラストマー層を2層以上積層した複層構造であっても良い。
本発明の樹脂ホース10において、耐圧性を向上するために、図1に示したように補強層12を設ける場合は、例えばスチールワイヤ、銅ワイヤ、アルミワイヤ等の金属ワイヤやビニロン、ポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維を用いることができる。これらを内管11の外周に必要な厚みにスパイラル状、ブレード状等所望の形状に巻回するか編組して補強層12を成形する。なお、この補強層12は更に耐圧性能を向上させる目的で多層に構成してもよく、この場合、ヤーン(中間糸)、又は接着剤や樹脂等による中間層を設けても良い。本発明の樹脂ホース10は、外傷防止層14により外被層13の損傷が抑制されているので、外被層13が損傷した場合に、錆による劣化が問題となる金属ワイヤ製の補強層13を備える構成が好ましい。
本発明の樹脂ホース10は、どのような用途に用いる樹脂ホースでも良く、各種の液体、気体、紛体の輸送用ホースや、油圧又は水圧、空気圧機器等に用いられる高圧ホース等に用いることができる。また、本発明の樹脂ホース10は、外傷防止層14により外被層13の摩擦による損傷が抑制されているので、ホースを引き摺る操作が必要な、長尺で使用する樹脂ホース、特に、長尺で、且つ上述のように外被層の損傷が問題となる金属ワイヤ製の補強層13を備えた高圧樹脂ホースとして好ましく用いることができる。更に、長尺状で且つ屋外で使用する場合があるウォータージェット装置等に使用する、超高圧樹脂ホースとして用いることが好ましい。
本発明において、超高圧樹脂ホースは最高使用圧力が50MPa以上の樹脂ホースのことをいう。高圧ホースとしては最高使用圧力が30〜40MPa程度であれば、ゴム系ホースを用いることができる。その場合は、ホースを引き摺る場合であっても、外被層をゴム層とすることで、熱可塑性樹脂層の場合と比較して、耐擦傷性を高くすることができる。上記の最高使用圧力の超高圧ホースの場合は、ゴム系ホースでは耐圧性の点で使用できないため、内管がポリアミド樹脂等の樹脂製である樹脂ホースを使用する必要がある。その場合、樹脂層の耐熱性の点で、外被層についても高温の加硫処理が必要となるゴム層とすることは困難である。従って、上記の最高使用圧力の超高圧ホースの場合に、本発明の樹脂ホースが特に有効である。
本発明の樹脂ホースは、公知の方法で製造することができる。例えば、以下の様に行うことができる。
押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、内管を形成するポリアミド樹脂等の材料を管状に押し出して成形する。上述の通り、本発明においては内管の材料、構造等には特に制限はなく、必要に応じて多層構造としても良い。多層構造とする場合は、共押し出し成形でもよく、各層を別々に押し出し成形しても良い。その場合、各層間に接着剤を塗布しても良い。次に、補強層を形成する場合は、内管の外周に編み上げ機により、例えば、真鍮メッキしたスチールワイヤを編み組して補強層とする。上述の通り、補強層は、どのような材料で形成しても良く、不要であれば形成しなくても良い。また、耐圧性能を更に向上させる目的で補強層を多層に形成してもよく、この場合、接着剤や樹脂等による中間層を設けても良い。
次いで、補強層の外周に(補強層を形成しない場合は内管の外周に)、外被層を形成するポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂組成物を押し出し被覆し、更にその外周に外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物を押し出し被覆して、外被層及び外傷防止層を成形する。外被層と外傷防止層とは、順番に押し出し成形してもよく、共押し出し成形しても良い。外被層と外傷防止層とをより十分に接着させるため、外被層を形成する熱可塑性樹脂組成物と、外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物とを共押し出しすることにより外被層及び外傷防止層を成形することが好ましい。なお、外被層と外傷防止層は、共押し出し成形でなくても、前記熱可塑性樹脂組成物を押し出して外被層を成形した後、外被層が冷却硬化する前に当該外被層上に前記フッ素樹脂組成物を押し出しすることにより外傷防止層を成形する工程であっても、同様な効果を得ることができる。
その後、樹脂が冷却硬化した後、マンドレルを抜き出し、樹脂ホースを得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1]
本発明の樹脂ホースの実施例として、以下のように超高圧樹脂ホースを作製した。図2は、実施例の超高圧樹脂ホースを説明するための一部切欠き概略斜視図である。まず、樹脂押し出し機を用いて、ポリオキシメチレン(POM)を管状に押し出し、内径5.0mmの内管を成形した。次いで、内管の外周に、編み上げ機を用いて硬鋼線製の高張力ワイヤをスパイラル状に編み上げ、補強層を形成した。更に、補強層の外周に編み上げ機を用いてポリエステル繊維製の糸を編み上げ、ヤーン(中間糸)層を形成した。そして、図2に示したように補強層が6層になるようにヤーン層と交互に編み上げた。6層目までの外径は12.5mmであった。その後、6層目の補強層の外周にPA12(ZL1107(ダイセル・エボニック社製)を0.6mmの層厚で、及びその外周にフッ素樹脂(RP−5000(ダイキン工業社製))を0.15mmの層厚で共押し出しすることにより外被層及び外傷防止層を成形した。冷却し超高圧樹脂ホースを得た。
[実施例2]
ホースの内径を8.0mmとした以外は、実施例1と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。補強層6層目までの外径は15.9mmであった。
[実施例3]
外被層の層厚を0.9mmとした以外は、実施例1と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
[実施例4]
外被層の層厚を0.9mmとした以外は、実施例2と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
[比較例1]
フッ素樹脂からなる外傷防止層を成形しなかった以外は、実施例1と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
[比較例2]
フッ素樹脂からなる外傷防止層を成形しなかった以外は、実施例2と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
[比較例3]
フッ素樹脂からなる外傷防止層を成形しなかった以外は、実施例3と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
[比較例4]
フッ素樹脂からなる外傷防止層を成形しなかった以外は、実施例4と同様に超高圧樹脂ホースを作製した。
実施例1〜4の超高圧樹脂ホースは、比較例1〜4と比較して、ホースを引き摺る際に摩擦がかからず、最外層(外被層又は外傷防止層)に傷が生じ難くなった。また、各実施例のホース重量は対応する比較例のホース重量とほとんど変わらず、取り回しが容易であった。更に、外傷防止層越しに外被層の色は十分に視認できた。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、
10 樹脂ホース
11 内管
12 補強層
13 外被層
14 外傷防止層

Claims (7)

  1. 内管及び熱可塑性樹脂からなる外被層を備える樹脂ホースであって、
    外被層の外周に、フッ素樹脂からなる外傷防止層を有し、
    前記内管は単層構造であり、
    前記内管を形成する材料が、ポリアミド樹脂、ポリケトン樹脂及びエチレンビニルアルコール共重合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記内管と前記外被層との間に、金属ワイヤ製の補強層を備えることを特徴とする樹脂ホース。
  2. 前記外被層の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂を含む請求項1に記載の樹脂ホース。
  3. 前記外傷防止層のフッ素樹脂が、反応性基を有するフッ素原子含有エチレン性重合体を含む請求項1又は2に記載の樹脂ホース。
  4. 前記外傷防止層の層厚が、0.1〜0.5mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂ホース。
  5. 最高使用圧力が、50MPa以上の超高圧樹脂ホースである請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂ホース。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂ホースを製造する方法であって、
    前記外被層を形成する熱可塑性樹脂組成物と、前記外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物とを共押し出しすることにより前記外被層及び外傷防止層を成形する工程を含むことを特徴とする樹脂ホースの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂ホースを製造する方法であって、
    前記外被層を形成する熱可塑性樹脂組成物を押し出して外被層を成形した後、外被層が冷却硬化する前に当該外被層上に前記外傷防止層を形成するフッ素樹脂組成物を押し出しすることにより外傷防止層を成形する工程を含むことを特徴とする樹脂ホースの製造方法。
JP2011274109A 2011-12-15 2011-12-15 樹脂ホース、およびその製造方法 Active JP5913953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011274109A JP5913953B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂ホース、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011274109A JP5913953B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂ホース、およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013124726A JP2013124726A (ja) 2013-06-24
JP5913953B2 true JP5913953B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=48776107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011274109A Active JP5913953B2 (ja) 2011-12-15 2011-12-15 樹脂ホース、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5913953B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115071234A (zh) * 2014-06-05 2022-09-20 东洋克斯株式会社 金属色调挠性管

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000291843A (ja) * 1999-04-12 2000-10-20 Junkosha Co Ltd 可撓性ホースおよびその製造方法
JP4527275B2 (ja) * 2000-12-25 2010-08-18 ダイセル・エボニック株式会社 ポリアミド樹脂組成物及びプラスチック多層体
WO2008041643A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-10 Daikin Industries, Ltd. Corps moulé par soufflage
JP2012092901A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Hirakawa Hewtech Corp チューブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013124726A (ja) 2013-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190186656A1 (en) Spiral Hydraulic Hose
EP1834126B1 (en) Fire resistant hose construction
US8714203B2 (en) Hybrid high pressure hose
JP5013912B2 (ja) 樹脂複合ホース及びその製造方法
US8844580B2 (en) Low fluid permeation rubber hose
US7849887B2 (en) Refrigerant transportation hose
US20200269539A1 (en) Low extractable hose
JPH08104807A (ja) 燃料ホースおよびそれに用いる樹脂組成物
US20200079001A1 (en) Increased rubber-to-nylon adhesion by ozone treatment
JP5913953B2 (ja) 樹脂ホース、およびその製造方法
US20030049401A1 (en) Low permeation nitrile-butadiene rubber tube with aluminum barrier layer
JP3419160B2 (ja) 燃料ホースおよびそれに用いる樹脂組成物
US20090165880A1 (en) Refrigerant transportation hose and method of producing the same
JP4976017B2 (ja) 高圧ホース
US20120247601A1 (en) Flexible Hose During Pressurization
JP2007015279A (ja) ガス供給用ホース
JP2007190769A (ja) 給水給湯用ホース
JP6112710B2 (ja) 超高圧樹脂ホース
JP2019034003A (ja) 電気掃除機用ホース
JP6925203B2 (ja) 電気掃除機用ホース
US20230241832A1 (en) Abrasion and damage resistant flexible hose
JP7376957B1 (ja) 可撓管
JP2010065779A (ja) 自動車用耐負圧ホースおよびその製法
JP6905441B2 (ja) 積層チューブ及び複合管並びに積層チューブの製造方法
JP2003056760A (ja) 冷媒輸送用ホース

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5913953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250