JP5913653B1

JP5913653B1 - 遊技機

Info

Publication number: JP5913653B1
Application number: JP2015018592A
Authority: JP
Inventors: 拓也稲葉
Original assignee: Kyoraku Industrial Co Ltd
Current assignee: Kyoraku Industrial Co Ltd
Priority date: 2015-02-02
Filing date: 2015-02-02
Publication date: 2016-04-27
Anticipated expiration: 2035-02-02
Also published as: JP2016140565A

Abstract

【課題】いわゆる一種二種混合機と呼ばれるタイプのパチンコ遊技機において、遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供すること【解決手段】遊技状態制御手段により遊技状態が第１の遊技状態に制御されているときにおいて、遊技判定手段による特別遊技判定の結果が所定の結果である場合に、遊技球が所定領域を通過可能な第１のパターンで可変入球装置を第１の態様から第２の態様に変化させ、遊技状態制御手段により遊技状態が第２の遊技状態に制御されているときにおいて、遊技判定手段による特別遊技判定の結果が所定の結果である場合に、遊技球が所定領域を通過困難な第２のパターンで可変入球装置を第１の態様から第２の態様に変化させる制御を行うこととする【選択図】図１０

Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。

従来より、パチンコ遊技機においては種々のタイプの機種が提供されている。例えば、デジパチ機（旧第一種タイプ）と呼ばれるタイプの機種では、始動条件の成立に基づいて当たり抽選（当たり判定）を行い、大当たりに当選した場合、特別遊技の一種として、大入賞口の開放を伴う大当たり遊技が実行される。遊技者は、大入賞口に遊技球を入賞させることで多数の賞球を得ることができる。当たり抽選の結果は、図柄表示手段上において、図柄の変動表示を経たのちの図柄の停止態様によって遊技者に示される。

また、例えば、羽根物（旧第二種タイプ）と呼ばれるタイプの機種では、開閉可能な羽根役物を有する開閉入賞装置が設けられ、遊技球が開閉入賞装置の内部に入賞し、且つ、開閉入賞装置の内部に設けられる特定領域（Ｖ入賞口）に入賞した場合、特別遊技の一種として、大入賞口の開放を伴う大当たり遊技が実行される。遊技者は、大入賞口に遊技球を入賞させることで多数の賞球を得ることができる。当たり抽選の結果は、図柄表示手段上において、図柄の変動表示を経たのちの図柄の停止態様によって遊技者に示される。

さらに、上記デジパチ機と羽根物とを融合させた一種二種混合機と呼ばれるタイプの機種では、始動条件の成立に基づいて当たり抽選（当たり判定）を行い、大当たりに当選した場合、特別遊技の一種として、大入賞口の開放を伴う大当たり遊技が実行される。また、当たり抽選の結果、小当たりに当選した場合、開閉入賞装置が備える羽根役物が開閉する小当たり遊技が実行され、羽根役物の開放中に遊技球が開閉入賞装置内部に入賞し、且つ、開閉入賞装置の内部に設けられる特定領域（Ｖ入賞口）に入賞した場合、特別遊技の一種として、大入賞口の開放を伴う大当たり遊技が実行される。

特開２０１３−００５８９４号公報

本発明は、いわゆる一種二種混合機と呼ばれるタイプのパチンコ遊技機において、遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために本発明の遊技機は、始動条件の成立に基づいて、遊技結果の判定を行う遊技判定手段と、遊技球の進入が困難な第１の態様と遊技球の進入が可能な第２の態様とに変化可能な可変入球装置と、前記可変入球装置内の所定領域に対する遊技球の通過に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を発生させる特別遊技発生手段と、遊技状態を前記始動条件が成立し難い第１の遊技状態又は前記始動条件が成立し易い第２の遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能な可変入球装置制御手段と、を備えることを特徴とする。

また、上記構成の遊技機において、前記可変入球装置制御手段は、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果とは異なる他の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な前記第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記他の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な前記第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能であることが望ましい。

本発明によれば、いわゆる一種二種混合機と呼ばれるタイプのパチンコ遊技機において、遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供することが可能となる。

本実施形態に係る遊技機の正面図所定領域の内部構造を示す概略図図１の遊技機における情報表示部の概略拡大図本実施形態に係る遊技機の背面斜視図本実施形態に係る遊技機の、制御に関わる部分のブロック図遊技機の主制御部にて実行される処理の一部を列記した図遊技機の主制御部における特図当たり判定テーブルの説明図本実施形態に係る大当たりの種類を示す図本実施形態に係る遊技状態及び演出モードの第１の遷移図本実施形態に係る小当たりの種類を示す図本実施形態に係る遊技状態及び演出モードの第２の遷移図遊技機の主制御部における第１羽根部材開放パターン及び第２羽根部材開放パターンを示す第１図遊技機の主制御部における第１羽根部材開放パターン及び第２羽根部材開放パターンを示す第２図遊技機の演出制御部にて実行される処理の一部を列記した図遊技機の演出制御部における特図当たり演出モードテーブルの説明図ラッシュモード、特殊モード、通常モードにおける画像表示部の表示例を示す図ラッシュモードにおける演出の一例を示す図特殊モードにおける演出の一例を示す図遊技機の主制御部における特図当たり判定テーブルの変形例の説明図本実施形態に係る小当たりの種類の変形例を示す図

以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。

本発明に係る遊技機に好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機を、旧第一種と旧第二種の遊技方法が融合した融合（複合）タイプのパチンコ遊技機に適用している。

＜＜遊技機の基本構成＞＞
図１は、本実施形態に係る遊技機１００の正面図である。図１を参照して遊技機１００の基本構成を説明する。尚、以下の説明において、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤１０１に正対する遊技者から見た上下左右を指し、上下方向も左右方向も遊技盤１０１の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。

遊技機１００は、パチンコ遊技機であって、遊技施設に配される島構造体に取り付けられる外枠１０と、外枠１０に対して開閉自在に取り付けられる内枠１１と、内枠１１に対して開閉自在に取り付けられる扉枠１２と、を備える。内枠１１は外枠１０に対して、また、扉枠１２は内枠１１に対して、共に、左側を回動基端側（開閉基端側）とし右側を回動先端側（開閉先端側）として前方へ回動可能（開閉可能）に構成される。扉枠１２は内枠１１の前面側全体を覆うように内枠１１に対して取り付けられるが、扉枠１２には後述する遊技領域のほぼ全域を前方（遊技者側）から視認することができるように、透明性を有するガラス板が嵌め込まれてなる窓部１２ａが形成されている。

遊技機１００は、遊技盤１０１を含む。遊技盤１０１は内枠１１に対して着脱可能に取り付けられ、図１に示された各構成部材を備える。遊技盤１０１の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている（発射部の詳細構造は図示せず）。

遊技機１００において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール１０２ａ及び１０２ｂ間を上昇して遊技盤１０１の上部位置に達した後、遊技盤１０１に形成された遊技領域１０３内を落下（流下）するようになっている。遊技領域１０３には、複数の釘（不図示）が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に移動方向を変化させながら落下する。また、遊技盤１０１において、遊技領域１０３における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車（不図示）や、第１始動口１０５、第２始動口１０６、電動チューリップ１０７、ゲート１０８、特定入球口１０９、第１羽根部材１１０、大入賞口１１１及び普通入賞口１１２が設置される。

遊技盤１０１の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部１０４が配置される。画像表示部１０４は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部１０４は、当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機１００が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部１０４は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄（普通装飾図柄）などをも表示して良い。

画像表示部１０４の下方には、第１始動口１０５及び第２始動口１０６が設置される。始動口１０５及び１０６は、遊技球が通過可能（入賞可能）な始動領域を形成する。所定の第１始動条件又は第２始動条件が成立することによって、当たり抽選を受けるための権利が取得される。第１、第２始動条件は、夫々、遊技球が始動口１０５、１０６を通過することによって、即ち始動口１０５、１０６に遊技球が入賞（入球）することによって成立する。また、遊技機１００は、始動口１０５又は１０６に入賞した遊技球を検出すると、所定個数（例えば３個）の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。なお、第１始動口１０５は、常時開放されている始動口であるのに対して、第２始動口１０６は電動チューリップ１０７が作動しているときのみ開放される始動口である。以下の説明では、第１始動口１０５への遊技球の入賞により成立した第１始動条件に基づく当たり抽選を「第１特別図柄抽選」と称し、第２始動口１０６への遊技球の入賞により成立した第２始動条件に基づく当たり抽選を「第２特別図柄抽選」と称することがあり、また、両者を区別する必要がない場合には単に「当たり抽選」と称する。尚、入賞を入球と読み替えてもよい。

電動チューリップ１０７は第２始動口１０６の近傍に設けられる。電動チューリップ１０７は、遊技球を第２始動口１０６へ入賞し難くさせる閉状態（閉口した状態）と、閉状態よりも遊技球を第２始動口１０６へ入賞しやすくさせる開状態（開放した状態）の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ１０７が備えるソレノイド４２０（図５参照）によって行われる。実質的には、電動チューリップ１０７が閉状態であるとき、遊技球の第２始動口１０６への入賞は不可能であり、電動チューリップ１０７が開状態であるときにのみ、遊技球の第２始動口１０６への入賞が可能となる。電動チューリップ１０７が開状態となることを、電動チューリップ１０７の開放とも言う。電動チューリップ１０７は、画像表示部１０４の右側に配置されたゲート１０８を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート１０８も、始動口１０５及び１０６と同様、遊技球が通過可能な始動領域を形成する。なお、本実施形態において遊技機１００は融合タイプのパチンコ遊技機であるため、遊技機１００の遊技状態によらず（遊技状態が後述電サポ遊技状態であるか非電サポ遊技状態であるかによらず）普通図柄抽選の抽選結果により、電動チューリップ１０７の開放に当選する確率は同一とされる。そこで、電サポ遊技状態において電動チューリップ１０７の開放に当選した場合と、非電サポ遊技状態において電動チューリップ１０７の開放に当選した場合とで、電動チューリップ１０７の開放パターンを互いに異なる開放パターンとし、前者では遊技球を始動口１０６に入賞させることが可能な態様で電動チューリップ１０７が開放され、後者では遊技球を始動口１０６に入賞させることが困難な態様で電動チューリップ１０７が開放されることとすればよい。

補足すれば、融合タイプのパチンコ遊技機において、遊技機１００の遊技状態によって普通図柄抽選の抽選結果により、電動チューリップ１０７の開放に当選する確率を異なる確率とすることが可能となった際には、普通図柄抽選の抽選結果により電動チューリップ１０７が開放されるのは、遊技機１００の遊技状態が後述する電サポ遊技状態に制御されているときに遊技球がゲート１０８を通過することにより普通図柄抽選が行われた場合のみとし、遊技機１００の遊技状態が非電サポ遊技状態に制御されているときに遊技球がゲート１０８を通過することにより普通図柄抽選が行われた場合、電動チューリップ１０７は開放されない（言い換えれば、通常遊技状態では、普通図柄抽選の結果、電動チューリップ１０７の開放に当選しない）こととしてもよい。その場合、遊技機１００の遊技状態が電サポ遊技状態に制御されているときにおける普通図柄抽選により、電動チューリップ１０７の開放に当選する確率は極めて高確率に設定され、１００％の確率で当選することとしてもよい。

第１始動口１０５及び第２始動口１０６の右側には大入賞口１１１が設けられる。大入賞口１１１も、電動チューリップ１０７のように開閉動作が可能となっている。大入賞口１１１は、遊技球を大入賞口１１１へ入賞し難くさせる閉状態（閉口した状態）と、閉状態よりも遊技球を大入賞口１１１へ入賞しやすくさせる開状態（開放した状態）の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、大入賞口１１１が備えるソレノイド４２１（図５参照）によって行われる。実質的には、大入賞口１１１が閉状態であるとき、遊技球の大入賞口１１１への入賞は不可能であり、大入賞口１１１が開状態であるときにのみ、遊技球の大入賞口１１１への入賞が可能となる。大入賞口１１１が開状態となることを、大入賞口１１１の開放とも言う。大入賞口１１１は、通常、閉鎖されており、当たり抽選にて大当たりに当選した場合（以下、当たり抽選にて大当たりに当選することを「１種大当たりに当選」と称することがある。）に、所定条件（例えば、３０秒経過又は遊技球１０個の入賞）を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数（例えば１５回）だけ繰り返す。また、詳細は後述するが、第２特別図柄抽選の結果が「小当たり」の場合には、小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技中に特定入球口１０９から所定領域１４（図２参照）に進入した遊技球が、Ｖ入賞口１４１（図２参照）に入賞し大当たりが発生した場合（以下、小当たり遊技中におけるＶ入賞口１４１への遊技球の入賞により大当たりが発生することを「２種大当たりの発生」と称することがある。）にも、所定条件（例えば、３０秒経過又は遊技球１０個の入賞）を満たすまで大入賞口１１１が開状態となるラウンドを所定回数（例えば１５回）だけ繰り返す。なお、遊技機１００は、大入賞口１１１に入賞した遊技球を検出すると、所定個数（例えば１５個）の賞球を払い出す。

画像表示部１０４の側方や下方などには、１以上の普通入賞口１１２が設置される。遊技機１００は、普通入賞口１１２への入賞を検出した場合に所定個数（例えば１０個）の賞球を払い出す。尚、第１始動口１０５、第２始動口１０６、ゲート１０８、特定入球口１０９、第１羽根部材１１０、大入賞口１１１、普通入賞口１１２は、図１に示した位置に限らず遊技領域１０３内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域１０３の最下部には、第１始動口１０５、第２始動口１０６、特定入球口１０９、大入賞口１１１及び普通入賞口１１２の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口１１３が設けられている。遊技盤１０１の右下部分には情報表示部１１４が設けられている（詳細は後述）。尚、回収口１１３、情報表示部１１４の設置位置は任意に変更することができる。

上述したように扉枠１２には、窓部１２ａが形成されており、窓部１２ａの周囲（扉枠１２の外周部分）には、遊技機１００が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に用いられる各種演出部材等が組み込まれている。演出部材としては、第１のスピーカ１１５ａ、第２のスピーカ１１５ｂ、第３のスピーカ１１５ｃ（以下、いずれのスピーカであるかを区別する必要がない場合は、単に「スピーカ１１５」と称することもある。）、演出ライト部１１６、枠可動役物１１７が組み込まれている。スピーカ１１５からは演出に用いられる音声が出力される。演出ライト部１１６は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。枠可動役物１１７は、基本的に基準位置（図１に示した位置）で待機しており、演出に用いられるときに作動位置（枠可動役物１１７の内側を回動基端側とし、外側を回動先端側として前方へ回動することにより、当該外側が前方に突出される位置）に移動して演出の一部を構成する部材である。演出に用いられないときには、図示するように枠可動役物１１７の外側が前方に突出しないことで、遊技者が枠可動役物１１７に接触することが防がれる。

ところで、演出に用いられる可動役物は、遊技盤１０１上にも設けられており、本実施形態において遊技盤１０１上には盤可動役物１３０（図１参照）が設けられる。盤可動役物１３０は、基本的に基準位置（図１に示した位置）で待機しており、演出に用いられるときに作動位置（基準位置から下方へスライドして画像表示部１０４の前面へ進出した位置）に移動して演出の一部を構成する。演出に用いられないときには、図示のように画像表示部１０４の上部に設けられた収納スペースに退避することで、遊技者による画像表示部１０４の視認を妨げることが防がれる。

扉枠１２の右下位置には、操作ハンドル１１９が配置されている。操作ハンドル１１９は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材１２０が設けられている。発射指示部材１２０は、操作ハンドル１１９により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材１２０を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材１２０を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。遊技者は後述する右打ち遊技を行う場合、左打ち遊技を行う場合に比べて、発射指示部材１２０を回転させる角度を大きくすればよい。また、操作ハンドル１１９には、遊技者が発射指示部材１２０を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材１２０が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機１００は遊技球を発射する。

扉枠１２において遊技領域１０３の下方には、演出ボタン１２１、十字キー１２２、上皿（打球供給皿）１２３、上皿レバー１２４、下皿（余剰球受皿）１２５及び下皿レバー１２６などが設けられている。演出ボタン１２１及び十字キー１２２は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。上皿１２３は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。上皿レバー１２４は上皿１２３に収納された遊技球を下皿１２５に送り出す手段である。下皿１２５は上皿１２３に収容しきれない遊技球を収容可能な形状を有しており、遊技球を貯留する。下皿レバー１２６は下皿１２５の下面の一部を開口する開口手段であり、遊技者が下皿レバー１２６を操作うすることで下皿１２５に貯留された遊技球が下皿１２５の下方に配された箱体（不図示の所謂ドル箱）に落下する。

＜＜所定領域の構成例＞＞
図２は所定領域１４の内部構造を示す模式図である。図２における上下方向及び左右方向は、図１における上下方向及び左右方向に対応している。上述したように、所定領域１４は、小当たり遊技が実行されている場合に特定入球口１０９を介して遊技球が進入可能な領域であり、特定入球口１０９の外側には特定入球口１０９を開閉する第１羽根部材１１０が設けられている。第１羽根部材１１０は、遊技球を特定入球口１０９へ入球し難くさせる閉状態と、閉状態よりも遊技球を特定入球口１０９へ入球しやすくさせる開状態の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、第１羽根部材１１０が備えるソレノイド４２２（図５参照）によって行われる。実質的には、第１羽根部材１１０が閉状態であるとき、遊技球の特定入球口１０９への入球は不可能であり、第１羽根部材１１０が開状態であるときにのみ、遊技球の特定入球口１０９への入球が可能となる。第１羽根部材１１０が開状態となることを、第１羽根部材１１０の開放とも言う。第１羽根部材１１０は、第２特別図柄抽選の結果が「小当たり」である場合に、閉状態から開状態に移行し、所定条件（後述する小当たりの種類に応じて定められる時間の経過）を満たすまで開状態を維持して、遊技球の所定領域１４への進入を可能とし、その所定条件を満たした後に閉状態に移行する一連の開閉動作を規定回数（例えば１回）実行する。この一連の第１羽根部材１１０の開閉動作は上述した小当たり遊技の一部を構成する。なお、図１において第１羽根部材１１０は閉状態であり、図２において第１羽根部材１１０は開状態である。

図２に示すように、所定領域１４には、Ｖ入賞口１４１、ハズレ入賞口１４２、特定入球口１０９から所定領域１４に進入した遊技球をＶ入賞口１４１に導く第１案内部材１４３、第２羽根部材１４４、及び、所定領域１４に進入し、Ｖ入賞口１４１に入賞しなかった遊技球をハズレ入賞口１４２に導く第２案内部材１４５が設けられている。

第２羽根部材１４４はＶ入賞口１４１の近傍に設けられ、Ｖ入賞口１４１は第２羽根部材１４４が作動しているときのみ開放される入賞口である。第２羽根部材１４４は、遊技球をＶ入賞口１４１へ入賞し難くさせる閉状態（図２（ａ）に示す状態）と、閉状態よりも遊技球をＶ入賞口１４１へ入賞しやすくさせる開状態（図２（ｂ）に示す状態）の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、第２羽根部材１４４が備えるソレノイド４２３（図５参照）によって行われる。実質的には、第２羽根部材１４４が閉状態であるとき、遊技球のＶ入賞口１４１への入賞は不可能であり、第２羽根部材１４４が開状態であるときにのみ、遊技球のＶ入賞口１４１への入賞が可能になる。第２羽根部材１４４が開状態となることを、第２羽根部材１４４の開放とも言う。第２羽根部材１４４は、第２特別図柄抽選の結果が「小当たり」である場合に、閉状態から開状態に移行し、所定条件（例えば、２秒経過）を満たすまで開状態を維持して、遊技球のＶ入賞口１４１への進入を可能とし、その所定条件を満たした後に閉状態に移行する一連の開閉動作を規定回数（例えば１回）実行する。この一連の第２羽根部材１４４の開閉動作は上述した第１羽根部材１１０の開閉動作と共に、小当たり遊技の一部を構成する。第１羽根部材１１０及び第２羽根部材１４４の開閉動作の詳細については後述する。

第２羽根部材１４４が閉状態であるとき、遊技球はＶ入賞口１４１に入賞することなく第２案内部材１４５によりハズレ入賞口１４２に導かれる。ハズレ入賞口１４２は常時開放されている入賞口であり、ハズレ入賞口１４２に導かれた遊技球はハズレ入賞口１４２に入賞する。Ｖ入賞口１４１又はハズレ入賞口１４２に遊技球が入賞した場合、所定数の賞球が払い出される。また、小当たり遊技中に、Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞した場合（Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞することを「Ｖ入賞」とも称する。）、２種大当たりが発生し、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。なお、小当たり遊技中において、Ｖ入賞されなかった場合には小当たり遊技に続く大当たり遊技は実行されない。

＜＜情報表示部＞＞
図３に示す如く、情報表示部１１４は、当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄を表示する特別図柄表示部２０１、普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する普通図柄表示部２０２、保留表示部２０３、ラウンド数表示部２０４及び右打ち表示部２０５を備えている。各表示部２０１〜２０５をＬＥＤ（Light Emitting Diode）表示器にて形成することができる。

特別図柄として第１及び第２特別図柄が存在する。特別図柄表示部２０１は、第１特別図柄を表示する第１特別図柄表示部２０１ａ及び第２特別図柄を表示する第２特別図柄表示部２０１ｂを有する。保留表示部２０３は、表示部２０３ａ、２０３ｂ及び２０３ｃを有する。第１特別図柄抽選の権利（後述の特図判定用情報）は、所定数（例えば４）を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数Ｕ１として表示部２０３ａに表示される。第２特別図柄抽選の権利（後述の特図判定用情報）は、所定数（例えば４）を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数Ｕ２として表示部２０３ｂに表示される。遊技球がゲート１０８を通過したことによる普通図柄抽選の権利は、所定数（例えば４）を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数Ｕ３として表示部２０３ｃに表示される。

＜＜遊技機の背面構成＞＞
図４を参照して、遊技機１００の背面構成を説明する。図４は、遊技機１００の背面構成を示す、遊技機１００の背面斜視図である。遊技機１００の裏面には、主制御基板３０１、賞球制御基板３０２、演出制御基板３０３、遊技機１００内の各基板に電源を供給する電源基板３０４、及び、出力端子基板３０５等が設けられている。それらの基板（特に演出制御基板３０３）は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機１００の裏面には、電源基板３０４に電力を供給するための電源プラグ３１５や、電源スイッチ（不図示）も設けられている。また、主制御基板３０１にはＲＡＭクリアスイッチ（不図示）が設けられている。遊技機１００の電源がオフ状態であるときに、ＲＡＭクリアスイッチを押しながら電源スイッチを押して電源をオンにすることで、遊技機１００に電力が供給されると共にＲＡＭクリア準備状態となり、再度ＲＡＭクリアスイッチを押すことで遊技機１００の遊技情報を初期化（ＲＡＭクリア）することができる。なお、ＲＡＭクリアスイッチが押さずに電源スイッチを押して電源をオンにすると、電源オフ前の遊技機１００の遊技情報に基づいて遊技機１００が制御される。

＜＜遊技機の基本動作＞＞
次に、遊技機１００の基本動作について説明する。遊技機１００は、第１又は第２始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、当たり抽選の権利の取得に相当する。当たり抽選では、当たりに当選したか否か（大当たりに当選したか、小当たりに当選したか、或いはハズレであるか）が判定される。尚、大当たりの当選を大当たりの発生、小当たりの当選を小当たりの発生と表現することがある。第１特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機１００は、第１特別図柄表示部２０１ａの第１特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第１特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で（即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で）第１特別図柄を停止表示させる。一方、第２特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機１００は、第２特別図柄表示部２０１ｂの第２特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第２特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で（即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で）第２特別図柄を停止表示させる。なお、本実施形態において、第１特別図柄抽選では、小当たりに当選することはないこととし（図７参照）、第１特別図柄抽選では、大当たりに当選したか或いはハズレであるかが判定される。一方、第２特別図柄抽選では、小当たりに当選することがあり（図７参照）、第２特別図柄抽選では、大当たりに当選したか、小当たりに当選したか、或いは、ハズレであるかが判定される。

遊技機１００は、特別図柄（第１又は第２特別図柄）を変動表示させると、それに合わせて画像表示部１０４上で装飾図柄を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。画像表示部１０４に表示される装飾図柄は、第１〜第３装飾図柄を含み、各装飾図柄には数値又は記号等が対応付けられている。

当たり抽選の結果が大当たり（１種大当たり）の場合、大当たりを示す組み合わせ（例えば「７・７・７」といった所謂ゾロ目）で第１〜第３装飾図柄を停止表示させる。当選した大当たりの種類に応じて、停止表示される第１〜第３装飾図柄の組み合わせを異ならせてもよい。

第２特別図柄抽選の結果が小当たりの場合、小当たり遊技が実行されるが、小当たり遊技の後に大当たり遊技が実行されるか否かは、小当たり遊技の結果（Ｖ入賞するか否か）により異なる。従って、第２特別図柄抽選の結果が小当たりの場合、第１〜第３装飾図柄を、大当たり遊技が行われることを前提としてゾロ目で停止表示させることができない。そこで、第２特別図柄抽選の結果が小当たりの場合には、後述する当たり抽選の結果がハズレの場合と同様に、ハズレを示す所謂バラケ目で停止表示させることとする。バラケ目とは、少なくとも２つの装飾図柄（例えば第１装飾図柄と第２装飾図柄）とが関連性のない図柄で停止させることである。各装飾図柄がバラケ目で停止表示された後であっても、小当たり遊技の結果、２種大当たりが発生した場合には、大当たり遊技が実行される。

当たり抽選の結果がハズレの場合（即ち、当たり抽選に落選した場合、換言すれば、大当たりにも小当たりにも当選していない場合）、第１〜第３装飾図柄は、例えば、ハズレを示す所謂バラケ目で停止表示させる。

なお、第２特別図柄抽選の結果が小当たりの場合、第１〜第３装飾図柄を、表示させないこととしてもよいが、第２特別図柄抽選の結果が、大当たり又はハズレである場合と、小当たりである場合と、で装飾図柄に関する演出上の差異（装飾図柄が表示されるか否かの差異）を生じさせないために、第２特別図柄の変動表示中には、第１〜第３装飾図柄を、表示させないこととすることが望ましい。

１種大当たりに当選し、大当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機１００は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、当選した大当たりに応じたラウンド分（例えば１５ラウンド）、大入賞口１１１を開放させる大当たり遊技が行われる。大入賞口１１１の開放中に遊技球が大入賞口１１１へ入賞すると、遊技機１００は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技中は、当たり抽選を行わない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の大入賞口１１１の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域１０３の内、遊技領域１０３を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊技領域１０３の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指し、左打ちでは第２始動口１０６及び大入賞口１１１に対して遊技球を入賞させることができない。大当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である（換言すれば、大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である）。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口１１１の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい（得られる賞球の期待値が大きい）ことを意味する。

大当たり遊技の終了後、遊技機１００は、当たり抽選を行う状態へ復帰する。その際、遊技機１００は遊技状態を変更する。

＜＜遊技機の遊技状態＞＞
遊技機１００は、大入賞口１１１の開放を伴う遊技状態（大当たり遊技状態を含む）と後述する特定入球口１０９の開放を伴う遊技状態（小当たり遊技状態を含む）とを除いて、非電サポ遊技状態である通常遊技状態、電サポ遊技状態の内、何れか１つの遊技状態をとる。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。

通常遊技状態は非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態において、遊技機１００は、特図当たり判定テーブル（後述の図７のテーブルＴＡｔ参照）を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、１／１９９の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。なお、非電サポ遊技状態では主として左打ち遊技が行われ、左打ち遊技により第１特別図柄抽選が行われる場合、小当たりには当選しない。

電サポ遊技状態において、遊技機１００は、通常遊技状態と同一の特図当たり判定テーブル（後述の図７のテーブルＴＡｔ参照）を用いた当たり抽選を行い、１／１９９の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。なお、電サポ遊技状態では主として右打ち遊技が行われ、右打ち遊技により第２特別図柄抽選が行われる場合、１９７／１９９の確率で小当たりに当選する。また、電サポ遊技状態において、遊技機１００は、電動チューリップ１０７の開閉を伴う遊技サポート機能（以下「電サポ」という）を付与する（即ち電サポを発動させる）。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されると、電サポが付与されていないときと比べて、普通図柄の変動時間の短縮が図られる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、当たり抽選の契機は第２始動口１０６への入賞となる。なお、遊技領域１０３には、右打ち遊技中に打ち出された遊技球が第１始動口１０５に入賞されないように釘や障害物が設けられており、右打ち遊技中において第１始動条件は成立しない。

上述の説明からも理解されるように、非電サポ遊技状態（通常遊技状態）は第２始動条件が成立しない遊技状態であるのに比べて、電サポ遊技状態では第２始動条件が成立しうる遊技状態である。後述するように第１特別図柄抽選で大当たりに当選したときよりも第２特別図柄抽選で大当たりに当選したときのほうが、遊技者にとって有利な大当たり遊技が実行される可能性が高くなっており、従って、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、本実施形態において通常遊技状態及び電サポ遊技状態において、当たり抽選により大当たりに当選する確率は同一に設定されるが、大当たりに当選する確率が異なる確率に設定されることとしてもよい。但し、異なる確率に設定される場合には、電サポ遊技状態のほうが通常遊技状態に比べて大当たりに当選する確率が高く、且つ、その大当たりの当選確率の差は微差であることが望ましい（例えば通常遊技状態における大当たり確率１／１９９に対して、電サポ遊技状態における大当たり確率２／１９９）。

第２特別図柄抽選の結果が小当たりであり、小当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機１００は、小当たり遊技状態となる。小当たり遊技状態では、第１羽根部材１１０を開閉して、第１羽根部材１１０が開放されている間、特定入球口１０９に対する遊技球の入球を可能とする第１小当たり遊技と、第２羽根部材１４４を開閉して、第２羽根部材１４４が開放されている間、Ｖ入賞口１４１に対する遊技球の入賞を可能とする第２小当たり遊技と、を含む小当たり遊技が行われる。第２羽根部材１４４の開放中に遊技球がＶ入賞口１４１へ入賞すると、遊技機１００は２種大当たりを発生させ、遊技機１００は大当たり遊技状態になる。

小当たり遊技において２種大当たりが発生した後に行われる大当たり遊技は、上述した１種大当たりに当選した場合における大当たり遊技と同様の遊技であるが、大入賞口１１１を開放させるラウンドが、当選した小当たりに応じたラウンド分である点で異なる（図１０参照。詳細は後述。）。

＜＜遊技機の内部構成＞＞
図５を参照して、遊技機１００の内部構成を説明する。図５は、遊技機１００内の、制御に関わる部分のブロック図である。図５に示す如く、遊技機１００に設けられた制御部４００は、遊技の進行を制御する主制御部４０１と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部４０２と、演出内容を制御する演出制御部４０３とを備えている。制御部４００の他、図５に示される各構成要素が遊技機１００に設けられる。例えば、図４の主制御基板３０１、賞球制御基板３０２及び演出制御基板３０３により、夫々、図５の主制御部４０１、賞球制御部４０２及び演出制御部４０３が形成され、図４の出力端子基板３０５は図５の盤用外部情報端子基板４９１を含む。

［１．主制御部］
主制御部４０１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）４１１と、ＲＯＭ（Read Only Memory）４１２と、ＲＡＭ（Random Access Memory）４１３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）等を備えて構成される。主制御部４０１におけるＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭを、夫々、特に、メインＣＰＵ、メインＲＯＭ、メインＲＡＭとも呼ぶ。メインＣＰＵ４１１は、遊技の進行に関する各種プログラム等をメインＲＯＭ４１２から読み出し、メインＲＡＭ４１３をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。図５に示す如く、メインＲＯＭ４１２には、テーブルＴＡｔ、ＴＺｔ、ＴＨｔ、ＦＡｔ、ＦＺｔ、ＦＨｔ、ＤＫｔ、ＨＢｔ１及びＨＢｔ２が格納され、メインＲＡＭ４１３には、記憶領域４１３ａ〜４１３ｊが設けられている。この他にも、様々なテーブルをメインＲＯＭ４１２に格納しておくことができると共に、様々な記憶領域をメインＲＡＭ４１３に設けておくことができる。

また、主制御部４０１には、遊技球を検出する各種スイッチ（以下「ＳＷ」と略すことがある）が接続されている。例えば、図示のように、主制御部４０１には、第１始動口１０５へ入賞した遊技球を検出する第１始動口ＳＷ４１４ａと、第２始動口１０６へ入賞した遊技球を検出する第２始動口ＳＷ４１４ｂと、ゲート１０８を通過した遊技球を検出するゲートＳＷ４１５と、大入賞口１１１へ入賞した遊技球を検出する大入賞口ＳＷ４１６と、普通入賞口１１２へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口ＳＷ４１７と、Ｖ入賞口１４１へ入賞した遊技球を検出するＶ入賞口ＳＷ４１８と、ハズレ入賞口１４２へ入賞した遊技球を検出するハズレ入賞口ＳＷ４１９と、が接続されている。

ＳＷ４１４ａ及び４１４ｂ並びにＳＷ４１５〜４１９の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部４０１へ出力し、主制御部４０１は、入力された検出信号に基づき、当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報を記憶したり、特図判定用情報を用いて当たり抽選をおこなったり、賞球制御部４０２に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。ＳＷ４１４ａ、４１４ｂ、４１５、４１６、４１７、４１８及び４１９として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第１始動口１０５が遊技盤１０１上に複数設けられている場合、複数の第１始動口１０５の夫々に対して第１始動口ＳＷ４１４ａが設けられる。第２始動口１０６、ゲート１０８、大入賞口１１１、普通入賞口１１２、Ｖ入賞口１４１又はハズレ入賞口１４２が複数設けられる場合も同様である。

また、主制御部４０１には、遊技盤１０１上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部４０１には、電動チューリップ１０７を開閉動作させる電動チューリップソレノイド４２０と、大入賞口１１１を開閉動作させる大入賞口ソレノイド４２１と、第１羽根部材１１０を開閉動作させる羽根ソレノイド４２２と、第２羽根部材１４４を開閉動作させるＶソレノイド４２３と、が接続されている。主制御部４０１は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド４２０に対し電気信号を入力又は非入力とし、当たり抽選の抽選結果等に基づき大入賞口ソレノイド４２１ａ及び４２１ｂに対し電気信号を入力又は非入力とし、第２特別図柄抽選の抽選結果に基づき羽根ソレノイド４２２及びＶソレノイド４２３に対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド４２０、４２１、４２２、４２３は、夫々、主制御部４０１から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ１０７の開閉動作、大入賞口１１１の開閉動作、第１羽根部材１１０の開閉動作、第２羽根部材１４４の開閉動作を行う。

また、主制御部４０１には、図３の情報表示部１１４内の各種表示部が接続される（但し、図５において表示部２０４及び２０５の図示は省略）。主制御部４０１は、当たり抽選の抽選結果に基づき第１特別図柄表示部２０１ａ又は第２特別図柄表示部２０１ｂの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部２０２の表示制御を行う。更に、主制御部４０１は、保留情報数Ｕ１、Ｕ２及びＵ３に基づき保留表示部２０３の表示内容を制御する。

［１−１．メイン処理］
図６に、主制御部４０１が行う主だった処理を列記する。遊技機１００へ電力が供給されると、メインＣＰＵ４１１によりメイン処理が実行される。メイン処理において、メインＣＰＵ４１１は、主制御部４０１のＣＴＣ（タイマカウンタ）などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域４１３ａに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。また、メイン処理では、遊技機１００への電源の遮断の有無が監視され、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域４１３ｂに記憶させる。メインＲＡＭ４１３にはバックアップ電源（不図示）により、遊技機１００の電源が遮断されても一定期間（例えば１日）電源が供給されるようになっている。このため、メインＲＡＭ４１３は、遊技機１００の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域４１３ｂに記憶されたバックアップ情報を保持できる。

［１−２．タイマ割込み処理］
メインＣＰＵ４１１は、メイン処理により設定記憶領域４１３ａに記憶された周期（例えば数ミリ秒又はそれ以下の周期）で、メイン処理に対しタイマ割込処理を割り込み実行する（図６参照）。タイマ割込処理において、メインＣＰＵ４１１は、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理を順次実行する。

［１−２−１．乱数更新処理］
乱数更新処理を説明する（図６参照）。乱数更新処理において、メインＣＰＵ４１１は、カウンタ記憶領域４１３ｃに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「１」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。カウンタ記憶領域４１３ｃには、特図当たり乱数カウンタＣ１、特図図柄乱数カウンタＣ２、特図変動パターン乱数カウンタＣ３、普図当たり乱数カウンタＣ４及び普図図柄乱数カウンタＣ５を含む、主制御部４０１が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタＣ１〜Ｃ５は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数をカウントする。乱数更新処理において、メインＣＰＵ４１１は、乱数カウンタＣ１〜Ｃ５の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「０」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。ここでは例えば、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数を、夫々、「０〜１９８」、「０〜９９」、「０〜４９９」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数及び普図図柄乱数は、例えば「０〜９」の範囲内でカウントされる。尚、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。

［１−２−２．スイッチ処理］
スイッチ処理を説明する（図６参照）。スイッチ処理において、メインＣＰＵ４１１は、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理、普通入賞口スイッチ処理、Ｖ入賞口スイッチ処理、ハズレ入賞口スイッチ処理を順次実行する。

始動口スイッチ処理は、第１及び第２始動口スイッチ処理から成る（図６参照）。第１始動口スイッチ処理において、メインＣＰＵ４１１は、第１始動口ＳＷ４１４ａにより第１始動口１０５に入賞した遊技球が検出されたタイミング（即ち、始動口１０５への入賞に基づく第１始動条件の成立タイミング）で、カウンタ記憶領域４１３ｃの特図当たり乱数カウンタＣ１、特図図柄乱数カウンタＣ２及び特図変動パターン乱数カウンタＣ３のカウント値を取得し、取得したカウンタＣ１〜Ｃ３のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報（特図保留情報）をメインＲＡＭ４１３の特図判定用情報記憶領域４１３ｄに記憶させる。第２始動口スイッチ処理において、メインＣＰＵ４１１は、第２始動口ＳＷ４１４ｂにより第２始動口１０６に入賞した遊技球が検出されたタイミング（即ち、始動口１０６への入賞に基づく第２始動条件の成立タイミング）で、カウンタ記憶領域４１３ｃの特図当たり乱数カウンタＣ１、特図図柄乱数カウンタＣ２、特図変動パターン乱数カウンタＣ３のカウント値を取得し、取得したカウンタＣ１〜Ｃ３のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報（特図保留情報）を、メインＲＡＭ４１３の特図判定用情報記憶領域４１３ｄに記憶させる。

特図判定用情報記憶領域４１３ｄは、第１始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第２始動条件の成立に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が４であるとする。従って、記憶領域４１３ｄには、最大８つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域４１３ｄ内における、第１、第２始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、夫々、上記の保留情報数Ｕ１、Ｕ２に相当する。また、記憶領域４１３ｄに記憶された各特図判定用情報に対し、当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第１始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第２始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする（つまり、第１特別図柄抽選よりも第２特別図柄抽選のほうが優先される）。始動口スイッチ処理の中で実行される事前判定処理については後述する。

ゲートスイッチ処理（図６参照）において、メインＣＰＵ４１１は、ゲートＳＷ４１５によりゲート１０８を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域４１３ｃの普図当たり乱数カウンタＣ４及び普図図柄乱数カウンタＣ５のカウント値を取得し、取得したカウンタＣ４及びＣ５のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報（普図保留情報）を、メインＲＡＭ４１３の普図判定用情報記憶領域４１３ｉに記憶させる。普図判定用情報記憶領域４１３ｉは、普図判定用情報を所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が４であるとする。記憶領域４１３ｉ内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数Ｕ３に相当する。記憶領域記憶領域４１３ｉに記憶された各普図判定用情報に対し普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。

大入賞口スイッチ処理（図６参照）において、メインＣＰＵ４１１は、大入賞口１１１に入賞した遊技球を大入賞口ＳＷ４１６により検出する。普通入賞口スイッチ処理（図６参照）において、メインＣＰＵ４１１は、普通入賞口１１２に入賞した遊技球を普通入賞口ＳＷ４１７により検出する。Ｖ入賞口スイッチ処理において、メインＣＰＵ４１１は、Ｖ入賞口１４１に入賞した遊技球をＶ入賞口ＳＷ４１８により検出する。ハズレ入賞口スイッチ処理において、メインＣＰＵ４１１は、ハズレ入賞口１４２に入賞した遊技球をハズレ入賞口ＳＷ４１９により検出する。

［１−２−３．特別図柄処理］
特別図柄処理を説明する（図６参照）。特別図柄処理において、メインＣＰＵ４１１は特図判定を実行する。特図判定は、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。上述の当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。故に、特図判定は当たり抽選を包含すると考えても良いし、特図判定と当たり抽選は互いに等価であると考えても良い。特別図柄処理において、メインＣＰＵ４１１は、特図判定用情報記憶領域４１３ｄに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域４１３ｅに記憶させる。そして、特図変動パターン判定によって選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す図柄で特別図柄を停止させる。

メインＣＰＵ４１１は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをメインＲＡＭ４１３に設定することで演出制御部４０３に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインＲＡＭ４１３に設定することで演出制御部４０３に対し変動演出の実行終了を指示する。また、特図当たり判定の結果が大当たり又は小当たりの当選を示しているとき、メインＣＰＵ４１１は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをメインＲＡＭ４１３に設定することで演出制御部４０３に対し大当たり又は小当たりに対応付けられた演出の実行開始を指示し、大当たり遊技又は小当たり遊技の終了時においてエンディングコマンドをメインＲＡＭ４１３に設定することで演出制御部４０３に対し大当たり又は小当たりに対応付けられた演出の実行終了を指示する。これらのコマンドは、後述の出力処理（図６参照）において演出制御部４０３に出力される。

特別図柄処理において、メインＣＰＵ４１１は、特図判定用情報記憶領域４１３ｄ内で最も優先順位を高く設定された特図判定用情報を判定対象（当該判定対象）ＴＴとして取得し、判定対象ＴＴの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象ＴＴとなった特図判定用情報は記憶領域４１３ｄから消去されて（故に保留情報Ｕ１又はＵ２が１だけ減少し）他の記憶領域（不図示）に移される。尚、特別図柄処理において、記憶領域４１３ｄに特図判定用情報が記憶されていない場合には、特図判定が行われることなく特別図柄処理を終える。

特別図柄処理において、メインＣＰＵ４１１は、まず、メインＲＯＭ４１２に記憶された特図当たり判定テーブルＴＡｔと判定対象ＴＴの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。

図７に示すように、特図当たり判定テーブルＴＡｔは、遊技状態が通常遊技状態であるときと電サポ遊技状態であるときとで共通の特図当たり判定テーブルを有して構成され、大当たり及び小当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。但し、上述し、且つ、図示するように第１特別図柄抽選では、特図当たり乱数の如何に関係なく、小当たりに当選しない。

メインＣＰＵ４１１は、第１特別図柄抽選において、判定対象ＴＴの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである（即ち大当たりに当選していない）と判定する。また、第２特別図柄抽選において、判定対象ＴＴの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、判定対象ＴＴの特図当たり乱数が小当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には小当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである（即ち大当たり又は小当たりに当選していない）と判定する。なお、小当たりは、大当たり及び通常のハズレ（小当たり以外のハズレ）とは異なる特別図柄で表される特定のハズレであり、当選と大当たり遊技の実行が直接的に対応付けられていない点で「ハズレ」といえるが、当選と小当たり遊技の実行が直接的に対応付けられており、大当たり遊技の実行と間接的に対応付けられている（小当たり遊技の結果如何で、大当たり遊技が実行される）点で、「大当たりの前段階の当たり」といえる。

図８は、大当たりの種類を示す図である。大当たりの種類として、特Ａ〜特Ｄがある。特Ａ、特Ｂ及び特Ｄは長当たりに属し、特Ｃは短当たりに属する。特Ａのラウンド数、特Ｂのラウンド数、特Ｃのラウンド数、特Ｄのラウンド数は、夫々、４、８、２、１５である。尚、大当たりにおける“Ｒ”はラウンドを示す。各ラウンドにおいて、大入賞口１１１の開放時間が所定時間に達するまで、大入賞口１１１が開放される。但し、各ラウンドにおいて、大入賞口１１１の開放時間が所定時間に達さなくても、大入賞口１１１への遊技球の入賞数が所定数に達した時点で大入賞口１１１は閉鎖される。以下の大入賞口１１１の開放時間に関する説明では、各ラウンドにおいて大入賞口１１１への遊技球の入賞数が所定数に達していない状況を想定している。

長当たりにおける各ラウンドの大入賞口１１１の開放時間は、所定のロング開放時間（例えば３０秒）であって、短当たりにおける各ラウンドの大入賞口１１１の開放時間は、ロング開放時間より短い所定のショート開放時間（例えば０．２秒）である。

第１特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特Ａ、特Ｂ、特Ｃとなる割合は、夫々、３７％、５０％、１３％である。第２特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特Ａ、特Ｂ、特Ｄとなる割合は、夫々、２２％、２８％、５０％である。つまり、第１特別図柄抽選において、特Ｄの大当たりに当選することは無く、また、第２特別図柄抽選において、特Ｃの大当たりに当選することは無い。

図９に、大当たりの発生を契機とした遊技状態及び演出モードの変化の様子を示す。尚、演出モードに関する詳細は、後の説明から明らかとなる。また、図９では小当たりの発生により小当たり遊技が実行され、その結果に基づいて大当たり遊技が実行された場合については考慮しておらず、それについては後述する（図１１参照）。

左打ち遊技中（すなわち通常遊技状態）において特Ａ〜特Ｃのいずれかの大当たりに当選した場合、メインＣＰＵ４１１は、遊技機１００の遊技状態を電サポ遊技状態に設定し、大当たり遊技の終了後、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容（電サポ遊技状態）を維持する。電サポ付与回数とは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がｉ回分だけ変動する間、遊技状態が電サポ遊技状態とされ且つ特別図柄がｉ回分だけ変動した後は非電サポ遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する電サポ付与回数はｉ回である（ｉは整数）。特Ａ〜特Ｄに対する電サポ付与回数は、共通して８０回である（図８参照）。

特図当たり判定において大当たりに当選したと判定した場合、メインＣＰＵ４１１は、メインＲＯＭ４１２に記憶されている特図図柄判定テーブルＴＺｔと判定対象ＴＴの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。

特図図柄判定テーブルＴＺｔは、第１特図図柄判定テーブルと、第２特図図柄判定テーブルとを含んで構成される。判定対象ＴＴが第１始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第１特図図柄判定テーブルを用いて、判定対象ＴＴが第２始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第２特図図柄判定テーブルを用いて、特図図柄判定が行われる。第１、第２特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合（図８参照）で定まるように、夫々、第１、第２特図図柄判定テーブルが形成されている。

図８から分かるように、第２始動条件の成立による特図図柄判定は、第１始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている（即ち、より多くの賞球を得やすい）。ここにおける相対的に有利とは、第２始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口１１１への入賞により得られる賞球数の期待値が、第１始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口１１１への入賞により得られる賞球数の期待値よりも大きいことを意味する。同様に、ロング開放時間による大入賞口１１１の開放を伴う大当たり遊技は、大入賞口１１１がショート開放時間でしか開放されない大当たり遊技よりも、遊技者にとって相対的に有利である（大入賞口１１１への入賞により得られる賞球数の期待値が大きい）。“大当たり遊技において大入賞口１１１への入賞により得られる賞球数の期待値”を、大当たり遊技におけるラウンド数の期待値、又は、大当たり遊技における大入賞口１１１の総開放時間の最大値の期待値に読み替えても良い。

具体的には、第１特別図柄抽選において、ラウンドが１５Ｒの大当たりに当選することがないのに対して、第２特別図柄抽選において、ラウンドが１５Ｒの大当たりに当選しうる点が、第１始動条件の成立による特図図柄判定に比べて、第２始動条件の成立による特図図柄判定の方が遊技者にとって有利となる一因である。

メインＣＰＵ４１１は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルＴＨｔと判定対象ＴＴの特図変動パターン乱数とに基づき、判定対象ＴＴに対する特図変動パターンを判定する特図変動パターン判定を行う。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。特図変動パターンテーブルＴＨｔには複数の特図変動パターンが含まれており、特図変動パターン判定において判定対象ＴＴに対する１つの特図変動パターンが選択される。各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間（特別図柄の変動表示が行われる時間の長さ）を定義している。

特図判定結果記憶領域４１３ｅ（図５参照）には、判定対象ＴＴについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。

図１０は、小当たりの種類を示す図である。尚、図１０には、Ｖ入賞の可否についての記述も含まれているが、それについては後の説明から明らかとなる。小当たりの種類として、小Ａ〜小Ｃには、夫々、ラウンド数、電サポ付与回数が対応付けられているが、これは、各小当たりの当選を契機として実行されるものではなく、各小当たりの当選を契機として実行される小当たり遊技の結果、２種大当たりが発生した際に実行されるものである。上記大当たりの種類に準じれば、小Ａは長当たりに相当するものであり、小Ｂ及び小Ｃは短当たりに相当するものである。

小Ａに対応付けられたラウンド数、小Ｂに対応付けられたラウンド数、小Ｃに対応づけられたラウンド数は、夫々、１５、２、２である。２種大当たり発生後において、各ラウンドにおける、大入賞口１１１の開放時間は、小Ａは上述した長当たりにおける各ラウンドの大入賞口１１１の開放時間（所定のロング開放時間）と同様であり、小Ｂ及び小Ｃは上述した短当たりにおける各ラウンドの大入賞口１１１の開放時間（所定のショート開放時間）と同様である。

第２特別図柄抽選において、小当たりに当選したとき、その小当たりが、小Ａ、小Ｂ、小Ｃとなる割合は、夫々、１．５％、２０％、７８．５％である。

図１１に、小当たりの発生に基づく小当たり遊技の結果、２種大当たりが発生した場合における遊技状態及び演出モードの変化の様子を示す。

電サポ遊技状態における右打ち遊技中において小Ａの小当たりの発生に基づく小当たり遊技結果、２種大当たりが発生した場合、メインＣＰＵ４１１は、遊技機１００の遊技状態を電サポ遊技状態のまま維持し、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容（電サポ遊技状態）を維持する。小Ａに対応付けられた電サポ付与回数は、８０回である（図８参照）。

電サポ遊技状態終了後における右打ち遊技中（電サポ遊技終了時点において第２特別図柄抽選の権利が保留されているときにおける右打ち遊技中）において小Ｂの小当たりの発生に基づく小当たり遊技結果、２種大当たりが発生した場合、メインＣＰＵ４１１は、遊技機１００の遊技状態を電サポ遊技状態とし、電サポ付与回数が経過するまで、その設定内容（電サポ遊技状態）を維持する。小Ｂに対応付けられた電サポ付与回数は、８０回である（図８参照）。

特図当たり判定において小当たりに当選したと判定した場合、メインＣＰＵ４１１は、メインＲＯＭ４１２に記憶されている特図図柄判定テーブルＴＺｔと判定対象ＴＴの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて小当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。

特図図柄判定テーブルＴＺｔは、第３特図図柄判定テーブルを含んで構成される。第１特別図柄抽選では、小当たりに当選しないため、特図図柄判定テーブルＴＺｔは、第２特別図柄抽選で小当たりに当選した場合に用いる第３特図図柄判定テーブルを有する。第２特別図柄についての小当たりの種類が上述した割合（図１０参照）で定まるように、第３特図図柄判定テーブルが形成されている。

［始動口スイッチ処理の中の事前判定処理］
また、始動口スイッチ処理の中でメインＣＰＵ４１１は事前判定処理を実行する（図６参照）。事前判定処理において、メインＣＰＵ４１１は、特図判定用情報記憶領域４１３ｄに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の方法は、判定対象ＴＴに対するそれらの方法と同じである。事前判定処理の判定結果（即ち、事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果）は事前判定情報記憶領域４１３ｈに記憶され、事前判定処理の判定結果を含む事前判定コマンドがメインＲＡＭ４１３に設定されて、後述の出力処理にて演出制御部４０３に送信される。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得された時に、それが記憶領域４１３ｄに記憶される前に始動口スイッチ処理の中で実行される。

［１−２−４．普通図柄処理］
普通図柄処理（図６参照）を説明する。普通図柄処理において、メインＣＰＵ４１１は、普図判定用情報記憶領域４１３ｉ内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象ＦＦとして取得して、普図当たり判定テーブルＦＡｔ、普図図柄判定テーブルＦＺｔ及び普図変動パターンテーブルＦＨｔ並びに普図判定対象ＦＦなどに基づき、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定から成る普図判定を実行し、普図判定の判定結果を普図判定結果記憶領域４１３ｊに記憶させると共に、普図判定の判定結果に基づいて普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普図判定対象ＦＦとなった普図判定用情報は記憶領域４１３ｉから消去されて（故に、保留情報数Ｕ３が１だけ減少し）他の記憶領域（不図示）に移される。尚、普通図柄処理において、記憶領域４１３ｉに普図判定用情報が記憶されていない場合には、普図判定が行われることなく普通図柄処理を終える。

普図当たり判定では、普図当たりに当選したか否かが判定される。普図当たりに当選した場合、普図図柄判定テーブルＦＺｔを用いた普図図柄判定により普図当たりの種類が判定される。普図変動パターン判定において、メインＣＰＵ４１１は、電サポの付与有無などに基づき、普図変動パターンテーブルＦＨｔに含まれる複数の普図変動パターンの中から普図判定対象ＦＦに対する普図変動パターンを選択する。普図変動パターンは、普通図柄の変動時間等を規定している。メインＣＰＵ４１１は、普図判定の判定結果が記憶された普図判定結果記憶領域４１３ｊの記憶内容に基づいて、普通図柄の表示制御を行わせる。例えば、普図変動パターン判定によって選択された普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動表示を行った後、普図当たり判定及び普図図柄判定の判定結果を示す図柄で普通図柄を停止させる。

［１−２−５．電動役物制御処理］
電動役物制御処理を説明する（図６参照）。電動役物制御処理では、大入賞口処理、電チュー処理、第１羽根部材処理、及び、第２羽根部材処理が順次実行される。

大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口１１１が開閉動作される。大入賞開放パターンテーブルＤＫｔには、大入賞口１１１の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されている。メインＣＰＵ４１１は、テーブルＤＫｔを参照して大入賞口処理を実現する。

長当たりに対応する大入賞口開放パターンにおいて、各ラウンドでの大入賞口１１１の開放時間は３０秒分の所定のロング開放時間ｔ_LONGであって、各ラウンドにおいて大入賞口１１１が継続してロング開放時間ｔ_LONGだけ開放される。但し、上述したように、各ラウンドにおいて、大入賞口１１１の開放時間がロング開放時間ｔ_LONGに達していなくても、大入賞口１１１への遊技球の入賞数が所定値（例えば１０個）に達した時点で大入賞口１１１は閉鎖され、当該ラウンドは終了する。

短当たり（特Ｃの大当たり）に対応する大入賞口開放パターンにおいて、各ラウンドでの大入賞口１１１の開放時間は０．２秒分の所定のショート開放時間ｔ_shortであって、各ラウンドにおいて大入賞口１１１が継続してショート開放時間ｔ_shortだけ開放するショート開放処理が所定のラウンド間インターバル時間（例えば２秒）を間に挟んで２回実行される。２回のショート開放処理の後、所定のエンディング時間（例えば５秒）だけ待機して、特Ｃの大当たり遊技を終了する。。

尚、上述の特Ｃによる大当たり遊技では、ショート開放時間による大入賞口１１１の開放回数が２回になっているが、ショート開放時間による大入賞口１１１の開放回数を３回以上にしても良いし、１回にしても良い。

また、大入賞口処理の中で遊技状態設定処理（図６参照）が実行される。遊技状態設定処理において、メインＣＰＵ４１１は、遊技状態を定める電サポ遊技フラグなどの各種遊技フラグを遊技フラグ記憶領域４１３ｆに設定する。上述したように、遊技機１００の遊技状態は、電サポ遊技フラグがＯＮであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがＯＦＦであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、発生した大当たりの種類に応じて、電サポ遊技フラグのＯＮ／ＯＦＦが設定される他、発生した大当たりの種類に応じて、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数ＪがメインＲＡＭ４１３に設定される。本実施形態では、いずれの１種大当たり又は２種大当たりの発生に伴う遊技状態設定処理においても（図８参照）、電サポ遊技フラグがＯＮとされ且つ電サポ遊技残回数Ｊに「８０」が設定される。

遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Ｊは、“Ｊ≧１”であるとき特図判定が１回実行されるごとに“１”だけ減算され、“Ｊ＝０”となると電サポ遊技フラグにＯＦＦが設定されて遊技機１００の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。遊技機１００の初期状態において、電サポ遊技フラグはＯＦＦであり且つ回数Ｊには“０”が設定されている。上述したように、遊技盤１０１の背面に設けられたＲＡＭクリアスイッチを用いて遊技機１００の遊技情報を初期化することで、初期状態となる。

電チュー処理において、メインＣＰＵ４１１は、普通図柄処理の処理結果に基づき電動チューリップ１０７を開閉動作させる。普通図柄抽選で当たり（普図当たり）に当選した場合に、所定時間、電動チューリップ１０７が開状態とされる。

第１羽根部材処理では、特図判定の結果が小当たりの当選を示しているときに、小当たりの種類及び遊技状態に応じた第１羽根部材開放パターンを用いて第１羽根部材１１０が開閉動作される。メインＲＯＭ４１２に記憶されている第１羽根部材開放パターンテーブルＨＢｔ１には、第１羽根部材１１０の開放態様を定義した第１羽根部材開放パターンが遊技状態に応じて小当たりの種類ごとに格納されている。メインＣＰＵ４１１は、テーブルＨＢｔ１を参照して第１羽根部材処理を実現する。

第２羽根部材処理では、特図判定の結果が小当たりの当選を示しているときに、小当たりの種類の如何、及び、遊技状態の如何を問わず共通の第２羽根部材開放パターンを用いて第２羽根部材１４４が開閉動作される。メインＲＯＭ４１２に記憶されている第２羽根部材開放パターンテーブルＨＢｔ２には、第２羽根部材１４４の開放態様を定義した第２羽根部材開放パターンが格納されている。メインＣＰＵ４１１は、テーブルＨＢｔ２を参照して第２羽根部材処理を実現する。

図１２及び図１３を参照して、第１羽根部材開放パターン及び第２羽根部材開放パターンについて説明する。図１２は遊技状態が電サポ遊技状態である場合における開放パターンを示し、図１３は遊技状態が非電サポ遊技状態である場合（すなわち電サポ付与回数経過後の最大４回の第２特別図柄抽選）における開放パターンを示している。

図１２を参照して、電サポ遊技状態における第１羽根部材１１０及び第２羽根部材１４４の開放パターンを説明する。小当たり遊技は、特図変動が停止し、所定期間の特図変動停止期間（例えば０．５秒）経過後にオープニングコマンドを受信することによって開始される。小Ａの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs1（例えば０．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs2（例えば３．０秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（例えば１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（例えば２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

小Ｂの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs5（例えば３．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs6（例えば３．０秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（上記例では１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（上記例では２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

小Ｃの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs7（例えば３．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs8（例えば０．５秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（上記例では１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（上記例では２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

図１２及び上記説明から分かるように、電サポ遊技状態において小Ａの小当たり遊技は、第１羽根部材１１０の開放タイミングと第２羽根部材１４４の開放タイミングが重複しており（すなわち、第２羽根部材１４４の開放中は第１羽根部材１１０が開状態であり）、Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞しうる開放パターンとなっている。これに対して、電サポ遊技状態において小Ｂ及び小Ｃの小当たり遊技は、第１羽根部材１１０の開放タイミングと第２羽根部材１４４の開放タイミングが重複しておらず（すなわち、第２羽根部材１４４の開放中は第１羽根部材１１０が閉状態であり）、Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞しえない開放パターンとなっている。

図１３を参照して、非電サポ遊技状態における第１羽根部材１１０及び第２羽根部材１４４の開放パターンを説明する。小当たり遊技は、電サポ遊技状態と同様に、特図変動が停止し、所定期間の特図変動停止期間（上記例では０．５秒）経過後にオープニングコマンドを受信することによって開始される。小Ａの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs5（上記例では３．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs6（上記例では３．０秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（上記例では１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（上記例では２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

小Ｂの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs1（上記例では０．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs2（上記例では３．０秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（上記例では１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（上記例では２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

小Ｃの小当たり遊技では、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs7（上記例では３．５秒）経過後に第１羽根部材１１０を所定の時間ｔ_hs8（上記例では０．５秒）だけ開放する開放処理が実行されると共に、オープニングコマンドの受信後、所定の待機時間ｔ_hs3（上記例では１．０秒）経過後に第２羽根部材１４４を所定の時間ｔ_hs4（上記例では２．０秒）だけ開放する開放処理が実行される。

図１３及び上記説明から分かるように、非電サポ遊技状態において小Ｂの小当たり遊技は、第１羽根部材１１０の開放タイミングと第２羽根部材１４４の開放タイミングが重複しており（すなわち、第２羽根部材１４４の開放中は第１羽根部材１１０が開状態であり）、Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞しうる開放パターンとなっている。これに対して、非電サポ遊技状態において小Ａ及び小Ｃの小当たり遊技は、第１羽根部材１１０の開放タイミングと第２羽根部材１４４の開放タイミングが重複しておらず（すなわち、第２羽根部材１４４の開放中は第１羽根部材１１０が閉状態であり）、Ｖ入賞口１４１に遊技球が入賞しえない開放パターンとなっている。

そして、図１２及び図１３から分かるように、電サポ遊技状態での小Ａの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンと、非電サポ遊技状態での小Ｂの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンとが同一であり、また、非電サポ遊技状態での小Ａの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンと、電サポ遊技状態での小Ｂの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンとが同一である。つまり、形式的には、電サポ遊技状態であるか非電サポ遊技状態であるかによって、小Ａの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンと、小Ｂの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンとが入れ替わる形となっている。また、小Ｃの小当たり遊技における第１羽根部材１１０の開放パターンは、遊技状態の如何を問わず同一である。この構成により遊技者は、電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選の結果、小当たりの種類が小Ａである小当たりに当選した場合にＶ入賞させることが可能であり、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選の結果、小当たりの種類が小Ｂである小当たりに当選した場合にＶ入賞させることが可能である。

なお、上述した各小当たりの種類に応じた開放パターン例は、電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選の結果、小当たりの種類が小Ａである小当たりに当選した場合にＶ入賞させることが可能であり、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選の結果、小当たりの種類が小Ｂである小当たりに当選した場合にＶ入賞させることが可能であることを実現するための一例に過ぎず、当該目的が達成できる範囲で任意の開放パターンに変えることが可能である。なお、本実施形態では、遊技状態の如何を問わず第２羽根部材１４４の開放パターンは同一であり、同一の遊技状態において同一の小当たりの種類である場合に、第１羽根部材１１０の開放パターンを異なる開放パターンとする（例えば複数の開放パターンからランダムの開放パターンを選択する）ことはできない。

小当たり遊技の結果、Ｖ入賞されたとき、すなわち２種大当たりが発生した場合には、小当たりの種類に対応付けられた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口１１１が開閉動作される。当該大入賞口開放パターンも上述した大入賞開放パターンテーブルＤＫｔ（図５参照）に含まれていてよい。

［１−２−６．賞球処理］
賞球処理において、メインＣＰＵ４１１は、第１始動口１０５、第２始動口１０６、大入賞口１１１、普通入賞口１１２、Ｖ入賞口１４１及びハズレ入賞口１４２の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域４１３ｇに設定する。

［１−２−７．出力処理］
出力処理において、メインＣＰＵ４１１は、メインＲＡＭ４１３内の各記憶領域の記憶内容を示す情報（任意のコマンドを含む）などを、主制御部４０１に接続された各制御部（賞球制御部４０２及び演出制御部４０３を含む）に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部４０２に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部４０３に出力される。尚、出力処理において、メインＣＰＵ４１１は自身が認識又は保持している任意の情報（例えば、電サポ遊技フラグの状態を示す情報）を演出制御部４０３に伝達できる。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってメインＣＰＵ４１１が実行する処理はメイン処理に戻る（図６参照）。

また、図５に示すように、主制御部４０１には盤用外部情報端子基板４９１が接続されており、主制御部４０１は、メインＲＡＭ４１３内の記憶内容を示す情報を、基板４９１を通じて外部（例えば遊技施設のホールコンピュータ）に出力することができる。

［２．賞球制御部］
賞球制御部４０２は、ＣＰＵと、ＲＯＭと、ＲＡＭと、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。賞球制御部４０２は、主制御部４０１からの払い出し指示（賞球コマンド）に基づき、賞球の払い出しを行う。

賞球制御部４０２には、遊技球を検出する各種ＳＷが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部４０２には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出ＳＷ４２４と、払い出した遊技球を検出する払出球検出ＳＷ４２５と、上皿１２３内に遊技球があるかを検出する球有り検出ＳＷ４２６と、上皿１２３が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出ＳＷ４２７ａと、下皿１２５が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出ＳＷ４２７ｂと、が接続されている。ＳＷ４２４〜４２６、４２７ａ及び４２７ｂの夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部４０２へ出力する（具体的には、遊技球を検出した場合にはＯＮとなり検出信号を出力し、遊技球を検出しない場合にはＯＦＦとなり検出信号を出力しない）。賞球制御部４０２は、主制御部４０１から出力された払い出し指示や、ＳＷ４２４〜４２６、４２７ａ及び４２７ｂから入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部４０２は、ＳＷ４２４〜４２６、４２７ａ及び４２７ｂから入力される検出信号を主制御部４０１へ出力しても良い。

また、賞球制御部４０２には、発射部４２８が接続される。賞球制御部４０２は、発射部４２８に対する遊技球の発射の操作（遊技者による操作）を検出して遊技球の発射を制御する。発射部４２８は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部４０２は、発射部４２８のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０１の遊技領域１０３に遊技球を打ち出す。

また、賞球制御部４０２には、賞球を払い出すための払出部４２９が接続される。払出部４２９は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部４０２は、払出部４２９を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口（第１始動口１０５、第２始動口１０６、大入賞口１１１、普通入賞口１１２、Ｖ入賞口１４１、ハズレ入賞口１４２）への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部４０２には枠用外部情報端子基板４９２が接続されており、賞球制御部４０２が取り扱う各種情報を、基板４９２を通じて外部に出力することができる。

［３．演出制御部］
演出制御部４０３は、ＣＰＵ４３１と、ＲＯＭ４３２と、ＲＡＭ４３３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される（図５参照）。演出制御部４０３におけるＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭを、夫々、特に、サブＣＰＵ、サブＲＯＭ、サブＲＡＭとも呼ぶ。サブＣＰＵ４３１は、遊技機１００が行う演出の制御に関する各種プログラムをサブＲＯＭ４３２から読み出し、サブＲＡＭ４３３をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。

演出制御部４０３は、画像表示部１０４の表示制御やスピーカ１１５の音声出力制御を行う画像／音声制御部（不図示）と、演出ライト部１１６及び遊技盤１０１上の盤ランプ１３５の点灯制御並びに可動役物１１７及び１３０の駆動制御を行うランプ制御部（不図示）などを備える。また、演出制御部４０３には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン１２１及び十字キー１２２が接続されている。演出制御部４０３は、演出ボタン１２１及び十字キー１２２に対する遊技者からの入力操作内容に応じた演出を行うことができる。

演出制御部４０３は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素（演出手段と言い換えることもでき、上述した演出部材と同義であると考えてよい）を用いて実現する。即ち、演出制御部４０３は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる（この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部４０３が演出の主体であると捉える）。演出実現要素は、画像表示部１０４、スピーカ１１５、演出ライト部１１６、枠可動役物１１７、盤ランプ１３５及び盤可動役物１３０の内、少なくとも１つを含む。変動演出は、特別図柄の変動表示から停止表示までの間において演出制御部４０３により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。尚、演出による示唆、報知、告知又は通知は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。

［３−１．演出メイン処理］
図１４に、演出制御部４０３が行う主だった処理を列記する。演出制御部４０３へ電力が供給されると、サブＣＰＵ４３１により演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、サブＣＰＵ４３１は、演出制御部４０３内のＣＴＣなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容をサブＲＡＭ４３３に記憶させる。

［３−２．演出タイマ割込処理］
サブＣＰＵ４３１は、演出メイン処理によりサブＲＡＭ４３３に記憶された設定内容に従う周期で、演出メイン処理に対し演出タイマ割込処理を割り込み実行する（図１４参照）。演出タイマ割込処理において、サブＣＰＵ４３１は、コマンド受信処理及び操作受付処理を順次実行する。

［３−２−１．コマンド受信処理］
コマンド受信処理において、サブＣＰＵ４３１は、特図演出処理、普図演出処理及び当たり演出処理を実行する。

［３−２−１−１．特図演出処理］
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。サブＣＰＵ４３１は、主制御部４０１からの変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、主制御部４０１からの変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には、変動演出パターン選択処理が内包される。変動演出パターン選択処理において、サブＣＰＵ４３１は、主制御部４０１より受信したコマンド等に基づき、サブＲＯＭ４３２に記憶された特図変動演出パターンテーブルから特図変動演出パターンを選択及び判定する。選択及び判定された特図変動演出パターンによる変動演出が特図演出処理において実行される。

また、サブＣＰＵ４３１は、主制御部４０１から事前判定コマンドを受信したとき、コマンド受信処理において、保留増加処理を行う。保留増加処理では、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部１０４に追加表示する。事前判定対象に対応する保留画像は、後に、その事前判定対象が判定対象ＴＴとなって変動開始コマンドが受信された際に、画像表示部１０４から消去される又は特定の表示位置にシフトされる。サブＣＰＵ４３１は、事前判定コマンドに基づき、事前判定対象についての先読み予告演出を行うこともできる。

［３−２−１−２．普図演出処理］
普図演出処理（図１４参照）は、主制御部４０１から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、サブＣＰＵ４３１により実行される。普通図柄の変動開始時及び終了時において主制御部４０１から普通図柄に関するコマンドが演出制御部４０３に送信される。普図演出処理では、普通図柄の変動時における普図演出が実行される。

［３−２−１−３．当たり演出処理］
当たり演出処理（図１４参照）は、主制御部４０１から当たり演出に関するコマンドが受信された場合にサブＣＰＵ４３１により実行される。大当たり遊技又は小当たり遊技である当たり遊技の開始時、終了時に、当たり演出に関するコマンドとして、夫々、オープニングコマンド、エンディングコマンドが主制御部４０１から演出制御部４０３に送信される。当たり演出処理において、演出制御部４０３は、オープニングコマンドの受信に応答して当たり演出を開始し、エンディングコマンドの受信に応答して当たり演出を終了させる。

［３−２−２．操作受付処理］
操作受付処理（図１４参照）において、サブＣＰＵ４３１は、演出ボタン１２１又は十字キー１２２からの信号に基づき、遊技者による演出ボタン１２１又は十字キー１２２への操作状態（操作の入力有無及び操作の内容）を認識する。演出制御部４０３は、認識された操作状態に応じた演出を行うことができる。

＜＜演出モードについて＞＞
図１５（ａ）に、演出制御部４０３のサブＲＯＭ４３２に格納された演出モードテーブルＭｔを示す。サブＣＰＵ４３１は、主制御部４０１から受信したコマンド等に基づき、演出モードテーブルＭｔに定義される複数の演出モードの中から１つの演出モードを選択及び設定する。ここで選択される演出モードを、以下、対象演出モードと呼ぶことがある。演出制御部４０３は対象演出モードにて変動演出を含む各種の演出を行う。上記複数の演出モードには、第１〜第３の演出モードとしてのラッシュモード、特殊モード及び通常モードが含まれる。演出制御部４０３は、ラッシュモード、特殊モード及び通常モード間において、互いに異なる演出を実行する。図１５（ａ）に示すように、演出モードテーブルＭｔにおける各演出モードに対しモードフラグが対応付けられている。演出モードとしてラッシュモード、特殊モード及び通常モードが選択及び使用される状態は、夫々、モードフラグに“１”、“２”、“３”が設定される状態に相当する。モードフラグはサブＲＡＭ４３３に記憶され、サブＣＰＵ４３１によって、その値が可変設定される。図１５（ｂ）には、各演出モードと電サポ付与の有無との関係が示されている。演出制御部４０３は、電サポ遊技状態、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選が行われる場合、非電サポ遊技状態において第１特別図柄抽選が行われる場合において、夫々、ラッシュモード、特殊モード、通常モードを対象演出モードとして設定する。

図１６（ａ）〜（ｃ）に、夫々、ラッシュモード、特殊モード、通常モードにおける画像表示部１０４の表示例を示す。各演出モードにおいて、演出制御部４０３は、画像表示部１０４に背景画像を表示し、背景画像上に装飾図柄等を重畳表示することができる。ラッシュモード、特殊モード及び通常モード間で背景画像は互いに異なり、装飾図柄等の表示態様もラッシュモード、特殊モード及び通常モード間で互いに異なりうる。

ラッシュモードは、電サポ遊技状態において使用される演出モードである。従って、ラッシュモードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。尚、ラッシュモードによる演出は、遊技者に右打ちを促す演出（例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示）を含む。

特殊モードは、非電サポ遊技状態において使用される演出モードであって、特に、電サポ遊技終了時点において第２特別図柄抽選の権利が保留されているときに、その保留に係る第２特別図柄抽選（最大４回の第２特別図柄抽選）が終了するまでの間、第２特別図柄抽選が行われることを遊技者に示唆する演出モードである。特殊モードによる演出を見た遊技者は、電サポ遊技終了後において、第２特別図柄抽選が行われることを認識することができる。尚、特殊モードによる演出では、右打ちを促す演出が非表示とされるが、ラッシュモードによる演出と同様に、遊技者に右打ちを促す演出（例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示）が含まれていてもよい。第２特別図柄抽選の結果、小当たりに当選した場合、小当たり遊技が実行され、小当たり遊技においてＶ入賞させることができれば再び電サポ遊技が行われる、いわゆる引き戻しチャンスであり、Ｖ入賞させるためには右打ち遊技を継続する必要があるからである。

通常モードは、非電サポ遊技状態において使用される演出モードであって、第１特別図柄抽選が行われることを遊技者に示唆する演出モードである。

以上のことから特殊モードと通常モードとは、非電サポ遊技状態において使用される演出モードである点で共通しているが、その演出モードにおいて実行される当たり抽選は、前者が第２特別図柄抽選であるのに対して、後者は第１特別図柄抽選である。加えて、遊技者による遊技方法においても、前者は右打ち遊技状態であるのに対して、後者は左打ち遊技状態である点で異なる。

＜＜ラッシュモード及び特殊モードにおける特徴的演出＞＞
次に、遊技機１００で実行可能な特徴的な演出を説明する。ここでは、ラッシュモード（電サポ遊技状態）、及び、特殊モード（電サポ遊技状態終了後、最大４回の第２特別図柄抽選が終了するまでの間における非電サポ遊技状態）にて実行可能な特徴的な演出を説明する。

ラッシュモード及び特殊モードでは、第２特別図柄抽選の結果が小当たりである場合、小当たり遊技の結果、２種大当たりが発生するか否かによって大当たり遊技が行われるかどうかが決まる、言い換えれば、小当たり当選時には、大当たり遊技が実行されるか否かが未確定であるため、２種大当たりの発生の是非を瞬間的に示唆することが可能な演出が実行される。なお、第２特別図柄抽選の結果が大当たり又はハズレである場合には、特別図柄の変動停止後に、１種大当たりの発生又はハズレであることを示唆する演出を実行すればよい。

＜＜ラッシュモードにおける演出＞＞
図１７を参照し、ラッシュモードにおける演出の一例を説明する。図１７は、画像表示部１０４に表示されるラッシュモードにおける演出例を表している。ラッシュモードでは特別図柄の変動表示中において、所定のキャラクターが、「Ｖ」が表記された看板（看板Ｓ１）と、「×」が表記された看板（看板Ｓ２）と、を共に掲げる画像が表示され（図１７（ａ））、特別図柄の変動停止後に、１種大当たりの発生、２種大当たりの発生、大当たりの非発生（第２特別図柄抽選の結果が小当たりであり、小当たり遊技の結果、２種大当たりが発生しない場合、及び、第２特別図柄抽選の結果がハズレである場合）を示唆する画像を表示する。図１７（ｂ）は１種大当たり又は２種大当たりが発生した場合に、画像表示部１０４に表示される画像を示しており、所定のキャラクターが図１７（ａ）に示した状態から、看板Ｓ１を掲げたまま看板Ｓ２を下げた画像である。図１７（ｃ）は大当たりが発生しなかった場合に、画像表示部１０４に表示される画像を示しており、所定のキャラクターが図１７（ａ）に示した状態から、看板Ｓ２を掲げたまま看板Ｓ１を下げた画像である。

＜＜特殊モードにおける演出＞＞
図１８を参照し、特殊モードにおける演出の一例を説明する。図１８は、電サポ遊技終了時点において、第２特別図柄抽選の権利が４個保留されている場合に、画像表示部１０４に表示される特殊モードにおける演出例を表している。特殊モードでは特別図柄の変動表示中において、「Ｖ」が表記された１区画と、「×」表記された４区画と、の合計５区画を含む的と、当該的に向かって銃を構える所定のキャラクターの画像が表示され（図１８（ａ））、特別図柄の変動停止時又は変動停止後に、１種大当たりの発生、２種大当たりの発生、又は、大当たりの非発生を示唆する画像を表示する。図１８（ｂ）は１種大当たり又は２種大当たりが発生した場合に、画像表示部１０４に表示される画像を示しており、所定のキャラクターが発射した銃弾が、「Ｖ」が表記された区画を貫通した画像である。図１８（ｃ）は大当たりが発生しなかった場合に、画像表示部１０４に表示される画像を示しており、所定のキャラクターが発射した銃弾が、「×」が表記された４区画の一つ（図中では左上の区画）を貫通した画像である。４回の第２特別図柄抽選の結果（小当たり遊技の結果を含む）１種大当たり及び２種大当たりが発生しなかった場合には、「×」が表記された４区画の全てが銃弾により撃ち抜かれた画像が画像表示部１０４に表示されることになる（図１８（ｄ）参照）。

図１８に示すように特殊モードにおける演出において、画像表示部１０４上に表示される「残り弾数」は、第２特別図柄抽選の権利の保留数に対応付けられており、電サポ遊技終了時点における第２特別図柄抽選の権利の保留数がＮ（Ｎは１〜４の整数）であるとき、残り弾数は、Ｎ発と表示され、第２特別図柄抽選の権利が消化される毎に、弾数表示が１ずつ減少する。なお、本例では電サポ遊技終了時点における第２特別図柄抽選の権利の保留数の如何を問わず同一のモード（特殊モード）にて、同様の演出（的を銃弾で撃ち抜く演出）を実行することとしたが、同一のモードにて異なる演出を実行してもよいし、第２特別図柄抽選の権利の保留数に対応付けられた第１特殊モード〜第４特殊モードにて所定の演出を実行することしてもよい。その場合、図１８にて示した演出は、第２特別図柄抽選の権利の保留数が４個である場合に対応付けられた第４特殊モードにて実行される、的を銃弾で撃ち抜く演出である。

＜＜遊技機の遊技方法＞＞
以上の記載を基準として、本実施形態における遊技機１００の概略遊技方法について説明する。なお、遊技の開始時において遊技機１００は初期状態であることとする。

[遊技開始〜大当たり当選までの遊技の流れ]
遊技機１００が初期状態である、すなわち通常遊技状態（非電サポ遊技状態）で制御されているときは、普通図柄抽選により電動チューリップ１０７の開放に当選せず、第２始動条件を成立させることができないことから第１始動条件を成立させるように遊技を行う必要がある。そして、上述したように右打ち遊技によって第１始動条件を成立させることはできないため、遊技者は左打ち遊技を行う。左打ち遊技を行い、第１始動条件が成立すると、第１特別図柄抽選が行われる。そして第１特別図柄抽選の結果、大当たり（１種大当たり）に当選した場合には、大当たりの種類に応じた大当たり遊技が実行される。大当たり遊技においては右打ち遊技を行い、大入賞口１１１に遊技球を入賞させることで多数の賞球を得ることができる。

[大当たり遊技後の電サポ遊技中における遊技の流れ]
第１特別図柄抽選により大当たり（１種大当たり）に当選した場合は、大当たりの種類を問わず、遊技状態設定処理（図６参照）において、遊技機１００の遊技状態が通常遊技状態から電サポ遊技状態に制御される。電サポ遊技状態においては、遊技球がゲート１０８を通過することによる普通図柄抽選の結果、電動チューリップ１０７の開放に当選した場合、電動チューリップ１０７が開放され、第２始動条件が成立しうる。従って、遊技者は電サポ遊技状態において右打ち遊技を行う必要がある。

電サポ遊技状態において遊技機１００は、対象演出モードとしてラッシュモードを選択・設定し、例えば大当たり遊技終了後に、「右打ちして下さい」との音声をスピーカ１１５から出力すると共に、電サポ遊技（電動チューリップ１０７の開放を伴う遊技）中において、「右打ちして下さい」との文字を画像表示部１０４に表示し続けることで、遊技者に右打ち遊技を促す報知を行う。

右打ち遊技により第２始動条件が成立すると、第２特別図柄抽選が行われる。そして第２特別図柄抽選の結果、大当たり（１種大当たり）に当選した場合には、大当たりの種類に応じた大当たり遊技が実行される。但し、本実施形態においては第２特別図柄抽選の結果、大当たり（１種大当たり）に当選する確率は低く（通常遊技状態と同様に１／１９９）、高確率（１９７／１９９）で小当たりに当選する。小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行され、Ｖ入賞させることができれば、２種大当たりが発生する。図１０に示すように、電サポ遊技中において、Ｖ入賞が可能な小当たりの種類は小Ａであり、小当たりに当選した場合に、その種類が小Ａである確率は１．５％である。電サポ付与回数である８０回の第２特別図柄抽選のいずれかで、種類が小Ａである小当たりに当選することで、Ｖ入賞が可能となる。２種大当たりが発生した場合には、１５Ｒの大当たり遊技が実行され、引き続き電サポ遊技状態に制御される。

[電サポ遊技後の遊技の流れ]
８０回の第２特別図柄抽選のいずれかで、種類が小Ａである小当たりに当選することができなかった場合、遊技機１００の遊技状態は電サポ遊技状態から通常遊技状態（非電サポ遊技状態）に制御される。その後、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選が行われない場合（電サポ遊技状態における８０回目の第２特別図柄抽選の結果を示す第２特別図柄の変動停止時点で、第２特別図柄抽選の権利が保留されていない場合）、遊技機１００は対象演出モードとして通常モードを選択・設定し、「左打ちに戻してください」との音声をスピーカ１１５から出力すると共に、「左打ちに戻して下さい」との文字を画像表示部１０４に表示することで、遊技者に対して右打ち遊技から左打ち遊技に戻すよう促す報知を行う。

一方、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選が行われる場合（電サポ遊技状態における８０回目の第２特別図柄抽選が終了する時点で、第２特別図柄抽選の権利が保留されている場合）、第２特別図柄抽選の結果、小当たりに当選することによって小当たり遊技が実行されるため、遊技者は右打ち遊技を継続する必要がある。そこで、遊技機１００は対象演出モードとして特殊モードを選択・設定するが、左打ち遊技に戻すよう促す報知を行わない。

図１０に示すように、電サポ遊技終了後において、Ｖ入賞が可能な小当たりの種類は小Ｂであり、小当たりに当選した場合に、その種類が小Ｂである確率は２０％である。最大４回の第２特別図柄抽選のいずれかで、種類が小Ｂである小当たりに当選することで、Ｖ入賞が可能となる。２種大当たりが発生した場合には、２Ｒの大当たり遊技（遊技球を入賞させることが困難な態様で大入賞口１１１を開閉させる処理を２ラウンド分行う実質出玉のない大当たり遊技）が実行され、その後、遊技機１００の遊技状態が非電サポ遊技状態から電サポ遊技状態に変更される。

＜＜本実施形態に関する補足＞＞
メインＣＰＵ４１１は、特別図柄処理において、特図判定を実行し、特図判定には特別図柄の変動時間を規定する特図変動パターン判定が含まれる。メインＣＰＵ４１１は、電サポ遊技状態で、電サポ付与回数である８０回目の特図変動パターン判定において、所定時間以上（例えば５秒以上）の変動時間を規定する特図変動パターンを選択することとしてもよい。当該構成により、８０回目の特別図柄の変動時間において、遊技者に対して、第２始動口１０６に遊技球を入賞させる時間が与えられる。

図１０において、小当たりの種類に対応付けられたラウンド数として、１５Ｒ及び２Ｒの２種類が設定され、電サポ遊技中においてＶ入賞可能な小Ａに対応付けられたラウンド数を１５Ｒ、電サポ遊技後の非電サポ遊技状態においてＶ入賞可能な小Ｂに対応付けられたラウンド数を２Ｒとし、前者は後者に比べて大入賞口１１の開放回数が多く、遊技者がより多くの賞球を得やすく（得られる賞球の期待値が大きく）遊技者にとって有利であることとした。これにより、電サポ遊技状態での大当たりは多くの賞球が得やすく、遊技者に満足感を与え、電サポ遊技後の非電サポ遊技状態での大当たりは、遊技者が電サポ遊技状態が終了したことに対して落胆しているときに再び電サポ遊技状態に制御されるものであり、賞球が得やすいものでなくとも、遊技者に対して満足感を与えることができる。

遊技の興趣を向上させることができる態様で種々、小当たりの種類に対応付けられるラウンド数の種類や、電サポ遊技状態及び電サポ遊技後の非電サポ遊技状態における２種大当たり発生時のラウンド数を設定可能である。例えば、小当たりの種類に対応付けられるラウンド数として、１４Ｒ、８Ｒ、４Ｒ、２Ｒの４種類を設け、電サポ遊技状態における大当たりは８Ｒ又は４Ｒとして着実に賞球を増やすことが可能であり、電サポ遊技後の非電サポ遊技状態における大当たりは１６Ｒ又は２Ｒとして、多くの賞球を得られるか又はほぼ賞球が得られないこととして、電サポ遊技後における第２特別図柄抽選に対する遊技者の期待感を向上させることとしてもよい。

非電サポ遊技状態において普通図柄抽選により、電動チューリップ１０７の開放に当選した場合、遊技球を始動口１０６に入賞させることが困難な態様で電動チューリップ１０７を開放することとしたが、当該開放態様によっても、遊技球が始動口１０６に入賞する可能性がある。その場合、第２特別図柄抽選が行われることになる。そして第２特別図柄抽選の結果、小当たりに当選し、小当たり遊技を経て２種大当たりが発生すると、大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技後において遊技機１００の遊技状態は、非電サポ遊技状態に設定されることとしてもよい。

また、非電サポ遊技状態において普通図柄抽選により、電動チューリップ１０７の開放に当選する場合、その当たりの種類として、遊技球を始動口１０６に入賞させることが困難な態様で電動チューリップ１０７を開放する当たり（以下「普Ａ」と称する。）と、遊技球を始動口１０６に入賞させることが可能な態様で電動チューリップ１０７を開放する当たり（以下「普Ｂ」と称する。）と、が設けられていてもよい。普通図柄抽選により、電動チューリップ１０７の開放に当選した場合に、その当たりが普Ｂである確率を普Ａである確率に比べて極めて低確率に設定してもよい。普Ｂに当選する確率が低確率であり、且つ、普Ｂに当選した場合に、特別な演出（例えば、右打ちを促す演出、及び、２種大当たりを発生させる機会が訪れたことを示唆する演出を含む演出）を実行することとすれば、遊技者にとって出現頻度（視聴頻度）の極めて低い演出が実行されることとなって、遊技の興趣が向上する。この場合において、小当たり遊技を経て２種大当たりが発生したときに、大当たり遊技後における遊技機１００の遊技状態は、非電サポ遊技状態に設定されることとしてもよいし、電サポ遊技状態に設定されることとしてもよい。なお、本実施形態では、第１特別図柄抽選において小当たりに当選しないこととしたが、当該特別な演出を実行可能である場合には、第１特別図柄抽選において小当たりに当選することとしてもよい。

本実施形態において第２特別図柄抽選が行われる場合、１／１９９の確率で大当たりに当選し、１９７／１９９の確率で小当たりに当選し、１／１９９の確率で大当たりにも小当たりにも当選しない（すなわちハズレとなる）こととしたが、大当たりに当選する確率はそのままに、小当たりに当選する確率を低確率とし、ハズレの確率を高確率とした上で、本実施形態と同様のゲーム性を実現してもよい。

図１９は、本変形例による特図当たり判定テーブルの変形例の説明図であり、図２０は、本変形例による小当たりの種類の変形例を示す図である。図１９を参照して非電サポ遊技状態において、遊技機１００は、特図当たり判定テーブル（図１９のテーブルＴＡｔｈ参照）を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、１／１９９の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。なお、非電サポ遊技状態では主として左打ち遊技が行われ、左打ち遊技により第１特別図柄抽選が行われる場合、小当たりには当選しない。電サポ遊技状態において、遊技機１００は、通常遊技状態と同一の特図当たり判定テーブル（図１９のテーブルＴＡｔｈ参照）を用いた当たり抽選を行い、１／１９９の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。なお、電サポ遊技状態では主として右打ち遊技が行われ、右打ち遊技により第２特別図柄抽選が行われる場合、２４／１９９の確率で小当たりに当選する。

図２０を参照して、小Ｄに対応付けられたラウンド数、小Ｅに対応付けられたラウンド数は、夫々、１５、２である。第２特別図柄抽選において、小当たりに当選したとき、その小当たりが、小Ｄ、小Ｅとなる割合は、夫々、１０％、９０％である。なお、小Ｄ及び小Ｅに対応付けられた電サポ付与回数は、４０回である。当該変形例によれば、右打ち遊技により第２始動条件が成立し、第２特別図柄抽選が行われると、２４／１９９の確率で小当たりに当選する。小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行され、Ｖ入賞させることができれば、２種大当たりが発生する。図１０に示すように、電サポ遊技中において、Ｖ入賞が可能な小当たりの種類は小Ｄであり、小当たりに当選した場合に、その種類が小Ｄである確率は１０％である。電サポ付与回数である４０回の第２特別図柄抽選のいずれかで、種類が小Ｄである小当たりに当選することで、Ｖ入賞が可能となる。２種大当たりが発生した場合には、１５Ｒの大当たり遊技が実行され、引き続き電サポ遊技状態に制御される。４０回の第２特別図柄抽選のいずれかで、種類が小Ｄである小当たりに当選することができなかった場合、遊技機１００の遊技状態は電サポ遊技状態から通常遊技状態（非電サポ遊技状態）に制御される。その後、非電サポ遊技状態において第２特別図柄抽選が行われる場合、種類が小Ｅである小当たりに当選することで、Ｖ入賞が可能となる。小当たりに当選した場合に、その種類が小Ｅである確率は９０％である。つまり上記実施形態と本変形例とを比較すると、上記実施形態では第２特別図柄抽選により小当たりに当選する確率は高確率とされるものの、電サポ遊技状態及び非電サポ遊技状態の双方においてＶ入賞が困難な小当たりの種類に当選する確率が高確率に設定されると共に、電サポ遊技状態においてＶ入賞が可能な小当たりの種類に当選する確率を、非電サポ遊技状態においてＶ入賞が可能な小当たりの種類に当選する確率よりも低確率とすることで、上記ゲーム性を実現している。これに対して本変形例では、第２特別図柄抽選により小当たりに当選する確率は比較的低確率とされるものの、電サポ遊技状態及び非電サポ遊技状態の双方においてＶ入賞が困難な小当たりの種類が設定されないと共に、電サポ遊技状態においてＶ入賞が可能な小当たりの種類に当選する確率を、非電サポ遊技状態においてＶ入賞が可能な小当たりの種類に当選する確率よりも低確率とすることで、上記ゲーム性を実現している。

＜＜本実施形態に関する発明の考察＞＞
本実施形態に関する発明について考察する。

本実施形態に一側面に係る遊技機Ｗは、始動条件の成立（例えば第２始動口１０６に対する遊技球の入賞）に基づいて、遊技結果の判定（例えば、大当たりであるか、小当たりであるか、ハズレであるか）を行う遊技判定手段と、遊技球の進入が困難な第１の態様（例えば閉状態）と遊技球の進入が可能な第２の態様（例えば開状態）とに変化可能な可変入球装置（例えば第１羽根部材）と、前記可変入球装置内の所定領域（例えばＶ入賞口）に対する遊技球の通過に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技（例えば大入賞口の開放遊技を含む遊技）を発生させる特別遊技発生手段と、遊技状態を前記始動条件が成立し難い第１の遊技状態（例えば非電サポ遊技状態）又は前記始動条件が成立し易い第２の遊技状態（例えば電サポ遊技状態）に制御可能な遊技状態制御手段と、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が所定の結果（例えば小Ｂの小当たりの当選）である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能な可変入球装置制御手段と、を備えることを特徴としている。

上記構成の遊技機Ｗによれば、遊技判定の結果が所定の結果である場合に、遊技状態が第１の遊技状態（非電サポ遊技状態）であるか第２の遊技状態（電サポ遊技状態）であるかによって、可変入球装置が第１の態様（閉状態）から第２の態様（開状態）に変化するパターンが異なり、当該パターンの違いによって、Ｖ入賞の可否が異なる。従って、同一の当たりの種類でありながら、遊技状態によって遊技性を異ならせることが可能であり、遊技の興趣が向上する。

また上記構成の遊技機Ｗにおいて、前記可変入球装置制御手段は、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果とは異なる他の結果（例えば小Ａの小当たりに当選）である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な前記第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記他の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な前記第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能であることが望ましい。

上記構成の遊技機Ｗによれば、遊技状態が第１の遊技状態（非電サポ遊技状態）である場合、遊技判定の結果が、小Ａの小当たりであればＶ入賞が困難であり、小Ｂの小当たりであればＶ入賞が可能であるのに対して、遊技状態が第２の遊技状態（電サポ遊技状態）である場合、遊技判定の結果が、小Ａの小当たりであればＶ入賞が可能であり、小Ｂの小当たりであればＶ入賞が困難である。当該構成により、電サポ遊技状態において２種大当たりが発生した場合と、非電サポ遊技状態において２種大当たりが発生した場合とで、各小当たりの種類に応じた互いに異なる特別遊技が可能となり、遊技性が豊富となって興趣が向上する。

上記構成の遊技機Ｗにおいて、遊技判定手段、特別遊技発生手段、遊技状態制御手段、可変入球装置制御手段は、遊技機１００において例えば主制御部４０１により実現される。遊技判定手段における判定は、特図当たり判定を含み、更に特図図柄判定及び特図変動パターン判定を含みうる。

上述の実施形態の遊技機１００においては、始動条件の成立に基づいて、遊技結果の判定を行う遊技判定手段が主制御部４０１に設けられている。また、可変入球装置内の所定領域に対する遊技球の通過に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を発生させる特別遊技発生手段が主制御部４０１に設けられている。ここで、遊技者にとって有利な特別遊技とは、遊技者にとって多くの賞球を得やすい特別遊技であって、上述したように、大入賞口の開放遊技を含む遊技である。

また、遊技状態を前記始動条件が成立し難い第１の遊技状態又は前記始動条件が成立し易い第２の遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段が主制御部４０１に設けられている。ここで、始動条件の成立の困難性／容易性は、電サポ付与の無／有に相当する。具体的には、始動条件が成立し難い遊技状態とは、電サポが付与されておらず、第２始動口１０６に対する遊技球の入球が困難な遊技状態であり、始動条件が成立し易い遊技状態とは、電サポが付与されており、第２始動口１０６に対する遊技球の入球が容易（可能）である遊技状態である。

また、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能な可変入球装置制御手段が主制御部４０１に設けられている。

／／／変形等／／／
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。

また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種と旧第二種の遊技方法が融合した融合（複合）タイプのパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明を、それ以外のタイプ（例えば旧第一種タイプ）のパチンコ遊技機に適用しても良いし、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。

１００遊技機
１０５、１０６始動口
１０７電動チューリップ
１０８ゲート
１０９特定入球口
１１０第１羽根部材（特許請求の範囲における可変入球装置）
１４１Ｖ入賞口（特許請求の範囲における所定領域）
１４４第２羽根部材
４０１主制御部（特許請求の範囲における遊技判定手段、特別遊技発生手段、遊技状態制御手段、可変入球装置制御手段）

Claims

始動条件の成立に基づいて、遊技結果の判定を行う遊技判定手段と、
遊技球の進入が困難な第１の態様と遊技球の進入が可能な第２の態様とに変化可能な可変入球装置と、
前記可変入球装置内の所定領域に対する遊技球の通過に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を発生させる特別遊技発生手段と、
遊技状態を前記始動条件が成立し難い第１の遊技状態又は前記始動条件が成立し易い第２の遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能な可変入球装置制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
前記可変入球装置制御手段は、
前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第１の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記所定の結果とは異なる他の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過困難な前記第２のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させ、
前記遊技状態制御手段により遊技状態が前記第２の遊技状態に制御されているときにおいて、前記遊技判定手段による前記判定の結果が前記他の結果である場合に、遊技球が前記所定領域を通過可能な前記第１のパターンで前記可変入球装置を前記第１の態様から前記第２の態様に変化させる制御を行うことが可能であることを特徴とする請求項１に記載の遊技機。