JP5913538B2 - 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置 - Google Patents

硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びそれを用いてなる半導体装置に関する。
ヒドロシリル化反応により硬化する硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、フォトカプラー、発光ダイオード、固体撮像素子等の光学用半導体装置における半導体素子の保護剤あるいはコーティング剤として使用されている。このような半導体素子の保護剤あるいはコーティング剤は、前記素子が発光したり、あるいは受光したりするため、光を吸収したり、散乱しないことが要求されている。
ヒドロシリル化反応により硬化して、屈折率と光透過性が高い硬化物を形成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、例えば、一分子中、アルケニル基を少なくとも2個有し、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも20モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、一分子中、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも5モル%がアルケニル基であり、少なくとも5モル%がアリール基であり、少なくとも5モル%がアルコキシ基であり、少なくとも5モル%がエポキシ含有有機基であるオルガノポリシロキサン、及びヒドロシリル化反応用触媒から少なくともなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物(特許文献1参照)、一分子中、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも0.5モル%がアルケニル基であり、少なくとも25モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン、一分子中、少なくとも平均2個のケイ素原子結合アリール基と少なくとも平均2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、及びヒドロシリル化反応用触媒からなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物(特許文献2参照)が挙げられる。
しかし、これらの硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化して得られる硬化物の光透過率が低かったり、また、硬化物の基材に対する密着性が乏しいため、基材から剥離しやすいという問題があった。
特開2007−327019号公報 特開2008−1828号公報
本発明は、屈折率、光透過率及び基材に対する密着性が高い硬化物を形成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及び半導体素子が上記組成物の硬化物により被覆されてなる、信頼性が優れる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、
(A)平均組成式:
SiO(4−a)/2
(式中、Rは非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、aは0.6〜2.1の数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合全有機基の少なくとも15モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン、
(C)平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
{式中、各Rは独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はエポキシ含有有機基であり、ただし、一分子中、全Rの少なくとも5モル%がアルケニル基であり、少なくとも15モル%がアリール基であり、少なくとも10モル%がエポキシ含有有機基であり、Xは水素原子又はアルキル基であり、bは正数であり、cは0又は正数であり、dは0又は正数であり、eは0又は正数であり、fは0又は正数であり、かつ、c/bは0〜10の数であり、d/bは0〜5の数であり、e/(b+c+d+e)は0〜0.3の数であり、f/(b+c+d+e)は0〜0.02の数である。}
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン、及び
(D)ヒドロシリル化反応用触媒
から少なくともなり、前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分と前記(C)成分に含まれるアルケニル基に対して、前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子がモル比で0.1〜5となる量であり、前記(C)成分の含有量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部であり、前記(D)成分の含有量は、本組成物の硬化を促進する量である。
前記(A)成分は、一般式:
SiO(R SiO)SiR
(式中、各Rは独立に、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、mは5〜1,000の整数である。)
で表される直鎖状のオルガノポリシロキサン及び/又は平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
{式中、Rは前記と同じであり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、gは正数であり、hは0又は正数であり、iは0又は正数であり、jは0又は正数であり、kは0又は正数であり、かつ、h/gは0〜10の数であり、i/gは0〜5の数であり、j/(g+h+i+j)は0〜0.3の数であり、k/(g+h+i+j)は0〜0.4の数である。}
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが好ましい。
前記(B)成分は、一般式:
SiO(R SiO)SiR
(式中、各Rは独立に、水素原子、又は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRが水素原子であり、全Rの少なくとも15モル%がアリール基であり、nは5〜1,000の整数である。)
で表される直鎖状のオルガノポリシロキサン及び/又は平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
{式中、Rは前記と同じであり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRが水素原子であり、全Rの少なくとも15モル%がアリール基であり、pは正数であり、qは0又は正数であり、rは0又は正数であり、sは0又は正数であり、tは0又は正数であり、かつ、q/pは0〜10の数であり、r/pは0〜5の数であり、s/(p+q+r+s)は0〜0.3の数であり、t/(p+q+r+s)は0〜0.4の数である。}
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが好ましい。
前記(C)成分の質量平均分子量は少なくとも2,000であることが好ましい。
このような本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、可視光(589nm)における屈折率(25℃)が1.5以上であるものが好ましく、また、硬化して、光透過率(25℃)が80%以上である硬化物を形成するものが好ましい。
本発明の半導体装置は、半導体素子が、上記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により被覆されている。この半導体素子は発光素子であることが好ましい。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化物の屈折率、光透過率及び基材に対する密着性が高いという特徴があり、また、本発明の半導体装置は、半導体素子が上記組成物の硬化物により被覆されているので、信頼性が優れるという特徴がある。
はじめに、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を詳細に説明する。
(A)成分は、本組成物の主成分であり、平均組成式:
SiO(4−a)/2
で表されるオルガノポリシロキサンである。式中、Rは非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基が例示される。ただし、一分子中、少なくとも2個のRはアルケニル基である。このアルケニル基としては、ビニル基が好ましい。また、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、一分子中、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、好ましくは、少なくとも40モル%がアリール基である。このアリール基としては、フェニル基が好ましい。また、式中、aは0.6〜2.1の範囲内の数である。このような(A)成分の分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状が例示される。(A)成分は、このような分子構造を有する一種もしくは2種以上の混合物であってもよい。
このような(A)成分としては、一般式:
SiO(R SiO)SiR
で表される直鎖状のオルガノポリシロキサンおよび/または平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが好ましい。式中、各Rは独立に、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。ただし、一分子中、少なくとも2個のRはアルケニル基である。このアルケニル基としては、ビニル基が好ましい。また、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、一分子中、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、好ましくは、少なくとも40モル%がアリール基である。このアリール基としては、フェニル基が好ましい。また、式中、mは5〜1,000の範囲内の整数である。また、式中、gは正数であり、hは0又は正数であり、iは0又は正数であり、jは0又は正数であり、kは0又は正数であり、かつ、h/gは0〜10の範囲内の数であり、i/gは0〜5の範囲内の数であり、j/(g+h+i+j)は0〜0.3の範囲内の数であり、k/(g+h+i+j)は0〜0.4の範囲内の数である。
(B)成分は、本組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分中のケイ素原子結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。ただし、得られる硬化物において、光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、一分子中のケイ素原子結合全有機基の少なくとも15モル%がアリール基であり、好ましくは、少なくとも25モル%がアリール基である。このような(B)成分の分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、環状が例示される。(B)成分は、このような分子構造を有する1種もしくは2種以上の混合物であってもよい。
このような(B)成分としては、一般式:
SiO(R SiO)SiR
で表される直鎖状のオルガノポリシロキサン及び/又は平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが好ましい。式中、各Rは独立に、水素原子、又は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基である。Rの一価炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。ただし、一分子中、少なくとも2個のRは水素原子である。また、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、一分子中、全Rの少なくとも15モル%がアリール基であり、好ましくは、少なくとも40モル%がアリール基である。このアリール基としては、フェニル基が好ましい。また、式中、nは5〜1,000の範囲内の整数である。また、式中、pは正数であり、qは0又は正数であり、rは0又は正数であり、sは0又は正数であり、tは0又は正数であり、かつ、q/pは0〜10の範囲内の数であり、r/pは0〜5の範囲内の数であり、s/(p+q+r+s)は0〜0.3の範囲内の数であり、t/(p+q+r+s)は0〜0.4の範囲内の数である。
(C)成分は、本組成物の基材に対する密着性を向上させるための成分であり、平均単位式:
(RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
で表される分岐状オルガノポリシロキサンである。式中、各Rは独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、若しくはエポキシ含有有機基である。Rのアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基が例示され、好ましくは、メチル基である。Rのアルケニル基として、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、好ましくは、ビニル基である。Rのアリール基として、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が例示され、好ましくは、フェニル基である。Rのエポキシ含有有機基として、具体的には、3−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシブチル基、5,6−エポキシヘキシル基が例示され、好ましくは、3−グリシドキシプロピル基である。ただし、一分子中の全Rの少なくとも5モル%がアルケニル基であり、好ましくは、少なくとも8モル%がアルケニル基である。また、一分子中の全Rの少なくとも15モル%はアリール基であり、好ましくは、少なくとも25モル%がアリール基である。また、一分子中の全Rの少なくとも10モル%はエポキシ含有有機基であり、好ましくは、少なくとも20モル%がエポキシ含有有機基である。また、式中、Xは水素原子又はアルキル基である。Xのアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基が例示され、好ましくは、メチル基である。また、式中、bは正数であり、cは0又は正数であり、dは0又は正数であり、eは0又は正数であり、fは0又は正数であり、かつ、c/bは0〜10の範囲内の数であり、d/bは0〜5の範囲内の数であり、e/(b+c+d+e)は0〜0.3の範囲内の数であり、f/(b+c+d+e)は0〜0.02の範囲内の数である。このような(C)成分の質量平均分子量は少なくとも2,000であることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分と(C)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子とのヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化反応用触媒である。このような(D)成分としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、本組成物の硬化を著しく促進できることから白金系触媒が好ましい。この白金系触媒としては、白金微粉末、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−アルケニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体が例示され、特に、白金−アルケニルシロキサン錯体であることが好ましい。このアルケニルシロキサンとしては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部をエチル基、フェニル基等で置換したアルケニルシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのビニル基をアリル基、ヘキセニル基等で置換したアルケニルシロキサンが例示される。特に、この白金−アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好であることから、1,3−ジビニル−1,1,3,3−トテラメチルジシロキサンが好ましい。また、この白金−アルケニルシロキサン錯体の安定性を向上させることができることから、この錯体に1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジアリル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン等のアルケニルシロキサンやジメチルシロキサンオリゴマー等のオルガノシロキサンオリゴマーを添加することが好ましく、特に、アルケニルシロキサンを添加することが好ましい。
本組成物は、上記(A)成分〜(D)成分から少なくともなり、各成分の含有量は次のとおりである。
(B)成分の含有量は、上記(A)成分と上記(C)成分に含まれるアルケニル基に対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子がモル比で0.1〜5となる範囲内の量であり、好ましくは、0.5〜2となる範囲内の量である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる組成物が十分に硬化しなくなる傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する傾向があるからである。
(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲内であり、好ましくは、0.1〜10質量部の範囲内であり、特に好ましくは0.2〜10質量部の範囲内である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる硬化物の基材に対する密着性が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物の変色が起きやすくなる傾向があるからである。
(D)成分の含有量は本組成物の硬化を促進する量であり、具体的には、本組成物に対して、本成分中の金属原子が質量単位で0.01〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましく、さらには、0.01〜100ppmの範囲内となる量であることが好ましく、特には、0.01〜50ppmの範囲内となる量であることが好ましい。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、本組成物が十分に硬化しなくなる傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる硬化物に着色等の問題を生じるおそれがあるからである。
本組成物には、その他任意の成分として、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を含有してもよい。この反応抑制剤の含有量は限定されないが、上記(A)成分〜(C)成分の合計100質量部に対して0.0001〜5質量部の範囲内であることが好ましい。
また、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化亜鉛等の無機質充填剤;ポリメタクリレート樹脂等の有機樹脂微粉末;耐熱剤、染料、顔料、難燃性付与剤、溶剤等を含有してもよい。
本組成物の25℃における粘度は限定されないが、100〜1,000,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、500〜50,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。これは、粘度が上記範囲の下限未満であると、得られる硬化物の機械的強度が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる組成物の取扱作業性が低下する傾向があるからである。
本組成物は、可視光(589nm)における屈折率(25℃)が1.5以上であることが好ましい。また、本組成物を硬化して得られる硬化物の光透過率(25℃)が80%以上であることが好ましい。これは、組成物の屈折率が1.5未満であったり、硬化物の光透過率が80%未満であると、硬化物により被覆された半導体素子を有する半導体装置に十分な信頼性を付与することができなくなるおそれがあるからである。なお、この屈折率は、例えば、アッベ式屈折率計により測定することができる。この際、アッベ式屈折率計における光源の波長を変えることにより任意の波長における屈折率を測定することができる。また、この光透過率は、例えば、光路長1.0mmの硬化物を分光光度計により測定することにより求めることができる。
本組成物は室温もしくは加熱により硬化が進行するが、迅速に硬化させるためには加熱することが好ましい。この加熱温度としては、50〜200℃の範囲内であることが好ましい。このような本組成物は、電気・電子用の接着剤、ポッティング剤、保護剤、コーティング剤、アンダーフィル剤として使用することができ、特に、光透過率が高いことから、光学用途の半導体素子の接着剤、ポッティング剤、保護剤、コーティング剤、アンダーフィル剤として好適である。
次に、本発明の半導体装置について詳細に説明する。
本装置は、上記の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により半導体素子が被覆されている。この半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、固体撮像素子、モノリシックIC、さらにはハイブリッドIC中の半導体素子が例示される。また、このような半導体装置としては、ダイオード、発光ダイオード(LED)、トランジスタ、サイリスタ、フォトカプラー、CCD、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LSI、VLSIが例示される。特に、光透過率が高いことから、好ましくは、発光ダイオード(LED)である。
本装置の一例である単体の表面実装型LEDの断面図を図1に示した。図1で示されるLEDは、半導体素子1がリードフレーム2上にダイボンドされ、この半導体素子1とリードフレーム3とがボンディングワイヤ4によりワイヤボンディングされている。この半導体素子1は本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物5により被覆されている。
図1で示される表面実装型LEDを製造する方法としては、半導体素子1をリードフレーム2にダイボンドし、この半導体素子1とリードフレーム3とを金製のボンディングワイヤ4によりワイヤボンドし、次いで、半導体素子1に本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を塗布した後、50〜200℃に加熱して硬化させる方法が例示される。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び半導体装置を実施例と比較例により詳細に説明する。なお、粘度は25℃における値である。また、式中のMe、Ph、Vi、およびEpは、それぞれメチル基、フェニル基、ビニル基、および3−グリシドキシプロピル基を表している。
硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の諸特性を次のようにして測定した。
[硬化性オルガノポリシロキサン組成物の屈折率]
硬化性オルガノポリシロキサン組成物の屈折率を、アッベ式屈折率計を用いて25℃で測定した。なお、光源として、可視光(589nm)を用いた。
[硬化物の光透過率]
硬化性オルガノポリシロキサン組成物を2枚のガラス板間に入れ150℃で1時間保持して硬化させ(光路長0.2mm)、光透過率を、可視光(波長400nm〜700nm)の範囲において任意の波長で測定できる自記分光光度計を用いて25℃で測定した。ガラス板込みの光透過率とガラス板のみの光透過率を測定して、その差を硬化物の光透過率とした。なお、表1中には波長450nmにおける光透過率を記載した。
[硬化物の硬さ]
硬化性オルガノポリシロキサン組成物を150℃で1時間プレス成形することによりシート状硬化物を作製した。このシート状硬化物の硬さをJIS K 6253に規定されるタイプAまたはタイプDデュロメータにより測定した。
[ポリフタルアミド(PPA)樹脂板への接着力]
2枚のポリフタルアミド(PPA)樹脂板(幅25mm、長さ50mm、厚さ1mm)間にポリテトラフルオロエチレン樹脂製スペーサ(幅10mm、長さ20mm、厚さ1mm)を挟み込み、その隙間に硬化性オルガノポリシロキサン組成物を充填し、クリップで留め、150℃の熱風循環式オーブン中に1時間保持して硬化させた。室温に冷却後、クリップとスペーサを外して引張試験機により該ポリフタルアミド(PPA)樹脂板を水平反対方向に引張って破壊時の応力を測定した。
[アルミニウム板への接着力]
2枚のアルミニウム板(幅25mm、長さ75mm、厚さ1mm)間にポリテトラフルオロエチレン樹脂製スペーサ(幅10mm、長さ20mm、厚さ1mm)を挟み込み、その隙間に硬化性オルガノポリシロキサン組成物を充填し、クリップで留め、150℃の熱風循環式オーブン中に1時間保持して硬化させた。室温に冷却後、クリップとスペーサを外して引張試験機により該アルミニウム板を水平反対方向に引張って破壊時の応力を測定した。
また、硬化性オルガノポリシロキサン組成物を使用して表面実装型の発光ダイオード(LED)を次のようにして作製した。
[表面実装型の発光ダイオード(LED)の作製]
底部が塞がった円筒状のポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース(内径2.0mm、深さ1.0mm)の内底部の中心部に向かってインナーリードが側壁から延出しており、インナーリードの中央部上にLEDチップが載置されており、LEDチップとインナーリードはボンディングワイヤにより電気的に接続している前駆体の、ポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース内に、各実施例または各比較例の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を脱泡してディスペンサーを用いて注入し、加熱オーブン中、100℃で30分、続いて150℃で1時間加熱して、硬化させることにより、各々16個の図1に示す表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製した。
このようにして得られた表面実装型の発光ダイオード(LED)について、硬化物の剥離率を次のようにして評価した。
[硬化物の初期剥離率]
上記表面実装型の発光ダイオード(LED)16個について、ポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース内壁と該組成物の加熱硬化物間の剥離状態を光学顕微鏡で観察し、剥離した個数/16個を剥離率とした。
[恒温恒湿保持後の剥離率]
上記表面実装型の発光ダイオード(LED)16個を30℃/70RH%の空気中に72時間保持した後、室温(25℃)下に戻して、ポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース内壁と該組成物の加熱硬化物間の剥離状態を光学顕微鏡で観察し、剥離した個数/16個を剥離率とした。
[280℃/30秒間保持後の剥離率]
上記恒温恒湿保持後の表面実装型の発光ダイオード(LED)16個を280℃のオーブン内に30秒間置いた後、室温(25℃)下に戻して、ポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース内壁と該組成物の加熱硬化物間の剥離状態を光学顕微鏡で観察し、剥離した個数/16個を剥離率とした。
[熱衝撃サイクル後の剥離率]
上記280℃/30秒間保持後の表面実装型の発光ダイオード(LED)16個を、−40℃に30分間保持した後、100℃に30分間保持し、この温度サイクル(−40℃⇔100℃)を合計5回繰り返した後、室温(25℃)下に戻して、ポリフタルアミド(PPA)樹脂ケース内壁と該組成物の加熱硬化物間の剥離状態を光学顕微鏡で観察し、剥離した個数/16個を剥離率とした。
[実施例1]
粘度3,500mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン(ビニル基の含有量=1.5重量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=49モル%)60質量部、25℃で固体状の平均単位式:
(PhSiO3/2)0.75(ViMeSiO1/2)0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ビニル基の含有量=5.6質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%)20質量部、粘度115mPa・sの式:
HMeSiO(PhSiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.32質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%)10質量部、粘度1,400mPa・sの平均単位式:
(PhSiO3/2)0.5(HMeSiO1/2)0.5
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.51質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=33モル%)10質量部、粘度12,000mPa・sの平均単位式:
(PhSiO3/2)0.50(EpSiO3/2)0.25(ViMeSiO1/2)0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ケイ素原子結合全有機基中のビニル基の含有率=16.7モル%、ケイ素原子結合全有機基中の3−グリシドキシプロピル基の含有率=16.7モル%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=33.3モル%、質量平均分子量=4,500)4質量部、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、本錯体中の白金金属が質量単位で2.5ppmとなる量)、及び2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.05質量部を均一に混合して、粘度3,400mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.50 (EpSiO 3/2 ) 0.25 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO) SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.5 (HMe SiO 1/2 ) 0.5
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.0である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
[実施例2(参考)]
25℃で固体状の平均単位式:
(PhSiO3/2)0.75(ViMeSiO1/2)0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ビニル基の含有量=5.6質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%)70質量部、粘度mPa・sの式:
HMeSiO(PhSiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.60質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=33モル%)30質量部、粘度37,000mPa・sの平均単位式:
(PhSiO3/2)0.60(EpMeSiO2/2)0.20(ViMeSiO1/2)0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ケイ素原子結合全有機基中のビニル基の含有率=12.5モル%、ケイ素原子結合全有機基中の3−グリシドキシプロピル基の含有率=12.5モル%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=37.5モル%、質量平均分子量=3800)2質量部、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、本錯体中の白金金属が質量単位で2.5ppmとなる量)、及び2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.05質量部を均一に混合して、粘度2,100mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.60 (EpMeSiO 2/2 ) 0.20 (ViMe SiO 1/2 ) 0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.2である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
[実施例3]
粘度3,500mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン(ビニル基の含有量=1.5質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=49モル%)40質量部、25℃で固体状の平均単位式:
(PhSiO3/2)0.75(ViMeSiO1/2)0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ビニル基の含有量=5.6質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%)40質量部、粘度5mPa・sの式:
HMeSiO(PhSiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.60質量%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=33モル%)20質量部、粘度13,000mPa・sの平均単位式:
(EpSiO3/2)0.4(PhSiO2/2)0.40(ViMeSiO2/2)0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ケイ素原子結合全有機基中のビニル基の含有率=12.5モル%、ケイ素原子結合全有機基中の3−グリシドキシプロピル基の含有率=25モル%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%、質量平均分子量=3,200)4質量部、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(本組成物において、本錯体中の白金金属が質量単位で2.5ppmとなる量)、及び2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.05質量部を均一に混合して、粘度2,400mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンと平均単位式:
(EpSiO 3/2 ) 0.4 (Ph SiO 2/2 ) 0.40 (ViMeSiO 2/2 ) 0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.1である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、平均単位式:
(PhSiO3/2)0.50(EpSiO3/2)0.25(ViMeSiO1/2)0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンの代わりに、粘度4,100mPa・sの平均単位式:
(PhSiO3/2)0.50(EpSiO3/2)0.25(ViMeSiO1/2)0.25(MeO1/2)0.10
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(全シロキサン単位に対するメトキシ基の含有量=10モル%、質量平均分子量=2,400)を同量配合した以外は実施例1と同様にして、粘度3,200mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.50 (EpSiO 3/2 ) 0.25 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25 (MeO 1/2 ) 0.10
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO) SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.5 (HMe SiO 1/2 ) 0.5
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.0である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例2において、平均単位式:
(PhSiO3/2)0.60(EpMeSiO2/2)0.20(ViMeSiO1/2)0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンを使用しない以外は実施例2と同様にして、粘度2,000mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.2である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例3において、平均単位式:
(EpSiO3/2)0.4(PhSiO2/2)0.40(ViMeSiO2/2)0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンの代わりに、粘度13,000mPa・sの平均単位式:
(EpSiO3/2)0.4(PhSiO2/2)0.40(MeSiO2/2)0.20
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン(ケイ素原子結合全有機基中の3−グリシドキシプロピル基の含有率=25モル%、ケイ素原子結合全有機基中のフェニル基の含有率=50モル%、質量平均分子量=3,200)を同量使用した以外は実施例3と同様にして、粘度2,400mPa・sの硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサンと平均単位式:
(PhSiO 3/2 ) 0.75 (ViMe SiO 1/2 ) 0.25
で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンに含まれるビニル基に対する、式:
HMe Si(Ph SiO)SiMe
で表されるジフェニルポリシロキサンに含まれるケイ素原子結合水素原子のモル比は1.1である。
この硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物の特性を測定した。また、この硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて表面実装型の発光ダイオード(LED)を作製し、信頼性評価を行った。これらの結果を表1に示した。
Figure 0005913538
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、電気・電子用の接着剤、ポッティング剤、保護コーティング剤、アンダーフィル剤として使用することができ、特に、光透過率が高いことから、光学用途の半導体素子の接着剤、ポッティング剤、保護剤、コーティング剤、アンダーフィル剤として好適である。また、本発明の半導体装置は、ダイオード、発光ダイオード(LED)、トランジスタ、サイリスタ、フォトカプラー、CCD、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LSI、VLSIとして好適である。
本発明の半導体装置の一例であるLEDの断面図である。
1 ポリフタルアミド(PPA)樹脂製ケース
2 LEDチップ
3 インナーリード
4 ボンディングワイヤ
5 硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物

Claims (7)

  1. (A)平均組成式:
    SiO(4−a)/2
    (式中、Rは非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、aは0.6〜2.1の数である。)
    で表され、一般式:
    SiO(R SiO)SiR
    (式中、各Rは独立に、非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、mは5〜1,000の整数である。)
    で表される直鎖状のオルガノポリシロキサン及び平均単位式:
    (RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
    {式中、Rは前記と同じであり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRがアルケニル基であり、全Rの少なくとも30モル%がアリール基であり、Xは水素原子又はアルキル基であり、gは正数であり、hは0又は正数であり、iは0又は正数であり、jは0又は正数であり、kは0又は正数であり、かつ、h/gは0〜10の数であり、i/gは0〜5の数であり、j/(g+h+i+j)は0〜0.3の数であり、k/(g+h+i+j)は0〜0.4の数である。}
    で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンからなるオルガノポリシロキサン、
    (B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合の非置換又はハロゲン置換の全一価炭化水素基の少なくとも15モル%がアリール基であるオルガノポリシロキサン、
    (C)平均単位式:
    (RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
    {式中、各Rは独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はエポキシ含有有機基であり、ただし、一分子中、全Rの少なくとも5モル%がアルケニル基であり、少なくとも15モル%がアリール基であり、少なくとも10モル%がエポキシ含有有機基であり、Xは水素原子又はアルキル基であり、bは正数であり、cは0又は正数であり、dは0又は正数であり、eは0又は正数であり、fは0又は正数であり、かつ、c/bは0〜10の数であり、d/bは0〜5の数であり、e/(b+c+d+e)は0〜0.3の数であり、f/(b+c+d+e)は0〜0.02の数である。}
    で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサン、及び
    (D)ヒドロシリル化反応用触媒
    から少なくともなり、前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分と前記(C)成分に含まれるアルケニル基に対して、前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子がモル比で0.1〜5となる量であり、前記(C)成分の含有量は、前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部であり、前記(D)成分の含有量は、本組成物の硬化を促進する量である硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (B)成分が、一般式:
    SiO(R SiO)SiR
    (式中、各Rは独立に、水素原子、又は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRが水素原子であり、非置換又はハロゲン置換の全一価炭化水素基の少なくとも15モル%がアリール基であり、nは5〜1,000の整数である。)
    で表される直鎖状のオルガノポリシロキサン及び/又は平均単位式:
    (RSiO3/2)(R SiO2/2)(R SiO1/2)(SiO4/2)(XO1/2)
    {式中、Rは前記と同じであり、ただし、一分子中、少なくとも2個のRが水素原子であり、非置換又はハロゲン置換の全一価炭化水素基の少なくとも15モル%がアリール基であり、Xは水素原子又はアルキル基であり、pは正数であり、qは0又は正数であり、rは0又は正数であり、sは0又は正数であり、tは0又は正数であり、かつ、q/pは0〜10の数であり、r/pは0〜5の数であり、s/(p+q+r+s)は0〜0.3の数であり、t/(p+q+r+s)は0〜0.4の数である。}
    で表される分岐鎖状のオルガノポリシロキサンである、請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. (C)成分の質量平均分子量が少なくとも2,000である、請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 可視光(589nm)における屈折率(25℃)が1.5以上である、請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 硬化して、光透過率(25℃)が80%以上である硬化物を形成する、請求項1記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 半導体素子が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により被覆されている半導体装置。
  7. 半導体素子が発光素子である、請求項6記載の半導体装置。
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