JP5913281B2 - 樹脂構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセルからなるコア層と、コア層の表面に配置されるスキン層とを備えた樹脂構造体に関する。
従来、多角柱状又は円柱状をなす複数のセルからなる板状の樹脂構造体が知られている。例えば、特許文献1は、キャップシートと、キャップシートの上面に配置されるライナーシートと、キャップシートの下面に配置されるバックシートとを備えた樹脂構造体を開示する。キャップシートは、規則的に配置された円筒状の複数の突起部を有している。ライナーシートは、キャップシートの突起部の頂部に当接及び接合されている。バックシートは、キャップシートにおけるライナーシートと反対側の表面に接合されている。ライナーシートの外表面には、金属層が形成されている。
特許文献1の樹脂構造体に難燃性を付与するため、ライナーシートの外表面には、金属層が形成されている。しかしながら、金属層の材料や厚みによっては、樹脂構造体の重量が過度に増加する虞がある。また、ライナーシートの外表面に金属層を形成するには、蒸着等の成膜法を用いる必要がある。このため、樹脂構造体の製造工程が複雑になり、製造コストが増加する虞がある。
また、金属層を備えた樹脂構造体では、樹脂のみからなる樹脂構造体に比べて、曲げ加工等の後加工が難しくなる。また、樹脂構造体の廃棄やリサイクルの際に、金属層を樹脂構造体から取り除いて、金属と樹脂とを分別する必要がある。しかしながら、ライナーシートの外表面から金属層のみを取り除く作業は、大変手間がかかる。このため、実際には、産業廃棄物として処分する必要があり、環境に対する負荷が大きい。
特開2004−190215号公報
本発明の目的は、金属層を形成することなく樹脂構造体に難燃性を付与することである。
上記の課題を解決するために、本発明の第一の態様によれば、複数のセルからなるコア層と、コア層の上下両面に配置される一対のスキン層とを備えた樹脂構造体が提供される。一対のスキン層のうち少なくとも一方は、熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の可燃性を低下させる難燃剤とを含有する難燃組成物により構成され、難燃組成物は、難燃剤としてハロゲンを含まないリン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤を含有し、前記リン系難燃剤は、リン酸とジアミンとの塩、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、又は赤燐であり、前記窒素含有化合物系難燃剤は、リン酸とメラミンとの塩又はポリリン酸アンモニウム化合物であり、熱可塑性樹脂100重量部に対するリン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤の配合割合は、5〜80重量部である。
この構成によれば、コア層の上下両面に配置される一対のスキン層のうち少なくとも一方が、難燃剤を含有する難燃組成物により構成されている。このため、樹脂構造体の表面に金属層を設けなくても、難燃性を付与することができる。その結果、蒸着法とは異なり複雑な工程を経ることなく、樹脂構造体を製造することができる。また、金属層を備える樹脂構造体に比べて、曲げ加工等の後加工を容易に行うこともできる。また、樹脂構造体を廃棄する際に金属層を取り除く必要もない。更に、熱可塑性樹脂100重量部に対する各難燃剤の配合割合が5〜80重量部である。このため、難燃組成物からなるスキン層では、熱可塑性樹脂本来の特性が低下しない。従って、樹脂構造体の好ましい特性は、スキン層を難燃組成物から構成したことにより、低下しない。
上記の樹脂構造体において、熱可塑性樹脂はポリプロピレンであり、難燃組成物中におけるリン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤との重量比は、3:1〜1:1であることが好ましい。
熱可塑性樹脂に燃焼性の高いポリプロピレンを使用した場合、樹脂構造体は、剛性に加え、良好な成形容易性や熱溶着性を有している。この点、本発明によれば、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤との重量比が3:1〜1:1となるように、各難燃剤が、ポリプロピレンに添加されている。この場合、樹脂構造体の難燃性が最大限に発揮される。また、樹脂構造体の剛性、成形容易性及び熱溶着性等の好ましい特性も低下しない。
上記の樹脂構造体において、コア層は、塑性を有する1枚のシートからなり、コア層は、コア層内にて多角柱状又は円柱状の複数のセルを互いに隣接させるようにシート材を折り畳み、所定の形状に成形することにより形成されていることが好ましい。
この構成によれば、セルとセルとが隙間無く配置されることから、コア層内部における空気の流通が抑制される。従って、樹脂構造体の一部が高温(炎)に晒されても、熱が空気を介して樹脂構造体の他の部分へと伝達され難くなっている。また、空気が流通し難いことから、樹脂構造体の一部が燃えたとしても、燃焼した部分への酸素の供給が遮断される。その結果、樹脂構造体の一部が焦げたり燃えたりしても、樹脂構造体の延焼を抑制することができる。
(a)は樹脂構造体の斜視図、(b)は(a)における1b−1b線に沿った断面図、(c)は(a)における1c−1c線に沿った断面図。 (a)は樹脂構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は折り畳まれる途中のシート材を示す斜視図、(c)は折り畳まれたシート材を示す斜視図。
以下、本発明の樹脂構造体を具体化した一実施形態について図1(a)〜図2(c)を参照して説明する。
図1(a)に示すように、樹脂構造体10は、複数のセルSからなるコア層2と、コア層2の上面及び下面に接合されたシート状のスキン層3、4とを備えている。
図1(b)及び(c)に示すように、コア層2は、所定形状をなす1枚のシート材を折り畳んで形成されている。シート材の厚さは0.2mm以上である。コア層2は、上壁21、下壁22及び中間壁23から構成されている。中間壁23は、上壁21及び下壁22間において断面六角形の筒を形成するように配置されている。つまり、コア層2の内部には、上壁21、下壁22及び中間壁23により、六角柱状のセルSが形成されている。
セルSは、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2からなる。図1(b)に示す第1セルS1は、2層構造の上壁21により閉塞される上端と、1層構造の下壁22により閉塞される下端とを有している。第1セルS1の上壁21では、2層構造を構成する各層が互いに接合されている。一方、図1(c)に示す第2セルS2は、1層構造の上壁21により閉塞される上端と、2層構造の下壁22により閉塞される下端とを有している。第2セルS2の下壁22では、2層構造を構成する各層が互いに接合されている。図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の中間壁23によって区画されている。
図1(a)に示すように、複数の第1セルS1は、X方向に沿って互いに隣接し、列を形成している。同様に、第2セルS2も、X方向に沿って互いに隣接し、列を形成している。また、第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向と直交するY方向に沿って互いに隣接し、かつ交互に配置されている。第1セルS1及び第2セルS2により、コア層2のハニカム構造を形成している。
コア層2の上端面及び下端面には、スキン層3、4がそれぞれ熱溶着されている。スキン層3、4の厚みは0.4〜1.0mmであり、コア層2を構成するシート材の厚さよりも大きい。図1(b)及び(c)に示すように、樹脂構造体10の上面は、コア層2の上壁21とスキン層3とから構成されている。また、樹脂構造体10の下面は、コア層の下壁22とスキン層4とから構成されている。
スキン層3、4は、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンに、可燃性を低下させるための難燃剤を配合した難燃組成物により構成されている。難燃剤として、ハロゲン(ハロゲン原子)を含まないリン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤が使用されている。本実施形態では、リン酸とジアミンとの塩をリン系難燃剤として採用し、リン酸とメラミンとの塩を窒素含有化合物系難燃剤として採用している。尚、リン酸とジアミンとの塩として、例えば、オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン等が挙げられる。また、リン酸とメラミンとの塩として、例えば、オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン等が挙げられる。
難燃組成物中における難燃剤(リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤)の配合割合は、ポリプロピレン100重量部に対して、5〜80重量部に設定され、より好ましくは20〜50重量部に設定され、更に好ましくは25〜40重量部に設定されている。ポリプロピレン100重量部に対して難燃剤の配合割合が5重量部未満である場合、ポリプロピレンの可燃性を低下させてスキン層3,4に難燃性を付与することができない。また、ポリプロピレン100重量部に対して難燃剤の配合割合が80重量部を越える場合、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンに固有の剛性や成形容易性や熱溶着性等の特性が低下し、好ましくない。また、リン系難燃剤とメラミン系難燃剤との重量比は、3:1〜1:1に設定されている。コア層2は、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンによって構成されている。
次に、一枚のシート材100を折り畳み、コア層2を成形する方法について図2(a)〜図2(c)を参照して説明する。
図2(a)に示すように、シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートから所定の形状に成形されている。シート材100には、平面領域110及び膨出領域120が、Y方向に沿って帯状にそれぞれ形成されている。平面領域110及び膨出領域120は、シート材100の幅方向(X方向)に沿って交互に配置されている。膨出領域120には、第1膨出部121が、膨出領域120の全体に亘って形成されている。第1膨出部121は、上面と一対の側面とからなりかつ下方に開放された溝を有している。尚、第1膨出部121の断面形状を逆U字状とするには、第1膨出部121の上面と側面とがなす角を90度に設定することが好ましい。第1膨出部121の幅、即ち、第1膨出部121の上面における短手方向の長さは、平面領域110の幅と等しい。第1膨出部121の幅は、第1膨出部121の高さ、即ち、第1膨出部121の側面における短手方向の長さの2倍である。
膨出領域120には、第1膨出部121に直交する複数の第2膨出部122が形成されている。第2膨出部122の断面形状は、正六角形を最も長い対角線で二等分した台形である。第2膨出部122の膨出高さは、第1膨出部121の膨出高さと等しい。隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しい。第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用して、シートを部分的に上方に膨出させて形成されている。シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等によって1枚のシートから成形される。
図2(a)及び(b)に示すように、コア層2は、シート材100を境界線P、Qに沿って折り畳むことにより形成される。具体的には、平面領域110と膨出領域120との境界線Pに沿ってシート材100を谷折りし、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qに沿ってシート材100を山折りすると共に、シート材100の全体をX方向に圧縮する。そして、図2(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なると共に、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なる。こうして、一つの膨出領域120に対して、Y方向に延びる角柱状をなす一つの区画体130が形成される。区画体130がX方向に連続して形成されることにより、板状のコア層2が形成される。
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによりコア層2の上壁21が形成されると共に、第2膨出部122の端面と平面領域110とによりコア層2の下壁22が形成される。図2(c)に示すように、上壁21では、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造が形成され、下壁22では、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造が形成される。上壁21及び下壁22の2層構造の部分がそれぞれ、重ね合わせ部131として形成される。
第2セルS2は、第2膨出部122を重ね合わせてなる六角柱状の空間領域として形成される。第1セルS1は、隣り合う一対の区画体130間に形成された六角柱状の空間領域として形成される。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が、第2セルS2の側壁を構成する。また、第2膨出部122の側面及び膨出領域120の平面部分Hが、第1セルS1の側壁を構成する。平面部分Hは、膨出領域120における第2膨出部122間に形成されている。第2膨出部122の上面同士が当接されて2層構造が形成され、膨出領域120の平面部分H同士が当接されて2層構造が形成される。これらの2層構造の部分が、中間壁23として形成される。一対の重ね合わせ部131により、第1セルS1の上端と第2セルS2の下端とが閉塞されている。
上記の折り畳み工程を実施する場合、シート材100を加熱処理して軟化させてから折り畳むようにすることが好ましい。
コア層2の上面にはスキン層3が熱溶着され、コア層2の下面にはスキン層4が熱溶着されている。スキン層3をコア層2に熱溶着する際、第1セルS1では、2層構造の上壁21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2でも、2層構造の下壁22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。コア層2にスキン層3、4を熱溶着する際、第1膨出部121や平面領域110がX方向に収縮することがある。この場合、第1セルS1の上端中央に、上壁21の無い部分が開口として形成されたり、第2セルS2の下端中央に、下壁22の無い部分が開口として形成されたりする。図1は、各セルSに開口の無い樹脂構造体を示す。
上記の樹脂構造体10によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)スキン層3、4は、難燃組成物により構成されている。このため、樹脂構造体10の表面に金属層を設けなくても、難燃性を付与することができる。その結果、蒸着法とは異なり複雑な工程を経ることなく、樹脂構造体10を製造することができる。また、金属層を備える樹脂構造体に比べて、曲げ加工等の後加工を容易に行うこともできる。また、樹脂構造体10を廃棄する際に金属層を取り除く必要もない。更に、熱可塑性樹脂100重量部に対する各難燃剤の配合割合が5〜80重量部である。このため、難燃組成物からなるスキン層3、4では、熱可塑性樹脂本来の特性が低下しない。従って、樹脂構造体10の好ましい特性は、スキン層3、4を難燃組成物から構成したことにより、低下しない。
(2)熱可塑性樹脂としてのポリプロピレンには、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤とが添加されている。また、リン系難燃剤と窒素含有化合物系難燃剤との重量比は、3:1〜1:1である。このため、樹脂構造体10の難燃性が最大限に発揮される。また、ポリプロピレンに固有の剛性、成形容易性及び熱溶着性等の好ましい特性も低下しない。
(3)各セルSが隣接して隙間無く配置されることから、コア層2内部における空気の流通が抑制される。従って、樹脂構造体10の一部が高温(炎)に晒されても、熱が空気を介して樹脂構造体10の他の部分へと伝達され難くなっている。また、難燃組成物に含まれる難燃剤の燃焼時には、窒素系やリン系のガスが発生し、コア層2の各セルS内に充満する。その結果、樹脂構造体10の一部が焦げたとしても、樹脂構造体10の延焼を抑制することができる。よって、各セルSが隣接していない樹脂構造体に比べて難燃性が向上する。
より具体的には、例えば、隣接したセルSからなるコア層2に厚さ0.4mmのスキン層3、4を接合した場合、ポリプロピレン100重量部に20重量部の難燃剤を配合して難燃組成物を調製すれば、所定の難燃性を付与することができる。一方、隣接していないセルからなるコア層に厚さ0.4mmのスキン層3、4を接合した場合、ポリプロピレン100重量部に20重量部の難燃剤を配合したとしても、上記の樹脂構造体10と同程度の難燃性を付与することはできない。このように、樹脂構造体10が隣接したセルSからなるコア層2を有する場合、少ない量の難燃剤であっても、樹脂構造体10の特性を低下させずに所定の難燃性を付与することができる。
(4)接着剤を用いて樹脂構造体10を製造する場合、難燃性を保持するのに比較的高価な難燃性接着剤が必要であるため、樹脂構造体10の製造コストが高くなる。その点、本実施形態では、一枚のシート材100を折り畳み、コア層2を成形してから、コア層2の上下両面に、スキン層3、4をそれぞれ熱溶着する。この方法によれば、樹脂構造体10の成形に接着剤を使用しないため、樹脂構造体10の製造コストが抑えられる。仮に、難燃性を有しない接着剤を用いてコア層2にスキン層3、4を接合した場合、この種の接着剤の融点はポリプロピレンのそれよりも低いため、可燃性が高くなる。従って、樹脂構造体10の難燃性をより高くするには、難燃性を有する接着剤の使用が好ましい。
(5)コア層2を構成する熱可塑性樹脂、及びスキン層3、4に含まれる熱可塑性樹脂はいずれもポリプロピレンである。このように、各層2〜4に含まれる熱可塑性樹脂の種類を同一にすることで、各層の熱溶着による接合性が良くなる。
(6)難燃性組成物からなるスキン層3、4の厚みは0.4〜1.0mmである。このため、必要な難燃性を付与できると共に、樹脂組成物中の難燃剤の量(配合割合)を少なくすることもできる。このため、ポリプロピレンの特性は失われず、樹脂構造体10の剛性も低下しない。
(7)金属水和物系の難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム)の場合、分解温度が約200度である。このため、スキン層3、4の成形温度(約180〜220度)やスキン層3、4のコア層2への熱溶着温度でも分解するため、難燃性が低下する虞がある。一方、リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤の分解開始温度(TGA)は約300度である。このため、スキン層3、4の成形温度やスキン層3、4のコア層2への熱溶着温度では、難燃性が低下し難い。従って、リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤を含む難燃組成物を高温に加熱しても、スキン層3、4の難燃性は低下し難い。
(8)難燃組成物中のリン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤は、炎に晒されて加熱され始めると、窒素・リン系のガスを放出して延焼を抑制する。その後、更に加熱されると、炭化膨張によって延焼を抑制する。従って、スキン層3、4は、持続的に難燃性を発揮することができる。
(9)例えば、燃焼性の高いポリプロピレンに金属水和物系難燃剤(例えば、水酸化アルミニウム)を添加して上記実施形態と同程度の難燃性を付加する場合、ポリプロピレン100重量部に金属水和物系難燃剤を100重量部以上配合する。この場合、樹脂構造体の物性は大きく低下する。具体的には、ポリプロピレン100重量部に金属水和物系難燃剤を160重量部配合した難燃性組成物によりスキン層を構成した場合、難燃性組成物の配合割合を0にしてポリプロピレンによりスキン層を構成した場合に比べて、曲げ剛性が約30〜40%も低下し、衝撃強度が約40〜50%も低下する。また、ポリプロピレンにハロゲン系難燃剤を添加して上記実施形態と同程度の難燃性を付加する場合、ポリプロピレン100重量部に対するハロゲン系難燃剤の配合割合は、上記実施形態のときよりも高くなる。その上、燃焼時には、有毒ガスや多量の煙が発生する虞もある。その点、本記実施形態の樹脂構造体10では、ポリプロピレンによりスキン層3、4を構成した場合に比べても、曲げ剛性の低下は約20%以下に抑えられ、衝撃強度の低下も約25%以下に抑えられる。また、燃焼時にはハロゲン原子を含む有毒ガスの発生が抑えられると共に、ハロゲン系難燃剤を使用した場合に比べて発煙量も抑えられる。
(10)第1セルS1の上端中央に開口が形成された場合、第1セルS1の開口は、スキン層3のみよって閉塞される。一方、開口の周縁は、2層構造の上壁21及びスキン層3からなる3層構造の部分によって囲まれる。従って、スキン層3のみの1層構造の部分が焦げたり燃えたりしても、上記3層構造の部分により延焼を抑制することができる。
尚、本実施形態は、以下のように変更してもよい。
・複数のシートを使用してコア層2を構成してもよい。例えば、帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させてそれらを並べることにより、コア層2を構成してもよい。
・コア層2内のセルSの形状は、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状であってもよい。また、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、セルとセルとの間には、隙間(空間)が存在していてもよい。この場合、隙間の寸法は、コア層2を構成するシート材100やスキン層3、4の厚み程度であることが好ましい。
・コア層2とスキン層3、4とを接着剤により接合してもよい。その場合、接着剤の使用により樹脂構造体10の難燃性が低下するため、所定の難燃性を確保するには、難燃剤の配合割合を多くする必要がある。但し、コア層2及びスキン層3、4に使用される熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)よりも難燃性の高い接着剤を使用すれば、接着剤の使用による難燃性の低下を回避できる。
・両スキン層3、4を難燃組成物により構成したが、いずれか一方のスキン層のみを難燃組成物により構成し、他方のスキン層を、難燃剤を含有しない熱可塑性樹脂により構成してもよい。また、両スキン層3、4と共にコア層2も、難燃組成物により構成してもよい。
・コア層2及びスキン層3、4には、ポリプロピレン以外に、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を使用してもよい。また、コア層2及びスキン層3、4のそれぞれで、異なる熱可塑性樹脂を使用してもよい。
・スキン層3、4に使用されるリン系難燃剤は、リン酸とジアミンとの塩以外に、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、赤燐といったリン系難燃剤であってもよい。また、スキン層3、4に使用される窒素含有化合物系難燃剤は、リン酸とメラミンとの塩以外に、ポリリン酸アンモニウム化合物といった窒素含有化合物系難燃剤であってもよい。更に、スキン層3、4のそれぞれで、異なる熱可塑性樹脂を使用してもよい。
・表面処理等を施した難燃剤を用いてもよい。例えば、熱硬化性樹脂、メラミンモノマー、窒素含有化合物等により被覆処理又はマイクロカプセル化処理した難燃剤を使用してもよい。また、界面活性剤やシリコンにより表面処理した粒子を含む難燃剤を使用してもよい。
・難燃組成物中におけるリン系難燃剤とメラミン系難燃剤との重量比を、本実施形態で示す範囲から変更してもよい。例えば、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂を用いて難燃組成物を調製した場合、本実施形態で示す範囲外であっても、本実施形態と同等の難燃性を実現できることもある。
・スキン層3、4の厚みを、0.4mm未満又は1.0mmより厚くしてもよい。難燃剤の配合割合を大きくすれば(例えば、ポリプロピレン100重量部に対して難燃剤を40〜50重量部以上配合すれば)、スキン層3、4の厚みが0.4mm未満であっても、樹脂構造体10に難燃性を付与することができる。また、接着剤を用いてコア層2にスキン層3、4を接合するのであれば、スキン層3、4の厚みを1.0mmより厚くすることによる弊害は少ない。
以下、本実施形態の樹脂構造体10についての試験例を説明する。
[難燃剤配合割合試験]
先ず、難燃組成物中の難燃剤の配合割合に関する試験を行った。実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3の樹脂構造体では、厚さ0.2mmのポリプロピレン製シート材を上記実施形態(図2参照)のように折り畳み、コア層を形成した。このとき、コア層の高さは4.4mmであり、各セルの径は5.0mmであった。コア層の高さは、図2(b)及び(c)に示す上壁21の上面から下壁22までの長さであり、コア層の径は、対向する中間壁23間の長さである。また、スキン層の厚みを0.4mmとし、スキン層をコア層の上面及び下面にそれぞれ熱溶着した。
比較例1では、難燃剤の配合割合をゼロにして、コア層の上下両面に配置されるスキン層をポリプロピレンにより構成した。実施例1〜実施例6及び比較例2では、ポリプロピレン、リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤を含有する難燃組成物により両スキン層を構成した。実施例1〜実施例6及び比較例2では、ポリプロピレン100重量部に対する難燃剤の配合割合を、それぞれ5、10、20、30、50、80、100重量部とした。比較例3では、ポリプロピレン及び水酸化アルミニウムを含有する難燃組成物により両スキン層を構成した。また、ポリプロピレン100重量部に対する水酸化アルミニウムの配合割合を100重量部とした。
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3の樹脂構造体を、国土交通省指定の鉄道車両用材料燃焼試験に供した。鉄道車両用材料燃焼試験では、先ず、試験材(樹脂構造体)を45°に傾斜させて保持する。また、燃料容器の底の中心が試験材の下面中心から垂直下方に25.4mm(1インチ)離れるように、試験材を配置する。そして、燃料容器に純エチルアルコールを入れて着火し、燃料が燃え尽きるまで放置する。この鉄道車両用材料燃焼試験は、「昭和62年4月1日付け官鉄保第16号、地車第50号」の「車両に係わる普通鉄道構造規定及び特殊鉄道構造規定の運用について」に記載されるIVによる試験である。この試験は、例えば、社団法人日本鉄道車両技術協会で行われる「鉄道車両用材料燃焼試験、燃焼試験(一般材)」である。
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3に対する試験では、燃料が燃え尽きた後に樹脂構造体に残炎があった場合、又は炎が樹脂構造体の端縁を越えて上側にまで至った場合を難燃性試験不合格とし、それ以外を難燃性試験合格とした。この難燃性試験に基づく評価結果を表1に示す。
Figure 0005913281
ポリプロピレンのみからスキン層を構成した比較例1において、難燃性試験は不合格であった。とくに、比較例1では、燃料が燃え尽きるかなり前に樹脂構造体に貫通孔が形成され、火炎が大きく樹脂構造体の端縁を越えて上側に至ったため、その時点で試験を中止した。このため、比較例1の評価を「不適(×)」とした。また、難燃剤が5、10重量部含まれる難燃組成物からスキン層を構成した実施例1及び実施例2も、難燃性試験を合格しなかった。ただし、実施例1及び実施例2では、燃料が燃え尽きる前に試験を中止しなければならないほどには樹脂構造体が燃焼しなかった。このため、比較例1の場合よりも明らかに難燃性が向上した。よって、実施例1及び実施例2の評価を「好適(○)」とした。実施例1及び実施例2では、スキン層の厚みを例えば0.6mm以上にすれば、難燃性試験を合格すると考えられる。
難燃剤が20重量部以上含まれる難燃組成物からスキン層を構成した実施例3〜実施例5は、いずれも難燃性試験を合格した。また、実施例3〜実施例5について曲げ剛性及び衝撃強度を測定した結果、比較例1に対して、樹脂構造体の曲げ剛性の低下が20%未満、樹脂構造体の衝撃強度の低下が25%未満に抑えられていた。このように、実施例3〜実施例5では、難燃性試験を合格しつつ、曲げ剛性や衝撃強度の低下が抑えられていた。このため、実施例3〜実施例5の評価を「極めて好適(◎)」とした。ただし、難燃剤の配合割合が20重量部である実施例3では、貫通孔が形成されなかったものの、試験中に、下面側のスキン層及びコア層が溶けて凹部が形成され、燃料が燃え尽きた後に試験片の残炎が生じる可能性があった。従って、本試験の条件下(例えば、スキン層の厚みが0.4mm)にて、難燃性試験を合格するための難燃剤の配合割合の下限値は、ポリプロピレン100重量部に対して、5重量部であり、好ましくは20重量部であり、更に好ましくは25重量部であった。また、曲げ剛性や衝撃強度の低下を抑えると共に材料コストを低くするとの観点から、難燃剤の配合割合の上限値は、ポリプロピレン100重量部に対して、80重量部であり、好ましくは50重量部であり、更に好ましくは40重量部であった。よって、上記の試験結果より、難燃剤の配合割合はポリプロピレン100重量部に対して、5〜80重量部であり、より好ましくは20〜50重量部であり、更に好ましくは25〜40重量部であることがわかる。
また、難燃剤の配合割合が80重量部である実施例6では、難燃性試験を合格したものの、比較例1に対して、樹脂構造体の曲げ剛性が20%程度、樹脂構造体の衝撃強度が25%程度低下した。従って、実施例6の評価を「好適(○)」とした。そして、難燃剤の配合割合が100重量部である比較例2では、曲げ剛性が20〜25%以上、衝撃強度が25〜30%以上も低下した。従って、比較例2の評価を「不適(×)」とした。
難燃剤として水酸化アルミニウムを採用した比較例3では、水酸化アルミニウムの配合割合が100重量部であっても難燃性試験は不合格であった。また、比較例3では、比較例2と同様に、樹脂構造体の曲げ剛性や衝撃強度の低下が顕著であった。従って、比較例3の評価を「不適(×)」とした。比較例3の結果により、難燃組成物に含まれる難燃剤として、水酸化アルミニウムのような金属水和物系の難燃剤よりも、リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤が適していることがわかる。
[スキン層酸素指数試験]
次に、実施例3及び実施例4の樹脂構造体におけるスキン層単体での難燃性を「JIS K7201−2(ISO 4589−2)」に基づき酸素指数を指標として試験した。なお、酸素指数とは、試験材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度であり、燃焼時間が180秒以上継続するか、又は、点火後に試験材料が50mm以上燃え続けた時に、燃焼が持続したとみなされる。なお、大気中の酸素濃度はおよそ21%であることから、酸素指数が21以下であれば、その材料は大気中で燃焼が持続する材料であるとみなされる。そして、材料の酸素指数が24以上であれば、樹脂構造体の難燃性の材料(スキン層)として使用できる。
この試験の結果、実施例3の樹脂構造体におけるスキン層(スキン層の厚み0.4mm、難燃剤配合割合20重量部)の酸素指数は「24.7」であった。また、実施例4の樹脂構造体におけるスキン層(スキン層の厚み0.4mm、難燃剤配合割合30重量部)の酸素指数は「26.3」であった。
[スキン層厚み試験]
次に、難燃組成物で構成されるスキン層の厚みに関する試験を行った。実施例7〜実施例10では、スキン層の厚みをそれぞれ0.3、0.5、0.7、1.0mmとし、それ以外の条件を実施例3と同一とした。そして、実施例3、実施例7〜実施例10及び比較例1を、上述した鉄道車両用材料燃焼試験に供して難燃性を検討した。この難燃性試験に基づく評価結果を表2に示す。
Figure 0005913281
スキン層の厚みが0.4mm以上である実施例3、実施例8及び実施例9では、難燃性試験を合格した。従って、実施例3,8,9の評価を「極めて好適(◎)」とした。一方で、スキン層の厚みが0.3mmである実施例7では、難燃性試験が不合格であった。ただし、難燃剤の配合割合がゼロであり、スキン層の厚みが実施例7よりも厚い比較例1よりも明らかに難燃性が向上した。従って、実施例7の評価を「好適(○)」とした。これらの結果により、本試験の条件下で難燃性試験を合格するためのスキン層の厚みの下限値は、0.4mmであることがわかる。ただし、スキン層の厚みが0.3mmである実施例7は、貫通孔が形成されると共に燃料が燃え尽きた後に樹脂構造体に残炎が生じたため難燃性試験を合格しなかったものの、貫通孔の大きさは小さかった。従って、実施例7において難燃剤の配合割合を20重量部より大きく(例えば、30重量部)すれば、難燃性試験を合格し、評価を「極めて好適(◎)」にできると考えられる。
なお、スキン層の厚みが1.0mmである実施例10では、難燃性試験を合格したものの、コア層へのスキン層の熱溶着に要する時間が長くなった。また、加熱時間が長くなったため、熱溶着後のスキン層にしわやよれ等が生じ易くなった。従って、実施例10の評価を「好適(○)」とした。実施例10の結果により、熱溶着時の加熱時間が長くなりすぎないようにするには、スキン層の厚みを1.0mm以下にすることが好ましいことがわかる。
[セル寸法試験]
次に、樹脂構造体のセルの寸法を変更して試験を行った。実施例11では、コア層を構成するシート材の厚みを0.3mm、コア層の高さを12mm、各セルのセル径を8.0mmに設定した。これら以外のスキン層の厚みや難燃剤配合割合等の条件は、実施例3と同一とした。そして、実施例3及び実施例11を、上述した鉄道車両用材料燃焼試験に供して難燃性を検討した。難燃性試験に基づく評価結果を表3に示す。
Figure 0005913281
実施例11においても、実施例3と同様に難燃性試験を合格した。このため、実施例11の評価結果を「極めて好適(◎)」とした。また、実施例3及び実施例11の比較において、試験中に炎に加熱されて形成された凹部の大きさなど、試験中の挙動に大きな相違は認められなかった。従って、コア層のセルの寸法に拘わらず、スキン層を難燃組成物により構成することで、樹脂構造体に難燃性を付与できることがわかる。

Claims (3)

  1. 複数のセルからなるコア層と、前記コア層の上下両面に配置される一対のスキン層とを備えた樹脂構造体であって、
    前記一対のスキン層のうち少なくとも一方は、熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂の可燃性を低下させる難燃剤とを含有する難燃組成物により構成され、
    前記難燃組成物は、前記難燃剤としてハロゲンを含まないリン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤を含有し、
    前記リン系難燃剤は、リン酸とジアミンとの塩、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、又は赤燐であり、前記窒素含有化合物系難燃剤は、リン酸とメラミンとの塩又はポリリン酸アンモニウム化合物であり、
    前記熱可塑性樹脂100重量部に対する前記リン系難燃剤及び窒素含有化合物系難燃剤の配合割合は、5〜80重量部であることを特徴とする樹脂構造体。
  2. 前記熱可塑性樹脂はポリプロピレンであり、前記難燃組成物中における前記リン系難燃剤と前記窒素含有化合物系難燃剤との重量比は、3:1〜1:1であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂構造体。
  3. 前記コア層は、塑性を有する1枚のシートからなり、
    前記コア層は、前記コア層内にて多角柱状又は円柱状の複数のセルを互いに隣接させるように前記シート材を折り畳み、所定の形状に成形することにより形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂構造体。
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