JP5913061B2 - 噴霧器 - Google Patents
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Description
この種の噴霧器100において、吐出ポンプPには、内燃機関を駆動源とするエンジン式ポンプ、電動モータを駆動源とする電気式ポンプが提供されている。電気式ポンプには、交流電源を電源とするACモータ駆動式、バッテリパック等の直流電源を電源とするDCモータ式が提供されている。
また、この種の噴霧器100では、手元のノズル開閉バルブ104を開き操作すると上記したように吐出口から噴霧液が噴霧される。ノズル開閉バルブ104を閉じ操作すると、吐出口での噴霧液の噴霧が停止される。吐出ポンプPの運転状態でノズル開閉バルブ104を閉じ操作すると、吐出ポンプPから圧送された噴霧液は、噴霧ノズル103から噴霧されることなくリターンホース105を経て貯蔵タンク101に戻される。このように、非噴霧時に噴霧液が循環されることにより噴霧液成分の貯蔵タンク101内での沈殿が防止されるようになっている。また、噴霧液が循環される待機状態とすることにより、次にノズル開閉バルブ104を開き操作した際に噴霧液が素早く噴霧ノズル103から噴霧されて迅速な噴霧作業を行うことができるようになり、この点で当該噴霧器100の使い勝手を高めることができる。
本発明は、係る従来の問題に鑑みてなされたもので、噴霧器の使い勝手をより一層高めることを目的とする。
第1の発明は、薬剤等の噴霧液を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンク内の噴霧液を圧送する吐出ポンプと、吐出ポンプにより圧送された噴霧液を噴霧する噴霧ノズルと、噴霧ノズルを開閉するノズル開閉バルブを備えた噴霧器であって、吐出ポンプとノズル開閉バルブとの間の流路圧力を検知し、この流路圧力が予め定めた基準圧に達した時点で吐出ポンプを停止させる動作モードと、流路圧力の変動とは独立して吐出ポンプを連続駆動させる動作モードを選択可能な噴霧器である。
第1の発明によれば、前者の動作モード(動作モード2)に切り換えた状態で、噴霧作業を一時的に中断するためのノズル開閉バルブを閉じることにより、吐出ポンプからノズル開閉バルブに至る流路の圧力が基準圧まで上昇すると、吐出ポンプが停止される。このように噴霧作業中断時における吐出ポンプの待機駆動がなくなることにより電力あるいは燃料等の消費を低減して、当該噴霧器の連続運転時間を長くすることができ、この点で当該噴霧器の使い勝手を高めることができる。
上記のように電力消費を低減できることから、第1の発明は、バッテリを電源とする電動式の噴霧器に適用する場合に大きな効果を得ることができる。
後者の動作モード(動作モード3)を選択することにより、吐出ポンプとノズル開閉バルブとの間の流路圧力の変動に関係なく、吐出ポンプが連続駆動される。このため、ノズル開閉バルブを開くことにより噴霧作業を行うことができ、またノズル開閉バルブを閉じることにより噴霧液を循環させて貯蔵タンク内の撹拌を行うことができる。
第2の発明は、第1の発明において、流路圧力の変動による圧力検知機構の作動によりオンオフする圧力スイッチと、圧力スイッチのオンオフ動作の有効、無効を切り換えるモード切り換えスイッチを備えた噴霧器である。
第2の発明によれば、モード切り換えスイッチを前者の動作モード2側に切り換えた状態では、流路圧力が基準圧まで上昇すると圧力検知機構の作動により圧力スイッチがオフして吐出ポンプが停止される。流路圧力が基準圧よりも小さくなると圧力検知機構の作動により圧力スイッチがオンして吐出ポンプが起動する。これにより噴霧作業の中断時における吐出ポンプの待機運転を回避して電力消費等を抑制することができる。
これに対して、モード切り換えスイッチを後者の動作モード3側に切り換えた状態では、吐出ポンプとノズル開閉バルブとの間の流路圧力の変動(圧力スイッチのオンオフ)に関係なく吐出ポンプが連続駆動されて噴霧作業及び撹拌作業を行うことができる。
第3の発明は、第2の発明において、吐出ポンプへの電源供給を制御する電源回路を備え、この電源回路に、圧力スイッチと、圧力スイッチをバイパスして圧力スイッチの有効、無効を切り換えるモード切り換えスイッチを備えた噴霧器である。
第3の発明によれば、モード切り換えスイッチを動作モード2側に切り換えると圧力スイッチが有効になってそのオンオフにより電源回路が導通、遮断される。モード切り換えスイッチを動作モード3側に切り換えると圧力スイッチが無効になってそのオンオフ状態に関係なく電源回路が導通、遮断される。
第4の発明は、第3の発明において、電源回路に電源スイッチとメンテナンススイッチを相互に並列に備えており、電源スイッチのオフ状態においてメンテナンススイッチのオン操作により吐出ポンプを一定時間起動させるメンテナンス機能を備えた噴霧器である。
第4の発明によれば、当該噴霧器を保管するために貯蔵タンク内を洗浄等するメンテナンス作業を行う場合に、電源スイッチのオフ状態でメンテナンススイッチをオン操作することにより吐出ポンプを一定時間だけ駆動させ、これにより吐出ポンプ内に残留する洗浄水等を完全に排水してその凍結等を未然に防止することができ、ひいては当該噴霧器の耐久性を高めることができる。
貯蔵タンク10は耐薬品性を有する樹脂製のタンクで、その上部には噴霧液を投入するための投入口が設けられている。この投入口は蓋11で閉じられている。また、図2に示すように貯蔵タンク10の右側下部には、投入した噴霧液を全て排出するための排液口12が設けられている。排液口12のキャップ12aを取り外すことにより、貯蔵タンク10内に投入した薬剤あるいは洗浄水等の噴霧液を全て排出することができる。
貯蔵タンク10の下部に駆動部20が結合されている。図では省略されているが貯蔵タンク10の前側には左右一対の肩掛けベルトが取り付けられている。作業者は、貯蔵タンク10の前面を背中に当接させ、両肩に肩掛けベルトを掛けることにより、当該噴霧器1を背負うことができる。なお、図では床面Fに設置した状態で示されている。
貯蔵タンク10の底部付近に流入ホース13(図11参照)が接続されている。この流入ホース13を経て貯蔵タンク10内の噴霧液が駆動部20の吐出ポンプPに供給される。図8及び図9にはこの吐出ポンプPが単体で示されている。この吐出ポンプPは、直流電源式のポンプモータ(DCモータ)21と、減速機構22と、ピストン部23を備えている。本実施形態では、DCモータ駆動式の吐出ポンプPを例示するが、これに代えて内燃機関を駆動源とするエンジン式ポンプ、交流電源を電源とするACモータ駆動式の吐出ポンプを備える場合にも同様に適用することができる。
ポンプモータ21の回転出力が減速機構22で減速されてピストン部23に出力される。ピストン部23は、減速機構22から出力された回転動力をピストンの往復動に変換する動力変換部23aを備えている。ピストンの往復動により噴霧液の吐出力が発生する。吐出ポンプPは、ポンプハウジング24内に収容されている。
駆動軸22cの回転速度は、開閉弁の開閉動作がピストンの往復動作にスムーズに追従できる範囲となるよう、比較的低速回転(例えば約1,000rpm〜5,000rpm)となる減速比に設定することが望ましい。
ポンプモータ21の回転出力を減速するための減速機構としては、上記したように平歯車(スパーギヤ)の噛み合いを利用する構成の他、はすば歯車(ヘリカルギヤ)、すぐばかさ歯車(ストレートベベルギヤ)、まがりばかさ歯車(スパイラルベベルギヤ)の噛み合いを利用してもよく、あるいは入出力同軸で大きな減速比を得ることができる遊星歯車機構を用いる構成としてもよい。さらに、ギヤの噛み合いに代えて、駆動、従動スプロケット間にチェーンを掛け渡したチェーン伝達機構による減速機構、あるいは駆動、従動プーリー間にベルトを掛け渡したベルト伝達機構による減速機構を用いる構成としてもよい。
このようにポンプモータ21の回転出力を減速機構22を経て出力することにより、電気的ロスが少ない高速回転域でポンプモータ21を駆動させることができることから、電力消費の低減を図ることができる。電力消費を低減することができるので、バッテリBを電源とする当該噴霧器1の連続使用可能時間(作業時間)を長くすることができ、この点で当該噴霧器1の使い勝手を一層高めることができる。
また、減速機構を用いることなくピストン部23にポンプモータを直結させる場合に比して当該ポンプモータ21を小型化することができ、これにより当該噴霧器1の小型化及び軽量化を図ることができる。
上記例示したピストン式の吐出ポンプPに代えて、例えばロータリ式の吐出ポンプあるいはダイヤフラム式の吐出ポンプを用いることもできる。
ピストン部23の吐出口23cに吐出ホース25が接続されている。吐出ホース25は、ノズルホース33とリターンホース14に分岐されている。ノズルホース33は駆動部20から前側(使用者の背面側から正面側)へ引き出されている。このノズルホース33の先端に、使用者が片手で把持する噴霧ノズル30が取り付けられている。ピストン部23から吐出された噴霧液は吐出ホース25とノズルホース33を経て噴霧ノズル30に供給される。
噴霧ノズル30の先端には、噴霧タイプと噴射タイプの2種類のノズルアダプタ31,32が装着されている。噴霧ノズル30の基部には、使用者が把持するグリップ部35が設けられている。グリップ部35の上側(先側)にノズル開閉バルブ34が併設されている。このノズル開閉バルブ34のレバー34aを開き側に回動操作すると、ノズルアダプタ31,32から噴霧液が噴霧される。レバー34aを閉じ側に回動操作すると、ノズル開閉バルブ34が閉じられて噴霧液の噴霧が停止される。
吐出ホース25から分岐されたリターンホース14は、貯蔵タンク10に接続されている。吐出ホース25から供給される噴霧液の一部若しくは全てがこのリターンホース14を経て貯蔵タンク10内に戻される。
このため、例えば吐出ポンプPの起動状態においてノズル開閉バルブ34を閉じ側に操作して噴霧作業を中断する場合には、吐出ホース25内の吐出圧力が一定圧以上に達することにより圧力検知機構40が作動してノズルホース33側への噴霧液の圧送が停止されるとともに、吐出ポンプPが停止されて電力消費が抑制される。
吐出ホース25内の吐出圧力が一定値以下の場合には、圧力検知機構40が作動しないため圧力スイッチ54がオンして電源回路50が導通される。従って、圧力スイッチ54のオンによりポンプモータ21が再起動して吐出ポンプPが起動し、これにより吐出ホース25内に噴霧液が再び吐出され始める。
図11〜図14には、駆動部20の電源回路50が示されている。この電源回路50において、吐出ポンプPのポンプモータ21は、バッテリ(バッテリパック)Bを電源としている。バッテリBは、36V出力のリチウムイオンバッテリで、別途用意した充電器で充電することにより繰り返し使用することができる。電源回路50を流れる電流値は、可変抵抗52により連続的に変化させることができる。バッテリBの出力電流を可変抵抗52で変化させることにより吐出ポンプPの吐出圧を任意に変化させることができ、これにより吐出される噴霧液の吐出力を任意に調整することができる。
ポンプハウジング24の左側部には、操作パネル60が設けられている。可変抵抗52の調整は、この操作パネル60に配置した強弱調整ダイヤル61を回転操作することにより行うことができる。
圧力スイッチ54は、上記圧力検知機構40の圧力検知状態でオフし、非検知状態でオンする。
モード切り換えスイッチ55は、圧力スイッチ54の有効無効を切り換える機能を有している。図11及び図12では、このモード切り換えスイッチ55が圧力スイッチ有効側へオフ操作された状態を示している。モード切り換えスイッチ55がオフ操作された状態では、圧力スイッチ54のオンオフが有効になる。このため、モード切り換えスイッチ55がオフ操作された状態で、吐出ホース25内の圧力が一定値以下である場合には、図11に示すように圧力スイッチ54がオンされて電源回路50が導通された状態となり、従って吐出ポンプPの起動状態となる(動作モード1)。この動作モード1では、ノズル開閉バルブ34を開き操作すれば、噴霧ノズル30から噴霧液が噴霧される。
同じくモード切り換えスイッチ55がオフ操作された状態で、図12に示すように吐出ホース内の圧力が一定圧以上に達することにより圧力スイッチ54がオフすると電源回路50が遮断されて吐出ポンプPが停止する(動作モード2)。このように、モード切り換えスイッチ55をオフ側(圧力スイッチ有効側)に切り換えた状態では、吐出ホース25内の圧力変動により吐出ポンプPの起動停止がなされる。このため、動作モード2では、噴霧作業の一時中断状態であっても、吐出ホース25内の吐出圧力が高まって吐出ポンプPが停止することから噴霧液の貯蔵タンク10内への戻しはなされない。このことから、動作モード2では、吐出ポンプPが停止することにより電力消費の抑制が図られるとともに、貯蔵タンク10の不必要な撹拌が回避されることにより一層電源消費の抑制が図られる。
これに対して、図13及び図14に示すようにモード切り換えスイッチ55が圧力スイッチ無効側へオン操作されると、圧力スイッチ54のオンオフ状態(吐出ホース25内の圧力変動)とは無関係に電源回路50が常時導通された状態となる。このため、電源スイッチ53をオン操作した状態では吐出ポンプPが常時起動した状態となって吐出ホース25内に噴霧液が圧送され続ける。この吐出ポンプPの常時運転状態では、使用者がノズル開閉バルブ34を開けば、噴霧ノズル30から噴霧液が噴霧されて噴霧作業を行うことができる(動作モード3)。
一方、同じく吐出ポンプPの常時運転状態において、例えば噴霧作業を一時的に中断するためにノズル開閉バルブ34を閉じると、吐出ポンプPから吐出ホース25内に吐出された噴霧液はリターンホース14を経て貯蔵タンク10内に戻される(動作モード4)。この動作モード4では、貯蔵タンク10と吐出ポンプP間で噴霧液が循環され、これにより貯蔵タンク10内の撹拌がなされて薬剤成分等の沈殿が解消される。
一方、モード切り換えスイッチ55をオン側に切り換えておけば、吐出ホース25内の圧力変動とは無関係に常時吐出ポンプPが起動した状態に維持されることから、噴霧作業を行うことができるとともに(動作モード3)、ノズル開閉バルブ34を閉じて噴霧作業を一時的に中断した場合には、吐出ポンプPから吐出されて余った噴霧液(いわゆる余水)はリターンホース14を経て貯蔵タンク10に戻される(動作モード4)。このように動作モード4では、噴霧作業を一時的に中断して吐出ホース25内の圧力が高まっても吐出ポンプPが運転状態に維持されて噴霧液が循環されることから貯蔵タンク10内の撹拌がなされて薬剤成分等の沈殿を抑制することができる。
例えば噴霧作業終了後に、貯蔵タンク10内の噴霧液を排液口12から全て排出して、さらに薬液タンク内に洗浄水を流入させてこれを吐出ポンプPを起動して循環させることにより当該噴霧器1を洗浄する洗浄作業が行われる。係る洗浄作業終了後、貯蔵タンク10内の洗浄水を排液口12から排水し、電源スイッチ53をオフ操作して吐出ポンプPを停止させる。
しかしながら、貯蔵タンク10内の洗浄水を排出して空にした状態であっても、吐出ポンプP内には洗浄水等が残留する場合がある。吐出ポンプP内の残留水は、寒冷地や冬季であれば凍結するおそれがある。吐出ポンプP内において残留水が凍結すると、水膨張による各部のひび割れやパッキン等の劣化を招いて吐出ポンプPひいては当該噴霧器1の耐久性を低下させる原因になる。従来、この残留水を排水するためのドレンを備えた吐出ポンプが提供されているが、噴霧器全体を揺する等してドレンから流し出す必要があり、完全には排水し切れないのが現状であった。
これに対して、本実施形態に係る噴霧器1はこのメンテナンススイッチ56により、電源スイッチ53のオフ状態において吐出ポンプPを一定時間だけ運転させることにより、吐出ポンプP内の残留水を確実に排除することができ、これにより寒冷地等での凍結を心配する必要がなくなって当該吐出ポンプPひいては噴霧器1の耐久性を高めることができる。
メンテナンススイッチ56のオン操作による吐出ポンプPの起動時間は、当該吐出ポンプPの単位時間当たりの吐出能力と当該吐出ポンプP内に貯留され得る最大液体量に基づいて適切に設定することにより、メンテナンス効果(残留水の凍結防止効果)をより確実に発揮させることができる。
図16に示すように、使用者が電源スイッチ53をオン操作すると、ECU42は吐出ポンプPのポンプモータ21へ駆動信号を出力する、これによって、吐出ポンプPが起動され、貯蔵タンク10内の噴霧液が圧送される。この駆動状態でノズル開閉バルブ34を開けば、圧送された噴霧液が噴霧ノズル30から噴霧される(動作モード1)。一方、ノズル開閉バルブ34を閉じた状態であれば、吐出ホース25及びノズルホース33内の液圧が上昇する。この圧力上昇により圧力検知機構40が作動して圧力スイッチ57がオンする。前記圧力スイッチ54とはオンオフが逆になっている。圧力スイッチ57のオン信号がECU42に入力され、これに基づいてECU42の出力信号に基づいてポンプモータ21が停止され、従って吐出ポンプPが停止される(動作モード2)。
図17に示すように、使用者がモード切り換えスイッチ55をオン操作すると、ECU42は圧力スイッチ57の出力信号を受け付けなくなる。このため、吐出ホース25とノズルホース33内の液圧の変動に関係なく吐出ポンプPが駆動し続ける。
電源スイッチ53をオン操作すると、ECU42の出力信号によりポンプモータ21が起動して吐出ポンプPが運転を開始する。吐出ポンプPの起動により貯蔵タンク10内の噴霧液が吐出ホース25を経て圧送される。この時、ノズル開閉バルブ34を開くことにより圧送された噴霧液が噴霧ノズル30から噴霧される(動作モード3)。
一方、吐出ポンプP起動後、ノズル開閉バルブ34を閉じた状態であれば、動作モード2と同様吐出ホース25及びノズルホース33内の液圧が上昇する。ところが、上記したようにモード切り換えスイッチ55がオン操作された結果ECU42が圧力スイッチ57の出力信号を受け付けない状態であるので、吐出ポンプPは停止せず、引き続き運転し続ける。ノズル開閉バルブ34が閉じられた状態で吐出ポンプPが運転し続けることにより、噴霧液が吐出ポンプPと貯蔵タンク10との間を循環し、これにより貯蔵タンク10内の噴霧液が撹拌されて薬剤成分等の沈殿が防止される(動作モード4)。
上記モード切り換えスイッチ55のオン状態では、電源スイッチ53をオフ操作によるECU42の出力信号によりポンプモータ21が停止して、吐出ポンプPが停止される。
図19には、上記圧力検知機構40と圧力スイッチ57に代えて圧力センサ41とECU42を用いる構成が示されている。上記圧力スイッチ57のオンオフデータに代わって、圧力センサ41により検知される吐出ホース25内の圧力データがECU42に入力される。予め定めた圧力以上の圧力データがECU42に入力されると、その出力信号によりポンプモータ21が停止され、従って吐出ポンプPが停止される。この場合、前記の場合のように吐出ホース25が閉じられることはない。圧力センサ41により一定圧以上の吐出圧力が検知されない状態では、ECU42の出力信号により吐出ポンプPの運転状態が継続される。
このように機械的構成の圧力検知機構40に代えて圧力センサ41を用いることによっても、吐出ホース25内の吐出圧力の変動に基づいて吐出ポンプPの運転状態を制御することができる。
図1,2,5は、開閉扉71を閉じた状態を示している。図3,4,6は、開閉扉71を開いた状態を示している。開閉扉71の内面に、バッテリBを機械的に結合するためのスライドレール及び電気的に結合するための端子類を備えたバッテリ取り付け部72が設けられている。このバッテリ取り付け部72を介して開閉扉71の内面側にバッテリBが装着されている。バッテリBは、スライド取り付け形式の箱形バッテリパックで、開閉扉71の内面に沿ってスライドさせることによりバッテリ取り付け部72に対して取り付け、取り外しすることができる。
開閉扉71は、図3,4,6に示すように下方へ回動させることにより開放することができる。開閉扉71は、その下部に設けた脚部71b,71bを床面Fに接地させた状態で開放される。開閉扉71の開放位置は、図示するように床面Fに対して約45°の角度に設定されている。従って、バッテリBは、床面Fに対して約45°斜め下方に向けてスライドさせることによりバッテリ取り付け部72に取り付けることができ、逆に約45°斜め上方にスライドさせることによりバッテリ取り付け部72から取り外すことができる。このようにバッテリBは、床面Fに対して斜め45°方向にスライドさせることにより取り付け、取り外しする構成であるので、当該噴霧器1を床面F上に設置した場合に使用者は楽な姿勢でバッテリBの取り付け、取り外しを行うことができ、この点で当該噴霧器1の使い勝手を高めることができる。
逆に開閉扉71を閉じる際には、バッテリBの重心Gが当該開閉扉71の回動中心(ヒンジ部71a,71a)を通る鉛直線に対して閉じ側に変位することにより確実に閉じ位置まで回動させることができ、かつ当該バッテリBの重心Gが閉じ側に作用することから開閉扉71は確実に閉じ位置に保持される。なお、開閉扉71の閉じ状態は、取っ手71cに設けた爪部がバッテリ収容部70の開口部に係合されることによってロックされる。開閉扉71が爪部により閉じ状態にロックされることにより、当該噴霧器1の姿勢あるいは振動等によっても開閉扉71の閉じ状態が確実に保持される。
後方開放のバッテリ収容部70は、前壁部73、左右側壁部74,75、底板部76及び天板部77によって吐出ポンプP側及び貯蔵タンク10側から区画されている。このため、バッテリ収容部70は、開閉扉71を閉じると、前後左右及び上下を外部から区画された状態となる。このことから、バッテリBを吐出ポンプP側及び貯蔵タンク10側、さらにはポンプハウジング24の外部(周辺環境)から遮蔽することができる。このように、バッテリBはバッテリ収容部70内において全方位について吐出ポンプP側等から遮蔽された状態で収納されることから、作業中の薬剤付着、油の付着、雨天時の水濡れ等のトラブルを未然に防止することができ、当該噴霧器1の耐水性を高めることができる。
また、小物類収容部80は、前記バッテリ収容部70と同じく、開閉扉81の閉じれば前後左右及び上下をそれぞれ前壁部、後壁部、開閉扉81、右側壁部、底部及び天板部により区画された状態となって、小物類を吐出ポンプPや貯蔵タンク10から分離された状態で収容されるようになっている。これにより、小物類収容部80内に収容したノズルアダプタ等の小物類に対する油付着あるいは水濡れ等のトラブルを未然に回避することができるようになっている。また、収容した小物類が吐出ポンプP側に紛れ込むことによる作動不良等のトラブルを未然に防止することができる。さらに、小物類収容部80内に収容しておくことにより、ノズルアダプタ等の小物類の紛失を防止することができ、必要時に迅速に用意することができることから噴霧作業の効率化を図ることができ、これらの点で当該噴霧器1の使い勝手を一層高めることができる。
図20中(C)には、引き出しタイプの小物類収容部85が示されている。この小物類収容部85は、上方開放の矩形箱体をなす引き出し86を左右方向にスライド可能に設けた構成を備えている。引き出し86の内部にノズルアダプタ等の小物類を、吐出ポンプP側や外部から遮蔽した状態で収容することができる。
図20中(D)には、(B)と同じくポケットタイプの小物類収容部87が示されている。(D)に示す小物類収容部87は、上方開放で扇形のポケット部88をその下部に設けたヒンジ部88a,88aを介して上下に回動可能に設けた構成を備えている。扇形のポケット部88の内部にノズルアダプタ等の小物類を、吐出ポンプP側や外部から遮蔽した状態で収納することができる。
また、上記の実施形態では、噴霧タイプと噴射タイプの2種類のノズルアダプタ31、32を用いた例を示したが、ノズルアダプタがいずれも噴霧タイプ、いずれも噴射タイプで同一であってもよい。
さらに、上記の実施形態において、往復式ポンプの場合には、ポンプ回転数を多くしてもポンプ性能が効率的に増大しないため、低回転で動力が入力されなければならない。したがって、特に減速機構による出力(ポンプ部から見れば入力)回転数の調整が効果を発揮する。
また、電動モータを用いた場合の減速比は、1.5〜3程度であることが望ましい。
また、平歯車等を用いた場合など、減速機構の前後で軸がずれている場合には、減速比の調整によってズレを調整し、これにより空いたスペースに他部品を配置することなどで、ポンプハウジング24内の空きスペースを効率的に使用することができる。
上記の実施形態では、バッテリ収容部70の開閉蓋71が開閉式の例を示したが、開閉蓋がポンプハウジングから分離可能となっており、バッテリを分離した開閉蓋に取付けた後にポンプハウジングへはめ込む形状であってもよい。
また、上記の実施形態では、開閉蓋71が45°に開く例を示したが、この角度は、最大開度の場合に、図6の断面において開閉蓋71のヒンジ部71aの位置に対してバッテリBの重心Gが噴霧器側に位置する角度としてもよい。これによれば、ヒンジ部71aがバッテリBの下部に位置する形状であっても、バッテリBの自重により開閉蓋71が閉じ易くなり、開閉蓋71が開いた状態でバッテリBが雨等の水分にさらされる危険を低減することができる。
さらに、開閉蓋71が閉じる方向に付勢される構造としてもよい。これは、ヒンジ部71a,71aに例えばねじりバネを配置することなどで具現化できる。
また、36VのバッテリBを例示したが、バッテリBが18V以上の高容量で重量が大きいバッテリの場合に、例示した構成を適用することにより同等の効果を発揮させることができる。
また、小物類収容部80の容積は大きいほうが望ましいが、吐出ポンプP、バッテリBなどの配置空間を制限することにもなる。このため、小物類収容部は、200cm3〜2000cm3程度の容積とすることが望ましい。
10…貯蔵タンク
11…蓋
P…吐出ポンプ
F…床面
12…排液口、12a…キャップ
13…流入ホース
14…リターンホース
20…駆動部
21…ポンプモータ、21a…出力軸
22…減速機構、22a…駆動ギヤ、22b…従動ギヤ、22c…駆動軸
23…ピストン部、23a…動力変換部、23b…偏心カム、23c…吐出口
24…ポンプハウジング
25…吐出ホース
30…噴霧ノズル
31,32…ノズルアダプタ
33…ノズルホース
34…ノズル開閉バルブ、34a…レバー
35…グリップ部
40…圧力検知機構
41…圧力センサ
42…電源コントロールユニット(ECU)
50…電源回路
B…バッテリ
52…可変抵抗
53…電源スイッチ
54…圧力スイッチ
55…モード切り換えスイッチ
56…メンテナンススイッチ(タイマー内蔵タイプ)
57…圧力スイッチ
58…メンテナンススイッチ
60…操作パネル
61…強弱調整ダイヤル
70…バッテリ収容部
71…開閉扉、71a…ヒンジ部、71b…脚部、71c…取っ手
72…バッテリ取り付け部
G…バッテリBの重心
73…前壁部、74…左側壁部、75…右側壁部、76…底板部
77…天板部
80…小物類収容部
81…開閉扉、81a…取っ手、81b…ヒンジ部
82…ポケット部、82a…ヒンジ部
83…開閉扉
84…小物類収容部(ポケットタイプ)
85…小物類収容部(引き出しタイプ)
86…引き出し
87…小物類収容部(ポケットタイプ)
88…ポケット部、88a…ヒンジ部
Claims (4)
- 薬剤等の噴霧液を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の噴霧液を圧送する吐出ポンプと、該吐出ポンプにより圧送された噴霧液を噴霧する噴霧ノズルと、該噴霧ノズルを開閉するノズル開閉バルブを備えた噴霧器であって、
前記吐出ポンプと前記ノズル開閉バルブとの間の流路圧力を検知し、該流路圧力が予め定めた基準圧に達した時点で前記吐出ポンプを停止させる動作モードと、前記流路圧力の変動とは独立して前記吐出ポンプを連続駆動させる動作モードを選択可能な噴霧器。 - 請求項1記載の噴霧器であって、前記流路圧力の変動による圧力検知機構の作動によりオンオフする圧力スイッチと、該圧力スイッチのオンオフ動作の有効、無効を切り換えるモード切り換えスイッチを備えた噴霧器。
- 請求項2記載の噴霧器であって、前記吐出ポンプへの電源供給を制御する電源回路を備え、該電源回路に、前記圧力スイッチと、該圧力スイッチをバイパスして該圧力スイッチの有効、無効を切り換えるモード切り換えスイッチを備えた噴霧器。
- 請求項3記載の噴霧器であって、前記電源回路に電源スイッチとメンテナンススイッチを相互に並列に備えており、前記電源スイッチのオフ状態において前記メンテナンススイッチのオン操作により前記吐出ポンプを一定時間起動させるメンテナンス機能を備えた噴霧器。
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