以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図21は、本発明の一実施の形態を示している。
本実施の形態に係る遊技設備機である遊技媒体計数機20は、遊技機島1のほぼ中央部に設置され、遊技機10から払い出された遊技媒体を受け入れて、その個数を計数する装置である。以下に、遊技機10を遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ機とし、遊技媒体計数機20は遊技球を計数する場合について説明する。
図9に示すように、遊技機島1は、島フレーム枠の中段付近に複数の遊技機10としてパチンコ機を並設してなる。また、各遊技機10間には、カードや紙幣の投入により遊技球を個別に対応した右隣の遊技機10に貸し出す球貸機15が配設されている。なお、図9中では、遊技機10および球貸機15が背中合わせに2列に並設された例を示したが、遊技機島1は、遊技機10等を片側一列に並設したものであってもかまわない。
遊技機10は、正面のガラス枠11の内側にある遊技盤面上に遊技球を打ち出してゲームを行うパチンコ機である。図示省略したが遊技盤面には、遊技球の落下に変化を与える釘の他、遊技球を受け入れる各種入賞口、識別情報を可変表示する可変表示装置、アウト口等が適所に設けられている。ガラス枠11の下方には、遊技球を貯留する上受け皿12と、上受け皿12から溢れ出た遊技球を受ける下受け皿13と、遊技球の打ち出し操作を行うハンドル14等が設けられている。なお、下受け皿13内の遊技球は、図示省略した玉箱に移し替えられる。
このような遊技機10では、各種入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞として払い出される他、始動入賞口に遊技球が入賞すると可変表示装置で表示遊技が実行され、例えば数字等の識別情報がスクロール表示される。この表示結果が識別情報の予め定めた特定の組み合わせ(例えば「777」等)である大当たりに確定すると、大入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉する特賞状態が形成され、遊技者は多量の遊技球を獲得することができる。
遊技機島1において、複数の遊技機10や球貸機15の直ぐ下側には、島全長に亘って水平に延出した天板2が固定されている。天板2の下側に位置する島フレーム枠の下段には腰板3が装着され、腰板3で囲まれた島下段内には、遊技球を貯留する回収タンク(図示せず)等が配設されている。また、島フレーム枠の上段には、各遊技機10毎に対応して大当たり回数等の遊技情報を表示する表示装置4等が設けられている。表示装置4より上側には幕板5が装着され、幕板5で囲まれた島上段内には、島下段から揚送された遊技球を各遊技機10に送る補給樋(図示せず)等が配設されている。
本発明の根幹をなす遊技媒体計数機20は、遊技者が運んできた玉箱内の遊技球が投入されると、この遊技者が獲得した遊技球の数を計数して、計数結果を出力する遊技球専用の計数機である。本実施の形態では、図9に示すように、遊技媒体計数機20を遊技機島1のほぼ中央部に設置したが、遊技媒体計数機20の設置位置は遊技機島1の中央部に限られることはなく、他に例えば、遊技機島1の島端等と予め定めた任意の位置に設置することができる。
図1および図2に示すように、遊技媒体計数機20は、上半側の本体部21と下半側の計数部22とに分かれているが、それぞれ1つの筐体20aで囲われて一体化されたユニットとして構成されている。本体部21には、各種の制御基板等を含む複数の電子部品が内部に配設されており、その前面側には、筐体20aの外壁の一部をなし前記複数の電子部品を覆う位置にカバー部23が設けられている。なお、本実施の形態のカバー部23は、筐体20aの本体側とは別パーツとして後付けしているが、筐体20a自体の外壁をカバー部23のような形状に一体成形して、その一部をそのままカバー部としても良い。
計数部22には、遊技者が遊技球を投入するための投入口24が設けられており、この投入口24内には、投入された遊技球を受ける底板部25が配されている。底板部25の奥側には、遊技球を筐体20a内部に取り込む取込口26が開設されている。また、取込口26には、開閉可能なシャッター26aが設けられている。
投入口24の周囲には、上部枠27が形成され、この上部枠27の下方には、計数部22の内部に配設された後述する球レールユニット52等が収まる箱形のケース部28が設けられている。上部枠27およびケース部28も、筐体20aの外壁の一部をなしている。なお、図1、図3、図9等におけるカバー部23、上部枠27およびケース部28の外観形状の多少の違いは、単なる設計事項の変更に過ぎない。
図3に示すように、カバー部23には、その大部分の面積を占めるように矩形パネル状の表示装置30が設けられている。表示装置30は、各種画像を表示可能なものであり、この表示装置30に表示する画像を制御することにより、カバー部23を透過状態と非透過状態とに切り換えることができる。すなわち、カバー部23は、外側から筐体20aの内側にある複数の電子部品を含む内部構造を視認可能な透過状態と、視認不能な非透過状態とに、相互に切り換え可能に構成されている。
表示装置30は、透明なパネル上に不透明な画像を表示することで、それ自体が不透明となる一方、画像を表示しない部位では透明となるものである。本実施の形態では、カバー部23のうち表示装置30に合致する矩形状の部位がくり抜かれており、当該部位に表示装置30がカバー部23と面状に連なるように一体に設けられている。あるいは、カバー部23の表面(または裏面)に表示装置30を重なるように設けても良い。この場合、カバー部23も透明材質により形成する必要がある。何れにせよ表示装置30は、カバー部23の一部として設けられることになる。なお、カバー部23は、メンテナンス時の作業用に鍵等により開閉可能となっている。
詳しく言えば表示装置30は、具体的には例えば、周知の有機EL表示装置や液晶表示装置が該当する。有機EL表示装置の場合は、透明なパネル基板上にマトリクス状に配置した陽極電極と陰極電極との交差する部位に、赤、緑、青の各色を発光する各有機蛍光体薄膜を並列配置してなり、両電極間に電圧を印加することで、赤、緑、青の光の3原色が発光され、該光の3原色の加法混色によりフルカラー表示が可能となる。
このような有機EL表示装置によれば、何も画像を表示していない場合に、透明なパネル基板を通して内側にある電子部品を含む内部構造が視認できる透過状態となるが、何らかの画像を表示することにより、当該画像がある部位では内側が隠蔽された非透過状態となる。有機EL表示装置では、その表示領域内における任意の範囲で様々な画像を表示することができる。
また、表示装置30に適する液晶表示装置は、一般に2枚のガラス板の間に特殊な液体を封入し、電圧をかけることによって液晶分子の向きを変え、光の透過率を増減させることで画像を表示する構造になっている。なお、液晶表示装置では、前記有機EL表示装置とは異なり液晶自体は発光しない。また、液晶を利用したものとして、電圧を加えることで液晶内の浮遊物を一定方向として、液晶を透明、不透明に切り換える調光ガラスと称されるものも、表示装置30として利用することができる。
図3に示すように、表示装置30は、有機EL表示装置や液晶表示装置の何れの場合にせよ、矩形の外周縁に沿って所定幅の端子部31が形成され、この端子部31の内側がカバー部23を透過状態ないし非透過状態に切り換えるための画像を表示する画面32となっている。また、表示装置30の画面32上にて、正面視で右下の部位には、カードを挿入ないし排出するカード挿排口34が設けられており、その内側には前記電子部品の1つとして、カードのデータを読み取り、および書き込み可能なカードユニット35が配設されている。かかるカードユニット35で扱うカードについては後述する。
さらに、表示装置30には、その画面32全体を覆うように周知のタッチパネル33が装着されており、画面32上にタッチパネル対応の操作ボタンを表示することで、遊技店の管理者や遊技者が遊技媒体計数機20に特定の動作を行わせるための「操作手段」として構成されている。ここで操作手段は、遊技店の管理者が操作可能な操作手段と、遊技者が操作可能な操作手段とは、それぞれ概念としては別々に構成されている。
すなわち、遊技者が操作可能な操作手段としてのタッチパネル33では、誰もが制限なく操作することができるが、遊技店の管理者が操作可能な操作手段としてのタッチパネル33では、例えばパスワード入力等による操作制限を設けることで、このパスワードを知る者にしか操作できないようにすると良い。遊技者が操作手段を操作する場合は、画面32は原則として非透過状態とし、非透過状態とするための画像の他、遊技者に必要な情報(計数情報等)を表示すると良い。
もちろん、遊技店の管理者あるいは遊技者の操作手段としては、前述したタッチパネル33に限ることなく、表示装置30とは別にボタンスイッチやリモコン等の入力装置により構成しても良い。遊技者あるいは遊技店の管理者の操作手段によって、遊技媒体計数機20に行わせる特定の動作については後述する。なお、タッチパネル自体の構成は、既に一般的であるので詳細な説明は省略する。
前記表示装置30を通して視認対象となる電子部品は、カバー部23の内側に配された個々の部品だけでなく、各種制御基板や配線ケーブルも含む概念である。カバー部23の一部をなす表示装置30の内側には、対向する平面上に電子部品として、具体的には主制御基板100、表示制御基板200、カードユニット制御基板400、電源基板500等が互いに重ならない位置に配設されている。各制御基板について詳しくは後述する。また、カバー部23の上部内側には、表示装置30が透過状態である時に前記電子部品を照射可能な照明装置36が設けられている。照明装置36は、具体的には例えばLEDランプ等から構成すれば良い。
また、前記計数部22における投入口24の底板部25にも、前記表示装置30とほぼ同様な構成の表示装置40が設けられている。ただし、底板部25には投入された遊技球が衝突するため、前記カバー部23の場合のように底板部25の一部をくり抜くことはせず、表示装置40に遊技球が直接衝突しないように、底板部25の裏面側に沿うように表示装置40は設けられている。表示装置40は、底板部25の必ずしも全面に重なる必要はなく、本実施の形態では、図3および図4に示すように、底板部25にある取込口26の配置上、この取込口26よりも前方に位置するように設けられている。
底板部25は、その奥側にある取込口26に遊技球を流下させるように、前方より奥側に向かって下方に傾斜し、かつ両端からも奥側中央にある取込口26に向かって下方に傾斜している。このような傾斜した形状の底板部25の裏面に隙間なく沿うように表示装置40を一部折曲して設けても良いが、平面状の表示装置40を底板部25の最下位置となる取込口26の前方にて略水平に配置してもかまわない。何れの形態にせよ、表示装置40を底板部25に設けることに変わりない。なお、底板部25や表示装置40は、メンテナンス時の作業用に鍵等により着脱可能となっている。
表示装置40は、前記表示装置30と同様に、周知の有機EL表示装置や液晶表示装置により構成されるものであり、重複した説明は省略するが、矩形の外周縁に沿って所定幅の端子部41が形成され、この端子部41の内側が底板部25を透過状態ないし非透過状態に切り換えるための画像を表示する画面42となっている。
表示装置40の画面42に重なる底板部25(の一部)は、画像を表示していない画面42の透過状態と同様に内部を透視できるように透明なアクリル樹脂等の透明材質により形成されている。ここで透明とは、光が通過する物質の性質において、透過率が極めて高く物質を通してその向こう側が透けて見える状態の性質を指すが、内部を視認できれば透過率は必ずしも100%である必要はなく、また、有色透明であるか無色透明であるかは問わない。
表示装置40においても前記表示装置30と同様に、画面42に表示する画像を制御することにより、底板部25を透過状態と非透過状態とに切り換えることができる。すなわち、底板部25は、外側から次述する誘導経路を含む内部構造を視認可能な透過状態と、視認不能な非透過状態とに、相互に切り換え可能に構成されている。なお、取込口26を開閉するためのシャッター26aは、取込口26よりも筐体20aの手前側から奥側に向かって出没するようにモーターでスライド駆動されるが、その下側を透視できるように、前記底板部25(の一部)と同様に透明なアクリル樹脂等の透明材質により形成されている。
図2に示すように、投入口24における底板部25の下方には、前記取込口26から取り込んだ遊技球を整列させて流下させる誘導経路をなす球レールユニット52と、該球レールユニット52を通過してきた遊技球を検出する計数手段56等が配設されている。詳しく言えば、取込口26の下方には、この取込口26から落下してきた遊技球を前方へ流下させるトレイ状の球投入ベース51が前方に向かって下方に斜設され、その下方に球レールユニット52が配設されている。
球レールユニット52は、前記球投入ベース51を経て前方より落下してきた遊技球の流下方向を奥側に転換した上で、遊技球を整列させて流下させる誘導経路をなしている。球レールユニット52の底部付近には、遊技球を複数列に整列させて奥側へ流下させる複数の整列レーン53が両側方向に並設されている。各整列レーン53は、整列レーン53の底面をなす異物トレイ54上に沿って、前方より奥側に向かって下方に傾斜しており、遊技球が自然流下するように設定されている。
各整列レーン53が互いに長手方向に隣接し合う間は、それぞれ仕切板によって区画され、また、各整列レーン53の底も、それぞれ仕切板によって構成されている。仕切板の隙間より落下した異物は、遊技球から分離されて前記異物トレイ54上に貯まることになる。各整列レーン53は、それぞれ前方の始端側より流入した遊技球を1列に整列させた状態にして通過させるものである。各整列レーン53の終端寄りの途中上方には、上下に重なる遊技球の進入を防ぐための球ならし55が偏心軸を中心に揺動可能に設けられている。
各整列レーン53の終端側には、それぞれ計数手段56が設けられている。計数手段56は、当該部位を通過する遊技球を1個ずつ検出可能なものであり、具体的には例えば、受光部(例えばホトダイオード)と発光部(例えばLED)からなるフォトセンサ、あるいは近接センサや磁気センサ等の各種センサにより構成される。計数手段56は、1個の遊技球の通過を検知する毎に1パルスの検知信号を発する。この計数手段56からの検知信号は、後述するセンサ基板300に入力された後に主制御基板100により処理され、計数結果の表示等に利用される。
正確に言えば、前記各計数手段56は、後述するセンサ基板300(図8参照)上に一体に取り付けられており、1つのセンサユニット56aとして構成されている。センサユニット56aを通過して計数された遊技球は、ケース部28の背面側に開設された排出口29(図2参照)より遊技機島1の内部に排出される。図示省略したが遊技機島1の内部には、遊技媒体計数機20から排出された遊技球を回収する回収樋や、回収樋を流下してきた遊技球を所定量貯留するタンクや、タンク内の遊技球を研磨しつつ揚送する研磨揚送装置、揚送された遊技球を島上部に貯留するタンクのほか、各遊技機10に遊技球を送る前記補給樋等が設けられており、遊技球は遊技機島1内で循環して使用される。
前記計数部22において、投入口24の底板部25より下方に位置する内部構造は、前述したように底板部25ないし表示装置40を通して外側から視認できるものである。ここで内部構造のうち前記球投入ベース51は、その下側の各整列レーン53ないし計数手段56を透視できるように、前記底板部25(の一部)と同様に透明なアクリル樹脂等の透明材質により形成されている。また、前記表示装置40の下方には、ケース部28の内部構造を撮影するための画像入力手段57が設けられている。
図2および図7に示すように、画像入力手段57は、具体的には例えば周知のCCDカメラユニットからなり、前記取込口26から整列レーン53と計数手段56を経て遊技球が筐体20aの外部に排出されるに至る経路を撮影可能な位置に配置されている。かかる経路の全てに亘り撮影する必要はなく、本実施の形態では、各整列レーン53の始端側の上方に配置され、各整列レーン53を流下する遊技球が計数手段56を通過するまでに至る様子を撮影できるように配置されている。
また、前記ケース部28の内部には、前記底板部25が透過状態である時に各整列レーン53を含む内部構造を照射可能な照明装置58が設けられている。本実施の形態における照明装置58は、球レールユニット52の両端より外側の上方に一対と、計数手段56の上方に1つ設けられている。各照明装置58は、球レールユニット52の内側にある各整列レーン53に光を照射する向きに配置されている。なお、照明装置58は、前記照明装置36と同様に、具体的には例えばLEDランプ等から構成すれば良い。また、前記画像入力手段57の取付基板上にも照明装置58を併せて設けても良い。
図1および図8に示すように、遊技媒体計数機20は各制御基板として、主制御基板100、表示制御基板200、センサ基板300、カードユニット制御基板400、電源基板500を備えている。主制御基板100は、遊技媒体計数機20全体の制御を掌る制御基板である。表示制御基板200は、表示装置30や表示装置40の表示制御、タッチパネル33の操作制御、照明装置36や照明装置58のLEDの点灯制御や音声の出力制御をそれぞれ統括する制御基板である。
主制御基板100は、CPU101、内蔵制御用RAM102、制御用ROM103等を有する周知のものである。CPU101は、各種演算および制御を行うものであり、内蔵制御用RAM102は、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU101の作業領域等を備えている。また、制御用ROM103には、各種演算および制御の処理に関するプログラムやデータ等が記憶されている。さらに、CPU101は、外部入出力端子を介して図示省略したホールコンピュータに接続され、このホールコンピュータを介して遊技店内に構築されたネットワークに接続されている。
主制御基板100は、具体的には例えば、カードユニットの制御機能を備えている。この制御機能は、カードユニット制御基板400との間で制御信号を入出力し、会員カードまたは遊技球の計数結果を特定するカードを処理するものである。会員カードには、遊技者を特定するIDや前もって預け入れた遊技球数(貯球)が記憶されており、これらの情報を会員カードがカードユニット35に挿入された際に読み出す処理を行う。なお、会員カードに記憶された情報は、ホールコンピュータによって記憶管理される。
また、遊技球の計数結果を特定するカードは、一般的にはビジターカードと称され、会員カードを持たない一般遊技者が主に使用する。カードユニット35には、ビジターカードが複数枚ストックされており、遊技球の計数結果をビジターカードに記憶して発券する機能を有している。なお、カードユニット35だけでなく、レシート発券機(プリンタ:図示省略)を組み合わせた構成とし、遊技球の計数結果をレシートで発券する機能を有するようにしても良い。
主制御基板100は、その他の主な制御機能として、表示制御基板200を介して接続されている各装置の動作を制御する機能、前記取込口26を開閉するシャッター26aの動作を制御する機能等を備えている。ここで各装置の1つである画像入力手段57の動作の制御については、所定条件の成立に基づき、画像入力手段57の撮影および録画、停止を制御する。また、シャッター26aの動作の制御については、シャッター26aを開閉するモーターを駆動し、遊技球の計数が可能である場合に取込口26を開状態にする。
センサ基板300は、CPU301、内蔵制御用RAM302、制御用ROM303等を有する周知のものである。センサ基板300は、具体的な制御として、遊技球の計数制御機能等を備えている。かかる計数制御機能は、前記各計数手段56から出力された検知信号を内部の入力回路を介して入力し、個々の検知信号を集計する処理を実行するものである。なお、図8に示すように計数手段56には、不正カウントを検出するためのセンサも設けられている。
前記計数制御機能により、投入口24に投入された遊技球の個数が計数され、その計数結果が前記主制御基板100に出力される。ホールコンピュータには、前記会員カードのIDに基づいて記憶される貯球数の記憶領域があり、センサ基板300によって遊技球が計数される度に、その計数結果は主制御基板100を介してホールコンピュータにも送信され、前記記憶領域に貯球数として積算され記憶される。
表示制御基板200は、CPU201、内部制御用RAM202、外部制御用RAM203、制御用ROM204の他、VDP205、画像データROM206、SOUNDDSP207、音声データROM208、LED制御回路209等を有する周知のものである。CPU201は、主制御基板100からの表示制御信号が入出力インターフェイスを通して入力され、この入力情報に基づき表示装置30や表示装置40の表示制御、タッチパネル33の入力制御、照明装置36や照明装置58のLEDの点灯制御や音声の出力制御を制御用ROM204等に記憶されたプログラムの手順で実行する。
VDP205は、主制御基板100からの表示制御信号に基づいて、表示装置30および表示装置40における表示制御を行うものであり、CPU201は、表示制御信号に基づいてVDP205へ具体的な指示を行う。かかるVDP205は、CPU201からの制御信号に従って、画像データROM206の画像データを入手し、具体的な映像信号を生成し、表示装置30および表示装置40へ出力する。VDP205は、生成した画像データを一時的に記憶するVRAMを内蔵している。なお、表示装置30および表示装置40の表示内容に関する画像データは、画像データROM206に記憶されている。
また、VDP205は、前記画像入力手段57の撮影に伴う画像を処理する機能も備えている。すなわち、画像入力手段57の撮影に伴う映像入力信号は、インターフェイスを介してVDP205に送られるように設定されている。VDP205は、映像入力信号を処理して得た画像データをVRAMに記憶する。そして、VDP205は、前記CPU201からの制御信号に応じて前記画像データを表示装置30および表示装置40に出力して表示する機能を有する。
また、LED制御回路209は、前記照明装置36や照明装置58のLEDの点灯制御を行うものである。LED制御回路209は、前記CPU201の制御に従って、個々のLED基板に対して通電制御を行うことによって、各LED基板毎におけるLEDの点灯ないし消灯を実行する。
LED制御回路209は、具体的には例えば、前記表示装置30が透明に変化(画像の非表示)して、カバー部23が透過状態となった際に、前記照明装置36を点灯させ、また、前記表示装置40が透明に変化(画像の非表示)して、底板部25が透過状態となった際に、前記照明装置58を点灯させる。
さらに、SOUNDDSP207は、音声出力の制御を行うものである。前記CPU201は、遊技媒体計数機20に設置されたスピーカーに具体的な音声出力を行わせるため、SOUNDDSP207に制御信号を出力する。SOUNDDSP207は、CPU201からの制御信号に従い、音声データROM208の音声データを入手し、具体的な音声信号を生成してスピーカーへと出力する。
このような表示制御基板200は、前記表示装置30上に設けられたタッチパネル33からの各種操作に関する入力信号を処理する機能を有する他、表示装置30や表示装置40に表示する画像を制御することにより、カバー部23や底板部25を透過状態と非透過状態とに切り換え制御する「表示制御手段」として機能する。かかる表示制御手段は、所定条件の成立に基づき、前記カバー部23(正確には表示装置30自体)を通常の非透過状態から透過状態に切り換える制御を実行する。また、表示制御手段は、別の所定条件の成立に基づき、前記底板部25(正確には表示装置40自体)を通常の非透過状態から透過状態に切り換える制御を実行する。
表示制御手段は、具体的には例えば、遊技店の管理者が前記タッチパネル33によりカバー部23の透過状態への切り換えが指示された時を前記所定条件の成立として、カバー部23を非透過状態から透過状態に切り換えるように設定されている。ここでタッチパネル33による操作は、前述したようにパスワード入力等によって、遊技店の管理者が行う操作と、遊技者が行う操作とに区別されている。なお、表示制御手段による表示装置30の他の具体的な表示内容について詳しくは後述する。
また、表示制御手段は、具体的には例えば、前記計数手段56による遊技球の検出時または計数開始時や、遊技店の管理者あるいは遊技者による前記タッチパネル33の操作に基づき底板部25の透過状態への切り換えが指示された時に、それぞれ前記別の所定条件の成立として、底板部25を非透過状態から透過状態に切り換えるように設定されている。かかる切り換えや、この切り換えに伴う表示装置40における具体的な表示内容についても詳しくは後述する。
以下、前述した実施の形態の作用について説明する。
図9において、遊技者は遊技を開始するに際し、球貸機15にカードや紙幣を挿入して金額を指定すると、その金額相当数の遊技球がノズルを介して上受け皿12に払い出される。遊技機10では、ハンドル14の回転操作により上受け皿12内の遊技球が1つずつ遊技盤面上に打ち出される。遊技球が各種入賞口に入賞すると、それぞれの入賞口毎に定められた所定数の遊技球が賞として上受け皿12に払い出される。
上受け皿12が遊技球で満杯になると、遊技者は上受け皿12にある球抜きレバーを操作することで、上受け皿12内の遊技球を下受け皿13に移すことができる。さらに、下受け皿13も遊技球で満杯になると、遊技者は下受け皿13にある球抜きレバーを操作することで、下受け皿13内の遊技球を図示省略した玉箱に移し替えることができる。この遊技者が遊技機10から獲得した遊技球は、遊技機島1の中央部にある遊技媒体計数機20によって計数される。
遊技媒体計数機20のカバー部23にある表示装置30には、営業中(電源ONで遊技者が使用可能な状態時)において、図10に示すように、「計数できます」の文字を含む画像が表示されている(計数待機中モード)。かかる表示は、遊技者を案内したり、注意を喚起するものである。このように、営業中において遊技店の管理者が内部点検を行う必要がない通常時には、表示装置30に内部を透視不能とする画像を表示することにより、カバー部23を非透過状態に維持できる。かかる非透過状態では、遊技者がカバー部23の内部を視認することができないので、内側にある基板等の内部構造の解析が行われる心配はない。また、表示装置30には、遊技者向けの計数操作の案内や、遊技店の管理者向けの点検操作の案内等を表示しても良い。
一方、遊技媒体計数機20の内部点検やメンテナンスの必要が生じた時に、遊技店の管理者は、例えば遊技者には分からないパスワード入力等を経て、遊技媒体計数機20の画面上にあるタッチパネル33によって特定の操作を行うことにより、カバー部23(正確には表示装置30自体)を非透過状態から透過状態に切り換えることができる。図8に示す表示制御基板200によって実現される表示制御手段により、前記タッチパネル33でカバー部23の透過状態への切り換えが指示された時には、これを所定条件の成立として、カバー部23は非透過状態から透過状態に切り換えられる。
すなわち、図11に示すように、表示装置30に画像を表示しないことにより、カバー部23は筐体20aの内部構造を視認可能な透過状態となる(目視点検モード)。これにより、カバー部23を開けたり外すことなく、筐体20aの内部構造が視認可能となる。よって、遊技媒体計数機20の内部における各制御基板100、200、400、500等の電子部品の不正改造や異常の有無を容易に確認することができ、トラブルの原因の早期発見やセキュリティの向上に貢献することができる。
カバー部23が透過状態となった際には、前述したように照明装置36を点灯させれば、表示装置30下にある各電子部品も明るく照らして見やすくすることができる。ここでの照明装置36の点灯は、タッチパネル33による操作により行っても良いが、あるいはカバー部23が透過状態である時に自動的に点灯するように、前記表示制御基板200により制御しても良い。なお、カバー部23を透過状態から元の非透過状態に戻すには、タッチパネル33による操作でも良いが、例えば、所定時間に亘りタッチパネル33の操作が検出されなかった時等に、自動的に非透過状態に戻るようにしても良い。
また、前記表示制御手段により、カバー部23が透過状態である時に、タッチパネル33の操作に基づき、透視可能な状態にある複数の電子部品のうち指示された特定の電子部品を表示装置30の画面32上で指標する表示を行うと共に、該特定の電子部品と対比される照合用画像を同じく画面32上に表示する制御も行うように設定されている。これにより、確認対象となる特定の電子部品が正常なものであるかを容易に確認することができる。
具体的には例えば、図12に示すように、電源基板500を特定する場合には、この電源基板500を画面32上で指標する表示を行うと共に、電源基板500と対比される照合用画像510を同じく画面32上に表示する。ここで「指標する表示」とは、表示装置30下にある電源基板500を他の電子部品よりも目立たせるための表示であれば何でも良く、例えば、電源基板500の輪郭を縁取るように点滅する枠形の画像を表示すること等が考えられる。また、図12中では、電源基板500以外の部位も透視可能となっているが、電源基板500以外の部位は画像を表示して隠蔽するようにしても良い。
照合用画像510とは、確認対象となる電子部品を模式的に表した画像であり、確認対象となる電子部品の近い位置に並べて表示すると良い。これにより、照合用画像510に表示された部品配置と、実際の電源基板500における部品配置とに違いがないかを容易に確認することができる。また、確認対象である電源基板500を視認できる表示領域と照合用画像510以外の表示領域を半透明に表示することにより、照合の際の誤認を緩和することができる。
さらに、表示装置30の画面32上における照合用画像510の表示位置については、予め定められた初期位置に限定されることはなく、タッチパネル33の操作によって任意に確認しやすい位置に移動することができるように設定されている。図13に示すように、照合用画像510に触れて指をそのまま動かすことにより移動させることができる。また、図14に示すように、表示装置30下にある電源基板500に照合用画像510を重ねて表示し、そのまま比較して正誤の確認を行うこともできる。ここでの重ね度合いは、照合用画像510を移動させることで任意に調整することができる。
図14においては、照合用画像510を透過するようにして、その下にある実際の電源基板500との部品の相違を確認できるようにしているが、照合用画像510を透過させることなく、点滅するように表示制御しても良い。かかる場合には、残像効果で容易に確認することが可能となる。ここでの点滅速度は、タッチパネル33の操作によって任意に変更するようにしても良い。さらに、照合用画像510は、操作手段33によって拡大ないし縮小表示を可能とすれば、任意にその大きさを変更することができる。なお、照合用画像510の一部分だけを拡大ないし縮小表示できるようにしても良い。
さらに、電源基板500に照合用画像510を重ねて表示する場合には、図15に示すように、電源基板500(図中で白抜きの部分)に対して、この電源基板500における確認した箇所の近くに、照合用画像510において対応する箇所が隣接するように表示すると良い。照合用画像510の中には、その下の電源基板500の一部がそのまま透視できる白抜き部分があり、この白抜き部分を一方向(図中では左から右)に順にずれるように移動させつつ、白抜き部分に現れた電源基板500の確認箇所の直ぐ側方に、該確認箇所に相当する照合用画像510の一部が表れるように調整すると良い
図15においては、照合用画像510のうち、電源基板500の確認箇所に相当する一部のみならず、他の箇所に相当する部分も表示しているが、他の箇所に相当する部分は単に隠蔽するような表示でもかまわない。なお、図12〜図15においては、確認対象として電源基板500を特定した場合について説明したが、もちろん、タッチパネル33の操作によって他の電子部品を確認対象として選択することもできる。
また、前記表示制御手段により、複数の電子部品の何れかの箇所で異常が発生した場合に、該異常が発生した特定の電子部品を表示装置30の画面32上で指標する表示を行うように設定されている(エラー発生モード)。これにより、異常の原因追求に各部の電子部品を全て見回すことなく、指標表示された部分の電子部品を確認するだけで異常の早期対応が可能となる。
具体的には例えば、図16に示すように、内部のカードユニット35で異常が発生した場合には、その旨を知らせるエラーコード等を含むメッセージを表示装置30の画面32上に表示する。加えて、カードユニット35が存在する箇所を、局所的に点灯あるいは点滅させたり色を変化させて、異常の発生箇所が一目で区別できるように指標すると良い。
この場合、カバー部23は必ずしも透過状態とする必要はなく、画面32上には、タッチパネル33の操作に基づき、異常の詳細や対処方法のメッセージ等を表示するようにしても良い。あるいは、図17に示すように、表示装置30の画面32のうち、異常の発生箇所に重なる部分を透過状態にした上で、当該部分を点灯あるいは点滅させたり色を変化させても良い。
その他、前記表示制御手段により、内部機能点検モードとして、カバー部23が透過状態である時に、点検したい電子部品の上のタッチパネル33を触れると、その電子部品の動作状況を確認できる表示を行うように設定しても良い。具体的には例えば、レシート用紙やカード格納庫等がある場合には、これらの上付近のタッチパネル33を触れることにより、レシート用紙やカードの残量表示を行うこと等が考えられる。これにより、消耗品の交換作業を容易に行うことが可能となる。
遊技者は遊技機10から獲得した遊技球を玉箱に入れて遊技媒体計数機20まで運び、遊技球を遊技媒体計数機20で計数することができる。この時、会員カードがあれば、カード挿排口34に挿入して必要なデータを読み出す処理がカードユニット制御基板400および主制御基板100によって実行される。図10に示すように、計数待機中モードであれば、シャッター26aは開状態となっている。なお、シャッター26aは、例えば遊技者が遊技媒体計数機20の前に立った際に、センサ等で感知して自動的に開くようにしても良い。
投入口24に投入された遊技球は、開いている取込口26から内部に取り込まれて球投入ベース51上を流下し、その前端縁より球レールユニット52内にある各整列レーン53に落下し、流下方向を変えて各整列レーン53毎に1列に整列しつつ通過する。各整列レーン53を通過する遊技球は、それぞれの終端側にある計数手段56によって順次計数される。ここで各計数手段56は、それぞれ遊技球を1つずつ検出する度に検知信号を発する。この各計数手段56から出力された検知信号は、図8に示したセンサ基板300のCPU301に入力されて計数される。
遊技球の計数結果は、主制御基板100に出力された後、表示制御基板200の制御により表示装置30に表示すると良い。ここでの計数結果は、外部入出力端子を介してホールコンピュータにも送信され、遊技者が所有する会員カードのIDに関連づけられた持球数に随時積算されて記憶更新される。なお、計数手段56があるセンサユニット56aを通過し終えた遊技球は、ケース部28の背面側に開設された排出口29(図2参照)より遊技機島1の内部に排出される。
遊技球を投入する投入口24の底板部25には表示装置40が設けられており、遊技媒体計数機20が計数待機中モードの時には、前記表示制御手段によって表示装置40が不透明(画像の表示を含む)である非透過状態に維持されている。図4においては、表示装置40の画面42全体が非透過状態(図中で斜線で示した部分)となっている。このような非透過状態では、遊技者が底板部25の下方にある内部構造を視認することができないので、整列レーン53やセンサユニット56a等の解析が行われる心配はない。
その一方、前記表示制御手段は、所定条件の成立に基づき、遊技媒体計数機20の底板部25(正確には表示装置40自体)を非透過状態から透過状態に切り換える。これにより、筐体20aを分解したり底板部25を外すことなく、底板部25の下方にある内部構造を確認することができる。よって、故障の原因となる異物混入の有無を確認することが容易となり、また、遊技球の計数に関わる違法改造や不正基板の取り付け等の不正行為を行うことが困難となり、不正行為を未然に防止することができる。
前記所定条件として、具体的には例えば、前記計数手段56による遊技球の検出時とすれば、遊技球の計数の開始に合わせて、遊技者は底板部25の下方にある球レールユニット52の内部、特に整列レーン53を遊技球が通過する様子を直接見て確認することができる。ここで底板部25は、図18に示すように、表示装置40の画面42全体に亘る範囲で透過状態に切り換えることができる。もちろん、必ずしも表示装置40の画面42全面を透明にする必要はなく、図19に示すように、整列レーン53が視認できる範囲(図中で白抜きの部分)だけを透明にしても良い。
何れの透過状態にせよ、遊技者は整列レーン53を流下する遊技球が計数手段56を通過する過程を直接見ることができる。これにより、遊技球の詰まり等の異常が発生せずに全ての遊技球が計数されたことや、全ての計数手段56が作動していることを、遊技者はリアルタイムで確認することができる。従って、遊技者に信頼ならびに安心感を与えることができる。なお、前記計数手段56による遊技球の検出時では、実際には最初の遊技球が通過した後となるためタイミングとしては遅いが、まとまった数の遊技球が全て通過し終えた瞬間を遊技者は見届けることで安心感を得ることができる。
前記表示制御手段は、計数手段56による遊技球の検出が途絶えてから一定時間(例えば5秒等)の経過後に、底板部25を透過状態から元の非透過状態に戻す。具体的に例えば、計数手段56により遊技球の検出をする度に所定時間を設定する。これにより、最後に通過した遊技球から例えば5秒後に非透過状態に戻ることで計数時以外では、遊技者が不必要に底板部25の内部を視認することができる状況を回避することができ、遅れて取り入れた遊技球の通過も確認することが可能となる。
また、遊技者は前記タッチパネル33あるいは別の操作手段によって、底板部25を非透過状態から透過状態に切り換える操作を可能としても良い。かかる場合には、遊技者により底板部25の透過状態への切り換えが指示された時を前記所定条件の成立として、底板部25を非透過状態から透過状態に切り換えるように設定しても良い。
これにより、遊技者は自らの意思に基づき、底板部25を適宜透過状態とすることが可能となり、例えば遊技球の計数時には、遊技球の詰まり等の異常が発生することなく全ての遊技球が無事通過して計数される様子を直接見て確認することができる。ここで底板部25は、表示装置40の画面42全面に亘り透過状態にする必要はなく、図19に示したように整列レーン53が視認可能な範囲だけ透過状態にすると良い。
また、遊技店の管理者も、前述した遊技者による操作とは別に、前記タッチパネル33あるいは別の操作手段によって、底板部25を非透過状態から透過状態に切り換える操作を可能とする(目視点検モード)。かかる場合には、管理者により底板部25の透過状態への切り換えが指示された時を前記所定条件の成立として、底板部25を非透過状態から透過状態に切り換えるように制御する。
これにより、遊技店の管理者は、遊技媒体計数機20の計数部22における内部点検やメンテナンスの必要が生じた時に、前記タッチパネル33等の操作によって底板部25を透過状態とすることにより、筐体20aを分解したり底板部25を外すことなく、底板部25の下方の内部構造の様子を直接見ることにより、不正な改造が施されていないか等を容易に確認することができる。ここで底板部25は、図18に示したように表示装置40の画面42全面に亘り透過状態にすると良い。
また、何れの所定条件に基づく場合にせよ、底板部25が透過状態となった際には、前述したように照明装置58を点灯させれば、底板部25の下にある各電子部品も明るく照らして見やすくすることができる。ここでの照明装置58の点灯は、タッチパネル33による操作により行っても良いが、あるいはカバー部23が透過状態である時に自動的に点灯するように、前記表示制御基板200により制御しても良い。なお、照明装置58の消灯は、底板部25が元の非透過状態に戻るタイミングに同期させれば良い。
また、前記表示制御手段により、表示装置40においても前記表示装置30の場合と同様に、異常が発生した箇所を表示装置40の画面42上で指標する表示を行うように設定されている(エラー発生モード)。すなわち、表示装置40においては、その下にある各整列レーン53の何れかで異常が発生した場合に、該異常が発生した特定の整列レーン53を画面42上で指標する表示を行うように設定されている(エラー発生モード)。これにより、異常発生の原因を即座に認識して対処することができる。
本実施の形態では、底板部25の下に配置される整列レーン53は1段であるが、例えば、整列レーンが上下2段に折り返すように構成されている場合には、特に容易に異常が発生した整列レーン53を特定することが可能となる。すなわち、整列レーンが上下2段の場合には、下段の整列レーンで球詰まりが生じたとしても底板部25を透明にしただけでは認識し難いが、前述した指標する表示によって異常が発生した整列レーン53を指標すれば、一見して上段の整列レーンに異常がなくとも、下段の整列レーンに異常があることを想定しやすくなる。
具体的には例えば、図20に示すように、表示装置40の画面42のうち整列レーン53を視認できる範囲(図中で白抜きの部分)で透明にしている場合には、異常が発生した整列レーン53の真上の箇所を、局所的に点灯あるいは点滅させたり色を変化させて、異常の発生箇所が一目で区別できるように指標すると良い。あるいは、図21に示すように、異常が発生した整列レーン53の真上の箇所だけを視認できるように透明とし、他の部分は隠蔽するように表示しても良い。
さらに、前記表示制御手段により、異常が発生した整列レーン53を表示装置40の画面42上で指標する表示を行う場合には、これに伴って前記画像入力手段57により撮影された異常が発生した箇所の画像を表示装置40ではなく表示装置30に表示するように設定しても良い。なお、指標ないし撮影の対象とするのは、各整列レーン53に限られることはなく、投入口24の取込口26から各整列レーン53と計数手段56を経て遊技球が筐体20aの外部に排出されるに至る経路の何れかの箇所を想定してもかまわない。
このように、表示装置40にて異常が発生した箇所を指標する表示だけでなく、表示装置30には実際に異常が発生した箇所を撮影した画像も併せて表示することにより、遊技店の管理者は、底板部25を開ける前に異常が発生した箇所を確実に確認することができる。特に、前述したように整列レーン53が上下2段に構成されている場合、底板部25の上からでは下段の整列レーンは見通しが悪く細部まで見渡せないが、画像入力手段57で撮影し表示装置30に表示することによって、異常の原因を容易に追究することができる。
ところで、画像入力手段57により撮影した画像の表示に関しては、前述した異常の発生箇所の指標に伴う時に限ることなく、他の所定条件の成立に伴い表示装置30に随時表示するように設定してもかまわない。具体的には例えば、前記底板部25を透過状態に切り換えるタイミングと同様に、前記計数手段56による遊技球の検出時または計数開始時や、あるいは前記底板部25が透過状態であっても投入口24に大量の遊技球が投入されて遊技球によって埋め尽くされ各整列レーン53が視認できない時等に、遊技店の管理者あるいは遊技者による前記タッチパネル33の操作に基づいて、画像入力手段57による撮影を開始すると共に、撮影した画像を表示装置30の画面32の適所に、他の表示の妨げとならない範囲で表示すると良い。
計数手段56による遊技球の検出時または計数開始時に合わせる場合、詳しく言えば、計数手段56からの検知信号が、センサ基板300を経て主制御基板100に入力されると、主制御基板100からの制御信号に基づき、画像入力手段57が作動して、計数部22の内部の様子が撮影される。画像入力手段57により撮影された画像は、表示制御基板200によって処理された後、表示装置30に同時に表示される。ここで例えば、センサ基板300により集計された遊技球の計数結果と合わせて、各整列レーン53を流下して計数手段56に至る遊技球の画像を表示すれば、遊技者としては、視認した遊技球が実際には計数されていないという不安や不信感を解消することができる。
その他、表示制御基板200に、画像入力手段57から入力した画像を元に真正な遊技球であるか否かを識別する機能を付加しても良い。例えば、簡易的な遊技球の検出方法として、背景画像(遊技球が流れていない画像)のデータを基準にして、遊技球が流れて来た時の入力画像と、背景画像との差分により移動物体(遊技球)を検出することができる。また、移動物体の領域を例外値として、残りの部分で相関係数を求める(ロバスト相関)方法が知られている。
また、遊技球としての検出方法として、エッジ検出と形状照合(パターン照合)の組み合わせで、遊技球として認識する方法も知られている。ここでエッジ検出は、画像の明るさが鋭敏に(より形式的に言えば不連続に)変化している箇所を特定して、遊技球の輪郭(エッジ)として画像化する。その画像の形状が遊技球と同一であるか否かを判定し同一であれば、遊技球として判断するものである。
さらに、前記表示制御基板200により真正な遊技球と判断された場合には、計数手段56による遊技球の検出を有効とする。一方、前記表示制御基板200により真正な遊技球と判断されなかった場合には、計数手段56による遊技球の検出を無効とすると良い。これにより、異物の挿入により計数手段56を作動させるような不正行為を防止することができる。
計数手段56による遊技球の検出を無効とした場合には、異常が発生したと判断してその旨を報知すると良い。これにより、不正行為をより早期に発見して未然に防止することができる。なお、具体的な報知の手段としては、表示装置30に警告を表示しても良いが、遊技店内にて従業員に対して個別に通信連絡を行う音声出力装置、いわゆるインカムを用いることにより、他の遊技者に対して不快感を与えることなく、不正行為者を隠密に発見して迅速に対処することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば前述した実施の形態では、遊技設備機を、遊技媒体である遊技球を計数する遊技媒体計数機として説明したが、遊技媒体であるメダルを計数するメダル用の計数機にも適用することができる。もちろん、遊技媒体の計数機に限られることなく、遊技店内に設置される両替機等の他の遊技設備機にも適用することもできる。
また、前記実施の形態では、カバー部23のうち正面側だけに表示装置30を設けたが、カバー部23の側面側にも表示装置30を設けるようにして、横からも内部構造を視認できるように構成しても良い。また、計数部22の内部に画像入力手段57を1つだけ設けたが、複数の画像入力手段57を別々の角度から内部の様子を撮影できるように設けても良い。
また、遊技店の管理者が操作可能な操作手段としてのタッチパネル33により遊技媒体計数機20に行わせる「特定の動作」としては、前記カバー部23を非透過状態から透過状態に切り換える動作や、前記底板部25を非透過状態から透過状態に切り換える動作の他、前述した表示制御手段により、目視点検モード、エラー発生モード、内部機能点検モードに関連した各種表示を表示装置30に表示させる動作、照明装置36や照明装置58を点灯ないし消灯させる動作、画像入力手段57に撮影させる動作等、他にも様々な動作が含まれている。
また、同様に遊技者が操作可能な操作手段としてのタッチパネル33により遊技媒体計数機20に行わせる「特定の動作」としては、前記底板部25を非透過状態から透過状態に切り換える動作の他、照明装置58を点灯ないし消灯させる動作、所定条件下で画像入力手段57に撮影させる動作、表示装置30に遊技者に必要な情報(計数情報等)を表示させる動作等、他にも様々な動作が含まれている。
さらに、前記実施の形態では、本体部21のカバー部23や計数部22の底板部25に関しては、かかる部位に表示装置30を設けて、この表示装置30に画像を表示することで透過状態ないし非透過状態に切り換えるように構成したが、例えば機械的な機構によって透過状態ないし非透過状態に切り換えるように構成しても良い。
具体的には例えば、透明材質により形成した部位の内側に、ブラインド状の複数の短冊状のシャッター、あるいは移動可能な一枚物のシャッターを設けて、これらのシャッターをソレノイドやモーター等の駆動源を使用して駆動制御することによりシャッターを開閉して、かかるシャッターが開いた時に透過状態となり、閉じた時に非透過状態となるように構成することが考えられる。