JP5910895B2 - 交流電位治療器 - Google Patents

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Description

本発明は交流電位治療器に係り、特に本発明は、絶縁被覆した導電マットの使用場所や
使用形態の変動に伴い、生体印加交流電圧が変化しても、この交流の正電圧と負電圧の波
高値比率(以下、本件出願では、正負波高値比率という)をほぼ一定に確保できる交流電
位治療器に関する。
従来の交流電位治療器としては、例えば本件出願人が先に提案した特許第260957
4号公報(特許文献1)のように、交流昇圧トランスの高圧2次コイルの両端に設けた正
電圧ブリーダ回路(正電圧分圧回路)により、生体印加交流の正電圧と負電圧との波高値
比率を約1対3に設定し、健康な人体内における正負イオンの理想的な存在比率に等しい
割合で生体に交流電位を印加することで、電位治療効果に有効性と即効性を持たせ、かつ
生体拒否反応の発生を防止した交流電位治療器が周知である。
この特許文献1は、その段落0009と公報図面、(本願添付の図3)のように、商用
電源ACに1次コイルL1を接続した昇圧トランスTの高圧2次コイルL2の高圧端P1
と接地端P2との間に、高圧端に向けたダイオードD1と抵抗R1との並列回路に、抵抗
R2と接地端に向けたダイオードD2との直列回路を直列に接続し、これら各回路の相互
接続部b1から正電圧と負電圧との波高値比率がほぼ1対3の高圧交流を得ると共に、こ
の高圧交流を10MΩ(メグオーム)程度の保護用抵抗R0を経た保護出力端b2から前
記導電マットmに生体印加交流として給電する交流電位治療器である。
ただし、この文献1では、上記段落と公報図面および、本願添付の図3のように、トラ
ンス1次コイルL1の大地電位ラインEと、2次コイルL2の接地端P1との間に1MΩ
程度の保護用抵抗Rを接続することで、上記接地端P2を大地電位保持している。
また、この文献1の段落0010には、「家屋の床などに対して絶縁シートにより大地
と絶縁して敷設した導電マットm上に患者の腰などの患部をあてがうと、正電圧と負電圧
との波高値比率がほぼ1対3の交流高電位を患部に印加できる。」との記載が有るが、こ
のような交流電位治療器は、この特許文献1に限らず、例えば特開昭58−146361
号公報(特許文献2)や、特許第4217814号公報(特許文献3)などの従来例は、
高圧交流を10MΩ程度の保護用抵抗を経て絶縁被覆の導電マットmに生体印加交流とし
て給電していた。
上記のような従来の導電マット給電手段では、保護出力端b2の対接地インピーダンス
(抵抗)が、図3における12MΩ程度の抵抗R2の抵抗値に、前記10MΩ程度の保護
用抵抗R0の抵抗値を加えた22MΩ程度とかなり大きな抵抗値になり、これら各抵抗の
値が大きくなればなる程、導電マットの使用場所や使用形態の変動に伴い、生体印加交流
電圧が変化すれば、この交流の正負波高値比率が大きく変動するという本質的な大きい問
題点を生じる。
ところが、上記特許文献1〜3の交流電位治療器を初めとして、現用周知の交流電位治
療器は、導電マットの使用場所や使用形態の変動に伴い、生体印加交流電圧が変化しても
、この交流の正負波高値比率をほぼ一定に確保しようとする着眼点と、製品開発意図が最
初から無かったらしく、現在でも依然として分圧抵抗とは別の保護用抵抗を経た高圧交流
電圧を、導電マットmと生体患部との間に存在する絶縁被覆の誘電率に応じ、使用形態の
変動に対応したキャパシタンス(静電容量)を介し生体に印加している。
上記キャパシタンスは、導電マットmの配置場所とか、生体患部に対する導電マット絶
縁被覆の密接のさせ方、仕方等の導電マットの使用形態の変動に対して大きく変動し、例
えば、木造家屋2階の絶縁性ベッド上に載置した30×40cm程度の方形導電マットの
絶縁被覆上に片方の手首を載せた程度の場合は、通常の使用状態で導電マットと片方の手
首を経た大地間の対接地キャパシタンスは、浮游容量を含めて、およそ45pF(ピコフ
ァラッド)程度で、導電マットの70Hzにおける対接地インピーダンスは、約50MΩ
程度である。
この反面、上記の場合と同様な使用条件の導電マットmに片足のふくら脛(はぎ)部分
を載せた程度の場合は、前記キャパシタンスは浮游容量を含めて、およそ220pF程度
で、70Hzにおけるインピーダンスは、約10MΩ程度であり、また、木造家屋1階に
敷設した布団上の方形導電マットの全面に患者の腰部や背中を密着した場合には、絶縁被
覆の導電マットと生体や大地との間のキャパシタンスは、浮游容量を含めて、およそ11
00pF程度となり、70Hzにおけるインピーダンスは、約2MΩ程度となる。
具体的には、前記特許文献1の回路、つまり、本願添付の図3に示す回路における2次
コイルL2の出力電圧を波高値で14KV(キロボルト)とし、ダイオードD1と並列の
抵抗R1を18MΩ・他の抵抗R2を12MΩに設定し、10MΩの保護用抵抗R0を経
た保護出力端b2から、導電マットmを外した無負荷状態の上記保護出力端b2と、大地
電位ラインEとの間の生体印加交流電圧eを、対接地インピーダンスが約100MΩ程度
の高圧プローブを用いたオシロスコープにより測定した結果、上記保護出力端b2の負電
圧は、12.613KV・正電圧は、5.259KVで、正負波高値比率(電圧比)は、
1:2.398で、保護出力端b2と大地電位ラインEとの間に100MΩを接続した計
算結果に等しい測定結果であった。
次いで、保護出力端b2に30×40cm程度の方形導電マットmを図3のように接続
し、生体印加交流を10MΩ程度の保護用抵抗R0と導電マットmの絶縁被覆とを経て生
体患部に印加する状態で、保護出力端b2と大地電位ラインEとの間における生体印加交
流電圧eを上記図3に基づき、計算した(ただし、小数点4桁以下は、四捨五入)。
その結果、片方の手首を載せた程度の導電マットmの対接地インピーダンスは、前記の
ように約50MΩだから、保護出力端b2の正電圧は、14×10.027/28.02
7×50/61=4.106KVとなり、負電圧は、14×50/61=11.475K
Vで、正負波高値比率は、4.106:11.475=1:2.795になると共に、片
足のふくら脛(はぎ)部分を載せた程度の場合には、保護出力端b2の正電圧は、14×
7.636/25.636×10/21=1.986KVとなり、負電圧は、14×10
/21=6.667KVで、正負波高値比率は、1.986:6.667=1:3.35
7になった。
一方、生体を全面に密着させた導電マットmの対接地インピーダンスは、前記のように
約2MΩだから、保護出力端b2の正電圧は、14×6.24/24.24×2/13=
0.554KVとなり、負電圧は、14×2/13=2.154KVで、正負波高値比率
は、0.554:2.154=1:3.889となる。
したがって、特許文献1の交流電位治療器は、導電マットの配置場所や、使用形態の変
動に伴う生体印加交流の正負波高値比率の変動差が、片方の手首を載せた程度の導電マッ
トmと、全面に背中等を密着した導電マットmとでは、3.889−2.795=1.0
94となり、各波高値比率の平均値=3.342に対し、32.73%も波高値比率が変
動する不安定要素が有るため、特許文献1の回路は、生体患部の状態や大きさによっては
、交流電位治療器として使えない場合も有るという根源的で切実な問題点が有る。
上記問題点の原因としては、全面に患部を密接した導電マットの生体印加交流の正負波
高値比率は、図3における保護出力端b2で、2.154−0.554=1.60KVで
あるが、保護用抵抗R0を経た相互接続部b1における上記正電圧と負電圧は、保護用抵
抗R0の電圧降下により、ほぼ半減した0.8KVとなるから、抵抗R2に流れる正の分
流電流による電圧降下もほぼ半減して僅かとなってしまい、導電マットの正電圧低下分を
、さほど抑制できないためと推測できる。
すなわち、導電マットmの配置場所や使用形態の変動により、図3に示す前記従来例回
路における保護出力端b2の生体印加交流の正電圧が低下すると、その低下分に応じ、抵
抗R1と保護用抵抗R0の電圧降下は増加するが、相互接続部b1の電圧は、保護用抵抗
R0の電圧降下により、前記のようにさほど増加しないし、保護出力端b2の交流正電圧
が上昇すると、今度は、その上昇分に応じて抵抗R1と保護用抵抗R0の電圧降下は減少
するが、相互接続部b1の電圧は、さほど減少しないためが原因として推測できる。
上記のような根源的で大きな問題点が有る前記各特許文献1〜3のほかに、特開200
6−239032号公報(特許文献4)のように、交流昇圧トランスの高圧2次コイルに
中間タップを設け、このタップ電圧を用いて生体印加交流の正負波高値比率を所定比率に
できると称する交流電位治療器も周知である。
この従来例は、交流昇圧トランスにおける高圧2次コイルの中間タップと他の電気部品
間または/および中間タップと高圧2次コイルの線間等に生じる高圧リークとか、レヤー
ショートの発生を防ぐため、高圧電気に対する安全確保の観点から、上記中間タップを境
として2次コイルを低圧側と高圧側とに分け、ボビンとしては1次コイルボビンの他に上
記低圧側と高圧側に1個ずつ、計3個のボビンが必要となるので、昇圧トランスが大型で
大重量となり、コスト高にもなるという本質的な大きい問題点が有る。
このような大きい問題点が有る高圧2次コイルの上記中間タップを用いずに、前記従来
例における保護用抵抗を、分圧抵抗としても兼用可能にした本発明による新規な保護兼用
分圧回路を用いれば、導電マットの対接地インピーダンス(抵抗)は低減でき、前記特許
文献1〜3における不安定要素は払拭できる筈であるが、このような手段により、前記生
体印加交流電圧の変化に伴う正負波高値比率の変動を無くした交流電位治療器は、未だ現
世には存在していない。
特許第2609574号公報 特開昭58−146361号公報 特許第4217814号公報 特開2006−239032号公報
本発明の目的は、前記導電マットの使用場所や使用形態の変動に伴い、生体印加交流電
圧が大きく変化しても、この交流の正負波高値比率を所定比率、例えば1対3に確保する
ことに有る。
前記した本発明の目的を達成するために、先ず、この発明では絶縁被覆の導電マットか
ら生体に交流高電圧を印加して治療を実行する交流電位治療器を構成するに当たり、低周
波交流電源に1次コイルを接続した交流昇圧トランスにおける2次コイルの高圧端に、こ
の高圧端に向けたダイオードと抵抗との直列回路に対し、抵抗を並列接続した保護兼用分
圧回路の1端を接続する。
次いで、上記分圧回路の他端と大地電位の2次コイル接地端との間に、接地端に向けた
ダイオードに抵抗を直列接続した正電圧分圧回路を接続し、前記各分圧回路間の分圧出力
端から得た、正負波高値比率が所定比率の高圧交流を前記導電マットに生体印加交流とし
て給電することで、導電マットの使用場所や使用形態の変動に伴い、上記交流電圧が大き
く変化しても、この交流の正負波高値比率を所定比率、例えば1対3に確保できた。
ただし、前記各ダイオードに直列の抵抗の値を同一に設定し、この抵抗値のほぼ2倍値
に保護兼用分圧回路内の他の抵抗の値を設定すれば、前記分圧出力端から、正負波高値比
率が1対3の高圧交流を得ることができ、この交流を前記導電マットに生体印加交流とし
て給電することで、導電マットの使用形態の変動に伴う生体印加交流電圧の変化に対し、
この交流の正負波高値比率をほぼ1対3に確保できる。
本発明によれば、前記保護兼用分圧回路内に設けた二つの保護兼用分圧抵抗により、前
記特許文献1〜3における導電マットだけに直列接続した保護用抵抗が不要になったので
、その抵抗値分だけ導電マットの対接地インピーダンスを低減でき、導電マットの使用場
所や使用形態の変動に伴い、生体印加交流電圧が大きく変化しても、この交流の正負波高
値比率を所定比率、例えば1対3に確保できたという優れた効果が有る。
本発明が上記効果を奏し得た理由としては、導電マットの配置場所や使用形態の変動に
より、分圧出力端における生体印加交流の正電圧が低下すれば、この低下分に応じて保護
兼用分圧回路の電圧降下は増加するが、正電圧分圧回路の電圧降下は減少するため、上記
電圧低下分を抑制できるものと推測でき、上記生体印加交流の正電圧が上昇すれば、これ
に応じて保護兼用分圧回路の電圧降下は減少するが、今度は、正電圧分圧回路の電圧降下
が増加するため、上記電圧上昇分を抑制できるものと推測できる。
要するに本発明によれば、導電マットの使用場所や使用形態の変動に伴い、生体印加交
流電圧が大きく変化しても、この交流電圧の変動分を相殺するように・各分圧回路内の抵
抗の電圧降下がそれぞれ自動的に増減するので、導電マットからの生体印加交流電圧が大
きく変化しても、この交流の正負波高値比率をほぼ不変となし得た結果、前記各従来例に
おける不安定要素を確実に払拭できたので、本発明の交流電位治療器は、常に所定の正負
波高値比率で交流電位治療を実行できるという優れた効果が有る。
なお、前記段落0024の記載のように、前記各ダイオードに直列の抵抗の値を同一に
設定し、この抵抗値のほぼ2倍値に前記他の抵抗の値を設定すれば、前記分圧出力端から
、正負波高値比率が1対3の高圧交流を得ることができ、導電マットの使用形態の変動に
伴う生体印加交流電圧が変化しても、この交流の正負波高値比率をほぼ1対3に確保でき
るので、健康な人体内における正負イオンの理想的な存在比率に等しい割合で生体に交流
電位を印加でき、電位治療効果に有効性と即効性を持たせ、かつ生体拒否反応の発生を防
止できるという効果を付加できた。
本発明の交流電位治療器の実施形態を示す回路図 本発明の他の実施例を示す回路図 従来の交流電位治療器の要部実施例を示す回路図
次に、本発明を実施形態例を図面と共に説明すると、絶縁被覆の導電マットを経て生体
患部に交流高電圧を印加して治療を実行する交流電位治療器を構成するに当たり、本発明
では、周波数が50〜150Hz程度・電圧が波高値で14KV程度の正弦波交流高電圧
を得る際に、商用交流電源自体または、現用周知の発振方式とか、パルス幅変調方式によ
るインバータ電源等の固定または可変周波数の現用一般的な低周波交流電源回路Aの交流
出力を図1における現用周知の昇圧トランスTの1次コイルL1に供給する。
ただし、図1における上記トランスTの高圧2次コイルL2における大地電位の接地端
P2と、商用交流入力ラインとの間に1MΩ・3W程度の保護接地用抵抗Rを図1のよう
に接続することで、上記接地端P2を商用交流電源の柱上トランス等に設けた現用一般的
なアース線で大地電位にしたり、接地端P2をユーザーがアース棒等で大地に直接または
保護接地用抵抗を経て接続することで、上記接地端P2の電位を大地電位に保持する。
次いで、図1のように前記トランスTにおける2次コイルL2の高圧端P1には、この
高圧端に向けたダイオードD1、つまり高圧端方向に導通するダイオードD1と、10M
Ω・3W程度の抵抗R1との直列回路に対し、20MΩ・3W程度の抵抗R2を並列接続
した保護兼用分圧回路B1の1端を接続すると共に、この分圧回路B1の他端と前記接地
端P2との間には、この接地端に向けたダイオードD1、つまり接地端方向に導通するダ
イオードD2に10MΩ・3W程度の抵抗R3を直列接続した正電圧分圧回路B2を図1
のように接続する。
そして、前記抵抗R1と抵抗R3との抵抗値をほぼ同値(例えば10MΩ)に設定し、
その2倍値(例えば20MΩ)に抵抗R2の抵抗値を設定することで、各分圧回路B1・
B2間の分圧出力端bから、正負波高値比率がほぼ1対3の高圧交流を得ることができ、
この高圧交流を高圧給電ケーブル等により、前記導電マットmに生体印加交流として給電
することで、導電マットmの配置場所や、使用形態の変動に伴う生体印加交流電圧が変化
しても、この交流の正負波高値比率をほぼ1対3に確保可能に構成できた。
ただし、図1におけるダイオードD1と抵抗R1、および/または、ダイオードD2と
抵抗R3の接続位置は、それぞれ同一分圧回路内で図2のように互いに置換してもよく、
また、トランス2次コイルL2の高圧端P1の電圧が前記のように波高値で14KV程度
の場合、保護兼用分圧回路B1内の抵抗R1・R2の合成抵抗値は、高圧電気に対する安
全確保の観点から、例えば5MΩ程度以上に設定することが望ましい。
本発明による交流電位治療器は、以上のような構成となしたので、これを使用するには
、木造家屋や、高層ビルの床上に大地と絶縁して配置した絶縁性のベッドに敷いた30×
40cm程度の方形導電マットmの絶縁被覆上に患者の腰などの患部をあてがうと、正負
波高値比率が所定比率、例えば1対3の交流高電位を上記患部に導電マットmの絶縁被覆
を経て印加できる。
本発明による交流電位治療器を使用する前に、図1および図2に示す本発明の実施形態
におけるトランス2次コイルL2の交流電圧と、各抵抗R1〜R3の抵抗値をそれぞれ前
記段落0032のように設定し、分圧出力端bと大地電位ラインEとの間の生体印加交流
電圧eを前記従来例の測定方法と同様に測定した。
具体的には、前記2次コイルL2の交流電圧を波高値で14KVとし、抵抗R1と抵抗
R3の各抵抗値をそれぞれ10MΩ、抵抗R2の抵抗値を20MΩにそれぞれ設定した後
、分圧出力端bから導電マットmを外した無負荷状態の分圧出力端bと、大地電位ライン
Eとの間の生体印加交流電圧eを対接地抵抗が100MΩの前記オシロスコープにより測
定した結果、上記分圧出力端bの負電圧は、13.003KV・正電圧は、4.335K
Vで、正負波高値比率は、1:3.000であり、保護出力端b2と大地電位ラインEと
の間に100MΩを接続した計算結果と等しい測定結果であった。
次いで、分圧出力端bに30×40cm程度の方形導電マットmを図1・図2のように
接続し、生体印加交流を導電マットmの絶縁被覆を経て生体患部に印加する状態の分圧出
力端bと大地電位ラインEとの間の生体印加交流電圧eを前記と同様に計算した。
その結果として、片手首を載せた程度の導電マットmの対接地インピーダンスは、前記
のように約50MΩだから、分圧出力端bの正電圧は、14×8.361/28.361
×50/51=4.046KVとなり、負電圧は、14×50/57.67=12.13
8KVで、正負波高値比率は、4.046:12.138=1:3.000であり、片足
のふくら脛(はぎ)部分を載せた程度の場合には、保護出力端b2の正電圧は、14×5
.238/25.238×10/11=2.641KVとなり、負電圧は、14×10/
17.67=7.923KVで、正負波高値比率は、2.641:7.923=1:3.
000になった。
一方、全面に生体患部を密着させた導電マットmの対接地インピーダンスは、前記のよ
うに約2MΩだから、分圧出力端bの正電圧は、14×2.307/22.307×2/
3=0.965KVとなり、負電圧は、14×2/9.667=2.895KVで、正負
波高値比率は、0.965:2.895=1:3.000になった。
以上のように、本発明によれば、導電マットmの配置場所や、使用形態が大きく変動し
ても、生体印加交流の正負波高値比率は変化せず、終始一貫して例えば1対3.000に
確保でき、特許文献1における波高値比率の変動率、32.73%に対し、本発明では、
正負波高値比率を所定比率に確保できた結果、前記各従来例における不安定要素を確実に
払拭でき、常に所定の正負波高値比率で交流電位治療を実行できる。
本発明が上記作用を奏し得た理由は、導電マットmの配置場所や、使用形態の変動に伴
う導電マットmと生体患部との間における前記キャパシタンス増加により、導電マットm
の生体印加交流電圧が低下すれば、この低下分に応じて保護兼用分圧回路B1の電圧降下
は増加するが、この増加分に対応して正電圧分圧回路B2の電圧降下が減少するため、上
記電圧低下分を抑制できるものと推測できる。
一方、導電マットmと生体患部との間における前記キャパシタンス減少により、上記生
体印加交流電圧が上昇すれば、この上昇分に応じて保護兼用分圧回路B1の電圧降下は減
少するが、この減少分に応じて今度は、正電圧分圧回路B2の電圧降下が増加するため、
この増加分に対応して上記電圧上昇分を抑制できるものと推測できる。
要するに本発明によれば、導電マットmの配置場所や、使用形態の変動に伴う導電マッ
トmの生体印加交流電圧が変動しても、この電圧変動を相殺するように各分圧回路B1・
B2の電圧降下がそれぞれ自動的に増減するので、導電マットmの配置場所や、使用形態
の変動に伴う生体印加交流の正負波高値比率の変動を無くせた結果、前記各従来例におけ
る不安定要素を払拭できた。
A…低周波交流電源回路 P1…2次コイル高圧端
B1…保護兼用分圧回路 P2…2次コイル接地端
B2…正電圧分圧回路 R1〜R3…抵抗
b…分圧出力端 R…保護接地用抵抗
T…昇圧トランス E…大地電位ライン
L1…トランス1次コイル m…絶縁被覆の導電マット
L2…高圧2次コイル

Claims (1)

  1. 絶縁被覆の導電マットmから生体に交流高電圧を印加して治療を実行する電位治療器において、交流昇圧トランスTにおける2次コイルL2の高圧端P1に、この高圧端に向けたダイオードD1と抵抗R1との直列回路に対し、抵抗R2を並列接続した保護兼用分圧回路B1の1端を接続すると共に、この分圧回路B1の他端と大地電位の2次コイル接地端P2との間には、接地端に向けたダイオードD2に抵抗R3を直列接続した正電圧分圧回路B2を接続し、前記各ダイオードD1・D2にそれぞれ直列の各抵抗R1・R3の抵抗値は同等に設定し、その抵抗値のほぼ2倍値に保護兼用分圧回路B1内の他の抵抗R2の抵抗値を設定することで、前記各分圧回路B1・B2間の分圧出力端bから得た正負波高値比率が1対3の高圧交流を前記導電マットmに生体印加交流として給電することで、導電マットmの使用形態の変動に伴う生体印加交流電圧の変化に対し、この交流の正負波高値比率を前記1対3に確保したことを特徴とする交流電位治療器。
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