JP5909812B2 - 生物的に生成される環状アフィニティータグ - Google Patents

生物的に生成される環状アフィニティータグ Download PDF

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Description

本発明は、組換えタンパク質を発現させ、精製し、かつ固定化する分野に関する。特に、本発明は、アフィニティータグを対象のタンパク質へと導入する新規の方法に関する。
バイオテクノロジーのあらゆる分野で、多種多様なアフィニティータグが開発され、用いられている。生命科学のあらゆる分野で広範にわたりアフィニティータグが成功を収めていることから、新規の簡便な標識戦略を開発することへの関心が惹き起こされている。アフィニティータグは、組換えタンパク質を捕捉するのに十分に確立されたツールであり、例えば、固定化手順および/または精製手順において十分に確立されたツールである。より近年では、これらのタグが、数々のイメージング適用ならびに薬物送達における多重タンパク質検出を対象とする、選択的な生物学的標的化に用いられている。最も一般的に用いられるアフィニティータグは、短いポリペプチド配列から全タンパク質の範囲にわたり、このことは、溶解度に有利な効果を及ぼしうる。例えば、固定化金属キレートに結合しうるポリヒスチジンタグなどの低分子ペプチドエピトープのほか、固定化抗体に結合しうるmycタグおよびFLAGタグが、組換えタンパク質を単離および固定化するのに一般的に用いられている。
広範にわたり用いられている別の低分子ペプチドエピトープが、ストレプトアビジン特異性Strepタグである[Schmidtら、Protein Eng. 6 (1993)、109〜122頁; US2006/0106199およびUS6,841,359]。ストレプトアビジン結合ペプチド配列は、それらのすべてではないが大半がHis-Pro-Gln (HPQ)モチーフを含有するペプチドライブラリーをスクリーニングすることにより発見されている。ストレプトアビジン融合ペプチドの開発は、独自の各種生化学的適用において役立ち、アビジンの細菌性非グリコシル化類縁体であるストレプトアビジンを、多くの(ストレプト)アビジン-ビオチン法の適用において好ましいタンパク質としている[Keefeら、Protein Expr. Purif. 23 (2001)、440〜446頁; Lamlaら、Protein Expr. Purif. 33 (2003)、39〜47頁]。Strepタグなどの低分子ペプチドは、精製または他のコンジュゲーション適用で用いられる高分子タンパク質との融合体として、容易に発現させることができる。標識されたストレプトアビジンのほか、固体支持体上に固定化されたストレプトアビジンの結合可能性は、これらのペプチドを極めて有用なものとしている。ストレプトアビジンをモデルの受容体系として用いたところ、ジスルフィド結合で拘束した環状ペプチドのStrepモチーフは、対応する直鎖状配列より最大で3桁大きなアフィニティーでストレプトアビジンに結合することが判明した(Giebelら、Biochemistry 1995、34、15430〜15435頁)。Katzら(J. Am. Chem. Soc. 1995、117、8541〜8547頁)は、モチーフCHPQGPPCを含み、ジスルフィド架橋をチオエーテル架橋結合で置換した環状ストレプトアビジン結合ペプチドをデザインし、化学合成した。チオエーテルで架橋結合されたペプチドは、それらのジスルフィド架橋対応物と比較して、安定性の増強を示すことが報告された。
US2006/0106199 US6,841,359 US2005/164339 US6,841,359 US2008/0032340 US2009042246 WO2008/018792
Schmidtら、Protein Eng. 6 (1993)、109〜122頁 Keefeら、Protein Expr. Purif. 23 (2001)、440〜446頁 Lamiaら、Protein Expr. Purif. 33 (2003)、39〜47頁 Giebelら、Biochemistry 1995、34、15430〜15435頁 Katzら、J. Am. Chem. Soc. 1995、117、8541〜8547頁 Rinkら、2007、Biochemistry、46巻、45号、13179〜13189頁 Kluskensら(2009)、J. of Pharm. and Exp. Therapeutics、328巻、3号、849〜854頁 Sahlら、Annual Reviews in Microbiology、52、41〜79頁 Rink, R.ら、2005、Biochemistry 44:8873〜8882頁
したがって、環化Strepモチーフなどの環状アフィニティータグは、タンパク質タグとして用いるのに、それらの直鎖状対応物を上回る有利な特性を有する。しかし、組換えタンパク質発現により簡単に得ることができる直鎖状タンパク質を含む融合タンパク質とは対照的に、環状アフィニティータグを含むタンパク質の供給は、化学修飾を要することが典型的であり、これは、要する時間、労力、および費用の点でまったく望ましくない。自発的に形成されるジスルフィド架橋は通常、特異性を欠く一方、架橋自体も安定性を欠く。
したがって、本発明者らは、環化アフィニティータグを伴う対象のタンパク質を供給する代替的な方法を提供することに着手した。酵素が作用すると、例えば、タグ配列を含む対象のタンパク質をコードする構築物を発現する宿主細胞内に存在する酵素を介し、共に共有結合を形成することが可能なアミノ酸でタグ配列の両側を挟むと、直鎖状のタグ配列を、生物学的に、すなわち、非化学的に環化させうることが判明した。
したがって、本発明は、対象のタンパク質と環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質を供給する方法であって、
a)前記対象のタンパク質と、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフとを含み;X1およびX2はアミノ酸を表わし、それらの側鎖が、残基X1と残基X2との間にチオエーテル架橋を形成することが可能なランチビオティック酵素により連結されえ;タグは、環化すると(タンパク質性)結合パートナーに結合することが可能なアミノ酸配列である、少なくとも1つの前駆体タンパク質性物質を供給するステップと; b)前記前駆体を、X1とX2との間に共有結合を形成することが可能な少なくとも1つの酵素と接触させ、これにより、タグ配列を含む分子内環構造を導入するステップと; c)結果として得られる環化タンパク質性物質を単離するステップと
を含む方法に関する。
したがって、本発明は、酵素介在型環化を伴う方法に関する。本明細書で用いられる「酵素介在型環化」という表現は、環形成に必要とされる少なくとも1つのステップが、酵素的に、すなわち、非化学的に実施されることを示す。酵素的ステップは、in vivoで(非ヒト宿主細胞または非動物宿主細胞により)実施することもでき、in vitroで実施することもできる。酵素介在型ステップは、酵素によるアミノ酸残基の修飾(例えば、脱水化)、および/または酵素による環閉鎖を包含しうる。酵素による環化は、高度に反応性のデヒドロアラニンを酵素により形成することだけからなる場合もあるが、また、シクラーゼ作用(Rink, R.、2007、Biochemistry 46:13179〜13189頁)からなる場合もある。
特に、本発明は、対象のポリペプチドと環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質を供給する酵素的方法であって、
a)前記対象のタンパク質と、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフとを含み、
X1およびX2はアミノ酸を表わし、それらの側鎖が、残基X1と残基X2との間にチオエーテル架橋を形成することが可能なランチビオティック酵素により連結されえ;
タグは、環化するとアフィニティータグとして用いられるアミノ酸配列であり、前記アフィニティータグは、その特異的結合パートナーにタンパク質性物質を捕捉させ;
前記モチーフのN末端側に、ランチビオティックスのリーダー配列が先行する、
少なくとも1つの前駆体タンパク質性物質を供給するステップと;
b)前記前駆体を、少なくとも1つのランチビオティック酵素と接触させて、X1とX2との間にチオエーテル架橋を形成させ、これにより、タグ配列を含む分子内環構造を導入するステップと;
c)結果として得られる環化タンパク質性物質を単離するステップと
を含む酵素的方法を提供する。
一実施形態では、ステップa)およびb)を、X1とX2との間に共有結合を形成することが可能な前記少なくとも1つの酵素を含む宿主細胞内で実施し、前記宿主細胞に、前記前駆体タンパク質性物質をコードする核酸配列が供給されている。また、組換え発現により前駆体タンパク質性物質を供給し、該物質を、in vitroで適切な酵素と接触させることにより、環閉鎖を実施することも可能である。ステップc)は、抗体または他のタンパク質性物質など、環化タグ配列の結合パートナーの固定化を用いるステップを含むと有利である。例えば、アフィニティークロマトグラフィーを用いることが適切である。
対象のポリペプチドは、ホルモン、抗微生物性ペプチド、受容体アゴニスト、受容体アンタゴニストなど、生物学的に活性なポリペプチド、または生物学的作用を伴わない受容体結合ペプチドを含めた、任意のタンパク質性分子でありうる。(生物学的に)活性な、対象の非ランチビオティックポリペプチド内に、ランチビオティック酵素介在型チオエーテル架橋を導入することは、当技術分野において知られている。例えば、Kluskensら、J. Pharm. and Exp. Therapeutics、2009、328巻、3号; Rinkら、2007、Biochemistry、46巻、45号、13179〜13189頁; US2005/164339を参照されたい。しかし、ポリペプチドを特異的に捕捉させるチオエーテル環化アフィニティータグを含むポリペプチドは、現在までのところ、開示または示唆されていない。
本発明によれば、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのタグ配列(モチーフ)を、タンパク質性物質内に、対象のポリペプチドと関連付けて配置する方法は様々でありうる。一実施形態では、モチーフを、対象のポリペプチドのアミノ酸配列内に挿入する(「内部」タグ)。しかし、外来配列を挿入すると、タンパク質の機能に有害でありうる。したがって、モチーフを、対象のポリペプチドへと、例えば、N末端融合またはC末端融合を介して付加する(「外部」タグまたは「外在性」タグ)ことが好ましい場合がある。その場合には、ステップc)の後、対象のポリペプチドを放出させる適切な切断酵素の作用を介してモチーフを除去しうるように、タンパク質性物質が、前記対象のポリペプチドと、少なくとも1つのモチーフとの間に切断部位を含みうる。例示的な切断部位には、因子X切断部位またはGlu-C切断部位が含まれる。
好ましい実施形態では、タンパク質性物質が対象のポリペプチドであり、その一部が前記少なくとも1つのモチーフにより置換されて、前記少なくとも1つのモチーフが前記対象のポリペプチドの構成部分となっている(「内在性」タグ)。以下で説明される通り、内在性タグは、アフィニティータグをコードする(少なくとも環化した際に)アミノ酸配列で、天然の分子内環構造の一部であるアミノ酸の連なりを置換することにより実現しうるが、この置換は、ポリペプチドの所望の特性を完全な状態に保つ。この手法は、アフィニティータグを、ニシンまたは他の任意の種類のランチビオティックスなど、生物的に生成されるチオエーテル架橋ペプチド内に導入するのにとりわけ適する。内在性アフィニティータグの利点は、費用をかけてそれを除去する必要がないことである。
タグとは、環化するとアフィニティータグとして用いられるアミノ酸配列である。当技術分野において、「アフィニティータグ」という用語はよく知られており、それが、典型的には、マイクロモルの範囲にある解離定数、例えば、10μM未満の解離定数で(タンパク質性)非天然結合パートナーに結合することが可能なアミノ酸配列を指すことを、当業者は理解するであろう。本明細書で用いられる「アフィニティータグ」という用語は、特異的な捕捉試薬に対するアフィニティーを有し、タンパク質のプールから分離することができ、したがって、それが結合パートナーに対して示すアフィニティーに基づき精製しうるポリペプチド配列を指す。したがって、アフィニティータグは、特異的結合パートナーに本発明のタンパク質性物質を捕捉させる。タグ配列は、2〜20アミノ酸残基からなることが好ましく、2〜15アミノ酸残基からなることがより好ましい。したがって、X1およびX2は、最大で20アミノ酸残基、好ましくは最大で15アミノ酸残基、より好ましくは2〜8アミノ酸残基、例えば、4、5、6、または7アミノ酸隔てられうる。本明細書で用いられるアフィニティータグという用語は、タグ特異的な結合パートナーに特異的に結合することが可能な任意の配列を指す。結合は、高値のKonおよび低値のKoffを特徴とすることが典型的である。タグを含むタンパク質性物質は、タグ自体より通常少なくとも1.5倍大きく、通常2〜8倍大きい。環化Strepタグで本発明を例示するが、本発明の方法は、タンパク質性物質が精製、単離、および/または固定化されるようにそれを捕捉させる、いずれの種類のアフィニティータグにも制約されない。該物質の他の部分、すなわち、修飾されるペプチドを含む「タグ以外の」部分は、タグ結合パートナーには結合せず、当然ながら、受容体または酵素など、異なる結合パートナーを有しうる。
一実施形態では、タグ配列が、配列Arg-Gly-Asp (RGD)を含むかまたはこれからなり、糖タンパク質IIb/IIIa接着分子に結合することが可能である。別の実施形態では、ストレプトアビジンに対する結合アフィニティーが少なくともマイクロモル未満のKdである、ストレプトアビジン結合配列(Strepタグ)が、タグ配列である。例えば、ストレプトアビジン結合配列は、His-Pro-Gly (HPG)、His-Pro-Lys (HPK)、His-Pro-Met (HPM)、His-Pro-Gln (HPQ)、His-Pro-Asn (HPN)、およびHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)からなる群から選択される。特定の態様では、ストレプトアビジン結合配列が、His-Pro-Gln (HPQ)またはHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)である。他の有用なタグ配列には、DVEAW、DVEAWL/I、DVEA、VEAW、DVE、VEA、EAW、VPLVET、DVXAW、EPDWF/Y、GDF/WXF、PWXWL、VPEY (Xは、任意のアミノ酸である) (US6,841,359およびUS2008/0032340を参照されたい)。これらのタグのうちのいずれも、ステップc)がストレプトアビジンベースのアフィニティークロマトグラフィーを含む方法で用いると有利である。
タグ配列を含む細胞内環構造を形成する残基である、アミノ酸残基X1およびX2の選択は、当然ながら、用いられる酵素の活性に依存する。例えば、酵素による環閉鎖にランチビオティック酵素活性を用いる場合は、それらの側鎖が(メチル)ランチオニン架橋へと転換されうる残基を、X1およびX2が表わしうる。加えて、ランチビオティック酵素にモチーフを認識させるため、モチーフを、ランチビオティックスのリーダー配列に先導させる。したがって、本発明は、対象のタンパク質と環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質を供給する酵素的方法であって、
a)前記対象のタンパク質と、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフとを含み、X1が、Dhb(デヒドロブチリン)、Dha(デヒドロアラニン)、Thr、およびSerから選択され、X2が、CysもしくはLysであるか;またはX1が、CysもしくはLysであり、X2が、Dhb、Dha、Thr、およびSerから選択され;前記モチーフのN末端側に、ランチビオティックスのリーダー配列が先行し;リーダー配列とタグ配列との距離が変化しうるが、典型的には0〜100アミノ酸、好ましくは0〜50アミノ酸、より優先的には0〜20アミノ酸である、少なくとも1つの前駆体タンパク質性物質を供給するステップと;
b)前記前駆体を、X1とX2との間に共有結合を形成することが可能な少なくとも1つのランチビオティック酵素と接触させ、これにより、タグ配列を含む分子内環構造を導入するステップと;
c)結果として得られる、ランチビオティック酵素環化チオエーテル架橋アフィニティータグを含み;チオエーテル結合が、D-アミノ酸とL-アミノ酸との間の結合であるか、またはL-アミノ酸とD-アミノ酸との間の結合である、タンパク質性物質を単離するステップと
を含む酵素的方法を提供する。
好ましい実施形態では、X1がDhaまたはDhbであり、X2がCysである。適切なランチビオティック酵素は、当技術分野においてよく知られており、天然のランチビオティックスリーダー配列または遺伝子操作されたランチビオティックスリーダー配列を包含する。例えば、ニシンリーダー配列またはラクチシン3147リーダー配列である。本発明で用いるのに好ましいリーダー配列には、切断部位から数えた-18〜-15位において保存的FNLDボックスを伴い、その内部の因子X切断部位またはGlu-C切断部位で終結するリーダー配列が含まれる。代替的に、リーダー配列は、-8〜-6位において保存的ELDボックス、ならびに-14〜-12位において保存的EEVボックスを伴い、また、そのC末端において、因子X切断部位またはGlu-C切断部位も有する。本発明で用いられる、保存的ボックスを伴う、配列決定された一部のリーダー配列は、US2009042246において説明されている。
各種の可能なランチビオティック酵素を用いて、環閉鎖を触媒することができる。部分的にはX1およびX2の性質に応じるが、前駆体タンパク質性物質を、ランチビオティック酵素であるLanM、ランチビオティックシクラーゼであるLanC (デヒドロ残基とシステインとの組合せの場合)、または(例えば、X1またはX2がSerまたはThrである場合には)ランチビオティックデヒドラターゼであるLanBとランチビオティックシクラーゼであるLanCとの組合せと接触させることができる。本発明の方法は、1または複数のランチオニン生成酵素を含む宿主細胞内で実施すると効率的である。例えば、宿主細胞は、タンパク質LanB; LanCおよびLanT; LanMおよびLanT; LanBおよびLanC;またはLanMだけを含む。適切な宿主細胞は、グラム陽性菌、例えば、乳酸連鎖球菌(Lactococcus lactis)、セレウス菌(Bacillus cereus)、表皮ブドウ球菌(Streptococcus epidermis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、または放線菌類、例えば、アクチノプラネス・ガルバジネンシス(Actinoplanes garbadinensis)である。前駆体タンパク質性物質をコードするポリ核酸により形質転換された、ランチビオティックス生成宿主は、ラクチシン3147生成宿主、またはニシン生成宿主であることが好ましい。ラクチシン3147生成宿主およびニシン生成宿主は、乳酸桿菌(Lactobacillus lactis)のNZ9000菌株であることがより好ましい。トランスポーターもまたリーダーペプチダーゼ活性を有する、ランチビオティック酵素系を伴う宿主細胞を用いる場合、自己保護系による新規のランチビオティックスの認識を含まないことが重要であろう。他の系では、リーダーペプチダーゼを宿主細胞から消失させ、これにより、リーダーペプチドをなおもそれに結合させた新規のランチビオティックスを生成させ、回収されたプレランチビオティックスからリーダーペプチドを除去するまでは、プレランチビオティックスが不活性であり、それが生成細胞に対して無害であることを確保することができる。LanMにより、ストレプトアビジン結合モチーフを含むチオエーテル環をin vitroで合成することもまた可能である。
(メチル)ランチオニン環化タグモチーフを含有するポリペプチドは、2つのプラスミドによる発現系を含有する細胞に簡便に生成させることができる。lanBTCまたはlanMTは、1つのプラスミド、例えば、pIL双方向型複製プラスミドによりコードしうるであろう。前駆体タンパク質性物質は、第2のプラスミド、例えば、pNZ4048ローリングサークル型複製プラスミドによりコードすることができる。修飾遺伝子と、環化されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドとを同じプラスミドに組み入れることも可能であるが、それほど実際的ではない。したがって、特定の態様では、宿主細胞が、前記前駆体タンパク質性物質をコードする第1のベクターと、1または複数のランチビオティック酵素、例えば、lanBTCまたはlanMTをコードする第2のベクターとを含む。したがって、本発明はまた、前駆体タンパク質性物質をコードする核酸配列、前記核酸配列を含むベクター、ならびに適切な発現ベクターの一部であることが好ましい、該核酸配列が供給されている宿主細胞にも関する。
チオエーテル環化アフィニティータグを伴う対象のタンパク質を供給する本発明の方法は、対象のタンパク質自体もまた(すなわち、環化アフィニティータグに加えて)、少なくとも1つのチオエーテル含有分子内環構造を含む場合に、とりわけ有利である。例えば、該方法は、生物的に生成されるチオエーテル架橋ペプチドを精製するのに効率的な、1ステップの、特異的手順を提供する。別の魅力的な適用は、ランチビオティックスの精製であり、この場合は、環化タグが、ランチビオティックスの内在性タグとして存在する。例えば、該方法では、ニシンに、環DEを置換する、チオエーテル架橋されたStrepタグが供給される。結果として得られるニシンの突然変異体は、Strepタグによるカラムで容易に精製される。ニシンAは世界中で適用されているので、生成方法が根本的に改善されれば、商品として大きな重要性を有する。ランチビオティックスの精製に用いられている既存のタグ(すなわち、外部タグ)に対する利点は、高収率、高純度、ならびに費用をかけてそれを除去する必要を廃する、高アフィニティーである。
さらに別の適用は、チップ上に固定化されたチオエーテルペプチドライブラリーの作製に関する。チオエーテル架橋ペプチドは、強力に増強された治療的潜在能力を有する可能性がある(Kluskensら(2009)、J. of Pharm. and Exp. Therapeutics、328巻、849〜854頁)。安定的なチオエーテル架橋ペプチドを得るには、一般に、機能的ペプチドについて選択するためのスクリーニング過程を実施する。特異的なチオエーテル架橋ペプチドは、乳酸連鎖球菌など、ランチビオティック酵素を含む宿主細胞内で生成されうる。しかし、この場合には、ペプチドが、それらのDNAに従って物理的に連結されず、このため、選択されたペプチドの配列を同定するのに困難が生じる。本発明で開示される方法によれば、ランチビオティック酵素導入チオエーテルアフィニティータグを含むチオエーテル架橋ペプチドを、生物的に生成させることができる。したがって、ペプチドを、例えば、環化タグの適切な結合パートナーを供給された複数の同一チップの規定されたスポット上に生成させ、同定し、かつ固定化することができる。これにより、ランチビオティック酵素による環化チオエーテルペプチドを伴うライブラリーを作製することが可能となり、結合またはキナーゼ介在型リン酸化など、特定の特性についてこれをスクリーニングすることができる。特定の態様では、対象のポリペプチドが、チオエーテル架橋ペプチドライブラリーのメンバー、例えば、ヘキサペプチドライブラリー、ヘプタペプチドライブラリー、またはオクタペプチドライブラリーのメンバーである。ライブラリー内のメンバーは、キナーゼ基質、または、Her2受容体結合ペプチドもしくはG3P受容体結合ペプチドなど、受容体リガンドであることを含め、多種多様な特性についてスクリーニングすることができる。
好ましい実施形態では、モチーフX1-タグ-X2をデザインして、チオエーテル環化ストレプトアビジン結合配列を生物的に生成させる。この目的で、His-Pro-Gly (HPG)、His-Pro-Lys (HPK)、His-Pro-Met (HPM)、His-Pro-Gln (HPQ)、およびHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)から選択される配列をモチーフに含有させ、この配列をX1およびX2で挟むことができる(X1は、Dhb、Dha、Thr、およびSerから選択され、X2は、CysもしくはLysであるか;またはX1は、CysもしくはLysであり、X2は、Dhb、Dha、Thr、およびSerから選択される)。モチーフは、ストレプトアビジン結合配列であるHis-Pro-Gln (HPQ)またはHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)を含むことが好ましい。本発明者らは、ランチビオティックシクラーゼが、Strep含有配列(例えば、DhbHPQFCおよびDhbHPQFGC)の環閉鎖を触媒しうることを見出した。少なくとも以下の理由: (i)これらの配列が、天然のランチビオティックスではまったく生じないこと; (ii)ニシンの環Cにおける突然変異はほとんど公表されておらず、1つのランチビオティックチオエーテル環において4つの残基を同時に置換することは報告されていないこと; (iii)ヘリックス切断残基であるProが存在すると環形成の可能性が低下すると予測されていたことのために、これは予測外であった。
モチーフX1-タグ-X2は、例えば、Dha-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Ser;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Thr;Dha-His-Pro-Gln-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-Ser;Cys-His-Pro-Gln-Thr;Ser-His-Pro-Gln-Phe-Lys;Thr-His-Pro-Gln-Phe-Lys;Lys-His-Pro-Gln-Phe-Ser;Lys-His-Pro-Gln-Phe-Thr;Dha-His-Pro-Gln-Phe-Lys;Dhb-His-Pro-Gln-Phe-Lys;Lys-His-Pro-Gln-Dha;Lys-His-Pro-Gln-Dhb;Ser-His-Pro-Gln-Lys;Thr-His-Pro-Gln-Lys;Lys-His-Pro-Gln-Ser;Lys-His-Pro-Gln-Thr;Dha-His-Pro-Gln-Lys;Dhb-His-Pro-Gln-Lys;Lys-His-Pro-Gln-Dha;およびLys-His-Pro-Gln-Dhbからなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。好ましい実施形態では、該配列は、Dha-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Ser;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Thr;Dha-His-Pro-Gln-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-SerおよびCys-His-Pro-Gln-Thrからなる群から選択される。
さらなる態様は、本発明の方法により得られる環状アフィニティータグを含むタンパク質性物質に関する。より具体的に述べると、タンパク質性物質は、ランチビオティック性酵素介在型環状アフィニティータグを含む。例えば、タンパク質性物質は、dAla- S-Ala、またはAla-S-dAla、またはdAbu-S-Ala、またはAla-S-dAbu、またはAla-N-Lys、またはLys-N-Alaで挟まれる環状タグ配列を含む。アミノ酸を「架橋」することがいずれもL立体化学を示す、化学合成によるチオエーテル架橋結合タグと対照的に、生物生成によるチオエーテル環化タグは、DL-チオエーテル結合環構造架橋またはLD-チオエーテル結合環構造架橋を含有する。したがって、一実施形態では、少なくとも1つの環状タグ配列を含み、タグ配列が、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸とL-アミノ酸とを架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋する、DL-チオエーテル結合環構造またはLD-チオエーテル結合環構造を含有するモチーフの一部であるタンパク質性物質が提供される。チオエーテル結合環構造は、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸をL-アミノ酸へと架橋することが好ましい。また、本発明によるタンパク質性物質をコードするポリヌクレオチドのほか、前記ポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。本発明によるポリヌクレオチドまたはベクターを含む宿主細胞もまた包含される。これらは、本発明の方法を実施するのに特に有用である。
本明細書の上記で示した通り、環状タグは、外部タグ(N末端タグまたはC末端タグ)の場合もあり、内部タグの場合もあり、内在性タグの場合もある。外部タグの場合、タンパク質性物質は、前記対象のポリペプチドと、少なくとも1つの環状結合モチーフとの間に切断部位を含むことが好ましい。しかし、内在性タグが好ましい。
本発明の方法により得られる環状アフィニティータグを含むタンパク質性物質は、例えば、His-Pro-Gly (HPG)、His-Pro-Lys (HPK)、His-Pro-Met (HPM)、His-Pro-Gln (HPQ)、およびHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)からなる群から選択される、少なくとも1つの環化ストレプトアビジン結合配列を含む。ランチオニン酵素環化ストレプトアビジン結合モチーフは、対象の(メチル)ランチオニン含有ポリペプチドと組み合わせて用いると有利である。例えば、対象のポリペプチドは、D-アミノ酸をL-アミノ酸へと架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋するチオエーテル結合を含有する、DL-チオエーテル架橋ペプチドライブラリーのメンバー、例えば、ヘキサペプチドライブラリー、ヘプタペプチドライブラリー、またはオクタペプチドライブラリーのメンバーである。別の実施形態では、タンパク質性物質が、環構造を含む非天然(突然変異体)のランチビオティックスまたはランチビオティックス断片を含むかまたはこれからなり、前記環構造が、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸をL-アミノ酸へと架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋するチオエーテル架橋を含有する少なくとも1つの環状ストレプトアビジン結合モチーフを含む。当技術分野では、30を超えるランチビオティックスが説明されている(Sahlら、Annual Reviews in Microbiology、52、41〜79頁)。それらは、構造的特徴と、作用方式の差違に基づき、2つの主要な類型に群分けされる。A型のランチビオティックス(例えば、ニシン、エピデルミン、およびPep5)は、主に細菌の細胞質膜に小孔を形成することにより作用する、可撓性で長型の両親媒性分子である。これに対して、B型のランチビオティックス(例えば、メルサシジン)は、硬質の球形であり、特定の酵素を阻害する。ランチビオティックスは当技術分野において知られており、既知のランチビオティックスもしくはいまだ発見されていないランチビオティックスのいずれか、またはこれらの断片を、環のうちの少なくとも1つが、アフィニティータグを含有するように、適切な形で修飾することができる。例には、ニシンまたはスブチリン、エピデルミン、ガリデルミン、ムタシン1140、ムタシンI、ムタシンB-Ny266、エリシンA、エリシンS、ニシンの環ABCおよびプレニシン(1〜45)などのこれらの断片など、A型ランチビオティックスが含まれる。一実施形態では、本発明が、突然変異体のランチビオティックスであって、環Aが、HPQを含有するストレプトアビジン結合配列など、環状アフィニティータグ配列を含むように突然変異している、突然変異体のランチビオティックスを提供する。驚くべきことに、ランチビオティックス活性を消失させずに、環構造をこのように改変しうることが判明した。ニシンの突然変異体であるG14H、A15P、L16Q、M17F、ΔG18では、環Cの5つの残基GALMGが、4つの残基HPQFで置換されている。この突然変異体であるHPQFニシン、ならびにまた、HPQFニシンΔ(23〜34)は、指標菌株であるMG1363株に対して増殖阻害効果を及ぼす。ニシンの場合、特異的活性はやや低下するが、生成レベルは上昇する。したがって、少なくとも環Aがアフィニティータグを含み、好ましくは、天然のニシンまたはスブチリンにおけるような4〜6位のアミノ酸配列が、His-Pro-Gln (HPQ)などのストレプトアビジン結合配列で置換されていることが好ましい、突然変異体のランチビオティックスが提供される。潜在的に活性なHPQランチオニンを含有する他のニシン変異体は、I4H、S5P、L6Qニシンのように、ニシンの環Aに配列HPQを有するか、またはA24H、T25P、C26Q、H27Fニシンのように、DE環が、配列HPQFを含有する1つの環で置換されている。あるいは、環Aの残基16〜18 (TNT)がHPQで置換されている、ラクチシンのA2変異体である。さらなる実施形態では、少なくとも環Cがアフィニティータグを含み、この場合、天然のニシンまたはスブチリンにおけるような14〜17位のアミノ酸配列が、配列His-Pro-Gln-Phe-Gly (HPQFG)またはHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)、好ましくはHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)で置換されていることが好ましい。他の実施形態では、少なくとも環DおよびEがアフィニティータグ配列を含み、この場合、天然のニシンまたはスブチリンにおけるような24〜27位のアミノ酸配列が、配列His-Pro-Gln-PheまたはHis-Pro-Glnで置換されていることが好ましい。
環状アフィニティータグを含有するランチビオティックス構造は、任意の対象のポリペプチドの外部タグとして用いると有利でありうる。しかし、それ自体が1または複数のチオエーテル架橋を含有するポリペプチド、例えば、(メチル)ランチオニンを含有してその代謝的安定性を増強するように遺伝子操作された治療用タンパク質と組み合わせて(例えば、これと融合させて)用いることが特に適切である。チオエーテル環を安定化させることにより、ペプチドのバイオアベイラビリティーが増大し、保管寿命も長くなる一方で、それほどの頻度ではペプチドを投与する必要がなくなり、必要となる用量も減少する。本発明によるチオエーテル環アフィニティータグを結合させることにより、このようなタンパク質の精製、検出、および/または固定化が容易となる。例えば、環化タンパク質性物質は、修飾ニシン配列からなり、この場合、環Cが、Strepタグ配列に続き、因子X切断部位、ならびにチオエーテル架橋されたAng(1〜7)類似体を含む。例示的なチオエーテル架橋されたAng(1〜7)類似体には、WO2008/018792において開示されている類似体が含まれる。この分子を、ストレプトアビジンカラムに結合させ、精製ステップとしての洗浄後に放出させると、従来の疎水性相互作用を介するより高い収率および純度が得られる。ランチビオティックス、または操作された(メチル)ランチオニン-ストレプトアビジン結合モチーフを含有する他のペプチドは、例えば、GE Helthcareなど、複数の業者から市販されているストレプトアビジンカラムを、pHが7をそれほど超えないように保ちながら(アルカリ性のpHでは、デヒドロ残基が不安定となる)、製造元のプロトコールに従って用いると、効率的に精製することができる。
本明細書ではまた、少なくとも1つの環状タグ配列、例えば、ストレプトアビジン結合モチーフを含み、タグ配列が、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸とL-アミノ酸とを架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋する、DL-チオエーテル結合環構造またはLD-チオエーテル結合環構造を含有するモチーフの一部である、複数のタンパク質性物質を含むライブラリーも提供される。タグ配列に加えて、タンパク質性物質は、1または複数のさらなるチオエーテル架橋も含有しうる。例えば、ライブラリーは、各ペプチドが、ランチビオティックス酵素導入チオエーテル環化Strepタグをさらに含む、複数のチオエーテル架橋ペプチドを含む。ライブラリーの各メンバーは、好ましくはアレイフォーマットで固体支持体上に固定化することができる。各メンバーを、少なくとも1つの環状タグ配列を介して、アレイフォーマットで固体支持体上にスポッティングされた適切な(タンパク質性)結合パートナーへと固定化することがより好ましい。特定の態様では、本発明が、ランチビオティック酵素環化Strepタグ配列を含み、各メンバーが、Strepタグを介して、アレイフォーマットで固体支持体上にスポッティングされたストレプトアビジンへと固定化されている、タンパク質性物質のライブラリー(Strepチップ)を提供する。また、対象のペプチド配列、例えば、タンパク質キナーゼ基質または受容体リガンドを同定するためのこのようなライブラリーの使用も、本発明の範囲内にある。
当業者は、本発明の他の有用な適用について理解するであろう。例えば、チオエーテル架橋アフィニティータグを用いて、該タグを含むポリペプチドを精製、単離、および/または固定化することができる。したがって、本発明はまた、対象のポリペプチドと環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質を単離、精製、および/または固定化する方法であって、
a)前記対象のタンパク質と、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフとを含み、
X1およびX2はアミノ酸を表わし、それらの側鎖が、残基X1と残基X2との間にチオエーテル架橋を形成することが可能なランチビオティック酵素により連結されえ;
タグは、環化するとアフィニティータグとして用いられるアミノ酸配列であり、前記アフィニティータグが、その特異的結合パートナーにタンパク質性物質を捕捉させ;典型的には、タンパク質性物質のタグ部分だけが結合パートナーへの結合を媒介し、該物質の他の部分はタグ結合パートナーとは相互作用せず;
前記モチーフのN末端側に、ランチビオティックスのリーダー配列が先行する、
少なくとも1つの前駆体タンパク質性物質を供給するステップと;
b)前記前駆体を、少なくとも1つのランチビオティック酵素と接触させて、X1とX2との間にチオエーテル架橋を形成させ、これにより、タグ配列を含む分子内環構造を導入するステップと;
c)結果として得られる環化タンパク質性物質を、10μM未満の解離定数で環化アフィニティータグに結合する特異的な捕捉試薬と接触させ、これにより、該物質を単離、精製、および/または固定化するステップと
を含む方法も提供する。捕捉試薬は、固体支持体、例えば、カラム、アレイ表面、または(磁気)ビーズへと固定化することができる。
ニシンの環CにHPQFを酵素的に導入したことを示す図である。質量を25Da増大させる、システインのCDAP修飾の前(実線)、ならびにCDAP修飾の後(点線)における対照ペプチドLMRTTSSLELSDYEQACの質量スペクトルを示す図である。 ニシンの環CにHPQFを酵素的に導入したことを示す図である。H14、P15、Q16、F17、ΔG18プレニシンをコードする1つのプラスミドと、NisB、NisT、およびNisCをコードする第2のプラスミドとを含有する乳酸連鎖球菌を誘導し、ジスルフィド架橋の形成を防止するTCEPを添加した後(実線)、ならびに遊離システインと反応するCDAPを添加した後(点線)に、質量分析により上清を解析した。CDAPとの反応性が見られなければ、5つのシステインの結合可能性が失われ、5つのチオエーテル環すべてが閉鎖していることが示される。 環C内にHPQFを含有する切断型ニシン突然変異体の抗微生物活性を示す図である。NisB、NisT、およびNisCをコードする第1のプラスミドと、MSTKDFNLDLVSVSKKDSGASPRITSISLCTPGCKTHPQFCNMKEQKLISEEDをコードする第2のプラスミドとを含有する乳酸連鎖球菌を誘導した。トリプシンで上清を処理して、リーダーペプチドを切断した。マイクロウェルプレート内で2倍の希釈系列を作製し、インキュベーションの6時間後においてOD600を測定することにより、ペプチドが乳酸連鎖球菌(L. lactis) MG1363菌株の増殖を阻害する能力について調べた。○: PBSによる対照、■:切断型ニシン突然変異体、▼:ニシンAを生成させる乳酸連鎖球菌NZ9700菌株の上清。
(実施例)
(実施例1)
HPQFによるニシンの環C配列の置換
材料および方法
対照ペプチドは、LMRTTSSLELSDYEQACであった。ニシンの突然変異体は、遺伝子操作により作製した。このH14、P15、Q16、F17、ΔG18突然変異体では、GALMGからなるニシンの環CをHPQFで置換した。コードプラスミドを、pIl3BTC [Rink, R.ら、2005、Biochemistry 44:8873〜8882頁]と共に共発現させた。[Rink, R.ら、2005、Biochemistry 44:8873〜8882頁]に従い、質量分析を実施した。トリスカルボキシエチルホスフィン(TCEP)を添加することにより、ジスルフィド架橋の形成を回避した。1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)による処理を実施して、システインの結合可能性を測定した。システインがチオエーテル架橋内に取り込まれていなければ、該突然変異体は、CDAPと反応性となり、その結果として、25Daの上方シフトがもたらされる。TCEPおよびCDAPで処理したシステイン含有ペプチドに25Daの上方シフトが見られなければ、チオエーテル架橋の存在が示される。
結果
非修飾対照ペプチドの平均質量(m/z)は、1948.2Daであった。質量分析は、非修飾ペプチドに対応する1947.5Daのピークと、このペプチドの酸化形態に対応しうる1963.6Daのピークとを明らかにした(メチオニン2が、酸化の候補残基でありうる) (図1A;実線)。対照ペプチドでは、ピークが、観察されたピークに対応しており、25Daの増大が、CDAP修飾に対応することが明らかである(図1A;点線)。この手順により、対照ペプチド内のシステインが、修飾可能であることが明らかに示された。
メチオニン1を伴わず、HPQFを含有する、完全に脱水化されたプレニシン突然変異体の予測質量は、5911.8-144=5767.8Daであった。質量が5764.2であるペプチドが、上清中で観察された(図示しない)。CDAPで処理しても、CDAPが遊離システインと反応する場合に見られる25Daの質量の増加はもたらされなかった。反応性が見られないことにより、5つのシステインすべてが、チオエーテル環内に取り込まれていることが示された。
リーダーペプチドを除去することにより質量分析の感度を増大させるため、モチーフHPQFを含む、完全に脱水化されたプレニシン突然変異体を含有する上清を、トリプシンで処理して、リーダーを切断し、解析した(図1B; CDAP添加前が実線であり、CDAP処理後が点線である)。完全に脱水化し、リーダーを除去した後における、このニシン突然変異体の予測質量は、3578.2-144=3434.2Daである。この値は、図1Bで測定されたメインピークの3442Daに近い。他の2つのピークである3369Daのピークおよび3486Daのピークは、未知である。図1Bは、CDAPを添加しても、質量値にシフトが生じなかったことを裏付ける。これもまた、すべてのチオエーテル環が閉鎖されていることを示す。GALMGの代わりにHPQFを含有する、短縮された環Cは、極めて良好に形成されたと考えられる。
結論
実施例1は、HPQFを、シクラーゼであるNisCにより、ニシンの環Cへと酵素的に導入しうることを裏付ける。
(実施例2)
環C内にアフィニティータグを含有する切断型ニシン変異体の抗微生物活性
材料および方法
内部Strepタグと外部mycタグとを伴う切断型ニシン突然変異体を、遺伝子操作により構築した。構築物は、mycタグ: EQKLISEEDに連結された、ニシン(1〜22)のH14、P15、Q16、F17、ΔG18突然変異体、すなわち、ITSISLCTPGCKTHPQFCNMKに連結されたニシンのリーダーペプチド(MSTKDFNLDLVSVSKKDSGASPR)をコードした。したがって、全プレ配列は、MSTKDFNLDLVSVSKKDSGASPRITSISLCTPGCKTHPQFCNMKEQKLISEEDであった。このペプチドは、pIl3BTCを含有する乳酸連鎖球菌により作製した。
トリプシンによりリーダーを切断し、以下の通りに抗微生物活性を測定した。ニシン融合菌株の上清200μlをマイクロウェルプレートの第1列のウェルに添加し、対照(陽性対照、例えば、NZ9700菌株の濾過上清、ならびに陰性対照)溶液200μlを第1列の他のウェルに添加した。残りの空のウェルには100μlの培地を添加した。各行について、第1列からの100μlずつを、第2列へと添加し、混合した後、第2列から第3列へと添加するなどして、2倍の希釈段階をもたらした。感受性菌株であるMG1363 100μlを、低密度ですべてのウェルに添加した(OD600: 0.05〜0.1)。6時間後にOD600を測定した。
結果
図2は、HPQFを含有する環Cを伴う切断型ニシン変異体が、抗微生物活性を明らかに有することを示す。
結論
実施例2は、環C内にHPQFが存在することで、切断型ニシン突然変異体の抗微生物活性が消失しないことを裏付ける。同時に4つのアミノ酸を突然変異させる一方で、1つのアミノ酸は欠失させているため、これは驚くべきことである。切断(既に10分の1に短縮されている場合がある)にも関わらず、環Cが短縮されているにも関わらず、テールが負に帯電している(これは、陰イオン性膜への結合を抑制する)にもかかわらず、ペプチドは依然として活性を有する。

Claims (18)

  1. 対象の生物学的に活性なポリペプチドと環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質を供給する酵素的方法であって、
    a)前記対象のポリペプチドと、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフとを含み、
    X1およびX2はアミノ酸を表わし、それらの側鎖が、残基X1と残基X2との間にチオエーテル架橋を形成することが可能なランチビオティック酵素により連結されることができ、ここで、X1は、Dhb、Dha、Thr、およびSerからなる群から選択され、X2は、Cysであるか;またはX1は、Cysであり、X2は、Dhb、Dha、Thr、およびSerからなる群から選択され;
    タグは、環化するとアフィニティータグとして用いられるアミノ酸配列であり、前記アフィニティータグは、前記タグの特異的結合パートナーにタンパク質性物質を捕捉させ;
    前記モチーフのN末端側に、ランチビオティックスのリーダー配列が先行する、
    少なくとも1つの前駆体タンパク質性物質を供給するステップと;
    b)前記前駆体を、少なくとも1つのランチビオティック酵素と接触させて、X1とX2との間にチオエーテル架橋を形成させ、これにより、タグ配列を含む分子内環構造を導入するステップと;
    c)結果として得られる環化タンパク質性物質を単離するステップと
    を含む酵素的方法。
  2. 前記対象のポリペプチドを、N末端またはC末端側で、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフに融合させる、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質性物質が、前記対象のポリペプチドと、少なくとも1つのモチーフとの間に切断部位を含み、切断部位が、因子X切断部位またはGlu-C切断部位である、請求項2に記載の方法。
  4. ステップc)の後に、環化タンパク質性物質を切断部位で切断して、対象のポリペプチドを放出させる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記タンパク質性物質が対象のポリペプチドであり、その一部が前記少なくとも1つのモチーフにより置換されて、前記少なくとも1つのモチーフが前記対象のポリペプチドの構成部分となっている、請求項1に記載の方法。
  6. ステップa)およびb)を、X1とX2との間にチオエーテル架橋結合を形成することが可能な前記少なくとも1つのランチビオティック酵素を含む宿主細胞内で実施し、前記宿主細胞に、前記前駆体タンパク質性物質をコードする核酸配列が供給されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. タグが、配列Arg-Gly-Aspを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. タグが、10μM未満の解離定数でストレプトアビジンと結合することが可能なストレプトアビジン結合配列を含み、ストレプトアビジン結合配列が、His-Pro-Gly (HPG)、His-Pro-Lys (HPK)、His-Pro-Met (HPM)、His-Pro-Gln (HPQ)、およびHis-Pro-Gln-Phe (HPQF)からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. モチーフX1-タグ-X2が、Dha-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Phe-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Ser;Cys-His-Pro-Gln-Phe-Thr;Dha-His-Pro-Gln-Cys;Dhb-His-Pro-Gln-Cys;Ser-His-Pro-Gln-Cys;Thr-His-Pro-Gln-Cys;Cys-His-Pro-Gln-Dha;Cys-His-Pro-Gln-Dhb;Cys-His-Pro-Gln-Ser;およびCys-His-Pro-Gln-Thrからなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項8に記載の方法。
  10. ステップb)が、前駆体を、ランチビオティック酵素であるLanM、ランチビオティックシクラーゼであるLanC (デヒドロ残基とシステインとの組合せの場合)、またはランチビオティックデヒドラターゼであるLanBとランチビオティックシクラーゼであるLanCとの組合せと接触させるステップを含み、ステップa)およびb)が、ランチオニンタンパク質であるLanB; LanCおよびLanT; LanMおよびLanT; LanBおよびLanC;またはLanMを含む宿主細胞内で実施される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 対象のポリペプチドが、少なくとも1つのチオエーテル含有分子内環構造を天然で含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 対象の生物学的に活性なポリペプチドと、一般式がX1-タグ-X2である少なくとも1つのモチーフを環化させた環状アフィニティータグとを含むタンパク質性物質であって、
    X1およびX2はアミノ酸を表わし、それらの側鎖は、残基X1と残基X2との間でチオエーテル架橋により連結されており、ここで、X1は、Dhb、Dha、Thr、およびSerからなる群から選択され、X2は、Cysであるか;またはX1は、Cysであり、X2は、Dhb、Dha、Thr、およびSerからなる群から選択され;
    前記タグは、アフィニティータグとして用いられるアミノ酸配列であり;
    前記モチーフのN末端側に、ランチビオティックスのリーダー配列が先行する、タンパク質性物質。
  13. 少なくとも1つの環状タグ配列を含み、タグ配列が、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸とL-アミノ酸とを架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋するチオエーテル結合環構造の一部である、請求項12に記載のタンパク質性物質。
  14. 前記環状タグ配列が、環化ストレプトアビジン結合配列であり、His-Pro-Gly、His-Pro-Lys、His-Pro-Met、His-Pro-Gln、およびHis-Pro-Gln-Pheからなる群から選択される配列を含むかまたはこれらからなる、請求項13に記載のタンパク質性物質。
  15. 環構造を含む突然変異体ランチビオティック断片またはランチビオティック断片を含み、前記環構造が、(N末端からC末端の方向で)D-アミノ酸をL-アミノ酸へと架橋するか、またはL-アミノ酸をD-アミノ酸へと架橋する、チオエーテル架橋を含有する少なくとも1つの環状ストレプトアビジン結合モチーフを含む、請求項13または14に記載のタンパク質性物質。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の複数のタンパク質性物質を含むペプチドライブラリー。
  17. 各メンバーが、アレイフォーマットで、固体支持体上に固定化されている、請求項16に記載のライブラリー。
  18. 少なくとも1つの環状ストレプトアビジン結合モチーフを含む複数のタンパク質性物質を含み、各メンバーが、少なくとも1つの環状ストレプトアビジン結合モチーフを介して、アレイフォーマットで固体支持体上にスポッティングされたストレプトアビジンへと固定化されている、請求項17に記載のライブラリー。
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