JP5909673B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭の台所や業務用の厨房等で使用される、グリル装置を備えた加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器におけるグリル装置の概略構成は、グリル装置内に調理庫を配し、調理物を載せる焼網を載置した受皿を収納し、加熱体としては調理庫に臨ませたシーズヒーターと呼ばれる電熱線のジュール熱を用いて加熱する方式のものが一般的であり、近年では特に両面を同時に加熱するものが一般的である。
また、上ボディーにより覆蓋された下ボディー内に設けた下ヒーター上に、プレート類を着脱自在に位置させ、このプレート類の側壁と前記下ボディー内側壁との間に空気流通路を形成してなる電気調理器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、同様に被加熱物を収容する加熱室と、この加熱室をその外方から加熱する発熱体とを具備するものにおいて、前記加熱室の壁部の外面に加熱室の内方に突出する突状部の成形を伴って溝部を形成し、前記発熱体を棒状として前記溝部に密接状態に挿入したことを特徴とする加熱調理器も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
図12は、従来の加熱調理器を示すものである。
図12に示すように、従来の加熱調理器は、被加熱調理容器101を載置する天板102と、外郭を構成する本体103と、天板102の下方に位置し被加熱調理容器101を加熱する加熱手段104と、加熱手段104の下方に位置する上加熱体105と下加熱体106を内蔵する調理庫107および調理物108を載置する焼網109および焼網109を載置するとともに調理庫107より出し入れ自在に設けた受皿110および調理庫107の上方もしくは後方に排気筒111を備え、加熱調理した調理物108の出し入れを行う開口部にはグリル扉112が設けられている。
その他、図示はしないが、本体103内部に配置した制御回路および駆動回路および冷却ファンと、本体103の前方あるいは上方には操作部を配置して構成されている。
特開昭58−19212号公報 特開平10−169999号公報
しかしながら、前記、図12の従来の構成では、上加熱体105および下加熱体106は、シーズヒーターと呼ばれ電熱線のジュール熱を用いて加熱する方式のものが一般的であるが、このようなシーズヒーターは主に加熱による輻射熱を利用して調理物108を加熱するため、シーズヒーターの表面温度は少なくとも500℃以上の温度に達するものである。
このような場合、特に下加熱体106に滴下した調理物108の油脂分等から煙が多量に発生するとともに、調理物108に再付着し、食味を損なう等の不具合や、稀に下加熱体106に滴下した調理物108の油脂分等が発火し、調理物108もしくは受皿110にたまった油脂分等に引火する恐れがあった。
また、調理物108から滴下する油脂分、水分、塩分を含んだ汁等が、下加熱体106に直接触れるため腐食等の影響により寿命が短いという課題もあった。
また、前述の発火等を鑑みて受皿110に水を入れる場合もあり、この水を入れるためには受皿110は、ある程度の深さが必要となるとともに、下加熱体106と調理物108の距離も、調理性能や発火ということを鑑みるとある程度は必要であり、調理庫107内に深さや距離の必要な構造物が配置されるため、結果として焼網109の上面部から上加熱体105までの距離が短くなり、厚みのある調理物108や加熱すると開く貝類あるいは加熱すると膨らむスポンジケーキ等は調理することが困難であるという課題もあった。
また、この種の加熱調理器には2種類のタイプがあり、組込型と呼ばれるキッチンのカウンター内に組み込んで使用されるものと、据置型と呼ばれるキッチンに設置したテーブルに載置して使用するものとがある。
一般家庭の台所においては、このキッチンにおいて設置される製品高さがモジュールとして標準化されており、一般的に組込型の場合はキッチンカウンターを上面に220mm(製品高さとしては約230mm)の高さが一般的なサイズであり、据置型についてはテーブル面から180mmの高さが一般的なサイズである。特にこの据置型については前述のとおり組込型に比べて40〜50mmも製品高さが低いため、グリル装置を内蔵し両面を同時に加熱する構成をとりつつ、より厚みのある調理物108を調理することはさらに困難であった。
また、下加熱体106は、極力、焼網109の上面部から上加熱体105までの距離を確保するために調理庫107の下方に配置されるものであり、下加熱体106が邪魔になり調理庫107の底面の清掃性が悪いという課題もあった。
また、前記従来の、特許文献1ならびに特許文献2に開示された加熱調理器は、前記、従来の構成とは異なり、どちらも下ヒーターの上方に近接もしくは接触させてプレート類を設け、そのプレート類の上で調理を行うものである。
従来の構成のように、調理物を載置する焼網があって、その下方に下加熱体があって、その下方に調理物の煮汁等を受ける受皿があるといったものではなく、焼網および受皿の代わりをプレート類が兼ねるとともに、下ヒーターの上方に近接もしくは接触させてプレート類を設け、そのプレート類の上で調理を行うため庫内の寸法を大きくとることができ、より厚みのある調理物を調理することができるものである。
しかしながら、本文献によれば庫内の寸法は大きくとることができても、この構成による肝心の調理性能について具体的な開示はなく、例えば、下ヒーターは棒状の発熱体、いわゆるシーズヒーターを使用(特許文献1については図中の上ヒーターから鑑みて)し、プレート類に近接もしくは接触して加熱(特許文献2については底板を介して加熱)し、調理することを開示しているが、近接部もしくは接触部の熱はプレート類に効率よく伝わるため特にプレート面上の温度分布が悪くなるものである。
プレート類に熱伝導性の高い材料を選定すると顕著に起こりうる現象でもあり、その場合はプレート類の厚みを厚くして、熱容量を上げる等の熱分散の対策が必要となるが、そのあたりの具体的な方法についての開示も見受けられないものである。
プレート類については、厚みを厚くすることで重くなり使い勝手が悪くなることが予測されるとともに、調理性能を確保するための均熱性を高めるために形状的な制約が必要となることが予測されるものである。
また、清掃性についても、特許文献1については下ヒーターが邪魔になるものであり、特許文献2については加熱室の内方に突出する突状部の成形を伴って溝部を形成するものであり底板に凹凸ができ、清掃性が悪化するものである。
したがって、特許文献1ならびに特許文献2に開示された加熱調理器では根本的な改善がなされたとはいえないものであった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使い勝手や調理性能を損なうことなく、グリル装置を内蔵して、両面を同時に加熱する構成をとりつつ、より厚みのある調理物を調理することを実現し、清掃性の改善された加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、外郭を構成する本体と、被加熱調理容器を載置する天板と、前記天板の下方に位置し前記被加熱調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に位置するグリル装置と、前記グリル装置の開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、を備え、前記グリル装置は、上加熱体と下加熱体を配した両面焼きグリル装置であり、調理庫と、前記下加熱体の上方を覆うように設けた底板と、前記底板に載置する調理用加熱プレートを配し、前記底板は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高いガラスで構成するとともに、前記下加熱体は、前記本体内に設けられた駆動回路によって高周波出力が供給されて誘導加熱を行う、グリル加熱コイルで構成され、前記調理用加熱プレートは、調理物に接触する接触面と前記接触面の隣に形成される油を落とすための溝部を有する波型のプレート形状でありかつアルミ等の熱伝導性の高い材料で形成されるベースと、前記ベースの前記溝部の裏面に接しかつ鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料の金属で形成され前記ベースと一体に構成される誘導加熱体を有し、前記調理用加熱プレートに直接前記調理物を乗せて調理を行う、加熱調理器であって、前記誘導加熱体は、前記ベースの前記接触面の裏面に接しないように構成され、前記ベースは、前記接触面の裏面の位置が前記溝部の裏面の位置よりも高くなるように構成されることを特徴としたものである。
これによって、下加熱体に構成した誘導加熱を行うグリル加熱コイルで、調理用加熱プレート自体を直接的に誘導加熱して調理を行うことにより、効率よく調理物を加熱することができる。また、いろいろな形状の加熱が可能となり、形状を工夫することで、調理用加熱プレートに対する加熱分布の均熱性を高めることも自在にできるとともに、調理庫内を着脱自在に出し入れする調理用加熱プレートは、調理に応じていろいろな形状とすることができる。
また、駆動回路は、加熱コイルおよびグリル加熱コイルへ同時に誘導加熱を行うための高周波出力を供給するとともに、単独加熱の場合は所定の比率にて分配した高周波出力を供給するように分配回路を配することによって、ひとつの駆動回路で加熱コイルおよびグリル加熱コイルを用いて複数の誘導加熱を行うことが可能となり、コンパクトで合理的な構成であるとともに組込み式の加熱調理器のように、組み込むスペースが標準(モジュール)化している場合などに非常に有利であり、安価で組込み性の良い加熱調理器を提供することができる。
また、調理用加熱プレートはアルミ等の熱伝導性の高い材料を用いたベースと、底面部分に鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料にて構成して被加熱体とした誘導加熱体を有し、両者が一体に固定されることによって、鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料は比較的誘導加熱のしやすい材料であり、駆動回路やグリル加熱コイル等の負荷も少なく効率よく加熱が可能である。鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料は、熱伝導が悪く加熱ムラができるといった課題があるが、アルミ等の熱伝導性の高い材料をベースに用いて、誘導加熱体にのみ鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料用いることによって調理物との接触面には熱伝導の良い材料で構成されるため、加熱ムラもなく、加熱効率も良い加熱調理器を提供することができる。さらに、調理用加熱プレートは、波型のプ
レート形状であるので、ある程度油を溝部に落として、加熱によって酸化した油の再付着を防止し風味を損なわないようにできる。
本発明の加熱調理器は、使い勝手や調理性能を損なうことなく、グリル装置を内蔵して両面を同時に加熱する構成をとりつつ、より厚みのある調理物を調理することを実現し、清掃性の改善された加熱調理器を実現することができる。
本発明の実施の形態1における加熱調理器の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の第1の実施の形態1における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の第1の実施の形態1における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態2における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態3における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態3における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態4における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態5における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態5における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 本発明の実施の形態6における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図 従来の加熱調理器を示す断面図
本発明は、外郭を構成する本体と、被加熱調理容器を載置する天板と、前記天板の下方に位置し前記被加熱調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に位置するグリル装置と、前記グリル装置の開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、を備え、前記グリル装置は、上加熱体と下加熱体を配した両面焼きグリル装置であり、調理庫と、前記下加熱体の上方を覆うように設けた底板と、前記底板に載置する調理用加熱プレートを配し、前記底板は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高いガラスで構成するとともに、前記下加熱体は、前記本体内に設けられた駆動回路によって高周波出力が供給されて誘
導加熱を行う、グリル加熱コイルで構成され、前記調理用加熱プレートは、調理物に接触する接触面と前記接触面の隣に形成される油を落とすための溝部を有する波型のプレート形状でありかつアルミ等の熱伝導性の高い材料で形成されるベースと、前記ベースの前記溝部の裏面に接しかつ鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料の金属で形成され前記ベースと一体に構成される誘導加熱体を有し、前記調理用加熱プレートに直接前記調理物を乗せて調理を行う、加熱調理器であって、前記誘導加熱体は、前記ベースの前記接触面の裏面に接しないように構成され、前記ベースは、前記接触面の裏面の位置が前記溝部の裏面の位置よりも高くなるように構成されることを特徴とする加熱調理器としたものである。
このように下加熱体に誘導加熱を行うグリル加熱コイルで構成し、調理用加熱プレート自体を直接的に誘導加熱して調理を行うことで、効率よく調理物を加熱することができる。また、形状を工夫することで調理用加熱プレートに対する加熱分布の均熱性を高めることも自在にできるとともに、調理庫内を着脱自在に出し入れする調理用加熱プレートは、調理に応じていろいろな形状とすることができる。
たとえば、たこ焼き用のプレート、ピザ用の石釜風のフラットなプレート、ダッチオーブン風の蓋つきのプレート、焼肉用の波型プレートなどである。また、底板は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高いガラスで構成することによって調理庫内の底面がフラットですっきりし、清掃性も高まるとともに、底板の温度は調理用加熱プレートよりも低いため焦げ付き等による汚れも少なく、また、調理用加熱プレートの形状によっては油脂分や調理カスの飛び散り等も少なくでき清掃生の高い使い勝手のよいものとなる。
また、下加熱体はシーズヒーター等の抵抗加熱によって発熱するものとは違い、グリル加熱コイル自体の発熱はわずかであり、本体外郭への熱影響も少ないことから調理庫の底部に高密度に実装することができ、調理庫内の高さを十分に大きくすることが可能である。
また、加熱コイルおよびグリル加熱コイルへ同時に誘導加熱を行うための高周波出力を供給するとともに、単独加熱の場合は所定の比率にて分配した高周波出力を供給するように分配回路を配することによって、ひとつの駆動回路で、加熱コイルおよびグリル加熱コイルを用いて複数の誘導加熱を行うことが可能となり、コンパクトで合理的な構成であるとともに、組込み式の加熱調理器のように組み込むスペースが標準(モジュール)化している場合などに非常に有利であり、安価で組込み性の良い加熱調理器を提供することができる。
また、調理用加熱プレートをアルミ等の熱伝導性の高い材料を用いて、底面部分に鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料にて金属プレートを構成して被加熱体とすることによって、鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料は比較的誘導加熱のしやすい材料であり、駆動回路やグリル加熱コイル等の負荷も少なく効率よく加熱が可能となる。
しかし、一方で熱伝導が悪く加熱ムラができるといった課題もあり、アルミ等の熱伝導性の高い材料をベースに用いて、加熱体にのみ鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料用いることによって調理物との接触面には熱伝導の良い材料で構成されるため、加熱ムラもなく、加熱効率も良い加熱調理器を提供することができる。
また、この調理用加熱プレートに非粘着性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分や調理カス等の汚れが付着するのを防ぐことができるとともに、たとえ付着したとしても、被膜層の非粘着性によってふき取りやすくできる。
また、この調理用加熱プレートに親水性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分や調理カス等の汚れが付着してこびり付いた場合でも、こまめに水等をかけてお手入れすることで、汚れと被膜層の間に水が親水し、汚れが浮くことで清掃性を向上することができる。
また、この調理用加熱プレートにセルフクリーニング性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分が付着した場合、調理時の加熱によって油脂分を分解し自動で清掃することができる。
また、この調理用加熱プレートの温度を検知する温度検知手段を設け、調理用加熱プレートの温度を300℃以下の任意の温度にてコントロールすることによって、調理物から出る油脂分等の発火温度(350〜370℃)よりも低い温度で調理できるため、安全性が高まるとともに、調理に最適な温度にコントロールすることによってオート調理を可能とすることができる。
また、魚等の油脂分の多い調理物を調理する場合は、一般的に言われる発煙量の増加する温度(230〜250℃)以下の200℃程度でコントロールすれば、煙の発生量を抑制することができるものである。
また、この調理庫の外周に遮熱ケースを設け、調理庫と遮熱ケースとの間に所定の寸法を確保した空気断熱層を設けることによって、調理庫内で消費する熱量が本体もしくは外部へ流出するのを防止することができ、効率よく調理することができる。
また、この調理庫の外周に遮熱ケースを設け、調理庫と遮熱ケースとの間に断熱材を設けることによって、さらに調理庫内で消費する熱量が本体もしくは外部へ流出するのを防止することができ、効率よく調理することができる。
また、グリル装置は水蒸気発生タンクと水蒸気発生加熱体から成る水蒸気発生部と、前記水蒸気発生部に水を供給する水タンクと、前記水タンクと前記水蒸気発生部を連結する連結ダクトと、前記水蒸気発生部にて発生した水蒸気を循環させる循環ファンと、前記水蒸気を上加熱体に導く水蒸気ダクトと、上熱体と調理庫内とを仕切る庫内仕切板を設けた過熱水蒸気発生部と、上加熱体の加熱によって発生した過熱水蒸気を調理庫内に再度導く過熱水蒸気ダクトを設けることによって、この過熱水蒸気が調理物に接触し、例えば魚であれば表面部近傍にあるたんぱく質成分を急激に加熱して凝固させ、魚の内部にあるうま味成分を流出させないで魚の内部に閉じ込めることができ、魚をおいしく調理することができる。
なお、魚の表面近傍にあるたんぱく質は42〜62℃の温度で変性して凝固するので62℃以上の温度に急激に加熱することが必要となる。
この過熱水蒸気が調理物の表面に接触すると、冷却されて魚の表面に結露水として付着し、水蒸気が結露水となるときに凝集熱が与えられて加熱されるので、魚の表面の温度を急激に上昇させることができる。
また、同時に水蒸気は、再加熱やあたため等の乾燥しやすい調理メニューでの乾燥防止や、肉まん、シューマイといった蒸し物調理なども可能となるほか、水蒸気によって調理物に含まれる不要な油脂分や塩分を洗い流し健康的でヘルシーな出来栄えを実現するとともに、水蒸気が庫内の酸素を追い出して抗酸化作用によって栄養素の破壊を抑えた、うま味成分の多く含まれた調理を実現することができる。
また、調理開始前に水蒸気発生タンク内に水蒸気を事前に貯めておき、調理開始と同時に一気に過熱水蒸気を調理物に接触させて調理物を焼き上げることができる。なお、過熱水蒸気を排出するタイミング等を調理物によって変えることにより各々の調理に最適なタイミングをコントロールすることができるものである。
また、この庫内仕切板に穴を設け過熱水蒸気の一部を直接庫内に排出することによって調理物の上方、および過熱水蒸気ダクトを用いてあらゆる方向から均等に過熱水蒸気を調理物に接触させることができ、均一にムラなく調理することができる。
また、グリル扉を、のぞき窓を設けずに全面において空気断熱層もしくは断熱材によって断熱性を高めることによって、グリル扉の高温部に不意に触れることによるやけど等を防止した安全性の高い調理器とすることができる。通常シーズヒーター等を用いたグリル装置の場合、グリル扉ののぞき窓の温度は約130〜180℃であり、この温度でも触れている時間によっては十分にやけどをしてしまうものであるが、調理庫内に排出される過熱水蒸気の温度は約300℃と想定され、このような過熱水蒸気が調理庫内に充満しており、さらにグリル扉の温度は高くなることが十分に予測され、人が開閉操作を行うグリル扉については特に温度低減対策が必要である。
また、水蒸気ダクトもしくは過熱水蒸気ダクトのどちらか一方のダクト内に触媒体を設けることによって、調理により発生した煙が触媒体を通過することで酸化分解反応を促進され発生する煙の量が低減し、快適な調理空間を実現することができる。
また、触媒体は触媒反応を高めるために専用の触媒加熱体を設けたとすることによって、さらに酸化分解反応を促進することができ、さらに発生する煙の少ない、快適な調理空間を実現することができる。
また、調理用加熱プレートの上に焼網を載置し、この焼網の上に調理物を載せ、調理用加熱プレートからの伝熱と過熱水蒸気による対流熱による複合加熱をすることによって調理に合わせた最適な加熱方式を自由に選択することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の詳細を示す断面図である。以下、図面を用いて説明する。
尚、本実施の形態は天板下方に配した加熱コイルが電磁誘導加熱式のものについてのものであるが、本発明がこの方式に限定されるものではない。たとえば、抵抗加熱方式のシーズヒーターやラジェントヒーターなども可能である。また、本実施の形態は組込型の加熱調理器についてのものであるが、本発明がこの方式に限定されるものではない。
図1において、加熱調理器は、外郭を構成する本体1と、被加熱調理容器2を載置する天板3が配されている。天板3は高耐熱性および高絶縁性の結晶化ガラス等を用い、電磁誘導によって加熱されない材質で構成されている。
トップフレーム4は、天板3の外周を囲み、本体1の天面の一部もしくは殆ど全部を構成しており、天板3を介して伝わる被加熱調理容器2からの熱に十分耐え、かつ外観部品として見栄えがよく、腐食にも強いステンレスやホーロー処理鋼板等の金属から成っている。時にはフレームのないものも可能である。
天板3の下方には、被加熱調理容器2を誘導加熱する加熱コイル5が設けられ、図示はしないが本体1内部には、加熱手段5に高周波電力を供給する駆動回路や、駆動回路の出力を制御する制御回路や、それらの回路を冷却する冷却ファンを備え、本体1の前方あるいは上方には操作部を配置している。
加熱コイル5の下方に位置する略箱形状のグリル装置6を配し、グリル装置6の上方もしくは後方に設けた排気筒7と、グリル装置6の開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉8を備え、グリル装置6は、上加熱体9と下加熱体(グリル加熱コイル)10を配した両面焼きグリル装置6であり、上加熱体9と下加熱体(グリル加熱コイル)10を内蔵した調理庫11と、下加熱体(グリル加熱コイル)10の上方を覆うように設けた底板12と、底板12に載置する調理用加熱プレート13を配し、底板12は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高い結晶化ガラスなどで構成するとともに、下加熱体(グリル加熱コイル)10に誘導加熱を行うための高周波出力を供給する駆動回路(図示しないが)を本体内に構成し、調理用加熱プレート13に直接調理物14を乗せて調理を行うものである。
図2は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の同グリル装置の詳細を示す断面図。図3は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の同グリル装置の詳細を示す断面図。図4は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図2において、グリル装置6は、図2に示すように、底板12は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高い結晶化ガラスなどで構成され、下加熱体(グリル加熱コイル)10を覆うように配置され調理庫11に、接着や金具を介してねじ止めなどによって固定されている。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
上加熱体9と下加熱体(グリル加熱コイル)10の加熱が開始されると、図に示すように上加熱体9からの熱放射によって調理物14の上面側は調理される。この時、上加熱体9の温度は、500℃以上の温度を示し、庫内温度としては約300℃前後でコントロールされるものである。
これは、庫内に配したサーミスター等の庫内温度検知手段15によって庫内温度を検知し、図示はしないが本体内部に設けた制御回路やリレー手段によって上加熱体9への通電制御を行うものである。
ここで、下加熱体(グリル加熱コイル)10は駆動回路16により、誘導加熱を行うための高周波出力を供給され、調理用加熱プレート13を直接誘導加熱し、調理物14を加熱調理する。
このように調理用加熱プレート13自体を直接的に誘導加熱して調理を行うことで、効率よく調理物14を加熱することができる。
また、形状を工夫することで調理用加熱プレート13に対する加熱分布の均熱性を高めることも自在にできるとともに、調理庫11内を着脱自在に出し入れする調理用加熱プレート13は、調理に応じていろいろな形状とすることができる。
たとえば、たこ焼き用のプレート、ピザ用の石釜風のフラットなプレート、ダッチオーブン風の蓋つきのプレート、焼肉用の波型プレートなどである。
図では波型のプレート形状であるが、これは、魚や肉類を調理する際に適しており、ある程度油を溝部に落として、加熱によって酸化した油の再付着を防止し風味を損なわないようにできるメリットがあるともに、油を落とすため油の採取を減らしたヘルシーメニューとも言えるものである。
また、底板12は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高い結晶化ガラスなどで構成することによって、調理庫11内の底面がフラットですっきりし、清掃性も高まるとともに、底板12の温度は調理用加熱プレート13よりも低いため焦げ付き等による汚れも少なく、また、調理用加熱プレート13の形状によっては油脂分や調理カスの飛び散り等も少なくでき清掃生の高い使い勝手のよいものとなる。
また、下加熱体(グリル加熱コイル)10は、シーズヒーター等の抵抗加熱によって発熱するものとは違い、下加熱体(グリル加熱コイル)10自体の発熱はわずかであり、本体1外郭への熱影響も少ないことから調理庫11の底部に高密度に実装することができ、調理庫11内の高さを十分に大きくすることが可能である。
また、図3に示すように駆動回路16は、加熱コイル5および下加熱体(グリル加熱コイル)10へ同時に誘導加熱を行うための高周波出力を供給するとともに、単独加熱の場合は所定の比率にて分配した高周波出力を供給するようにリレーおよび共振コンデンサーなどの共振系の回路を形成した分配回路17にて切り替えを行うことによって、ひとつの駆動回路16で加熱コイル5および下加熱体(グリル加熱コイル)10を用いて複数の誘導加熱を自由自在に行うことが可能となり、コンパクトで合理的な構成であるとともに組込み式の加熱調理器のように、組み込むスペースが標準(モジュール)化している場合などに非常に有利であり、安価で組込み性の良い加熱調理器を提供することができる。
この駆動回路16は加熱コイル5および下加熱体(グリル加熱コイル)10の発生する加熱出力の最大値を足し合わせたものを最大(たとえば加熱コイル5が1500W、下加熱体(グリル加熱コイル)10が1200Wの場合は、1500W+1200W=2700W) として回路構成を施し、分配回路17にて個々の出力最大(たとえば加熱コイル5が1500W、下加熱体(グリル加熱コイル)10が1200W)からゼロまでをコントロールするものである。
図示はしないが駆動回路16を冷却するための冷却ファンや加熱出力をさらに細かく制御するための制御回路等が必要となる。
また、図4に示すように調理用加熱プレート13は、アルミ等の熱伝導性の高い材料を用いて、底面部分に鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料にて金属プレートを構成して誘導加熱体18とするものである。
鉄もしくは、ステンレス等の透磁率の高い材料は、アルミや銅などと比べて比較的誘導加熱のしやすい材料であり、駆動回路16や下加熱体(グリル加熱コイル)10等の負荷も少なく効率よく加熱が可能である。
しかし、一方でこの鉄もしくは、ステンレス等の透磁率の高い材料はアルミや銅などと比べて熱伝導が悪く加熱ムラができるといった課題もあり、このようにアルミ等の熱伝導性の高い材料をベースに用いて、誘導加熱体18にのみ、鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料用いて、インサート成型、お互いに凹部と凸部を設けたカシメやねじ止め,溶接などによって一体に固定し、調理物14との接触面には熱伝導の良いアルミや銅などの材料が構成されるため、加熱ムラも少なく、加熱効率も良く、加熱の立ち上がりも早い加熱調理器を提供することができる。
また、この調理用加熱プレート13はフッ素樹脂やシリコン樹脂などの非粘着性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分や調理カス等の汚れが付着するのを防ぐことができるとともに、たとえ付着したとしても、被膜層の非粘着性によってふき取りやすくなり清掃性が向上するものである。
また、この調理用加熱プレート13に親水性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分や調理カス等の汚れが付着してこびり付いた場合でも、こまめに水等をかけてお手入れすることで、汚れと被膜層の間に水が親水し、汚れが浮くことで清掃性が向上するものである。
被膜層を親水化する方法としては、フッ素系あるいはシリコン系の耐熱性の高い塗料にシラン化合物を配合することによって親水性の機能を持たすことは可能である。
この親水性は、シロキサン結合により形成された被膜層表面のシラノール基中のOH基に起因するものである。また、光触媒原料である二酸化チタンなどを配合することによって超親水性(水との接触角が10°以下)を示すこともできる。
これは、二酸化チタンに光が当たると粒子表面に親水基であるOH基が生成されるためである。しかしながらこの場合、超親水性を発現させるためには光を照射させる必要があり、本発明の実施形態において実現性は低いものである。
また、この調理用加熱プレート13にセルフクリーニング性を有する被膜層を形成することによって、調理時に飛散した油脂分が付着した場合、調理時の加熱によって油脂分を分解し自動で清掃するものである。
ここで被膜層にセルフクリーニング性を持たす方法としては、例えば酸化分解作用を促進する酸化マンガン系の触媒種などを被膜層に配合する方法が考えられる。また、さらに高価ではあるが低温での酸化分解作用に顕著な効果が見受けられる白金や中高温域での活性が高いパラジウムなどを添加することも可能である。また、吸着作用のあるセリウム等の添加も可能である。
以上のように、本実施の形態においては、外郭を構成する本体と、被加熱調理容器を載置する天板と、前記天板の下方に位置し前記被加熱調理容器を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に位置するグリル装置と、前記グリル装置の上方もしくは後方に設けた排気筒と、前記グリル装置の開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉とを備え、上加熱体と前下加熱体を内蔵した調理庫と、下加熱体の上方を覆うように設けた底板と、底板に載置する調理用加熱プレートを配し、底板は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高い結晶化ガラスなどで構成するとともに、前記下加熱体は誘導加熱を行うグリル加熱コイルで構成し、かつ前記グリル加熱コイルに誘導加熱を行うための高周波出力を供給する駆動回路を本体内に構成して前記調理用加熱プレートに直接調理物を乗せて調理を行うとしたことにより、下加熱体に構成した誘導加熱を行うグリル加熱コイルで、調理用加熱プレート自体を直接的に誘導加熱して調理を行うことにより、効率よく調理物を加熱することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図5において、グリル装置6は、図5に示すように、底板12の温度を検知するサーミスター等からなる温度検知手段19を介して、調理用加熱プレート13の温度を300℃以下の所定の温度にてコントロールするものである。
温度検知手段19は図に示すとおり、底板12の温度を直接検知するよう配置し、上加熱体9や、調理用加熱プレート13や、調理物14の影響を受けにくい場所に配置することが望ましい。また、下加熱体(グリル加熱コイル)10の影響を受けるようであれば、下加熱体(グリル加熱コイル)10の中央部に設け防磁構成や遮熱用のカバーを設ければ良い。なお、その他の構成は、前記実施の形態1と同一である。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
この底板12の温度を検知する温度検知手段19を介して、調理用加熱プレート13の温度を300℃以下の任意の温度にてコントロールすることによって、調理物14から出る油脂分等の発火温度(350〜370℃)よりも低い温度で調理できるため、安全性が高まるとともに、調理に最適な温度にコントロールすることによってオート調理が可能である。
また、魚等の油脂分の多い調理物14を調理する場合は、一般的に言われる発煙量の増加する温度(230〜250℃)以下の200℃程度でコントロールすれば、煙の発生量を抑制することができるものである。
魚や肉の場合、脂肪の加熱分解温度は150℃から始まり、焦げ目がつき始めるのは約200℃であることから鑑みて、本発明の実施の形態によれば安全で、しかも風味あるいは食味に優れた調理が可能となる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図。図7は、本発明の第3の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図6において、調理庫11の外周に遮熱ケース20を設け、調理庫11と遮熱ケース20との間に所定の寸法を確保した空気断熱層21を設けることによって、調理庫11内で消費する熱量が本体1もしくは外部へ流出するのを防止することができ、効率よく調理することができるものである。
静止空気の熱伝導率は0.0237W/m・K(at0℃)と低く、物質的には熱を伝えにくいものであるがあくまでも静止状態を保った場合に限るものであり、空気自体の熱移動は対流による熱伝達によっておおきく変化するものである。
また、図7に示すように、調理庫11の外周に遮熱ケース20を設け、調理庫11と遮熱ケース20との間に断熱材22設けることによって、さらに調理庫11内で消費する熱量が本体1もしくは外部へ流出するのを防止することができ、効率よく調理することができるものである。
断熱材22としては、有機系のものの方が一般的には熱伝導率は低いが、本実施の形態におけるグリル装置6は温度が高く、使用温度範囲から見ると無機系のグラスウールやロックウールといった繊維状の断熱材やマイクロサームなどの粉末を固めたものとが考えられる。物によって熱伝導率的には0.03〜0.1W/m・K(at常温)と幅が広いが空気のように対流等による変化が少ないため扱いやすく、安定した性能が得られるものである。
(実施の形態4)
図8は、本発明の第4の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図8において、グリル装置6は水蒸気発生タンク23と水蒸気発生加熱体24から成る水蒸気発生部25と、水蒸気発生部25に水を供給する水タンク26と、水タンク26と水蒸気発生部25を連結する連結ダクト27と、水蒸気発生部25にて発生した水蒸気を循環させる循環ファン(モーター含む:図示せず)28と、水蒸気を上加熱体9に導く水蒸気ダクト29と、上加熱体9と調理庫11内とを仕切る庫内仕切板30を設けた過熱水蒸気発生部31と、上加熱体9の加熱によって発生した過熱水蒸気を調理庫11内に再度導く過熱水蒸気ダクト32を設けて構成している。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
加熱体9の加熱によって発生した過熱水蒸気を調理庫11内に再度導くことによって、この過熱水蒸気が調理物14に接触し、例えば魚であれば表面部近傍にあるたんぱく質成分を急激に加熱して凝固させ、魚の内部にあるうま味成分を流出させないで、魚の内部に閉じ込めることができ、魚をおいしく調理することができる。
過熱水蒸気が導出される量や温度やタイミングは、循環ファン28の動作もしくは回転数によって自由にコントロールできるものであり、調理の出来栄えやメニューによって適選調整されるものである。なお、このときの過熱水蒸気の温度は約300℃であるが、上加熱体9動作などでも調整は可能である。
なお、魚の表面近傍にあるたんぱく質は42〜62℃の温度で変性して凝固するので62℃以上の温度に急激に加熱することが必要となる。
この過熱水蒸気が調理物14の表面に接触すると、冷却されて魚の表面に結露水として付着し、水蒸気が結露水となるときに凝集熱が与えられて加熱されるので、魚の表面の温度を急激に上昇させることができる。
また、同時に水蒸気は、再加熱やあたため等の乾燥しやすい調理メニューでの乾燥防止や、肉まん、シューマイといった蒸し物調理なども可能となるほか、水蒸気によって調理物14に含まれる不要な油脂分や塩分を洗い流し、健康的でヘルシーな出来栄えを実現するとともに、水蒸気が庫内の酸素を追い出して、抗酸化作用によって栄養素の破壊を抑えた、うま味成分の多く含まれた調理を実現することができる。
また、調理開始前に水蒸気発生タンク23内に水蒸気を事前に貯めておき、調理開始と同時に一気に過熱水蒸気を調理物14に接触させて調理物14を焼き上げることができる。なお、過熱水蒸気を排出するタイミング等を調理物14によって変えることにより各々の調理に最適なタイミングをコントロールすることができる。図の流量調整弁35を用いて調整することが可能である。
また、図8に示すように、庫内仕切板30に穴を設け過熱水蒸気の一部を直接庫内11に排出することによって調理物14の上方、および過熱水蒸気ダクト32を用いてあらゆる方向から均等に過熱水蒸気を調理物14に接触させることができ、均一にムラなく調理することができる。
また、図8に示すように、水蒸気ダクト29もしくは過熱水蒸気ダクト32のどちらか一方(図では水蒸気ダクト29)のダクト内に触媒体33を設けることによって、調理により発生した煙が触媒体33を通過することで、酸化分解反応を促進され発生する煙の量が低減し、快適な調理空間を実現することができる。
触媒体33に用いる触媒としては白金,パラジウム,マンガン等の酸化活性の高い物質が用いられるが特に白金については低温での活性度が高く有用である。触媒体33に用いる基材について発泡金属,金属ハニカム、セラミックハニカム等が用いられるがコストや性能等を鑑みて適選選択できるものである。
また、図8に示すように、触媒体33は触媒反応を高めるために専用の触媒加熱体34を設けることによって、さらに、酸化分解反応を促進することができ、さらに発生する煙の少ない、快適な調理空間を実現することができる。
特に、温度を上げることで酸化分解反応を促進し、触媒物質自身も安価なものを選択することも可能である。
また、調理初期等の調理庫11内の温度が低い場合でも、タイムラグを設けて事前に触媒体33が反応しやすい温度にまで専用の触媒加熱体34で加熱してから循環ファン28を動作して調理を開始することで調理初期から煙の発生を低減することも可能である。
(実施の形態5)
図9は、本発明の第5の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図。図10は、本発明の第5の実施形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図9において、グリル扉8は、前面を形成するグリルガラス39と、グリルガラス39を保持し、調理庫11内の調理物14の出来映えを確認するのぞき窓36を設けたグリルカバー37を調理庫11側に配し、グリル扉8の開閉の際の持ち手となる扉把手38とで構成され、グリル扉8の上方にやけど防止のガードを形成することも可能である。グリルガラス39は耐熱ガラスを強化処理したものであり、グリルカバー37は耐食性の高いステンレス鋼を用いたものである。扉把手38およびやけど防止のガードは樹脂で形成される。
また、図10において、グリル扉8は、のぞき窓36を設けずに前面においてグリルガラス39に変えて、耐食性の高いステンレス鋼を用いたグリル正面カバー40を形成し、全面において、空気断熱層もしくは断熱材41によって、断熱性を高めたものである。グリル正面カバー40は、断熱効果を高めるために空気断熱層もしくは断熱材41の厚みを増す必要があり、薄板でも強度のある材質を選択したものである。
また、断熱材の材質や構成によっては樹脂やガラスでも同様の効果が得られるものでもある。
通常シーズヒーター等を用いたグリル装置6の場合、グリル扉8ののぞき窓36の温度は約130〜180℃であり、この温度でも触れている時間によっては十分にやけどをしてしまうものであるが、調理庫11内に排出される過熱水蒸気の温度は約300℃と想定され、このような過熱水蒸気が調理庫11内に充満しており、さらにグリル扉8の温度は高くなることが十分に予測される。
このように人が開閉操作を行うグリル扉8については、特に、温度低減対策が必要である。本実施の形態の構成にすることによって、グリル扉8の高温部に不意に触れることによるやけど等を防止した安全性の高い調理器とすることができる。
(実施の形態6)
図11は、本発明の第6の実施の形態における加熱調理器のグリル装置の詳細を示す断面図である。
図11において、調理用加熱プレート13の上に焼網42を載置し、この焼網42の上に調理物14を載せ、調理用加熱プレート13からの伝熱と過熱水蒸気による対流熱による複合加熱をすることによって、調理に合わせた最適な加熱方式を自由に選択することができるものである。たとえば、調理物14の下に加熱水蒸気を排出することでより調理物全体の温度上昇が均一化されるとともに,特に、蒸し料理等においてもふっくらとした仕上がりにすることができる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、グリル装置を備えた加熱調理器において、使い勝手や調理性能を損なうことなく、グリル装置を内蔵して両面を同時に加熱する構成をとりつつ、より厚みのある調理物を調理することを実現し、清掃性の改善された加熱調理器を実現できるので、グリルの加熱手段やグリル以外の調理機能に係わらず加熱調理器全般に有効である。
1 本体
2 被加熱調理容器
3 天板
4 トップフレーム
5 加熱コイル
6 グリル装置
7 排気筒
8 グリル扉
9 上加熱体
10 下加熱体(グリル加熱コイル)
11 調理庫
12 底板
13 調理用加熱プレート
14 調理物
15 庫内温度検知手段
16 駆動回路
17 分配回路
18 誘導加熱体
19 温度検知手段
20 遮熱ケース
21 空気断熱層
22 断熱材
23 水蒸気発生タンク
24 水蒸気発生加熱体
25 水蒸気発生部
26 水タンク
27 連結ダクト
28 循環ファン(モーター含む)
29 水蒸気ダクト
30 庫内仕切板
31 過熱水蒸気発生部
32 過熱水蒸気ダクト
33 触媒体
34 触媒加熱体
35 流量調整弁
36 のぞき窓
41 空気断熱層もしくは断熱材
42 焼網

Claims (10)

  1. 外郭を構成する本体と、
    被加熱調理容器を載置する天板と、
    前記天板の下方に位置し前記被加熱調理容器を加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルの下方に位置するグリル装置と、
    前記グリル装置の開口を覆い開閉自在に配されたグリル扉と、を備え、
    前記グリル装置は、
    上加熱体と下加熱体を配した両面焼きグリル装置であり、
    調理庫と、前記下加熱体の上方を覆うように設けた底板と、前記底板に載置する調理用加熱プレートを配し、
    前記底板は略平面状態とし、耐熱性および絶縁性の高いガラスで構成するとともに、
    前記下加熱体は、前記本体内に設けられた駆動回路によって高周波出力が供給されて誘導加熱を行う、グリル加熱コイルで構成され、
    前記調理用加熱プレートは、調理物に接触する接触面と前記接触面の隣に形成される油を落とすための溝部を有する波型のプレート形状でありかつアルミ等の熱伝導性の高い材料で形成されるベースと、前記ベースの前記溝部の裏面に接しかつ鉄もしくはステンレス等の透磁率の高い材料の金属で形成され前記ベースと一体に構成される誘導加熱体を有し、前記調理用加熱プレートに直接前記調理物を乗せて調理を行う、加熱調理器であって、前記誘導加熱体は、前記ベースの前記接触面の裏面に接しないように構成され、前記ベースは、前記接触面の裏面の位置が前記溝部の裏面の位置よりも高くなるように構成されることを特徴とする加熱調理器。
  2. 駆動回路は、加熱コイルおよびグリル加熱コイルへ同時に誘導加熱を行うための高周波出
    力を供給するとともに、単独加熱の場合は所定の比率にて分配した高周波出力を供給するように分配回路を配した請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 調理用加熱プレートは非粘着性を有する被膜層を形成した請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 調理用加熱プレートは親水性を有する被膜層を形成した請求項1または2に記載の加熱調理器。
  5. 調理用加熱プレートはセルフクリーニング性を有する被膜層を形成した請求項1または2に記載の加熱調理器。
  6. グリル装置は水蒸気発生タンクと水蒸気発生加熱体から成る水蒸気発生部と、前記水蒸気発生部に水を供給する水タンクと、前記水タンクと前記水蒸気発生部を連結する連結ダクトと、前記水蒸気発生部にて発生した水蒸気を循環させる循環ファンと、前記水蒸気を上加熱体に導く水蒸気ダクトと、上加熱体と調理庫内とを仕切る庫内仕切板を設けた過熱水蒸気発生部と、上加熱体の加熱によって発生した過熱水蒸気を調理庫内に再度導く過熱水蒸気ダクトとを設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 庫内仕切板は穴を設け過熱水蒸気の一部を直接庫内に排出する請求項6に記載の加熱調理器。
  8. グリル扉は、のぞき窓を設けずに全面において空気断熱層もしくは断熱材によって断熱性を高めた請求項6または7に記載の加熱調理器。
  9. 水蒸気ダクトもしくは過熱水蒸気ダクトのどちらか一方のダクト内に触媒体を設けた請求項6〜8のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  10. 触媒体は触媒反応を高めるために専用の触媒加熱体を設けた請求項9に記載の加熱調理器
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