JP5907812B2 - ヒートポンプシステム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機を冷媒循環路に備え、前記圧縮機により冷媒を圧縮して凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出するとともに、前記凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、前記蒸発器で受熱して、前記圧縮機に戻るヒートポンプサイクルを備え、排熱を熱媒として回収して、前記冷媒循環路を流れる冷媒に与える排熱熱交換器を備えたヒートポンプシステム、及びその運転方法に関する。
従来、ガスエンジン等の燃焼機関を駆動源とするヒートポンプシステム(以下、GHPと略称)或いは、電動式モータを駆動源とするヒートポンプシステム(以下、EHPと略称)が知られている。
当該EHPでは、一般的によく知られているように、電動式モータにて駆動される圧縮機にて圧縮されて吐出される冷媒を、凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出すると共に、凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、蒸発器で受熱して、圧縮機に戻すヒートポンプサイクルを備えている。
例えば、外気温度7℃の冬期で暖房運転を定格でする場合、当該EHPにおけるヒートポンプサイクルでは、図6のPH線図に示すように、冷媒が、P1−P2間において圧縮機にて圧縮され、4℃から80℃に昇温し、P2−P3間において凝縮器にて空調用空気と熱交換して室内に温熱を供給して、80℃から40℃へ降温し、P3−P4間において膨張弁にて膨張して、40℃から−5℃へ降温し、P4−P1間において蒸発器にて室外空気と熱交換して温熱を回収して、−5℃から4℃に昇温した後、圧縮機に戻る。
このように、EHPでは、蒸発器において、冷媒が温熱を回収する際、冷媒と空調用空気との温度差を大きくして、温熱を十分に回収するために、蒸発器での冷媒の蒸発温度を十分に下げる(図6に示す例では、P4で−5℃まで下げる)べく、膨張弁3にて冷媒の蒸発圧力を十分に下げる必要がある。しかしながら、蒸発器での冷媒の蒸発温度を下げすぎると、外気温度が低い場合には、蒸発器にてデフロストが発生する問題がある。また、膨張弁3にて、冷媒の蒸発圧力を下げた分だけ、圧縮機の圧縮仕事が増加するため、運転効率が低下するという問題がある。
これに対し、GHPは、例えば、特許文献1に開示の構成のものが知られている。当該特許文献1に開示のGHPを簡略化した構成を、本明細書の図8に示す。
当該GHPは、図8に示すように、紙面左側に示す室内に設けられる室内機110と、紙面右側に示す室外に設けられる室外機120とから成る。そして、暖房運転を行う場合、燃焼機関としてのガスエンジン11にて駆動される圧縮機12により圧縮されて吐出される冷媒を、凝縮器としての室内熱交換器13に送り当該室内熱交換器13で熱を放出すると共に、冷媒を室内熱交換器13から膨張弁14、蒸発器としての室外熱交換器15に送り、室外熱交換器15で受熱して、圧縮機12に戻すヒートポンプサイクルを備えている。
当該ヒートポンプサイクルにおいて、圧縮機12と室外熱交換器15の間には、ガスエンジン11の排熱を回収した熱媒と冷媒とを熱交換する排熱熱交換器16が設けられている。
ここで、室内熱交換器13は、室内機110に内設されており、ガスエンジン11、圧縮機12、膨張弁14、室外熱交換器15、排熱熱交換器16は、室外機120に内設されている。
例えば、外気温度7℃の冬期で暖房運転を定格でする場合、当該GHPにおけるヒートポンプサイクルでは、図7のPH線図に示すように、冷媒が、P1−P2間において圧縮機12にて圧縮され、2℃から80℃まで昇温し、P2−P3間において室内熱交換器13にて空調用空気と熱交換器して室内に温熱を供給して、80℃から40℃へ降温し、P3−P4間において膨張弁14にて膨張され、40℃から2℃まで降温し、P4−P1間において室外熱交換器15にて室外空気と熱交換して温熱を回収した後、排熱熱交換器16にてガスエンジン11の排熱をも回収し、圧縮機12に戻ることとなる。
即ち、特許文献1に示すGHPにあっては、冷媒が、室外熱交換器15にて室外空気から温熱を回収するだけでなく、排熱熱交換器16にてガスエンジン11の排熱をも回収するため、上述したEHPほど、室外熱交換器15における冷媒の蒸発温度を下げなくとも、十分な温熱を回収することができる。図7のPH線図にて説明すると、GHPサイクル(実線)において、膨張弁14の出口(P4)において、EHPサイクル(点線)の−5℃まで下げる必要がなく、2℃まで下げればよい。このため、外気温度が低い場合であっても、室外熱交換器15にてデフロストの発生を抑制することができる。また、図7に示すように、圧縮機12の圧縮仕事をΔWだけ、削減でき、運転効率を高めることができる。
また、GHPのようにガスエンジンで駆動し、GHPシステム自体で排熱が発生可能なシステムでなく、例えば、EHPのようにそれ自体から排熱が発生しないようなシステムであっても、EHP内部に排熱熱交換器を設置し、その近隣に別に設置された太陽熱等の自然エネルギーによる熱や、他の機器からの排熱を供給すれば、同様の効果を実現することが可能である。
尚、本願にあっては、太陽熱等の自然エネルギーによる熱も排熱に含むものとする。
特開2008−286476号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のGHPにおいて、冷媒が室外熱交換器15にて室外空気から熱を得るには、通常、外気温度より10℃〜15℃温度を下げた冷媒蒸発温度(外気5℃なら−10℃程度)となるように、膨張弁14の開度が圧縮機12の吸い込み圧力にリンクする状態で、制御される。
このとき、室外熱交換器15の下流の排熱熱交換器16では、ガスエンジン11の排熱を回収した熱媒(最高で85℃)のすべてが、前述の−10℃程度の冷媒の蒸発に用いられ、大きな温度差で熱交換ができる反面、運転効率の観点では、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排熱を熱媒として回収し、当該熱媒が保有する熱を、圧縮機を備えたヒートポンプサイクルにおいて充分利用して、蒸発器におけるデフロストを適切に抑制しながらも、暖房運転において高い運転効率を実現するヒートポンプシステムを実現することにある。
上記目的を達成するためのヒートポンプシステムは、
圧縮機を冷媒循環路に備え、前記圧縮機により冷媒を圧縮して凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出すると共に、前記凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、前記蒸発器で受熱して、前記圧縮機に戻すヒートポンプサイクルを備え、
排熱を熱媒として回収して、前記冷媒循環路を流れる冷媒に与える排熱熱交換器を備えたヒートポンプシステムであって、その特徴構成は、
前記ヒートポンプサイクルにおいて、前記膨張弁と前記圧縮機との間に前記排熱熱交換器としての第1排熱熱交換器を備えると共に、前記圧縮機と前記凝縮器との間に前記排熱熱交換器としての第2排熱熱交換器を備え、
前記冷媒が、前記圧縮機、前記第2排熱熱交換器、前記凝縮器、前記膨張弁を順に通過した後に、前記蒸発器と前記第1排熱熱交換器とを直列又は並列に通過して前記圧縮機に戻る構成で、
前記圧縮機を回転駆動する駆動力を発生すると共に排熱を発生する燃焼機関を備え、
前記燃焼機関により発生する排熱を回収した熱媒を循環する熱媒循環路を備え、
前記熱媒循環路は、前記熱媒を、前記燃焼機関に導いた後、前記第1排熱熱交換器と前記第2排熱熱交換器とに並列に導くように配設され、
前記熱媒循環路には、前記第1排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量と前記第2排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量との比を調整する流量調整弁が設けられている点にある。
当該ヒートポンプシステムにあっては、燃焼機関から回収した排熱を、従来技術の如く、ヒートポンプサイクルにおいて、膨張弁と圧縮機との間における冷媒の蒸発・過熱のみに利用するのではなく、圧縮機と凝縮器との間の冷媒の蒸発・過熱にも利用する。
即ち、ヒートポンプサイクルにおいて、冷媒は、膨張弁と圧縮機との間において、蒸発器にて温熱を回収すると共に、第1排熱熱交換器により燃焼機関の排熱をも回収するので、このため、外気温度が低い場合であっても、蒸発器におけるデフロストの発生を抑制できる。また、蒸発温度それほど下げる必要がないことから、蒸発圧力もそれほど下げる必要がなくなるため、圧縮機における圧縮仕事を削減でき、運転効率を向上することができる。
更に、本発明のヒートポンプサイクルを循環する冷媒にあっては、圧縮機の出口(圧縮機と凝縮器との間)にて、第2排熱熱交換器により燃焼機関の排熱を回収して過熱可能に構成されている。このため、例えば、安定運転時の蒸発器の出口及び圧縮機の入口の冷媒の乾き度(クオリティ)を1未満とし、蒸発器及び圧縮機に導入される冷媒を気液混相状態とすることができる。これにより、蒸発器の出口及び圧縮機の入口の冷媒の乾き度を1以上とする場合に比べて、冷媒の循環量を増加させる効果も相まって、伝熱性能を高めることができると共に、圧縮機の吸い込み圧力を高めることができる。
結果、凝縮器に導入される冷媒の温度を充分に高くすることができ、その吹き出し温風温度を高めることができ、従来システムで得られる同じ温風温度を低い圧縮比で実現でき、運転効率を向上させることができる。
上記特徴構成によれば、燃焼機関から送り出された高温の熱媒を、第1排熱熱交換器と第2排熱熱交換器との双方に、高温の熱媒を導くことができる。
上記特徴構成によれば、第1排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量と第2排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量との比が調整可能であるので、例えば、第1排熱熱交換器に導く熱媒の流量は、ヒートポンプサイクルにおいて圧縮機の入口での冷媒を気液混相状態とできる程度とし、残りの熱媒を、第2排熱熱交換器に供給できる。
本発明のヒートポンプシステムの更なる特徴構成は、前記圧縮機は、スクロール式圧縮機である点にある。
上記特徴構成によれば、圧縮機をスクロール式圧縮機とすることで、気液混相状態の冷媒を良好に圧縮できる。
本発明のヒートポンプシステムの運転方法の特徴構成は、
ヒートポンプシステムにおいて設定される定格負荷に対応した定格負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードで運転し、
前記定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を過熱状態とする過熱モードで運転可能とする点にある。
上記特徴構成によれば、定格負荷運転においては、圧縮機の入口における冷媒状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードとすることで、圧縮機の入口側の冷媒状態を気液混相状態として、冷媒循環量を増加させ、伝熱性能を高めることができる。また、冷媒を過熱状態にする必要が無いため、圧縮機への吸い込み圧力を高めることができる。しかし、本運転方式では冷凍機油への冷媒の溶解度が増加することによる油膜圧力の低下や液圧縮することによる、圧縮機耐久性のリスクが高まる可能性がある。
一方、定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転においては、冷媒の凝縮圧力が低く、圧縮機の出口の温度も定格負荷運転時より低い(50〜60℃)状態のため、圧縮機の入口における冷媒状態を気液混相状態にせず、通常運転時の過熱度を確保した状態からでも排熱(85℃程度)で加熱する事が可能となり、圧縮機耐久性のリスクを高める事なく、かつシンプルな制御のままで暖房性能を向上する事が可能となる。
もちろん、部分負荷運転時でも定格負荷運転時と同様に気液混相状態から圧縮する場合には、更に暖房性能を向上させる事も可能である。
本発明のヒートポンプシステムの運転方法の更なる特徴構成は、
前記部分負荷運転においては、前記過熱モードと前記気液混相モードとを、選択切替可能である点にある。
更に、上記特徴構成によれば、部分負荷運転においては、過熱モードと気液混相モードとを選択切替に構成しているから、例えば、圧縮機における液圧縮のリスク回避を優先させたい場合には、過熱モードを実行し、運転効率を向上させたい場合には、気液混相モードを実行させることができ、状況に応じたモード選択により、運転の最適化を図ることができる。
上記目的を達成するためのヒートポンプシステムの運転方法は、
圧縮機を冷媒循環路に備え、前記圧縮機により冷媒を圧縮して凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出すると共に、前記凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、前記蒸発器で受熱して、前記圧縮機に戻すヒートポンプサイクルを備え、
排熱を熱媒として回収して、前記冷媒循環路を流れる冷媒に与える排熱熱交換器を備えたヒートポンプシステムの運転方法であって、
前記ヒートポンプサイクルにおいて、前記膨張弁と前記圧縮機との間に前記排熱熱交換器としての第1排熱熱交換器を備えると共に、前記圧縮機と前記凝縮器との間に前記排熱熱交換器としての第2排熱熱交換器を備え、
前記冷媒が、前記圧縮機、前記第2排熱熱交換器、前記凝縮器、前記膨張弁を順に通過した後に、前記蒸発器と前記第1排熱熱交換器とを直列又は並列に通過して前記圧縮機に戻る構成で、
ヒートポンプシステムにおいて設定される定格負荷に対応した定格負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードで運転し、
前記定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を過熱状態とする過熱モードでも運転可能とし、
前記部分負荷運転においては、前記過熱モードと前記気液混相モードとを、選択切替可能である点にある。
当該ヒートポンプシステムの運転方法にあっては、燃焼機関から回収した排熱を、従来技術の如く、ヒートポンプサイクルにおいて、膨張弁と圧縮機との間における冷媒の蒸発・過熱のみに利用するのではなく、圧縮機と凝縮器との間の冷媒の蒸発・過熱にも利用する。
即ち、ヒートポンプサイクルにおいて、冷媒は、膨張弁と圧縮機との間において、蒸発器にて温熱を回収すると共に、第1排熱熱交換器により燃焼機関の排熱をも回収するので、このため、外気温度が低い場合であっても、蒸発器におけるデフロストの発生を抑制できる。また、蒸発温度それほど下げる必要がないことから、蒸発圧力もそれほど下げる必要がなくなるため、圧縮機における圧縮仕事を削減でき、運転効率を向上することができる。
更に、本発明のヒートポンプサイクルを循環する冷媒にあっては、圧縮機の出口(圧縮機と凝縮器との間)にて、第2排熱熱交換器により燃焼機関の排熱を回収して過熱可能に構成されている。このため、例えば、安定運転時の蒸発器の出口及び圧縮機の入口の冷媒の乾き度(クオリティ)を1未満とし、蒸発器及び圧縮機に導入される冷媒を気液混相状態とすることができる。これにより、蒸発器の出口及び圧縮機の入口の冷媒の乾き度を1以上とする場合に比べて、冷媒の循環量を増加させる効果も相まって、伝熱性能を高めることができると共に、圧縮機の吸い込み圧力を高めることができる。
結果、凝縮器に導入される冷媒の温度を充分に高くすることができ、その吹き出し温風温度を高めることができ、従来システムで得られる同じ温風温度を低い圧縮比で実現でき、運転効率を向上させることができる。
更に、上記特徴構成によれば、定格負荷運転においては、圧縮機の入口における冷媒状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードとすることで、圧縮機の入口側の冷媒状態を気液混相状態として、冷媒循環量を増加させ、伝熱性能を高めることができる。また、冷媒を過熱状態にする必要が無いため、圧縮機への吸い込み圧力を高めることができる。しかし、本運転方式では冷凍機油への冷媒の溶解度が増加することによる油膜圧力の低下や液圧縮することによる、圧縮機耐久性のリスクが高まる可能性がある。
一方、定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転においては、冷媒の凝縮圧力が低く、圧縮機の出口の温度も定格負荷運転時より低い(50〜60℃)状態のため、圧縮機の入口における冷媒状態を気液混相状態にせず、通常運転時の過熱度を確保した状態からでも排熱(85℃程度)で加熱する事が可能となり、圧縮機耐久性のリスクを高める事なく、かつシンプルな制御のままで暖房性能を向上する事が可能となる。
もちろん、部分負荷運転時でも定格負荷運転時と同様に気液混相状態から圧縮する場合には、更に暖房性能を向上させる事も可能である。
更に、上記特徴構成によれば、部分負荷運転においては、過熱モードと気液混相モードとを選択切替に構成しているから、例えば、圧縮機における液圧縮のリスク回避を優先させたい場合には、過熱モードを実行し、運転効率を向上させたい場合には、気液混相モードを実行させることができ、状況に応じたモード選択により、運転の最適化を図ることができる。
第1実施形態に係るGHPの概略構成図 第2実施形態に係るGHPの概略構成図 別実施形態に係るGHPの概略構成図 第1実施形態のGHPにおける定格負荷運転時でのPH線図 第1実施形態のGHPにおける部分負荷運転時でのPH線図 排熱を利用しないEHPにおけるPH線図 従来技術のGHPにおけるPH線図 従来技術のGHPの概略構成図
本発明のヒートポンプシステムは、特に、暖房運転時において、デフロストを効果的に抑制しながらも、高い運転効率を発揮すべく、ヒートポンプサイクルにおいて、冷媒へ排熱を与える構成に特徴がある。
以下、図面に基づいて、本願に係るGHPシステム100の構成について、説明する。
〔第1実施形態〕
本発明のガスエンジン11を駆動源とするガスエンジン駆動式のヒートポンプシステム(以下、GHPシステムと略称)100は、図1に示すように、紙面左側に示す室内に設けられる室内機110と、紙面右側に示す室外に設けられる室外機120とから成る。燃焼機関であるガスエンジン11により発生される駆動力により運転される圧縮機12、凝縮器としての室内熱交換器13、膨張弁14、蒸発器としての室外熱交換器15とが、記載順に冷媒循環路L1が設けられている。
そして、冷媒を、圧縮機12により圧縮し、室内熱交換器13に送り、当該室内熱交換器13にて熱を放出させると共に、室内熱交換器13から冷媒を膨張弁14、室外熱交換器15に送り、この室外熱交換器15にて受熱させて、圧縮機12に戻るヒートポンプサイクルが備えられている。従って、エンジン冷却水が本願における熱媒となる。
さらに、ガスエンジン11は、その冷却ジャケット11aと第1排熱熱交換器16及び第2排熱熱交換器17との間でエンジン冷却水(熱媒の一例)が循環される構成が採用されている。具体的には、当該エンジン冷却水をガスエンジン11の冷却ジャケット11aと第1排熱熱交換器16及び第2排熱熱交換器17との間で循環させる冷却水循環路L2と、冷却水循環路L2にてエンジン冷却水を圧送する循環ポンプ19とを備えている。
そして、エンジン冷却水がガスエンジン11にて回収した排熱は、第1排熱熱交換器16及び第2排熱熱交換器17にて、冷媒循環路L1を循環する冷媒に与えることが可能となっている。
説明を加えると、第1実施形態のGHPシステム100にあっては、図1に示すように、冷媒循環路L1の冷媒の通流方向で、圧縮機12と室内熱交換器13との間に第2排熱熱交換器17を備えると共に、室外熱交換器15と圧縮機12との間に第1排熱熱交換器16とを備えている。即ち、冷媒循環路L1において、冷媒が、圧縮機12、第2排熱熱交換器17、室内熱交換器13、膨張弁14、室外熱交換器15、及び第1排熱熱交換器16を、順に循環して圧縮機12に戻る構成が採用されている。
このような構成が採用されている状態において、本発明の冷却水循環路(熱媒循環路の一例)L2は、ガスエンジン11の冷却ジャケット11a、第2排熱熱交換器17、及び第1排熱熱交換器16に、順に冷却水を循環するように配設されている。
これにより、まず、第1に、ガスエンジン11の排熱を回収した直後の高温のエンジン冷却水と、圧縮機12から室内熱交換器13へ導かれる冷媒とが、第2排熱熱交換器17にて熱交換されるので、当該冷媒を充分に高温にして、室内熱交換器13から室内へ送り出される送風温度を充分に高温にできる。
第2に、第2排熱熱交換器17を通過して比較的温度が低下したエンジン冷却水と、室外熱交換器15から圧縮機12へ導かれる冷媒とが、第1排熱熱交換器16にて熱交換されるので、当該冷媒を、特に、GHPシステム100にて設定される定格負荷に対応する定格負荷運転時において、気液混相状態が維持できる状態で、且つ、室外熱交換器15においてデフロストが起きない程度に蒸発・過熱することができる。
本発明においては、運転効率を向上させる観点から、特に、GHPシステム100の定格負荷運転時において、室外熱交換器15の出口、及び圧縮機12の入口において、冷媒を気液混相状態(乾き度が1未満)としている。当該気液混相状態の冷媒を良好に圧縮するには、圧縮機12としてスクロール式圧縮機を採用することが好ましい。
本発明のGHPシステム100には、制御装置18が設けられており、当該制御装置18により、ヒートポンプサイクルの運転状態及び冷却水サイクルの運転状態が制御されている。具体的には、ヒートポンプサイクルに関しては、このサイクルに備えられている圧縮機12の回転速度、膨張弁14の開度、及びガスエンジン11の負荷を制御可能に構成されている。一方、冷却水サイクルに関しては、このサイクルに備えられる循環ポンプ19の回転速度を制御可能に構成されている。
以下、制御の一例を挙げる。冷却水循環路L2には、第1排熱熱交換器16の出口のエンジン冷却水の温度を測定する第1温度センサ21が設けられると共に、第2排熱熱交換器17の出口のエンジン冷却水の温度を測定する第2温度センサ22が設けられる。
制御装置18は、第1排熱熱交換器16の出口のエンジン冷却水の温度に基づいて、ガスエンジン11の負荷を制御する負荷制御手段18aとして働く。当該ガスエンジン11の負荷は、例えば、GHPシステム100の定格負荷運転時に、ヒートポンプサイクルにおいて、室外熱交換器15でデフロストを抑制し、且つ室外熱交換器15の出口及び圧縮機12の入口における冷媒の気液混相状態を維持するように制御される。
また、制御装置18は、第2排熱熱交換器17の出口のエンジン冷却水の温度に基づいて、ガスエンジン11の負荷を制御する負荷制御手段18aとして働く。当該ガスエンジン11の負荷は、ヒートポンプサイクルにおいて室内熱交換器13に導かれる冷媒を所望の温度にするように制御される。
ここで、エンジン冷却水の温度に基づくガスエンジン11の負荷制御について、一例を示すと、エンジン冷却水の温度を上昇させる場合、ガスエンジン11の排熱を増加させるべく、ガスエンジン11の負荷を、低負荷側(定格負荷状態から部分負荷状態)へ移行させる制御を行う。
制御装置18は、比較的高い暖房負荷が要求されるGHPシステム100の定格負荷運転においては、圧縮機12の入口における冷媒状態を気液混相状態とする気液混相モードに制御する。一方、本実施形態では、制御装置18は、定格負荷運転における負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転においては、圧縮機12の入口における冷媒状態を過熱状態とする過熱モードに制御する。
これにより、定格負荷運転においては、室外熱交換器15を流れる冷媒を気液混相状態にでき、冷媒循環量を増加させ伝熱性能を高めることができる。また、圧縮機12の入口での冷媒状態を過熱状態にする必要がないため、圧縮機12の吸込み圧力を高め、運転効率を高めることができる。
一方、部分負荷運転においては、冷媒の凝縮圧力が低く、圧縮機12の出口の温度も低格運転時よりも低い(50〜60℃)状態のため、圧縮機12の入口の冷媒状態を気液混相状態にせず、通常運転時の過熱度を確保した状態からでも、第2排熱熱交換器17にてガスエンジン11の排熱(85℃程度)で加熱することが可能となり、圧縮機12の耐久性のリスクを高める事なく、かつシンプルな制御のままで暖房性能を向上することが可能となる。
次に、図4の本発明の定格負荷運転におけるPH線図と図7の従来技術のPH線図とを用いて、本発明のGHPシステム100の定格負荷運転における運転状態と、従来技術のGHPシステムの運転状態とを比較する。
本発明のGHPシステム100のPH線図に関し、図4に示すように、圧縮機12における冷媒の圧縮をP1−P2で、第2排熱熱交換器17における冷媒の蒸発・過熱をP2−PEで、室内熱交換器13における冷媒の凝縮をPE−P3で、膨張弁14における冷媒の膨張をP3−P4で、室外熱交換器15及び第1排熱熱交換器16による冷媒の蒸発・過熱をP4−P1で示した。
尚、図4のPH線図におけるP1、PE、P2、P3、P4は、図1の概略構成図の冷媒循環路L1におけるP1、PE、P2、P3、P4に対応している。
従来技術のGHPシステムのPH線図に関し、図7に示すように、圧縮機12における冷媒の圧縮をP1−P2で、室内熱交換器13における冷媒の凝縮をP2−P3で、膨張弁14における冷媒の膨張をP3−P4で、室外熱交換器15及び排熱熱交換器16による冷媒の蒸発・過熱をP4−P1で示した。
尚、図7のPH線図におけるP1、P2、P3、P4は、図8の概略構成図の冷媒循環路L1におけるP1、P2、P3、P4に対応している。
ここで、本発明のGHPシステム100に係るPH線図(図4)と、圧縮機12の出口において排熱を利用しない従来技術のGHPシステム(図8に概略構成図を示すシステム)に係るPH線図(図7)とを比較する。まず、従来技術(図7)では、ガスエンジン11の排熱は、排熱熱交換器16(P4−P1)における冷媒の蒸発・過熱にすべて使用されるため、排熱熱交換器16の出口(P1)では、冷媒が気相状態(飽和蒸気線(図4で太点線)の外側)となっている。
一方、本発明(図4)では、ガスエンジン11の排熱は、第2排熱熱交換器17(P2−PE)で使用された残りが、第1排熱熱交換器16(P4−P1)における冷媒に使用されるため、第1排熱熱交換器16にて冷媒に供給される排熱は、従来技術に比べ少なくなる。このため、第1排熱熱交換器16の出口(P1)では、冷媒を気液混相状態(飽和蒸気線(図7で太点線)の内側)に維持できる。
これにより、本発明(図4)の圧縮機12(P1−P2)では、気液混相状態の冷媒を吸い込むように調整でき、吸い込み圧力を高めることができ、従来技術の圧縮機12(P1−P2)に比べ、圧縮仕事を低減できる。
説明を追加すると、本発明(図4)にあっても、従来技術(図7)と同様に、膨張弁14と圧縮機12との間(P4−P1)において、第1排熱熱交換器16により冷媒に排熱を供給しているので、蒸発温度(圧力)を大きく下げなくとも、十分に熱を回収できる。このため、EHP(図4の点線、及び図6)に比べて、室外熱交換器15におけるデフロストは抑制でき、圧縮機12の圧縮仕事を削減できる。
また、本発明(図4)では、冷媒は、圧縮機12の出口(P2)において、40〜50℃程度の気液混相状態であっても、第2排熱熱交換器17(P2−PE)において良好に蒸発・過熱されるので、室内熱交換器13(PE−P3)において、従来技術(図7)の室内熱交換器13(P2−P3)と同様に、充分に熱を供給することができる。
次に、GHPシステム100での部分負荷運転において圧縮機12の入口の冷媒状態を過熱状態とする過熱モードにおける運転状態(図5のPH線図で実線にて示される運転状態)を、GHPシステム100での定格負荷運転において圧縮機12の入口の冷媒状態を過熱状態とする運転状態(図5のPH線図で一点鎖線にて示される運転状態)と比較する形態で、説明する。
部分負荷運転(図5で実線)では、その凝縮圧力(PE−P3間の圧力)が、定格負荷運転(図5で一点鎖線)の凝縮圧力(P2’−P3’間の圧力)よりも低く、圧縮機12の出口の温度(P2での温度)も、定格負荷運転における圧縮機12の出口の温度(P2’の温度)よりも低い(50〜60℃程度)状態のため、圧縮機12の入口(P1)における冷媒状態を、気液混相状態(図5で飽和蒸気圧曲線の内側)にせず、過熱状態(図5で飽和蒸気圧曲線の外側)からでも、第2排熱熱交換器17(P2−PE)によりガスエンジン11の排熱(85℃程度)で加熱する事が可能となり、圧縮器12の耐久性のリスクを高める事なく、かつシンプルな制御のままで、暖房性能を高めることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るGHPシステム100は、ガスエンジン11の排熱を回収したエンジン冷却水を、第1排熱熱交換器16及び第2排熱熱交換器17の夫々に通流させる順序が、第1実施形態と異なる。
以下では、その点を、重点的に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付すこととし、その説明を割愛することがある。
図2に示すように、冷却水循環路(熱媒循環路の一例)L2は、エンジン冷却水(熱媒の一例)を、ガスエンジン11の冷却ジャケット11aに導いた後、第1排熱熱交換器16と第2排熱熱交換器17とに並列に導くように配設されている。
さらに、冷却水循環路L2には、第1排熱熱交換器16に導かれるエンジン冷却水の流量と、第2排熱熱交換器17に導かれるエンジン冷却水の流量との比を調整する流量調整弁20が設けられ、第1排熱熱交換器16の出口におけるエンジン冷却水の温度を測定する第1温度センサ21と、第2排熱熱交換器17の出口におけるエンジン冷却水の温度を測定する第2温度センサ22とが設けられている。
制御装置18は、第1温度センサ21と第2温度センサ22とにより測定されたエンジン冷却水の温度に基づいて、流量調整弁20の弁開度を調整して、第1排熱熱交換器16に導かれるエンジン冷却水の流量と第2排熱熱交換器17に導かれるエンジン冷却水の流量との比を調整し、弁開度制御手段18bとして働く。
具体的には、ヒートポンプサイクルにおいて、室外熱交換器15の出口及び圧縮機12の入口にて、冷媒が、気液混相状態を維持できる程度で、室外熱交換器15のデフロストが抑制できる程度、且つ、第2排熱熱交換器17の出口における冷媒の温度が、その下流の室内熱交換器13にて暖房に必要な熱量を供給できる程度に、流量調整弁20の弁開度を調整する。
尚、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、制御装置18は、エンジン冷却水から冷媒へ供給される熱量を調整すべく、ガスエンジン11の負荷を制御する負荷制御手段18aとして働くように構成することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態、第2実施形態において、第1排熱熱交換器16は、冷媒循環路L1の冷媒の循環方向で、室外熱交換器15の下流側で圧縮機12の上流側に設けている例を示した。
しかしながら、当該第1排熱熱交換器16は、図3に示すように、冷媒循環路L1の冷媒の循環方向で、膨張弁14と圧縮機12との間において、室外熱交換器15と並列に設けても良い。
尚、図3に示す例では、第1排熱熱交換器16は、冷却水循環路L2のエンジン冷却水の循環方向で、第2排熱熱交換器17と直列に配設されていているが、別に並列であっても構わない。
(2)上記第1実施形態、第2実施形態において、本発明のヒートポンプシステムとして、ガスエンジン11で駆動するGHPを例にとって説明したが、別に電動モータで駆動するEHPであっても、EHP内部に排熱熱交換器を設置し、当該排熱熱交換器に対し、その近隣に別に設置された太陽熱等の自然エネルギーによる熱や、他の機器からの排熱を供給することで、上記第1実施形態及び第2実施形態と、同様の効果を実現することが可能である。
(3)上記第1実施形態においては、制御装置18は、GHPシステム100の部分負荷運転において、圧縮機12の入口の冷媒状態を過熱状態とする過熱モードに制御する例を示したが、運転効率を向上させる観点からは、部分負荷運転において、気液混相モードに制御しても構わない。
即ち、制御装置18は、部分負荷運転において、過熱モードと気液混相モードとを選択切替可能に構成されていても構わない。
尚、上記第2実施形態では、特に示さなかったが、上記第2実施形態においても、制御装置18は、定格負荷運転において気液混相モードに制御し、部分負荷運転において過熱モードに制御するように構成しても構わないし、部分負荷運転において、過熱モードと気液混相モードとを選択切替可能に構成されていても構わない。
本発明のヒートポンプシステム及びその運転方法は、排熱を熱媒として回収し、当該熱媒が保有する熱を、圧縮機を備えたヒートポンプサイクルにおいて充分利用して、蒸発器におけるデフロストを適切に抑制しながらも、暖房運転において高い運転効率を実現するヒートポンプシステム及びその運転方法として、有効に利用可能である。
L1 :冷媒循環路
L2 :冷却水循環路(熱媒循環路の一例)
11 :ガスエンジン
12 :圧縮機
13 :凝縮器
14 :膨張弁
15 :蒸発器
16 :第1排熱熱交換器
17 :第2排熱熱交換器
18 :制御装置
20 :流量調整弁
100 :GHPシステム
110 :室内機
120 :室外機

Claims (9)

  1. 圧縮機を冷媒循環路に備え、前記圧縮機により冷媒を圧縮して凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出すると共に、前記凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、前記蒸発器で受熱して、前記圧縮機に戻すヒートポンプサイクルを備え、
    排熱を熱媒として回収して、前記冷媒循環路を流れる冷媒に与える排熱熱交換器を備えたヒートポンプシステムであって、
    前記ヒートポンプサイクルにおいて、前記膨張弁と前記圧縮機との間に前記排熱熱交換器としての第1排熱熱交換器を備えると共に、前記圧縮機と前記凝縮器との間に前記排熱熱交換器としての第2排熱熱交換器を備え、
    前記冷媒が、前記圧縮機、前記第2排熱熱交換器、前記凝縮器、前記膨張弁を順に通過した後に、前記蒸発器と前記第1排熱熱交換器とを直列又は並列に通過して前記圧縮機に戻る構成で、
    前記圧縮機を回転駆動する駆動力を発生すると共に排熱を発生する燃焼機関を備え、
    前記燃焼機関により発生する排熱を回収した熱媒を循環する熱媒循環路を備え、
    前記熱媒循環路は、前記熱媒を、前記燃焼機関に導いた後、前記第1排熱熱交換器と前記第2排熱熱交換器とに並列に導くように配設され、
    前記熱媒循環路には、前記第1排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量と前記第2排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量との比を調整する流量調整弁が設けられているヒートポンプシステム。
  2. 前記圧縮機は、スクロール式圧縮機である請求項1に記載のヒートポンプシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のヒートポンプシステムの運転方法であって、
    ヒートポンプシステムにおいて設定される定格負荷に対応した定格負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードで運転し、
    前記定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を過熱状態とする過熱モードでも運転可能とするヒートポンプシステムの運転方法。
  4. 前記部分負荷運転においては、前記過熱モードと前記気液混相モードとを、選択切替可能である請求項3に記載のヒートポンプシステムの運転方法。
  5. 圧縮機を冷媒循環路に備え、前記圧縮機により冷媒を圧縮して凝縮器に送り当該凝縮器で熱を放出すると共に、前記凝縮器から冷媒を膨張弁、蒸発器に送り、前記蒸発器で受熱して、前記圧縮機に戻すヒートポンプサイクルを備え、
    排熱を熱媒として回収して、前記冷媒循環路を流れる冷媒に与える排熱熱交換器を備えたヒートポンプシステムの運転方法であって、
    前記ヒートポンプサイクルにおいて、前記膨張弁と前記圧縮機との間に前記排熱熱交換器としての第1排熱熱交換器を備えると共に、前記圧縮機と前記凝縮器との間に前記排熱熱交換器としての第2排熱熱交換器を備え、
    前記冷媒が、前記圧縮機、前記第2排熱熱交換器、前記凝縮器、前記膨張弁を順に通過した後に、前記蒸発器と前記第1排熱熱交換器とを直列又は並列に通過して前記圧縮機に戻る構成で、
    ヒートポンプシステムにおいて設定される定格負荷に対応した定格負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を乾き度が1未満の気液混相状態とする気液混相モードで運転し、
    前記定格負荷未満の負荷に対応した部分負荷運転において、前記圧縮機の入口における冷媒の状態を過熱状態とする過熱モードでも運転可能とし、
    前記部分負荷運転においては、前記過熱モードと前記気液混相モードとを、選択切替可能であるヒートポンプシステムの運転方法。
  6. 前記圧縮機を回転駆動する駆動力を発生すると共に排熱を発生する燃焼機関を備え、
    前記燃焼機関により発生する排熱を回収した熱媒を循環する熱媒循環路を備え、
    前記熱媒循環路は、前記燃焼機関、前記第2排熱熱交換器、前記第1排熱熱交換器とに、順に熱媒を循環するように配設されている請求項5に記載のヒートポンプシステムの運転方法。
  7. 前記圧縮機を回転駆動する駆動力を発生すると共に排熱を発生する燃焼機関を備え、
    前記燃焼機関により発生する排熱を回収した熱媒を循環する熱媒循環路を備え、
    前記熱媒循環路は、前記熱媒を、前記燃焼機関に導いた後、前記第1排熱熱交換器と前記第2排熱熱交換器とに並列に導くように配設されている請求項に記載のヒートポンプシステムの運転方法。
  8. 前記熱媒循環路には、前記第1排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量と前記第2排熱熱交換器に導かれる熱媒の流量との比を調整する流量調整弁が設けられている請求項に記載のヒートポンプシステムの運転方法。
  9. 前記圧縮機は、スクロール式圧縮機である請求項5乃至の何れか一項に記載のヒートポンプシステムの運転方法。
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