JP5907340B2 - 淡水製造装置および淡水製造方法 - Google Patents

淡水製造装置および淡水製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば海水を太陽熱と半透膜を用いて浄化し、淡水を製造する装置と淡水製造方法に関するものである。
太陽熱を利用して海水を淡水化する装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。この装置は、ソーラーポンドで海水を加熱した後、フラッシュ蒸発させて得た水蒸気を凝縮することにより淡水を製造するものである。
また、太陽熱と半透膜を利用して淡水を製造する装置も知られている(特許文献2)。この装置は、図5に示すように、太陽光を反射する反射部21と、反射された太陽光の熱を受け、その内部に供給された鉱物油または溶融煙を加熱する集熱部22と、集熱部22により加熱された鉱物油または溶融煙を熱源として、水を蒸発させる蒸気発生器(蒸発部)23と、蒸発した蒸気により駆動される蒸気タービン(タービン部)24と、蒸気タービン24により駆動され発電する発電機(発電部)25と、塩水から淡水を造水する逆浸透膜淡水化装置(淡水生成部)26と、蒸気タービン24を駆動した蒸気の排熱から淡水を造水する多段効用型淡水化装置(淡水生成部)27と、ナツメヤシや小麦などのバイオマスを燃焼させる燃焼炉(燃焼部)28と、から構成されている。
一方、半透膜を介して海水より高濃度の塩溶液を存在させれば、加圧せずとも浸透圧で水をこの塩溶液に移動させることができる。そして、この塩溶液として揮発性物質を溶解させた溶液を用いれば、この塩溶液を蒸留することにより揮発性物質を蒸発、分離させて浄水を得ることができる。揮発性物質としてアンモニアと二酸化炭素の組合せを用いた方法が既に開発されている(特許文献3、4)。
特許文献3の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液を蒸留塔に送って水を得るとともにアンモニアと二酸化炭素と水を含む混合ガスを分離し、この混合ガスを半透膜の元の部屋に返送する方法である。
特許文献4の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液をイオン交換膜や蒸留塔等を用いてアンモニウムイオンと炭酸イオンを個別に分離して浄水を得、分離したアンモニウムイオンと炭酸イオンを溶解して半透膜の元の部屋に戻す方法である。
特開平2−214586号公報 特開2006−341165号公報 米国特許出願公開第2005/0145568A1号明細書 特開2011−83663号公報
特許文献1の方式は、集熱効率が低く、多量の淡水の製造には不向きである。
特許文献2の方式は、熱機関を介して太陽熱を電気に変換する方式であるため変換ロスが生じ、受熱した太陽熱を1とした発電効率は一般に低く、概ね0.1〜0.2程度である。
一方、従来の順浸透法による淡水化は、特許文献3のように、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の全量と、蒸留塔から分離して出てきた二酸化炭素、アンモニア、水からなるガスの全量とを混合することは、蒸留塔に入る水を取り出すための炭酸アンモニウムを含む水溶液中の、二酸化炭素とアンモニアの濃度が上昇することにつながり、これらの濃度が上昇すると水を取り出すためのエネルギーがより多く必要になる。
また、特許文献4にあるように、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の一部を、ガス状に分離したものと混合することは、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液の全量を蒸留することで多くの水を取り出せるのに対して水の取り出し量が減り、かつ、その水溶液の一部を循環させる動力が掛かり、またその水溶液の一部を循環させるための配管が必要となり、構造が複雑になる。
そのため、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液を全量蒸留塔に送入し、蒸留に必要なエネルギーを削減し、また、より多くの水を取り出すとともに、動力や配管を削減して構造を簡易にすることが必要であった。
本発明者は、これを解決する手段として下記の方法と装置を開発し、これを特願2011−238284号として特許出願した。
(1)溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して誘導溶液に移動させる浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を所定の温度に調整した後、蒸留塔に送入し、塔頂部から二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から浄水を得る蒸留工程と、前記ガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する浄水製造方法。
(2)溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液全量を所定の温度に調整する希釈誘導溶液温度調整手段と、前記温度調整手段で所定の温度に調整された希釈誘導溶液を蒸留する蒸留塔と、前記蒸留等の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔底部から得られる二酸化炭素とアンモニアをほとんど含まない浄水の回収手段とを有する浄水製造装置。
上記発明は、薄まった炭酸アンモニウムを含む水溶液から蒸留、分離された、二酸化炭素、アンモニア、水からなるガスをそのまま冷却することにより水溶液状態にし、再利用することを特徴としている。
本発明は、この上記発明を改良し、希釈誘導溶液を効率よく蒸留し、淡水を分離する手段を提供することを目的としている。
本発明はこのような目的でなされたものであり、希釈誘導溶液を蒸留する熱源として、太陽熱を電気に変換することなくそのまま利用することを特徴としている。
すなわち、本発明は、溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留する蒸留塔と、前記蒸留塔の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔部から得られる二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水の回収手段とを有する淡水製造装置であって、前記蒸留塔の加熱手段として、集光装置により集光された太陽エネルギーを利用して水蒸気を生成する蒸気生成器と、前記蒸気生成器で生成した水蒸気を直接前記蒸留塔に供給する手段を設置したことを特徴とする淡水製造装置と、
溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留する蒸留塔と、前記蒸留塔の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔底部から得られる二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水の回収手段とを有する淡水製造装置であって、前記蒸留塔の加熱手段として、集光装置により集光された太陽エネルギーにより熱媒体を加熱する集熱装置と、前記集熱装置で加熱された熱媒体を利用して水蒸気を生成する蒸気生器と、前記蒸気生成器で生成した水蒸気を直接前記蒸留塔に供給する手段を設置したことを特徴とする淡水製造装置と、
溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留塔に送入し、塔頂部から二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水を得る蒸留工程と、前記ガスを冷却し前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する淡水製造方法であって、前記蒸留工程における加熱源として、集光された太陽エネルギーを利用して製造された水蒸気を直接使用することを特徴とする淡水製造方法と、
前記水蒸気が、集光された太陽エネルギーで加熱された熱媒体を利用して製造された水蒸気であることを特徴とする上記に記載の淡水製造方法を提供するものである。
本発明では、太陽熱を熱源とすることで電気に変換して利用する場合のロスを無くし、太陽熱の利用効率が向上する。そのため、逆浸透膜装置を使用する場合に比べ、太陽熱集熱装置の設置面積の省スペース化や省コスト化が図れる。
そして、さらに、希釈誘導溶液から蒸留、分離された、二酸化炭素、アンモニア、水からなるガスをそのまま冷却することにより水溶液状態にして、誘導溶液を再生、再利用することにより、蒸留に必要なエネルギーを削減し、また、より多くの水を取り出すとともに、動力や配管を削減して構造を簡易にすることができる。
また、簡便な方法で誘導溶液の濃度を濃くしたり、薄くしたりすることができ、装置の効率的な運転が可能となった。
本発明の装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の装置の太陽エネルギー利用部の別の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の太陽熱集熱システムの一例を示すブロック図である。 本発明の太陽熱集熱システムの他の一例を示すブロック図である。 従来の装置の構成の一例を示すブロック図である。
本発明で淡水(浄水)を得るのに使用される液体(淡水化対象液)は溶媒が水であればよいが、例示すれば、海水、湖沼水、河川水、工場廃水などである。
順浸透手段
順浸透手段は、淡水化対象液と誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、浸透圧の差によって淡水化対象液中の水をこの半透膜を通して誘導溶液に移動させる手段であり、半透膜装置を用いる。
誘導溶液は、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解して生成する炭酸アンモニウム水溶液である。所定量の下限は、淡水化対象液中の水を半透膜を通過させて誘導溶液まで移動させることができる濃度にする量であり、淡水化対象液の浸透圧と等しくなる塩濃度である。濃度の上限は、アンモニアと二酸化炭素の塩、すなわち、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニウムカルバメート等が半透膜面や、蒸留塔内で析出しないように定められ、これは実験で求めることができる。半透膜面や蒸留塔内に析出物が生じたか否かの確認方法の一つとして長時間運転をして安定稼動可能かどうかで判断する方法がある。アンモニアと二酸化炭素のモル比は1.5〜3程度である。このモル比も半透膜面や蒸留塔内でアンモニアと二酸化炭素の塩が析出しないよう配慮する。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、市販のもの、特に順浸透膜を好ましく使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱形の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に淡水化対象液を流し、他方の室に誘導溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることができる。
淡水化対象液を流す室の入口は淡水化対象液溜(これは海や河川そのものであってもよく、タンク等であってもよい。)に配管接続される。出口側は通常は淡水化対象液溜の放流口に配管接続される。両配管を結ぶ循環ラインを設けて、淡水化対象液を循環させることもできる。
誘導溶液を流す室の入口は冷却再生手段に配管接続され、出口は必要により設けられる希釈誘導溶液温度調節手段に配管接続され、これによって誘導溶液の循環ラインが形成される。
なお、本発明においては、高濃度の誘導溶液を使用するので、塩の析出による配管の詰まりが生ずる可能性があり、これを防止するために、冷却再生手段の出口配管に希釈誘導溶液を通水するための希釈誘導溶液通水手段を設けることが好ましい。
希釈誘導溶液温度調節手段
希釈誘導溶液温度調節手段は、半透膜装置で淡水化対象液から水を抽出して希釈された誘導溶液を所定の温度に調整する手段であり、これは加熱によって行われる。加熱手段は問わないが、系内で発生する熱を有効利用する点で熱交換器を用いるのがよい。熱源としては蒸留塔の塔頂部から得られるガスや塔底部から得られる淡水などの熱を利用することができる。
希釈誘導溶液に対して調整を行う所定の温度とはアンモニアと二酸化炭素の塩が析出しない温度であり、これは実験によって求めることができる。この温度調整は、通常は加熱によって行われる。この加温は、蒸留塔の塔頂から排出される前記ガスと熱交換してその温度を利用して行うことができ、あるいは、蒸留塔の塔底から排出される浄水と熱交換してその温度を利用することもできる。その両者を併用することもでき、あるいは別の熱源を利用することもできる。
希釈誘導溶液温度調節手段は、蒸留塔に配管接続される。
蒸留塔
蒸留塔は公知のものを用いればよく、棚段方式、充填方式等いずれのものであってもよい。蒸留塔下部には加熱器を設け、下部の浄水を熱することにより発生する蒸気を上部から落下してくる希釈誘導溶液と接触させて熱交換させる。加熱器にはリボイラーや熱交換器等を用いることができる。
本発明では、加熱器の熱源に太陽エネルギーを利用する。具体的には、集光装置で直接水を加熱して水蒸気を生成させてもよく、集光装置と蒸気生成器を設けて、集光装置で熱媒体を加熱して蒸気生成器で熱媒体と水を熱交換させて、蒸気を生成させてもよい。
いずれの場合も集光装置は太陽エネルギーの利用に一般的に用いられているものでよく、通常は凹面鏡や樋状の反射鏡の焦点部に加熱管を配置したものや一般にヘリオスタットと呼ばれる、太陽の位置に合わせ数秒間隔で自動追尾する反射鏡群などが用いられる。
熱媒体も太陽エネルギーの利用に一般的に用いられるもので良く、シリコーン油のような熱媒体油、もしくは熱で溶けると水のように流れる炭酸リチウムや炭酸カリウムのような溶融塩などが用いられる。
加熱器の熱源に専ら太陽エネルギーを利用する場合には、熱供給の安定化を図るために蓄熱装置を設けることが望ましいが、補助の加熱器を設け熱供給の安定化を図っても構わない。
いずれにしても、熱源の温度が100℃以上の場合には常圧で蒸留を行えるが、それより低い場合は減圧する必要がある。
冷却再生手段
蒸留塔の塔頂から、希釈誘導溶液温度調節手段を経由して塔頂ガス冷却再生手段に配管接続し、塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却して水溶液状態にする。冷却手段は問わないが、熱交換器を用いることができる。冷却する熱源としては、特に限定されないが、河川水、海水、空気などを用いることができる。
誘導溶液の貯留タンク
誘導溶液の貯留タンクは、冷却再生手段で再生された誘導溶液の受槽であり、かつ予め作製しておいた誘導溶液の貯槽を兼ねることができる。
淡水の回収手段
淡水の回収手段は、蒸留塔の塔底部に溜った二酸化炭素とアンモニアをほとんど含まない浄水を塔底部から引き抜く手段であり、通常はポンプが用いられる。蒸留塔と淡水の貯留タンクに高低差がかなりあり、蒸留塔内が減圧にされていない場合は自然流出を利用することもできる。また、塔底部から抜き出された淡水が若干のアンモニアや二酸化炭素を含んでいる場合には、用途に応じて適宜水処理を実施する。
淡水の貯留タンク
淡水の貯留タンクは、蒸留塔の塔底部から抜き出された淡水の貯槽である。
本発明を適用した淡水製造装置の一例の構成を図1に示す。
図1において、1は半透膜装置の容器であり、内部には半透膜4が収容されている。溶媒が水である液体の例である海水2は容器左側の室に入り、そこで、誘導溶液との浸透圧差で水5は半透膜を通って右側の室に移動し、それによって濃縮された海水3は左側の室から排出される。誘導溶液6は右側の室に入り、半透膜4を通ってきた水で希釈された希釈誘導溶液7は右側の室から出る。
室から出た希釈誘導溶液7は、熱交換器16で熱交換して昇熱され、蒸留塔11に入る。
蒸留塔11内では、この希釈誘導溶液7が蒸留されて、二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガス10が塔頂部から排出される。このガスは前記熱交換器16で熱交換して冷却され、次の熱交換器17でさらに冷却水と熱交換されて誘導溶液6に戻り、ポンプ18を通って半透膜4の容器1内にリサイクルされる。
一方、塔底部からは二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水12が排出され、熱交換器20で冷却水と熱交換されたのちに系外に出される。
太陽エネルギーは集光装置13で集光されて、その加熱管(図示されていない。)内の水を加熱し、その水が蒸気生成器14内で水蒸気となって、蒸留塔11内のリボイラー15に送られる。
図2は、集光装置13で熱媒体を加熱してこれを集熱装置19に送ってその内部の水を加熱し、これを蒸気生成器14内で水蒸気にした例である。
(実施例1)
誘導溶液として炭酸アンモニウムを含む水溶液を用い、アンモニアを8.5Mol/L、二酸化炭素を5.6Mol/Lを含有するものを用いた。残りは全て水であり、半透膜装置の誘導溶液入口の流入量は20kg/hrとした。浄化対象液には塩化ナトリウムを35,000mg/L含有する人工海水を用い、入口の流入量は200kg/hrとした。半透膜を通過して誘導溶液に移動した水の量は100kg/hrであり、誘導溶液で出口から流出する希釈誘導溶液の量は120kg/hrであり、温度は28℃であった。
この希釈誘導溶液を蒸留塔の塔頂部から出てくるガスと熱交換して38℃まで加熱し、蒸留塔上部1段目に注入した。
蒸留塔は30段の棚段方式のものであり、最下段の30段目にリボイラーがある。この30段目の温度を100℃に、そして蒸留塔内の圧力を大気圧状態に設定した。
リボイラーの熱源には、太陽熱を集光し生成した蒸気を用いた。太陽熱の集光には、鏡面の軸方向の断面形状が放物線状である凹面鏡を用い、その焦点部に配置された加熱管内部に水を供給して、集光した太陽熱エネルギーと水とを熱交換することで120℃、20kg/hrの飽和蒸気を生成した。太陽熱の集光に用いた集光装置の有効鏡面積は17.5m2である。本実施例の太陽熱集熱システムを図3に示す。
この状態で蒸留塔の塔底部から出てくる浄水は100kg/hrであり、浄水に含まれる二酸化炭素とアンモニアの濃度は1ppm以下であった。
蒸留塔の塔頂部から出てくるガスは、温度が39℃でモル分率が水0.68、二酸化炭素0.13、アンモニア0.19であった。
このガスを半透膜装置から出てくる希釈誘導溶液と熱交換し、さらに25℃の海水と熱交換して29℃まで冷却し、水溶液状態にして半透膜装置に返送した。
(実施例2)
誘導溶液として炭酸アンモニウムを含む水溶液を用い、アンモニアを8.5Mol/L、二酸化炭素を5.6Mol/Lを含有するものを用いた。残りは全て水であり、半透膜装置の誘導溶液入口の流入量は20kg/hrとした。浄化対象液には塩化ナトリウムを35,000mg/L含有する人工海水を用い、入口の流入量は200kg/hrとした。半透膜を通過して誘導溶液に移動した水の量は100kg/hrであり、誘導溶液で出口から流出する希釈誘導溶液の量は120kg/hrであり、温度は28℃であった。
この希釈誘導溶液を蒸留塔の塔頂部から出てくるガスと熱交換して38℃まで加熱し、蒸留塔上部1段目に注入した。
蒸留塔は30段の棚段方式のものであり、最下段の30段目にリボイラーがある。この30段目の温度を100℃に、そして蒸留塔内の圧力を大気圧状態に設定した。
リボイラーの熱源には、太陽熱を集光し生成した蒸気を用いた。太陽熱の集光には、鏡面の軸方向の断面形状が放物線状である凹面鏡を用い、その焦点部に配置された加熱管内部に熱媒油を供給した。使用した熱媒油はフッ素系の熱媒油で、沸点が350℃である。加熱管内部に供給した熱媒油は、加熱管内を流れる間に加熱管を介して太陽熱と熱交換を行い、集光装置出口で130℃まで加温されたあと、集熱装置に貯槽した。貯槽した熱媒油を蒸気生成器に流通させて水と熱交換することで120℃、20kg/hrの飽和蒸気を生成した。本実施例では、太陽が沈んだ夜間も昼間に蓄熱した太陽熱で蒸気を安定生成可能とするため、有効鏡面積100m2の集光装置を用い太陽エネルギーを集光した。本実施例の太陽熱集熱システムを図4に示す。
この状態で蒸留塔の塔底部から出てくる浄水は、100kg/hrであり、浄水に含まれる二酸化炭素とアンモニアの濃度は1ppm以下であった。
蒸留塔の塔頂部から出てくるガスは、温度が39℃でモル分率が水0.68、二酸化炭素0.13、アンモニア0.19であった。
このガスを半透膜装置から出てくる希釈誘導溶液と熱交換し、さらに25℃の海水と熱交換して29℃まで冷却し、水溶液状態にして半透膜装置に返送した。
本発明により、海水等の淡水化対象液から安定して確実に淡水を得ることができるので、本発明は海水等から淡水を得る方法と装置に広く適用できる。
1 容器
2 海水
3 濃縮された海水
4 半透膜
5 半透膜を通過して移動する水
6 誘導溶液
7 希釈誘導溶液
10 蒸留塔の塔頂部から出てくる二酸化炭素、アンモニア、水からなるガス
11 蒸留塔
12 淡水
13 集光装置
14 蒸気生成器
15 リボイラー
16 熱交換器(希釈誘導溶液温度調整手段)
17 熱交換器
18 ポンプ
19 集熱装置
20 熱交換器

Claims (4)

  1. 溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留する蒸留塔と、前記蒸留塔の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔部から得られる二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水の回収手段とを有する淡水製造装置であって、前記蒸留塔の加熱手段として、集光装置により集光された太陽エネルギーを利用して水蒸気を生成する蒸気生成器と、前記蒸気生成器で生成した水蒸気を直接前記蒸留塔に供給する手段を設置したことを特徴とする淡水製造装置。
  2. 溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透手段と、前記手段で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留する蒸留塔と、前記蒸留塔の塔頂部から得られる二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを冷却し、前記誘導溶液を再生する冷却再生手段と、前記蒸留塔の塔底部から得られる二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水の回収手段とを有する淡水製造装置であって、前記蒸留塔の加熱手段として、集光装置により集光された太陽エネルギーにより加熱された熱媒体を貯留する集熱装置と、前記集熱装置に貯留された熱媒体を利用して水蒸気を生成する蒸気生成と、前記蒸気生成器で生成した水蒸気を直接前記蒸留塔に供給する手段を設置したことを特徴とする淡水製造装置。
  3. 溶媒が水である液体と、所定量のアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した誘導溶液とを半透膜を介して接触させ、前記液体中の水を前記半透膜を通して前記誘導溶液に移動させる順浸透工程と、前記工程で得られる、水で希釈された希釈誘導溶液を蒸留塔に送入し、塔頂部から二酸化炭素、アンモニア、水蒸気からなるガスを得るとともに、塔底部から二酸化炭素とアンモニアを実質的に含まない淡水を得る蒸留工程と、前記ガスを冷却し前記誘導溶液を再生する冷却再生工程とを有する淡水製造方法であって、前記蒸留工程における加熱源として、集光された太陽エネルギーを利用して製造された水蒸気を直接使用することを特徴とする淡水製造方法。
  4. 前記水蒸気が、集光された太陽エネルギーで加熱された熱媒体を利用して製造された水蒸気であることを特徴とする請求項3に記載の淡水製造方法。
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