JP5906695B2 - 不定形シーリング材および目地構造 - Google Patents

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Description

本発明は、不定形シーリング材および目地構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、サイディングボードの目地構造を構成するに際し、ガスケットと組み合わせて用いられる不定形シーリング材に関する。
従来から、建築物の外壁材として、たとえば、モルタル、サイディングボード、軽量気泡コンクリートパネルなどの建材が用いられている。中でも、サイディングボードは、釘やビス、ネジなどの金属製止め具により、建築物の外壁に簡単に貼り付けることができるので、塗工および乾燥に時間を要するモルタル塗工に比べて施工時間を短縮できるという利点を有している。このため、特に個人住宅などの外壁保護には、サイディングボードが広く用いられている。
建築物の外壁には、下地材を介して所定寸法のサイディングボードが縦横共に複数列にわたって貼り付けられ、隣り合うサイディングボード間には、目地(隙間)が設けられる。サイディングボードおよび建築物の劣化を防止するためには、目地に雨水などが流入するのを防止することが重要である。従来、水平方向に延びる横目地の保護には、弾性を有し変形し易い不定形シーリング材が用いられ、鉛直方向に延びる縦目地の保護には、樹脂材料などから成形されたガスケット(定形シール部材)が用いられている。さらに、目地内部に不定形シーリング材を充填し、目地をガスケットで覆い隠す、ガスケットと不定形シーリング材との併用も行なわれている(特許文献1および特許文献2参照)。
不定形シーリング材は、プライマー層を介して、サイディングボードの厚み方向の断面(以下「小口面」とする)および/または下地材の小口面に接着している。しかしながら、プライマー層の塗布むらにより、不定形シーリング材とサイディングボードの小口面および/または下地材の小口面との接着力が低下し、不定形シーリング材の目地からの剥離が発生し易くなる。また、サイディングボードの小口面に塗膜が形成されている場合は、不定形シーリング材に含まれる成分が塗膜に移行する塗膜汚染が起こって塗膜が劣化し易くなる。その結果、サイディングボードの小口面と塗膜との接着力が低下し、不定形シーリング材の目地からの剥離が発生し易くなる。
また、サイディングボードが多孔質材料である場合は、プライマーが小口面からサイディングボード内部に浸透することによって、プライマー層の形成が不十分になり、不定形シーリング材の目地からの剥離が発生する。さらに、不定形シーリング材表面への汚れの付着や、寒暖差などによる目地幅の伸縮に伴う、不定形シーリング材表面でのしわの発生などにより、不定形シーリング材の外観が損なわれ易い。
特許文献3は、主鎖がポリオキシプロピレンであり、分子末端に架橋性シリル基を有する変成シリコーンポリマーと、アミノ基含有シラン化合物などのアミン化合物とからなるシーリング材を記載する。このシーリング材は、硬化触媒を含んでいない。特許文献4は、ポリオキシアルキレンなどを主鎖とし、分子中に少なくとも1個の架橋性シリル基を有する変成シリコーンポリマーと、有機カルボン酸錫などの2価の有機錫化合物と、ジアルキル錫誘導体などの4価の有機錫化合物とを含有し、酸性物質および/または塩基性化合物を含有してもよいシーリング材を記載する。このシーリング材は、弾性復元率が70〜72%と非常に高く、応力緩和性に優れることを特徴としている。しかしながら、これらのシーリング材は、目地からの剥離や外観の汚れ易さといった課題を十分に解決するには至っていない。
特許文献5は、架橋性シリル基を有するポリマーと、架橋性シリル基を有する反応性可塑剤と、光安定剤としてのヒンダードアミン化合物とを含むシーリング材を記載する。さらに、特許文献5は、前記シーリング材に、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤を密着剤として添加することを記載している。しかしながら、特許文献5のシーリング材は、ガラス接着面でのシーリング材の剥離を防止するためのものである。また、特許文献5には、前記シランカップリング剤を含むシーリング材について、具体的な開示はない。
特開平7−076889号公報 特開2000−45408号公報 特開平9−302331号公報 特開2001−247849号公報 特開2009−197177号公報
本発明の目的は、ガスケットと共に目地構造を構成する不定形シーリング材であって、高い耐久性を有し、サイディングボードの小口面や塗装面および下地材の小口面などに対する接着性に優れ、塗料汚染性が低い不定形シーリング材、および目地に対する防水性能に優れた目地構造を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するための研究過程において、ガスケットと共に目地構造を形成し、ガスケットにより日光や雨水などから遮蔽された状態で使用され、光劣化、しわの発生や汚れの付着による外観劣化などを考慮することなく構成できる不定形シーリング材を着想した。すなわち、不定形シーリング材を保護する機能に特化したガスケットと、耐久性や目地幅の変動に対する追従性も含めた、サイディングボードの小口面や塗装面および下地材の小口面に対する接着性などに特化した不定形シーリング材との組み合わせを着想した。そして、このような組み合わせにおいては、不定形シーリング材の諸性能をさらに向上させ得る余地が生じることを、本発明者らは見出した。
このような知見に基づいて、本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、架橋性シリル基含有ポリマー、反応性可塑剤、メルカプトシランおよび硬化触媒を必須成分として用いると共に、弾性復元率を従来の不定形シーリング材よりも顕著に低い7〜35%に調整する構成を見出した。そして、この構成によれば、耐久性、目地の変形に対する追従性をも含めた目地に対する接着性、雨水などに由来する水分の存在下での目地に対する接着性などに顕著に優れ、塗料汚染性が非常に低い不定形シーリング材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る不定形シーリング材(以下特に断らない限り単に「シーリング材」とする)は、目地カバーとしてのガスケットと組み合わせてサイディングボードの目地構造を構成する不定形シーリング材であって、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して、反応性可塑剤55〜170重量部、メルカプトシラン0.5〜12重量部および硬化触媒0.05〜10重量部を含有し、弾性復元率が7%〜35%であり、架橋性シリル基含有ポリマーが、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから選ばれる主鎖骨格と、主鎖骨格の末端および/または側鎖に結合する架橋性シリル基とを有し、架橋性シリル基の数が1分子あたり1.2以上であり、かつ反応性可塑剤が、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから選ばれる主鎖骨格と、主鎖骨格の末端および/または側鎖に結合する架橋性シリル基とを有し、架橋性シリル基の数が1分子あたり0.5以上、1.2未満であることを特徴とする。
本発明のシーリング材は、メルカプトシランの含有量が、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部であることが好ましい
本発明のシーリング材は、アミノシランをさらに含有することが好ましい。
本発明の目地構造は、建築物の外壁に取り付けられた隣り合うサイディングボード間に形成される目地を防水する目地構造であって、目地の内部に充填される上記不定形シーリング材と、目地を覆うように目地に装着されるガスケットとを備えることを特徴とする。
本発明の目地構造は、目地の内部表面にプライマー層を設けることなく、不定形シーリング材を充填することも可能である。
本発明のシーリング材は、ガスケットと共に目地構造を構成するものであり、光劣化や外観劣化はガスケットにより防止できるので、耐久性、目地幅の変動に対する追従性も含めた、サイディングボードの小口面および塗装面や下地材の小口面に対する接着性、塗料汚染性などの向上に特化したものとすることができる。すなわち、本発明のシーリング材は、高い耐久性を有し、プライマーの有無にかかわらず、サイディングボードの小口面および塗装面や下地材の小口面に対する接着性に優れ、水分の存在下においてもサイディングボードの小口面および塗装面や下地材の小口面に対する接着性に優れ、さらに塗料汚染性が低い。
また、本発明の目地構造は、サイディングボード間の目地を長期間にわたって安定的に防水することができ、サイディングボードおよび建築物外壁の劣化を抑制することができる。
ガスケットと本発明の不定形シーリング材とにより構成される目地構造の一実施形態を模式的に示す断面図である。 別形態のガスケットの構成を模式的に示す断面図である。
図1は、ガスケット2と本発明の不定形シーリング材3とにより構成される目地構造1の一実施形態を模式的に示す断面図である。
目地構造1は、互いに平行に離隔するように設けられるパネル10a,10bと、パネル10a,10bと建築物との間に設置される下地材12と、パネル10a,10b間の目地11内部の所定位置に挿入されるバックアップ材13と、目地11におけるバックアップ材13の上に充填される不定形シーリング材3と、目地11の開口部を覆うように装着されるガスケット2とを備えている。本実施形態では、不定形シーリング材3は、パネル10a,10bの小口面および下地材12の小口面に接着しているが、パネル10a,10bの小口面または下地材12の小口面のいずれか一方に接着していてもよい。
パネル10a,10bはサイディングボードであり、所定の寸法(縦×横×厚み)を有し、釘、ビス、ネジ、金具などにより建築物の外壁に貼り付けられている。サイディングボードとしては特に限定されず、たとえば、窯業系、木質系、金属系、合成樹脂系などを使用できる。パネル10a,10bの小口面には塗料が塗布され、塗装面(塗膜)が形成されていてもよい。下地材12としては、たとえば、ポリスチレンなどの樹脂材料、鉄などの金属材料、木質材料などを、たとえば板状に成形したものを使用できる。また、パネル10a,10bの小口面や塗装面および下地材12の小口面の少なくとも1つには、プライマーが塗布されていなくてもよい。
バックアップ材13としては、建築分野において目地構造を構成するために用いられる材料を特に限定なく使用でき、たとえば、樹脂材料、発泡樹脂材料、ゴム材料、発泡ゴム材料などが挙げられる。また、バックアップ材13として、絶縁テープなどを用いてもよい。
ガスケット2は、目地11の開口部を外部から遮蔽する笠部14と、棒状の立体形状を有し、笠部14に対してほぼ垂直になるように設けられる脚部15とを有し、断面視T字状の形状を有している。脚部15は、目地11の内部空間に挿入され、その先端部分はシーリング材3中に埋設されている。なお、脚部15の先端部分はシーリング材3中に埋設されていなくてもよい。本発明では、ガスケット2は、シーリング材3を外部から見えないようにすると共に、シーリング材3を日光などの光から遮る保護機能を有していればよい。したがって、ガスケット2を構成する材料は、従来から使用されているものを適宜選択して使用できる。
ガスケット2を構成する材料の具体例としては、たとえば、シリコーン系、クロロプレン系、エチレン−プロピレン系、エチレン・プロピレン・ジエン系などの加硫ゴム材料、ポリウレタン系、SIS系、変性ポリオレフィン系、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン系などの熱可塑性エラストマー材料、ポリカーボネート、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチック材料、ポリイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチック材料、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属材料、FRPなどの複合材料などが挙げられる。
図2は、別形態のガスケット2aの構成を模式的に示す断面図である。ガスケット2aは、笠部14と脚部15aとからなる断面視略T字状の定型シール部材である。脚部15aは、2枚の板状部材21からなる中空形状の弾性構造体を用い、その中央部適所を連結部材22によって連結した構造である。脚部15aの両側には、目地部分の幅に対してその両端間の幅が略等しいヒレ部20が設けられ、目地11における脚部15aの位置を規定している。
なお、本実施形態では、断面視T字状のガスケット2、2aを用いているが、ガスケットとしては、シーリング材3を外部から見えないようにすると共に、シーリング材3を日光などの光から遮る保護機能を有していれば、その形状および構成材料は特に限定されず、従来から建築分野で用いられている各種ガスケットをいずれも使用できる。
本発明のシーリング材3は、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して、反応性可塑剤55〜170重量部、メルカプトシラン0.5〜12重量部および硬化触媒0.05〜10重量部を含有し、弾性復元率が7%〜35%であることを特徴とする。
本発明では、架橋性シリル基含有ポリマー、反応性可塑剤、メルカプトシランおよび硬化触媒という特定の成分を用い、これら特定の成分の含有量を上記した所定範囲の中から選択するとともに、弾性復元率を7%〜35%という比較的低い範囲に調整する。これにより、高い耐久性を有し、プライマーの有無にかかわらず、サイディングボードの小口面および塗装面や下地材の小口面に対する接着性、水分の存在下におけるサイディングボードの小口面および塗装面や下地材の小口面に対する接着性(以下単に「接着性」とする)および目地幅の伸縮に対する追従性に優れ、塗料汚染性(シーリング材に含有される成分が塗膜に移行しない性質)が非常に低いシーリング材を得ることができる。
本発明のシーリング材は、プライマーを使用しなくても優れた接着性を有しているので、プライマーの塗りむらによる剥離がなくなり、プライマーを塗布する工程を省略することができる。また、本発明のシーリング材は、塗料汚染性が非常に低いので、サイディングボードの小口面に形成されて塗装面を構成する塗膜への可塑剤の移行が抑制され、塗膜の小口面からの剥離を抑制できる。さらに、本発明のシーリング材は、弾性復元率が7%〜35%と比較的低い範囲にもかかわらず、接着性に優れることから、寒暖差や乾燥などによる目地幅の変動に対する追従性にも優れる。
本発明のシーリング材は、このような優れた諸性能を有することから、ガスケットを併用することなく横目地に用いた場合でも、サイディングボード内部への水の流入を抑制することができる。
シーリング材の弾性復元率は、上記したように、通常7%〜35%、好ましくは10〜20%である。弾性復元率を前記範囲とすることにより、寒暖差や乾燥などにより目地幅が拡張した場合でも、シーリング材と目地内壁(サイディングボードの小口面や塗装面および下地材の小口面)との接着界面において、目地内壁にかかるシーリング材の応力を低下させることができる。その結果、シーリング材の目地内壁に対する接着面積が減少しても、シーリング材と目地内壁との接着が保たれ、シーリング材の耐久性および目地幅変動に対する追従性を高水準で維持できる。弾性復元率が7%未満では、シーリング材の耐久性が顕著に低下し、塗料汚染性が大きくなる。また、弾性復元率が35%を超えると、シーリング材の耐久性が顕著に低下する。
本発明のシーリング材に含有される各成分は、具体的には次のとおりである。
架橋性シリル基含有ポリマーとしては、架橋性シリル基を有するポリマーであれば特に限定されないが、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーよりなる群から選ばれる主鎖を有し、主鎖の末端および/または側鎖、好ましくは末端に架橋性シリル基を有し、架橋性シリル基の数が1分子あたり1.2以上であるポリマーが好ましい。
ここで、架橋性シリル基としては、1分子中に少なくとも1個の架橋性基を有するシリル基を意味する。架橋性基としては特に限定されないが、たとえば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。
架橋性シリル基含有ポリマーの数平均分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは8000〜100000、特に好ましくは10000〜60000である。数平均分子量が2000未満の場合、シーリング材の硬化後の弾性復元率が本発明に規定された所定範囲よりも大きくなる傾向がある。一方、数平均分子量の上限は特に限定されないが、シーリング材を調製する際の作業性などを考慮すると、数平均分子量が60000までのものを使用することが好ましい。
また、架橋性シリル基含有ポリマーの架橋性シリル基の数は、1分子あたり、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.2〜4、さらに好ましくは1.5〜2.5である。架橋性シリル基の数が1.2未満では、シーリング材の硬化後の弾性復元率が本発明に規定された所定範囲よりもさらに小さくなる傾向がある。
架橋性シリル基を側鎖および/または末端に有するポリアルキレンエーテルとしては、数平均分子量が8000〜25000のものが好ましい。このようなポリマーは市販されており、たとえば、MSポリマーS810、MSポリマーS−203(いずれも商品名、(株)カネカ製)などのMSポリマーシリーズ、ES−S2410、ES−W2521(いずれも商品名、旭硝子(株)製)などのエクセスター(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
架橋性シリル基を側鎖および/または末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ビニルアルコキシシランおよび(メタ)アクリロキシアルコキシシランから選ばれるシラン化合物とを、連鎖移動剤としてのメルカプトアルコキシランの存在下に、重合させることにより製造できる。重合方法としては、公知のラジカル重合触媒を用いる塊状重合法や溶液重合法、レドックス重合法などが挙げられる。これにより、1分子中の架橋性シリル基の平均個数が1.2〜3個である(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーが得られる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、たとえば、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレートなどが挙げられる。ビニルアルコキシシランとしては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。(メタ)アクリロキシアルコキシシランとしては、たとえば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。メルカプトアルコキシランとしては、たとえば、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。このような製造方法は、たとえば、特公平3−80829号公報に記載されている。
また、架橋性シリル基を側鎖および/または末端に有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステル系化合物およびビニル化合物から選ばれるモノマー化合物と、架橋性シリル基含有ジスルフィド化合物とを、必要に応じて有機溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチル、ジオクチルフタレートなど)中にて光重合(常温乃至50〜60℃で、4〜30時間の光照射)させることによっても製造できる。この製造方法は、たとえば、特公平4−69667号公報に記載されている。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。ビニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチレンなどが挙げられる。架橋性シリル基含有ジスルフィド化合物としては、たとえば、ビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(メチルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(ジメチルメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメチルエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。
反応性可塑剤としては、架橋性シリル基などの反応性基を有する可塑剤であれば特に限定されないが、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーよりなる群から選ばれる主鎖を有し、主鎖の末端および/または側鎖、好ましくは末端に架橋性シリル基を有し、架橋性シリル基の数が1分子あたり0.5以上、1.2未満であるポリマーが好ましい。架橋性シリル基の数は、さらに好ましくは0.5〜1.0である。架橋性シリル基の数が0.5未満では、反応性可塑剤の塗膜移行性が高まり、塗膜汚染性が大きくなる傾向がある。架橋性シリル基の数が1.2以上になると、その反応性減粘剤および可塑剤としての効果が不十分になる傾向がある。
ここで、反応性可塑剤として用いられる、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレンエーテルおよび架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、主に、非移行性の反応性減粘剤および可塑剤として機能する。これらのポリマーにおける架橋性シリル基としては、上記した架橋性シリル基含有ポリマーが有する架橋性シリル基と同じものが挙げられる。
架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレンエーテルおよび架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーの数平均分子量は特に限定されないが、好ましくは300以上、12000未満、より好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜10000である。数平均分子量が12000以上である場合には、その反応性減粘剤および可塑剤としての効果が不十分になる傾向がある。
反応性可塑剤の主鎖となるポリオキシアルキレンエーテルは、たとえば、1官能の開始剤の存在下でアルキレンオキシドを開環重合させることにより合成される。1官能の開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、炭素数1〜20の脂肪族、脂環族および芳香族のアルコール、チオアルコール、2級アミン、カルボン酸などが挙げられる。さらに、得られたポリオキシアルキレンエーテルの末端および/または側鎖の水酸基を架橋性シリル基に置換することにより、反応性可塑剤として使用される、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレンエーテル得ることができる。
反応性可塑剤として使用される、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレンエーテルは、たとえば、特開平05−059267号公報などに記載されている。また、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレンエーテルは市販されており、たとえば、S−1000、S−1000N(いずれも商品名、旭硝子(株)製)などが挙げられる。
また、反応性可塑剤として使用される、架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、架橋性シリル基含有ポリマーの項で例示した製造方法において、架橋性シリル基を有する各化合物(ビニルアルコキシシラン、(メタ)アクリロキシアルコキシシラン、架橋性シリル基含有ジスルフィド化合物など)の使用量を適宜変更することにより得ることができる。
本発明のシーリング材における反応性可塑剤の含有量は、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して、55重量部〜170重量部であり、好ましくは80重量部〜160重量部である。反応性可塑剤の含有量が55重量部未満では、シーリング材の耐久性が低下する傾向がある。反応性可塑剤の含有量が170重量部を超えると、シーリング材の塗料汚染性が大きくなり、耐久性が低下する傾向がある。
メルカプトシランとしては、メルカプト基を有するシラン化合物であれば特に限定されないが、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルエトキシシランなどが挙げられる。メルカプトシランとしては市販品も使用でき、たとえば、KBM803(商品名、信越化学工業(株)製)、Z−6062(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)、Z−6911(商品名、東レ・ダウコーニング(株)製)、M8450(商品名:チッソ(株)製)などが挙げられる。メルカプトシランは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のシーリング材におけるメルカプトシランの含有量は、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して0.5重量部〜12重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。メルカプトシランの含有量が0.5重量部未満では、シーリング材の耐水接着性が低下する傾向がある。メルカプトシランの含有量が12重量部を超えると、シーリング材の弾性復元率が所定範囲よりも大きくなり、さらにシーリング材の硬化遅延が起こり、作業性が低下する傾向がある。
硬化触媒としては、スズ金属触媒、非スズ金属触媒などを使用できる。スズ金属触媒としては、たとえば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、ジオクチル酸錫、ジステアリン酸錫、ジナフテン酸錫などの錫カルボン酸塩類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレエート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ビスエトキシシリケート、ジオクチル錫オキシドなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合物による反応混合物、およびこれらジアルキル錫オキシド誘導体のオキシ誘導体などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体などが挙げられる。また、非スズ金属触媒としては、たとえば、オクチル酸やオレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカルボン酸成分とするカルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類などが挙げられる。これらの中でも、スズ金属触媒が好ましい。硬化触媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のシーリング材における硬化触媒の含有量は、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して0.05重量部〜10重量部であり、好ましくは0.1重量部〜5重量部である。硬化触媒の含有量が0.05重量部未満では、シーリング材の硬化性が低下する傾向がある。硬化触媒の含有量が10重量部を超えると、シーリング材の打設時の作業性などが低下する傾向がある。
本発明のシーリング材は、上記必須成分の他に、アミノシランを含有していてもよい。アミノシランとしては、分子内に少なくとも1つのアミノ基を有するシラン化合物であれば特に限定されないが、たとえば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メチルジメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−メチルジエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデンプロピルアミン、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。アミノシランは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のシーリング材におけるアミノシランの含有量は、架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは1重量部〜10重量部である。アミノシランの含有量が12重量部を超えると、シーリング材の弾性復元率が所定範囲よりも大きくなる傾向がある。
本発明のシーリング材は、その好ましい特性を損なわない範囲で、各種添加剤から選ばれる1種または2種以上を含むことができる。添加剤としては、従来からシーリング材の分野で用いられている添加剤をいずれも使用でき、たとえば、充填剤、ビニルシラン、エチルシリケート[Si(OC254]、可塑剤、着色剤、有機溶剤、老化防止剤、水分補給剤、紫外線吸収剤および光安定剤、酸化防止剤、揺変剤などが挙げられる。
充填剤としては、たとえば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、脂肪酸処理炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、雲母、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛などの無機塩類、ガラスビーズ、シラスバルーン,ガラスバルーン,シリカバルーン,プラスチックバルーンなどのバルーン、ガラス繊維,金属繊維などの無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、グラファイト、針状結晶性炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、クリソタイル、ワラストナイトなどの針状結晶性充填剤などが挙げられる。
ビニルシランとしては、分子内に少なくとも1つのビニル基を有するシラン化合物であれば特に限定されないが、たとえば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランなどが挙げられる。ビニルシランは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
可塑剤は、本発明シーリング材の優れた塗料汚染性に影響を及ぼさない程度で用いられる。可塑剤としては、たとえば、フタル酸ジエステル類(ジイソノニルフタレートなど)、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジエステル類、アルキレンジカルボン酸ジエステル類、アルキルベンゼン類などが挙げられる。着色剤としては、たとえば、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラックその他の着色顔料、染料などが挙げられる。有機溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、リグロイン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ヘプタンや、イソパラフィン系高沸点溶剤などが挙げられる。なお、メタノールおよびエタノールは安定剤としても使用できる。
老化防止剤としては、たとえば、ヒンダードフェノール類、メルカプタン類、スルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、チオアルデヒド類などが挙げられる。水分補給剤としては、たとえば、水、無機塩類の水和物などが挙げられる。紫外線吸収剤および光安定剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。酸化防止剤としては、たとえば、ヒンダードフェノール類などが挙げられる。揺変剤としては、たとえば、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド、水添ひまし油などが挙げられる。
これらの添加剤は、それぞれ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の不定形シーリング材は、たとえば、上記した各必須成分(硬化触媒を除く)および必要に応じて上記した添加剤(顔料を除く)を混合し、得られた混合物を減圧脱気し、脱気後の混合物に硬化触媒および必要に応じて顔料を添加してさらに混合することにより得ることができる。こうして得られる本発明の不定形シーリング材は、ガスケットと共に用いられ、建築物におけるサイディングボードの目地構造を形成する。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、本実施例で用いた各成分は、次の通りである。
合成炭酸カルシウム(商品名:白艶華CCR−B、白石カルシウム(株)製)
重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)
変成シリコーンポリマー(商品名:ES−S2410、数平均分子量:17000、架橋性シリル基の数:1分子あたり2個、旭硝子(株)製)
反応性可塑剤(商品名:S−1000N、数平均分子量:8500、架橋性シリル基の数:1分子あたり0.7個、旭硝子(株)製)
ビニルシラン(商品名:Dynasylan VTMO、ビニルトリメトキシシラン、エボニックデグサジャパン(株)製)
エチルシリケート(商品名:Dynasylan A、エボニックデグサジャパン(株)製)
アミノシラン(商品名:KBM−603、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
メルカプトシラン(商品名:KBM−803、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(HSC36Si(OCH33)、信越化学工業(株)製)
酸化チタン(顔料、商品名:NV−9−1057、日本ピグメント(株)製)
錫触媒(商品名:エクセスターC−501、旭硝子(株)製)
また、本実施例における試験方法は、次の通りである。
〔耐久性試験〕
JIS A 1439:2010「建築用シーリング材の試験方法、5.17.2耐久性試験」に準拠して、シーリング材からなるH型試験体を作製し、23℃±2℃、50℃±5℃で14日間および50℃で7日間養生した。さらに、前記H型試験体を23℃で1日間保存した後、耐久性区分(8020;耐熱温度80℃、±20%の伸縮試験)の試験サイクル(50℃温水に1日間浸漬、23℃で1日間保存、80℃の温度下に20%圧縮を7日間、23℃で1日間保存、−10℃の温度下に20%伸長を1日間、および23℃で1日間保存)を2サイクル行った。その後、23℃で1分間に5回の速度で、20%圧縮(最小圧縮幅9.6mm)と20%伸長(最大伸長幅14.4mm)とを繰り返し、計2000回行った。試験後のシーリング材を下記の基準で目視評価した。
○:亀裂、剥離、溶解および膨潤といった明確な異常の発生が認められない。
×:亀裂、剥離、溶解および膨潤といった明確な異常の少なくとも1つの発生が認められる。
耐久性区分を8030(耐熱温度80℃、±30%の伸縮試験)に変更する以外は、上記と同様にして耐久性試験を実施し、上記と同様の基準で目視評価した。
〔耐水接着性試験(プライマーなし)〕
ポリスチレンからなる被着体を溶剤清拭後、その被着面にシーリング材(100mm×20mm×5mm)を打設する。この試験体を、20℃×3日+50℃×3日養生する。その後、20℃水中に7日間浸漬する。水中から取り出した試験体を20℃・60%RH条件下に24時間放置後、シーリング材を180°の方向に手で引っ張り破壊界面を確認する。評価基準は次の通りである。
○;CF(凝集破壊)および/またはTCF(薄層凝集破壊)が発生した面積が、被着面とシーリング材との接着面全体の100%である。
△;CFおよび/またはTCFが発生した面積が、被着面とシーリング材との接着面全体の80%以上、100%未満である。
×;CFおよび/またはTCFが発生した面積が、被着面とシーリング材との接着面全体の80%未満である。
〔耐水接着性試験(プライマー有り)〕
窯業系サイディングボード(被着体、商品名:モエンエクセラード、ニチハ(株)製)を溶剤清拭後、被着面にポリウレタン系プライマー(商品名:US−3、サンスター技研(株)製)を塗布し30分間室温に放置する。次に、シーリング材(100mm×20mm×5mm)を打設する。この試験体を、20℃×3日+50℃×3日養生する。その後、20℃水中に7日間浸漬する。水中から取り出した試験体を20℃・60%RH条件下に24時間放置後、シーリング材を180°の方向に手で引っ張り破壊界面を確認する。評価基準は、耐水接着性試験(プライマーなし)と同じである。
〔塗料汚染性試験〕
フレキシブル板の表面を刷毛にて清掃した後、シーリング材を縦40mm×横40mm×厚み10mmで打設し、さらにシーリング材層の表面にシリコーン系塗料(商品名:水系ファインコートシリコーン、菊水化学工業(株)製)を300g/m2の割合で塗布した。得られた試料を23℃で7日間養生し、50℃で14日間放置し、さらに室温で1時間放置した。試料のシリコーン系塗料の塗装面に鹿児島県産火山灰(50メッシュ篩い残分)10gを振り掛け、試料のフレキシブル板部分の小口面を軽く床に叩き付けた後、塗装面の火山灰付着状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:火山灰の付着面積が塗装面全面の30%未満である。
△:火山灰の付着面積が塗装面全面の30〜60%である。
×:火山灰の付着面積が塗装面全面の60%を超える。
〔弾性復元試験〕
JIS A 1439:2010「5.2弾性復元試験」に準拠して、弾性復元試験を実施した。
(実施例1〜7および比較例1〜3)
表1に示す割合(重量部)で、合成炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、変成シリコーンポリマー、反応性可塑剤、ビニルシラン、エチルシリケート、アミノシラン、メルカプトシランおよびメタノールを、加熱装置および減圧装置を備えるプラネタリーミキサー(遊星式撹拌混合機)に仕込んで30分間撹拌し、次いで真空減圧下、60℃で1時間混合撹拌した。得られた混合物を室温に冷却した後、この混合物に、表1に示す割合(重量部)で酸化チタンおよび錫触媒を加え、真空減圧下、10分間混合撹拌し、実施例1〜7および比較例1〜3の不定形シーリング材を製造した。
(比較例4)
市販の1成分型変成シリコーン系シーリング材(商品名:ペンギンシール2550LM、サンスター技研(株)製)を用いた。
(比較例5)
市販の2成分型変成シリコーン系シーリング材(商品名:ペンギンシール2570、サンスター技研(株)製)を用いた。
実施例1〜7および比較例1〜5のシーリング材を、上記の耐久性試験、耐水接着性試験(プライマーなしおよびプライマーあり)、塗料汚染性試験および弾性復元試験に供し、その性能を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005906695
表1から、本発明のシーリング材が、所定量の、変成シリコーンポリマー、反応性可塑剤、メルカプトシランおよび硬化触媒を含み、その弾性復元率が7〜35%であることにより、耐久性および耐水接着性に優れ、塗料汚染性が低いことが判る。また、比較例1および2から、前記4成分を含有していても、弾性復元率が5%または40%の場合には、耐久性の低下が著しいことが判る。また、比較例3から、弾性復元率が15%であっても、メルカプトシランを含有しない場合には、プライマーを塗布しない耐水接着性が顕著に低下することが判る。
1 目地構造
2、2a ガスケット
3 不定形シーリング材
10a,10b パネル
11 目地
12 下地材
13 バックアップ材
14 笠部
15,15a 脚部
20 ヒレ部
21 板状部材
22 連結部材

Claims (5)

  1. 目地カバーとしてのガスケットと組み合わせてサイディングボードの目地構造を構成する不定形シーリング材であって、
    架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して、反応性可塑剤55〜170重量部、メルカプトシラン0.5〜12重量部および硬化触媒0.05〜10重量部を含有し、弾性復元率が7%〜35%であり、
    前記架橋性シリル基含有ポリマーが、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから選ばれる主鎖骨格と、前記主鎖骨格の末端および/または側鎖に結合する架橋性シリル基とを有し、前記架橋性シリル基の数が1分子あたり1.2以上であり、かつ
    前記反応性可塑剤が、ポリオキシアルキレンエーテルおよび(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから選ばれる主鎖骨格と、前記主鎖骨格の末端および/または側鎖に結合する架橋性シリル基とを有し、前記架橋性シリル基の数が1分子あたり0.5以上、1.2未満である不定形シーリング材。
  2. 前記メルカプトシランの含有量が、前記架橋性シリル基含有ポリマー100重量部に対して0.5〜10重量部である請求項1に記載の不定形シーリング材。
  3. アミノシランをさらに含有する請求項1または2に記載の不定形シーリング材。
  4. 建築物の外壁に取り付けられた隣り合うサイディングボード間に形成される目地を防水する目地構造であって、
    前記目地の内部に充填される請求項1〜のいずれか1項に記載の不定形シーリング材と、前記目地を覆うように前記目地に装着されるガスケットとを備える目地構造。
  5. 前記目地の内部表面にプライマー層を設けることなく、前記不定形シーリング材が充填されている請求項に記載の目地構造。
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