JP5905305B2 - 照射光量制御装置及びソーラシミュレータ - Google Patents

照射光量制御装置及びソーラシミュレータ Download PDF

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Description

本発明は、照射光の減光機能を有する照射光量制御装置及びソーラシミュレータに関する。
例えば太陽電池パネル等の太陽光エネルギを利用する照射対象に対して、発生させた疑似太陽光を照射して光電変換特性の測定を行う、又は劣化特性試験を行うためのソーラシミュレータは公知である。
この種のソーラシミュレータにおいて、照射光量を変化(減光)させる最も一般的な方法は、装置内で使用している光源(多くの場合、放電ランプ)の駆動電力を変える(低減する)方法である。しかしながら、このように駆動電力を変化させると、照射面内の均一性についてはさほど変化しないが、光源自体の発光特性が変わるため、照射光のスペクトル分布が大きく変化してしまう。
駆動電力を変えることなく、照射光の均一性を高めるための素子であるインテグレータ(インテグレータ光学系)の手前に機械的減光フィルタを挿入して減光する方法も存在する。しかしながら、この場合、インテグレータへ入射する光の入射角が乱れるため、照射光の面内の均一性が悪くなるという問題を有していた。特に、機械的減光フィルタの減光率が大きくなる(例えば、透過率50%以下)と、その値に応じてインテグレータに入射する光線に、回折による色収差が発生し、インテグレータを通過した後の照射光のスペクトル分布及び面内均一性が大幅に変化してしまうという不都合があった。
特許文献1には、光源部又はインテグレータから照射された光を、フィルタ用枠に取り付けられた金属線又は樹脂線からなるメッシュフィルタ、金属等からなる遮光フィルタ、色ガラスフィルタ等によって構成される機械的減光フィルタを通すことにより、光均一性を向上させようとするソーラシミュレータが開示されている。
特開2007−311085号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような照射光量の減光方法によっても、照射光のスペクトル分布及び面内均一性にかなりの変化が生じるという問題が発生し、さらに、機械的減光フィルタの構成が特殊であるためにコストが増大する。
従って本発明の目的は、照射光のスペクトル分布及び面内均一性がほとんど変化しない照射光量制御装置及びソーラシミュレータを提供することにある。
本発明の他の目的は、製造コストが安価である照射光量制御装置及びソーラシミュレータを提供することにある。
本発明によれば、光源からの光束の一部を遮断して減光する機械的減光フィルタと、この機械的減光フィルタの光出射側に設けられており光学的に均一な分布の光を作成するインテグレータ素子と、機械的減光フィルタ及びインテグレータ素子間に挿入されており光拡散機能及び光の高次回折光成分遮断機能を有する光拡散素子とを備えた照射光量制御装置が提供される。
本発明によれば、さらに、光源と、光源の光を反射する反射鏡と、上述の照射光量制御装置と、インテグレータ素子の光出射側に設けられており入射光を平行光に変換するコリメータレンズ素子とを備えたソーラシミュレータが提供される。
機械的減光フィルタを用いることによりインテグレータ素子に入射する光量を任意に減少(変化)させることができる。その場合、インテグレータ素子の手前に光拡散機能及び光の高次回折光成分遮断機能を有する光拡散素子を挿入することにより、機械的減光フィルタの通過光を拡散させると共に高次回折光を遮断してインテグレータ素子に入射させているので、色ムラの発生や、貫通孔径のイメージ結像の発生を防止することができる。例えば、機械的減光フィルタが遮光板に複数の貫通孔を設けたパンチング式減光フィルタである場合に、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、各貫通孔を通過する際の回折により互いに干渉して色ムラが生じたり、貫通孔径のイメージ結像が発生したりすることがなくなる。また、機械的減光フィルタが可変絞りを有する絞り式減光フィルタである場合にも、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、絞り径が小さくした際の回折により色ムラが生じたりすることがなくなる。さらにまた、機械的減光フィルタが遮光板に単一の貫通孔を設けたリング式減光フィルタである場合に、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、リング径が小さい際の回折により色ムラが生じたりすることがなくなる。
光拡散素子が、光拡散機能と高次回折光遮断機能とを有する光学素子であることが好ましい。
インテグレータ素子が、複数のレンズにより生成した多数の光源像を位置ずれさせて重畳することにより均一な光分布を作成する複眼レンズ式のインテグレータ素子であることが好ましい。
光拡散素子とインテグレータ素子との距離が可変であることも好ましい。この距離を変化させることにより、インテグレータ素子に入射される光量が微小変化し、その結果、減光率の微調が可能となる。
機械的減光フィルタが、遮光板に複数の貫通孔を設けたパンチング式減光フィルタであるか、可変絞りを有する絞り式減光フィルタであるか、又は遮光板に単一の貫通孔を設けたリング式減光フィルタであることも好ましい。
本発明によれば、機械的減光フィルタを用いることによりインテグレータ素子に入射する光量を減少(変化)させることができる。その場合、インテグレータ素子の手前に光拡散素子を挿入することにより、機械的減光フィルタの通過光を拡散させると共に高次回折光を遮断してインテグレータ素子に入射させているので、色ムラの発生や、貫通孔径のイメージ結像の発生を防止することができる。例えば、機械的減光フィルタがパンチング式減光フィルタである場合に、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、各貫通孔を通過する際の回折により互いに干渉して色ムラが生じたり、貫通孔径のイメージ結像が発生したりすることがなくなる。また、機械的減光フィルタが絞り式減光フィルタである場合に、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、絞り径が小さくした際の回折により色ムラが生じたりすることがなくなる。さらにまた、機械的減光フィルタがリング式減光フィルタである場合に、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子に入るので、リング径が小さい際の回折により色ムラが生じたりすることがなくなる。
本発明のソーラシミュレータの一実施形態における構成を概略的に示す図である。 図1のソーラシミュレータの照射光量制御装置部分の構成を概略的に示す図である。 図2の一部の拡大図である。 光拡散素子を移動してインテグレータ素子との距離を変化させた実験の装置構成例を説明する図である。 インテグレータ素子の1つのレンズにおける一般的な動作概念を説明する図である。 図1のソーラシミュレータにおいて機械的減光フィルタを挿入した場合のインテグレータ素子の作用を説明する図である。 図1のソーラシミュレータの一例において、照度測定条件を説明する図である。 機械的減光フィルタ及び光拡散素子を挿入しない非減光時のソーラシミュレータの照射光のスペクトル分布特性の測定結果を表すグラフである。 機械的減光フィルタのみを挿入した減光時のソーラシミュレータの照射光のスペクトル分布特性の測定結果を表すグラフである。 機械的減光フィルタ及び光拡散素子を挿入した減光時のソーラシミュレータの照射光のスペクトル分布特性の測定結果を表すグラフである。 ソーラシミュレータの照射光のスペクトル分布特性の測定結果を表すグラフである。 本発明のソーラシミュレータの他の実施形態における照射光量制御装置部分の構成を概略的に示す図である。 図12の一部の拡大図である。 本発明のソーラシミュレータのさらに他の実施形態における照射光量制御装置部分の構成を概略的に示す図である。 図14の一部の拡大図である。 ソーラシミュレータの一例の構成を概略的に示す図である。
図1は本発明のソーラシミュレータの一実施形態における構成を概略的に示しており、図2はその照射光量制御装置部分の構成を概略的に示しており、図3は図2の一部を拡大して示している。
図1において、10は例えばキセノン放電ランプ等から構成される光源、11は光源10の後方及び周囲に配置された例えば楕円又は放物線状の軸断面を有する光源反射鏡、12は光源10からの直接光及び光源反射鏡11による反射光が入射され、これをほぼ垂直方向に反射する、例えばアルミニウム製の第1の平面反射鏡、13は第1の平面反射鏡12からの反射光が入射される機械的減光フィルタ、14は機械的減光フィルタ13の出射光が入射される光拡散素子、15は光拡散素子14の出射光が入射されるインテグレータ素子、16はインテグレータ素子15の出射光が入射され、これをほぼ垂直方向に反射する、例えばアルミニウム製の第2の平面反射鏡、17は第2の平面反射鏡16からの反射光が入射され、この光を平行光に変換するコリメーションレンズ、18はコリメーションレンズ17の出射光が入射される、例えば太陽電池セル表面である照射面をそれぞれ示している。
図2及び図3に示すように、機械的減光フィルタ13、光拡散素子14及びインテグレータ素子15が、本発明の照射光量制御装置を構成している。
機械的減光フィルタ13は、光量調整用の複数の小さな開口(貫通孔13b)を有する遮光板であり、空間的に光の透過する面積を調整することにより、出射する光の絶対量を変化させるものである。この機械的減光フィルタ13は、本実施形態においては、遮光板13aに複数の貫通孔13bを設けたパンチング式減光フィルタで構成されている。より詳しくは、このパンチング式減光フィルタは、縦横が90mm×70mm、厚さが1〜2mm程度のステンレス鋼板又はアルミニウム板に複数の丸孔が千鳥状に開口したものを使用する。特に、光を遮断する部分(非開口部)ができるだけ散乱しているものを使用する。本実施形態においては、具体的には、株式会社パンチングセンターの60°千鳥における所望の減光率を有するパンチングメタルを用いている。この60°千鳥のパンチングメタルは、隣接する3つの丸い貫通孔の中心間を結ぶ3つの線のなす角が60°となるように千鳥状に配列されたものである。
インテグレータ素子15は、複眼レンズ(フライアイレンズ)式のインテグレータ光学系であり、この技術分野では周知の光学素子である。このインテグレータ光学系は、複数のレンズにより生成した多数の光源像を位置ずれさせて重畳することにより均一な光分布を作成するように構成されている。
光拡散素子14は、本来の光拡散機能(光減衰機能でもある)と、高次回折光遮断機能とを有する素子である。即ち、この光拡散素子14が備えた光学的周波数帯域遮断特性により、機械的減光フィルタ13からの入射光が有する空間周波数分布のうち高次回折光成分を遮断し、低周波成分のみを透過させることができる。また、光の単なる拡散ではなく、屈折を応用した円形の拡散特性を有しており、大きなダイナミックレンジで光の減衰を調整できかつ約96%と高い透過率を有するように構成されている。
機械的減光フィルタ13の個々の開口径がインテグレータ素子15の個々のレンズの径に比較して小さくなってくると、機械的減光フィルタ13の開口の縁部付近で回折光現象が発生し、これにより光源からの白色光がスペクトル的に分離して光の分散が生じる。光拡散素子14が設けられていない場合、この回折により分離されたスペクトル成分が、インテグレータ素子15の複眼レンズにスペクトル毎に異なる角度で入射することとなる。複眼レンズ内を導波する光は全反射を繰り返して出射方向に導かれるが、光の波長の相違により複眼レンズに入射する角度が互いに異なると、複眼レンズを出る時の角度が異なることとなり、平行な光を作り出せず色収差が生じてしまう。このように色収差により非平行となった光がインテグレータ素子15から出射され、これがコリメーションレンズ17においても平行光に補正されず、結果として、太陽光に近似したスペクトルを照射することができなくなる。
これに対して、本実施形態のごとく、機械的減光フィルタ13とインテグレータ素子15との間に、光を単に拡散するだけではなく高次回折光遮断フィルタとしても機能する光拡散素子14が設けられることにより、機械的減光フィルタ13の開口の縁部付近で発生する高次回折光により生起される色収差を除去することが可能となる。即ち、光拡散素子14に空間周波数フィルタの機能を持たせることにより高次回折光を除去し、スペクトル変化を起こさず、均一度及び平行度を安定に保つことが可能となっている。
なお、本実施形態における光拡散素子14の寸法は、ソーラシミュレータの寸法とインテグレータ素子15の寸法とによって異なるが、例えば、縦横が約60mm×約60mm、厚さが約3mm程度である。なお、この光拡散素子14は、石英板低角度光拡散素子であり、例えば、米国Luminit社のHigh Temperature Quartz Substrate SOLGEL TypeのLight Shaping Diffuserとして入手可能である。
この光拡散素子14は、高次回折光を遮断又は減少させる空間周波数フィルタとしての機能を有し、さらに、光を屈折等により拡散させる機能を有するため、その出射光には回折現象が伴わず、スペクトル分散が発生しない。また、光拡散素子14は、光(コヒーレント光及び非コヒーレント光)を半値幅で約10〜30°の範囲で拡散することができることが望ましく、10〜20°の範囲で拡散することができることがより望ましい。あまり半値幅が狭いと、高次回折光で生じる色収差を均一化できず、最低レベルまで光を減光させたい場合に高次回折光により発生する色収差を解消できない可能性がある。また、この光拡散素子14は、ほぼ理想的なガウシアン分布を有する出射光を形成可能であることが望ましい。さらに、光拡散素子14は、無数の凹凸パターンがランダムに配置された構造体であることが望ましく、ランダムな特性を有することにより、高次の回折光が互いに打ち消し合う効果も有している。また、この光拡散素子14は、熱に強く500℃程度の温度で動作可能であることが望ましい。
光拡散素子14は、図示しない軸方向移動機構によって光軸方向に移動可能となっており、これにより、光拡散素子14とインテグレータ素子15との間の距離dを可変制御することができる。この場合、機械的減光フィルタ13及びインテグレータ素子15の位置は固定されている。距離dを変化させることにより(これは機械的減光フィルタ13と光拡散素子14との距離dを変化させることにもなる)、インテグレータ素子15に入射される光量が微小変化し、その結果、減光率の微調整が可能となる。
実際に、光拡散素子14及びインテグレータ素子15間の距離dを変化させ、照射面18の照度を測定した。図4はその実験に用いた装置構成例を説明している。同図に示すように、光拡散素子14の光源側には機械的減光フィルタは配置しておらず、波長変換フィルタ21が設けられている。この実験は、距離dに対する減光率の関係を確認するものであるため、機械的減光フィルタは省略している。また、インテグレータ素子15と光拡散素子14との間にシャッタ22が配置されている。
まず、インテグレータ素子15に対する光拡散素子14の距離dをd=29mmとして、減光率を測定すると、35%であった。光拡散素子14を移動してインテグレータ素子15に対する光拡散素子14′の距離dをd=40mmとして、減光率を測定すると、40%であった。
このことから、光拡散素子14をインテグレータ素子15に近づければ減光率は小さくなり、インテグレータ素子15から遠ざければ減光率は大きくなることが分かる。即ち、減光率は、距離dが約10mm変化すると、5%変化することとなる。
コリメーションレンズ17は、入射光をコリメートするためのこの技術分野では周知の光学素子である。
次に、本実施形態におけるソーラシミュレータの動作を説明する。
光源10から放射された光は、直接的に又は光源反射鏡11によって反射され、さらに第1の平面反射鏡12で反射されて、照射光量制御装置における機械的減光フィルタ13に入射される。機械的減光フィルタ13に入射された光は、複数の小さな貫通孔13bを透過することによりその一部が遮断されて減光され、光拡散素子14に入射される。機械的減光フィルタ13の出射光は、この光拡散素子14により拡散されてその全スペクトル域に渡って均一に減光が行われる。さらに、機械的減光フィルタ13の貫通孔13bの縁部付近で回折光現象が発生しても、この光拡散素子14において高次回折光の遮断が行われるので、その出射光には色収差が生じない。光拡散素子14の出射光は、インテグレータ素子15に入射され、その複眼レンズにより多数の光源像が位置ずれして重畳されることにより、均一な光分布が形成される。このようにして形成された面内均一かつ均一なスペクトル分布の光は、第2の平面反射鏡16によって反射された後、コリメーションレンズ17において完全な平行光に変換された後、太陽電池セル表面である照射面18に照射される。
図5は複眼レンズであるインテグレータ素子15の1つのレンズにおける一般的な動作概念を説明している。
均一照射光学系において最大の目的は光源10の光束を最大限に取り出すと共に光源10の像(例えばランプ電極の像)を取り除くために、楕円又は放物線状の軸断面を有する光源反射鏡11及びインテグレータ素子15を通常は使用する。インテグレータ素子15を使用することなく光源反射鏡11のみで集光した光束をコリメーションレンズ17にて平行光束として照射した場合、照射面にはランプ電極の像が現れてしまう。従って、このような像を取り除くためには、インテグレータ素子15の使用が必要となる。このようなインテグレータ素子15を有効に使用するためには、光源反射鏡11からの入射角θINに対して出射角θOUTを同角にすることで、インテグレータ素子15内部における光量損失を押さえるのみならず、ランプ電極の像をインテグレータ素子15の内部に結像させることで出射側には像が結像しないようにインテグレータ素子15の設計が行われる。
図5において、Oをインテグレータ素子15の1つのレンズにおける入射側球面15aの球心、Oを出射側球面15bの球心とすると、入射側の焦点距離fは、f=O×2、出射側の焦点距離fは、O×2となる。レンズの公式である、1/a+1/b=1/fより、出射側の物距離がa<fである(焦点距離より短い)場合、出射側の像距離はb(−)となるため、出射光は出射面15bにて集光せず、広がって出射され、決して集光しないこととなる。
図6は本実施形態におけるソーラシミュレータにおいて機械的減光フィルタ13を手前(光源側)に挿入した場合のインテグレータ素子15の作用を説明している。
上述した条件下で設計されたインテグレータ素子15の光源10側に減光を目的として、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13を配置した場合、インテグレータ素子15の手前に、機械的減光フィルタ13の貫通孔13bの像が2次光源として発生する。
その場合、図6に示すように、屈折の法則から、P点における入射角θINはθIN=θ+αとなり、P点より空気から屈折率Nの媒体内に入射するのでその屈折角はθ−γとなる。一方、出射面15bにおける入射角はθ+γで表され、出射面15bからの屈折角度はθ+βで表される。この場合、機械的減光フィルタ13の貫通孔13bの像からインテグレータ素子15に入射する角度が多種多様となるが、入射角が大きい場合は、Pポイントに入射した光は屈折率Nの媒体により屈折する(空気から石英)が光軸上に結像せず、出射面15b上に結像して再度屈折(石英から空気)し、出射面15b外で結像することとなる。この現象は、光学式1/a+1/b=1/fより、出射面15bにおいて物距離は∞又は0と考えた場合に1/b=1/fが成り立ち、従って出射面側の像距離は(+)となり、出射面15bの右側に結像することとなる。
この現象を確認すべく、以下の実験を行った。
(実験装置及び測定器)
ソーラシミュレータ :山下電装株式会社製のソーラシミュレータ(YSS−
1800AA)、仕様AAA
基準ソーラセル :400nm〜1100nm用のシリコンセル、
校正値=142.6mA
デジタルマルチメータ:アジレントテクノロジー株式会社製(34401A)、
基準ソーラセルの短絡電流の測定に使用
照度ムラ測定用照度計:山下電装株式会社製サーモパイル(φ6mm)式照度
計(MIR-101Q)、JIS規格の入射角±15°
以内
照度変動測定用照度計:ウシオ電機株式会社製照度計(UIT-101)
中心周波数436nm
(減光率)
基準ソーラセルにて規格1000W/m(=1SUNとする)(142.6mA)の照度にセットした。パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13をセットした際の減光された照度は、106W/m(約0.1SUN)であり、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13の後ろに石英光拡散素子による光拡散素子14を配置した際の減光された照度は、70.2W/m(約0.07SUN)であった。
(実験方法)
ソーラシミュレータにおけるレンズフードより400mm下方の照射面18に、図7に示すごとき、180mm×180mm(A□)の有効領域18aを設定する。この有効領域18aのJIS規格の17点の測定位置19(位置1〜17)について、入射角±15°内の光を遮らない上述の照度ムラ測定用照度計により照度測定(照度ムラ測定)を順次行った。同時に、上述の照度変動測定用照度計20により、有効領域18aの1点の照度を測定し、照度ムラ測定中の光の変動を測定した。
(測定結果)
機械的減光フィルタ13及び光拡散素子14を挿入しない非減光時の測定結果が表1に示されている。測定位置1〜17についての照度ムラ測定用照度計による測定結果が測定照度値E(i=1〜17)として示されており、その各測定時の照度変動測定用照度計20による測定結果が変動照度値e(i=1〜17)として示されている。測定位置1における基準の変動照度値eに関して補償した測定照度値Eが相対照度値E′(i=1〜17)として示されている。即ち、相対照度値E′は、E′=(e/e)×Eで算出される。
Figure 0005905305
このようにして求めた17点の相対照度値E′から面内均一性Euniを、Euni=(E′max−E′min)/(E′max+E′min)×100から算出した。ただし、E′maxは相対照度値E′の最大値、E′minは相対照度値E′の最小値である。得られた面内均一性Euniは、Euni=1.46(%)であった。
次いで、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13を挿入した減光時に同様の測定を行った。測定結果が表2に示されている。
Figure 0005905305
このようにして求めた17点の相対照度値E′から、面内均一性Euniを前述の場合と同様に算出した。得られた面内均一性Euniは、Euni=4.93(%)であった。
次いで、このパンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13の後ろに石英光拡散素子による光拡散素子14を挿入した減光時に同様の測定を行った。測定結果が表3に示されている。
Figure 0005905305
このようにして求めた17点の相対照度値E′から、面内均一性Euniを前述の場合と同様に算出した。得られた面内均一性Euniは、Euni=1.86(%)であった。
以上の実験結果より、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13をインテグレータ素子15の手前(光源側)に挿入することにより、面内均一性Euniが1.46(%)から4.93(%)に悪化するが、これはインテグレータ素子15の前方のパンチング式減光フィルタの像(2次光源像)が発生し、前述した理論通りに、インテグレータ素子15の出射側に像が結像していることを証明している。機械的減光フィルタ13の後ろに石英光拡散素子による光拡散素子14を挿入することにより、面内均一性Euniが4.93(%)から1.86(%)に向上しているが、これはインテグレータ素子15の出射側の像が取り除かれたことを実証している。
前述したように、本実施形態によれば均一なスペクトル分布の光が照射面18に照射されるが、この点を確認すべく、以下の実験を行った。
(実験装置及び測定器)
ソーラシミュレータ :山下電装株式会社製のソーラシミュレータ(YSS−
1800AA)、仕様AAA
基準ソーラセル :400nm〜1100nm用のシリコンセル、
校正値=142.6mA
デジタルマルチメータ:アジレントテクノロジー株式会社製(34401A)、
基準ソーラセルの短絡電流の測定に使用
多目的分光放射計 :株式会社オプトリサーチ製(MSR-7000)
照度変動測定用照度計:ウシオ電機株式会社製照度計(UIT-101)
中心周波数436nm
(実験方法)
ソーラシミュレータにおけるレンズフードより400mm下方の照射面18に、図7に示すごとき、180mm×180mm(A□)の有効領域18aを設定する。基準ソーラセルにて規格1000W/m(=1SUNとする)(142.6mA)の照度にセットし、有効領域18aについて上述の多目的分光放射計によりスペクトル分布を測定した。実際には、有効領域18aのJIS規格の17点の測定位置19(位置1〜17)のうちの一部の位置(位置1、5及び16)についてそれぞれスペクトル分布を測定し、その強度特性とスペクトル合致度とを求めた。なお、減光分については、照度計で測定した減光倍率を測定値に乗算して補正した。
(測定結果)
機械的減光フィルタ13及び光拡散素子14を挿入しない非減光時の測定結果が図8に示されている。非減光時(1SUN)においては、位置1、5及び16のいずれにおいても、ほぼ同じスペクトル強度分布が得られている。一方、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13を挿入した減光時の測定結果が図9に示されている。この減光時においては、非減光(1SUN)の位置1のスペクトル強度分布に対して、位置5及び16では、かなり変化したスペクトル強度分布となっている。これに対して、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13及び石英光拡散素子による光拡散素子14を挿入した減光時の測定結果が図10に示されている。減光時であっても、光拡散素子14を挿入することにより、位置5及び16のスペクトル強度分布は、非減光(1SUN)の位置1のスペクトル強度分布に近似した特性となっており、機械的減光フィルタ13の後ろに石英光拡散素子による光拡散素子14を挿入することにより、スペクトル強度分布が大幅に改善され、各位置で互いにほとんど変化しなくなっている。
また、スペクトル合致度についても、図11に示すように、同様の結果が得られている。なお、図11において、横軸は波長(nm)、縦軸はスペクトル合致度を表している。JIS規格によれば、スペクトル合致度の上限値は1.25、下限値は0.75とすることが定められている。機械的減光フィルタ13及び光拡散素子14を挿入しない非減光時(1SUN)においては、位置1、5及び16のいずれにおいてもスペクトル合致度は良好である。パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13を挿入した減光時は、位置5及び16において、スペクトル合致度が悪化しており、スペクトル分布が変化していることが分かる。パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13及び石英光拡散素子による光拡散素子14を挿入した場合は、スペクトル合致度が大幅に向上し、位置1のスペクトル強度分布(1SUN)のスペクトル特性に近似していることが分かる。
このように、面内の均一度に関する減光による面内分布の悪化は、石英光拡散素子による光拡散素子14を使用することで改善されることが実験により実証できた。一方、スペクトル強度分布についても、石英光拡散素子による光拡散素子14を使用することにより、スペクトル合致度が大幅に向上している。即ち、本実施形態のごとく光拡散素子14を使用することによって、面内分布の改善及び部分的色ムラの改善がなされることが、実験により実証された。
以上説明したように、本実施形態によれば、パンチング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ13を用いることにより、インテグレータ素子15に入射する光量を減少させることができる。その場合、インテグレータ素子15の手前に光拡散素子14を挿入することにより、機械的減光フィルタ13の通過光を拡散させると共に高次回折光を遮断してインテグレータ素子15に入射させているので、色ムラの発生や、機械的減光フィルタ13の貫通孔径のイメージ結像の発生を防止することができる。このように、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子15に入るので、各貫通孔を通過する際の回折により互いに干渉して色ムラが生じたり、貫通孔径のイメージ結像が発生したりすることがなくなる。その結果、面内均一かつ色収差のない平行な光が例えば太陽電池セル表面である照射面18に照射されることとなる。
図12は本発明のソーラシミュレータの他の実施形態における照射光量制御装置部分の構成を概略的に示しており、図13は図12の一部を拡大して示している。
本実施形態ソーラシミュレータにおける照射光量制御装置の機械的減光フィルタを除く構成は、図1に示した実施形態の場合と全く同様である。従って、図12及び図13において、図1の実施形態の場合と同じ構成要素については、同じ参照番号を使用し、その説明を省略する。
図12及び図13に示すように、第1の平面反射鏡12からの反射光が機械的減光フィルタ23に入射され、機械的減光フィルタ23の出射光は光拡散素子14に入射される。光拡散素子14の出射光はインテグレータ素子15に入射され、インテグレータ素子15の出射光は第2の平面反射鏡16に入射されて反射される。機械的減光フィルタ23、光拡散素子14及びインテグレータ素子15が、本発明の照射光量制御装置を構成している。
機械的減光フィルタ23は、光量調整用の単一の可変絞り23cを有する遮光板であり、空間的に光の透過する面積をこの絞りによって調整することにより、出射する光の絶対量を変化させるものである。この機械的減光フィルタ23は、本実施形態においては、可動の遮光板23a及び23bによってその開口径(絞りの径)が調整される可変絞り23cを設けた絞り式減光フィルタで構成されている。より詳しくは、この絞り式減光フィルタは、縦横が90mm×70mm、厚さが1〜2mm程度のステンレス鋼板又はアルミニウム板を2分割し、各々にV字状の切り欠きを設けた遮光板23a及び23bの切り欠きの離間距離を調整することにより、可変絞り23cの開口径を調整するように構成されている。切り欠きの形状はV字状に限定されず、半円形状又はその他の形状であっても良い。
機械的減光フィルタ23の可変絞り23cの開口径がインテグレータ素子15の個々のレンズの径に比較して小さくなってくると、機械的減光フィルタ23の可変絞り23cの縁部付近で回折光現象が発生し、これにより光源からの白色光がスペクトル的に分離して光の分散が生じる。光拡散素子14が設けられていない場合、この回折により分離されたスペクトル成分が、インテグレータ素子15の複眼レンズにスペクトル毎に異なる角度で入射することとなる。複眼レンズ内を導波する光は全反射を繰り返して出射方向に導かれるが、光の波長の相違により複眼レンズに入射する角度が互いに異なると、複眼レンズを出る時の角度が異なることとなり、平行な光を作り出せず色収差が生じてしまう。このように色収差により非平行となった光がインテグレータ素子15から出射され、これがコリメーションレンズ17においても平行光に補正されず、結果として、太陽光に近似したスペクトルを照射することができなくなる。
これに対して、本実施形態のごとく、機械的減光フィルタ23とインテグレータ素子15との間に、光を単に拡散するだけではなく高次回折光遮断フィルタとしても機能する光拡散素子14が設けられることにより、機械的減光フィルタ23の単一の可変絞り23cの縁部付近で発生する高次回折光により生起される色収差を除去することが可能となる。即ち、光拡散素子14に空間周波数フィルタの機能を持たせることにより高次回折光を除去し、スペクトル変化を起こさず、均一度及び平行度を安定に保つことが可能となっている。
次に、本実施形態におけるソーラシミュレータの動作を説明する。
光源10から放射された光は、直接的に又は光源反射鏡11によって反射され、さらに第1の平面反射鏡12で反射されて、照射光量制御装置における機械的減光フィルタ23に入射される。機械的減光フィルタ23に入射された光は、単一の可変絞り23cを透過することによりその一部が遮断されて減光され、光拡散素子14に入射される。機械的減光フィルタ23の出射光は、この光拡散素子14により拡散されてその全スペクトル域に渡って均一に減光が行われる。さらに、機械的減光フィルタ23の可変絞り23cの縁部付近で回折光現象が発生しても、この光拡散素子14において高次回折光の遮断が行われるので、その出射光には色収差が生じない。光拡散素子14の出射光は、インテグレータ素子15に入射され、その複眼レンズにより多数の光源像が位置ずれして重畳されることにより、均一な光分布が形成される。このようにして形成された面内均一かつ均一なスペクトル分布の光は、第2の平面反射鏡16によって反射された後、コリメーションレンズ17において完全な平行光に変換された後、太陽電池セル表面である照射面18に照射される。
以上説明したように、本実施形態によれば、絞り式減光フィルタによる機械的減光フィルタ23を用いることにより、インテグレータ素子15に入射する光量を減少させることができる。その場合、インテグレータ素子15の手前に光拡散素子14を挿入することにより、機械的減光フィルタ23の通過光を拡散させると共に高次回折光を遮断してインテグレータ素子15に入射させているので、色ムラの発生や、機械的減光フィルタ23の絞りの開口径のイメージ結像の発生を防止することができる。このように、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子15に入るので、可変絞り23cを通過する際の回折により互いに干渉して色ムラが生じたり、可変絞り23cのイメージ結像が発生したりすることがなくなる。その結果、面内均一かつ色収差のない平行な光が例えば太陽電池セル表面である照射面18に照射されることとなる。
図14は本発明のソーラシミュレータのさらに他の実施形態における照射光量制御装置部分の構成を概略的に示しており、図15は図14の一部を拡大して示している。
本実施形態ソーラシミュレータにおける照射光量制御装置の機械的減光フィルタを除く構成は、図1に示した実施形態の場合と全く同様である。従って、図14及び図15において、図1の実施形態の場合と同じ構成要素については、同じ参照番号を使用し、その説明を省略する。
図14及び図15に示すように、第1の平面反射鏡12からの反射光が機械的減光フィルタ33に入射され、機械的減光フィルタ33の出射光は光拡散素子14に入射される。光拡散素子14の出射光はインテグレータ素子15に入射され、インテグレータ素子15の出射光は第2の平面反射鏡16に入射されて反射される。機械的減光フィルタ33、光拡散素子14及びインテグレータ素子15が、本発明の照射光量制御装置を構成している。
機械的減光フィルタ33は、光量調整用の単一の貫通孔33bを有する遮光板33aであり、空間的に光の透過する面積をこの貫通孔33bの開口径によって設定することにより、出射する光の絶対量を設定するものである。この機械的減光フィルタ33は、本実施形態においては、固定の貫通孔33bを設けたリング式減光フィルタで構成されている。より詳しくは、このリング式減光フィルタは、縦横が90mm×70mm、厚さが1〜2mm程度のステンレス鋼板又はアルミニウム板による遮光板33aの中央部に単一の貫通孔33bを設けて構成されている。貫通孔33bの形状は円状に限定されず、その他の形状であっても良い。
機械的減光フィルタ33の貫通孔33bの開口径がインテグレータ素子15の個々のレンズの径に比較して小さく設定されていると、機械的減光フィルタ33の貫通孔33bの縁部付近で回折光現象が発生し、これにより光源からの白色光がスペクトル的に分離して光の分散が生じる。この光拡散素子14が設けられていない場合、この回折により分離されたスペクトル成分が、インテグレータ素子15の複眼レンズにスペクトル毎に異なる角度で入射することとなる。複眼レンズ内を導波する光は全反射を繰り返して出射方向に導かれるが、光の波長の相違により複眼レンズに入射する角度が互いに異なると、複眼レンズを出る時の角度が異なることとなり、平行な光を作り出せず色収差が生じてしまう。このように色収差により非平行となった光がインテグレータ素子15から出射され、これがコリメーションレンズ17においても平行光に補正されず、結果として、太陽光に近似したスペクトルを照射することができなくなる。
これに対して、本実施形態のごとく、機械的減光フィルタ33とインテグレータ素子15との間に、光を単に拡散するだけではなく高次回折光遮断フィルタとしても機能する光拡散素子14が設けられることにより、機械的減光フィルタ33の単一の貫通孔33bの縁部付近で発生する高次回折光により生起される色収差を除去することが可能となる。即ち、光拡散素子14に空間周波数フィルタの機能を持たせることにより高次回折光を除去し、スペクトル変化を起こさず、均一度及び平行度を安定に保つことが可能となっている。
本実施形態における機械的減光フィルタ33及び光拡散素子14の作用は図12の実施形態の場合と同様であるため、説明は省略する。
次に、本実施形態におけるソーラシミュレータの動作を説明する。
光源10から放射された光は、直接的に又は光源反射鏡11によって反射され、さらに第1の平面反射鏡12で反射されて、照射光量制御装置における機械的減光フィルタ33に入射される。機械的減光フィルタ33に入射された光は、単一の貫通孔33bを透過することによりその一部が遮断されて減光され、光拡散素子14に入射される。機械的減光フィルタ33の出射光は、この光拡散素子14により拡散されてその全スペクトル域に渡って均一に減光が行われる。さらに、機械的減光フィルタ33の貫通孔33bの縁部付近で回折光現象が発生しても、この光拡散素子14において高次回折光の遮断が行われるので、その出射光には色収差が生じない。光拡散素子14の出射光は、インテグレータ素子15に入射され、その複眼レンズにより多数の光源像が位置ずれして重畳されることにより、均一な光分布が形成される。このようにして形成された面内均一かつ均一なスペクトル分布の光は、第2の平面反射鏡16によって反射された後、コリメーションレンズ17において完全な平行光に変換された後、太陽電池セル表面である照射面18に照射される。
以上説明したように、本実施形態によれば、リング式減光フィルタによる機械的減光フィルタ33を用いることにより、インテグレータ素子15に入射する光量を減少させることができる(最大で減光率20%程度)。その場合、インテグレータ素子15の手前に光拡散素子14を挿入することにより、機械的減光フィルタ33の通過光を拡散させると共に高次回折光を遮断してインテグレータ素子15に入射させているので、色ムラの発生や、機械的減光フィルタ33の貫通孔33bの開口径のイメージ結像の発生を防止することができる。このように、高次回折光を含まない拡散光がインテグレータ素子15に入るので、貫通孔33bを通過する際の回折により互いに干渉して色ムラが生じたり、貫通孔33bのイメージ結像が発生したりすることがなくなる。その結果、面内均一かつ色収差のない平行な光が例えば太陽電池セル表面である照射面18に照射されることとなる。
図16はソーラシミュレータの一例の構成を概略的に示す図である。
同図において、10は例えばキセノン放電ランプ等から構成される光源、11は光源10の後方及び周囲に配置された例えば楕円又は放物線状の軸断面を有する光源反射鏡、12は光源10からの直接光及び光源反射鏡11による反射光が入射され、これをほぼ垂直方向に反射する、例えばアルミニウム製の第1の平面反射鏡、15は第1の平面反射鏡12からの反射光が入射されるインテグレータ素子、16はインテグレータ素子15の出射光が入射され、これをほぼ垂直方向に反射する、例えばアルミニウム製の第2の平面反射鏡、44は第2の平面反射鏡16からの反射光が入射される低角度光拡散素子、17は低角度光拡散素子44の出射光を平行光に変換するコリメーションレンズ、18はコリメーションレンズ17の出射光が入射される、例えば太陽電池セル表面である照射面をそれぞれ示している。
照射面18に最終的に照射される光の平行度を考慮せずに良い場合、同図に示すように、インテグレータ素子15とコリメーションレンズ17との間に低角度光拡散素子44を配置し、配置距離を変えることで減光率を変えることができ、さらに、低角度光拡散素子44の拡散率を設定することによって減光率を調整することができる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 光源
11 光源反射鏡
12 第1の平面反射鏡
13、23、33 機械的減光フィルタ
13a、23a、23b、33a 遮光板
13b、33b 貫通孔
14 光拡散素子
15 インテグレータ素子
16 第2の平面反射鏡
17 コリメーションレンズ
18 照射面
18a 有効領域
19 測定位置
20 照度変動測定用照度計
21 波長変換フィルタ
22 シャッタ
23c 可変絞り

Claims (7)

  1. 光源からの光束の一部を遮断して減光する機械的減光フィルタと、該機械的減光フィルタの光出射側に設けられており光学的に均一な分布の光を作成するインテグレータ素子と、前記機械的減光フィルタ及び前記インテグレータ素子間に挿入されており光拡散機能及び光の高次回折光成分遮断機能を有する光拡散素子とを備えたことを特徴とする照射光量制御装置。
  2. 前記インテグレータ素子が、複数のレンズにより生成した多数の光源像を位置ずれさせて重畳することにより均一な光分布を作成する複眼レンズ式のインテグレータ素子であることを特徴とする請求項1に記載の照射光量制御装置。
  3. 前記機械的減光フィルタが、遮光板に複数の貫通孔を設けたパンチング式減光フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照射光量制御装置。
  4. 前記機械的減光フィルタが、可変絞りを有する絞り式減光フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照射光量制御装置。
  5. 前記機械的減光フィルタが、遮光板に単一の貫通孔を設けたリング式減光フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照射光量制御装置。
  6. 前記光拡散素子と前記インテグレータ素子との距離が可変であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の照射光量制御装置。
  7. 光源と、該光源の光を反射する反射鏡と、請求項1から6のいずれか1項に記載の照射光量制御装置と、該照射光量制御装置における前記インテグレータ素子の光出射側に設けられており入射光を平行光に変換するコリメータレンズ素子とを備えたことを特徴とするソーラシミュレータ。
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