JP5905285B2 - 検査位置の検出方法,検査方法及び検査装置 - Google Patents

検査位置の検出方法,検査方法及び検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、検査位置の検出方法,検査方法及び検査装置に関するものである。特に、加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器に使用される伝熱管に対して、渦電流探傷検査をして欠陥を検出した場合に、欠陥が伝熱管の周方向のどの位置に生じているのかを検出することができるように工夫したものである。
加圧水型原子力発電プラントでは蒸気発生器が使用されている。蒸気発生器の内部には、図13に示すように、逆U字型の伝熱管1が多数本配置されている。図13では簡略的に示しているが、伝熱管1の配置本数は極めて多数(例えば数千本)であり、これら伝熱管1は鉛直方向に伸びる状態で配置されると共に、各伝熱管1の上端は逆U字型に湾曲している。
各伝熱管1の下側の両端は、管板2に形成された多数の孔に挿入され、それぞれ、管板2の下方に形成されている高温側水室(図示省略)と低温側水室(図示省略)に接続されている。
高さ方向に沿う複数箇所には、水平方向に広がった管支持板3が配置されている。多数の伝熱管1は、管支持板3に形成された孔を貫通して配置されている。
蒸気発生器を製造したときに行われる製造時検査や、実稼働を開始した後に定期的に行われる定期検査において、伝熱管1に欠陥(減肉やクラック等)が発生していないか否かの欠陥検査が行われる。
また、伝熱管1を製造したときに行われる製造時検査においては、図14に示すように管支持板が取り付けられていない単体の伝熱管1に、欠陥(減肉やクラック等)が発生していないか否かの欠陥検査が行われる。
伝熱管1の欠陥検査は渦電流探傷検査(ECT:Eddy Current Testing)により行われる。つまり、渦電流探傷プローブを、伝熱管1に挿入して伝熱管1の内部を移動させていく走査をする。このように、渦電流探傷プローブを伝熱管1内で移動させていく際に、渦電流探傷プローブにより得られる計測信号を解析することにより、欠陥の検出をしている。
渦電流探傷プローブとしては、図15〜図17に示すようなものがある。
図15に示すボビンコイル型の渦電流探傷プローブでは、プローブの外周を取り巻く形状のセンサCを備えている。ボビンコイル型の渦電流探傷プローブの場合は、周方向に分布をもつ計測信号は得られない。
図16に示すマルチセンサ型の渦電流探傷プローブでは、複数のセンサCを周方向に沿い並べて備えている。センサの配置は、1列のものもあるし、周方向配置間隔をセンサ径より密にするために複数列に配置するものもある。図16は、2列に配置した例である。
このようなマルチセンサ型の渦電流探傷プローブでは、例えば周方向に沿い12個のセンサC1〜C12を並べて配置している場合、各センサC1〜C12により、個別に、計測信号S1〜S12が出力される。
換言すると、プローブの周方向に沿う一定間隔(均等間隔)ごとに例えば12個の計測位置(周方向の計測位置)R1〜R12を規定し、各計測位置R1〜R12に個別にセンサC1〜C12を配置している場合、計測位置R1〜R12毎に軸方向の各位置で探傷検査したときの計測信号S1〜S12が、センサC1〜C12により出力されることになる。
図17に示す回転型の渦電流探傷プローブでは、1つまたは複数個のセンサCを備えるプローブが軸周りで回転しつつ軸方向に進行するため、伝熱管1の内部をセンサCが螺旋状に移動していく。
このような回転型の渦電流探傷プローブでは、1つのセンサCが伝熱管1の内部を螺旋状に移動していく。そこで、プローブの周方向に沿う一定間隔(均等間隔)ごとに例えば12個の計測位置(周方向の計測位置)R1〜R12を規定しておけば、センサCにより出力される計測信号Sを線形補間演算することにより、計測位置R1〜R12毎に軸方向の各位置での計測信号S1〜S12を求めて出力することができる。
実開昭62−163716号公報
上述した図16及び図17に示すような渦電流探傷プローブを用いて、図13に示すような蒸気発生器として組み立てられている伝熱管1や、図14に示すような単体の伝熱管1の欠陥検査をするときには、伝熱管1の周方向に分布を持つ計測信号を得ることができる。
しかし、欠陥が存在すると判定した伝熱管1において、周方向のどの位置に欠陥が存在するかを簡単に判定することができないという問題があった。
例えば、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブを用いて探傷検査した場合において、センサC1により出力した計測信号S1を解析することにより、欠陥の存在を検出したとしても、伝熱管1の内部において、センサC1が周方向のどの位置にあるかが不明であるため、欠陥が伝熱管1の周方向のどの位置にあるのかが分からなかった。
そこで従来では、欠陥が存在すると判定した伝熱管1について、伝熱管1の周方向のどの位置に欠陥が存在するかを検出するために、再度、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブや、回転型の渦電流探傷プローブを用いて検査をしている。この再度の探傷検査では、欠陥が周方向のどの位置にあるかを検出するための工夫を付加して、検査を行っている。
具体的には、蒸気発生器として組み立てられている伝熱管1では、図18に示すように、欠陥Dが存在すると検出した伝熱管1aの隣の伝熱管1bに磁性体Mを挿入しておく。この状態で、欠陥が存在する伝熱管1aに例えばマルチセンサ型の渦電流探傷プローブPを挿入して探傷検査をする。
このとき、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブPのセンサC1〜C12のうち、例えば、センサC2により磁性体Mを検出し、センサC5により欠陥Dを検出したとすれば、伝熱管1aの周方向のどの位置に欠陥Dが存在するかがわかる。
つまり、センサC2が磁性体Mに対向する周方向位置にあり、センサC2とセンサC5の周方向位置は予めわかっているので、欠陥Dが伝熱管1aの周方向のどの位置に存在するかを判定することができるのである。
単体の伝熱管1では、図19に示すように、伝熱管1の周面のうち予め決めた周方向位置に、銅箔やパーマロイ箔などの渦電流探傷が可能な目印mを付しておく。
伝熱管1は、開口端から曲げ端B1,B2までの直管部1α,1αと、両曲げ端B1,B2間の曲げ管部1βとで構成されているが、目印mを付す軸方向位置は、直管部1α,1αのうち曲げ端B1,B2に近い部分にしている。
このように、目印mを付した状態で、欠陥が存在する伝熱管1に例えばマルチセンサ型の渦電流探傷プローブPを挿入して検査をする。
このとき、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブPのセンサC1〜C12のうち、例えば、センサC2により目印mを検出し、センサC5により欠陥Dを検出したとすれば、伝熱管1の周方向のどの位置に欠陥Dが存在するかがわかる。
つまり、センサC2が目印mに対向する周方向位置にあり、センサC2とセンサC5の周方向位置は予めわかっているので、欠陥Dが伝熱管1の周方向のどの位置に存在するかを判定することができるのである。
しかし、図18や図19に示す方法を採用した場合には、欠陥検出のための検査をした後に、欠陥が周方向のどの位置にあるかを特定するための検査が必要であり、検査が2回必要になり煩雑である。
しかも、周方向位置を特定する検査では、磁性体Mの挿入や目印mの貼付など余分な手間がかかり面倒である。
なお、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブに重錘センサを備えた複合プローブにより、欠陥の周方向位置を特定することも考えられる(例えば特許文献1参照)。
重錘センサを備えた複合プローブを、鉛直に立てた伝熱管1に挿入して曲げ管部1βに達すると、重錘センサは鉛直方向下方を向くため、この状態のときに複数のセンサのうち鉛直方向下方に位置しているセンサを特定することができる。
よって、鉛直方向下方に位置しているセンサと、欠陥を検出したセンサの周方向位置関係から、欠陥Dが伝熱管1の周方向のどの位置に存在するかを判定することができる。
しかし、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブに重錘センサを備えた複合プローブを特別に製造するのは手間がかかり、またその構造が複雑であるという問題がある。
なお、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブを伝熱管に挿入するときに、各センサの周方向位置を予め決めた周方向位置にセットしてから挿入することも考えられるが、現実的でない。
特に図13に示すような蒸気発生器として組み立てられている伝熱管1を検査する場合には、ロボットにより渦電流探傷プローブを伝熱管に挿入するため、各センサの周方向位置を予め決めた周方向位置にセットしてから挿入することは、極めて困難である。
本発明は、上記従来技術に鑑み、1本の伝熱管に対して1回の渦電流探傷検査をするだけで、欠陥の検出のみならず、欠陥が伝熱管の周方向のどの位置に存在するのかを検出することができる、検査位置の検出方法,検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
なお、簡便のため、検査目的が欠陥の検出である場合について説明したが、位置確認対象が、変形、付着物、など、欠陥以外の有意信号発生要因の場合にも適用可能である。
上記課題を解決する本発明の検査位置の検出方法の構成は、
プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力する渦電流探傷プローブを、
直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入し、前記管内を移動させる走査をし、
前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する検査において、
前記センサが前記曲げ管部を走査しているときに、曲げ管部通過に起因して前記計測信号に生じる信号変化の波形特徴により、曲げ管部の腹側または背側に位置する計測位置を特定し、
有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置と、曲げ管部の腹側または背側に位置していると検出した計測位置との位置関係を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を検出することを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力する渦電流探傷プローブを、
直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入し、前記管内を移動させる走査をし、
前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する検査において、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号から、前記計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量を計算し、
前記特徴量を用いて曲げ管部の背側位置または腹側位置を通過した前記計測位置を特定し、
前記背側位置または腹側位置を通過したと特定した計測位置と、前記有意な信号変化が存在している計測位置との管周方向の角度差を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を特定することを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
前記のリフトオフの変化量に対応する特徴量の計算は、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
前記のリフトオフの変化量に対応する特徴量の計算は、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、有意な信号要因やノイズを示す高周波成分を除去するフィルタ処理を前処理として適用し、前記フィルタ処理をした各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
前記の曲げ管部の背側位置または腹位置を通過した前記計測位置を特定する方法は、
複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとの前記特徴量を組み合わせた総合特徴量を求め、この総合特徴量に基いて曲げ管部の背側・腹側に位置する計測位置の組み合わせを選定し、前記特徴量に基き選定した組み合わせのうちどちらが曲げ管部の背側または腹側を通過した計測位置かを特定することを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
前記の総合特徴量は、
複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとに、一方の計測位置の前記特徴量の絶対値と他方の計測位置の前記特徴量の絶対値とを加算して、総合特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査位置の検出方法の構成は、
前記管にはその軸方向に沿う複数箇所に管支持板などの構造物が配置され、かつ、前記構造物の貫通孔には周方向に沿う複数箇所に突起部が備えられている場合に、
まず、前記のいずれかの検査位置の検出方法により、管の周方向に関し有意な信号要因の位置を検出し、
次に、前記渦電流探傷プローブが前記曲げ管部を出て前記直管部を走査した際に得た計測信号から、各構造物の貫通孔の突起部の周方向位置を検出し、
前記曲げ管部に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置と、前記有意信号に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置のずれ量を計測し、
前記検出した有意な信号要因の周方向位置を、前記突起部の周方向のずれ量に応じて補正することを特徴とする。
また本発明の検査方法の構成は、
前記のいずれかに記載の検査位置の検出方法を用いて、前記管に有意な信号要因があるか否かを検査すると共に、有意な信号要因がある場合には前記管の周方向に関して有意な信号要因の位置を検査することを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力すると共に、直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入されて前記管内を移動して走査をする渦電流探傷プローブと、
前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する有意信号要因検出手段と、
前記センサが前記曲げ管部を走査しているときに、曲げ管部通過に起因して前記計測信号に生じる信号変化の波形特徴により、曲げ管部の腹側または背側に位置する計測位置を特定する計測位置特定手段と、
有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置と、曲げ管部の腹側または背側に位置していると検出した計測位置との位置関係を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を検出する有意信号要因位置検出手段とを有することを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力すると共に、直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入されて前記管内を移動して走査をする渦電流探傷プローブと、
前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する有意信号要因検出手段と、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号から、前記計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量を計算する特徴量計算手段と、
前記特徴量を用いて曲げ管部の背側位置または腹側位置を通過した前記計測位置を特定する計測位置特定手段と、
前記背側位置または腹側位置を通過したと特定した計測位置と、前記有意な信号変化が存在している計測位置との管周方向の角度差を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を特定する有意信号要因位置検出手段とを有することを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
前記特徴量計算手段は、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
前記特徴量計算手段は、
前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、有意な信号要因やノイズを示す高周波成分を除去するフィルタ処理を前処理として適用し、前記フィルタ処理をした各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
前記計測位置特定手段は、
複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとの前記特徴量を組み合わせた総合特徴量を求め、この総合特徴量に基いて曲げ管部の背側・腹側に位置する計測位置の組み合わせを選定し、前記特徴量に基き選定した組み合わせのうちどちらが曲げ管部の背側または腹側を通過した計測位置かを特定することを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
前記の総合特徴量は、複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとに、一方の計測位置の前記特徴量の絶対値と他方の計測位置の前記特徴量の絶対値とを加算して、総合特徴量とすることを特徴とする。
また本発明の検査装置の構成は、
前記管にはその軸方向に沿う複数箇所に管支持板などの構造物が配置され、かつ、前記構造物の貫通孔には周方向に沿う複数箇所に突起部が備えられている場合に、
前記渦電流探傷プローブが前記曲げ管部を出て前記直管部を走査した際に得た計測信号から、各構造物の貫通孔の突起部の周方向位置を検出し、前記曲げ管部に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置と、前記有意信号に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置のずれ量を計測し、前記検出した有意な信号要因の周方向位置を、前記突起部の周方向のずれ量に応じて補正する補正手段を更に有することを特徴とする。
本発明によれば、1本の伝熱管に対して1回の渦電流探傷検査をするだけで、渦電流探傷検査により検出した欠陥が、伝熱管の周方向のどの位置に生じているのかを検出することができる。
マルチセンサ型の渦電流探傷プローブを示す側面図。 マルチセンサ型の渦電流探傷プローブを、スタビライザを省略して示す端面図。 マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ及び計測信号解析装置を示す構成図。 伝熱管内を走査するマルチセンサ型の渦電流探傷プローブを示す構成図。 計測信号をマルチチャート表示した表示図。 計測信号を色調図表示した表示図。 伝熱管内を走査するマルチセンサ型の渦電流探傷プローブを示す構成図。 実施例2の動作状態を示すフローチャート。 実施例2の信号処理演算状態を示す波形図。 組み立てられた伝熱管を示す構成図。 BEC型の管支持板及び伝熱管を示す構成図。 貫通孔の突起部を検出して得た突起部信号を示す信号図。 組み立てられた伝熱管を示す構成図。 単体の伝熱管を示す構成図。 ボビンコイル型の渦電流探傷プローブを示す構成図。 マルチセンサ型の渦電流探傷プローブを示す構成図。 回転型の渦電流探傷プローブを示す構成図。 従来の周方向位置検出方法を示す説明図。 従来の周方向位置検出方法を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき詳細に説明する。
なお本発明において、「有意な信号要因」とは、管の欠陥、変形、付着物など、位置調査を目的とする信号発生要因をいう。
また「有意な信号変化」とは、管の検査をした場合に、上記の「有意な信号要因」に起因して計測信号にあらわれる信号変化をいう。
本発明の実施例1で用いるマルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10について、側面図である図1と、スタビライザを省略して示す端面図である図2を参照して先に説明する。
このマルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10では、円柱状のプローブ本体11の周面に、例えば12個のセンサC1〜C12を備えている。センサC1〜C12は周方向に沿い並んで等間隔に配置されている。
本例では例えば、プローブ本体11の周方向に沿う一定間隔(均等間隔)ごとに例えば12個の計測位置(周方向の計測位置)R1〜R12を規定し、各計測位置R1〜R12に個別にセンサC1〜C12を配置している。このため、計測位置R1〜R12毎に軸方向の各位置で検査したときの計測信号S1〜S12が、センサC1〜C12により出力される。
プローブ本体11の両端面には、スタビライザ12,12が取り付けられている。スタビライザ12,12は、その中心軸がプローブ本体11の中心軸に一致しており、その外径はプローブ本体11の外径よりも大きく(大径)になっている。
スタビライザ12,12は、曲げ管部1βでの渦電流探傷プローブ10の通過性を確保するため、柔軟性と弾性を有する材料で形成されており、ある規定値以上の大きい外力が加わると変形し、外力が加わった部分は径が小さくなるが、外力が無くなると再び元の形状に戻り径が元の寸法の径に戻るようになっている。
したがって、図1に示すように、直線状の伝熱管1(直管部1α)内に渦電流探傷プローブ10が挿入されると、プローブ本体11の中心軸は直線状の伝熱管1(直管部1α)の中心軸に一致した位置に占位し、各センサC1〜C12と伝熱管1(直管部1α)の内周面との距離は、それぞれ等しくなる。
なお、図1において、13は、渦電流探傷プローブ10の信号線である。
図3に示すように、渦電流探傷プローブ10の各センサC1〜C12は、計測装置25により励磁され、検出信号は計測装置25により計測信号S1〜S12として記録装置26に記録される。計測信号解析装置20は、記録装置26から計測信号S1〜S12を読み込み、信号処理や表示部21への表示を行う。
表示方式は、色調図、鳥瞰図、マルチチャート、マルチリサージュなどのいずれかで表示される。また、各表示方式を切り替えて表示することもできる。
なおマルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10により出力される計測信号S1〜S12を表示する場合には、この渦電流探傷プローブ10が伝熱管1の直管部1αに位置して各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離が等しくなっている状態において、計測信号S1〜S12の信号値を揃えて表示するように、信号値を調整している。
計測信号S1〜S12の信号変化は、センサ方式や探傷条件や校正条件などによって変化方向は異なるが、センサと伝熱管1の内周面との距離が近いときの信号変化方向と、センサと伝熱管1の内周面との距離が遠いときの信号変化方向とでは、変化方向が逆になる。
例えば、信号変化が信号振幅で表される場合には、センサと伝熱管1の内周面との距離が近いときの信号振幅の変化方向(例えば正方向に変化する)と、センサと伝熱管1の内周面との距離が遠いときの信号振幅の変化方向(例えば負方向に変化する)とでは、信号振幅の変化方向が逆になる。
また、信号変化が信号色で表される場合には、センサと伝熱管1の内周面との距離が近いときの信号色の変化方向(例えば赤色方向に変化する)と、センサと伝熱管1の内周面との距離が遠いときの信号色の変化方向(例えば青色方向に変化する)とでは、信号色の変化方向が逆になる。
上記の渦電流探傷プローブ10により伝熱管1の検査をする場合には、伝熱管1内に渦電流探傷プローブ10を挿入し、この渦電流探傷プローブ10を伝熱管1内で移動させて走査をする。
このようにして渦電流探傷プローブ10を、伝熱管1内で走査したときに得られた計測信号S1〜S12が、計測信号解析装置20の表示部21に表示される。
この表示内容から、欠陥の有無を検査することができる。例えば、計測信号S1〜S12をマルチチャート表示した場合に、計測信号S4に欠陥を示す信号変化(例えば信号値が局所的に上昇する波形)が見られ、その波形特徴が欠陥の波形特徴に整合する場合に、検査した伝熱管1に欠陥があると検出することができる。
また、欠陥が存在する軸方向位置は、信号波形の軸方向(時間軸方向)の位置から特定することができる。つまり欠陥を示す信号波形が、信号波形の軸方向(時間軸方向)のどの位置にあるかを検出することにより、伝熱管1の軸方向のどの位置に欠陥が存在するのかを判定することができる。
ただし、このままでは、欠陥が伝熱管1の周方向のどの位置にあるかが不明であるため、本実施例では、次のような周方向の判定手法を採用する。
図4は、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10が、伝熱管1内の直管部1αに位置しつつ移動している状態と、伝熱管1内の曲げ管部1βに位置しつつ移動している状態を同時に示したものである。
ここにおいて、各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離を「リフトオフ」と称する。
センサC1〜C12が伝熱管1内の直管部1αに位置しつつ移動している状態では、スタビライザ12の機能により、渦電流探傷プローブ10(プローブ本体11)の中心軸は伝熱管1の中心軸に一致した位置に占位し、各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離であるリフトオフは、ほぼ同じである。
一方、センサC1〜C12が伝熱管1内の曲げ管部1βに位置しつつ移動している状態では、伝熱管1が曲がっているため、腹側(曲げ管部の内周側)に位置しているセンサのリフトオフL1は、背側(曲げ管部の外周側)に位置しているリフトオフL2とは異なる値となる。リフトオフL1とリフトオフL2の大小関係は、プローブの操作方式により異なり、たとえばプローブを引き抜く方式の場合はリフトオフL1がリフトオフL2より小さく、プローブを押し込む方式の場合はリフトオフL1がリフトオフL2より大きい、など、の場合があるが、一定の検査方式の場合、リフトオフL1とリフトオフL2のいずれが大きいかは一定に定まる。
図5は、伝熱管1の曲げ端B1,B2間にある曲げ管部1βを含む区間を、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10を用いて検査したときに、各センサC1〜C12により出力される計測信号S1〜S12を、計測信号解析装置20の表示部21にマルチチャート表示したものである。
なお、このようなマルチチャート表示をするに先立ち、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1の直管部1αに位置して各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離が等しくなっている状態において、計測信号S1〜S12の信号値が揃えて表示されるように、信号値の調整が予めされている。
図5における軸方向(時間軸方向)の位置は、伝熱管1の軸方向に沿う位置に相当し、図5における周方向の位置は、伝熱管1の周方向の位置に相当する。各コマごとの横軸は、計測信号値を示す。なお、渦電流探傷信号は複素数値であるが、図5ではその実数部または虚数部のみを代表として表示している。
図5の例では、計測位置R8に位置するセンサC8により出力される計測信号S8は、その信号振幅が右側に変化してその振幅値が大きい。この検査方式での曲げ管部通過時の信号変化をあらかじめ確認しておき、例えば、腹側を通過したセンサの計測値が右側に変化すると確認されている場合に、このことを検査者が見ることにより、センサC8が、腹側(曲げ管部の内周側)に位置していると特定することができる。
計測位置R2に位置するセンサC2により出力される計測信号S2は、その信号振幅が左側に変化してその振幅値が大きい。この検査方式での曲げ管部通過時の信号変化をあらかじめ確認しておき、例えば、背側を通過したセンサの計測値が左側に変化すると確認されている場合に、このことを検査者が見ることにより、センサC2が、背側(曲げ管部の外周側)に位置していると特定することができる。
渦電流探傷プローブ10の各センサC1〜C12の、伝熱管1内での周方向の位置は、渦電流探傷プローブ10を、伝熱管1内で走査する間、ほとんど同じ位置にある。
したがって、伝熱管1の曲げ管部1βを含む区間を検査したときの計測信号S1〜S12の信号振幅の変化方向と振幅量を基に、上述したように例えば、センサC8が腹側(曲げ管部の内周側)に位置し、センサC2が背側(曲げ管部の外周側)に位置していると検出して、センサC8,C2の伝熱管1内部での周方向位置が検出できれば、このセンサC8,C2の伝熱管1内部での周方向位置は、伝熱管1の曲げ管部1βのみならず直管部1αにおいても同じになる。
このようにしてセンサC8,C2の伝熱管1内部での周方向位置を検出した場合において、センサC4により出力された計測信号S4に欠陥を示す波形が見られたときには、センサC4の伝熱管1内での周方向位置、即ち、伝熱管1の周方向のどの位置に欠陥が存在するのかを特定することができる。
つまり、センサC8が腹側(曲げ管部の内周側)に位置し、センサC2が背側(曲げ管部の外周側)に位置し、センサC8,C2とセンサC4の周方向の周方向位置関係は予めわかっているので、センサC4が検出した欠陥が、伝熱管1の周方向のどの位置に存在するかを検出することができる。
図6は、伝熱管1の曲げ端B1,B2間にある曲げ管部1βを含む区間を、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10を用いて検査したときに、各センサC1〜C12により出力される計測信号S1〜S12を、計測信号解析装置20の表示部21に色調図表示したものである(なお実際にはカラー表示されるが、図6ではモノクロ表示で表している)。
なお図5に示した計測信号S1〜S12はある伝熱管1を検査したときに得たものであり、図6に示した計測信号S1〜S12は別の伝熱管1を検査したときに得られたものである。
このような色調図表示をするに先立ち、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1の直管部1αに位置して各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離が等しくなっている状態において、計測信号S1〜S12の信号値が揃えて表示されるように、信号値の調整が予めされている。
図6における軸方向(時間軸方向)の位置は、伝熱管1の軸方向の位置に相当し、図6における周方向の位置は、伝熱管1の周方向の位置に相当する。
図6では計測信号S1〜S12の信号変化が信号色で表示されるため、このことを検査者が見ることにより、信号色の色変化方向と変化量(色の濃淡)を基に、背側(曲げ管部の外周側)を示す信号色及び変化量になっている計測信号を出力するセンサと、腹側(曲げ管部の内周側)を示す信号色及び変化量になっている計測信号を出力するセンサを検出することができる。
このようにして背側に位置しているセンサと腹側に位置しているセンサを検出することができるので、欠陥を検出したセンサの伝熱管1内での周方向位置、即ち、伝熱管1の周方向のどの位置に欠陥が存在するのかを検出することができる。
なお、図7に示すように、伝熱管1において、引張力により渦電流探傷プローブ10を伝熱管1の曲げ管部1β内で移動させる場合には、スタビライザ12,12のうち腹側(曲げ管部の内周側)の部分のものが押し潰される状態で変形するため、腹側(曲げ管部の内周側)のリフトオフは、背側(曲げ管部の外周側)のリフトオフとは異なる値となる。
したがって、図7の状態であっても、背側に位置しているセンサと腹側に位置しているセンサを検出することができる。よって、欠陥を検出したセンサの伝熱管1内での周方向位置、即ち、伝熱管1の周方向のどの位置に欠陥が存在するのかを検出することができる。
また、伝熱管1の曲げ管部1β内を、押し込み力により渦電流探傷プローブ10を伝熱管1の曲げ管部1β内で移動させる場合には、スタビライザ12,12のうち背側(曲げ管部の外周側)の部分のものが押し潰される状態で変形するため、背側(曲げ管部の外周側)のリフトオフは、腹側(曲げ管部の内周側)のリフトオフとは異なる値となる。
この検査方式での曲げ管部通過時の信号変化をあらかじめ確認しておき、例えば、腹側を通過したセンサの計測値が大きくなる方向に変化すると確認されている場合、計測信号が小さくなる側に変化するセンサが背側に位置し、計測信号が大きくなる側に変化するセンサが腹側に位置していると検出する。
このように実施例1では、特別なプローブや追加探傷の必要はなく、欠陥を検出したセンサ(欠陥の位置)が、伝熱管1の周方向のどの位置にあるかを特定することができる。
上記実施例1では、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10を用いた例を示したが、回転型の渦電流探傷プローブを採用することもできる。つまり、渦電流探傷プローブの周方向に沿う複数の計測位置ごとの計測信号が得られるタイプの渦電流探傷プローブであれば、検査手法が異なっていても使用することができる。
なお、計測位置の数、つまりマルチセンサ型の渦電流探傷プローブの場合には、周方向に並べる複数のセンサの数は、任意に増減してもよい。
また検査対象となる伝熱管は、U字型の伝熱管のみならず、スクエア型の伝熱管であってもよい。
上記の実施例1では計測信号解析装置20の表示部21に表示された計測信号を、検査者が見て、背側(曲げ管部の外周側)に位置しているセンサと、腹側(曲げ管部の内周側)に位置しているセンサを検出していた。
これに対して本実施例2では、計測信号解析装置20が信号処理演算をして、背側(曲げ管部の外周側)に位置しているセンサと、腹側(曲げ管部の内周側)に位置しているセンサを検出すると共に、欠陥を検出したセンサの位置(つまり欠陥が存在する位置)が伝熱管1の周方向のどの位置にあるかを検出するものである。
実施例2における計測信号解析装置20での信号処理演算は、この計測信号解析装置20に組み込まれているソフトウエア(プログラム)が、計測信号解析装置20に組み込まれているハードウエアで処理されて、検出結果を求めるものである。
なお実施例2は、計測信号解析装置20での信号処理演算の手法に特徴があり、使用する機器等は、基本的に実施例1と同じであるので、実施例1と同一機能を発揮する部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
実施例2では、図1,図2に示すマルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10を用い、この渦電流探傷プローブ10を、伝熱管1内に挿入し伝熱管1内を移動させる走査をする。
このときセンサC1〜C12により出力される計測信号S1〜S12が、図3に示すように、計測装置25から記録装置26を介して計測信号解析装置20に入力される(図8のステップ1)。
計測信号解析装置20は、計測信号S1〜S12に欠陥を示す信号波形が存在するか否かを検出する。例えば計測信号S5に欠陥を示す信号波形があることを検出したら、計測位置R5に欠陥があると検出する。
また欠陥が存在する軸方向の位置は、計測信号S5の信号波形の軸方向(時間軸方向)において、欠陥を示す信号波形が発生した位置から特定することができる。
計測信号S1〜S12は、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1内に挿入されて移動して走査する間に得られる信号であるが、周方向位置を特定する以下の信号処理演算では、渦電流探傷プローブ10が、伝熱管1の曲げ端B1,B2間にある曲げ管部1βを含む区間を移動(走査)する間に得られる計測信号S1〜S12を信号処理の対象とする。
なお、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10が伝熱管1の直管部1αに位置して各センサC1〜C12と伝熱管1の内周面との距離が等しくなり、この状態のときに出力される計測信号S1〜S12の信号値が揃うように、信号値の調整が予め行なわれている。
マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10の代わりに、回転型の渦電流探傷プローブ(図17参照)を用いる場合には、上記のような信号値の調整は必要ない。その代わりに、1つのセンサから得られたセンサ信号を、補間して、計測位置R1〜R12毎に伝熱管1の軸方向の各位置での計測信号S1〜S12を求める。補間には、線形補間など一般的な補間方法が適用できる。
以下では、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1の曲げ端B1,B2間にある曲げ管部1βを含む区間を移動する間に得られる計測信号S1〜S12を、計測信号解析装置20で信号処理演算する手順を説明する。
<前処理:図8のステップ2>
渦電流探傷プローブ10が、伝熱管1の一方の曲げ端B1の手前の直管部1αから他方の曲げ端B2を越える直管部1αに至るまで移動(走査)する間に得られる計測信号S1〜S12(図9(a)に示す計測信号)を以降の信号処理対象とする。
この信号処理対象となった計測信号S1〜S12に対して、必要に応じて、高周波成分を低減するフィルタを適用する。このフィルタとしては、ローパスフィルタ、平均値フィルタ、メディアンフィルタなどがある。高周波成分を低減するフィルタ処理を行うことにより、曲げ管部通過に伴う信号変化に比べ周波数の高い傷(欠陥)やノイズを示す高周波成分が除去される。
図9(b)は、フィルタ処理により高周波成分が低減された計測信号S1〜S12を示す。
<計測位置毎の、リフトオフの変化量に対応する特徴量の計算:図8のステップ3>
周方向の計測位置R1〜R12毎に、伝熱管1の曲げ管部1βにおけるリフトオフの変化量に対応する特徴量を計算する。
具体的には、計測信号S1について、軸方向(時間軸方向)の各点の信号値を加算した値(積分値)を、計測位置R1での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」とする。
他の計測信号S2〜S12についても同様に、各計測信号S2〜S12について、軸方向(時間軸方向)の各点の信号値を加算した値(積分値)を、各計測位置R2〜R12での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」とする。
図9(c)は、上記のように軸方向の各点の信号値を加算した値(積分値)を、各計測位置R1〜R12での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」とした場合の、各計測位置R1〜R12の特徴量を示した特徴量波形である。
例えば計測位置R3では、計測信号S3が左側に変化する波形(負側波形)になっているので、計測位置R3の「リフトオフの変化量に対応する特徴量」は負値になり、計測位置R9では、計測信号S9が右側に変化する波形(正側波形)になっているので、計測位置R9の「リフトオフの変化量に対応する特徴量」は正値になる。
なお、各計測信号S1〜S12の軸方向(時間軸方向)の各点の信号値の平均値を、各計測位置R1〜R12での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」とすることもできる。
<背側の計測位置と腹側の計測位置の組み合わせ選択:図8のステップ4>
周方向に設定した複数の計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとに、「リフトオフの変化量に対応する総合特徴量」を計算する。
先ず、各計測信号S1〜S12について、軸方向(時間軸方向)の各点の信号値を加算した値(積分値)を、各計測位置R1〜R12での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」(図9(c)参照)とした場合の、総合特徴量を求める手法を説明する。
各計測位置R1〜R12での「リフトオフの変化量に対応する特徴量」としては、正値のものと負値の物があるが、周方向に設定した複数の計測位置のうち相対向する一対の計測位置のそれぞれの「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して総合特徴量を求める。
具体的に説明すると、計測位置R1〜R12の「リフトオフの変化量に対応する特徴量」の絶対値を計算する。
つぎに、計測位置R1〜R12の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を使って、次のようにして総合特徴量を求める。
・計測位置R1と計測位置R7の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R1,R7の総合特徴量を求め、
・計測位置R2と計測位置R8の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R2,R8の総合特徴量を求め、
・計測位置R3と計測位置R9の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R3,R9の総合特徴量を求め、
・計測位置R4と計測位置R10の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R4,R10の総合特徴量を求め、
・計測位置R5と計測位置R11の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R5,R11の総合特徴量を求め、
・計測位置R6と計測位置R12の「リフトオフの変化量に対応する特徴量の絶対値」を加算して、計測位置R6,R12の総合特徴量を求める。
図9(d)の実線は、計測位置R1,R7、計測位置R2,R8、計測位置R3,R9、計測位置R4,R10、計測位置R5,R11、計測位置R6,R12の総合特徴量を示す総合特徴量波形である。
なお図9(d)の破線は、計測位置R1〜R6及び計測位置R7〜R12の特徴量を示す特徴量波形である。
このようにして、計測位置R1,R7、計測位置R2,R8、計測位置R3,R9、計測位置R4,R10、計測位置R5,R11、計測位置R6,R12の総合特徴量を求めたら、最も総合特徴量の大きな組み合わせを、「背側の計測位置と腹側の計測位置の組み合わせ」であるとして選択する。
この例では、計測位置R3,R9の総合特徴量が最も大きいので、計測位置R3,R9を、「背側の計測位置と腹側の計測位置の組み合わせ」であるとして選択する。
<背側の計測位置と腹側の計測位置の決定:図8のステップ5>
ここでは計測位置R3と計測位置R9のうち、どちらが背側(曲げ管部の外周側)でどちらが腹側(曲げ管部の内周側)であるかを決定する。
図9(e)は、図9(c)に示す各計測位置R1〜R12の特徴量を示す特徴量波形に、背側と腹側の組み合わせであると選定された位置を点線で書き加えたものである。この検査方式での曲げ管部の背側と腹側それぞれを通過したセンサの信号変化の向きをあらかじめ調べておく。たとえば、腹側を通過したセンサの信号値が大きくなり、背側を通過したセンサの信号値が小さくなる方向に信号変化をする検査方式の場合、図9(e)に示す特徴量波形において、計測位置R3の特徴量と計測位置9の特徴量を比較すると計測位置9の特徴量値の方が大きいため、計測位置9が腹で、計測位置3が背側であると決定する。
この手法は、基本的に、計測信号が増加する側に変化する波形(正側波形)であるか、減少する側に変化する波形(負側波形)であるかを基に、背側・腹側を決定する手法と同じ原理である。特徴量として、信号値の加算値(積分値)または平均値を採用するため、信号変化の大小関係は特徴量の大小関係と一致する。
なお計測信号や、計測信号の信号値を加算した値(積分値)で表す特徴量が、背側に位置したときの変化方向と、腹側に位置したときの変化方向は、センサ方式や探傷条件や校正方法により異なり、実施する検査方式での曲げ管部の背側と腹側それぞれを通過したセンサの信号変化の向きは、あらかじめ調べておく。
この例では、腹側を通過したセンサの信号値が大きくなり、背側を通過したセンサの信号値が小さくなる方向に信号変化をする検査方式の例を示している。
なお、総合特徴量を用いずに、図9(e)に示す計測位置ごとの特徴量が最大値を示す計測位置を腹側、または、最小値を示す計測位置が背側である、と決定する方法でもよい。ただし、総合特徴量を用いる方式は、背側と腹側が確実に180°離れた組み合わせとして位置を決定できるため、より外乱に強い方式である。
<後処理:図8のステップ6>
上記のステップ5の処理により、例えば、計測位置R3が背側(曲げ管部の外周側)であり、計測位置R9が腹側(曲げ管部の内周側)であると決定したとき、伝熱管1の周方向の0度の位置を決める。例えば、側に向いている計測位置R3の位置を、伝熱管1の周方向の0度の位置として決める。
なお、伝熱管1の周方向の0度の位置の決め方は、用途により異なる。
<周方向位置の検出:図8のステップ7>
計測信号S1〜S12のうち、例えば計測信号S5に欠陥を示す信号波形があることが既に検出されて、計測位置R5に欠陥があると検出されている場合、伝熱管1の周方向に関して、計測位置R5が何度であるかを計算する。
つまり、計測位置R3が0度であり、計測位置R3と計測位置5との周方向位置の角度は予め分っているので、計測位置R5(欠陥が存在する部分)が、伝熱管1の周方向に関してどの角度であるかを計算することができる。
そして、表示部21には、伝熱管1の周方向に関して欠陥が存在する部分(計測位置R5)の周方向位置が表示される。
このように実施例2では、特別なプローブや追加探傷の必要はなく、計測信号解析装置20が計測信号S1〜S12を信号処理演算することにより、欠陥を検出したセンサ(欠陥の位置)が、伝熱管1の周方向のどの位置にあるかを、特定することができる。
上記実施例2では、マルチセンサ型の渦電流探傷プローブ10を用いた例を示したが、回転型の渦電流探傷プローブを採用することもできる。つまり、渦電流探傷プローブの周方向に沿う複数の計測位置ごとの計測信号が得られるタイプの渦電流探傷プローブであれば、検査手法が異なっていても使用することができる。
なお、計測位置の数、つまりマルチセンサ型の渦電流探傷プローブの場合には、周方向に並べる複数のセンサの数は、任意に増減してもよい。
また検査対象となる伝熱管は、U字型の伝熱管のみならず、スクエア型の伝熱管であってもよい。
上記実施例1,2では、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1内を進む間に、渦電流探傷プローブ10の各センサC1〜C12の、伝熱管1内での周方向の位置は、ほとんど同じ位置であることを前提として説明した。
この実施例3では、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1内を進む間に、渦電流探傷プローブ10の各センサC1〜C12の、伝熱管1内での周方向の位置が、少しずつ変化していく場合に、周方向位置を補正する方法である。
実施例3では、実施例1,2により、欠陥が発生している周方向位置を特定した後に、周方向位置の補正をするものである。
この実施例3は、図10に示すように蒸気発生器として組み立てられて、伝熱管1の軸方向に沿う複数箇所に構造物、例えば管支持板3(3a〜3eを代表して3で示す)が取り付けられている伝熱管1を対象とする。かつ、管支持板3(3a〜3e)の貫通孔は所謂「BEC型」と呼ばれるタイプで、伝熱管1が貫通する貫通孔の周方向に沿う複数箇所(例えば4箇所)に、伝熱管1側に突出する突起部T(例えば突起部T1〜T4)を備えている場合に適用することができる。
なお、渦電流探傷プローブ10が伝熱管1内を進む間に、渦電流探傷プローブ10の各センサC1〜C12の、伝熱管1内での周方向の位置が、少しずつ変化していく、即ち、渦電流探傷プローブ10が走査(進行)中にねじれていくのは、主として渦電流探傷プローブ10を伝熱管に挿入する前後のケーブル部の姿勢(巻き取り装置で巻いてある、など)や、引張力や押し込み力により伝熱管1の軸方向に沿い移動させていくことにより生じる現象である。このため、走査(進行)の途中で急峻にねじれるようなことはなく、ほぼ軸方向の走査距離に比例してねじれが発生する。
実施例1,2では、渦電流探傷プローブ10が曲げ管部1β内を含む区間を移動する間に得られる計測信号S1〜S12を基に、周方向位置を特定するものであるが、図10に示すように欠陥Dが直管部1αに発生し、かつ、曲げ管部1βから離れているときに、渦電流探傷プローブ10が曲げ管部1βを出て直管部1αを走査するに伴いねじれていった場合には、欠陥Dの周方向位置が、渦電流探傷プローブ10のねじれ量に応じてずれてしまう。
そこで実施例3では、渦電流探傷プローブ10が曲げ管部1βを移動した前後に、直管部1αに入り移動していったときに、各管支持板3a〜3eの突起部T1〜T4を、センサC1〜C12により検出する。
渦電流探傷プローブ10が管支持板3aの位置を通過したときには、センサC1〜C12で検査をすることにより、突起部T1〜T4に対応した4つの突起部信号t(図12(a)において黒塗りした信号)が計測信号中に得られる。このとき、4つの突起部信号tを突起部信号t1,t2,t3,t4とする。
次に、渦電流探傷プローブ10が管支持板3bの位置を通過したときには、突起部T1〜T4に対応した4つの突起部信号t(図12(b)において黒塗りした信号)が計測信号中に得られる。このとき、4つの突起部信号tについては、図12(a)の突起部信号t1,t2,t3,t4と周方向位置が近いものを、突起部信号t1,t2,t3,t4とする。
次に、渦電流探傷プローブ10が管支持板3cの位置を通過したときには、突起部T1〜T4に対応した4つの突起部信号t(図12(c)において黒塗りした信号)が計測信号中に得られる。このとき、4つの突起部信号tについては、図12(b)の突起部信号t1,t2,t3,t4と周方向位置が近いものを、突起部信号t1,t2,t3,t4とする。
次に、渦電流探傷プローブ10が管支持板3dの位置を通過したときには、突起部T1〜T4に対応した4つの突起部信号t(図12(d)において黒塗りした信号)が計測信号中に得られる。このとき、4つの突起部信号tについては、図12(c)の突起部信号t1,t2,t3,t4と周方向位置が近いものを、突起部信号t1,t2,t3,t4とする。
渦電流探傷プローブ10が管支持板3aの位置を通過したときの突起部信号t1の周方向位置と、渦電流探傷プローブ10が欠陥Dと軸方向位置が最も近い位置にある管支持板3dの位置を通過したときの突起部信号t1の周方向位置とのずれ角度θ1が、渦電流探傷プローブ10のねじれ角度である。
したがって、欠陥Dの周方向位置を、実施例1,2で求めた周方向位置に対して、ずれ角度θ1だけずらした角度に補正する。
または、管支持板3aから管支持板3dまでの距離をX1、曲げ管部1βの軸方向の中央位置から欠陥Dが存在する位置までの伝熱管に沿う軸方向距離をX2としたときに、次式により軸方向の距離を加味したずれ角度θ2を求める。
θ2=θ1×(X2/X1)
この場合には、欠陥Dの周方向位置を、実施例1,2で求めた周方向位置に対して、ずれ角度θ2だけずらした角度に補正する。
実施例3の演算は、検査者が計測信号解析装置20の表示部21に表示された突起部信号tを見て行ってもよく、または、計測信号解析装置20に組み込んだソフトウエア(プログラム)により自動処理で演算するようにしてもよい。
実施例3では、渦電流探傷プローブ10が、曲げ管部1βを移動した後に、直管部1αを移動中にねじれていっても、欠陥Dの周方向位置を正確に判定することができる。
1 伝熱管
1α 直管部
1β 曲げ管部
2 管板
3 管支持板
10 渦電流探傷プローブ
11 プローブ本体
12 スタビライザ
13 信号線
20 計測信号解析装置
21 表示部
25 計測装置
26 記録装置
C1〜C12 センサ
S1〜S12 計測信号
R1〜R12 周方向の計測位置

Claims (15)

  1. プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力する渦電流探傷プローブを、
    直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入し、前記管内を移動させる走査をし、
    前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する検査において、
    前記センサが前記曲げ管部を走査しているときに、曲げ管部通過に起因して前記計測信号に生じる信号変化の波形特徴により、曲げ管部の腹側または背側に位置する計測位置を特定し、
    有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置と、曲げ管部の腹側または背側に位置していると検出した計測位置との位置関係を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を検出することを特徴とする検査位置の検出方法。
  2. プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力する渦電流探傷プローブを、
    直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入し、前記管内を移動させる走査をし、
    前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する検査において、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号から、前記計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量を計算し、
    前記特徴量を用いて曲げ管部の背側位置または腹側位置を通過した前記計測位置を特定し、
    前記背側位置または腹側位置を通過したと特定した計測位置と、前記有意な信号変化が存在している計測位置との管周方向の角度差を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を特定することを特徴とする検査位置の検出方法。
  3. 前記のリフトオフの変化量に対応する特徴量の計算は、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする請求項2に記載の検査位置の検出方法。
  4. 前記のリフトオフの変化量に対応する特徴量の計算は、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、有意な信号要因やノイズを示す高周波成分を除去するフィルタ処理を前処理として適用し、前記フィルタ処理をした各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれかに記載の検査位置の検出方法。
  5. 前記の曲げ管部の背側位置または腹位置を通過した前記計測位置を特定する方法は、
    複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとの前記特徴量を組み合わせた総合特徴量を求め、この総合特徴量に基いて曲げ管部の背側・腹側に位置する計測位置の組み合わせを選定し、前記特徴量に基き選定した組み合わせのうちどちらが曲げ管部の背側または腹側を通過した計測位置かを特定することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の検査位置の検出方法。
  6. 前記の総合特徴量は、
    複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとに、一方の計測位置の前記特徴量の絶対値と他方の計測位置の前記特徴量の絶対値とを加算して、総合特徴量とすることを特徴とする請求項5に記載の検査位置の検出方法。
  7. 前記管にはその軸方向に沿う複数箇所に管支持板などの構造物が配置され、かつ、前記構造物の貫通孔には周方向に沿う複数箇所に突起部が備えられている場合に、
    まず、請求項1ないし請求項6のいずれか一項の検査位置の検出方法により、管の周方向に関し有意な信号要因の位置を検出し、
    次に、前記渦電流探傷プローブが前記曲げ管部を出て前記直管部を走査した際に得た計測信号から、各構造物の貫通孔の突起部の周方向位置を検出し、
    前記曲げ管部に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置と、前記有意信号に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置のずれ量を計測し、
    前記検出した有意な信号要因の周方向位置を、前記突起部の周方向のずれ量に応じて補正することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の検査位置の検出方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の検査位置の検出方法を用いて、前記管に有意な信号要因があるか否かを検査すると共に、有意な信号要因がある場合には前記管の周方向に関して有意な信号要因の位置を検査することを特徴とする検査方法。
  9. プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力すると共に、直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入されて前記管内を移動して走査をする渦電流探傷プローブと、
    前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する有意信号要因検出手段と、
    前記センサが前記曲げ管部を走査しているときに、曲げ管部通過に起因して前記計測信号に生じる信号変化の波形特徴により、曲げ管部の腹側または背側に位置する計測位置を特定する計測位置特定手段と、
    有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置と、曲げ管部の腹側または背側に位置していると検出した計測位置との位置関係を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を検出する有意信号要因位置検出手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  10. プローブ本体と、前記プローブ本体の周面に備えられたセンサを有し、前記プローブ本体の周方向に沿う複数箇所に規定した計測位置毎に、それぞれ計測信号を出力すると共に、直管部と曲げ管部とからなる管内に挿入されて前記管内を移動して走査をする渦電流探傷プローブと、
    前記走査の際に得た計測位置毎の各計測信号のいずれかに有意な信号変化が存在した場合に、前記管に有意な信号要因があると検出する有意信号要因検出手段と、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号から、前記計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量を計算する特徴量計算手段と、
    前記特徴量を用いて曲げ管部の背側位置または腹側位置を通過した前記計測位置を特定する計測位置特定手段と、
    前記背側位置または腹側位置を通過したと特定した計測位置と、前記有意な信号変化が存在している計測位置との管周方向の角度差を基に、管の周方向に関して、有意な信号変化が存在している計測信号を出力する計測位置の位置、即ち有意な信号要因の位置を特定する有意信号要因位置検出手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  11. 前記特徴量計算手段は、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
  12. 前記特徴量計算手段は、
    前記曲げ管部を走査したときに得た各計測信号について、有意な信号要因やノイズを示す高周波成分を除去するフィルタ処理を前処理として適用し、前記フィルタ処理をした各計測信号について、時間軸方向の各点の信号変化量の総和または平均値を求め、この信号変化量の総和または平均値を、各計測信号を出力する各計測位置についてのリフトオフの変化量に対応する特徴量とすることを特徴とする請求項10ないし請求項11のいずれかに記載の検査装置。
  13. 前記計測位置特定手段は、
    複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとの前記特徴量を組み合わせた総合特徴量を求め、この総合特徴量に基いて曲げ管部の背側・腹側に位置する計測位置の組み合わせを選定し、前記特徴量に基き選定した組み合わせのうちどちらが曲げ管部の背側または腹側を通過した計測位置かを特定することを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれに記載の検査装置。
  14. 前記の総合特徴量は、複数の前記計測位置のうち径方向で相対向する一対の計測位置ごとに、一方の計測位置の前記特徴量の絶対値と他方の計測位置の前記特徴量の絶対値とを加算して、総合特徴量とすることを特徴とする請求項13に記載の検査装置。
  15. 前記管にはその軸方向に沿う複数箇所に管支持板などの構造物が配置され、かつ、前記構造物の貫通孔には周方向に沿う複数箇所に突起部が備えられている場合に、
    前記渦電流探傷プローブが前記曲げ管部を出て前記直管部を走査した際に得た計測信号から、各構造物の貫通孔の突起部の周方向位置を検出し、前記曲げ管部に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置と、前記有意信号に近い位置の管支持板での突起部の周方向位置のずれ量を計測し、前記検出した有意な信号要因の周方向位置を、前記突起部の周方向のずれ量に応じて補正する補正手段を更に有することを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれか一項に記載の検査装置。
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