本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23及びRFコイル24を備えている。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31及びコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35及び記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24にはガントリに内蔵されたRF信号の送受信用の全身用コイル(WBC: whole body coil)や寝台37や被検体P近傍に設けられるRF信号の受信用の局所コイルなどがある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27y及びZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23y及びZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29及び受信器30の少なくとも一方と接続される。送信用のRFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能を有し、受信用のRFコイル24は、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
図2は図1に示すRFコイル24の詳細構成の一例を示す図であり、図3は図2に示す被検体Pの体表側にbodyコイルとして設けられるコイル要素24cの配置例を示す図、図4は図2に示す被検体Pの背面側にspine(脊椎)コイルとして設けられるコイル要素24cの配置例を示す図である。
図2に示すようにRFコイル24として、筒状のWBC24aと複数のPAC24bとを用いることができる。各PAC24bは、複数のコイル要素24cを備えており、被検体Pの体表側と背面側とにそれぞれ複数のコイル要素24cが配置される。
一方、受信器30は、デュプレクサ30a,アンプ30b、切換合成器30c及び受信系回路30dを備えている。デュプレクサ30aは、送信器29、WBC24a及びWBC24a用のアンプ30bと接続される。アンプ30bは、各コイル要素24c及びWBC24aの数だけ設けられ、それぞれ個別に各コイル要素24c及びWBC24aと接続される。切換合成器30cは、単一又は複数個設けられ、切換合成器30cの入力側は、複数のアンプ30bを介して複数のコイル要素24又はWBC24aと接続される。受信系回路30dは、各コイル要素24c及びWBC24aの数以下となるように所望の数だけ設けられ、切換合成器30cの出力側に設けられる。
WBC24aは、RF信号の送信用のコイルとして用いることができる。また、MR信号の受信用のコイルとして各コイル要素24cを用いることができる。図2乃至図4に示す例では、被検体Pの体表側に配置された複数のコイル要素24cによって受信用のRFコイルとしてのbodyコイル24dが形成されている。一方、被検体Pの背面側に配置された複数のコイル要素24cによって受信用のRFコイルとしてのspineコイル24eが形成されている。さらに、WBC24aを受信用のコイルとして用いることができる。
このため、デュプレクサ30aは、送信器29から出力された送信用のRF信号をWBC24aに与える一方、WBC24aにおいて受信されたMR信号を受信器30内のアンプ30bを経由して切換合成器30cに与えるように構成されている。また、各コイル要素24cにおいて受信されたMR信号もそれぞれ対応するアンプ30bを経由して切換合成器30cに出力されるように構成されている。
切換合成器30cは、コイル要素24cやWBC24aから受けたMR信号の合成処理及び切換を行って、対応する受信系回路30dに出力するように構成されている。換言すれば、受信系回路30dの数に合わせてコイル要素24cやWBC24aから受けたMR信号の合成処理及び切換が切換合成器30cにおいて行われ、所望の複数のコイル要素24cを用いて撮影部位に応じた感度分布を形成して様々な撮影部位からのMR信号を受信できるように構成されている。
ただし、切換合成器30cを設けずに、コイル要素24cやWBC24aにおいて受信されたMR信号を直接受信系回路30dに出力するようにしてもよい。さらに、より多くのコイル要素24cを広範囲に亘って配置することもできる。
図5は、図1に示すRFコイル24の詳細構成の別の一例を示す図である。
図5に示すように、被検体Pの体表側に設置されるbodyコイル24d及び被検体Pの背面側に配置されるspineコイル24eとともにprostate(前立腺用)コイル24fを受信用のRFコイル24として用いることができる。prostateコイル24fは、前立腺癌の検査において肛門から直腸に挿入して使用する棒状の局所コイルである。このため、図5に示す例では、prostateコイル24fが被検体Pとなる患者の両足の間において寝台37に固定されている。
prostateコイル24fは、コイル表面の感度が非常に高い。このためprostateコイル24fを前立腺に接触させれば、前立腺からのMR信号のSNR (signal to noise ratio)を向上させることができる。その反面、prostateコイル24fは、小型であるため感度領域が狭い。従って、prostateコイル24fのみでは、広領域の観察には不向きである。そこで、prostateコイル24fは、通常、bodyコイル24dやspineコイル24eと併用される。これにより、前立腺付近及び前立腺の周囲における画像化を良好なSNRで行うことが可能となる。
prostateコイル24fに例示されるように、撮像目的に応じて様々な局所コイルを受信用のRFコイル24として用いることができる。prostateコイル24f以外の局所コイルの例としては、頸動脈のプラークイメージング用のコイルなどが挙げられる。頸動脈のプラークイメージング用のコイルは、head (頭部用)コイルと併用される。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gz及びRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるMR信号の検波及びA/D (analog to digital)変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
さらに、磁気共鳴イメージング装置20には、被検体PのECG (electro cardiogram)信号を取得するECGユニット38が備えられる。ECGユニット38により取得されたECG信号はシーケンスコントローラ31を介してコンピュータ32に出力されるように構成される。そして、必要に応じてECG信号に同期してイメージングを行うECG同期イメージングを実行することができる。
尚、拍動を心拍情報として表すECG信号の代わりに拍動を脈波情報として表す脈波同期(PPG: peripheral pulse gating)信号を取得することもできる。PPG信号は、例えば指先の脈波を光信号として検出した信号である。PPG信号を取得する場合には、PPG信号検出ユニットが設けられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムの少なくとも一部に代えて、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図6は、図1に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32の演算装置35は、記憶装置36に保存されたプログラムを実行することにより撮像条件設定部40及びデータ処理部41として機能する。データ処理部41は、感度情報取得部42、感度パラメータ決定部43及び画像生成部44を有する。また、記憶装置36は、k空間データ記憶部45、画像データ記憶部46、感度計算用パラメータ記憶部47及び感度マップデータ記憶部48として機能する。
撮像条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてパルスシーケンスを含む撮像条件を設定し、設定した撮像条件をシーケンスコントローラ31に出力する機能を有する。特に、撮像条件設定部40は、複数の受信用のRFコイル24を用いてイメージングを行うPI用の撮像条件を設定する機能を備えている。
PIは、複数のコイル要素24cを用いてMR信号を受信し、かつ位相エンコードをスキップさせることによって画像再構成に必要な位相エンコード数を減らす撮像法である。PIが行われる場合には、MR信号の収集に用いるコイル要素24cの数や各コイル要素24cと撮影部位を関連付けた情報を始めとしてPIに必要な情報が撮像条件として設定される。
PIによりMR信号が収集される場合には、各コイル要素24cに対応する画像データに対してPIの条件に基づいてPIにおける後処理である展開(unfolding)処理を行うことにより、展開された画像データが生成される。unfolding処理には、複数のコイル要素24cによって形成されるMR信号の感度情報が必要である。
受信用のRFコイル24の感度情報は、WBC24a及びWBC24a以外の受信用のRFコイル24を用いてそれぞれ収集されたMR信号に対するデータ処理によって取得することができる。或いは、WBC24aを用いずに、WBC24a以外の受信用のRFコイル24を用いて収集されたMR信号に対するデータ処理によっても受信用のRFコイル24の感度情報を取得することができる。
従って、撮像条件設定部40には、イメージング用のスキャンに先立って感度分布情報の取得用のプレスキャンを実行するためのデータ収集条件を設定する機能が備えられる。例えば、受信用のRFコイル24の種類及び組合わせ、MR信号の収集領域、高速化率等のPI用の撮像パラメータがプレスキャン用のデータ収集条件として設定される。
このため、撮像条件設定部40には、少なくとも感度分布情報の取得用のプレスキャンに使用した複数のRFコイル24を用いて、感度情報を用いた感度補正を伴って被検体Pのイメージングを行うためのPI用の撮像条件を設定することができるように構成される。
尚、感度分布情報の取得用のMR信号の収集対象となった被検体Pをイメージング対象となる被検体Pと同一にすることができるが、他の被検体Pをイメージング対象としてもよい。すなわち、感度分布情報の取得用のMR信号の収集対象となった被検体Pをイメージング対象となる被検体Pと変えてもよい。例えば、患者を模擬したファントムを被検体Pとして感度分布情報の取得用のMR信号を収集し、患者を被検体Pとしてイメージングを実行するようにしてもよい。
データ処理部41は、イメージングスキャンやプレスキャン等のMR信号のデータ収集スキャンを実行することによって収集されたMR信号をシーケンスコントローラ31から取得し、取得したMR信号にデータ処理を施すことによって画像データや感度情報等の必要なデータを生成する機能を有する。データ処理部41において生成されたデータは記憶装置36に保存又は表示装置34に表示させることができる。
データ処理部41の感度情報取得部42は、感度分布情報の取得用のプレスキャンによって収集されたMR信号に基づいて受信用のRFコイル24の感度情報を取得する機能と、取得した感度情報を感度マップデータ記憶部48に保存する機能とを有する。感度情報は、イメージングに用いられる複数のRFコイル24を用いて収集されたMR信号に対するデータ処理によって取得することができる。
感度情報は、WBC24aを含む複数のRFコイル24を用いて収集されたMR信号に基づいて取得することができる。或いは、WBC24a以外の複数のRFコイル24を用いて収集されたMR信号に基づいて取得することもできる。従って、感度情報の取得用のMR信号は、WBC24a及びWBC24a以外の単一のRFコイル24を用いて収集される場合、WBC24a及びWBC24a以外の複数のRFコイル24を用いて収集される場合及びWBC24a以外の複数のRFコイル24を用いて収集される場合がある。
特に、感度情報取得部42は、WBC24a及びWBC24a以外の複数のRFコイル24を用いて、或いは、WBC24aを使用せずに複数のRFコイル24を用いて、被検体Pから受信用の高周波コイル24の感度情報の取得用のMR信号を収集する場合に、複数のRFコイル24の組合せに応じて決定されるパラメータを用いたデータ処理をMR信号に施すことによって感度情報を取得する機能を備えている。
複数のRFコイル24の組合せに応じてパラメータが決定される代表的な例としては、被検体Pの体表側及び背面側の少なくとも一方に配置されるRFコイル24、すなわちbodyコイル24d及びspineコイル24eの一方又は双方とprostateコイル24fとによって形成される感度情報が取得対象となる場合が挙げられる。別の例としては、被検体Pの頸動脈におけるプラークイメージング用のRFコイル24及び頭部用コイルによって形成される感度情報が取得対象となる場合が挙げられる
そのために、感度パラメータ決定部43は、感度情報の取得用のMR信号の収集に使用される複数のRFコイル24の組合せやデータ収集部位等のデータ収集条件に応じて、感度情報の取得のためのデータ処理に用いられる単一又は複数のパラメータの値を適切な値に設定する機能を備えている。
一方、感度計算用パラメータ記憶部47には、感度情報の取得のためのデータ処理に用いられる所望のパラメータの値をイメージング用の撮像条件又は感度情報の取得用のデータ収集条件と関連付けて予め保存することができる。すなわち、互いに異なる複数の撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件と、各条件に適切なパラメータの複数の値とを関連付けて感度計算用パラメータ記憶部47に保存することができる。各パラメータの取り得る値と撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件との関係は、テーブルとして感度計算用パラメータ記憶部47に保存することができる。但し、関数を用いて撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件と各パラメータの取り得る値とを関連付けてもよい。
また、感度計算用パラメータ記憶部47には、感度情報の取得のためのデータ処理に用いられる所望のパラメータの値を、撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件に応じて決定するための情報を保存することもできる。すなわち、撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件に応じたパラメータの値自体に限らず、撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件に応じてパラメータの値を一義的に決定するための情報を感度計算用パラメータ記憶部47に保存することができる。
そして、感度パラメータ決定部43は、撮像条件設定部40から撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件を取得し、感度計算用パラメータ記憶部47に保存された情報を参照することによって、撮像条件又は感度取得用のデータ収集条件に対応する感度情報の取得のためのデータ処理のパラメータを決定するように構成される。
感度情報の取得用のパラメータの値と関連付けることが可能な条件としては、感度情報の取得用のMR信号の収集に使用されるRFコイル24の特定情報の他、データ収集部位或いは撮像部位等の任意の条件を用いることができる。
一方、感度情報の取得用のパラメータには、データの補間に用いられるパラメータ、フィッティングや重み付け加算の係数、ノイズを除去するための閾値等の様々なパラメータがある。典型的な例では、20から30程度のパラメータを設定して感度情報の取得のためのデータ処理が実行される。これらの多数のパラメータのうちデータ処理によって取得される感度情報の結果に支配的なパラメータとしては、WBC24a以外の複数のRFコイル24を用いてk空間データとして収集されたMR信号に基づいて生成される実空間データに対するノイズ除去のための閾値処理の閾値が挙げられる。
従って、より高精度な感度情報を取得する観点からは、少なくとも実空間データに対するノイズ除去のための閾値処理の閾値を適切な値に設定することが有効である。そこで、以降では、複数のRFコイル24の組合せに応じて決定されるデータ処理のためのパラメータが、WBC24a以外の複数のRFコイル24に対応する実空間データに対するノイズ除去のための閾値処理の閾値である場合を例に説明する。但し、他のパラメータについても閾値と同様に扱うことができる。
画像生成部44は、イメージング用のスキャンによって収集されたMR信号に基づいて画像データを生成する機能と、画像データを出力する機能とを有する。より具体的には、画像生成部44は、イメージングスキャンによって収集されたMR信号をシーケンスコントローラ31から取得してk空間データ記憶部45に形成されたk空間に配置する機能、k空間データ記憶部45からk空間データを取り込んでフーリエ変換(FT: Fourier transform)を含む画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成する機能、再構成して得られた画像データを画像データ記憶部46に書き込む機能、画像データ記憶部46から取り込んだ画像データに必要な画像処理を施す機能及び画像データを表示装置34に表示させる機能を有する
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作及び作用について説明する。ここでは、WBC24a、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fを用いて感度分布情報の取得及び前立腺を含む腹部のイメージングを行う場合を例に説明する。
図7は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により複数のRFコイル24を受信コイルとして被検体Pのイメージングを実行する際の流れを示すフローチャートである。
まずステップS1において、感度情報の取得用のMR信号の収集に用いられるRFコイル24又は感度情報の取得用のMR信号のデータ収集部位が指定される。ここでは、WBC24a、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fが用いられるため、これらのRFコイル24を指定する情報が、入力装置33から撮像条件設定部40に入力される。或いは、入力装置33から撮像条件設定部40に前立腺ガンの検査又は直腸のイメージングといったデータ収集部位の指定情報が入力されると、撮像条件設定部40は、WBC24a、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fを受信コイルとして認識する。
尚、prostateコイル24f及びWBC24aのみでは、PIを行うことができないがbodyコイル24dやspineコイル24e等のPAC24bと併用することによってprostateコイル24fを用いたPIが可能となる。また、WBC24aを使用せずに感度情報用のMR信号を収集することも可能であるが、ここでは、感度情報の取得のためにWBC24aで収集されたMR信号も用いる場合を例に説明する。
更に、パルスシーケンスの種類等の他のデータ収集条件が感度情報用のプレスキャンのための条件として設定される。
次にステップS2において、感度情報の取得用のプレスキャンが実行される。すなわち、シーケンスコントローラ31や静磁場用磁石21等のスキャンを実行するための磁気共鳴イメージング装置20の構成要素は、設定されたプレスキャン用のデータ収集条件に従ってデータ収集を行う。
そのために予め寝台37に被検体Pがセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置33から撮像条件設定部40にスキャン開始指示が与えられると、撮像条件設定部40はパルスシーケンスを含むデータ収集条件をシーケンスコントローラ31に出力する。そうすると、シーケンスコントローラ31は、撮像条件設定部40から取得したデータ収集条件に従って傾斜磁場電源27、送信器29及び受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされたデータ収集領域に傾斜磁場を形成させるとともに、送信用のRFコイル24からRF信号を発生させる。
このため、被検体Pの内部における磁気共鳴により生じたMR信号が、それぞれ受信用のRFコイル24であるWBC24a、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fにより受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、MR信号に所要の信号処理を実行した後、A/D変換することにより、デジタルデータのMR信号である生データを生成する。そして、受信器30は、デジタル化されたMR信号をコンピュータ32に出力する。
次に、コンピュータ32の感度情報取得部42は、MR信号をk空間データ記憶部45に形成されたk空間にk空間データとして配置する。尚、感度情報の取得用のMR信号は、複数の受信用のRFコイル24によって収集されるため、RFコイル24毎にk空間データが収集される。
次にステップS3において、感度情報の取得用のプレスキャンによって収集されたMR信号に基づいて実空間データが生成される。すなわち、感度情報取得部42は、WBC24aを用いて収集されたk空間データに画像再構成処理を施すことにより、実空間データとしてWBCデータを生成する。
一方、感度情報取得部42は、WBC24a以外の各RFコイル24を用いてそれぞれ収集された各k空間データに画像再構成処理を施すことにより、各RFコイル24に対応する実空間データを生成する。更に、感度情報取得部42は、WBC24a以外の各RFコイル24に対応する実空間データを合成してWBC24a以外の各RFコイル24に共通の実空間データを生成する。実空間データの合成方法としては、画素値の2乗和の平方根をとるSOS (sum of square)処理や画素値の強度の絶対値の和をとる処理など、イメージングに用いられる合成処理と同じ処理が用いられる。
このようにして生成された実空間データは、各RFコイル24によって形成される感度マップデータの生成に用いられる。しかしながら、実空間データには、無信号部分が存在する。無信号部分は、ノイズ領域に対応しており、感度マップデータの精度劣化の要因となる。そこで、実空間データからノイズ領域を除去するための閾値処理が実行される。
そのために、ステップS4Aにおいて、感度パラメータ決定部43によりWBCデータに対するノイズ除去のための閾値が決定される。一方、ステップS4Bにおいて、感度パラメータ決定部43によりWBC24a以外の各RFコイル24に対応する実空間データに対するノイズ除去のための閾値が決定される。
すなわち、感度パラメータ決定部43は、撮像条件設定部40から感度情報の取得用のデータ収集条件を取得する。そして、感度パラメータ決定部43は、感度計算用パラメータ記憶部47を参照し、データ収集条件に対応する適切な閾値を決定する。感度パラメータ決定部43には、実空間データに対する閾値を含む感度マップデータの生成処理に用いられる様々なパラメータがデータファイルとして保存されている。
従って、感度パラメータ決定部43が感度計算用パラメータ記憶部47に保存されているデータファイルからWBCデータに関連付けられたノイズ除去のための閾値を取得することができる。一方、WBC24a以外の各RFコイル24に対応する実空間データに対するノイズ除去のための閾値については、単一のRFコイル24と関連付けることができない。そこで、感度パラメータ決定部43は、感度計算用パラメータ記憶部47に保存されているデータファイルを参照し、RFコイル24の組合せに応じた適切な閾値を決定する。
図8は、図6に示す感度計算用パラメータ記憶部47に保存される閾値の第1の例を示す図である。
図8に示すように、コイルID(COIL1, COIL2, COIL3, COIL4)で識別される複数のRFコイル24をそれぞれ閾値(TH1, TH2, TH3, TH4)と関連付けてテーブルとして感度計算用パラメータ記憶部47に保存することができる。すなわち、WBC24aと共に、或いは単独でRFコイル24を用いて被検体PからMR信号を収集する場合に、感度マップデータの生成のための閾値処理に用いられるRFコイル24毎の閾値を感度計算用パラメータ記憶部47に予め記憶させておくことができる。
しかしながら、WBC24a以外に複数のRFコイル24を用いる場合には、共通の実空間データが複数のRFコイル24に対応している。このため、RFコイル24毎に関連付けられた閾値をそのまま用いることができない。そこで、WBC24a以外に複数のRFコイル24を用いる場合に備えて、データ収集領域(R1, R2, R3)を閾値(TH01, TH02, TH03)と関連付けてテーブルとして感度計算用パラメータ記憶部47に保存することができる。
このように、実空間データに対する閾値は、使用するRFコイル24又はデータ収集領域に応じて予め適切な値として準備されている。
しかしながら、WBC24a以外に複数のRFコイル24を用いる場合において、データ収集領域に関連付けられた閾値のみを用いると不適切な場合が生じ得る。仮に、閾値が過剰に大きい値に設定されると感度マップデータの生成に用いられる実空間データが不足することとなる。逆に、閾値が過剰に小さい値に設定されると不要なアーチファクト成分が感度マップデータの生成処理に用いられることとなる。
例えば、bodyコイル24dを単独で使用した場合の感度はspineコイル24eを単独で使用した場合の感度と同等である。従って、WBC24a以外にbodyコイル24d及びspineコイル24eのみが使用された場合には、データ収集領域として腹部に関連付けられた閾値を適切な閾値として用いることができる。
これに対して、prostateコイル24fを単独で使用した場合の感度は、bodyコイル24d及びspineコイル24eをそれぞれ単独で使用した場合の各感度に比べて極めて高い。従って、WBC24a以外にbodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fが使用された場合には、腹部に関連付けられた閾値は不適切となる。
そこで、WBC24a以外に複数のRFコイル24を使用する場合においても、データ収集領域に関連付けられた閾値ではなく、予め指定されたRFコイル24に関連付けられた閾値が適用されるようにすることができる。そのために、感度計算用パラメータ記憶部47には、指定されたRFコイル24を特定するための情報を保存することができる。
図8に示す例では、WBC24aと共に、或いは単独でRFコイル24を用いて被検体PからMR信号を収集する場合に用いられるRFコイル24毎の閾値に、それぞれ優先度がRFコイル24を特定するための情報として割り当てられている。このため、感度パラメータ決定部43は、感度計算用パラメータ記憶部47に保存されたデータファイルの優先度を参照してデータ収集領域に関連付けられた閾値を適用するのか或いは特定のRFコイル24に関連付けられた閾値を適用するのかを判定することができる。
図9は、図8に示すテーブルに基づいて閾値を決定する方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップS20において、感度パラメータ決定部43は、撮像条件設定部40から感度情報の取得用のMR信号の受信に用いられたRFコイル24の識別情報としてコイルIDを取得する。
次に、ステップS21において、感度パラメータ決定部43は、WBC24a以外に複数のRFコイル24が使用されたか否かを判定する。そして、WBC24a以外に複数のRFコイル24が使用されていないと判定される場合には、ステップS22において、感度パラメータ決定部43は、コイルIDに関連付けられた閾値をテーブルから取得して適用する。
一方、WBC24a以外に複数のRFコイル24が使用されたと判定される場合には、ステップS23において、1以上の優先度が付与されたコイルIDが存在するか否かを判定する。そして、1以上の優先度が付与されたコイルIDが存在しないと判定される場合には、ステップS24において、感度パラメータ決定部43は、データ収集領域に関連付けられた閾値をテーブルから取得して適用する。
一方、1以上の優先度が付与されたコイルIDが存在すると判定される場合には、ステップS25において、感度パラメータ決定部43は、優先度が1以上でかつ最小のコイルIDに関連付けられた閾値をテーブルから取得して適用する。
つまり、1以上の値の優先度が付与されたコイルIDで識別されるRFコイル24が使用される場合には、コイルIDに関連付けられた閾値が適用されるようにすることができる。尚、1以上の値の優先度が複数のRFコイル24に付与された場合に単一のRFコイル24が択一的に特定されるように、1以上の値を有する各優先度は互いに異なる値となっている。
このような優先度を用いた判定アルゴリズムを用いれば、予め指定されたRFコイル24がMR信号の収集に用いられる場合には指定されたRFコイル24に関連付けられた閾値を用いて閾値処理を行う一方、指定されたRFコイル24がMR信号の収集に用いられない場合には撮像部位に関連付けられた閾値を用いて閾値処理を行うようにすることができる。尚、優先度の定義及び優先度を用いた判定アルゴリズムについては、図8及び図9に示す例に限らず任意に決定することができる。
従って、例えば、bodyコイル24d及びspineコイル24eの各優先度を-1に設定する一方、prostateコイル24fの優先度を1に設定すれば、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fが使用された場合に相対的に感度が高いprostateコイル24fに対応する閾値を適用することができる。また、bodyコイル24d及びspineコイル24eの各優先度を互いに異なる値に設定すれば、bodyコイル24d及びspineコイル24eのみを使用してMR信号が収集された場合において、bodyコイル24d及びspineコイル24eのいずれかに対応する閾値を適用することができる。
尚、前立腺のイメージングに用いられるRFコイル24以外の例としては、headコイルの優先度を-1に設定する一方、頸動脈のプラークイメージング用の局所コイルの優先度を1に設定する例が挙げられる。この場合、相対的に感度が高い頸動脈のプラークイメージング用の局所コイルに関連付けられた閾値を適用することができる。
図10は、図5に示すbodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fを併用して収集された実空間データに対して設定された閾値の例を示す図である。
図10の各グラフにおいて横軸は直腸を横切る線ROI(region of interest)上の一次元の位置を示し、縦軸は実空間データの信号強度を示す。また図10において左側のグラフはprostateコイル24fを単独で用いて画像データを生成した場合における画像信号の強度分布を、中央のグラフはbodyコイル24dを単独で用いて画像データを生成した場合における画像信号の強度分布を、右側のグラフはspineコイル24eを単独で用いて画像データを生成した場合における画像信号の強度分布を、それぞれ示す。
図10に示すようにbodyコイル24d及びspineコイル24eの感度は互いに同等であるのに対し、prostateコイル24fの感度は極端に高い。従って、仮にデータ収集領域として腹部に関連付けられた閾値TH_Rを適用すると、閾値TH_Rの値は最大信号値の10%となる。従って、prostateコイル24fによって収集された画像信号の最大値の10%が閾値TH_Rの値となる。この結果、bodyコイル24d及びspineコイル24eにより収集される画像信号が必要以上に除去されることとなる。これは、感度マップデータの精度劣化に繋がる。
これに対して、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fを用いて腹部からデータ収集を行った場合であっても、優先度の設定によりprostateコイル24fに関連付けられた閾値TH_Cを適用すれば、閾値TH_Cの値は最大信号値の2%となる。この結果、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fにより収集される画像信号から適切にノイズ成分を除去することができる。
尚、上述の例では、感度計算用パラメータ記憶部47に保存される優先度等の情報に基づいて予め指定されたRFコイル24を特定する場合について説明したが、他の方法によってRFコイル24の組合せに応じた適切な閾値を決定することもできる。
図11は、図6に示す感度計算用パラメータ記憶部47に保存される閾値の第2の例を示す図である。
図11に示すように優先度を設定する代わりに、複数のRFコイル24の組合せに対して1つの閾値を関連付けることもできる。図11に示す例では、データ収集領域とも閾値が関連付けられている。従って、複数のRFコイル24の組合せに該当しない場合には、データ収集領域に関連付けられた閾値を適用することができる。逆に複数のRFコイル24の組合せに該当する場合には、複数のRFコイル24に関連付けられた閾値を適用することができる。
この場合において、コイルIDが3で識別されるRFコイル24のように、全ての複数のRFコイル24の組合せに含まれるRFコイル24が存在する場合には、そのRFコイル24がMR信号の収集に用いられるか否かの判定を行うようにしてもよい。すなわち、予め指定されたRFコイル24がMR信号の収集に用いられる場合には指定されたRFコイル24を含む複数のRFコイル24に関連付けられた閾値を用いて閾値処理を行う一方、指定されたRFコイル24がMR信号の収集に用いられない場合にはデータ収集領域に関連付けられた閾値を用いて閾値処理を行うようにすることができる。
また、データ収集領域と閾値とを関連付けずに複数のRFコイル24の組合せ毎に閾値を関連付けてもよい。但し、優先度等の情報に基づいて指定されたRFコイル24を特定する方法を用いれば、複数のRFコイル24の組合せの数が多い場合であっても簡易なテーブルを用いて閾値の決定を行うことができる。
このようにして感度パラメータ決定部43により閾値が決定されると、決定された閾値が感度情報取得部42に与えられる。
次に、図7のステップS5Aにおいて、感度情報取得部42によりWBCデータの閾値処理が実行される。一方、ステップS5Bにおいて、感度情報取得部42によりWBC24a以外の各RFコイル24に対応する実空間データに対する閾値処理が実行される。
次に、ステップS6Aにおいて、感度情報取得部42により閾値処理後のWBCデータに対する所望の後処理が実行される。一方、ステップS6Bにおいて、感度情報取得部42によりWBC24a以外の各RFコイル24に対応する閾値処理後の実空間データに対する後処理が実行される。
閾値処理後の後処理としては、領域縮小(リジョンリダクション)処理等の処理が挙げられる。後処理に用いられるパラメータについても閾値処理の閾値と同様に、RFコイル24の組合せに応じた適切な値に設定することができる。すなわち、感度パラメータ決定部4が感度計算用パラメータ記憶部47に保存されたデータファイルを参照することによってRFコイル24の組合せに応じたパラメータの値を決定することができる。
次に、ステップS7において、感度情報取得部42により感度マップデータが生成される。具体的には、WBC24a以外の各RFコイル24に対応する実空間データの絶対値をWBCデータの絶対値で除算する処理、正規化処理、スムージング処理、補間処理、領域拡張処理及び重み付け加算処理等の様々な処理のうち予め決定された処理が実行される。尚、WBCデータが収集されない場合には、除算処理が実行されないこととなる。
感度マップデータの生成処理についても、感度パラメータ決定部4により処理に用いられるパラメータをRFコイル24の組合せに応じた適切な値に設定することができる。
そして、感度情報取得部42は、複数のRFコイル24に対応する感度分布情報として感度マップデータを感度マップデータ記憶部48に保存する。これにより、感度マップデータに対応する複数のRFコイル24を用いたPIが可能となる。
次に、ステップS8において、PIの撮像条件に従ってイメージングスキャンが実行される。そのために、撮像条件設定部40においてPI用の撮像条件が設定される。ここでは、WBC24a、bodyコイル24d、spineコイル24e及びprostateコイル24fを用いて前立腺を含む腹部のイメージング用の撮像条件が設定される。そして、感度情報の取得用のプレスキャンと同様な流れでイメージングスキャンが実行される。これにより、RFコイル24毎のk空間データがk空間データ記憶部45に収集される。
次に、ステップS9において、画像生成部44によりRFコイル24毎のk空間データに基づく画像再構成処理、展開処理及び感度補正処理を含むデータ処理が実行される。これにより表示用の診断画像データが生成される。
尚、感度補正処理に必要となる感度マップデータは、感度マップデータ記憶部48から取得される。この感度マップデータは、RFコイル24の組合せに応じて適切に決定された閾値を用いて閾値処理された元データから生成されている。このため、高精度な感度マップデータを用いて感度補正処理を行うことができる。また、良好な画質を有する診断画像データを生成することができる。
次に、ステップS10において、画像生成部44は、診断画像データを表示装置34に出力する。この結果、表示装置34には、良好な画質を有する腹部の診断画像が表示される。
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、WBC24a以外の複数のRFコイル24の組合せに応じて感度マップデータの生成に用いられるパラメータの値を適切な値に設定できるようにしたものである。
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、極端に感度が異なるRFコイル24を含む複数のRFコイル24を用いてイメージングを行う場合において、感度分布情報をより正確に求めることができる。
例えば、prostateコイル24fを用いる場合には、データ収集領域が同じであってもノイズ除去のための閾値処理の閾値をbodyコイル24d及びspineコイル24を用いる場合と異なる適切な値に設定することができる。この結果、ノイズ除去のための閾値処理によって過剰にデータが除去されることを回避することができる。そして、PIにおける画像処理の結果、画像が欠けるといった事態を回避することができる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。