JP5904665B2 - 位相計測装置、位相計測プログラム及び位相計測方法 - Google Patents
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y =A sin [2π(t/T-z/λ)] ・・・(1)
というように表される。ここで、y は今取り扱おうとしている物理量で、光の場合一般には電場である。Aは振幅、Tは振動の周期、λは波長、tとzはそれぞれ変数としての時間と波の進行方向の座標で、sin関数の中が位相と呼ばれる。光の場合、位相の中の振動の周期と時間は、計測の時間スケールと比べて遙かに短いので、平均化されて意味を持たないので、通常省略される。
の波長は、
λ = λ0/n ・・・(2)
と表される。空気の屈折率はほぼ1であるので、空気中の波長もλ0と見なすことができ
る。屈折率は水が1.33程度、ガラスや光学樹脂は1.5〜1.6程度である。
考えると、母材に入った直後は光Aも光Bも同じように母材中に進むので、波面の間隔はλ1に変わるが波面形状は平面のままである。しかし光が埋め込み部に達すると、埋め込
み部の厚さtの部分では波長がλ2に変わって波長が短くなるので、波面の形状は上に凸
に変わる。
N2=t/λ2 ・・・(3)
光路Bのそれに対応する厚さtの部分に入る波の数N1は、
N1=t/λ1 ・・・(4)
であるので、埋め込み部を通り抜けた直後の光路Aと光路Bの波面のずれ量Δφは、波の
数、すなわち波長単位で表すと
Δφ= N2-N1
=(1/λ2 - 1/λ1)t
=(n2- n1)t/λ0 ・・・(5)
と表される。この波面のずれ量は一般にはラジアン単位で表され、位相ずれ、位相変化あるいは単に位相などと呼ばれる。
Δφ(x,y)=[n2(x,y) - n1]t/λ0 ・・・(6)
と表すことができる。
(6)式から、母材の屈折率n1と埋め込み部の厚さtが前もって解っていれば、試料
を透過した光の位相ずれの分布Δφ(x,y)を計測することによって、埋め込み部分の屈
折率分布n2(x,y)を求めることができる。
ψr(x,y) = Ar(x,y)exp[ikz] ・・・(7)
と表される。ここでx、yは、z軸と直交する平面上の直交する2方向の座標である。いま参照波は場所によらず一定と考えれば、右辺Ar(x,y)も場所によらず一定である。
ψo(x,y) =Ao(x,y)exp[i[kz+φ(x,y)]] ・・・(8)
と表される。物体波には、物体による振幅と位相の変化が (x,y)面内に生じる。
ψo +ψr ・・・(9)
と表される。2つの波が重なった部分を観察すると、計測される物理量は強度I(x,y)で
あるので、
I(x,y) = (ψo +ψr)2 ・・・(10)
この式に(7)式および(8)式を代入すると、複素共役を * で表して、
I(x,y) = |ψo +ψr ||ψo +ψr |*
= |Ao(x,y)|2+|Ar|2 + |Ao(x,y)||Ar|exp[i[kz+φ(x,y)-kz]]
+ |Ao(x,y)||Ar|exp[i[-kz-φ(x,y)+kz]]
= |Ao(x,y)|2+|Ar|2+2|Ao(x,y)||Ar|cos[φ(x,y)] ・・・(11)
となる。第1項と第2項の |Ao(x,y)|2 と |Ar|2 は物体波と参照波の強度分布であ
る。一方、第3項は干渉項で、物体波に加えられた位相の変化に従った濃淡を生じる。ニュートンリングのように物体による強度の変化が無視できる場合には、第1項と第2項は一定で、第3項の干渉縞のみが観察される。
X = xcosθ+zsinθ ・・・(12)
Z = -xsinθ+zcosθ ・・・(13)
となり、傾斜角が小さければ
X = x+zsinθ ・・・(14)
Z = -xsinθ+z ・・・(15)
となる。従って参照波は、x座標の変化による振幅の変化は十分小さいと見なして、
ψr(X,y) = Ar(x,y)exp[ikZ]
= Ar(x,y)exp[i[kz-kxsinθ]]・・・(16)
と表すことができる。
I(x,y) = |ψo +ψr ||ψo +ψr |*
= |Ao(x,y)|2+|Ar(x,y)|2+|Ao(x,y)||Ar(x,y)|exp[i[kz+φ(x,y)-kz+kxsinθ]]
+|Ao(x,y)||Ar(x,y)|exp[i[-kz-φ(x,y)+kz-kxsinθ]]
= |Ao(x,y)|2+|Ar(x,y)|2+2|Ao(x,y)||Ar(x,y)|cos[φ(x,y)+kxsinθ]
・・・(17)
と表される。つまり、2本のビームの重なる角度に応じた間隔の干渉縞画像となり、物体波による位相変化はその干渉縞間隔の局所的な変化として重畳する形となる。
て引き起こされる強度の変化Ao(x,y) も無視することができない。すなわち(17)式の第3項で、位相を含んだcos(余弦)の項と物体波、参照波の振幅分布が不可分の状態で含まれているため、この方法では高い計測精度を期待することができない。
間隔と方向が一定の干渉縞が生じている。これは前述したように2本のビームが傾いて重なったことによる干渉縞である。
と振幅とが分離されているため、物体波の位相を抽出することができる。
I = B+A cos(φ') ・・・(18)
書き換える。
点の測定に少なくとも3つの独立な強度の値が必要である。そこで、位相を1/4波長ずつずらした4枚の干渉縞画像を考えると、各干渉縞画像内の点(x0,y0)における強度Iは、
I1 = B+Acos(φ') ・・・(19)
I2 = B+Acos(φ'+π/2) ・・・(20)
I3 = B+Acos(φ'+π) ・・・(21)
I4 = B+Acos(φ'+3π/2) ・・・(22)
と表される。
I2 = B+Asin(φ') ・・・(23)
I3 = B-Acos(φ') ・・・(24)
I4 = B-Asin(φ') ・・・(25)
(19)式と(24)式からまずBを消去して、
I1 - I3 = 2Acos(φ') ・・・(26)
(23)式と(25)式からやはりBを消去して、
I2 - I4 = 2Asin(φ') ・・・(27)
ついてこの計算を行えば、視野内の透過波の位相分布を求めることができる。この1/4波長ずつずらした4枚の干渉縞画像を用いる方法が最も計算が簡潔・容易で、4点法など
と呼ばれている。
I1 = B+Acos(φ') ・・・(30)
I2 = B+Acos(φ'+2π/M) ・・・(31)
IM = B+Acos[φ'+2π(M-1)/M] ・・・(32)
となる。
Im = B+Acos[φ'+2π(m-1)/M] ・・・(33)
となる。ただし、m=1〜Mである。(33)式を加法定理を用いて変換すると、
Im = B+A[cos(φ')cos[2π(m-1)/M]-sin(φ')sin[2π(m-1)/M]] ・・・(34)
ここで、この点(x0,y0)においては、位相をずらしたことによる変数は、[2π(m-1)/M]であり、B、Aおよびφ'は定数である。したがって定数の部分を、
A1 = Acos(φ') ・・・(35)
A2 = -Asin(φ') ・・・(36)
変数の部分を
Xm = cos[2π(m-1)/M] ・・・(37)
Ym = sin[2π(m-1)/M] ・・・(38)
とおけば、(34)式は
Im = B + A1Xm + A2Ym ・・・(39)
と表すことができる。
Xm 2 - Ym 2 = cos2[2π(m-1)/M] - sin2[2π(m-1)/M]2 = cos[4π(m-1)/M]
・・・(55)
となるため、
1.参照波と物体波の相対的な位相差を1/M(M:3以上の正数)ずつシフトしたM枚
の干渉縞画像を取得し、
2.干渉縞画像各点について、(58)式の計算を行うことによって、物体波の被計測試料による位相変化の分布を求めることができる。
φ(x,y) + kxsinθ ・・・(59)
であり、第2項に2本のビームの重なる角度に応じた位相の傾斜成分が含まれているため、2本のビームの角度が正確に分かっている場合には数値的に補正し、そうでない場合には画像から傾斜成分を求めて補正すればよい。
Xm = cos(δm) ・・・(60)
Ym = sin (δm) ・・・(61)
となる。δmはm枚目の干渉縞画像の位相シフト量である。このように、位相シフト量が
整数分の1波長である必要は必ずしもなく、計算精度が得られにくいとか、計算量が増えるといったことはありうるが、大きな問題はない。
電子線干渉において、位相シフト量が未知である場合の対策は従来においても行われている(非特許文献4)。この方法では、まず100枚程度あるいはそれ以上の干渉縞画像を取得し、それらをフーリエ変換法を用いて位相の情報に変換する。これにより、干渉縞画像内各点の位相項の実数部分と虚数部分が求められる。この実数部分と虚数部分は、それぞれ(44)式右辺括弧内の分母と分子に対応している。
/50波長のばらつきがあると、計測された位相はおよそ±1/100波長程度の不確かさを有する結果が得られている。この結果で評価する限りは、この方法は非常に多くの干渉縞画像と膨大な計算を必要とするにもかかわらず、誤差は半分程度にしか軽減されないということになる。
計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の可干渉ビームを重畳させて干渉縞を形成する干渉素子と、
前記干渉素子によって形成された干渉縞を撮像素子の撮像面に結像せしめる光学系と、
前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変する位相制御機構と、
前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出する算出部と、を備え、
前記算出部は、
前記撮像素子によって撮像された相対的な位相差が異なる複数の干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択し、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記強度分布曲線の特徴点から前記選択点までの位相差である初期位相を決定し、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出することを特徴とする。
前記可干渉ビームは、レーザー光であり、
前記干渉素子は、反射鏡と半透過鏡の組み合わせであり、
前記位相制御機構は、反射鏡もしくは半透過鏡の少なくとも一つを機械的に微動させることを特徴とする。
前記可干渉ビームは、レーザー光であり、
前記干渉素子は、フレネルバイプリズムであり、
前記位相制御機構は、前記フレネルバイプリズムを機械的に微動させることを特徴とする。
前記可干渉ビームは、電子線であり、
前記干渉素子は、電子線バイプリズムであり、
前記位相制御機構は、前記電子線バイバイプリズムを機械的に微動させることを特徴とする。
計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の可干渉ビームを重畳させ、前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変して撮像した複数の干渉縞画像に基づいて、前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出するコンピューターにて実行可能な位相計測プログラムにおいて、
撮像された相対的な位相差が異なる複数の前記干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択する処理と、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記選択点から前記強度分布曲線の特徴点までの位相差である初期位相を決定する処理と、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出する処理とを実行することを特徴とする。
計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の可干渉ビームを重畳させ、前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変して撮像した複数の干渉縞画像に基づいて、前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出する位相計測方法において、
撮像された相対的な位相差が異なる複数の前記干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択し、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記強度分布曲線の特徴点から前記選択点までの位相差である初期位相を決定し、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出することを特徴とする。
Im(x,y0) = |Ao(x,y0)|2+|Ar(x,y0)|2
+2|Ao(x,y0)||Ar(x,y0)|cos[φ(x,y0)+kxsinθ+δm] ・・・(62)
となる。ちなみに、ビームの波長λと傾斜角θおよびそれによって生じる干渉縞の間隔dの間の関係は、
dsinθ=λ ・・・(63)
で与えられるので、kxsinθ は 2πx/d と書くこともできる。
の値をφ0とし、(18)式に倣ってこの直線上のビームの強度分布を簡略化して表すと
、
Im(x,y0) = B(x,y0)+A(x,y0)cos[φ0+2πx/d+δm] ・・・(64)
と表すことができる。B(x,y0)およびA(x,y0)は、理想的には一定の量であるが、実際にはビーム源に起因する強度分布や撮像素子の信号ノイズなどがあるため、得られる曲線は多少のばらつきを持って正弦曲線的に変化する曲線となる。そこで、例えば最小自乗法などを用いて横軸の位置xに対する強度Im(x,y0)の変化に基づいて、干渉縞分布曲
線を決定することで、B(x,y0)、A(x,y0)、dおよび φ0+δmを決めることができる。本実施形態では、この干渉縞分布曲線にcos(余弦)カーブを用いてフィッティングを行っている。
y0)が、干渉縞分布曲線の特徴点(本実施形態では、cos(余弦)カーブの位相ゼロ
の点(カーブのピークに相当))を基準とし、そこから測って何ラジアンの位置に相当するか、すなわち図に示したδ1を求めることによって、このm枚目の干渉縞画像の初期位
相を決定することができる。一般にこうして求めた初期位相は、実際に干渉縞画像を取得したときに与えた初期位相とは絶対値が異なる。しかし位相は、基準の場所から測った角度であり、基準自体はどこにとってもかまわない量であるから、全ての干渉縞画像に共通の基準からそれぞれの干渉縞画像の初期位相を測定していれば何ら差し支えない。すなわち重要な量は、各干渉縞画像間の位相のずれ量であるので、この方法で決定した初期位相を計測対象部分における初期位相としてよいことになる。
とビーム進行方向であるz方向に関する位相の遅れ、δmも同じくz方向に関する位相の
進み・遅れであるが、この式ではxにもyにも関わらない形で含まれているので、x方向に対する進み・遅れと見なしても全く等価であることに対応している。複数枚の干渉縞画像から、それぞれの初期位相を求めるときの様子を示したのが図7である。
ながら、その大半を利用していないことになる。さらに、各干渉縞画像の位相を限られた情報から決定するため、それをプロットした位相分布の円を統計的に精度良く決めるために多くの干渉縞画像を必要とする。
が、参照波は光路長が変化したことにより、物体波と干渉するときの位相の状態すなわち波動の山・谷の進行方向の位置が変化しているので、干渉縞の明暗の位置が第1の干渉縞画像とは異なっている。同様にして3枚以上の干渉縞画像を次々に取り込めば、原理の項で説明した方法で各干渉縞画像の初期位相を決定することができ、したがって位相シフト法を適用して干渉縞画像内の位相分布、すなわち被計測試料S内の計測対象部分によって変化した照射ビームの位相分布を求めることができる。
のような位相計測装置の撮像素子5で撮像された干渉縞画像は、計算機(コンピューター)に取り込まれ、各干渉縞画像について、図6、図7で説明したように強度分布曲線を決定することで初期位相が決定される。各干渉縞画像について決定された初期位相は、各干渉縞画像内の計測対象部分の位相を算出するために使用される。なお、このような演算処理は、計算機(コンピューター)に格納するプログラムにて実行されることとなるが、この計測対象部分の位相を算出するプログラム(本発明における「位相計測プログラム」)、あるいは、計測対象部分の位相を算出するプログラムを記憶した記憶媒体についても本発明の範疇となる。
を実行する(S102)。各干渉縞画像は、位相制御機構により干渉条件、すなわち、初期位相が変化される(S103)。図8、図9の場合には、微動部6によって光学素子を振動させることで撮像毎の干渉条件が変化される。干渉縞画像の取得は、その撮像枚数m=Mとなるまで繰り返し実行される。撮像枚数Mは、位相制御機構の動作量の異なる3枚以上とすることが必要となるが、取得した各干渉縞画像に対する位相制御機構の数値的な動作量は分かっている必要はなく、また各干渉縞画像間における位相制御機構の数値的な動作量は等間隔である必要もない。ただ、より高精度な計測のためには、おおよそ等間隔で、干渉縞画像の枚数も多い方が有利となる。
所定領域中の所定点(選択点)を通る直線について、強度分布曲線(サインカーブもしくはコサインカーブ)を用いたフィッティング(S205)が実行される。サインカーブを使用した場合、(65)式(コサインカーブの場合には(66)式)にフィッティングすることでBm、Am、λm、φmを決定する。
y=Bm+Amsin (2πx/λm+φm) ・・・(65)
y=Bm+Amcos (2πx/λm+φm) ・・・(66)
ここで、Bmは干渉縞のベースとなる明るさ、Amは干渉縞の振幅、λmは干渉縞の周期
の波長、φmは干渉縞の初期位相、xは選択点を通る直線上の位置である。
となるxでもよい。
サインカーブ)の位相がゼロである位置(本発明における「特徴点」)からの位相となっている。この強度分布曲線における特徴点は、強度分布曲線における所定の位相の位置(山や谷でのピークなど)であれば任意に選択することが可能である。
Am、λmが各干渉縞画像間でばらつきが小さい場合(S209:Yes)には、S206で算出された各干渉縞画像に対する初期位相φmを、各干渉縞画像に対して使用するもの
として確定する(S210)。一方、算出したBm、Am、λmが各干渉縞画像間でばらつ
きが大きい場合(S209:No)には、再決定処理S220を実行し、もっともらしいBm、Am、λmが算出される。
を求めている。平均化としては、単純に平均をとることや最小自乗法を利用した手法などを採用することができる。
し、平均値BAV、AAV、およびλAVが求められる(S221)。S223では、求めた平均値BAV、AAV、およびλAVを使用して、(67)式を満たす初期位相φmを各干渉縞画像に
ついて算出する。すなわち、Bm、Am、λmを有する波形を移動させ、干渉縞に最もフィ
ットする位置の初期位相φmとして採用される。
y=BAV+AAV sin (2πx/λAV+φm) ・・・(67)
S220で算出された初期位相φmは、図12の初期位相決定処理において各干渉縞画
像に対して使用するものとして確定される(S210)。
この処理は、図12の初期位相決定処理で確定された各干渉縞画像毎の初期位相φmを使
用して、各干渉縞画像を構成する各ピクセル(画素)に対する位相値が算出される(S303)。具体的には、各干渉縞画像Pmに対応する(添え字mが共通する)初期位相φmを(46)〜(48)式の(2πm/M)の代わりに適用して、干渉縞画像内の各ピクセルにおける位相値が計算される。
φ(x, y) =2π ( n (x, y) - n0) t / λ0 ・・・(
68)
一方、使用した試料の屈折率が均一あるいは略均一とみなせる場合には、(68)式を変形した(69)式を用いて、計測対象部分における厚さ分布を求めることができる。
φ(x, y) =2π ( t (x, y) - t0) n / λ0 ・・・(
69)
0)まで説明したが、本発明(位相計測装置、位相計測方法あるいは位相計測プログラム)においては、これら処理中の初期位相決定処理(S200)と試料による位相変化算出処理(S300)(再決定処理を除く)を少なくとも実行することが必要となる。
Claims (6)
- 計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の可干渉ビームを重畳させて干渉縞を形成する干渉素子と、
前記干渉素子によって形成された干渉縞を撮像素子の撮像面に結像せしめる光学系と、
前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変する位相制御機構と、
前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出する算出部と、を備え、
前記算出部は、
前記撮像素子によって撮像された相対的な位相差が異なる複数の干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択し、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記強度分布曲線の特徴点から前記選択点までの位相差である初期位相を決定し、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出することを特徴とする
位相計測装置。 - 前記可干渉ビームは、レーザー光であり、
前記干渉素子は、反射鏡と半透過鏡の組み合わせであり、
前記位相制御機構は、反射鏡もしくは半透過鏡の少なくとも一つを機械的に微動させることを特徴とする
請求項1に記載の位相計測装置。 - 前記可干渉ビームは、レーザー光であり、
前記干渉素子は、フレネルバイプリズムであり、
前記位相制御機構は、前記フレネルバイプリズムを機械的に微動させることを特徴とする
請求項1に記載の位相計測装置。 - 前記可干渉ビームは、電子線であり、
前記干渉素子は、電子線バイプリズムであり、
前記位相制御機構は、前記電子線バイバイプリズムを機械的に微動させることを特徴とする
請求項1に記載の位相計測装置。 - 計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の可干渉ビームを重畳させ、前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変して撮像した複数の干渉縞画像に基づいて、前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出するコンピューターにて実行可能な位相計測プログラムにおいて、
撮像された相対的な位相差が異なる複数の前記干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択する処理と、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記強度分布曲線の特徴点から前記選択点までの位相差である初期位相を決定する処理と、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出する処理とを実行することを特徴とする
位相計測プログラム。 - 計測対象部分を透過した第1の可干渉ビームと、前記計測対象部分以外を通った第2の
可干渉ビームを重畳させ、前記第1の可干渉ビームと前記第2の可干渉ビーム間の相対的な位相差を可変して撮像した複数の干渉縞画像に基づいて、前記計測対象部分を透過した可干渉ビームの位相を算出する位相計測方法において、
撮像された相対的な位相差が異なる複数の前記干渉縞画像において2次元的な位置が共通するように、前記被計測試料内の屈折率および厚さが均一とみなせる所定領域内を横切る直線と、当該直線上の選択点を選択し、
各干渉縞画像について、前記直線上の干渉縞の強度分布曲線を決定するとともに、前記強度分布曲線の特徴点から前記選択点までの位相差である初期位相を決定し、
前記初期位相に基づいて前記計測対象部分の位相を算出することを特徴とする
位相計測方法。
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