JP5902692B6 - サイクル特性が改善した電気化学素子 - Google Patents

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本発明は、リチウム二次電池のような電気化学素子に関し、より詳しくは、無機物粒子とバインダー高分子との混合物を含む多孔性コーティング層が多孔性基材にコーティングされた複合セパレータを備える電気化学素子に関する。
本出願は、2010年10月5日出願の韓国特許出願第10−2010−0096839号及び2011年09月21日出願の韓国特許出願第10−2011−0095272号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
近年、エネルギー貯蔵技術に対する関心が高まりつつある。携帯電話、カムコーダー、及びノートパソコン、さらには電気自動車のエネルギーまで適用分野が拡がるとともに、電気化学素子の研究と開発に対する努力が次第に具体化されている。電気化学素子はこのような面で最も注目される分野であり、その中でも、充放電可能な二次電池の開発に関心が寄せられている。このような電池の開発において、容量密度及び比エネルギーを向上させるために、新たな電極と電池の設計に対する研究開発が行われている。
1990年代の初めに開発されたリチウム二次電池は、水溶液電解液を用いるニッケル‐マンガン、ニッケル‐カドミウム、硫酸‐鉛電池などの従来型電池に比べて作動電圧が高くエネルギー密度が格段に高いという長所から、現在使用されている二次電池のうち最も脚光を浴びている。しかし、このようなリチウムイオン電池は、有機電解液を用いることによる発火及び爆発などの安全問題を抱えており、またその製造に手間がかかるという短所がある。最近のリチウムイオン高分子電池は、上記のようなリチウムイオン電池の短所を改善し、次世代電池の1つとして挙げられているが、未だ電池の容量がリチウムイオン電池と比べて相対的に低く、特に低温における放電容量が不十分であるため、それに対する改善が至急に求められている。
上記のような電気化学素子は多くのメーカにおいて生産中であるが、それらの安全性特性は相異なる様相を呈している。電気化学素子の安全性の確保は最も重要に考慮すべき事項である。特に、電気化学素子の誤作動によりユーザが傷害を被ることはあってはならなく、ゆえに、安全規格は電気化学素子内の発火及び発煙などを厳格に規制している。電気化学素子が過熱し、熱暴走が起きるか又はセパレータが貫通される場合は、爆発が起きる恐れが大きい。特に、電気化学素子のセパレータとして通常使用されるポリオレフィン系多孔性基材は、材料的特性及び延伸を含む製造工程上の特性により、100度以上の温度で甚だしい熱収縮挙動を見せ、正極と負極との間の段落を起こすという問題点がある。
このような電気化学素子の安全性問題を解決するため、韓国特許公開2007−0019958号公報には、多孔性基材の少なくとも一面に、無機物粒子とバインダー高分子との混合物からなる多孔性コーティング層をコーティングした複合セパレータが開示されている。複合セパレータにおいて、多孔性基材にコーティングされた多孔性コーティング層内の無機物粒子は、多孔性コーティング層の物理的形態を維持する一種のスペーサ(spacer)の役割を果たす。それにより、電気化学素子が過熱する場合にも多孔性基材の熱収縮が抑制される。また、無機物粒子の間には空き空間(インタースティシャル・ボリューム;interstitial volume)が存在し、微細気孔が形成される。
一方、上記の複合セパレータは、正極と負極との間に介在されて電気化学素子を構成するが、電気化学素子の使用回数が増加するにつれて容量がかなり退化する現象が起きる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多孔性基材に多孔性コーティング層を導入することで、熱的安定性に優れると共に、サイクル特性が改善した電気化学素子を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明による電気化学素子は、(a)気孔を有する多孔性基材と、前記多孔性基材の一面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第1多孔性コーティング層と、前記多孔性基材の他面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第2多孔性コーティング層と、を備え、前記第1多孔性コーティング層が第2多孔性コーティング層より厚い複合セパレータ;
(b)前記第1多孔性コーティング層に対向するように設けられる負極;及び
(c)前記第2多孔性コーティング層に対向するように設けられる正極を含む。
本発明による電気化学素子において、前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さが下記数式1を満たすことが望ましい。
Figure 0005902692
数式1において、Tは第1多孔性コーティング層の厚さであり、Tは第2多孔性コーティング層の厚さであり、Ttotは第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和である。
本発明による電気化学素子において、前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さが下記数式2を満たすことがより望ましい。
Figure 0005902692
数式2において、Tは第1多孔性コーティング層の厚さであり、Tは第2多孔性コーティング層の厚さであり、Ttotは第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和である。
本発明による電気化学素子において、前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和は1.0ないし20.0μmであることが望ましい。
本発明による電気化学素子において、前記多孔性基材はポリオレフィン系多孔性膜であることが望ましく、多孔性基材の厚さは1ないし100μmであることが望ましい。
本発明による電気化学素子において、正極はLiCoO、LiNiO、LiMn、LiCoPO、LiFePO、LiNiMnCoO、LiNi1x−y−zCoM1M2(M1及びM2は相互独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか1つであり、x、y及びzは相互独立して酸化物組成元素の原子分率であって0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5である)などの正極活物質粒子をそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上の混合物を含むことが望ましい。また、負極は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料、LTO、シリコン(Si)、スズ(Sn)などの負極活物質粒子をそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上の混合物を含むことが望ましい。
本発明による電気化学素子は、次のような効果を奏する。
第一、電気化学素子が過熱したとき、多孔性コーティング層が多孔性基材の熱収縮を抑制し、熱暴走時の両電極の短絡を防止する。
第二、第2多孔性コーティング層より相対的に厚い第1多孔性コーティング層を負極に対向させることで、副反応が正極より相対的に甚だしい負極面の実際のイオン伝達速度を低減でき、それによって電気化学素子のサイクル特性が改善する。すなわち、第1多孔性コーティング層と第2多孔性コーティング層とを同じ厚さで形成した複合セパレータを採用するか、または、相対的に厚い第1多孔性コーティング層を正極に対向させた電気化学素子より、容量退化が少なくなる。
本発明による電気化学素子の正極、負極及び複合セパレータの構造を概略的に示した分解断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
本発明による電気化学素子は、(a)気孔を有する多孔性基材と、前記多孔性基材の一面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第1多孔性コーティング層と、前記多孔性基材の他面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第2多孔性コーティング層と、を備え、前記第1多孔性コーティング層が第2多孔性コーティング層より厚い複合セパレータ;(b)前記第1多孔性コーティング層に対向するように設けられる負極;及び(c)前記第2多孔性コーティング層に対向するように設けられる正極を含む。
図1は、本発明による電気化学素子の正極、負極及び複合セパレータの構造を概略的に示した分解断面図である。
複合セパレータ10は、気孔を有する多孔性基材1の両面にそれぞれコーティングされた第1多孔性コーティング層2及び第2多孔性コーティング層5を備える。多孔性基材1の両面にそれぞれコーティングされた第1多孔性コーティング層2及び第2多孔性コーティング層5は、相互独立してそれぞれ無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成される。多孔性コーティング層2、5に存在する無機物粒子は、多孔性コーティング層2、5の物理的形態を維持する一種のスペーサの役割をすることで、電気化学素子が過熱したときの多孔性基材1の熱収縮を抑制し、熱暴走時の両電極の短絡を防止する。また、無機物粒子の間には空き空間(インタースティシャル・ボリューム)が存在し、微細気孔を形成することが望ましい。一方、第1多孔性コーティング層2は第2多孔性コーティング層5より厚い。
一方、負極20は、上述した構造の複合セパレータ10の第1多孔性コーティング層2に対向するように設けられる。また、正極30は、上述した構造の複合セパレータ10の第2多孔性コーティング層5に対向するように設けられる。
このように、複合セパレータ10の第2多孔性コーティング層5より相対的に厚い第1多孔性コーティング層2を負極に対向させることで、正極より相対的に副反応が甚だしい負極面の実際のイオン伝達速度を低減でき、それによって電気化学素子のサイクル特性が改善する。すなわち、本発明による複合セパレータ10を上述した方法で配置した電気化学素子は、第1多孔性コーティング層と第2多孔性コーティング層とを同じ厚さで形成した複合セパレータを採用したか、または、相対的に厚い第1多孔性コーティング層を正極に対向させた電気化学素子より容量退化が少なくなる。
本発明による電気化学素子において、前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さは下記数式1を満たすことが望ましい。
Figure 0005902692
数式1において、Tは第1多孔性コーティング層の厚さであり、Tは第2多孔性コーティング層の厚さであり、Ttotは第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和である。ここで、前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和は1.0ないし20.0μmであることが望ましい。
前記第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さは下記数式2を満たすことがより望ましい。
Figure 0005902692
数式2において、Tは第1多孔性コーティング層の厚さであり、Tは第2多孔性コーティング層の厚さであり、Ttotは第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和である。
本発明による電気化学素子において、多孔性基材としては多様な高分子で形成された多孔性膜や不織布など通常電気化学素子に使用される多孔性基材であれば全て使用することができる。例えば、電気化学素子、特に、リチウム二次電池のセパレータに使用されるポリオレフィン系多孔性膜や、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布などが使用でき、その材質や形態は目的に応じて多様に選択することができる。例えば、ポリオレフィン系多孔性膜(membrane)は、高密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンのようなポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテンなどのポリオレフィン系高分子をそれぞれ単独でまたはこれらを混合した高分子で形成することができる。不織布もポリオレフィン系高分子またはこれより耐熱性の高い高分子を用いた繊維で製造することができる。多孔性基材の厚さは特に制限されないが、望ましくは1ないし100μm、より望ましくは5ないし50μmである。多孔性基材に存在する気孔の大きさ及び気孔度も特に制限されないが、それぞれ0.001ないし50μm及び10ないし95%であることが望ましい。前記多孔性基材はポリオレフィン系多孔性膜であることが望ましい。
第1多孔性コーティング層及び第2多孔性コーティング層にそれぞれ含まれる無機物粒子は、電気化学的に安定さえすれば特に制限されない。すなわち、本発明で使用できる無機物粒子は、適用される電気化学素子の作動電圧範囲(例えば、Li/Li基準で0〜5V)で酸化及び/または還元反応が起きないものであれば、特に制限されない。特に、無機物粒子として誘電率が高い無機物粒子を使用する場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度増加に寄与し、電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
上述した理由から、前記無機物粒子は誘電率定数が5以上、望ましくは10以上の高誘電率無機物粒子を含むことが望ましい。誘電率定数が5以上の無機物粒子の非制限的な例としては、BaTiO、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb1−xLaZr1−yTi(PLZT、ここで、0<x<1、0<y<1)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O‐PbTiO(PMN‐PT)、ハフニア(HfO)、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiCまたはこれらの混合体などがある。
また、無機物粒子としては、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子、すなわちリチウム元素を含むが、リチウムを貯蔵せず、リチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を使用することができる。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の非制限的な例としては、リチウムホスフェート(LiPO)、リチウムチタンホスフェート(LiTi(PO、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンホスフェート(LiAlTi(PO、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14LiO‐9Al‐38TiO‐39Pなどのような(LiAlTiP)系列ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LiLaTiO、0<x<2、0<y<3)、Li3.25Ge0.250.75などのようなリチウムゲルマニウムチオホスフェート(LiGe、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、LiNなどのようなリチウムナイトライド(Li、0<x<4、0<y<2)、LiPO‐LiS‐SiSなどのようなSiS系列ガラス(LiSi、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、LiI‐LiS‐PなどのようなP系列ガラス(Li、0<x<3、0<y<3、0<z<7)またはこれらの混合物などが挙げられる。
また、無機物粒子の平均粒径には特別な制限がないが、均一な厚さの多孔性コーティング層の形成及び適切な孔隙率のため、0.001ないし10μmであることが望ましい。0.001μm未満の場合は分散性が低下し、10μmを超過すれば、形成されるコーティング層の厚さが増加する恐れがある。
第1多孔性コーティング層及び第2多孔性コーティング層にそれぞれ含まれるバインダー高分子は、ガラス転移温度(glass transition temperature、T)が−200ないし200℃の高分子を使用することが望ましい。これは最終的に形成されるコーティング層の柔軟性及び弾性などのような機械的物性を向上できるためである。
また、バインダー高分子は必ずしもイオン伝導能力を有する必要はないが、イオン伝導能力を有する高分子を使用する場合、電気化学素子の性能を一層向上させることができる。したがって、バインダー高分子は、なるべく誘電率定数が高いことが望ましい。実際、電解液における塩の解離度は電解液溶媒の誘電率定数に依存するため、バインダー高分子の誘電率定数が高いほど電解質における塩の解離度を向上させることができる。このようなバインダー高分子の誘電率定数は1.0ないし100(測定周波数=1kHz)が使用可能であり、特に10以上であることが望ましい。
上述した機能の外に、バインダー高分子は、液体電解液に含浸するときゲル化することで、高い電解液含浸率(degree of swelling)を示すことができる。これにより、溶解度指数が15ないし45MPa1/2の高分子を使用することが望ましく、より望ましい溶解度指数は、15ないし25MPa1/2及び30ないし45MPa1/2である。したがって、ポリオレフィン類のような疎水性高分子よりは、多くの極性基を有する親水性高分子を使用することが望ましい。溶解度指数が15MPa1/2未満であるか又は45MPa1/2を超過する場合、通常の電池用液体電解液によって含浸(swelling)し難いためである。
このようなバインダー高分子の非制限的な例としては、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン‐トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアリレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロースなどが挙げられ、これらをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用することができる。
第1多孔性コーティング層及び第2多孔性コーティング層にそれぞれ含まれる無機物粒子とバインダー高分子との重量比は、例えば50:50ないし99:1が望ましく、より望ましくは70:30ないし95:5である。バインダー高分子に対する無機物粒子の含量比が50:50未満であれば、高分子の含量が多くなり、形成される多孔性コーティング層の気孔の大きさ及び気孔度が減少し得る。無機物粒子の含量が99重量部を超過すれば、バインダー高分子の含量が少ないため、形成される多孔性コーティング層の耐剥離性が低下することがある。
本発明による電気化学素子において、正極及び負極は電気化学素子に使用される通常の正極及び負極で構成することができる。一般に、正極及び負極は、正極集電体及び負極集電体にそれぞれ正極活物質粒子を含むスラリー及び負極活物質粒子を含むスラリーをそれぞれ塗布した後、乾燥させて製造することができる。正極は、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiCoPO、LiFePO、LiNiMnCoO、LiNi1x−y−zCoM1M2(M1及びM2は相互独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか1つであり、x、y及びzは相互独立して酸化物組成元素の原子分率であって、0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5である)などの正極活物質粒子をそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上の混合物を含むことが望ましいが、これに限定されない。特に、LiCoOまたはLiNiMnCoOを少なくとも1つ以上含むことが望ましい。
また、負極は、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料、LTO、シリコン(Si)、スズ(Sn)などの負極活物質粒子をそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上の混合物を含むことが望ましいが、これに限定されない。
上述した電気化学素子は、次のような方法で製造することができるが、これに限定されることはない。
まず、バインダー高分子を溶媒に溶解させてバインダー高分子溶液を製造し、無機物粒子を添加し分散させてスラリーを製造する。溶媒としては、使用しようとするバインダー高分子と溶解度指数が類似し、沸点(boiling point)が低いものが望ましい。これは均一な混合及び以降の溶媒除去を容易にするためである。使用可能な溶媒の非制限的な例としては、アセトン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)、シクロヘキサン、水またはこれらの混合体などが挙げられる。バインダー高分子溶液に無機物粒子を添加した後、無機物粒子の破砕を行うことが望ましい。このとき、破砕時間は1ないし20時間が適切であり、破砕された無機物粒子の粒度は、上述したように、0.001ないし10μmであることが望ましい。破砕方法としては、通常の方法が使用でき、特にボールミル(ball mill)法が望ましい。
その後、スラリーを10ないし80%の湿度条件下で多孔性基材の両面にコーティングして乾燥し、第1多孔性コーティング層及び第2多孔性コーティング層を形成する。このとき、第1多孔性コーティング層を第2多孔性コーティング層より厚く形成する。
スラリーを多孔性基材上にコーティングする方法は、当業界で周知の通常のコーティング方法を使用でき、例えばダイ(Die)コーティング、ロール(roll)コーティング、ディップ(Dip)コーティングなどを使用することができる。第1多孔性コーティング層を第2多孔性コーティング層より厚く形成する方法としては、例えばスラリーに多孔性基材を浸漬させて両面にスラリーをコーティングした後、ワイヤサイズ(wire size)の異なるメイヤバー(Mayer bar)でスラリーのコーティング厚さを調節することで、厚さの異なる多孔性コーティング層をそれぞれ多孔性基材の両面に形成することができる。
このように製造された複合セパレータは、正極と負極との間に介在させるが、負極は第1多孔性コーティング層に対向するように配置し、正極は第2多孔性コーティング層に対向するように配置する。複合セパレータと両電極とは物理的に相互接触すれば良いが、必要に応じてそれらを相互ラミネーションすることができる。
本発明の電気化学素子は電気化学反応をする全ての素子を含み、具体的には、あらゆる種類の一次、二次電池、燃料電池、太陽電池またはスーパーキャパシタ素子のようなキャパシタなどが挙げられる。特に、前記二次電池のうちリチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池またはリチウムイオンポリマー二次電池などを含むリチウム二次電池が望ましい。
電気化学素子は、当業界で周知の通常の方法によって製造でき、一実施例を挙げれば、上述した正極、負極及び複合セパレータからなる電極構造体をパウチなどの外装材に封じ込んだ後、電解液を注入することで製造することができる。
使用可能な電解液は、Aのような構造の塩であって、AはLi、Na、Kのようなアルカリ金属陽イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含み、BはPF 、BF 、Cl、Br、I、ClO 、AsF 、CHCO 、CFSO 、N(CFSO 、C(CFSO のような陰イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含む塩が、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ‐ブチロラクトンまたはこれらの混合物からなる有機溶媒に溶解または解離されたものであるが、これに限定されることはない。
前記電解液の注入は、最終製品の製造工程及び求められる物性に応じて、電池製造工程のうち適宜な段階において行えばよい。すなわち、電池組立て前または電池組立ての最終段階などにおいて注入すればよい。
以下、本発明を具体的な実施例を挙げて説明する。しかし、本発明による実施例は多くの他の形態に変形され得、本発明の範囲が後述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
実施例1
複合セパレータの製造
PVdF‐CTFE(ポリフッ化ビニリデン‐クロロトリフルオロエチレン共重合体)及びシアノエチルプルランを10:2の重量比でそれぞれアセトンに添加し、50℃で約12時間以上溶解させて高分子溶液を製造した。Al粉末とBaTiO粉末とを9:1の重量比で混合した無機物粒子を高分子:無機物粒子=10:90の重量比になるように製造しておいた高分子溶液に添加し、12時間以上ボールミル法を用いて無機物粒子を破砕及び分散することでスラリーを製造した。このように製造したスラリーの無機物粒子の粒径は平均600nmであった。
このように製造したスラリーに厚さ9μmのポリエチレン多孔性膜(旭化成製ND209)を浸漬させてディップコーティングした後、ワイヤサイズがそれぞれ0.5mm及び0.7mmのメイヤバーを使用して両面に塗布されたスラリーコーティング層の厚さをそれぞれ調節し、溶媒を乾燥させた。多孔性膜の両面にそれぞれ形成された多孔性コーティング層の厚さは4.2μm(第1多孔性コーティング層)及び2.6μm(第2多孔性コーティング層)であった。すなわち、コーティング層の厚さの差を全体コーティング層の厚さで割った値である(T−T)/Ttotは約0.24であった。
電池の製造
上記の方法で製造した複合セパレータを正極と負極との間に介在させた後、巻き取って組み立てた。このとき、第1多孔性コーティング層は銅(Cu)薄膜に黒鉛からなる負極活物質粒子がコーティングされた負極に対向するように配置し、第2多孔性コーティング層はLiCoOからなる正極活物質粒子がコーティングされた正極に対向するように配置した。
組み立てられた電池に、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを1:2(体積比)で混合した有機溶媒にリチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)1モルを溶解させた非水電解液を注入し、リチウム二次電池を製造した。
実施例2
スロットコーティング方式で第1多孔性コーティング層を5.3μmの厚さで形成し、ロールコーティング方式で第2多孔性コーティング層を1.5μmの厚さで形成したことを除き、実施例1と同様に実施した。すなわち、コーティング層の厚さの差を全体コーティング層の厚さで割った値である(T−T)/Ttotは約0.56であった。
実施例3
スロットコーティング方式で第1多孔性コーティング層を3.9μmの厚さで形成し、ロールコーティング方式で第2多孔性コーティング層を3.1μmの厚さで形成したことを除き、実施例1と同様に実施した。すなわち、コーティング層の厚さの差を全体コーティング層の厚さで割った値である(T−T)/Ttotは約0.11であった。
実施例4
正極活物質粒子としてLi(NiMnCo)Oを使用したことを除き、実施例1と同様に実施した。
比較例1
ワイヤサイズがそれぞれ0.6mmであるメイヤバーを使用して両面に塗布されたスラリーコーティング層の厚さを同一に調節し、多孔性膜の両面にそれぞれ3.4μmの多孔性コーティング層を形成したことを除き、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を製造した。
比較例2
厚さ2.6μmの第2多孔性コーティング層を銅(Cu)薄膜に黒鉛からなる負極活物質粒子がコーティングされた負極に対向させ、厚さ4.2μmの第1多孔性コーティング層をLiCoOからなる正極活物質粒子がコーティングされた正極に対向させて配置したことを除き、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を製造した。
比較例3
正極活物質粒子としてLi(NiMnCo)Oを使用したことを除き、比較例1と同様に実施した。
電池容量の評価
実施例及び比較例の電池に対してサイクル特性を測定し、それぞれ表1及び表2に示した。
Figure 0005902692
Figure 0005902692
表1及び表2の結果を参照すれば、第2多孔性コーティング層より相対的に厚い第1多孔性コーティング層を負極に対向させた実施例1ないし3の電池のサイクル特性が、第1多孔性コーティング層と第2多孔性コーティング層とを同じ厚さで形成した比較例1の電池、及び第2多孔性コーティング層より相対的に厚い第1多孔性コーティング層を正極に対向させた比較例2の電池よりサイクル特性が改善したことが分かる。正極活物質粒子の種類を変更した実施例4も比較例3よりサイクル特性が改善した。

Claims (10)

  1. リチウム二次電池であって、
    気孔を有する多孔性基材と、
    前記多孔性基材の一面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第1多孔性コーティング層と、前記多孔性基材の他面にコーティングされ、無機物粒子とバインダー高分子とを含む混合物で形成された第2多孔性コーティング層とを備えてなり、
    前記第1多孔性コーティング層が第2多孔性コーティング層より厚いものである、複合セパレータと、
    前記第1多孔性コーティング層に対向するように設けられる負極と、及び
    前記第2多孔性コーティング層に対向するように設けられる正極とを備えてなり、
    前記無機物粒子の間には、ンタースティシャル・ボリューム存在し、微細気孔が存在してなり、
    前記第1多孔性コーティング層の厚さと、第2多孔性コーティング層の厚さとが下記数式1を満たすものであり、
    前記第1多孔性コーティング層の厚さと、第2多孔性コーティング層の厚さとの和が1.0ないし20.0μmであり、
    前記無機物粒子とバインダー高分子との重量比が50:50ないし99:1であり、
    前記バインダー高分子が、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン‐トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアリレート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルスクロース、プルランからなる群より選択された何れか一種又は二種以上の混合物であることを特徴とする、リチウム二次電池。
    0.11≦(T1−T2tot≦0.56 〔数式1〕
    〔数式1において、
    1は第1多孔性コーティング層の厚さであり、
    2は第2多孔性コーティング層の厚さであり、
    totは第1多孔性コーティング層の厚さと第2多孔性コーティング層の厚さとの和である。〕
  2. 前記多孔性基材の気孔度が10ないし95%であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記多孔性基材がポリオレフィン系多孔性膜であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記多孔性基材の厚さが1ないし100μmであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記バインダー高分子の溶解度指数が15ないし45Mpa1/2であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記無機物粒子の平均粒径が0.001ないし10μmであることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記無機物粒子の誘電率定数が5以上であり、
    前記バインダー高分子のガラス転移温度(Tg)が−200ないし200℃であり、又は、
    前記バインダー高分子の誘電率定数が1.0ないし100(測定周波数=1kHz)であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記正極が、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1x-y-zCoxM1yM2z2(各式中、M1及びM2は相互独立してAl、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg及びMoからなる群より選択されたいずれか1つであり;x、y及びzは相互独立して酸化物組成元素の原子分率であって0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5である)からなる群より選択された何れか一種又は二種以上の混合物である正極活物質粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  9. 前記正極が、LiCoO2、LiNiMnCoO2及びこれらの混合物からなる群より選択された何れか一種の正極活物質粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のリチウム二次電池。
  10. 前記負極が、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料、LTO、シリコン(Si)及びスズ(Sn)からなる群より選択された何れか一種又は二種以上の混合物である負極活物質粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載のリチウム二次電池。




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