JP5900237B2 - パレット多段積み方法及び装置 - Google Patents
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Description
通常、自動車1台につき、実入りパレットとしてフロントシート用とリヤシート用の2台を投入するので、空パレットも2台回収する必要がある。回収する空パレットを2段積みすることによって、空パレットの回収効率を高めている。
図8(a)に示すように、空パレットの2段積み装置600は、昇降台610とシリンダアーム620を備えている。空パレットP1は、昇降台610に軸支された搬送ローラ611上に到着する。そのとき、昇降台610は待機位置にある。その両側方には、水平方向に移動するシリンダアーム620が配設されている。次に、図8(b)に示すように、昇降台610は、矢印K1の方向に上昇して、シリンダアーム620の挿入位置にて停止する。その後、図8(c)に示すように、シリンダアーム620が矢印K2の方向に水平移動して、空パレットP1を受け取り、図8(d)に示すように、昇降台610は矢印K3の方向に下降して、待機位置で停止する。すると、図8(e)に示すように、昇降台610に軸支された搬送ローラ611上に次の空パレットP2が到着する。次に、図8(f)に示すように、昇降台610は、矢印K4の方向に上昇して、空パレットP1の下端と空パレットP2の上端が当接して、空パレットP1、P2が2段積みされた位置で停止する。その後、図8(g)に示すように、シリンダアーム620は、矢印K5の方向に水平移動して元位置に戻る。最後に、図8(h)に示すように、昇降台610は、搬送ローラ611上に空パレットP1、P2を2段積みした状態で、矢印K6の方向に下降する。以上のように、回収する空パレットを2段積みすることによって、空パレットの回収効率を高めている。
上述した空パレットの2段積み装置と類似するパレットの移動装置が、特許文献1に開示されている。
すなわち、両装置においては、パレットをすくい取って支持するシリンダアーム(第1の爪、第2の爪)が昇降台(パレット載置台)の昇降動作に連携して水平駆動する。したがって、両装置のシリンダアーム(第1の爪、第2の爪)には、シリンダ、レギュレータ、ソレノイドバルブ等の駆動装置及び制御装置が必要となり、設備構造が煩雑となって
設備コストも増加する問題があった。また、一般にシリンダ駆動には、エアー等の流体を使用するので、二酸化炭素排出量が増加して地球環境問題としても、好ましくない。
(1)パレット昇降台と、該パレット昇降台を挟んで互いに対向する位置に配置された複数のパレット受け爪とを備え、前記パレット昇降台の昇降動作に伴ない、先に搬入される1又は2以上の先パレットを前記パレット受け爪で仮置き支持した状態で後から搬入される後パレットを下方から重ねて、前記先パレットと前記後パレットを上下に多段積みにするパレット多段積み方法であって、
前記パレット受け爪は、互いに近接する内側方向に回動した支持位置で前記先パレットを仮置き支持し、前記後パレットの上昇時に前記後パレットと接触して互いに離間する外側方向に回動して、前記先パレットの仮置き支持を解除することを特徴とする。
前記パレット受け爪の重心位置を、回動中心に対して内側に位置させることを特徴とする。
前記パレット受け爪は、前記先パレット及び前記後パレットの側端より外方に配置され、一端において固定部材に軸支される軸部と、他端において前記先パレットの下端に当接する受け部とを有し、前記他端の自重によって前記支持位置まで前記軸部を中心に回動することを特徴とする。
前記パレット受け爪における前記受け部の下方には、前記先パレット及び前記後パレットの上端に接触するカム部が形成されていることを特徴とする。
このように、本発明によれば、パレット昇降台の昇降動作以外では専用の動力を使わずにパレットを多段積みすることができる。
まず、本実施例のパレット2段積み方法及び装置を使用する自動車のシート部品搬送装置の概要を説明する。図1に、本実施例に係るパレット2段積み装置を使用するシート部品搬送装置の全体図を示す。図2に、図1のシート部品搬送装置における側面図(一部)を示す。
また、待機コンベア43も、ストックコンベア42に対応して上下3段(第1待機コンベア431、第2待機コンベア432、第3待機コンベア433)に分かれている。第1待機コンベア431、第2待機コンベア432は、シート部品が載置されたそれぞれのパレットを1個づつ、移送リフタ44に搬送する。第3待機コンベア433は、2段積みされた空パレットP1、P2を第3ストックコンベア423に搬送する。
一方、搭載搬送部6で回収された空パレットP1、P2は、第3中間コンベア54によってパレット2段積み装置10に供給される。パレット2段積み装置10は、空パレットP1、P2を2段積みした後、矢印Q方向に昇降して第3待機コンベア433に移送する。
次に、本実施例に係るパレット2段積み装置10の構造について説明する。図3に、本実施例に係るパレット2段積み装置の正面図を示す。図4に、図3に示すパレット2段積み装置におけるパレット受け爪の正面図を示す。図5に、図3に示すパレット2段積み装置におけるパレット受け爪の動作詳細図を示す。
図3に示すように、パレット受け爪1は、パレット側端より外方に片側2個づつ対向して配置され、第1中間コンベア51の本体フレーム511に連結された固定部材3に、軸部13によって軸支されている。パレット受け爪1の軸支される高さ方向の位置は、上段パレットP1と下段パレットP2とを2段積みする動作時(動作説明は、後述する)、上段パレットP1が第1中間コンベア51の本体フレーム511下端と干渉しない位置に設定する。
また、ローラコンベア23は、軸方向一端にスプロケット231を有し、スプロケット231が、本体フレーム21の下端にブラケット251で固定された駆動モータ25に、チェーン252で連結されている。
P11、P21とを備えている。上端(枠部)P11、P21には、上方に突出する半球状の凸部P12、P22を備えている。両パレットの下端は、平坦面であって、凸部P12、P22と対応する位置に、凹部P13、P23が形成され、2段積み状態において、凸部と凹部が契合することで、整列させている。2段積みされたパレットの側端P14、P24は、上下で略一直線状になる。したがって、上段パレットP1を仮置き支持している状態(図5の状態)から、下段パレットP2が上昇してくると、パレット受け爪1は、カム部122が下段パレットP2の上端角部P2Cによって上方に押され、矢印Rの方向(外側)に逃げ回動する。その後、パレット受け爪1の先端が、上段パレットP1及び下段パレットP2の側端によって規制され、パレット受け爪1は、矢印Rの方向(内側)に戻り回動することができない。
次に、本実施例に係るパレット2段積み装置10の構造について説明する。図6に、図3に示すパレット2段積み装置の2段積み動作説明図を示す。
次に、図6(b)に示すように、空パレット(上段パレットP1)が到着したことを図示しないセンサ等で確認したパレット昇降台2は、矢印Q1の方向に上昇する。そのとき、ローラコンベア23上に載置されている空パレット(上段パレットP1)の上端角部P1Cがパレット受け爪1のカム部を上方に押す。上方に押されたパレット受け爪1は、矢印R1の方向に回動して、空パレット(上段パレットP1)の側端に規制されて起立する。
その後、図6(d)に示すように、パレット昇降台2が、矢印Q3の方向に下降して、待機位置で停止する。このとき、空パレット(上段パレットP1)の下端をパレット受け爪1の受け部が支持している。これを仮置き支持という。
次に、図6(e)に示すように、パレット昇降台2に軸支されたローラコンベア23上に次の空パレット(下段パレットP2)が到着する。
その後、図6(g)に示すように、2段積みされた空パレット(上段パレットP1、下段パレットP2)を搭載したパレット昇降台2は、矢印Q5の方向に下降する。2段積みされた空パレット(上段パレットP1、下段パレットP2)下降すると、空パレット(上段パレットP1)の側端に規制されて起立していたパレット受け爪1が矢印Rの方向に回動して支持位置で停止する。パレット昇降台2は、第3待機コンベア433の位置まで下降して、第3待機コンベア433に2段積みパレット(上段パレットP1、下段パレットP2)を受け渡す。
以上のように、シート部品が取り出されて回収されてくる空パレットを、2段積みすることによって、空パレットの回収効率を高めている。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るパレット多段積み方法によれば、パレット受け爪1は、互いに近接する内側方向に回動した支持位置で先パレット(例えば、上段パレットP1)を仮置き支持し、後パレット(例えば、下段パレットP2)の上昇時に後パレットと接触して互いに離間する外側方向に回動して、先パレットの仮置き支持を解除するので、パレット受け爪1の外側方向への回動動作は、後パレットの上昇動作を利用して行うことができる。そのため、パレット受け爪1には、仮置き支持解除用に専用のシリンダ、レギュレータ、ソレノイドバルブ等の駆動装置及び制御装置を必要とせず、設備構造を単純化できて設備コストも安価にすることができる。また、パレット受け爪1の回動動作において、エアー等の流体を使用することもない。そのため、二酸化炭素排出量が増加して地球環境を害することもない。
このように、本発明によれば、パレット昇降台の昇降動作以外では専用の動力を使わずにパレットを多段積みすることができる。
(1)上記実施例では、パレット受け爪1を固定部材3に軸部13で軸支している。しかし、これに限ることはない。
例えば、図7(a)(b)に示すように、パレット受け爪7は、パレットP1B、P2Bに軸部73で軸支し、一端に固定係止部材8に当接する受け部71を形成し、他端に下段パレットP2Bの上端に当接して回動するカム部72を形成してもよい。
この場合、図7(a)に示すように、パレット受け爪7は、他端の自重によって回動して固定係止部材8に受け部71が当接して、上段パレットP1Bは、仮置き支持される。
また、図7(b)に示すように、仮置き支持された上段パレットP1Bに、下方から下段パレットP2Bを重ねることによって、上段パレットP1Bに対するパレット受け爪7の仮置き支持が解除されて、上段パレットP1Bと下段パレットP2Bとが2段積みされる。
(2)上記実施例では、パレットを2段積みする方法及び装置としたが、これに限ることはなく、2段以上の多段積みする方法及び装置にも適用することができる。
例えば、図6(f)において、パレット昇降台2が、再度、矢印Q4の方向に上昇するとき、上段パレットP1と下段パレットP2とを重ねた状態で、更に上昇させると、図6(c)に示すように、パレット受け爪1が矢印R2の方向(内側)に回動して支持位置に停止する。その後、図6(d)に示すように矢印Q3の方向に下降すると、パレット受け爪1は、上段パレットP1と下段パレットP2とを重ねた状態で仮置き支持できる。その後、図6(e)〜(g)の動作を行うことによって、パレットを3段積みにすることができる。
(3)上記実施例では、パレット受け爪1の重心位置を回動中心に対して内側に位置させることによって、パレットとの非接触時には、パレット受け爪1の自重によって内側に回動して支持位置に停止する構造としている。しかし、これに限ることはない。
例えば、パレット受け爪1の重心位置を回動中心の直上又は外側に位置させて、弾性体(ばね等)の付勢手段によって常時内側へ回動させて、支持位置に停止させる構造とすることもできる。
2 パレット昇降台
3 固定部材
4 供給回収部
5 中間搬送部
6 搭載搬送部
7 パレット受け爪
8 固定係止部材
10 パレット2段積み装置
11 パレット受け爪の一端
12 パレット受け爪の他端
13 軸部
121 受け部
122 カム部
P1 上段パレット
P2 下段パレット
P11 上段パレットの上端(枠部)
P14 上段パレットの側端
P15 上段パレットの下端
P21 下段パレットの上端(枠部)
Claims (4)
- パレット昇降台と、該パレット昇降台を挟んで互いに対向する位置に配置された複数のパレット受け爪とを備え、前記パレット昇降台の昇降動作に伴ない、先に搬入される1の先パレットを前記パレット受け爪で仮置き支持した状態で後から搬入される後パレットを下方から重ねて、前記パレット昇降台に前記先パレットと前記後パレットを上下に多段積みにするパレット多段積み方法であって、
前記パレット受け爪は、互いに近接する内側方向に回動した支持位置で前記先パレットを仮置き支持し、前記後パレットの上昇時に前記後パレットと接触して互いに離間する外側方向に回動して、前記先パレットの仮置き支持を解除すること、
前記パレット昇降台は、前記先パレット及び前記後パレットを搬送するローラコンベアと前記ローラコンベアを支持しパレット側端を案内するガイド板とを備えたこと、
前記パレット昇降台は、前記先パレットの下端と前記後パレットの上端が当接して、両パレットが2段積みされた位置で停止し、その後、2段積みされた前記両パレットを搭載して下降することを特徴とするパレット多段積み方法。 - 請求項1に記載されたパレット多段積み方法において、
前記パレット受け爪の重心位置を、回動中心に対して内側に位置させることを特徴とするパレット多段積み方法。 - 請求項1又は請求項2に記載されたパレット多段積み方法に使用するパレット多段積み装置であって、
前記パレット受け爪は、前記先パレット及び前記後パレットの側端より外方に配置され、一端において固定部材に軸支される軸部と、他端において前記先パレットの下端に当接する受け部とを有し、前記他端の自重によって前記支持位置まで前記軸部を中心に回動することを特徴とするパレット多段積み装置。 - 請求項3に記載されたパレット多段積み装置であって、
前記パレット受け爪における前記受け部の下方には、前記先パレット及び前記後パレットの上端に接触するカム部が形成されていることを特徴とするパレット多段積み装置。
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