JP5899757B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

マルチピースソリッドゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP5899757B2
JP5899757B2 JP2011213938A JP2011213938A JP5899757B2 JP 5899757 B2 JP5899757 B2 JP 5899757B2 JP 2011213938 A JP2011213938 A JP 2011213938A JP 2011213938 A JP2011213938 A JP 2011213938A JP 5899757 B2 JP5899757 B2 JP 5899757B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
envelope layer
layer
hardness
cover
golf ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011213938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012090973A (ja
Inventor
渡辺 英郎
英郎 渡辺
純二 梅沢
純二 梅沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Sports Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Sports Co Ltd filed Critical Bridgestone Sports Co Ltd
Publication of JP2012090973A publication Critical patent/JP2012090973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5899757B2 publication Critical patent/JP5899757B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0031Hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0033Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0043Hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0045Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0062Hardness
    • A63B37/00621Centre hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0062Hardness
    • A63B37/00622Surface hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0065Deflection or compression
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0076Multi-piece balls, i.e. having two or more intermediate layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0077Physical properties
    • A63B37/0092Hardness distribution amongst different ball layers
    • A63B37/00922Hardness distribution amongst different ball layers whereby hardness of the cover is lower than hardness of the intermediate layers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、コア、包囲層、中間層及びカバーの各層を積層して形成されたマルチピースソリッドゴルフボールに関するものであり、更に詳述すると、プロや上級者のうちドライバー打撃時においてスピン量が少なめで、かつ打ち出し角が低い打球になりやすいユーザーが使用する場合でも、これらのユーザーが満足する優れた飛びとショートゲームのコントロール性能が得られると共に、良好な打感と優れた耐擦過傷性とを兼ね備えたマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
ゴルフボールに要求される主な性能としては、飛距離、コントロール性、耐久性、打感(フィーリング)等があり、常に最高のものが求められている。このような中、近年のゴルフボールでは、3ピースに代表される多層構造ボールが次々と生み出されている。ゴルフボールの構造を多層化したことにより、異なる特性の材料を多く組み合わせることができるようになり、各層に機能を分担させることで、多種多様なボール設計が可能になった。
中でも、コアを被覆する中間層やカバーの各層の硬度関係を適正化したマルチピースソリッドゴルフボールが普及している。また、近年では、飛び性能だけでなく、割れの発生を抑制する繰り返し打撃耐久性やボール表面のササクレの発生を抑制する耐擦過傷性もボール性能を評価する上で重要な要素とされている。従って、その効果を最大限に得るために、ボールの各層の厚さや硬度等の設計を行うことは大きな課題である。
特に、プロや上級者向けのゴルフボールでは、良好な打感や優れた耐久性を有するのはもちろんのこと、高ヘッドスピート領域における優位な飛距離性能と、アイアンショットやアプローチショットにおける正確なコントロール性とを両立させる観点から、コアを被覆する中間層やカバー層の各層の厚さや硬度が高度に適正化されたボールの開発が望まれている。
このような多層構造のゴルフボールとしては、例えば、特開2009−160407号公報(特許文献1)、米国特許第6302808号明細書(特許文献2)、特開2001−017569号公報(特許文献3)、特開2001−017570号公報(特許文献4)、特開2001−037914号公報(特許文献5)、特開2008−149131号公報(特許文献6)、特開2009−095365号公報(特許文献7)及び特開2009−095369号公報(特許文献8)が提案されているが、スピン、フィーリング、初速のコントロールにおいて更なる改善が望まれている。
特開2009−160407号公報 米国特許第6302808号明細書 特開2001−017569号公報 特開2001−017570号公報 特開2001−037914号公報 特開2008−149131号公報 特開2009−095365号公報 特開2009−095369号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、プロや上級者が満足し得る飛びとコントロール性を兼ね備え、特にショートゲームにおいても優れたコントロール性を発揮し得、良好な打感を有し、耐擦過傷性にも優れたマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コアに被覆する層を、内側から順に、内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの5層以上の多層構造とすることを基本的構成とし、カバーの材料硬度をコアの中心硬度と同等もしくはそれよりも低く、かつ内層(包囲層及び中間層)のいずれか1層の材料硬度を、カバーの材料硬度及び/又はコア平均硬度(コアの中心硬度と表面硬度の平均)よりも高くなるように上記各層の硬度関係を適正化することにより、ドライバーショット時においてスピン量が少なめで打ち出し角が低い打球になりやすいユーザーでも十分に満足し得る飛びとコントロール性を有すると共に、ショートゲームにおいても優れた飛びとコントロール性を有し、その上、優れた耐擦過傷性と良好な打感も有するゴルフボールが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
〔1〕コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、上記包囲層が、内側、中間及び外側の3層に形成され、上記内側、中間及び外側の包囲層、上記中間層及び上記カバーが、それぞれ同種又は異種の樹脂材料を主材として形成されると共に、上記コアがゴム材を主材として形成され、上記カバーの材料硬度(ショアD)及びコア中心硬度(ショアD)が、下記式
カバー材料硬度 ≦ コア中心硬度
の関係を満たし、内層(包囲層及び中間層)のいずれかの層の材料硬度(ショアD)が、カバーの材料硬度(ショアD)とコアの平均硬度(コア表面とコア中心の硬度との平均)のいずれか一方、もしくは両者よりも高く、上記内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層の厚さが、下記式
1.1≦中間包囲層厚さ/内側包囲層厚さ、及び、
1.1≦外側包囲層厚さ/中間包囲層厚さ≦1.5
の関係を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
〔2〕上記中間包囲層が、内側包囲層よりも硬く形成され、該内側包囲層の材料硬度との硬度差がショアD硬度で1〜6であり、かつ外側包囲層よりも軟らかく形成され、該外側包囲層の材料硬度との硬度差がショアD硬度で1〜6である〔1〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔3〕上記中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす〔1〕又は〔2〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
1.3 ≦ 中間層厚さ/カバー厚さ ≦ 4.0
〕上記中間層が、酸含量が16質量%以上のアイオノマー樹脂を含有する材料で形成された〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〕上記コア中心、外側包囲層、中間層及びカバーの硬度(ショアD)が、下記式の関係を満たす〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
〕上記コア中心、内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの硬度(ショアD)が、下記式の関係を満たす〔〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > 中間包囲層材料硬度 > 内側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
〕上記コア、内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
カバー厚さ < 中間層厚さ < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層厚さ+内側包囲層厚さ〕 < コア直径
〕上記内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔カバー厚さ+中間層厚さ〕 < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層厚さ+内側包囲層厚さ〕
〕上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも1層が、
(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したアイオノマー樹脂成分と、
(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した材料で形成された〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
10〕上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも1層が、
(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
(c)分子量が228〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体
5〜120質量部と、
(d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜17質量部
とを必須成分として配合した材料で形成された〔〕記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
11〕上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも2層が、〔10〕に記載された材料で形成されたマルチピースソリッドゴルフボール。
12〕上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層の全ての層が、〔10〕に記載された材料で形成されたマルチピースソリッドゴルフボール。
13〕コアに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量が1.8mm以上6.0mm以下である〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
14〕上記カバーが、(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とする単一な樹脂配合物を射出成形して形成されるものであり、上記樹脂配合物中には、少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存してなるポリイソシアネート化合物が存在する〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔15〕コアと、該コアを被覆する内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆するカバーとからなる6層構造を有する〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
〔16〕カバーの材料硬度及びコア中心硬度の硬度差(カバー硬度−コア中心硬度)が−10〜−1である〔1〕〜〔15〕のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明は、包囲層を内側、中間、外側の3層にすると共に、包囲層、中間層、カバーの各層の厚さ、硬度を上述したように適正化することにより、プロや上級者のうちドライバー打撃時においてスピンが少なめで、かつ打ち出し角が低い打球になりやすいユーザーが使用する場合でも、これらのユーザーが満足する優れた飛びとショートゲームのコントロール性能が得られると共に、良好な打感と優れた耐擦過傷性とを兼ね備えたものとすることができるので、プロや上級者向けのゴルフボールとして非常に有用なものである。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボール(6層構造)の概略断面図である。 本実施例のボールで使用したディンプルパターンを表す平面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、図1に示されているように、コア1と、該コア1を被覆する内側包囲層2a、中間包囲層2b及び外側包囲層2cと、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層3を被覆するカバー4とを有する6層構造のゴルフボールGである。なお、上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されている。コア1、中間層3及びカバー4は、それぞれ単層に限られず2層以上の複数層に形成することができる。
本発明では、コアの直径は、特に制限されるものではないが、好ましくは20mm以上、より好ましくは22mm以上、更に好ましくは24mm以上である。また、直径の上限も特に制限されるものではないが、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下、更に好ましくは28mm以下である。コアの直径がこの範囲を逸脱すると、ボール初速が低くなったり、ボール打撃後のスピン量を適切なものとすることができず飛距離が伸びなくなる場合がある。
コアの表面硬度は、特に制限はないが、JIS−C硬度で、好ましくは75以上、より好ましくは80以上、更に好ましくは85以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは100以下、より好ましくは95以下、更に好ましくは90以下である。上記の硬度範囲をショアD硬度で表すと、好ましくは49以上、より好ましくは53以上、更に好ましくは57以上となる。また、その上限は、好ましくは68以下、より好ましくは64以下、更に好ましくは60以下である。
コアの中心硬度は、後述するカバーの硬度と同等もしくはそれより高くする必要があり、具体的には、JIS−C硬度で、好ましくは55以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは65以上とすることができる。また、その上限は、好ましくは80以下、より好ましくは75以下、更に好ましくは70以下である。上記の硬度範囲をショアD硬度で表すと、好ましくは34以上、より好ましくは38以上、更に好ましくは41以上となる。また、その上限は、好ましくは53以下、より好ましくは49以下、更に好ましくは45以下である。
コアの表面硬度と中心硬度の平均値(以下、コア平均硬度という。)は、特に制限されないがJIS−C硬度で、好ましくは65以上、より好ましくは70以上、更に好ましくは75以上とすることができる。また、その上限は、好ましくは90以下、より好ましくは85以下、更に好ましくは80以下である。上記の硬度範囲をショアD硬度で表すと、好ましくは41以上、より好ましくは45以上、更に好ましくは49以上となる。また、その上限は、好ましくは60以下、より好ましくは57以下、更に好ましくは53以下となる。
コアの表面硬度と中心硬度が、上記の範囲を下回ると、コアの反発性が足りずに飛距離が伸びなくなったり、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなる場合がある。逆に、上記の範囲を超えると、フルショットした時の打感が硬くなりすぎたり、スピン量が多くなりすぎて飛距離が伸びなくなる場合がある。
本発明において、コアの中心から表面に向かって硬度が増加することが好ましい。この場合、コアの中心と表面の硬度差がJIS−C硬度で0以上であることが好ましく、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上である。また、その上限は、30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下、更に好ましくは23以下である。この差が小さすぎると、スピン量が多くなりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。差が大きすぎると、繰り返し打撃耐久性が悪くなったり、反発性が低くなり飛距離が伸びなくなることがある。
コアが荷重負荷された時のたわみ量、即ち、コアに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量(mm)は、特に制限はないが、好ましくは1.8mm以上、より好ましくは2.0mm以上、更に好ましくは2.4mm以上である。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは6.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは3.5mm以下である。この値が大きすぎると、コアの反発性が低くなりすぎて飛距離が不十分なものとなり、打感が軟らかくなりすぎたり、また、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。逆に、この値が小さすぎると、フルショットした時の打感が硬くなりすぎたり、スピン量が多くなりすぎて飛距離が伸びなくなる場合がある。
上記のような表面硬度やたわみ量を有するコアを形成する材料としては、ゴム材を主材として用いることができる。例えば、ゴム材に加えて、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。そして、このゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。
上記のポリブタジエンは、そのポリマー鎖中に、シス−1,4−結合を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上有することが好適である。分子中の結合に占めるシス−1,4−結合が少なすぎると、反発性が低下する場合がある。
また、上記ポリブタジエンに含まれる1,2−ビニル結合の含有量としては、そのポリマー鎖中に通常2%以下、好ましくは1.7%以下、更に好ましくは1.5%以下である。1,2−ビニル結合の含有量が多すぎると、反発性が低下する場合がある。
本発明で用いる上記ポリブタジエンとしては、良好な反発性を有するゴム組成物の加硫成形物を得る観点から、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたものであることが好ましく、中でも特に希土類元素系触媒で合成されたものであることが好ましい。
このような希土類元素系触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ランタン系列希土類元素化合物と、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じルイス塩基とを組み合わせてなる触媒を挙げることができる。
上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒を使用することが、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報、特開平11−164912号公報、特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
ランタン系列希土類元素化合物系触媒を用いて合成されたポリブタジエンは、ゴム成分中に10質量%以上、好ましくは20質量%以上、特に40質量%以上含有することが反発性を向上させるためには好ましい。
なお、上記基材ゴムには、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
不飽和カルボン酸の金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とすることができる。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日油社製)、パーヘキサC−40、パーヘキサ3M(日油社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
不活性充填剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、上限として、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業社製)、ヨシノックス425(吉富製薬社製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
該老化防止剤の配合量は0超とすることができ、好ましくは基材ゴム100質量部に対して0.05質量部以上、特に0.1質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、好ましくは基材ゴム100質量部に対して3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
上記基材ゴムには、ゴルフボールの反発性を向上させ、ゴルフボールの初速度を大きくするため、有機硫黄化合物を配合することが好ましい。この有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えば、チオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩が好適に用いられる。
このような有機硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると、反発性(特に、W#1による打撃)の改良効果がそれ以上期待できなくなり、コアが軟らかくなりすぎたり、打感が悪くなる場合がある。
次に、包囲層について下記に説明する。
本発明では、上述したように、コアを被覆する包囲層が内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層の3層に形成される。
内側包囲層の材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度(ASTM D2240に準拠したタイプDデュロメータによる測定値)で好ましくは38以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは43以上である。また、その上限についても特に制限されるものではないが、好ましくは60以下、より好ましくは55以下、更に好ましくは50以下である。また、内側包囲層は中間包囲層よりも軟らかく形成することが好ましい。内側包囲層が軟らかすぎると、フルショット時にエネルギーロスが生じて初速が低くなり、飛距離が伸びなくなることがある。逆に、内側包囲層が硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。なお、ここで材料硬度とは、材料が樹脂の場合は、樹脂組成物をプレス成形して作製した厚さ2mmのシートについて測定した硬度であり、材料がゴムの場合は、ゴム組成物をシート成形用金型に投入して170℃で15分間加熱成形して作製した厚さ約2mmのプレスシートについて測定した硬度である(以下、同様)。
内側包囲層の厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは0.9mm以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下である。内側包囲層の厚さが上記の範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなることがある。
上記内側包囲層を被覆する中間包囲層の材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で、好ましくは40以上、より好ましくは45以上、更に好ましくは47以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは62以下、より好ましくは58以下、更に好ましくは55以下である。中間包囲層が軟らかすぎると、フルショット時に初速が低くなり、飛距離が出なくなることがある。逆に、中間包囲層が硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。
また、本発明では、中間包囲層は内側包囲層よりも硬く、かつ外側包囲層よりも軟らかく形成することが好ましい。この場合、特に制限されるものではないが、中間包囲層と内側包囲層との硬度差を、ショアD硬度で1以上とすることが好ましく、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、10以下とすることが好ましく、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。一方、中間包囲層と外側包囲層との硬度差も、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で1以上とすることが好ましく、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、10以下とすることが好ましく、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下である。中間包囲層と隣接する内側及び外側包囲層とが上記の硬度関係を満足しなかったり、硬度差が上記範囲に収まらない場合は、フルショットした時にエネルギーロスが生じて初速が低くなり、飛距離が伸びなくなることがある。
中間包囲層の厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.8mm以上、より好ましくは1.2mm以上、更に好ましくは1.7mm以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは3.8mm以下、より好ましくは3.2mm以下、更に好ましくは2.7mm以下である。中間包囲層の厚さが上記の範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による低スピン効果が足りずに飛距離が伸びなくなったり、打感が悪くなったりすることがある。
上記中間包囲層を被覆する外側包囲層の材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で、好ましくは42以上、より好ましくは49以上、更に好ましくは51以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは65以下、より好ましくは62以下、更に好ましくは60以下である。また、外側包囲層は後述する中間層よりも軟らかく形成することが好ましい。外側包囲層が軟らかすぎると、中間層との硬度差が大きくなりすぎて、フルショット時にエネルギーロスが生じて、飛距離が出なくなることがある。逆に、外側包囲層が硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎることがある。
外側包囲層の厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは1.5mm以上、更に好ましくは2.0mm以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、更に好ましくは3.0mm以下である。外側包囲層の厚さが上記の範囲を外れると、ドライバー(W#1)打撃による初速が足りずに飛距離が伸びなくなったり、打感が悪くなることがある。
また、内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層の厚さの合計、即ち、包囲層の総厚みは、特に制限されるものではないが、好ましくは2.3mm以上、より好ましくは3.4mm以上、更に好ましくは4.6mm以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは11.3mm以下、より好ましくは9.2mm以下、更に好ましくは7.7mm以下である。包囲層の総厚みが上記の範囲を逸脱した場合、ドライバー(W#1)打撃による初速が足りずに飛距離が出なくなったり、高ヘッドスピードのユーザーが飛び感を感じるしっかりした打感が得られなくなることがある。
本発明において、包囲層は内側、中間及び外側の3層に形成されるが、これらの各層は同一又は互いに異なる樹脂材料を用いて形成することができる。上記包囲層を形成する材料は、ゴム材料や樹脂材料等を用いることができ、特に制限されるものではないが、本発明では、(a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを特定量配合したベース樹脂を必須成分とする材料を好適に用いることができる。本発明では、上記包囲層の少なくとも1層をこの材料を用いて形成することにより、ドライバー(W#1)打撃時に高い反発性を得ることができ、大きな飛距離を得ることができる。上記材料について、以下に詳述する。
上記ベース樹脂中のオレフィンは、(a)成分、(b)成分のいずれであっても、炭素数が、通常2以上、上限として8以下、特に6以下のものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンであることが好ましい。
また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。
更に、不飽和カルボン酸エステルとしては、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルが好適で、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)であることが好ましい。
(a)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び(b)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体(以下、(a)成分及び(b)成分中の共重合体を総称してランダム共重合体という)は、上記成分を公知の方法によりランダム共重合させることにより得ることができる。
上記ランダム共重合体は、不飽和カルボン酸の含量(酸含量)が調整されたものであることが推奨される。ここで、(a)成分のランダム共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の含量は、特に制限されるものではないが、好ましくは4質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、特に好ましくは15質量%以下であることが推奨される。
同様に(b)成分のランダム共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の含量は、特に制限されるものではないが、好ましくは4質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは8質量%以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であることが推奨される。ランダム共重合体の酸含量が少なすぎると反発性が低下する場合があり、多すぎると加工性が低下する場合がある。
(a)成分及び(b)成分のランダム共重合体の金属イオン中和物は、上記ランダム共重合体中の酸基を金属イオンで部分的に中和することにより得ることができる。ここで、酸基を中和する金属イオンの具体例としては、Na+、K+、Li+、Zn++、Cu++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Pb++等が挙げられる。本発明においては、この中でも特にNa+、Li+、Zn++、Mg++等を好適に用いることができ、更には反発性を改良する観点からNa+を用いることが推奨される。これら金属イオンのランダム共重合体に対する中和度は特に限定されるものではない。このような中和物は、公知の方法で得ることができ、例えば、上記ランダム共重合体に対して、上記金属イオンのギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシド等の化合物を使用して中和する方法などを採用することができる。
上記ランダム共重合体の金属イオン中和物としては、ナトリウムイオン中和型アイオノマー樹脂を好適に使用でき、材料のメルトフローレート(MFR)を増加させ、後述する最適なメルトフローレートに調整することが容易であり、成形性を改良することができる。
上記(a)成分と上記(b)成分は、市販品を使用してもよく、例えば、(a)成分のランダム共重合体として、ニュクレルN1560、同N1214、同N1035、同AN4221C(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、ESCOR5200、同5100、同5000(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を、(b)成分のランダム共重合体として、例えば、ニュクレルAN4311、同AN4318、同AN4319(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、ESCOR ATX325、同ATX320、同ATX310(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を挙げることができる。
また、(a)成分のランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1554、同1557、同1601、同1605、同1706、同AM7311(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン7930(米国デュポン社製)、アイオテック3110、同4200(EXXONMOBIL CHEMICAL社製)等を、(b)成分のランダム共重合体の金属イオン中和物として、例えば、ハイミラン1855、同1856、同AM7316(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン6320、同8320、同9320、同8120(いずれも米国デュポン社製)、アイオテック7510、同7520(いずれもEXXONMOBIL CHEMICAL社製)等をそれぞれ挙げることができる。上記ランダム共重合体の金属イオン中和物として好適なナトリウム中和型アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1605、同1601、同1555等を挙げることができる。
上記ベース樹脂の調製に際しては、(a)成分と(b)成分との配合を質量比で通常100:0〜0:100とすることができ、好ましくは100:0〜25:75、より好ましくは100:0〜50:50、更に好ましくは100:0〜75:25、最も好ましくは100:0とすることができる。(a)成分の配合量が少なすぎると、材料の成形物の反発性が低下することがある。
また、上記ベース樹脂は、上記の配合比の調整に加えて更にランダム共重合体とランダム共重合体の金属イオン中和物との配合比を調整することにより、成形性をより良好にすることができる。この場合、ランダム共重合体:ランダム共重合体の金属イオン中和物は、質量比で通常0:100〜60:40とすることができ、好ましくは0:100〜40:60、より好ましくは0:100〜20:80、更に好ましくは0:100とすることが推奨される。ランダム共重合体の配合量が多すぎると、ペレット組成の均一性が低下する場合がある。
上記ベース樹脂には、打撃時のフィーリング、反発性をより一層向上させるために、(e)非アイオノマー熱可塑性エラストマーを配合することができる。この(e)成分の具体例としては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。本発明では、反発性をより高めることができる点から、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、特に、結晶性ポリエチレンブロックをハードセグメントとして含む熱可塑性ブロック共重合体からなるオレフィン系エラストマーを好適に使用することができる。
上記(e)成分は、市販品を使用してもよく、具体的には、ダイナロン(JSR社製)、ポリエステル系エラストマーとして、ハイトレル(東レ・デュポン社製)等を挙げることができる。
上記(e)成分の配合量は0超とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、好ましくは上記ベース樹脂100質量部に対して100質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とすることができる。(e)成分の配合量が多すぎると、混合物の相溶性が低下し、ゴルフボールの耐久性が著しく低下する可能性がある。
次に、上記ベース樹脂に(c)成分として、分子量228以上1500以下の脂肪酸又はその誘導体を配合することができる。この(c)成分は、上記ベース樹脂と比較して分子量が極めて小さいものであり、混合物の溶融粘度を適度に調整し、特に流動性の向上に寄与する成分である。また、上記(c)成分は、比較的高含量の酸基(誘導体)を含み、反発性の過度の損失を抑制できる。
上記(c)成分の脂肪酸又はその誘導体の分子量は、228以上、好ましくは256以上、より好ましくは280以上、更に好ましくは300以上とすることがでる。また、その上限は1500以下、好ましくは1000以下、より好ましくは600以下、更に好ましくは500以下とすることができる。分子量が小さすぎる場合は耐熱性が改良できず、大きすぎる場合は流動性が改善できない。
上記(c)成分の脂肪酸又はその脂肪酸誘導体としては、例えば、アルキル基中に二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪酸(誘導体)やアルキル基中の結合が単結合のみで構成される飽和脂肪酸(誘導体)を同様に好適に使用できるが、いずれの場合も1分子中の炭素数が、好ましくは18以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは22以上、特に好ましくは24以上であることが推奨される。また、その上限は、好ましくは80以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは40以下、特に好ましくは30以下であることが推奨される。炭素数が少なすぎると、耐熱性の改善が達成できない上、酸基の含有量が多すぎて、ベース樹脂に含まれる酸基との相互作用により流動性の改善の効果が少なくなってしまう場合がある。一方、炭素数が多すぎる場合には、分子量が大きくなるために、流動性改質の効果が顕著に表れない場合がある。
ここで、(c)成分の脂肪酸として、具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが挙げられ、特にステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸を好適に使用することができる。
また、上記(c)成分の脂肪酸誘導体としては、上述した脂肪酸の酸基に含まれるプロトンを金属イオンにより置換した金属せっけんを例示することができる。この場合、金属イオンとしては、例えば、Na+、Li+、Ca++、Mg++、Zn++、Mn++、Al+++、Ni++、Fe++、Fe+++、Cu++、Sn++、Pb++、Co++等を挙げることができ、特にCa++、Mg++、Zn++が好ましい。
(c)成分の脂肪酸誘導体として、具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を挙げることができ、特にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、べヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等を好適に使用することができる。
なお、上述した(a)成分及び/又は(b)成分、及び(c)成分の使用に際し、公知の金属せっけん変性アイオノマー(米国特許第5312857号明細書、米国特許第5306760号明細書、国際公開第98/46671号パンフレット等)を使用することもできる。
上記(c)成分の配合量は、上記(a)成分、(b)成分及び(e)成分を適宜配合した樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は、120質量部以下とすることができ、好ましくは115質量部以下、より好ましくは110質量部以下、更に好ましくは100質量部以下とすることができる。(c)成分の配合量が少なすぎると、溶融粘度が低くなり加工性が低下することがあり、多すぎると耐久性が低下することがある。
(d)成分として、上記ベース樹脂及び(c)成分中の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物を加えることができる。この(d)成分を配合しないで、金属せっけん変性アイオノマー樹脂(例えば、上記特許公報に記載された金属せっけん変性アイオノマー樹脂のみ)を単独で使用した場合には、加熱混合時に金属せっけんとアイオノマー樹脂に含まれる未中和の酸基が交換反応を起こして多量の脂肪酸が発生する。この脂肪酸は熱的安定性が低く成形時に容易に気化するため、成形不良の原因となるおそれがある。更には、上記脂肪酸が成形物の表面に付着して、塗膜密着性を著しく低下させたり、得られる成形体の反発性低下等の不具合を生じさせる場合がある。
Figure 0005899757
このような問題を解決すべく、(d)成分として、上記ベース樹脂及び(c)成分中に含まれる酸基を中和する塩基性無機金属化合物を必須成分として配合する。(d)成分の配合で、上記ベース樹脂と(c)成分中の酸基が中和され、これら各成分配合による相乗効果により、樹脂組成物の熱安定性が高まると同時に、良好な成形性が付与され、ゴルフボール用材料としての反発性が向上するという優れた特性が付与されるというものである。
ここで、塩基性無機金属化合物に使われる金属イオンとしては、例えば、Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、Ni++、Fe++、Fe+++、Cu++、Mn++、Sn++、Pb++、Co++等が挙げられ、塩基性無機金属化合物としては、これら金属イオンを含む公知の塩基性無機充填剤を使用することができ、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム等を挙げることができるが、特に水酸化物、又は一酸化物であることが推奨され、より好ましくはベース樹脂との反応性の高い水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、更に好ましくは水酸化カルシウムであることが推奨される。
上記(d)成分の配合量は、上記樹脂成分100質量部に対して、0.1質量部以上とすることができ、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは1.2質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は、17質量部以下とすることができ、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下とすることができる。(d)成分の配合量が少なすぎると、熱安定性、反発性の向上が見られず、多すぎると過剰の塩基性無機金属化合物によりゴルフボール用材料の耐熱性がかえって低下することがある。
上述したように(a)成分及び(b)成分を所定量配合したベース樹脂と、任意成分の(e)成分を配合した樹脂成分に対し、所定量の(c)成分と(d)成分とをそれぞれ配合することにより、熱安定性、流動性、成形性に優れる材料とすることができ、更に成形物の反発性を飛躍的に向上させることができる。
上述した樹脂成分、(c)成分及び(d)成分を所定量配合した材料は、中和度が高い(高中和化されている)ことが推奨され、具体的には、材料中の酸基の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上が中和されていることが推奨される。材料中の酸基を高中和化することにより、上述した従来技術のベース樹脂と脂肪酸(誘導体)のみを使用した場合に問題となる交換反応をより確実に抑制し、脂肪酸の発生を防ぐことができる上、熱的安定性が著しく向上し、成形性が良好で、従来のアイオノマー樹脂と比較して反発性に非常に優れた成形物を得ることができる。
ここで、中和度とは、ベース樹脂と(c)成分の脂肪酸(誘導体)の混合物中に含まれる酸基の中和度であり、ベース樹脂中のランダム共重合体の金属イオン中和物としてアイオノマー樹脂を使用した場合におけるアイオノマー樹脂自体の中和度とは異なる。中和度が同じ本発明の混合物と同中和度のアイオノマー樹脂のみとを比較した場合、本発明の材料は、(d)成分が配合されていることにより非常に多くの金属イオンを含むため、反発性の向上に寄与するイオン架橋が高密度化し、成形物に優れた反発性を付与できる。
上記樹脂材料は、射出成形に特に適した流動性を確保し、成形性を改良するため、メルトフローレート(MFR)を所定の範囲に調整することが好ましい。この場合、JIS−K7210に準拠して試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)の条件で測定したときのメルトフローレートが、好ましくは0.6g/10min以上、より好ましくは0.7g/10min以上、更に好ましくは0.8g/10min以上、最も好ましくは2g/10min以上に調整されることが推奨される。また、その上限は、好ましくは20g/10min以下、より好ましくは10g/10min以下、更に好ましくは5g/10min以下、最も好ましくは3g/10min以下に調整されることが推奨される。メルトフローレートが、大きすぎても小さすぎても加工性が著しく低下する場合がある。
包囲層を形成する材料としては、市販品を使用することもでき、具体的には、Dupont社製の商品名「HPF 1000」「HPF 2000」、「HPF AD1027」、「HPF AD1035」、「HPF AD1040」、実験用 HPF SEP1264−3などを例示することができる。
次に、中間層について説明する。
中間層の材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度(ASTM D2240に準拠したタイプDデュロメータによる測定値)で好ましくは55以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは63以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは75以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは68以下とすることができる。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時に反発性が低くなりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチの実施時の打感が硬くなりすぎることがある。
中間層の厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.9mm以上、更に好ましくは1.0mm以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは1.7mm以下、更に好ましくは1.4mm以下とすることができる。中間層の厚さが薄すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性や低温時の耐久性が悪くなることがある。また、厚すぎると打感が硬くなりすぎたり、ボール全体としての硬さのバランスを取るために内層を軟らかくすることになり、そうするとW#1で打撃したときの実打初速が低くなり飛距離が出なくなることがある。
上記中間層に用いられる材料は、特に限定されないが、高剛性かつ高反発材料という観点からアイオノマー樹脂を最も好適に用いることができる。このようなアイオノマー樹脂としては、特にα−オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボン酸(即ち、酸基)の一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、α−オレフィンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボン酸の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの又はその混合物等が例示される。
上記アイオノマー樹脂中のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレンが好ましく、α,β−不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸等が好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等が挙げられ、特にアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルが好ましい。更に、上記共重合体中の酸基を中和する金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn++、Ca++、Mg++、Al+++、Nd+++等を挙げることができ、Na+、Li+、Zn++等が反発性、耐久性等の観点から好適である。
上記アイオノマー樹脂中の不飽和カルボン酸の含量(酸含量)は、特に制限されるものではないが、16質量%以上の高酸含量であることが好ましく、より好ましくは17質量%以上、更に好ましくは18質量%以上とすることができる。また、酸含量の上限値も特に制限されないが、22質量%以下とすることができ、好ましくは20質量%以下、より好ましくは19質量%以下である。
なお、上述した中間層のアイオノマー樹脂は、酸含量が16質量%以上の高酸含量のアイオノマー樹脂を1種単独で用いても又2種以上を併用してもよい。また、2種以上を併用する場合、異なる金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂を併用することにより、反発性及び繰り返し打撃耐久性の更なる向上を図ることができる。
中間層を形成する材料としては、市販品を使用することもでき、具体的には、AM7317、AM7318、AM7315(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、S9150、S8150、S8220(いずれも米国デュポン社製)などを挙げることができる。
また、上記中間層用材料には、顔料や、比重調整剤としての充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の通常使用される添加剤を適宜配合することもできる。
本発明では、特に制限されるものではないが、ボールの使用中に生じる傷等が目立たないようにする観点から、最外層のカバーを透明度の高い樹脂材料で形成することが好ましい。そのため、中間層は下地の色を遮断するために酸化チタンを所定量配合することが好ましい。この場合、酸化チタンは、下地の色を遮断することができるだけの量を配合すればよく、特に制限されるものではないが、その配合量は、上記の樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上とすることができる。また、配合量の上限も特に制限されないが、10質量部以下、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下とすることができる。材料の比重も特に制限されないが、0.92以上、好ましくは0.96以上、より好ましくは0.97以上とすることができる。また、比重の上限も特に制限されないが、1.15以下、好ましくは1.05以下、より好ましくは1.00以下とすることができる。酸化チタンの配合量が少なく比重が小さいと下地の色が遮断できずに、ボール外観が暗くなる場合がある。一方、酸化チタンの添加量が多く比重が大きすぎると、反発性が低くなって飛距離が出なくなることがある。
また、上記の材料で形成した中間層と、後述するカバーで用いられるポリウレタンとの密着性を高めるために、カバーを形成する前に予め中間層の表面を研磨することが好適である。更に、研磨処理後に中間層の表面にプライマー(接着剤)を塗布したり、中間層用材料に公知の密着強化材を添加することにより、密着性の更なる向上を図ることができる。なお、上記材料中に配合する密着強化材としては、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなどの有機化合物やポリエチレングリコール、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーなどのオリゴマーが挙げられる。特にトリメチロールプロパンやポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーが好適に用いられる。これらは市販品を用いることができ、具体例として、三菱ガス化学社製トリメチロールプロパンや、三菱化学社製ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(主鎖の炭素数が150〜200、末端に水酸基を有する。商品名ポリテールH)等を挙げることができる。
次に、カバーについて説明する。なお、本発明に言うカバーとは、ボール構造体中の最外層を意味し、本発明に言う中間層、包囲層は除かれる。
カバーの材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で、好ましくは30以上、より好ましくは33以上、更に好ましくは36以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは50以下、より好ましくは47以下、更に好ましくは44以下とすることができる。カバーの材料硬度が上記の範囲よりも小さいと、ドライバー(W#1)による打撃時にスピン量が多くなりすぎたり、反発が低くなって飛距離が伸びなくなることがある。また、カバーの材料硬度が上記の範囲よりも大きいと、アプローチでのスピンが掛からずにプロや上級者でもコントロール性が不足したり、カバーの耐久性(ウエッジで打撃したときの耐擦過傷性)が悪くなることがある。なお、本発明では、上記カバーの材料硬度は、上述した通り、コアの中心硬度と同等もしくはそれよりも小さいことが必要である。
カバーの厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.4mm以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.9mm以下、更に好ましくは0.8mm以下とすることができる。カバーの厚さが上記の範囲よりも厚すぎると、ドライバー(W#1)による打撃時にボールの反発性が足りなくなりすぎて飛距離が伸びなくなる場合がある。逆に、カバーの厚さが上記の範囲よりも薄すぎると、耐擦過傷性が悪くなったり、プロや上級者でもショートゲームでのコントロール性が不足する場合がある。
カバー材料は、上述した包囲層及び中間層と同様、各種の樹脂材料を主材として形成され、特に制限されるものではないが、コントロール性と耐擦過傷性の観点から熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ポリウレタンもしくはポリウレアから選ばれる材料を用いることができ、中でも量産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンを好適に用いることができる。
また、本発明では、特に(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とする特定の熱可塑性ポリウレタン組成物を用いることが好適である。この樹脂配合物について下記に説明する。
この樹脂組成物は、(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とするものであり、具体的には、上記の(A)成分と(B)成分とを合わせた合計質量が、カバー層全体の質量の60%以上であることが推奨されるものであり、より好ましくは70%以上である。
まず、上記(A)熱可塑性ポリウレタンについて述べる。この熱可塑性ポリウレタンは、その構造中に、長鎖ポリオールである高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、鎖延長剤及びポリイソシアネート化合物からなるハードセグメントとを含む。ここで、原料となる長鎖ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどを挙げることができる。これらの長鎖ポリオールは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、反発弾性率が高く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンを合成できる点で、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、環状エーテルを開環重合して得られるポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などを挙げることができる。ポリエーテルポリオールとしては1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、ポリ(テトラメチレングリコール)及び/又はポリ(メチルテトラメチレングリコール)が好ましい。
これらの長鎖ポリオールの数平均分子量としては1,500〜5,000の範囲内であることが好ましい。かかる数平均分子量を有する長鎖ポリオールを使用することにより、上記した反発性や生産性などの種々の特性に優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを確実に得ることができる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,700〜4,000の範囲内であることがより好ましく、1,900〜3,000の範囲内であることが更に好ましい。
なお、上記の長鎖ポリオールの数平均分子量とは、JIS−K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量400以下の低分子化合物であることが好ましい。鎖延長剤としては、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖延長剤としては、これらのうちでも、炭素数2〜12の脂肪族ジオールが好ましく、1,4−ブチレングリコールがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はない。具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−(又は)2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明においては生産時の安定性と発現される物性とのバランスとの観点から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上記(A)成分の熱可塑性ポリウレタンとして最も好ましいものは、長鎖ポリオールとしてポリエーテルポリオール、鎖延長剤として脂肪族ジオール、ポリイソシアネート化合物として芳香族ジイソシアネートを用いて合成される熱可塑性ポリウレタンであって、上記ポリエーテルポリオールが数平均分子量1,900以上のポリテトラメチレングリコール、上記鎖延長剤が1,4−ブチレングリコール、上記芳香族ジイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのものであるが、特にこれらに限られるものではない。
また、上記ポリウレタン形成反応における活性水素原子:イソシアネート基の配合比は、上記した反発性、スピン性能、耐擦過傷性及び生産性などの種々の特性がより優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを得ることができるよう、好ましい範囲にて調整することができる。具体的には、上記の長鎖ポリオール、ポリイソシアネート化合物及び鎖延長剤とを反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造するに当たり、長鎖ポリオールと鎖延長剤とが有する活性水素原子1モルに対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が0.95〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。
上記(A)成分の熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に限定されず、長鎖ポリオール、鎖延長剤及びポリイソシアネート化合物を使用して、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合により製造することが好ましい。
上記(A)成分としては、市販品を用いることもでき、例えば、パンデックスT8295、同T8290、同T8260、同T8283(いずれもディーアイシーバイエルポリマー社製)などを例示することができる。
次に、上記(B)成分として用いられるポリイソシアネート化合物については、射出成形前において少なくともその一部が分子中の全てのイソシアネート基が未反応状態のものであることが必要である。即ち、射出成形前の樹脂配合物中に一分子中の全てのイソシアネート基が完全にフリーな状態であるポリイソシアネート化合物が存在している必要がある。なお、このようなポリイソシアネート化合物と、片末端のみがフリーな状態のポリイソシアネート化合物とが併存していてもよい。
このポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、各種のイソシアネートを採用することができ、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−(又は)2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。上記のイソシアネートの群のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを採用することが、(A)成分の熱可塑性ポリウレタンとの反応に伴う粘度上昇等による成形性への影響と、得られるゴルフボールカバー材料の物性とのバランスとの観点から好適である。
本発明ゴルフボールのカバーにおいて、必須成分ではないが、上記(A)及び(B)成分に加えて、更に(C)成分として、上記熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性エラストマーを配合することができる。この(C)成分を上記樹脂配合物に配合することにより、樹脂配合物の更なる流動性の向上や反発性、耐擦過傷性等、ゴルフボールのカバー材料として要求される諸物性を高めることができる。
上記(C)成分の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハイトレル3046、同4047、同4767、同5557(いずれも東レ・デュポン社製)、ダイナロン6100P、同6200P、同4600P(いずれもJSR社製)などを挙げることができる。
なお、上記カバー材料には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。その具体体としては、顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、離型剤、可塑剤、無機充填剤(酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等)等を挙げることができる。
本発明では、特に制限されるものではないが、アイアンやウエッジで打ったときの傷を目立ちにくくする観点から、カバー材料は透明度が高いものとすることが好ましい。なお、特に制限されるものではないが、カバー材料には比重を調整するために酸化チタンを配合することができる。酸化チタンの配合量は、比重と透明度のバランスの観点から必要最小量とすることが推奨され、具体的には上記の樹脂成分100質量部に対して、4.0質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以下、更に好ましくは0質量部(無添加)とすることが推奨される。また、材料の比重も特に制限されないが、0.95以上、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.10以上とすることができる。また、比重の上限も特に制限されないが、1.20以下、好ましくは1.15以下、より好ましくは1.13以下とすることができる。上記範囲よりも比重を小さくしようとすると、比重が小さいアイオノマー樹脂等を混合する必要があり、耐擦過傷性の悪化を招くおそれがある。また、上記範囲よりも比重を大きくしようとすると、酸化チタンを多く添加しなければならず、アイアンやウエッジで打ったときの傷が目立ちやすくなることがある。
また、上記のカバー材料は、特に制限されるものではないが、使用者の嗜好等に応じて色彩を変えることもでき、例えば、黄、橙、赤、青、ピンク、緑などの蛍光顔料や蛍光染料を適宜添加することができる。
内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの厚さの関係
本発明では、上記の3層の包囲層の厚さについては、特に制限されるものではないが、通常
内側包囲層 ≦ 中間包囲層 ≦ 外側包囲層
の条件を満たすことが好ましく、より好ましくは
内側包囲層 < 中間包囲層 < 外側包囲層
の条件を満たすことが推奨される。また、
中間包囲層厚さ/内側包囲層厚さ、及び、
外側包囲層厚さ/中間包囲層厚さ
の関係は、それぞれ1.0以上とすることが好ましく、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上とすることができる。また、その上限は、1.5以下とすることが好ましく、より好ましくは1.4以下、更に好ましくは1.3以下とすることができる。各層の厚さが、上記の関係から逸脱した場合、ドライバー(W#1)打撃時の反発性が不十分で良好な飛距離が得られなくなることがある。
また、特に制限されるものではないが、中間層の厚さは、カバーよりも厚く形成することが好ましく、この場合、中間層厚さ/カバー厚さの値が、1.3以上となるように形成することが好ましく、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.7以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下とすることができる。中間層及びカバーの厚さの関係が、上記の範囲を逸脱すると、ドライバー(W#1)打撃時に必要以上にスピンが掛かりすぎたり、初速が低くなったりして飛距離が伸びなくなることがある。
更に、カバーとコアを含めたボール全体では、
カバー厚さ < 中間層厚さ < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層さ+内側包囲層厚さ(包囲層総厚さ)〕 < コア直径
かつ
カバー厚さ < 中間層厚さ < 内側包囲層厚さ < 中間包囲層厚さ < 外側包囲層厚さ < コア直径
であることがドライバー(W#1)の飛距離の観点で最も好ましい。更には、
〔カバー厚さ+中間層厚さ〕 < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層厚さ+内側包囲層厚さ(包囲層総厚さ)〕
の関係を満たすことが推奨される。カバーが中間層より厚いと反発性が低くなり、飛距離が出なくなることがある。包囲層が中間層より薄いとドライバー(W#1)打撃時に適切なスピン量を得ることができずに狙いの飛距離が得られなくなることがある。また、包囲層総厚さは、〔カバー厚さ+中間層厚さ〕より厚いことが好ましい。そうでないとドライバー(W#1)打撃時に適切なスピン量を得ることができずに狙いの飛距離が得られなくなることがある。
コア表面、包囲層、中間層及びカバーの硬度関係
本発明では、カバーの材料硬度(ショアD)及びコア中心硬度(ショアD)が、
カバー材料硬度 ≦ コア中心硬度
の関係を満たし、かつ、内層(包囲層及び中間層)のいずれかの層が、カバー材料硬度及び/又はコア平均硬度より硬く形成されることが必要である。この場合、カバーの材料硬度及びコア中心硬度の硬度差(カバー硬度−コア中心硬度)は、特に制限されるものではないが、−1以下とすることが好ましい。また、その下限も特に制限されるものではないが、−10以上とすることができ、好ましくは−5以上である。上記の関係を満たさなかった場合、ドライバーでのフルショット時に適正なスピンが生まれるように設計することが困難になると共に、反発性が低くなりすぎて飛距離が出なくなることがある。
また、特に制限されるものではないが、ボール全体では、
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
の関係を満たすことが好ましく、より好ましくは
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > 中間包囲層材料硬度 > 内側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
の関係を満たすことが推奨され、更に好ましくは
カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > 中間包囲層材料硬度 > 内側包囲層材料硬度 ≧ コア平均硬度 > コア中心硬度
の関係を満たすことが推奨される。上記の関係を満たさなかった場合、ドライバーでのフルショット時にエネルギーロスが多すぎて初速が低くなったり、スピン量が多くなりすぎて飛距離が出なかったり、アプローチショット時にスピンが掛からずコントロール性が不足したり、カバー耐久性が悪くなったりすることがある。
上述したコア、包囲層、中間層及びカバーを有するマルチピースソリッドゴルフボールは、射出成形法等の公知の方法により製造することができる。より具体的には、ゴム材を主材としたコアをプレス成形又は射出成形により作製し、該コアの周囲に所定の射出成形用金型を用いて包囲層及び中間層を順次形成した後、前記で得られた中間層被覆球体の周囲にカバー材料を射出成形することにより6層構造を有するマルチピースソリッドゴルフボールを得ることができる。また、上記カバーを形成する方法として、上述したカバー材料を用いて予め一対のハーフカップを成形し、このハーフカップで上記中間層被覆球体を包んで、例えば120〜170℃、1〜5分間の条件で加圧成形する方法を用いてもよい。
本発明のゴルフボールにおいては、更に空力特性を改善して飛距離を向上させるために、通常のゴルフボールと同様にカバーの表面に多数のディンプルを形成することが好ましい。上記ディンプルの種類及び総数等を適正化することにより、上述したボール構造との相乗効果で弾道がより安定し、飛距離性能に優れたゴルフボールを得ることができる。なお、ゴルフボールのデザイン性や耐久性を向上させるために、該カバー上に下地処理、スタンプ、塗装等の種々の処理を行うことも任意である。
まず、ディンプルの総数については、特に制限はないが、280個以上とすることが好ましく、より好ましくは300個以上、更に好ましくは320個以上である。また、その上限は360個以下とすることが好ましく、より好ましくは350個以下、更に好ましくは340個以下とすることができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり、飛距離が低下することがある。逆に、ディンプル個数が少なくなると、ボールの弾道が高くなり、飛距離が伸びなくなる場合がある。
ディンプルの形状については、円形に限られず、各種多角形、涙形、楕円形等から1種類又は2種類以上を適宜選択することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルがゴルフボールの球面に占めるディンプル占有率、具体的には、ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(SR値)については、空気力学特性を十分に発揮し得る点から60%以上90%以下であることが望ましい。また、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、ボールの弾道の適正化を図る点から0.35以上0.80以下とすることが好適である。更に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計がディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値は、0.6%以上1.0%以下とすることが好ましい。上述した各数値の範囲を逸脱すると、良好な飛距離が得られない弾道となり、十分満足した飛距離を出せない場合がある。
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径としては42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、重量としては通常45.0〜45.93gとすることが好適である。
以上説明したように、本発明は、包囲層を内側、中間、外側の3層にすると共に、包囲層、中間層、カバーの各層の厚さ、硬度を上述したように適正化することにより、プロや上級者のうちドライバー打撃時においてスピンが少なめで、かつ打ち出し角が低い打球になりやすいユーザーが使用する場合でも、これらのユーザーが満足する優れた飛びとショートゲームのコントロール性能が得られると共に、良好な打感と優れた耐擦過傷性とを兼ね備えたものとすることができるので、プロや上級者向けのゴルフボールとして非常に有用なものである。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1,2、比較例1〜6]
コアの形成
表1に示す配合のゴム組成物を調製した後、155℃、16分の条件で加硫成形することによりコアを作製した。
Figure 0005899757
※ 表中の数字は質量部を表す。
表1中に記載した材料の詳細は下記の通りである。
ポリブタジエン
商品名「BR730」、JSR社製
過酸化物
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物、商品名「パーヘキサC−40」、日油社製
老化防止剤
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、商品名「ノクラックNS−6」、大内新興化学工業社製
ステアリン酸亜鉛
商品名「ジンクステアレートG」、日油社製
包囲層、中間層及びカバーの形成
次に、上記で得たコアの周囲に、表2及び表3に示す配合の内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーを射出成形法により順次成形して、コアの周囲に3層の包囲層、中間層及びカバーを形成した6層構造のマルチピースソリッドゴルフボールを作製した。この際、カバー表面には図2に示したディンプルを形成した。このディンプルの詳細については表4に示した。
Figure 0005899757
表2中に記載した材料の詳細は下記の通りである。
HPF1000、HPF2000
デュポン社製のHPF樹脂
AM7317、AM7318
三井・デュポンポリケミカル社製の高剛性アイオノマー
ハイミラン
三井・デュポンポリケミカル社製のアイオノマー樹脂
サーリン
デュポン社製のアイオノマー樹脂
AN4319、AN4221C
商品名「ニュクレル」、三井・デュポンポリケミカル社製
酸化マグネシウム
商品名「キョーワマグ MF150」 協和化学工業社製の酸化マグネシウム
Figure 0005899757
表3中に記載した材料の詳細は下記の通りである。
T−8283、T−8290、T−8295、T−8260
商品名「パンデックス」、DIC Bayer Polymer社製 MDI−PTMGタイプの熱可塑性ポリウレタン
ハイトレル4001
東レ・デュポン社製 ポリエステルエラストマー
ポリエチレンワックス
商品名「サンワックス161P」、三洋化成社製
イソシアネート化合物
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
黄色蛍光顔料
商品名「FZ−2815 Yellow」、シンロイヒ社製
Figure 0005899757
ディンプルの定義
直径: ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ: ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
0 : ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値
SR: ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(単位:%)
VR: ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占める比率(単位:%)
得られた各ゴルフボールにつき、各層の厚さ、硬度、たわみ量等の諸物性と、飛び性能及び耐擦過傷性を下記の方法で評価した。結果を表5及び6に示す。なお、全て23℃の環境下で測定した。
(1)コアのたわみ量(mm)
コアを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときまでの変形量を計測した。
(2)コアの表面硬度
コアの表面は球面であるが、その球面に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度(JIS−K6301規格)に準拠してコアの表面の2点をランダムに測定した値の平均値。また、コア表面の「ショアD硬度」を計測した。これについては、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により上記と同様の方法で測定した。
(3)コアの中心硬度
コアを半分にカットして平面を作り、その中心に硬度計の針をほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度(JIS−K6301規格)に準拠して測定した。また、コア中心の「ショアD硬度」を計測した。これについては、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により上記と同様の方法で測定した。
(4)包囲層、中間層及びカバーの材料硬度
各層を形成する材料を厚さ2mmのシート状に成形し、23℃で2週間保存後、ASTM−2240規格のデュロメータ「タイプD」により測定した。
(5)ドライバーによる飛び性能
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)、ブリヂストンスポーツ社製、「TourStage X−Drive 460」(ロフト角8.5°)を装着し、ヘッドスピード(HS)50m/sで打撃した時の飛距離を測定すると共に、下記の基準で評価した。また、スピン量は同様に打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定した。
○:キャリー 225m以上
×:キャリー 225m未満
(6)アプローチスピン量
ゴルフ打撃ロボットにサンドウェッジ(SW)、ブリヂストンスポーツ社製、「TourStage TW−01」を装着し、ヘッドスピード(HS)20m/sで打撃したときのスピン量を測定し、下記の基準で評価した。なお、スピン量は上と同様、打撃した直後のボールを初期条件計測装置により測定したものである。
○:スピン量 6000rpm以上
×:スピン量 6000rpm未満
(7)耐擦過傷性
ノンメッキのピッチングサンドウェッジを打撃ロボットにセットし、ヘッドスピード40m/sにて1回打撃し、ボール表面の状態を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
◎:気にならない
○:まだ使える
×:もう使用に耐えない
(8)ドライバーショット及びアプローチショットの打感
ヘッドスピードが48m/sの以上のドライバー(W#1)ショットの飛距離を重視するゴルファー10人による官能評価を行い、下記基準により評価した。
ドライバー(W#1)
○:10人中7人以上がしっかりした感じの飛びそうな良い打感と評価
×:軟らか過ぎる(良い打感と評価した人が10人中3人以下)
アプローチ
○:10人中7人以上がコントロールできそうなソフトな打感と評価
×:硬くカツンとくる打感(良い打感と評価した人が10人中3人以下)
Figure 0005899757
Figure 0005899757
表6から各比較例は本発明(実施例)よりも下記の点で劣る結果となった。
比較例1は、カバーの材料硬度がコア中心硬度より高いため、ショートゲームでのコントロール性が悪く、ドライバー(W#1)打撃時にスピン量が少なくなりすぎてキャリーが伸びない。また、W#1打撃時のフィーリングは軟らかくもの足りず、アプローチショットでは硬いフィーリングとなる。耐擦過傷性も悪い。
比較例2は、カバーの材料硬度がコア中心硬度より高いため、W#1打撃時のスピン量が少なく、キャリーが伸びない。また、ショートゲームでのコントロール性が悪く、アプローチショットで硬いフィーリングとなる。耐擦過傷性も悪い。
比較例3は、全ての内層の硬度がコア平均硬度およびカバー硬度より低いため、反発性が低くなり飛距離が伸びない。
比較例4は、全ての内層の硬度がコア平均硬度およびカバー硬度より低いため、反発性が低くなり飛距離が伸びない。
比較例5は、コアの周囲に2層の包囲層、中間層及びカバーを具備するファイブピースソリッドゴルフボールであり、W#1打撃時の初期条件が悪く、飛距離が伸びない。
比較例6は、コアの周囲に1層の包囲層、中間層及びカバーを具備するフォーピースソリッドゴルフボールであり、W#1打撃時の初期条件が悪く、飛距離が伸びない。
1 コア
2a 内側包囲層
2b 中間包囲層
2c 外側包囲層
3 中間層
4 カバー
G ゴルフボール
D ディンプル

Claims (16)

  1. コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
    上記包囲層が、内側、中間及び外側の3層に形成され、上記内側、中間及び外側の包囲層、上記中間層及び上記カバーが、それぞれ同種又は異種の樹脂材料を主材として形成されると共に、
    上記コアがゴム材を主材として形成され、
    上記カバーの材料硬度(ショアD)及びコア中心硬度(ショアD)が、下記式
    カバー材料硬度 ≦ コア中心硬度
    の関係を満たし、内層(包囲層及び中間層)のいずれかの層の材料硬度(ショアD)が、カバーの材料硬度(ショアD)とコアの平均硬度(コア表面とコア中心の硬度との平均)のいずれか一方、もしくは両者よりも高く、上記内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層の厚さが、下記式
    1.1≦中間包囲層厚さ/内側包囲層厚さ、及び、
    1.1≦外側包囲層厚さ/中間包囲層厚さ≦1.5
    の関係を満たすことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 上記中間包囲層が、内側包囲層よりも硬く形成され、該内側包囲層の材料硬度との硬度差がショアD硬度で1〜6であり、かつ外側包囲層よりも軟らかく形成され、該外側包囲層の材料硬度との硬度差がショアD硬度で1〜6である請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 上記中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
    1.3 ≦ 中間層厚さ/カバー厚さ ≦ 4.0
  4. 上記中間層が、酸含量が16質量%以上のアイオノマー樹脂を含有する材料で形成された請求項1〜のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. 上記コア中心、外側包囲層、中間層及びカバーの硬度(ショアD)が、下記式の関係を満たす請求項1〜のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
    カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
  6. 上記コア中心、内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの硬度(ショアD)が、下記式の関係を満たす請求項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
    カバー材料硬度 < 中間層材料硬度 > 外側包囲層材料硬度 > 中間包囲層材料硬度 > 内側包囲層材料硬度 > コア中心硬度
  7. 上記コア、内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす請求項1〜のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
    カバー厚さ < 中間層厚さ < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層厚さ+内側包囲層厚さ〕 < コア直径
  8. 上記内側包囲層、中間包囲層、外側包囲層、中間層及びカバーの厚さが、下記式の関係を満たす請求項1〜のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
    〔カバー厚さ+中間層厚さ〕 < 〔外側包囲層厚さ+中間包囲層厚さ+内側包囲層厚さ〕
  9. 上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも1層が、
    (a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したアイオノマー樹脂成分と、
    (e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
    とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した材料で形成された請求項1〜のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  10. 上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも1層が、
    (a)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の金属イオン中和物と、(b)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の金属イオン中和物とを質量比で100:0〜0:100になるように配合したベース樹脂と、
    (e)非アイオノマー熱可塑性エラストマー
    とを質量比で100:0〜50:50になるように配合した樹脂成分100質量部に対して、
    (c)分子量が228〜1500の脂肪酸及び/又はその誘導体
    5〜120質量部と、
    (d)上記ベース樹脂及び(c)成分中の未中和の酸基を中和できる塩基性無機金属化合物 0.1〜17質量部
    とを必須成分として配合した材料で形成された請求項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  11. 上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層のうちの少なくとも2層が、請求項10に記載された材料で形成されたマルチピースソリッドゴルフボール。
  12. 上記内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層の全ての層が、請求項10に記載された材料で形成されたマルチピースソリッドゴルフボール。
  13. コアに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量が1.8mm以上6.0mm以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  14. 上記カバーが、(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)ポリイソシアネート化合物を主成分とする単一な樹脂配合物を射出成形して形成されるものであり、上記樹脂配合物中には、少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存してなるポリイソシアネート化合物が存在する請求項1〜13のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  15. コアと、該コアを被覆する内側包囲層、中間包囲層及び外側包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆するカバーとからなる6層構造を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  16. カバーの材料硬度及びコア中心硬度の硬度差(カバー硬度−コア中心硬度)が−10〜−1である請求項1〜15のいずれか1項に記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
JP2011213938A 2010-10-26 2011-09-29 マルチピースソリッドゴルフボール Active JP5899757B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/912,386 US8764583B2 (en) 2010-10-26 2010-10-26 Multi-piece solid golf ball
US12/912,386 2010-10-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012090973A JP2012090973A (ja) 2012-05-17
JP5899757B2 true JP5899757B2 (ja) 2016-04-06

Family

ID=45973465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011213938A Active JP5899757B2 (ja) 2010-10-26 2011-09-29 マルチピースソリッドゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (2) US8764583B2 (ja)
JP (1) JP5899757B2 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080161132A1 (en) * 2001-11-28 2008-07-03 Acushnet Company Multi-layer golf ball
US9919188B2 (en) 2001-11-28 2018-03-20 Acushnet Company Multi-layer golf ball
US9409063B2 (en) 2001-11-28 2016-08-09 Acushnet Company Multi-layer golf ball
US9656128B2 (en) * 2005-12-15 2017-05-23 Acushnet Company Golf balls having at least one layer formed from a plasticized acid copolymer composition
US20180133558A1 (en) * 2006-02-03 2018-05-17 Acushnet Company Three-layer-core golf ball having highly-neutralized polymer outer core layer
US20180133559A1 (en) * 2006-02-03 2018-05-17 Acushnet Company Three-layer-core golf ball having highly-neutralized polymer outer core layer
US20120316008A1 (en) * 2010-10-26 2012-12-13 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8764583B2 (en) * 2010-10-26 2014-07-01 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8979677B2 (en) * 2010-11-24 2015-03-17 Taylor Made Golf Company, Inc. Golf ball with selected spin characteristics
US20130029787A1 (en) * 2010-12-17 2013-01-31 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US9168424B2 (en) * 2012-07-13 2015-10-27 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8920263B2 (en) * 2012-08-13 2014-12-30 Nike, Inc. Golf ball with resin inner core and specified inner core and ball compression
JP6303194B2 (ja) * 2013-06-26 2018-04-04 住友ゴム工業株式会社 マルチピースゴルフボール
US9498683B2 (en) * 2013-06-26 2016-11-22 Dunlop Sports Co. Ltd. Multi-piece golf ball
JP6303192B2 (ja) * 2013-06-26 2018-04-04 住友ゴム工業株式会社 マルチピースゴルフボール
EP2818212B1 (en) * 2013-06-26 2020-05-27 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Multi-piece golf ball
JP6303193B2 (ja) * 2013-06-26 2018-04-04 住友ゴム工業株式会社 マルチピースゴルフボール
JP6324234B2 (ja) * 2013-06-26 2018-05-16 住友ゴム工業株式会社 マルチピースゴルフボール
JP2015084846A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP6397624B2 (ja) * 2013-12-27 2018-09-26 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール
US9573024B2 (en) * 2013-12-31 2017-02-21 Nike, Inc. 3D printed golf ball core
JP6486190B2 (ja) * 2014-06-30 2019-03-20 住友ゴム工業株式会社 マルチピースゴルフボール
JP6763299B2 (ja) * 2016-12-28 2020-09-30 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール
US11058921B2 (en) * 2017-12-22 2021-07-13 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
JP7375505B2 (ja) * 2019-11-29 2023-11-08 住友ゴム工業株式会社 ゴルフボール
JP2022135465A (ja) * 2021-03-05 2022-09-15 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5306760A (en) 1992-01-09 1994-04-26 Lisco, Inc. Improved golf ball cover compositions containing high levels of fatty acid salts
US5312857A (en) 1992-01-09 1994-05-17 Lisco, Inc. Golf ball cover compositions containing high levels of metal stearates
US6056842A (en) 1997-10-03 2000-05-02 Acushnet Company Method of making a golf ball with a multi-layer core
JP3724125B2 (ja) 1997-07-15 2005-12-07 Jsr株式会社 共役ジエン系重合体の製造方法
ES2198651T3 (es) 1997-03-05 2004-02-01 Jsr Corporation Metodo para producir polimeros dieno conjugados.
US6100321A (en) 1997-04-15 2000-08-08 E. I. Du Pont De Nemours And Company Stearic-modified ionomers for golf balls
JPH11164912A (ja) 1997-12-03 1999-06-22 Jsr Corp ソリッドゴルフボール用ゴム組成物およびソリッドゴルフボール
US6416425B1 (en) 1999-07-09 2002-07-09 Bridgestone Sports Co., Ltd. Solid golf ball
JP3516134B2 (ja) 1999-07-09 2004-04-05 ブリヂストンスポーツ株式会社 ソリッドゴルフボール
JP2001017570A (ja) 1999-07-09 2001-01-23 Bridgestone Sports Co Ltd ソリッドゴルフボール
US6419595B1 (en) 1999-07-09 2002-07-16 Bridgestone Sports Co., Ltd. Solid golf ball
JP3760972B2 (ja) 1999-07-28 2006-03-29 ブリヂストンスポーツ株式会社 ソリッドゴルフボール
US20030180389A1 (en) 1999-08-25 2003-09-25 Phillips Cleve Alan Effervescent glucosamine, chondroitin and MSM formula
JP2001314530A (ja) * 2000-05-09 2001-11-13 Kasco Corp マルチピースソリッドゴルフボール
US6642314B2 (en) 2001-01-24 2003-11-04 Jsr Corporation Rubber composition and solid golf ball
JP3928406B2 (ja) 2001-01-24 2007-06-13 Jsr株式会社 ソリッドゴルフボール用ゴム組成物およびソリッドゴルフボール
US7445567B2 (en) 2006-12-13 2008-11-04 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US20080146377A1 (en) 2006-12-13 2008-06-19 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
JP5223287B2 (ja) 2007-10-12 2013-06-26 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP2009095369A (ja) 2007-10-12 2009-05-07 Bridgestone Sports Co Ltd マルチピースソリッドゴルフボール
US7637826B2 (en) * 2007-10-29 2009-12-29 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8357060B2 (en) 2007-12-28 2013-01-22 Taylor Made Golf Company, Inc. Golf ball with soft feel
JP5165523B2 (ja) 2008-10-10 2013-03-21 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
US9039545B2 (en) * 2010-10-22 2015-05-26 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US20120316008A1 (en) * 2010-10-26 2012-12-13 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
US8764583B2 (en) * 2010-10-26 2014-07-01 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball

Also Published As

Publication number Publication date
US20120100933A1 (en) 2012-04-26
US9227111B2 (en) 2016-01-05
JP2012090973A (ja) 2012-05-17
US20140274472A1 (en) 2014-09-18
US8764583B2 (en) 2014-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5899757B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5375934B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5899756B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US7850548B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP5671976B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5365018B2 (ja) ソリッドゴルフボール
JP5990900B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5201316B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5201322B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US7637826B2 (en) Multi-piece solid golf ball
US7625302B2 (en) Multi-piece solid golf ball
US7749108B2 (en) Multi-piece solid golf ball
US7481721B2 (en) Multi-piece solid golf ball
US7727084B2 (en) Multi-piece solid golf ball
JP5201317B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP5223287B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP2009095369A (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
JP2008068077A (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US20120316008A1 (en) Multi-piece solid golf ball
JP6904038B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール
US20110201453A1 (en) Golf ball
JP6635642B2 (ja) マルチピースソリッドゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5899757

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250