JP5898947B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents
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Description
このようなパンツ型吸収性物品を連続生産する際には、外包材の帯状原反にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成し、不要な部分をトリムとして除去するのが一般的である。
例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側シート部材)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側シート部材)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
また、特許文献3にも、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有するパンツ型紙おむつが記載されており、同公報には、腹側外装シートも、腹側本体部と腹側延出部とを有していても良いことが記載されている。
特許文献2,3のパンツ型紙おむつは、背側シート部材の下端が曲線状に加工されているため、製造の際にトリムの除去が必要であり、また、臀部の被覆性にも劣る。 更に、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割された従来のパンツ型吸収性物品においての、着用中にずれ落ちが生じやすいという問題に対して何の示唆もなされていないのが現状である。
本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材2Aと、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材2Bと、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに架け渡して固定された吸収性本体3とを具備し、腹側シート部材2Aの両側縁部2a,2aと背側シート部材2Bの両側縁部2b,2bとが接合されて、一対のサイドシール部4,4が形成されている。
以下、腹側シート部材2Aの本体部20a及び延出部21aを、腹側本体部20a及び腹側延出部21aともいい、背側シート部材2Bの本体部20b及び延出部21bを、背側本体部20b及び背側延出部21bともいう。
また、背側延出部21bを、図2及び図4に示すように、物品長手方向(X方向)に2等分して、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5に区分したときに、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれに、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれがY方向の伸縮性を発現する。背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれには、弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
また、腹側シート部材2Aにおける腹側延出部21aにも、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、腹側延出部21aもY方向の伸縮性を発現する。
これに対して、腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも長い場合には、腹側延出部21aのうち、本体部20aからの距離がL61までの範囲が、腹側シート部材2Aにおける背側延出部上部B4に対応する部分A4であり、反対に、腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも短い場合には、L61よりも短いL5の長さを有する領域を、背側延出部上部B4に対応する部分A4とする。
即ち、下記式(2)及び(3)の関係を満たしている。
背側延出部上部B4の収縮応力>背側延出部下部B5の収縮応力 ・・・(2)
腹側延出部上部A4の収縮応力>背側延出部下部B5の収縮応力 ・・・(3)
しかし、腹側及び背側の第3領域A3,B3のみに、ずれ落ちを防止できるだけの強い収縮応力を持たせた場合には、当該領域が、肌に強く当たり、ゴム跡が付いたり、肌への負担となる。
これに対して、背側延出部上部B4及びそれに対応する腹側延出部上部A4に、背側延出部下部B5よりも強い、ある程度の収縮応力を持たせることにより、第3領域A3,B3の応力を抑制して肌への負担を抑えつつ、ずれ落ちを防止することができる。
おむつのサイドシール部を剥離し、図2のように伸張、展開して平面状に拡げ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれについて、A1〜A4、B1〜B5の領域をそれぞれおむつ幅方向と平行な直線に沿って切断して切り出し、両部材2A,2Bの両側縁部間の全長に亘る長さの各領域の短冊ないし帯状のサンプルを得る。この切り出しの際には、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみならず、吸収性本体3等を含むおむつ全体を切断し、吸収体を取り除く。吸収体を取り除いてから、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bを各領域に切断しても良い。領域の境界部に弾性部材が存在する場合は、近接する弾性体以外の部分で切断する。切り出した各領域(測定サンプル)の長手方向の両側を、テンシロン引張試験機(SHIMADZU社製「オートグラフ AG−X」)のチャックに挟み、該測定サンプルを300mm/minの速度の速度で、伸長させ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸〔弾性部材により外包材のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみを伸展させた状態)で測定した腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのサイドシール部間の長さを100(例えば350mm)としたときの、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの単位長さ(10mm)あたりの引張り荷重(cN)をX方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力Pとする。
なお、腹側及び背側の第3領域A3、B3の収縮応力は第3領域全域を切り出して測定し、第3領域の下半部A32、B32の収縮応力は第3領域の下半部A32、B32を切り出して測定する。
。また、同様の観点から、背側延出部上部B4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNであることが好ましく、背側延出部下部B5の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNであることが好ましい。
また、同様の観点から、腹側延出部上部A4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍であることが好ましく、腹側延出部上部A4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNであることが好ましい。
第2領域の収縮応力>第3領域の収縮応力>第1領域の収縮応力・・・(1)
即ち、腹側シート部材2Aの第1〜第3領域A1〜A3は、第2領域A2の収縮応力が最も大きく、第3領域A3の収縮応力が次に大きく、第1領域A1の収縮応力が最も小さいことが好ましく、背側シート部材2Bの第1〜第3領域B1〜B3も、第2領域B2の収縮応力が最も大きく、第3領域B3の収縮応力が次ぎに大きく、第1領域B1の収縮応力が最も小さいことが好ましい。
,B1の収縮応力(物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力)より大きく、第2領域A2,B2の収縮応力(物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力)より小さいことが好ましい。
即ち、腹側シート部材2Aの第1,第2領域A1,A2、第3領域の下半部A32は、第2領域A2の収縮応力が最も大きく、第3領域の下半部A32の収縮応力が次に大きく、第1領域A1の収縮応力が最も小さいことが好ましく、背側シート部材2Bの第1,第2領域B1,B2、第3領域の下半部B32も、第2領域B2の収縮応力が最も大きく、第3領域の下半部B32の収縮応力が次ぎに大きく、第1領域B1の収縮応力が最も小さいことが好ましい。
おむつ1を着用した状態で、第2領域A2、B2が着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接するようにするためには、展開且つ伸長状態のおむつ1において、第2領域A2、B2の中心位置(おむつ1の長手方向における中心位置)とおむつの長手方向中心線CLとの間の距離k1及びk2(図2参照)が、幼児用おむつにおいては、それぞれ、180〜230mmであることが好ましく、より好ましくは185〜220mmであり、更に好ましくは195〜215mmである。成人用のおむつの場合には、距離k1及びk2(図2参照)が300〜350mm、特に305〜335mmであることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力より大きいことが好ましい。換言すれば、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第2領域B2,A2の収縮応力より小さいことが好ましい。第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第1領域B1,A1の収縮応力の1.2倍〜3.5倍、特に1.2〜3.0倍であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第3領域B3,A3の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第1領域B1,A1の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNであることが好ましい。
第3領域A3,B3は、上半部A31,B31及び下半部A32,B32のそれぞれに、弾性部材24が少なくとも1本配されていること、特に弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
そこで、背側延出部上部B4の収縮応力と、背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力とを同等にすることにより、排尿時において、背側延出部上部B4と、背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32とにかかる圧力が均一に分散し、いずれかの部位に圧力が集中することがなくなるため、ずれ落ちを防止しながらゴム跡を効果的に低減することが可能となり、好ましい。
同様な観点から、腹側延出部上部A4の収縮応力と、腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力とを同等にすることが好ましい。
また、背側シート部材2Bの第2領域B2の収縮応力は、背側延出部上部B4の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
背側シート部材2Bの第3領域B3の上半部B31の収縮応力は、下半部B32の収縮応力と同じか、下半部B32の収縮応力より小さいことが、ずれ落ちを防止しながら、おむつの伸びやすさを更に向上させ、ゴム跡を一層低減させる観点から好ましい。
ただし、第3領域B3の収縮応力は、第1領域B1の収縮応力より大きいことが、ズレ落ちを防止する観点から好ましい。
また、腹側シート部材2Aの第2領域A2の収縮応力は、腹側延出部上部A4の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
腹側シート部材2Aの第3領域A3の上半部A31の収縮応力は、下半部A32の収縮応力と同じか、下半部A32の収縮応力より小さいことが、ずれ落ちを防止しながら、おむつの伸びやすさを更に向上させ、ゴム跡を一層低減させる観点から好ましい。
ただし、第3領域A3の収縮応力は、第1領域A1の収縮応力より大きいことが、ズレ落ちを防止する観点から好ましい。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、外層シート22と内層シート23との間が、散点状に形成された多数の融着部(接合部)26において接合されており、弾性部材24が、それらの融着部26を通らないように配されている。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、複数本の弾性部材24が、それぞれ、X方向において隣り合う接合部26間を通るように配されている。また、各弾性部材24は、後述する側部接着領域27又は吸収性本体側接着領域28においてシート22,23間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
背側シート部材2Bは、図4に示すように、背側シート部材の両側縁部2b,2b又はその近傍に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された側部接着領域27を有している。また、背側シート部材2Bも、側部接着領域27よりおむつ幅方向中央側に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側接着領域28を有している。
他方、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの何れにおいても、胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3に配された弾性部材24は、側部接着領域27及び吸収性本体側接着領域28のそれぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、側部接着領域27と吸収性本体側接着領域28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
より具体的には、背側シート部材2Bについては、第3領域B3及び背側延出部上部B4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域B1,第2領域B2及び背側延出部下部B5における側部接着領域27の幅W2より広くなっており、腹側シート部材2Aについては、第3領域A3及び腹側延出部上部A4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域A1,第2領域A2における側部接着領域27の幅W2より広くなっている。
腹側延出部21a及び背側延出部21bの長さL5,L6は、何れもおむつ長手方向(X方向)の長さである。
例えば、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、それぞれ、弾性部材24と重ならないように形成されたドット状の接合部26を有するものに代えて、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。また、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2、延出部伸縮部G3は、それぞれ、その全体又は一部が、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
<1>着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きいパンツ型吸収性物品。
腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの第3領域の下半部は、物品長手方向の単位長さあたりの物品幅方向の収縮応力が、第1領域の収縮応力より大きく、第2領域の収縮応力より小さい、<1>記載のパンツ型吸収性物品。
<3>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第2領域の収縮応力より低い、<1>又は<2>記載のパンツ型吸収性物品。
<4>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第3領域の下半部の収縮応力と同等である、<1>〜<3>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<6>前記腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力は、腹側延出部上部A4の収縮応力の0.8〜1.2倍である<4>又は<5>記載のパンツ型吸収性物品。
<7>前記背側シート部材の前記延出部の長さが、前記腹側シート部材の前記延出部の長さより長い、<1>〜<6>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<8>腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの前記本体部及び前記延出部に、2枚のシート間が散点状に形成された多数の接合部で互いに接合されていると共に弾性部材が、それぞれ物品長手方向に隣り合う接合部間を通るように配されている伸縮部を有している、<1>〜<7>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<9>腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの両側縁部又はその近傍に、前記2枚のシート間が接着剤で接合された接着領域を有しており、前記本体部と前記延出部との境界領域に、前記接着領域の幅が他の部分より広い部分を有している、<1>〜<8>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<11>腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおける、おむつ1の長手方向(X方向)における、前記ウエスト伸縮部G1と腹側延出部21a又は背側延出部21bとの間に、胴回り伸縮部G2が形成されている<10>に記載のパンツ型吸収性物品。
<12>前記胴回り伸縮部G2が、パンツ型吸収性物品の幅方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されている<1>〜<11>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<13>腹側シート部材及び/又は背側シート部材における前記延出部に延出部伸縮部が形成されており、該延出部伸縮部は、パンツ型吸収性物品の幅方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されている<1>〜<12>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<14>ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bにおける側部接着領域27,27間の全域に亘って伸縮性を発現するように形成されている<10>に記載のパンツ型吸収性物品。
<15>胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、吸収性本体3の両側縁の外方においては伸縮性を発現し、吸収性本体3と重なる部分、特に吸収性本体3の幅方向中央部と重なる部分において伸縮性を発現しないように、パンツ型吸収性物品(おむつ1)の左右に分割された状態に形成されている<10>〜<14>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<16>腹側本体部20a、背側本体部20b、腹側延出部21a及び背側延出部21bには、それぞれ、複数本の弾性部材24が、それぞれおむつ幅方向に沿って延びるように、且つおむつの長手方向に間隔を開けて伸長状態で配されている<1>〜<15>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<17>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61と同じである<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<18>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも長い<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<19>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも短い<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<21>背側延出部上部B4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNである<1>〜<20>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<22>背側延出部下部B5の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNである<1>〜<21>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<23>腹側延出部上部A4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍である<1>〜<22>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<24>腹側延出部上部A4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNである<1>〜<23>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<25>腹側シート部材2Aの第1〜第3領域A1〜A3は、第2領域A2の収縮応力が最も大きい、<1>〜<24>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<26>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域A2、B2及び第3領域としたときに、パンツ型吸収性物品(おむつ1)を着用した状態で、第2領域A2、B2が着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する<1>〜<25>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<27>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力は、第3領域B3,A3の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍である<1>〜<26>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<28>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍である<1>〜<27>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<29>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第1領域B1,A1の収縮応力の1.2倍〜3.5倍、特に1.2〜3.0倍である<1>〜<28>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<30>前記腹側シート部材及び前記背側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれにおける、本体部20a,20bと延出部21a,21bとの境界領域に、側部接着領域27の幅(Y方向の長さ)が他の部分より広い部分を有している<1>〜<29>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<31>前記背側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、第3領域B3及び背側延出部上部B4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域B1,第2領域B2及び背側延出部下部B5における側部接着領域27の幅W2より広くなっている<1>〜<30>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<32>前記腹側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、第3領域A3及び腹側延出部上部A4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域A1,第2領域A2における側部接着領域27の幅W2より広くなっている<1>〜<31>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<33>パンツ型吸収性物品が、幼児用のパンツ型使い捨ておむつである<1>〜<32>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
腹側シート部材及び背側シート部材に表1に示す弾性部材を表1に示す態様で配して、各部が表1に示す収縮応力を有する図1〜図2に示す形態のパンツ型使い捨ておむつを製造した。弾性部材は、何れも、スパンデックスの糸状弾性体を用いた。
なお、表1中の「↑」は、上に同じである旨を示す。また、実施例1のおむつにおける、腹側延出部21aのX方向の長さL5は、背側延出部21bのX方向の長さL6の1/2の長さ(背側延出部上部B4のX方向の長さL61と同じ長さ)とした。また、比較例1,2も同様とした。各部の収縮応力は、おむつ長手方向の単位長さ(10mm)当たりの収縮応力である。
得られたパンツ型使い捨ておむつについて、下記の方法により、(1)ずり落ち難さ、(2)足周りのゴム跡の付き難さについて評価し、結果を表2に示した。
実施例1,2及び比較例1,2のおむつを、1〜2才児相当のベビー動的モデルに装着させ、240g(起床時想定)の擬似尿を注入し、30分動作させた後の足周りのズレ落ち量を比較した。足周りのずれ落ち量は、そけいと耳珠垂線の交点(そけいサイド点)からオムツのサイドシール下端までの長さを足周りずれ落ち量として測定した。
(評価基準)
○:足周りずれ落ち量が15mm未満
△:足周りずれ落ち量が15mm以上25mm未満
×:足周りずれ落ち量が25mm以上
実施例1,2及び比較例1,2のおむつを、1〜2才児に4〜10時間装着(通常通り使用)してもらい、ゴム跡の様子を観察した。
(評価基準)
◎:殆どゴムの跡が見えないレベル
○:ゴムの跡があっても気にならないレベル
×:ゴムの跡がくっきり付いており、気になるレベル
2A 腹側シート部材
2a,2a 側縁部
20a 腹側本体部
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
A32 第3領域の下半部
21a 腹側延出部
A4 腹側延出部上部
(腹側シート部材における背側延出部上部に対応する部分)
2B 背側シート部材
2b,2b 側縁部
20b 背側本体部
B1 第1領域
B2 第2領域
B3 第3領域
B32 第3領域の下半部
21b 背側延出部
B4 背側延出部上部
B5 背側延出部下部
22 外層シート
23 内層シート
24 弾性部材
29 襞
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収体
34 側方カフス
4 サイドシール部
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
G1 ウエスト伸縮部
G2 胴回り伸縮部
G3 延出部伸縮部
Claims (5)
- 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
前記本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、前記ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記腹側シート部材及び前記背側シート部材それぞれの前記第3領域の下半部は、物品長手方向の単位長さあたりの物品幅方向の収縮応力が、前記第1領域の収縮応力より大きく、前記第2領域の収縮応力より小さい、パンツ型吸収性物品。 - 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
前記本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、前記ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第2領域の収縮応力より低い、パンツ型吸収性物品。 - 前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第3領域の下半部の収縮応力と同等である、請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。
- 前記背側シート部材の前記延出部の長さが、前記腹側シート部材の前記延出部の長さより長い、請求項1〜3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
- 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの前記本体部及び前記延出部に、2枚のシート間が散点状に形成された多数の接合部で互いに接合されていると共に弾性部材が、それぞれ物品長手方向に隣り合う接合部間を通るように配されている伸縮部を有しており、
腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの両側縁部又はその近傍に、前記2枚のシート間が接着剤で接合された接着領域を有しており、前記本体部と前記延出部との境界領域に、前記接着領域の幅が他の部分より広い部分を有している、パンツ型吸収性物品。
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