JP5898947B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。
従来、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の股間部に配される股下部及び着用者の背側に配される背側部に亘る砂時計状の外包材と、該外包材の内面側に固定された吸収性本体とを備え、腹側部における外包材の両側縁部と背側部における外包材の両側縁部とが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品が知られている。
このようなパンツ型吸収性物品を連続生産する際には、外包材の帯状原反にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成し、不要な部分をトリムとして除去するのが一般的である。
また、従来のパンツ型吸収性物品として、外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されており、吸収性本体が、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡すように固定されていると共に、腹側シート部材の左右の両側縁部と背側シート部材の左右両側縁部とが接合されているパンツ型吸収性物品が知られている。
例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側シート部材)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側シート部材)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
また、特許文献2には、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有し、該背側延出部における、吸収性本体と重なる部分の両側に延出した臀部カバー部に設けられた第2弾性伸縮部材の伸張率を、背側本体部の中間部および下端部に設けられた第1弾性伸縮部材の伸張率よりも高くしたパンツ型紙おむつが記載されている。
また、特許文献3にも、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有するパンツ型紙おむつが記載されており、同公報には、腹側外装シートも、腹側本体部と腹側延出部とを有していても良いことが記載されている。
特表2008−508082号公報 特開2008−178682号公報 特開2008−212249号公報
外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されたパンツ型吸収性物品は、例えば、腹側シート部材の帯状原反と背側シート部材の帯状原反とを離間させて搬送しつつ、吸収性本体を、両者間に架け渡すように間欠的に固定し、次いで、腹側シート部材の帯状原反と背側シート部材の帯状原反とが重なるように二つ折りした後、サイドシール部形成用の接合を行い、その接合と同時又はその後に切断して個々の使い捨ておむつに分割することにより効率的に製造することができ、腹側に配される部分と背側に配される部分とが連続する幅広の外包材にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成する場合に比して、外包材の原反からのトリムの除去を不要としたり、除去すべきトリムの小型化等を図ることができる。
しかし、特許文献1に記載のプルオン衣類は、後ろベルト部分(背側シート部材)が、前ベルト部分(腹側シート部材)より長いことによって臀部の被覆性に優れるが、臀部を被覆する延出部分(背側延出部)の肌に対するフィット性に劣り、当該部分にめくれ等の不都合が生じやすい。また、前側の延出部分が存在しないため、装着時において衣服としてみた時に完全に肌を覆うことができず、外観的な問題が生じる。
特許文献2,3のパンツ型紙おむつは、背側シート部材の下端が曲線状に加工されているため、製造の際にトリムの除去が必要であり、また、臀部の被覆性にも劣る。 更に、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割された従来のパンツ型吸収性物品においての、着用中にずれ落ちが生じやすいという問題に対して何の示唆もなされていないのが現状である。
従って、本発明は、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割され、効率的に製造可能なパンツ型吸収性物品でありながら、臀部の被覆性に優れ、着用中にずれ落ちや外観の悪化が生じにくいパンツ型吸収性物品に関する。
本発明は、着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きいパンツ型吸収性物品を提供するものである。
本発明のパンツ型吸収性物品は、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割され、効率的に製造可能なパンツ型吸収性物品でありながら、臀部の被覆性に優れ、着用中にずれ落ちや外観の悪化が生じにくいものである。
図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態(着用状態)を示す斜視図である。 図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態を示す一部破断平面図である。展開且つ伸長状態とは、おむつの両側部に存する接合部(サイドシール部)を引き剥がして、パンツ型吸収性物品を展開状態とし、その展開状態の吸収性物品を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。 図3は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの腹側部側をおむつ外面側から見た伸長状態の一部破断拡大図である。 図4は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの背側部側をおむつ外面側から見た伸長状態の一部破断拡大図である。 図5は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつにおける各伸縮部のおむつ幅方向に沿う断面を示す図であり、(a)は、弾性部材を伸長させて襞をなくした状態、(b)は弾性部材が収縮して襞が形成されている状態を示す図である。
以下、本発明のパンツ型吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材2Aと、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材2Bと、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに架け渡して固定された吸収性本体3とを具備し、腹側シート部材2Aの両側縁部2a,2aと背側シート部材2Bの両側縁部2b,2bとが接合されて、一対のサイドシール部4,4が形成されている。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側に配される背側部Bと、腹側部Aと背側部Bとの間に位置し、着用者の股間部に配される股下部Cを有している。おむつ長手方向(物品長手方向)は、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る方向又はその逆方向(図2中X方向)であり、おむつ幅方向(物品幅方向)は、着用者の胴回り方向に沿う方向であり、物品長手方向と交差する方向(図2中Y方向)である。以下、おむつ長手方向(物品長手方向)を単にX方向、おむつ幅方向(物品幅方向)を単にY方向ともいう。
サイドシール部4は、図2に示すように、X方向の長さが、腹側シート部材2Aの長さLa及び背側シート部材2Bの長さLbの何れよりも短く形成されており、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれに、左右両側にサイドシール部4,4を有する本体部20a,20bと、本体部20a,20bから股下部C側に延出し、左右両側にサイドシール部4,4を有しない延出部21a,21bとが形成されている。
以下、腹側シート部材2Aの本体部20a及び延出部21aを、腹側本体部20a及び腹側延出部21aともいい、背側シート部材2Bの本体部20b及び延出部21bを、背側本体部20b及び背側延出部21bともいう。
本実施形態のおむつ1について、より具体的に説明すると、おむつ1の吸収性本体3は、図2に示すように、液透過性の表面シート31、液不透過性又は撥水性の裏面シート32、及び両シート31、32間に介在配置された液保持性の吸収体33を有しており、X方向に長い長方形状に形成されている。吸収体33は、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)からなる吸収性コア又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシート(図示せず)からなる。吸収体33も、X方向に長い長方形状に形成されている。吸収体33は、長手方向の両側に、吸収性コアの形成材料が存在しないか又は該形成材料の坪量が他の部分より少ない低剛性部33dを有している。吸収体33が低剛性部33dで屈曲し易いことにより、おむつ着用時に、吸収体33又は吸収性本体3の両側部が着用者の肌側に向かって立ち上がり易くなっている。
吸収性本体3の長手方向の両側部には、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス34,34が形成されている。各側方カフス34の自由端の近傍には、側方カフス弾性部材35が伸長状態で配されている。おむつ1の着用中には、側方カフス弾性部材35が収縮することにより側方カフス34が起立し、吸収性本体3から幅方向外方への液の流出が阻止される。表面シート31、裏面シート32、及び吸収体33の吸収性コアやコアラップシートとしては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものと同様のものを用いることができる。吸収性本体3の外側には、裏面シート32に重ねて、不織布やフィルム等の外装シートを配することもできる。
腹側シート部材2Aは、おむつ1の展開且つ伸長状態(図2参照)において、横長の長方形状をなしており、おむつ長手方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部2a,2aと、おむつ幅方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2d(上側端縁部2c、下側端縁部2d)とを有している。背側シート部材2Bも、同様に、おむつ1の展開且つ伸長状態(図2参照)において、横長の長方形状をなしており、X方向に沿う左右一対の側縁部2b,2bと、おむつ幅方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2d(上側端縁部2c、下側端縁部2d)とを有している。腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、図2に示すように、おむつ長手方向(X方向)の長さがおむつ幅方向(Y方向)において均一である。
そして、腹側シート部材2Aの側縁部2a(詳細には、その一部である接合部2a’)と、背側シート部材2Bの側縁部2b(詳細には、その一部である接合部2b’)とが接合されていることによって、おむつ1に、前述した一対のサイドシール部4,4が形成されている。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等の公知の接合手段が用いられる。また、この接合によって、サイドシール部4,4と共に、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
吸収性本体3は、長手方向の一端側(腹側シート部材2Aと重なっている部分)が、腹側シート部材2AのY方向の中央領域に接着剤を介して固定され、長手方向の他端側(背側シート部材2Bと重なっている部分)が、背側シート部材2BのY方向の中央領域に接着剤を介して固定されている。
おむつ1における腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは何れも、図3及び図4に示すように、おむつの外面をなす外層シート22と、外層シート22の内面側に配された内層シート23と、両シート22,23間に配された複数本の糸状の弾性部材24とを備えており、腹側本体部20a及び背側本体部20bに、それぞれ、ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2が形成され、腹側延出部21a及び背側延出部21bに、延出部伸縮部G3が形成されている。
ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、おむつ1の長手方向(X方向)における、吸収性本体3の長手方向の端部3a,3bより外方に形成されている。胴回り伸縮部G2は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、X方向における、ウエスト伸縮部G1と腹側延出部21a又は背側延出部21bとの間に形成されている。延出部伸縮部G3は、腹側延出部21a又は背側延出部21bに形成されている。胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、それぞれ、おむつ1の幅方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されている。
図3及び図4に示すおむつ1においては、ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bにおける側部接着領域27,27間の全域に亘って伸縮性を発現するように形成されており、他方、胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、吸収性本体3の両側縁の外方においては伸縮性を発現し、吸収性本体3と重なる部分、特に吸収性本体3の幅方向中央部と重なる部分において伸縮性を発現しないように、おむつ1の左右に分割された状態に形成されている。
腹側本体部20a、背側本体部20b、腹側延出部21a及び背側延出部21bには、それぞれ、複数本の弾性部材24が、それぞれおむつ幅方向に沿って延びるように、且つおむつの長手方向に間隔を開けて伸長状態で配されている。
また、背側本体部20bを、図2及び図4に示すように、サイドシール部4を物品長手方向(X方向)に3等分して3領域B1〜B3に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域B1、第2領域B2及び第3領域B3としたとき、第1領域〜第3領域B1〜B3のそれぞれに、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、第1領域〜第3領域B1〜B3のそれぞれがY方向の伸縮性を発現する。第1領域〜第3領域B1〜B3のそれぞれには、弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
また、背側延出部21bを、図2及び図4に示すように、物品長手方向(X方向)に2等分して、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5に区分したときに、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれに、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれがY方向の伸縮性を発現する。背側延出部上部B4及び背側延出部下部B5のそれぞれには、弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
また、腹側本体部20aを、図2及び図3に示すように、サイドシール部4を物品長手方向(X方向)に3等分して3領域A1〜A3に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域A1、第2領域A2及び第3領域A3としたとき、第1領域〜第3領域A1〜A3のそれぞれに、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、第1領域〜第3領域A1〜A3のそれぞれがY方向の伸縮性を発現する。第1領域〜第3領域A1〜A3のそれぞれには、弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
また、腹側シート部材2Aにおける腹側延出部21aにも、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、腹側延出部21aもY方向の伸縮性を発現する。
本実施形態においては、腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部21bのX方向の長さL6の半分の長さであり、背側延出部上部B4のX方向の長さL61と同じである。そのため、腹側延出部21aの全体が、腹側シート部材2Aにおける背側延出部上部B4に対応する部分A4である。
これに対して、腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも長い場合には、腹側延出部21aのうち、本体部20aからの距離がL61までの範囲が、腹側シート部材2Aにおける背側延出部上部B4に対応する部分A4であり、反対に、腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも短い場合には、L61よりも短いL5の長さを有する領域を、背側延出部上部B4に対応する部分A4とする。
腹側シート部材2Aにおける背側延出部上部B4に対応する部分A4にも、弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。以下、腹側シート部材2Aにおける背側延出部上部B4に対応する部分A4を、腹側延出部上部A4ともいう。
おむつ1は、背側延出部上部B4、背側延出部下部B5及び腹側延出部上部A4は、それぞれおむつ幅方向(X方向)に伸縮性を有しており、背側延出部上部B4及び腹側延出部上部A4は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、背側延出部下部B5の同収縮応力(物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力)より大きい。
即ち、下記式(2)及び(3)の関係を満たしている。
背側延出部上部B4の収縮応力>背側延出部下部B5の収縮応力 ・・・(2)
腹側延出部上部A4の収縮応力>背側延出部下部B5の収縮応力 ・・・(3)
腹側本体部20a及び背側本体部20b、特に腹側及び背側の第3領域A3,B3に、強い収縮応力を持たせると、おむつ着用時のずれ落ちを防止することができる。
しかし、腹側及び背側の第3領域A3,B3のみに、ずれ落ちを防止できるだけの強い収縮応力を持たせた場合には、当該領域が、肌に強く当たり、ゴム跡が付いたり、肌への負担となる。
これに対して、背側延出部上部B4及びそれに対応する腹側延出部上部A4に、背側延出部下部B5よりも強い、ある程度の収縮応力を持たせることにより、第3領域A3,B3の応力を抑制して肌への負担を抑えつつ、ずれ落ちを防止することができる。
また、背側延出部下部B5に、背側延出部上部B4よりも弱い収縮応力を持たせることにより、背側延出部下部B5が、湾曲の大きい臀部の下方部に柔らかくフィットし、臀部のはみ出しが防止され、漏れに対して安心感のある外観が得られる。また、背側延出部21bがめくれたり、背側延出部21bが強く収縮して外観が悪化する等の不都合が防止される
各部A1〜A4,B1〜B5の収縮応力(単位長さ当たりの収縮応力)は、以下のようにして測定することができる。後述するA31,A32,B31,B32等の収縮応力も同様である。
おむつのサイドシール部を剥離し、図2のように伸張、展開して平面状に拡げ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれについて、A1〜A4、B1〜B5の領域をそれぞれおむつ幅方向と平行な直線に沿って切断して切り出し、両部材2A,2Bの両側縁部間の全長に亘る長さの各領域の短冊ないし帯状のサンプルを得る。この切り出しの際には、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみならず、吸収性本体3等を含むおむつ全体を切断し、吸収体を取り除く。吸収体を取り除いてから、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bを各領域に切断しても良い。領域の境界部に弾性部材が存在する場合は、近接する弾性体以外の部分で切断する。切り出した各領域(測定サンプル)の長手方向の両側を、テンシロン引張試験機(SHIMADZU社製「オートグラフ AG−X」)のチャックに挟み、該測定サンプルを300mm/minの速度の速度で、伸長させ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸〔弾性部材により外包材のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみを伸展させた状態)で測定した腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのサイドシール部間の長さを100(例えば350mm)としたときの、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの単位長さ(10mm)あたりの引張り荷重(cN)をX方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力Pとする。
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を着用する主たる対象者である幼児の腹回りの長さがおむつ内寸と比して71%程度となるからである。なお、ここで言う腹回りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹回りの周長の変化を考慮し、立位および座位で測定した腹回りの平均値である。
なお、腹側及び背側の第3領域A3、B3の収縮応力は第3領域全域を切り出して測定し、第3領域の下半部A32、B32の収縮応力は第3領域の下半部A32、B32を切り出して測定する。
前述した一又は二以上の効果を得る観点から、背側延出部上部B4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍であることが好ましい
。また、同様の観点から、背側延出部上部B4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNであることが好ましく、背側延出部下部B5の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNであることが好ましい。
また、同様の観点から、腹側延出部上部A4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍であることが好ましく、腹側延出部上部A4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNであることが好ましい。
また、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれについて、第1〜第3領域A1〜A3、B1〜B3は、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
第2領域の収縮応力>第3領域の収縮応力>第1領域の収縮応力・・・(1)
即ち、腹側シート部材2Aの第1〜第3領域A1〜A3は、第2領域A2の収縮応力が最も大きく、第3領域A3の収縮応力が次に大きく、第1領域A1の収縮応力が最も小さいことが好ましく、背側シート部材2Bの第1〜第3領域B1〜B3も、第2領域B2の収縮応力が最も大きく、第3領域B3の収縮応力が次ぎに大きく、第1領域B1の収縮応力が最も小さいことが好ましい。
また、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれの第3領域の下半部A32,B32は、物品長手方向の単位長さあたりの物品幅方向の収縮応力が、第1領域A1
,B1の収縮応力(物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力)より大きく、第2領域A2,B2の収縮応力(物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力)より小さいことが好ましい。
即ち、腹側シート部材2Aの第1,第2領域A1,A2、第3領域の下半部A32は、第2領域A2の収縮応力が最も大きく、第3領域の下半部A32の収縮応力が次に大きく、第1領域A1の収縮応力が最も小さいことが好ましく、背側シート部材2Bの第1,第2領域B1,B2、第3領域の下半部B32も、第2領域B2の収縮応力が最も大きく、第3領域の下半部B32の収縮応力が次ぎに大きく、第1領域B1の収縮応力が最も小さいことが好ましい。
着用者のウエスト周りに配される第1領域A1,B1の応力を低減する一方、着用者の腸骨領域に当たり易い第2領域A2、B2の応力を高めることで、ウエスト開口部周縁部の下方へのずれ落ちを効果的に防止でき、お腹周りからの排泄物のモレや幼児のお腹周辺がおむつから出てしまうことによる違和感を軽減できる。また、第3領域A3,B3の少なくとも下半部A32,B32の応力を、第2領域A2、B2よりも弱くすることにより、これらの領域が、肌に強く当たり、ゴム跡が付いたり、肌への負担となるといったことを防止することができる。
腸骨領域とは、着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位であり、例えば、腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位については、特開2006−61680号公報に説明されている。
おむつ1を着用した状態で、第2領域A2、B2が着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接するようにするためには、展開且つ伸長状態のおむつ1において、第2領域A2、B2の中心位置(おむつ1の長手方向における中心位置)とおむつの長手方向中心線CLとの間の距離k1及びk2(図2参照)が、幼児用おむつにおいては、それぞれ、180〜230mmであることが好ましく、より好ましくは185〜220mmであり、更に好ましくは195〜215mmである。成人用のおむつの場合には、距離k1及びk2(図2参照)が300〜350mm、特に305〜335mmであることが好ましい。
背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力は、第3領域B3,A3の収縮応力より大きいことが好ましい。換言すれば、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域B3,A3の収縮応力は、第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力より小さいことが好ましい。第2領域B2,A2の収縮応力は、第3領域B3,A3の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力より大きいことが好ましい。換言すれば、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第2領域B2,A2の収縮応力より小さいことが好ましい。第2領域B2,A2の収縮応力の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域B3,A3の収縮応力は、第1領域B1,A1の収縮応力の1倍より大きく3.5倍以下であることが好ましく、1倍より大きく3.0倍以下であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第1領域B1,A1の収縮応力の1.2倍〜3.5倍、特に1.2〜3.0倍であることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第2領域B2,A2の収縮応力は、14〜50cN、特に20〜50cNであることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第3領域B3,A3の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第1領域B1,A1の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNであることが好ましい。
第3領域A3,B3、特にその下半部A32,B32が肌に強く当たるのを防止しながら、第3領域A3,B3及び前述した背側延出部上部B4及び腹側延出部上部A4の収縮力により、ずれを防止する観点から、背側延出部上部B4は、背側シート部材2Bの第2領域B2の収縮応力より低いことが好ましい。また、同様の観点から、腹側延出部上部A4は、腹側シート部材2Aの第2領域A2の収縮応力より低いことが好ましい。背側延出部上部B4及び腹側延出部上部A4の両者が、このような条件を満足することが更に好ましい。
第3領域A3,B3は、上半部A31,B31及び下半部A32,B32のそれぞれに、弾性部材24が少なくとも1本配されていること、特に弾性部材24が、X方向に間隔を開けて複数本配されていることが好ましい。
背側延出部上部B4、背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32は、排尿がなされ、重量が増したおむつの股下部分近傍に位置するため、排尿時において大きな圧力がかかりやすく、結果としてゴム跡のつきやすい部位と言える。
そこで、背側延出部上部B4の収縮応力と、背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力とを同等にすることにより、排尿時において、背側延出部上部B4と、背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32とにかかる圧力が均一に分散し、いずれかの部位に圧力が集中することがなくなるため、ずれ落ちを防止しながらゴム跡を効果的に低減することが可能となり、好ましい。
同様な観点から、腹側延出部上部A4の収縮応力と、腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力とを同等にすることが好ましい。
背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力は、背側延出部上部B4の収縮応力の0.3〜2.5倍、特に0.5〜2倍であることが好ましい。この倍率が、0.8〜1.2倍の場合を同等という。
また、背側シート部材2Bの第2領域B2の収縮応力は、背側延出部上部B4の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
背側シート部材2Bの第3領域B3の上半部B31の収縮応力は、下半部B32の収縮応力と同じか、下半部B32の収縮応力より小さいことが、ずれ落ちを防止しながら、おむつの伸びやすさを更に向上させ、ゴム跡を一層低減させる観点から好ましい。
ただし、第3領域B3の収縮応力は、第1領域B1の収縮応力より大きいことが、ズレ落ちを防止する観点から好ましい。
腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力は、腹側延出部上部A4の収縮応力の0.3〜2.5倍、特に0.5〜2.0倍であることが好ましい。この倍率が、0.8〜1.2倍の場合を同等という。
また、腹側シート部材2Aの第2領域A2の収縮応力は、腹側延出部上部A4の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍であることが好ましい。
腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜35cNであることが好ましい。
腹側シート部材2Aの第3領域A3の上半部A31の収縮応力は、下半部A32の収縮応力と同じか、下半部A32の収縮応力より小さいことが、ずれ落ちを防止しながら、おむつの伸びやすさを更に向上させ、ゴム跡を一層低減させる観点から好ましい。
ただし、第3領域A3の収縮応力は、第1領域A1の収縮応力より大きいことが、ズレ落ちを防止する観点から好ましい。
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bにおける一の領域と他の一の領域とで収縮応力を異ならせる方法は、収縮応力を異ならせることができる限り特に制限されず、例えば、(1)収縮応力が高い領域と収縮応力が低い領域とで、シート22及び又は23に固定する際の弾性部材の伸長率を異ならせる方法、(2)収縮応力が高い領域と収縮応力が低い領域とで、配する弾性部材の太さを異ならせる方法、(3)収縮応力が高い領域と収縮応力が低い領域とで、配する弾性部材の材質を異ならせる方法、(4)収縮応力が高い領域と収縮応力が低い領域とで、弾性部材の配置ピッチを異ならせる方法、及び(5)これらの2以上を組み合わせた方法等が挙げられる。
本実施形態のおむつ1は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれの本体部20a,20bに、ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2を有している。また、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれの延出部21a,21bに、延出部伸縮部G3を有している。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、外層シート22と内層シート23との間が、散点状に形成された多数の融着部(接合部)26において接合されており、弾性部材24が、それらの融着部26を通らないように配されている。
より具体的には、伸縮部G1〜G3には、おむつ1の長手方向(X方向)に接合部26が間欠的に直列配置されてなる接合部列が、おむつ1の幅方向(Y方向)に複数列形成されており、それらの接合部列における各接合部のX方向が一致している。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、複数本の弾性部材24が、それぞれ、X方向において隣り合う接合部26間を通るように配されている。また、各弾性部材24は、後述する側部接着領域27又は吸収性本体側接着領域28においてシート22,23間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
腹側シート部材2Aは、図3に示すように、腹側シート部材の両側縁部2a,2a又はその近傍に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された側部接着領域27を有している。また、腹側シート部材2Aは、側部接着領域27よりおむつ幅方向中央側に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側接着領域28を有している。
背側シート部材2Bは、図4に示すように、背側シート部材の両側縁部2b,2b又はその近傍に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された側部接着領域27を有している。また、背側シート部材2Bも、側部接着領域27よりおむつ幅方向中央側に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側接着領域28を有している。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの何れにおいても、ウエスト伸縮部G1に配された弾性部材24は、一対の側部接着領域27それぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、側部接着領域27間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
他方、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの何れにおいても、胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3に配された弾性部材24は、側部接着領域27及び吸収性本体側接着領域28のそれぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、側部接着領域27と吸収性本体側接着領域28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
吸収性本体側接着領域28は、図3及び図4に示すように、おむつ幅方向外側の端が、吸収性本体3の側縁3cの位置よりおむつ幅方向の内側(中央側)に位置するように形成されているが、これに代えて、吸収性本体3の側縁3cの内外に亘るように形成したり、吸収性本体3の側縁3cよりおむつ幅方向の外方に形成することもできる。
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれのウエスト伸縮部G1,胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3においては、弾性部材24が収縮することにより、隣接する接合部列間のシート22及び23が外方に膨らむように変形して、隣接する接合部列間にシート22又はシート23からなる襞29が生じると共に、両シート22,23間には、襞29と襞29とに周囲を囲まれた中空部30が形成される(図7参照)。襞29や中空部30が形成されることにより、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの柔らかさが向上して肌触り等が向上する他、肌当接面側に形成される襞29間を空気が流通し易くムレ防止性にも優れている。特に、内層シート23を、不織布等の通気性シートで形成した場合等においては、おむつ1内の湿気を外部に一層逃がしやすくなる。
他方、本実施形態のおむつ1においては、図3及び図4に示すように、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれにおける、本体部20a,20bと延出部21a,21bとの境界領域に、側部接着領域27の幅(Y方向の長さ)が他の部分より広い部分を有している。
より具体的には、背側シート部材2Bについては、第3領域B3及び背側延出部上部B4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域B1,第2領域B2及び背側延出部下部B5における側部接着領域27の幅W2より広くなっており、腹側シート部材2Aについては、第3領域A3及び腹側延出部上部A4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域A1,第2領域A2における側部接着領域27の幅W2より広くなっている。
サイドシール部4の下端付近においては、先に述べたように、特に排尿時において応力が高くなりやすく、また着用者の肌の曲率等との関係により、肌にゴム跡が付きやすい。本体部20a,20bと延出部21a,21bとの境界領域、特に背側シート部材の第3領域B3及び背側延出部上部B4、及び/又は腹側シート部材の対応する領域に、側部接着領域27の幅が大きい部分を設けることで、当該部分は、襞29が形成された部分に比して平滑に維持され、肌に対する接触面積が増大するため、弾性部材による肌に対する圧力を分散させ、ゴム跡が肌に付くことを防止しつつずり落ち防止性を向上させることができる。おむつを展開した際の左右のW2の幅の合計は、展開した際の腹側(または背側)シート部材の幅の10〜65%が好ましく、特に15〜60%が好ましい。更に、W2の幅は、W1の幅の1.2〜10倍が好ましく、特に4〜7.5倍が先述の効果を得る上で好ましい。
腹側延出部21aの長さL5(図2参照)は、腹側シート部材2Aの長さLa(図2参照)の5〜60%、特に20〜40%であることが好ましく、背側延出部21bの長さL6(図2参照)は、背側シート部材2Bの長さLb(図2参照)の5〜60%、特に20〜40%であることが好ましい。また、幼児用のおむつの場合、腹側及び背側延出部21a,21bそれぞれの長さL5,L6は、10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは20〜100mmである。成人用のおむつの場合、腹側及び背側延出部21a,21bそれぞれの長さL5,L6は、10〜200mmであることが好ましく、より好ましくは20〜150である。
また、背側延出部21bの長さL6は、腹側延出部21aの長さL5より長い(L6>L5)ことが、腹側延出部21aと背側延出部21bとの間の隙間が、サイドシール部の剥離やシートの裂けによって生じたような印象を与えないようにする観点から好ましい。但し、背側延出部21bの長さL6は、腹側延出部21aの長さL5の1.2〜10倍、特に1.5〜6.5倍であることが、体型へのフィット性や外観の点から好ましい。
腹側延出部21a及び背側延出部21bの長さL5,L6は、何れもおむつ長手方向(X方向)の長さである。
なお、上述した実施形態のおむつ1における、外層シート22及び内層シート23は、ウエスト開口部の開口周縁端をなす端縁部2cにおいて内層シート23側に折り返された延出折り返し部22a,23aを有しており、延出折り返し部22a,23aは、サイドシール部4において、外層シート22及び内層シート23の折り返されていない部分と接合されていると共に、吸収性本体3の長手方向と重なる部分が、接着剤により該吸収性本体3の表面シート31側の面に接合されている。
外層シート22及び内層シート23としては、この種の物品に従来使用されている各種のシート材を特に制限なく用いることができるが、不織布であることが好ましく、特に柔軟性等の観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布であることが好ましい。また、これらの不織布とフィルムとを一体化したシートでもよい。弾性部材24の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
上述したおむつ1は、例えば、腹側シート部材2Aの帯状原反と背側シート部材2Bの帯状原反とを離間させて搬送しつつ、吸収性本体3を、両者間に架け渡すように間欠的に固定し、次いで、腹側シート部材2Aの帯状原反と背側シート部材2Bの帯状原反とが重なるように二つ折りした後、サイドシール部4を形成するための熱シール等(接合)を行い、その接合と同時又はその後に切断して個々の使い捨ておむつに分割することにより効率的に製造することができる。この方法によれば、レッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成する場合に比して、外包材の原反からのトリムの除去を不要としたり、除去すべきトリムの小型化等を図ることができる。特に腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの帯状原反を流れ方向と直交する直線で切断したものが、完成したおむつ1の腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bとなるようにすることがトリムの除去を不要とできるため好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、それぞれ、弾性部材24と重ならないように形成されたドット状の接合部26を有するものに代えて、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。また、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2、延出部伸縮部G3は、それぞれ、その全体又は一部が、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。
また、胴回り伸縮部G2を、腹側シート部材2A及び/又は背側シート部材2Bの全幅に亘るように形成しても良く、延出部伸縮部G3も、腹側シート部材2A及び/又は背側シート部材2Bの全幅に亘るように形成しても良い。
また、腹側延出部21aのX方向の長さL5は、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも長くても良く、その場合、腹側延出部21aにおける、背側延出部上部B4に対応する部分(腹側延出部上部A4)よりも下方に延出する部分(背側延出部下部B5に対応する部分)には、弾性部材が配されていても配されていなくても良い。また、当該部分がY方向の伸縮性を有する場合、その収縮応力は、腹側延出部上部A4より大きくても小さくても同等であっても良いが、腹側延出部上部A4と同等又はそれより小さいことが好ましい。
また、サイドシール部4は、腹側及び背側シート部材の側縁部2a,2bを接合して形成されているが、サイドシール部4の外側に腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bとが接合されていない細幅(例えば0mm超20mm以下)の非接合部分を有していてもよい。
また、パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつの他、パンツ型の生理用ナプキン等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のパンツ型吸収性物品を開示する。
<1>着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きいパンツ型吸収性物品。
<2>前記本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの第3領域の下半部は、物品長手方向の単位長さあたりの物品幅方向の収縮応力が、第1領域の収縮応力より大きく、第2領域の収縮応力より小さい、<1>記載のパンツ型吸収性物品。
<3>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第2領域の収縮応力より低い、<1>又は<2>記載のパンツ型吸収性物品。
<4>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第3領域の下半部の収縮応力と同等である、<1>〜<3>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<5>前記背側シート部材2Bの第3領域B3の下半部B32の収縮応力は、前記背側延出部上部B4の収縮応力の0.8〜1.2倍である<4>記載のパンツ型吸収性物品。
<6>前記腹側シート部材2Aの第3領域A3の下半部A32の収縮応力は、腹側延出部上部A4の収縮応力の0.8〜1.2倍である<4>又は<5>記載のパンツ型吸収性物品。
<7>前記背側シート部材の前記延出部の長さが、前記腹側シート部材の前記延出部の長さより長い、<1>〜<6>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<8>腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの前記本体部及び前記延出部に、2枚のシート間が散点状に形成された多数の接合部で互いに接合されていると共に弾性部材が、それぞれ物品長手方向に隣り合う接合部間を通るように配されている伸縮部を有している、<1>〜<7>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<9>腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの両側縁部又はその近傍に、前記2枚のシート間が接着剤で接合された接着領域を有しており、前記本体部と前記延出部との境界領域に、前記接着領域の幅が他の部分より広い部分を有している、<1>〜<8>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<10>腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、おむつ1の長手方向(X方向)における、吸収性本体3の長手方向の端部3a,3bより外方に、ウエスト伸縮部G1が形成されている<1>〜<9>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<11>腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおける、おむつ1の長手方向(X方向)における、前記ウエスト伸縮部G1と腹側延出部21a又は背側延出部21bとの間に、胴回り伸縮部G2が形成されている<10>に記載のパンツ型吸収性物品。
<12>前記胴回り伸縮部G2が、パンツ型吸収性物品の幅方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されている<1>〜<11>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<13>腹側シート部材及び/又は背側シート部材における前記延出部に延出部伸縮部が形成されており、該延出部伸縮部は、パンツ型吸収性物品の幅方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されている<1>〜<12>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<14>ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bにおける側部接着領域27,27間の全域に亘って伸縮性を発現するように形成されている<10>に記載のパンツ型吸収性物品。
<15>胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、吸収性本体3の両側縁の外方においては伸縮性を発現し、吸収性本体3と重なる部分、特に吸収性本体3の幅方向中央部と重なる部分において伸縮性を発現しないように、パンツ型吸収性物品(おむつ1)の左右に分割された状態に形成されている<10>〜<14>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<16>腹側本体部20a、背側本体部20b、腹側延出部21a及び背側延出部21bには、それぞれ、複数本の弾性部材24が、それぞれおむつ幅方向に沿って延びるように、且つおむつの長手方向に間隔を開けて伸長状態で配されている<1>〜<15>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<17>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61と同じである<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<18>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも長い<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<19>腹側延出部21aのX方向の長さL5が、背側延出部上部B4のX方向の長さL61よりも短い<1>〜<16>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<20>背側延出部上部B4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍である<1>〜<19>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<21>背側延出部上部B4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNである<1>〜<20>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<22>背側延出部下部B5の収縮応力は、1〜30cN、特に5〜25cNである<1>〜<21>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<23>腹側延出部上部A4の収縮応力は、背側延出部下部B5の収縮応力の1.3〜3.5倍、特に1.5〜3倍である<1>〜<22>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<24>腹側延出部上部A4の収縮応力は、14〜35cN、特に17〜30cNである<1>〜<23>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<25>腹側シート部材2Aの第1〜第3領域A1〜A3は、第2領域A2の収縮応力が最も大きい、<1>〜<24>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<26>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域A2、B2及び第3領域としたときに、パンツ型吸収性物品(おむつ1)を着用した状態で、第2領域A2、B2が着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する<1>〜<25>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<27>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力は、第3領域B3,A3の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍である<1>〜<26>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<28>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第2領域B2,A2の収縮応力は、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力の1.3〜2.5倍、特に1.3〜2倍である<1>〜<27>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<29>前記本体部を、前記サイドシール部の長手方向を3等分する3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいて、第3領域の下半部B32,A32の収縮応力は、第1領域B1,A1の収縮応力の1.2倍〜3.5倍、特に1.2〜3.0倍である<1>〜<28>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<30>前記腹側シート部材及び前記背側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれにおける、本体部20a,20bと延出部21a,21bとの境界領域に、側部接着領域27の幅(Y方向の長さ)が他の部分より広い部分を有している<1>〜<29>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<31>前記背側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、第3領域B3及び背側延出部上部B4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域B1,第2領域B2及び背側延出部下部B5における側部接着領域27の幅W2より広くなっている<1>〜<30>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<32>前記腹側シート部材は、それぞれの両側縁部又はその近傍に、弾性部材がシート間に接着剤を介して固定された側部接着領域を有しており、第3領域A3及び腹側延出部上部A4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域A1,第2領域A2における側部接着領域27の幅W2より広くなっている<1>〜<31>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
<33>パンツ型吸収性物品が、幼児用のパンツ型使い捨ておむつである<1>〜<32>の何れかに記載のパンツ型吸収性物品。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかし、本発明は、下記により何ら制限されるものではない。
〔実施例1,2及び比較例1,2〕
腹側シート部材及び背側シート部材に表1に示す弾性部材を表1に示す態様で配して、各部が表1に示す収縮応力を有する図1〜図2に示す形態のパンツ型使い捨ておむつを製造した。弾性部材は、何れも、スパンデックスの糸状弾性体を用いた。
なお、表1中の「↑」は、上に同じである旨を示す。また、実施例1のおむつにおける、腹側延出部21aのX方向の長さL5は、背側延出部21bのX方向の長さL6の1/2の長さ(背側延出部上部B4のX方向の長さL61と同じ長さ)とした。また、比較例1,2も同様とした。各部の収縮応力は、おむつ長手方向の単位長さ(10mm)当たりの収縮応力である。
Figure 0005898947
〔評価〕
得られたパンツ型使い捨ておむつについて、下記の方法により、(1)ずり落ち難さ、(2)足周りのゴム跡の付き難さについて評価し、結果を表2に示した。
(1)ずり落ち難さ
実施例1,2及び比較例1,2のおむつを、1〜2才児相当のベビー動的モデルに装着させ、240g(起床時想定)の擬似尿を注入し、30分動作させた後の足周りのズレ落ち量を比較した。足周りのずれ落ち量は、そけいと耳珠垂線の交点(そけいサイド点)からオムツのサイドシール下端までの長さを足周りずれ落ち量として測定した。
(評価基準)
○:足周りずれ落ち量が15mm未満
△:足周りずれ落ち量が15mm以上25mm未満
×:足周りずれ落ち量が25mm以上
(2)足周りのゴム跡の付き難さ
実施例1,2及び比較例1,2のおむつを、1〜2才児に4〜10時間装着(通常通り使用)してもらい、ゴム跡の様子を観察した。
(評価基準)
◎:殆どゴムの跡が見えないレベル
○:ゴムの跡があっても気にならないレベル
×:ゴムの跡がくっきり付いており、気になるレベル
Figure 0005898947
表2に示す結果から、背側延出部上部B4の収縮応力及び腹側シート部材におけるその対応部分(腹側延出部上部A4)の収縮応力を、背側延出部下部の収縮応力より高くすることで、湾曲のあるお尻へのフィット性を高めることができる上に、ゴム跡がつきやすい第3領域の応力を過度に高めなくてもおむつのずれを効果的に防止でき、且つ胴回り周辺のゴム跡を防止できることが判る。
また、実施例1と実施例2の結果の対比から、延出部上部の応力を第3領域の下半部の収縮応力と同等にすることで、ゴム跡がつきやすい第3領域の収縮応力を過度に高めなくても、おむつのずれを効果的に防止でき、ゴム跡も防止できることが判る。
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)
2A 腹側シート部材
2a,2a 側縁部
20a 腹側本体部
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
A32 第3領域の下半部
21a 腹側延出部
A4 腹側延出部上部
(腹側シート部材における背側延出部上部に対応する部分)
2B 背側シート部材
2b,2b 側縁部
20b 背側本体部
B1 第1領域
B2 第2領域
B3 第3領域
B32 第3領域の下半部
21b 背側延出部
B4 背側延出部上部
B5 背側延出部下部
22 外層シート
23 内層シート
24 弾性部材
29 襞
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収体
34 側方カフス
4 サイドシール部
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
G1 ウエスト伸縮部
G2 胴回り伸縮部
G3 延出部伸縮部

Claims (5)

  1. 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
    腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
    背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
    腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
    前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
    前記本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、前記ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
    前記腹側シート部材及び前記背側シート部材それぞれの前記第3領域の下半部は、物品長手方向の単位長さあたりの物品幅方向の収縮応力が、前記第1領域の収縮応力より大きく、前記第2領域の収縮応力より小さい、パンツ型吸収性物品。
  2. 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
    腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
    背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
    腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
    前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
    前記本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、前記ウエスト開口部に近い側から順に第1領域、第2領域及び第3領域としたときに、
    前記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第2領域の収縮応力より低いパンツ型吸収性物品。
  3. 記背側延出部上部及び/又は前記腹側シート部材の該背側延出部上部に対応する部分は、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側シート部材及び/又は前記腹側シート部材における、前記第3領域の下半部の収縮応力と同等である、請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 前記背側シート部材の前記延出部の長さが、前記腹側シート部材の前記延出部の長さより長い、請求項1〜の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
  5. 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
    腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれ、左右両側にサイドシール部を有する本体部と、該本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない延出部とを有しており、
    背側シート部材の前記延出部を、物品長手方向に2等分して、背側延出部上部及び背側延出部下部に区分したときに、
    腹側シート部材の前記本体部及び前記延出部、並びに背側シート部材の前記本体部、前記背側延出部上部及び前記背側延出部下部が、何れも、物品幅方向に伸縮性を有しており、
    前記背側延出部上部及び前記腹側シート部材における該背側延出部上部に対応する部分は、それぞれ、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力が、前記背側延出部下部の同収縮応力より大きく、
    腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの前記本体部及び前記延出部に、2枚のシート間が散点状に形成された多数の接合部で互いに接合されていると共に弾性部材が、それぞれ物品長手方向に隣り合う接合部間を通るように配されている伸縮部を有しており、
    腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの両側縁部又はその近傍に、前記2枚のシート間が接着剤で接合された接着領域を有しており、前記本体部と前記延出部との境界領域に、前記接着領域の幅が他の部分より広い部分を有している、パンツ型吸収性物品。
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