JP5898392B1 - 静電容量方式指紋認証用センサカバープレートおよび指紋認証ユニットならびに電子機器 - Google Patents

静電容量方式指紋認証用センサカバープレートおよび指紋認証ユニットならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 指紋認証用センサの感度を向上させることができるとともに、指紋認証用センサが搭載された機器の外観を損なうことの少ない指紋認証用センサカバープレートおよびこれを備える指紋認証ユニットならびに指紋認証ユニットを備える電子機器を提供する。【解決手段】 本発明の指紋認証用センサカバープレートは、セラミックスからなり、厚み0.05mm以下において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、静電容量方式指紋認証用センサカバープレート(以下、単に紋認証用センサカバープレートと記載する。)およびこれを備える指紋認証ユニットならびに指紋認証ユニットを備える電子機器に関するものである。
近年、各種機器の管理や各種ゲートの入退室管理等のセキュリティーを高めるべく、個人固有の身体的特徴を鍵に個人を識別する方法として、指紋認証が普及しつつある。そして、このような指紋認証は、特に、小型化が図られている機器において、消費電力が少ない静電容量式センサが用いられている。この静電容量式センサは、被検出物である指の凹凸と検出体に形成された電極との間の静電容量を測定して、指紋形状を認識するものである。
そして、このような静電容量式センサにおいては、電極等を保護すべく、ポリメタクリル酸(PPMA)樹脂等のアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、またはガラス等の材質によりカバープレートが設けられている。しかしながら、これらの材質は、機械的特性の観点から厚みを薄くすることができず、材質自体の比誘電率が低いため、静電容量の変化が小さく、センサ感度が低いという問題があった。
このような問題は、タッチパネルのカバープレートにも共通であり、特許文献1には、カバープレートとして、酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウムからなる透明セラミックスが提案されている。
特開2012−174053号公報
特許文献1に記載されている酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウムからなる透明セラミックスを指紋認証用センサカバープレートに用いれば、PPMA、PCやガラス等よりも比誘電率が高く、かつ、機械的特性に優れたものであることから、薄肉化を図ることができるため、指紋認証用センサの感度を高めることができる。しかしながら、透明セラミックスを指紋認証用センサカバープレートに用いた場合には、電極等の内部が外部から視認されるため、指紋認証用センサが搭載された機器の外観が損なわれるという問題があった。
なお、内部が視認されることにより外観が損なわれるという問題に対しては、透明セラミックスの表面若しくは裏面に、内部が視認されないように保護膜を形成すればよいが、製作コストが増加するという問題が生じるとともに、保護膜を有していることによって、指紋認証用センサの感度を低下させてしまうという問題があった。
そのため、指紋認証用センサカバープレートには、指紋認証用センサの感度を向上させることができるとともに、外観を損なうことが少ないことが要求されている。
本発明は、上記要求満たすべく案出されたものであり、指紋認証用センサ感度を向上させることができるとともに、指紋認証用センサが搭載された機器の外観を損なうことの少ない指紋認証用センサカバープレートおよびこれを備える指紋認証ユニットならびに指紋認証ユニットを備える電子機を提供することを目的とする。
本発明の静電容量方式指紋認証用センサカバープレートは、静電容量方式指紋認証用センサのカバーであり、セラミックスからなる静電容量方式指紋認証用センサカバープレートであって測定試料の厚み0.05mm以下(ただし、ゼロを除く。)において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下であることを特徴とするものである。
本発明の指紋認証用ユニットは、上記構成の指紋認証用センサカバープレートおよび指紋認証センサを備えることを特徴とするものである。
本発明の電子機器は、上記構成の指紋認証ユニットを備えるものである。
本発明の指紋認証用センサカバープレートは、セラミックスからなることにより、比誘電率が高いとともに、機械的特性が高いことによって薄肉化が図れるため、指紋認証用センサの感度を高めることができ、かつ、外部から内部が視認されないため外観を損なうことが少ない。
本発明の指紋認証ユニットは、高いセキュリティー機能を有する。
本発明の電子機器は、高いセキュリティー機能を有しつつ、美観に優れる。
以下、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートの実施の形態の例について説明する。
本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、セラミックスからなり、厚み0.05mm以下(ただし、ゼロを除く。)において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下である。
このような構成を満たす本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、セラミックスからなることにより、比誘電率が高いとともに、機械的特性が高いことによって薄肉化が図れるため、指紋認証用センサの感度を向上させることができる。
そして、厚み0.05mm以下(ただし、ゼロを除く。)において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下であることにより、電極等の内部が外部から視認されないため、指紋認証用センサが搭載された機器の外観を損なうおそれが少ない。
ここで、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートとなるセラミックスとしては、上述した色調となる着色成分を含む、窒化珪素質焼結体、アルミナ質焼結体、ジルコニア質焼結体等が挙げられる。なお、ここでジルコニア質焼結体を例に挙げれば、ジルコニア質焼結体とは、ジルコニア質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、ジルコニア(ZrO)が70質量%以上占めるものであり、窒化珪素質焼結体およびアルミナ質焼結体についても同様である。
なお、セラミックスの材質の確認は、X線回折装置(XRD)を用いて測定し、得られた2θ(2θは、回折角度である。)の値よりJCPDSカードを用いて同定することにより行なうことができる。セラミックスがジルコニア質焼結体であった場合、XRDによる測定で得られるチャートにおいては、ジルコニアのピークが最も高く現れる。
そして、例えば、ジルコニアの含有量については、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)や蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、Zrの含有量を測定し、XRDにより同定された化合物であるZrOに換算することにより、含有量を算出することができる。アルミナ(Al)のピークが最も高い場合は、Alの含有量を測定し、Alに換算すればよい。また、窒化珪素(Si)のピークが最も高い場合は、Siの含有量を測定し、Siに換算する、若しくは他の窒化物の存在が確認されていないのであれば、窒素の含有量を測定し、Siに換算すればよい。
次に、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*、クロマティクネス指数a*およびb*は、例えば、色彩色差計(旧ミノルタ製 CR−221またはその後継機種)を用い、JIS Z 8722−2009の照射及び受光の幾何条件aに準拠し、光源をCIE標準光源D65、測定径をφ3mmとした条件で測定することができる。なお、測定対象物については、算術平均粗さRaを0.03μm以下の鏡面に加工した面を測定面とし、測定対象物の厚みが0.05mmを超えるものであるときには、0.05mmになるまで研削し、鏡面加工することにより測定試料とすればよい。
また、測定対象物の厚みが0.05mm未満の場合、鏡面加工されていればそのままの面を、鏡面加工されていなければ鏡面加工した面を測定面とし、上述した方法と同様の方法により測定すればよい。0.05mm未満において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下であれば、厚みが0.05mmであっても、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下という要件を満たすものである。
ここで、明度指数L*とは、色調の明暗を示す指数であり、明度指数L*の値が大きければ明るい色調ということであり、明度指数L*の値が小さければ、暗い色調ということである。
また、クロマティクネス指数a*とは、色調の赤から緑の度合いを示す指数であり、クロマティクネス指数a*がプラス側に大きな値であれば赤色系の色調ということであり、クロマティクネス指数a*がマイナス側に大きな値であれば緑色系の色調ということである。
また、クロマティクネス指数b*とは、色調の黄から青の度合いを示す指数であり、クロマティクネス指数b*がプラス側に大きな値であれば黄色系の色調ということであり、クロマティクネス指数b*がマイナス側に大きな値であれば青色系の色調ということである。
さらに、クロマティクネス指数a*およびb*の絶対値は、色調の鮮やかさを示す指数でもあるため、クロマティクネス指数a*およびb*絶対値が小さいときには鮮やかさが抑えられた渋い色調ということである。本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下であることから、真っ黒に近い色調を有するものである。
なお、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、厚み0.1mmにおいても、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下である。
そして、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートとなるセラミックスにおいては、ジルコニア質焼結体からなることが好適である。これは、ジルコニア質焼結体は、窒化珪素質焼結体と同等の機械的特性、具体的にはJIS R 1601−2008に準拠した試験片による3点曲げ強度が1000MPa程度であるとともに、窒化珪素質焼結体やアルミナ質焼結体の3倍の比誘電率を有しているからである。本実施形態の指紋認証用センサカバープレートが、ジルコニア質焼結体からなるときには、優れた機械的特性により、PPMA、PCやガラス等ではできなかった厚みとすることができるとともに、高い比誘電率により薄くできるため、指紋認証用センサの感度を向上させることができる。
次に、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、厚み0.05mmにおいて、全透過処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が10以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が4以上8以下であることが好適である。
このような構成を満たしている指紋認証用センサカバープレートは、光をほとんど透過させないものであるため、電極等の内部が外部から視認されることがなく、指紋認証用センサが搭載された機器の外観を損なうおそれが一層少なくなる。
なお、厚み0.05mmにおいて、全透過処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が10以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が4以上8以下である指紋認証用センサカバープレートは、厚み0.1mmにおいては、全透過処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が3以下であり、クロマティクネス指数a*が−1以上1以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下である。
このように、厚みが0.1mmにおける各指数を見れば、厚みが半分の0.05mmとすることにより、明度指数L*の値およびクロマティクネス指数b*の値が高くなるが、厚みが0.05mmにおいて、上述した範囲を満たしていれば、内部が視認されないものである。
さらには、厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が8以下であり、クロマティクネス指数a*が−1以上1以下であり、クロマティクネス指数b*が5以上7以下であることが好適である。これは、このような構成を満たしていることにより、光をほぼ遮断できるものであるため、電極等の内部が外部から視認されることがなく、指紋認証用センサが搭載された機器の外観が損なわれないばかりか、内部に光源を有するものであったとしても、光源が確認できない程に光を遮断できるものである。
ここで、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*、クロマティクネス指数a*およびb*は、例えば、分光測色計(ミノルタ製 CM−3700A)を用い、JIS Z 8722−2009の照射および受光の幾何条件gに準拠し、光源をCIE標準光源D65、視野角を10°、照射径をφ28mm、測定径をφ25.4mmとした条件で測定することができる。なお、測定の際には必要に応じてマスクを使用してもよい。
また、セラミックスの表面に、アルミナ膜を備えていることが好適である。セラミックスの表面に、アルミナ膜を備えているときには、高い耐傷性を有するものとなる。なお、アルミナ膜の厚みが0.1μm以上2μm以下であれば、高いセンサ感度を維持しつつ、高い耐傷性を有するものとなる。
次に、本実施形態の指紋認証ユニットは、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートおよび指紋認証センサを備えている。上述したように、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、比誘電率が高いとともに、機械的特性が高いことによって薄肉化が図れ、指紋認証用センサの感度を高めることができるため、これを備える指紋認証ユニットは、高いセキュリティー機能を有する。
次に、本実施形態の電子機器は、本実施形態の指紋認証ユニットを備えていることにより、高いセキュリティー機能を有しつつ、美観に優れる。本実施形態の電子機器としては、例えば、携帯電話やパソコンなどの情報端末、建築物や乗用車のドア、現金自動預け払い機(ATM)等に搭載される内蔵型や、USB等によって接続される外付型がある。
次に、指紋認証用センサカバープレートの製造方法の一例について説明する。
まず、窒化珪素質焼結体については、窒化珪素粉末と、焼結助剤粉末(例えば、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、希土類元素の酸化物)と、着色成分粉末(例えば、酸化鉄粉末、酸化タングステン粉末)とを、所定量秤量し、溶媒とともに、バレルミル、回転ミル、振動ミル、ビーズミルまたはアトライター等に入れて、湿式混合および粉砕してスラリーとする。
なお、焼結助剤粉末が、酸化カルシウム粉末と、酸化アルミニウム粉末と、希土類元素の酸化物粉末とであるとき、焼結助剤粉末は、窒化珪素粉末と焼結助剤粉末との合計100質量%のうち、3質量%以上18.2質量%以下になるように秤量する。また、各焼結助剤粉末においては、酸化カルシウム粉末、酸化アルミニウム粉末および希土類元素の酸化物粉末の合計100質量%のうち、酸化カルシウム粉末が0.3質量%以上1.5質量%以下、酸化アルミニウム粉末が14.2質量%以上48.8質量%以下とし、残部を希土類元素の酸化物粉末とすればよい。
また、着色成分粉末が、酸化鉄粉末および酸化タングステン粉末であるとき、これらの粉末は、窒化珪素粉末と焼結助剤粉末との合計100質量%に対して、酸化鉄粉末を0.6質量%以上8.5質量%以下、酸化タングステン粉末を0.13質量%以上3.7質量%以下になるように秤量する。
次に、バインダを所望量添加し、混合した後、スプレードライヤーを用いてスラリーを噴霧乾燥することにより顆粒を得る。そして、得られた顆粒を用いて、粉末プレス法により所望形状の成形体とする。次に、得られた成形体を、窒素雰囲気中または真空雰囲気中において500℃以上800℃以下の温度で脱脂することにより脱脂体を得る。
次に、黒鉛抵抗発熱体が設置された焼成炉内に脱脂体を配置し、1700℃以上1800℃未満の温度で焼成することにより焼結体を得る。
次に、アルミナ質焼結体については、酸化アルミニウム粉末と、着色成分粉末(例えば、炭酸マンガン粉末、酸化鉄粉末、酸化クロム粉末)と、焼結助剤粉末(例えば、炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、酸化珪素粉末)とを所定量秤量し、1次原料粉末とする。
なお、焼結助剤粉末は、焼結体を構成する全成分100質量%のうち、0.6質量%以上2質量%以下となるように秤量する。また、着色成分粉末は、焼結体を構成する全成分100質量%のうち、8質量%以上14.4質量%以下となるように秤量する。
次に、所望量のバインダ、溶媒、分散剤を秤量して準備し、1次原料粉末とともに攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。その後、スプレードライヤーを用いてスラリーを噴霧乾燥することにより顆粒を得る。そして、得られた顆粒を用いて、粉末プレス法により所望形状の成形体とする。
次に、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、1450℃以上1600℃以下の温度で焼成することにより焼結体を得る。
次に、ジルコニア質焼結体については、まず、イットリアにて安定化されたジルコニア粉末を用意する。また、焼結助剤粉末として、酸化アルミニウム粉末、着色成分粉末として、酸化鉄粉末、酸化クロム粉末、酸化コバルト粉末を用意する。そして、ジルコニア粉末と焼結助剤粉末および着色成分粉末との合計100質量%のうち、酸化アルミニウム粉末を0.1質量%以上1.5質量%以下、酸化鉄粉末を0.2質量%以上1.5質量%以下、酸化クロム粉末を0.5質量%以上3質量%以下、酸化コバルト粉末を0.5質量%以上3質量%以下とし、残部がジルコニアの粉末となるように秤量して1次原料粉末とする。
次に、所望量のバインダ、溶媒、分散剤を秤量して準備し、1次原料粉末とともに攪拌機内に入れて混合・攪拌してスラリーを得る。その後、スプレードライヤーを用いてスラリーを噴霧乾燥することにより顆粒を得る。そして、得られた顆粒を用いて、粉末プレス法により所望形状の成形体とする。
次に、得られた成形体を脱脂した後、大気雰囲気の焼成炉を用いて、1300℃以上1550℃以下の温度で焼成することにより焼結体を得る。
そして、得られた各材質からなる焼結体の表面を研削して所望厚みに加工することにより、本実施形態の指紋認証用センサカバープレートを得ることができる。また、研削加工後に鏡面加工を行なってもよい。
また、セラミックスの表面に、アルミナ膜を備えるには、アルミナ質セラミックスをターゲットとし、スパッタリング装置を用いて成膜すればよい。
なお、厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が10以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が4以上8以下となる本実施形態の指紋認証用センサカバープレートを得るには、ジルコニア質焼結体の表面の9.074×10μmの表面積において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が0.7面積%以上1.2面積%以下であり、1400個以上2400個以下の気孔を有するものとすればよい。
上述したような気孔を存在させるには、平均径が1.8μm以上2μm以下であり0.1質量%以上1.0質量%未満の造孔剤と、この造孔剤を分散させる分散剤とをスラリーに添加すればよい。なお、造孔剤および分散剤は焼成により焼失し、造孔剤の焼失により平均径が1.8μm以上2μm以下の気孔が形成される。
そして、ジルコニア質焼結体の表面の9.074×10μmの表面積において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が0.7面積%以上1.2面積%以下であり、1400個以上2400個以下の気孔を有するジルコニア質焼結体からなる指紋認証用センサカバープレートは、気孔の存在と、ジルコニア結晶と他の結晶との屈折率差とにより、入射した光が反射しやすく、入射した光はほとんど透過しないことから、電極等の内部が外部から視認されるおそれが少なく、指紋認証用センサが搭載された機器の外観を損なうおそれが少なくなる。
また、厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が8以下であり、クロマティクネス指数a*が−1以上1以下であり、クロマティクネス指数b*が5以上7以下となる本実施形態の指紋認証用センサカバープレートを得るには、ジルコニア質焼結体の表面の9.074×10μmの表面積において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が0.7面積%以上0.9面積%以下であり、1400個以上1700個以下の気孔を有するものとすればよい。
そして、ジルコニア質焼結体の表面の9.074×10μmの表面積において、円相当径0.8μm以上の気孔について見たときに、気孔率が0.7面積%以上0.9面積%以下であり、1400個以上1700個未満の気孔を有するジルコニア質焼結体からなる指紋認証用センサカバープレートは、気孔の存在と、ジルコニア結晶と他の結晶との屈折率差とにより、入射した光はほぼ遮断されることから、電極等の内部が外部から視認されることなく、指紋認証用センサが搭載された機器の外観が損なわれない。
また、厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が8以下であり、クロマティクネス指数a*が−1以上1以下であり、クロマティクネス指数b*が5以上7以下である本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、上側の入射した光のみならず、下側に光源を有するような構造であっても、0.05mmという薄さでありながら、光源が確認できない程に光を遮断できるものである。

なお、カーボン蒸着によってもセラミックスの表面の黒色化は可能であるが、このように、カーボン蒸着によって黒色化されたセラミックスは、厚み0.1mmのときの全透過処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*は15以上である。この値から明らかなように、半分の厚みである0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が10以下である本実施形態の指紋認証用センサカバープレートは、光の透過性が低いものであるかがわかる。
最後に、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。

Claims (7)

  1. 静電容量方式指紋認証用センサのカバーであり、セラミックスからなる静電容量方式指紋認証用センサカバープレートであって測定試料の厚み0.05mm以下において、拡散反射光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が7以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が−1以上1以下であることを特徴とする静電容量方式指紋認証用センサカバープレート。
  2. 前記セラミックスが、ジルコニア質焼結体からなることを特徴とする請求項1に記載の静電容量方式指紋認証用センサカバープレート。
  3. 前記セラミックスが、測定試料の厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が10以下であり、クロマティクネス指数a*が−2以上2以下であり、クロマティクネス指数b*が4以上8以下であることを特徴とする請求項2に記載の静電容量方式指紋認証用センサカバープレート。
  4. 前記セラミックスが、測定試料の厚み0.05mmにおいて、全透過光処理によるCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が8以下であり、クロマティクネス指数a*が−1以上1以下であり、クロマティクネス指数b*が5以上7以下であることを特徴とする請求項2に記載の静電容量方式指紋認証用センサカバープレート。
  5. 前記セラミックスの表面に、アルミナ膜を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の静電容量方式指紋認証用センサカバープレート。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の静電容量方式指紋認証用センサカバープレートを備えることを特徴とする指紋認証ユニット。
  7. 請求項6に記載の指紋認証ユニットを備えることを特徴とする電子機器。
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