JP5898208B2 - 燃料組成特定システムおよびその方法並びに流体組成特定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレックス燃料型の自動車に用いられる燃料組成特定システムおよびその方法であって、燃料の加熱中に測定されるそれぞれの燃料の臨海熱流量値に基づいて特定を行うものに関する。
再生不能な化石燃料の消費を減らすとともに、環境へのダメージを少なくしつつエタノールなどの再生可能な燃料の使用を拡大するために、フレックス燃料型の自動車の採用に向かう目立った世界的な傾向がある。これに関連して、燃料の組成特性に自動車の機能を適合させるために、そのときに使用されている燃料の組成を特定することができる自動車に関心がある。
デバイスやシステムによっては、自動車に用いられている燃料を特定することができる技術として既に知られており、例えば、燃料ラインにおけるエタノールおよび/又はガソリンの比率を示す。これらのデバイスやシステムは、燃料又は燃料加熱要素の多種多様な物理的特性を利用して混合物の比率を特定する。
特許文献JP12013568は、モータ内に注入された燃料の特性を識別するデバイスを取り扱う。燃料検知チャンバは、注入バルブの近傍に設けられ、チャンバ内に導入されている燃料のレベルを検知する。燃料は、チャンバの外側に設けられたヒータによってチャンバ内にて加熱される。圧力センサは、チャンバ内に設けられる。燃料がチャンバ内の特定のレベルに到達すると、温度が所定の値に到達するまでヒータのスイッチを入れたままにするとともに、蒸気の圧力と温度を利用して燃料特性を特定する。言い換えれば、燃料の圧力および温度に基づいて燃料を特定する。
特許文献JP2221848も、注射器を通じて燃料タンク計量セル内に所定量の燃料を注入することで、運転のスイッチをONにする燃料混合エタノール濃度検知器を開示する。ヒータは活性化され、ヒータの温度はサーミスタにより測定される。温度が上昇し始める時間は、初期ステータス調整セクションによって検知され、燃料混合物は、温度の上昇開始時間の後に蒸発する。温度は、燃料混合物の組成に基づき上昇する。燃料濃度は、次のパラメータ:温度上昇開始時間、蒸発時間、加熱要素の電流および電圧に基づいて検知される。
特許文献EP1620125は、液体燃料の気化特性を決定するためのプロセスおよびデバイスを開示する。これは、燃料の洪水を避けるために、モータを駆動する燃料の気化特性を特定して、起動中における大量の有害なガスを解放することを目的とする。当該文献は、可変抵抗器タイプのヒータを、燃料と接触して熱交換を行うように燃料に接触するようにタンク内に配置するプロセスを開示する。ヒータは、少なくともヒータ表面上に燃料の蒸気泡が形成されるまで加熱される。このとき、ヒータの周囲にて温度が測定される。燃料の気化特性を特定するためには、沸点を測定することが必要であり、沸点は、沸騰領域において又は燃料沸騰曲線領域の全体において、噴出が開始する温度を意味する。この効果は、気泡の形成がヒータにおいて部分的に検知されるという事実により達成され、これによれば、ヒータと液体燃料の間において蒸気泡によって誘発される対流による熱移動の影響が、温度変化に基づいて決定される。加熱が継続しても、蒸気の形成開始後におけるヒータの温度は一定のままであるか、少なくとも蒸気形成前よりも遅く上昇する。
燃料の沸騰挙動は、このように最初の気泡が形成される際の移行温度を通じて特徴付けられる場合がある。その温度は、温度に依存するヒータの抵抗値を通じて測定される。本文献は、臨界熱流量について明確に言及しておらず、温度挙動を分析することで燃料組成を特定することもしていない。さらに、本文献は、抵抗値が温度の関数である観点で商業用抵抗器に存在する差異による問題を取り除いていない。
GMに与えられる米国特許出願公開第2004/0180447号は、燃料組成を特定するためのフラクション(fractioned)蒸留システムに基づく。可変抵抗器はタンク内に水平に浸かっているが、燃料が蒸発すると、それぞれの抵抗器は液体燃料内に浸からなくなる。これが生じると、抵抗器の表面温度が非常に早く上昇し、結果的に電流も同じ比率で変化する。本発明で重要と評される温度は、燃料が蒸発して抵抗器が流体中に浸からなくなるときの温度である。GMシステムは、消費されるエネルギーを計算するために、抵抗器に一定の電圧を使用する。蒸留速度の計算は、電流が急速に落ちた領域にて消費されるエネルギーに基づいて行われる。
特許文献DE20200602576は、誤った燃料がタンクに満たされるときを特定するために燃料タンク内に設けられるセンサシステムを取り扱っており、ここでは、ガソリンとディーゼルを識別することに更なる焦点が当てられている。そうするために、コンパートメントが燃料タンク内に設けられており、自動車が燃料で動く際には、その中を燃料が通る。加熱抵抗器はコンパートメント内に配置されるとともに、燃料を加熱するために、ある電圧および電流で電力が供給される。特定は本質的に、ガソリンとディーゼルとでは著しく変化する燃料の沸点に基づいて行われる。このとき、抵抗器から燃料への熱の移動は伝導的でなくなり、代わりに対流的になる。
この特定は、ディーゼルとガソリンの沸点の間の中間値に対応する同一の電流又は同一の温度を維持しながら、沸騰が生じるときを確認しつつ、噴出時間に基づくものであっても良い。あるいは、着実に電流が増加する場合において、温度の挙動を観察しても良い。
上述の従来技術には、燃料を特定するために臨界熱流量のパラメータを使用するものはない。
上述の技術の中には、混合物を特定するために必要なパラメータを測定することができる所定の燃料ボリュームを有する容器が必要であるという不都合な面を有するものもある。燃料温度測定の基礎となる従来技術は、温度センサを必要とする。これにより、システムのコストが上昇するとともに、システムがより複雑なものとなる。温度および電流の関数として可変な抵抗器を使用する従来技術によれば、抵抗器製造の際の耐性が低くなるおそれがある。結果的に、電流又は温度の値のそれぞれに対して、測定される抵抗値が正確でなくなってしまう。これらのパラメータは抵抗器によって大きく異なる。
臨界熱流量の概念は、本発明が取り扱う新たな概念をより早く理解するために、本発明の詳細な説明にて示される。
本発明の第1の目的は、所定のボリュームを有する容器を使用することなく、燃料組成を正確に特定するシステムおよびその方法を提供することにある。該容器は、既に市場にあるフレックス燃料エンジンのためのコールドスタートシステムを用いた自動車の燃料ライン沿いのあらゆる位置に搭載される可能性がある。
本発明の第2の目的は、溶剤又は水が混入した燃料を検知することができる燃料組成特定システムおよびその方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、低い製造耐性から生じるとともに可変抵抗器において共通である機能的変化に影響されず、さらに温度センサを使用する必要のない、供給される出力を通じて燃料成を特定するシステムおよびその方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、より短い期間で燃料を加熱するとともに燃料費用がより少ない燃料組成特定システムおよびその方法であって、それぞれの燃料組成における最適な加熱温度を特定するものを提供することにある。
本発明の目的は、自動車燃焼エンジンにおける燃料の組成を特定するシステムを通じて達成される。そのシステムは、燃料タンク内又は燃料ライン沿いのあらゆる位置に配置され、燃料と直接的に接触して熱交換を行う少なくとも1つの燃料加熱抵抗器と、抵抗器に接続され、制御された供給出力を抵抗器に付与する電子制御ユニットと、抵抗器上の電流又は抵抗器の表面温度のいずれかである加熱抵抗器のパラメータを測定し、測定した値を電子制御ユニットに送る測定デバイスとを備え、電子制御ユニットは、予め定められた時間間隔(t)において抵抗器に一定の出力値を付与し、それぞれの時間間隔tにおいて、測定デバイスにより測定される加熱抵抗器のパラメータの値を観察し、電子制御ユニットが時間間隔tにおいて加熱抵抗器のパラメータの値の変化を検知したときに、最大臨界熱流量をq’’maxとし、時間tに抵抗器に付与される最大臨界出力をWとし、燃料に接触する抵抗器の表面積をmとすると、以下の数1を用いて、その時間間隔に抵抗器に付与されている出力から生じる臨界熱流量に対応する燃料組成を特定する。
Figure 0005898208
測定デバイスは、抵抗器に送られる電流を測定するメータであっても良く、加熱抵抗器は、温度の関数として可変な抵抗値を有しても良い。また、測定デバイスは、抵抗器の表面温度を測定する温度センサであっても良い。
好ましくは、電子制御ユニットにより抵抗器に付与される出力の値は、次の式:W(tn+1)=W(t)+Xにより、それぞれの連続的な時間間隔tにおいて増加される。Xはそれぞれの時間間隔にて加算される出力の増分値である。
電子制御ユニットは、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する臨界出力値を含むメモリを備えても良い。
好ましくは、電子制御ユニットは、抵抗器に付与される出力を、燃料組成の特定時において臨海熱流量に対応する値に等しい一定の値にて維持しても良い。
電子制御ユニットは、燃料の臨海熱流量に対応する出力が、エタノールの含有量が最小であるガソリン燃料の臨海熱流量に対応する出力よりも小さくなるとき、又はエタノールのみを含む燃料の臨海熱流量に対応する出力よりも大きいときに、燃料に混入が生じたことを特定しても良い。
好ましくは、少なくとも1つの燃料加熱抵抗器が燃料注入パイプ内に設けられる。
あるいは、電子制御ユニットは、エタノールの含有量が最大である燃料の臨海出力よりも大きな初期出力値を抵抗器に対して付与し、その出力を、次の式:W(t+1)=W(t)―Xにより、それぞれの連続的な時間間隔tにおいて減少させ、Xは出力の差分値であり、電子制御ユニットは、時間間隔tにおいて加熱抵抗器のパラメータの値が一定であることを検知したときに燃料組成を特定する。
本発明の目的は、自動車燃焼エンジンのための燃料組成特定方法を通じて達成される。その方法は、燃料タンク内又は燃料ライン沿いにある燃料と接触する燃料加熱抵抗器に制御された出力値を付与する工程と、加熱抵抗器に接触する燃料を、加熱抵抗器と熱交換させることにより加熱する工程と、抵抗器に送られる電流および抵抗器の表面温度である加熱抵抗器のパラメータを測定する工程とを含み、燃料加熱工程において、予め定められた時間間隔tの間、一定の出力値を抵抗器に付与し、それぞれの時間間隔tの途中で測定した加熱抵抗器のパラメータの値を観察する工程と、時間間隔tの途中で抵抗器のパラメータの値が変化したことを検知したときに、その時間間隔に抵抗器に付与されている出力から生じる臨界熱流量に対応する燃料組成を特定する工程であって、最大臨界熱流量をq’’maxとし、抵抗器に付与される最大臨界出力をWとし、燃料に接触する抵抗器の表面積をmとすると、以下の数2を用いてこの特定を行う工程とをさらに含む。
Figure 0005898208
好ましくは、抵抗器に付与される出力の値は、次の式:W(tn+1)=W(t)+Xにより、それぞれの連続的な時間間隔tにおいて増加される。Xはそれぞれの時間間隔にて加算される出力の増分値である。
燃料組成特定工程は、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する臨界出力値を含むプログラム済みのメモリを参照する工程を含んでも良い。
好ましくは、燃料組成特定工程後において、抵抗器に付与される出力は、燃料組成特定時において臨海熱流量に対応する値に等しい一定の値にて維持される。
あるいは、抵抗器に対して付与される初期出力値は、エタノールの含有量が最大である燃料の臨海値よりも大きく、その出力は、次の式:W(t+1)=W(t)―Xにより、それぞれの連続的な時間間隔tにおいて減少され、Xはそれぞれの時間間隔にて減算される出力の差分値であり、時間間隔tの途中で加熱抵抗器のパラメータの値が一定であるときに燃料組成が特定される。
最後に、本発明の目的は流体組成特定方法を通じて達成される。その方法は、容器内の流体と接触する加熱抵抗器に制御された出力値を付与する工程と、加熱抵抗器に接触する流体を、加熱抵抗器と熱交換させることにより加熱する工程と、抵抗器に送られる電流および抵抗器の表面温度である加熱抵抗器のパラメータを測定する工程とを含み、流体加熱工程において、予め定められた時間間隔tの間、一定の出力値を抵抗器に付与する。その方法はさらに、それぞれの時間間隔tの途中で測定した加熱抵抗器のパラメータの値を観察する工程と、時間間隔tの途中で抵抗器のパラメータの値が変化したことを検知したときに、その時間間隔に抵抗器に付与されている出力から生じる最大臨界熱流量に対応する流体の組成を特定する工程であって、最大臨界熱流量をq’’maxとし、抵抗器に付与される最大臨界出力をWとし、燃料に接触する抵抗器の表面積をmとすると、以下の数3を用いてこの特定を行う工程とをさらに含む。
Figure 0005898208
本発明は、図面に示された特定の実施例に基づき、以下でより詳細に説明される。
混合燃料におけるエタノールとガソリンの比率の関数として臨界出力の変化を表すグラフ 本発明の1つの種類による燃料特定システムの模式外観図 本発明によって取り扱われる燃料特定方法で使用される加熱抵抗器への段階的な出力付与工程を示すグラフ 本発明によって取り扱われる燃料特定方法およびシステムに基づき、加熱抵抗器に付与される出力の段階的な変化と抵抗器に送られて測定された電流の変化を示すグラフ 加熱器から液体への熱流量と温度の変化の関係を示す液体沸騰曲線
本発明による、フレックス燃料型自動車での燃料組成を特定するシステムおよび方法は、臨海熱流量の概念に基づく。流体は沸点まで加熱されると、様々な加熱相を通過して自然熱対流から気泡を伴う加熱状態となり、加熱表面と流体との間に膜が形成される。これらの相は、加熱器から流体への熱の流れに関する図5のグラフに示される。このことは原則的に、燃焼エンジンによって燃焼される燃料に適用される。燃焼エンジンとは、ヒートインジェクタ、加熱プラグ又は単なる加熱器と呼ばれる抵抗器によって加熱されるものである。加熱が行われると、流体燃料は加熱抵抗器と同じ環境に置かれて、加熱抵抗器と直接的に接触する。結果的に、抵抗器の表面と燃料との間で熱が移動する。
熱移動が所定の値に到達すると、加熱抵抗器の加熱表面と流体燃料との間に、蒸気膜が形成し始める。そのとき、抵抗器の表面における温度が急激に上昇する。蒸気膜の形成開始時に本現象が生じる点は、図5に示されるグラフの点Cで特定されるように、最大臨界熱流量として知られる部分に対応する。点Cは、熱流量グラフにおける最大臨界点である。このとき、抵抗器から流体への熱流量の挙動が変化し、結果的に、抵抗器の温度が変化する。臨界熱流量は、以下の数4により計算することができる。
Figure 0005898208
ここで、q’’Maxは最大臨界熱流量(W/m)、hfgは気化潜熱、ρvは蒸気密度、ρlは液体密度、σは表面張力、gは重力である。
抵抗器が加熱を続けると、図5のグラフにおいて2つの点を結ぶ矢印で示されるように、熱流量は点Cから点Eに移行する。
液体沸騰のグラフにおける別の臨界熱流量点は最小熱流量であり、図5のグラフの点Dに対応する。この最小熱流量の値は通常、液体が過熱されるとともに冷却処理されるときに実現される。このとき、グラフにおいて右から左へ逆の経路を辿るようにして、温度が徐々に下がる。
点Dは、例えば加熱抵抗器の加熱表面が蒸気泡によって完全に覆われているときに対応する。加熱抵抗器の温度の値が点Dよりも高く、かつ抵抗器に送られる電力によって減少されると、(図中で点から点Dの区間に示されるように)熱流量は着実に減少する。点Dの前方から、抵抗器に送られる電力が減少し続けると、熱流量は、点Cに対応する最大熱流量値を経由することなく、図5における2つの点を結ぶ矢印で示されるように点Dから点Fに直接移動する。したがって、電力が減少すると、最小熱流量点である点Fに到達するまで熱流量が減少するとともに、抵抗器の表面温度も急激に減少する。
臨界熱流量点は、気化潜熱、表面張力、密度といった加熱される物質の特定の物理的特性に依存する。その結果として、この概念は本発明に適用される。これにより、臨界熱流量点の値は異なり、かつ燃料組成のそれぞれの種類に対して特異的であり、それぞれの物質の特性に依存するとの結論に至る。この場合、臨界熱流量は、エタノールとガソリンの比率の関数として変化することや、燃料混合物における溶剤や水の存在の関数として変化することがある。
熱流量の単位は、W/mで表される。これは、最大臨界点(C)および最小臨界点(D)において、Wが加熱抵抗器に供給される最大又は最小の「臨界出力(critical power)」であることを意味し、またこれらは、熱を放散する加熱抵抗器の「領域」によって分割される。この領域は、加熱されている燃料に接触する加熱抵抗器の表面に対応する。加熱抵抗器が、伝熱領域mに相当する接触表面を有することを考慮すると、燃料の種類は、最大および最小の臨界出力値によって決定されることとなる。これより、燃料組成はガソリンに混合されるエタノールの量によって変化するため、臨界熱流量点に対応する臨界出力値は、図1に示すように結果として、燃料混合物におけるエタノール比率の関数としても変化する。混合物におけるエタノール量が多くなると、最大および最小の臨界出力値は大きくなる。
一般的に知られるように、現在のブラジル市場で販売されているガソリンには、特定のエタノールが常に含有されている。エタノール量の少ないガソリンはE22と呼ばれ、組成物内の22%がエタノールである。図1のグラフに示すように、最も小さい臨界出力値は、いくつかの国で使用されている純ガソリンを構成する燃料に対応する。しかしながら、本発明は、エタノール量の少ないガソリン(E22)における最も小さい臨界出力を考慮する場合にも利用することができる。図1に示される最も大きな臨界出力値は、純エタノールを構成する燃料に対応する。中間の値は、異なる混合比に対応する。燃料内におけるエタノール量が少なくなると、本発明で取り扱うシステムにより発見される最小の臨界出力は小さくなる。
図2は、本発明の1つのモードに従って配列された燃料特定システムの模式外観図であり、自動車におけるフレックス燃料型の燃焼エンジンに適用される。本システムは、少なくとも1つの燃料加熱抵抗器3を備える。燃料加熱抵抗器3は、燃料タンク内や燃料ライン1沿いなど、燃料ルート沿いのあらゆる位置に配置しても良く、燃料2に直接接触して熱交換を行う。本発明の好ましいモードにおいては、加熱抵抗器3は、燃料注入パイプ内に取り付けられる。蒸発後の燃料ボリュームや蒸発に要する時間というのは、システムの機能に影響しないため、加熱抵抗器3を既知の燃料ボリュームを有する容器内に配置する必要はない。
システムは、抵抗器3に接続される電子制御ユニット4を備える。電子制御ユニット4は、制御した出力の熱を抵抗器3に付与することで抵抗器3を加熱して、燃料内で熱を放散させる。
システムはさらに、加熱抵抗器3に関するパラメータ用の計測デバイス6を提示する。計測デバイス6は観察され、システムが最大又は最小の臨界出力に到達したことを特定するための基準として使用される。最大又は最小の臨界出力は、使用中の燃料の最大又は最小の臨界熱流量に対応する。加熱抵抗器のパラメータによって測定された値は、このパラメータの変化を観察する電子制御ユニット4に送られる。
最大又は最小の臨界出力を示す抵抗器のパラメータは、抵抗器の電流(あるいは抵抗又は電圧)と抵抗器の温度である。また、抵抗器に付与される出力値は、それぞれの時間間隔tにおいて一定である。よって、付与される出力が最大臨界出力よりも小さいときには、抵抗器に送られる電流および抵抗器の温度の値も同じ時間間隔tにおいて一定である。しかしながら、最大臨界出力が得られたときにはその両方のパラメータが急激に変化する。本発明の目的であるシステムが支持する主要な見地(ground)は、観察される抵抗器のパラメータにおいてこのような変化を検知する工程と、そのときに抵抗器に付与される出力がその燃料組成における最大臨界出力であることを特定する工程と、結果的に対応する燃料組成を特定する工程とで構成される。
観察されるパラメータが抵抗器3に送られる電流である場合には、システムに用いられる計測デバイスは電流メータである。この場合、加熱抵抗器は、抵抗値が温度の関数として可変なPCT又はNTCの特性を有する抵抗器である必要があるため、温度センサの使用は回避される。これは、最大臨界熱流量に到達すると、加熱抵抗器の周囲に燃料の蒸気膜が形成されることで液相の燃料から抵抗器が絶縁されて、結果的に急速な加熱が生じ加熱抵抗器の抵抗が変化するためである。電子制御ユニットによって抵抗器に付与される出力はそれぞれの時間間隔tにおいて一定であるため、この時間間隔の間において加熱抵抗器3の抵抗が変化すると、加熱抵抗器3に送られる電流が急速に変化することとなる。抵抗器に送られる電流計測時のこの変化は、最大臨界出力が得られたことを示す。
観察されるパラメータが抵抗器3の表面温度である場合には、システムに用いられる計測デバイスは、抵抗器の温度センサである。加熱抵抗器の周囲に燃料の蒸気膜が形成されると、液相の燃料から抵抗器が絶縁されて、抵抗器は、液体の代わりに蒸気と熱交換を行う。燃料相においてこのような転換が起こることによって、熱伝達率に変化が生じ、結果的に、抵抗器の表面温度を変化させることとなる。この場合には、PCT又はNTCの特性を有する抵抗器と同様に、抵抗値が固定の加熱抵抗器を用いても良い。このように、本発明のこのモードにおいては、抵抗器において測定される温度変化により、最大臨界出力が得られたことが示される。
燃料が加熱されているときに、電子制御ユニット4は、同一の予め定められた時間間隔の間、一定の出力値を抵抗器に付与する。本発明の好ましいモードにおいては、図3のグラフに示すように、付与される出力値は、連続するそれぞれの時間間隔tnにおいて階段状に安定的に増加している。
最も小さな初期出力値は、図1に示すように、ガソリンのみを含んだ燃料における最大臨海出力値よりも小さくしなければならない。燃料がない場合に初期出力を付与すると、抵抗器の電流および温度の計測に変化が現れて、燃料内にセンサが浸漬していないとシステムが判断し、燃料検知工程を中止して、加熱器のスイッチを切る。システムによって付与可能な最大出力値は、図1に示すように、エタノールのみを含む燃料における臨海出力よりも必ず大きくしなければならない。
付与される初期出力は、純ガソリン又は最小限のエタノールを含有するものに対応する最小臨海出力よりも小さくしなければならない。出力は、次の式:W(t+1)=W(t)+Xにより、それぞれの時間間隔において同じ増分値Xずつ増加することが好ましい。
出力値が純エタノールにおける最大値と純ガソリンにおける最小値の間の中間レベルであれば、ガソリンとエタノールの中間混合物に対応する。増分値Xは、設計段階においては、燃料を特定する際に必要とされる精度の関数として決定される。Xの値が大きくなるほど、システムの精度は下がる。しかしながら、Xの値を小さくすれば、システムが燃料特定に対して非常に精度の良いものとなる場合がある。
温度および抵抗器に送られる電流の値は、時間間隔tnにおけるこれらの値の変化を観察している電子制御ユニット4に着実に送られる。同じ時間間隔における電流又は温度の値が一定であるということは、問題となっている燃料の最大臨界出力に未だ到達していないことを意味するため、次に、電子制御ユニットは次の間隔における出力をXだけ上昇させる。このような出力レベルの上昇は、抵抗器にて測定される温度および電流を比例的に上昇させるが、上昇した値は次のステップにおいて一定となる。このような挙動は、図4のグラフに示される。図4は、抵抗器に付与される出力レベルの変化と、最初の3つの時間間隔における出力の上昇に対応する抵抗器の電流の比例的な変化を示す。
図4に示すように、電子制御ユニット4が時間間隔tn(この場合n=4)における加熱抵抗器の電流値の変化を検知すると、このときに付与されている出力値が燃料組成における最大臨界出力値であることが特定される。この臨界出力は、次の臨界熱流量の数5に基づいて計算される。
Figure 0005898208
ここで、q’’Maxは最大臨界熱流量、Wは抵抗器に付与される出力、mは燃料に接触する抵抗器の表面積である。
式IIを、上述した式Iと同じレベルにもたらすと、最大臨界熱流量に直接的に比例する最大臨界出力が、それぞれの燃料の種類において固有のものであるとの結論が導かれる。このように、燃料に接触している抵抗器の表面(m)は設計時に固定および決定されるため、電子制御ユニットは、時間間隔において抵抗器に付与される最大臨界出力Wの関数として燃料組成を特定することができる。
好ましくは、電子制御ユニット(4)は、それぞれの燃料組成とそれらの混合物における最大および/又は最小の臨界出力値を含んだメモリを有する。これらの値は、本明細書に記載の式Iおよび式IIに基づいて前もって計算され、電子制御ユニットが臨界出力値に到達したことを特定したときにアクセスするデータベースに登録される。このとき、電子制御ユニット4は、もし特定されていれば、燃料組成が特定される瞬間に対応する最大臨界出力の値又はその最大出力よりも少し大きな値に注意しながら、抵抗器に出力を送り続ける。
これは、本発明の主な目的が燃料消費を少なくしながら燃料をより速く加熱することだからであり、それぞれの燃料組成における最適な加熱温度を発見することを通じて燃料組成を特定する。この蒸気膜が形成される温度のすぐ下にある温度範囲にて燃料を加熱するように動作することがシステムにとっては有利である。膜が形成されると、抵抗器は蒸気と熱交換を行い始めるが、この熱交換は液体燃料との熱交換に比べると困難なものであり、燃料の効率性は低い。よって、最適な加熱温度は、燃料が液体状態のままである温度の中では最も高い加熱温度である蒸気形成温度のすぐ下にある。このように、最も速い加熱レートが、場合によっては最大の燃料効率性とともに実現される。臨界熱流量は、抵抗器に付与される出力に直接的に比例し、燃料に接触する抵抗器の表面積に反比例する(式II)。よって、本発明が取り扱うシステムを既に市場に出ている自動車のコールドスタートアップシステムによって課される制約に合わせるようにするため、燃料に接触する抵抗器の表面積のパラメータを設計段階で調整する場合がある。知られているように、これらのシステムは、抵抗器に付与されうる最大の電圧および出力の値という観点で制約を課す場合がある。このように、現存のスタートアップシステムによって課される電圧および出力の制約以内であっても、ハードウェアやソフトウェアへの適応を必要とすることなく、ガソリンとエタノールのあらゆる組成における臨界出力層(critical power bracket)の全体の中でシステムが動作することができるようにするために、燃料に接触する抵抗器の表面積の値を前もって決定する。
本発明が取り扱うシステムは、燃料に混入が生じたかどうかを特定するためにも用いることができる。ガソリンに溶剤が混入した場合には、溶剤の特性によって最大臨界熱流量の値が低下する。このことは、最大臨界出力が、エタノール含有量の最も少ないガソリンに対応する図1のグラフに示される最小臨界出力よりも小さくなることを意味する。
エタノールに水が混入した場合には、最大臨界熱流量の値が増加するため、発見される最大臨界出力は、純ガソリンに対応する最大臨界出力よりも大きくなる。このようにして、電子制御ユニットは、燃料の最大臨界熱流量に対応する出力が、ガソリンのみを含む燃料の最大臨界熱流量に対応する出力よりも小さくなるとき、又はエタノールのみを含む燃料の最大臨界熱流量に対応する出力よりも大きくなるときに、燃料に混入が生じたことを特定する。
本発明は、自動車燃焼エンジンのための燃料組成特定方法も取り扱う。この方法は、既に本明細書で説明した工程を原則的に含む。これらの工程は、以下でより詳細に説明するが、本明細書に記載の臨界熱流量点の概念および正当な燃料タイプの車の燃料組成を特定する際の用途に基づいて解釈しなければならない。
本方法の第1の工程は、燃料2に直接的に接触するように燃料タンク内に又は車の燃料ライン沿いに設けられた燃料加熱抵抗器3へ制御された出力値を与えることを含み、燃料加熱抵抗器3は燃料注入パイプ内にあることが好ましい。燃料は加熱抵抗器3と接触して互いに熱交換を行うことで加熱される。この燃料加熱工程では、同一の予め定められた時間間隔tnにて抵抗器3へ一定の出力値が付与され、それぞれの時間間隔tnにおいて加熱抵抗器3のパラメータが測定される。加熱抵抗器3のパラメータは、抵抗器3に送られる電流や抵抗器の表面温度であっても良い。この測定工程は、電流の測定で構成されるときは、抵抗器電流メータを通じて操作され、抵抗器の表面温度を測定するときは、温度センサを通じて操作される。
(電流又は温度のいずれかに関連する)測定される抵抗器パラメータの値はそれぞれの時間間隔tnにおいて観察されるが、付与される出力が一定であるため、抵抗器パラメータの値もそれぞれの間隔で一定となるはずである。抵抗器パラメータの値における変化が時間間隔tnにおいて検知されると、本方法は、燃料組成を特定する工程に移行する。この工程は以下の方法により行われる。
そのときに抵抗器に付与される出力の値は、そのときの燃料組成における最大臨界出力とみなされ、次の数6によれば、当該燃料組成の最大臨界熱流量に対応する。
Figure 0005898208
ここで、q’’Maxは最大臨界熱流量、Wは抵抗器に付与される最大臨界出力、mは燃料に接触する抵抗器の表面積である。
これより、発見される臨界出力値に対応する燃料組成を発見すれば十分である。
抵抗器に付与される出力の値は、次の式:W(t+1)=W(t)+Xにより、それぞれの連続的な時間間隔tnで増加することが好ましい。Xはそれぞれの時間間隔にて加算される出力の増分値である。
このような出力の連続的な増加は、最大臨界出力が得られるまで続く。このことは、抵抗器に付与される出力が、燃料組成の特定時において最大臨界熱流量に対応する値又は臨界出力よりもわずかに上の値にて維持されるということを意味する。
燃料組成を特定する工程は、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界出力値を含んだプログラム済みのメモリを参照することにより行われることが好ましい。これらの値は、このデータベースに保存されている式Iおよび式IIを用いて前もって計算される。
本発明が取り扱うシステムおよび方法は、出力値がそれぞれの時間間隔tnにおいて一定である次の用途を利用することができる。その用途とは、エタノール含有量が最も多い燃料(通常は純エタノールに対応)に対応する最大臨界出力値よりも大きな出力値から始まり、最小臨界熱流量に対応する最小臨界出力値(図5の点D)に到達するまで、出力値が漸進的に小さくなっていくものである。このように、それぞれの連続的な時間間隔tnにおいて、付与される出力は、次の式:W(t+1)=W(t)―Xに従って小さくなる。Xは、それぞれの時間間隔における出力の差分値である。
このような連続的な出力の減少は最小臨界出力に到達するまで続く。そして、観察される抵抗器において、電流又は温度が変化しない一定の挙動が観察される。これは、抵抗器に付与される出力が図5の点Dで特定される臨界出力よりも大きくなるときに生じ、同じ時間間隔tnにおいて温度および電流が大幅に変化する。出力が点Dの最小臨界値又はそれよりもさらに小さい値であって、点D、Fの最小臨界熱流量に対応する値よりも小さな値に到達するときは、温度および電流は、時間間隔tnにおいて一定のままである。この現象は、出力が着実に小さくなって、熱流量が図5に示す点Eから点Dへの経路をたどり、その後、点Cを経由せずに点Fに直接到達するときに生じる。最小臨界出力よりも小さいこの出力層は、図5のグラフの点D又は点Fよりも前の出力および温度の値に対応し、この段階においては、抵抗器表面での電流および温度の値は一定の出力値に対して一定のままである。本方法およびシステムが、抵抗器の電流出力又は抵抗器の温度が一定のままであることを特定すると、抵抗器に送られる電流出力が既に最大臨界出力よりも小さくなっていることを意味する。このように、本発明のこのモードにおいては、燃料組成を特定するための基礎として用いられる臨界出力は、前の時間間隔t(nー1)において抵抗器に付与されるものであって、W(tn)+Xに等しい。
燃料組成の特定は、抵抗器の電流又は表面温度の変化の挙動を特定するということにのみ基づいて行われることで、燃料組成を特定するために、回路や燃料における各種の電気的な又は物理的なパラメータを正確に測定する必要がない。測定する必要があるパラメータは制御ユニットによって抵抗器に付与される出力のみであるため、結果的に、重大な測定エラーによる影響を受けない。
電流又は温度の変化にのみ基づいて燃料組成を特定することで、本発明が取り扱うシステムおよび方法は、用いられるデバイスの分解(resolutions)での制限から生じる測定誤りや、そのようなデバイスにおける同様の欠陥から影響を受けにくくなり、さらに、小さな制作公差から生じるデバイスの物理的および電気的な特性における非常に頻度の高い変化からも影響を受けなくなる。本発明が取り扱う方法は、フレックス燃料型エンジンに利用される燃料混合物以外の流体の組成を特定するためにも用いられる。
流体の組成を特定する本方法は、以下の方法により行われる。
制御された出力値が、特定されるべき流体に接触している加熱抵抗器に付与される。流体は容器に収容されている。同一の予め定められた時間間隔(tn)において、一定値の出力が抵抗器に付与される。加熱抵抗器に接触している流体は互いに熱交換を行うことで活性化されて、加熱される。流体が抵抗器によって加熱されている間、加熱抵抗器のパラメータが測定される。測定される加熱抵抗器のパラメータは、時間間隔(tn)において抵抗器に送られる電流や、抵抗器の表面温度であっても良い。
それぞれの時間間隔tnで測定される加熱抵抗器のパラメータの値を観察することで、ある時間間隔で抵抗器のパラメータの値における変化が検知されるときに、そのときの時間間隔に抵抗器に付与される出力から生じる最大臨界熱流量に対応した流体の組成が特定される。この特定は、次の数7により行われる。
Figure 0005898208
ここで、q’’Maxは最大臨界熱流量、Wは抵抗器に付与される最大臨界出力、mは燃料に接触する抵抗器の表面積である。
本発明の望ましい実現例について記載したが、本発明の範囲には、付属の特許請求の範囲の内容によってのみ限定される他の改変および均等なものも含まれると理解すべきである。

Claims (13)

  1. 自動車燃焼エンジンのための燃料(2)組成特定システムであって、
    燃料タンク内又は燃料ライン沿いに配置され、燃料と直接的に接触して熱交換を行う少なくとも1つの燃料加熱抵抗器(3)と、
    抵抗器(3)に接続され、制御された供給出力を抵抗器(3)に付与する電子制御ユニット(4)と、
    抵抗器(3)上の電流又は抵抗器の表面温度のいずれかである加熱抵抗器(3)のパラメータを測定し、測定した値を電子制御ユニット(4)に送る測定デバイス(6)とを備え、
    電子制御ユニット(4)は、メモリを備え、
    メモリには、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界熱流量q’’maxと、燃料に接触する抵抗器(3)の表面積m とを用いて、以下の数1から予め算出された、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界出力値Wが記憶されており、
    電子制御ユニット(4)は、予め定められた時間間隔(t)において抵抗器に一定の出力値を付与し、それぞれの時間間隔(t)において、測定デバイス(6)によって測定される加熱抵抗器(3)のパラメータの値を観察し、
    電子制御ユニット(4)が時間間隔(t)において加熱抵抗器のパラメータの値の変化を検知したときに、時間(t)に抵抗器に付与される出力が最大臨界出力Wであると判断し、メモリに記憶された最大臨界出力値Wを参照することにより、それに対応する燃料組成を特定する、システム。
    Figure 0005898208
  2. 測定デバイス(6)は、抵抗器上の電流を測定する電流メータであり、
    加熱抵抗器(3)は、温度の関数として可変な抵抗値を有する、請求項1に記載の燃料組成特定システム。
  3. 測定デバイス(6)は、抵抗器(3)の表面上の温度を測定する温度センサ(6)である、請求項1に記載の燃料組成特定システム。
  4. 電子制御ユニットにより抵抗器に付与される出力の値は、次の式:W(t+1)=W(t)+Xにより、それぞれの連続的な時間間隔(t)において増加され、Xはそれぞれの時間間隔にて加算される出力の増分値である、請求項1から3のいずれか1つに記載の燃料組成特定システム。
  5. 電子制御ユニット(4)は、抵抗器に付与される出力を、燃料組成の特定時において最大臨界熱流量に対応する値に等しい一定の値にて維持する、請求項1からのいずれか1つに記載の燃料組成特定システム。
  6. 電子制御ユニットは、燃料における臨界熱流量に対応する出力が、ガソリンのみを含む燃料の臨界熱流量に対応する出力よりも小さくなるとき、又はエタノールのみを含む燃料の臨界熱流量に対応する出力よりも大きいときに、燃料に混入が生じたことを特定する、請求項1からのいずれか1つに記載の燃料組成特定システム。
  7. 少なくとも1つの燃料加熱抵抗器(3)は、燃料レール内に配置される、請求項1からのいずれか1つに記載の燃料組成特定システム。
  8. 電子制御ユニット(4)は、エタノールの含有量が最大である燃料の最大臨界出力よりも大きな初期出力値を抵抗器(3)に対して付与し、その出力を、次の式:W(t+1)=W(t)―Xにより、それぞれの連続的な時間間隔(t)において減少させ、Xはそれぞれの時間間隔にて減算される出力の差分値であり、電子制御ユニット(4)は、時間間隔(t)の途中で加熱抵抗器パラメータの値が一定であることを検知したときに燃料組成を特定する、請求項1、2、3、5、6のいずれか1つに記載の燃料組成特定システム。
  9. 自動車燃焼エンジンのための燃料(2)組成特定方法であって、
    燃料(2)と接触するように燃料タンク内又は燃料ライン沿いに配置された燃料加熱抵抗器(3)に制御された出力値を付与する工程と、
    加熱抵抗器(3)に接触する燃料を、加熱抵抗器と熱交換させることにより加熱する工程と、
    抵抗器(3)上の電流および抵抗器の表面温度である加熱抵抗器(3)のパラメータを測定する工程とを含み、
    燃料加熱工程において、予め定められた時間間隔(t)の間、一定の出力値を抵抗器に付与し、
    それぞれの時間間隔tの途中で測定した加熱抵抗器(3)のパラメータの値を観察する工程と、
    時間間隔tの途中で抵抗器のパラメータの値が変化したことを検知したときに、その時間間隔に抵抗器に付与されている出力が最大臨界出力Wであると判断し、それに対応する燃料組成を特定する工程であって、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界熱流量q’’maxと、燃料に接触する抵抗器の表面積をmを用いて、以下の数2から予め算出された、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界出力値Wを含んだプログラム済みのメモリを参照することにより、この特定を行う工程とをさらに含む、燃料組成特定方法。
    Figure 0005898208
  10. 抵抗器に付与される出力の値は、次の式:W(tn+1)=W(t)+Xにより、それぞれの連続的な時間間隔(t)において増加され、Xはそれぞれの時間間隔にて加算される出力の増分値である、請求項に記載の燃料組成特定方法。
  11. 燃料組成特定工程後において、抵抗器に付与される出力は、燃料組成特定時において最大臨界熱流量に対応する値に等しい一定の値にて維持される、請求項9又は10に記載の燃料組成特定方法。
  12. 抵抗器(3)に対して付与される初期出力値は、エタノールの含有量が最大である燃料の最大臨界出力よりも大きく、その出力は、次の式:W(tn+1)=W(t)―Xにより、それぞれの連続的な時間間隔(t)において減少され、Xはそれぞれの時間間隔にて減算される出力の差分値であり、時間間隔(t)において加熱抵抗器のパラメータの値が一定であるときに燃料組成が特定される、請求項9から11のいずれか1つに記載の燃料組成特定方法。
  13. 流体組成特定方法であって、
    容器内の流体と接触する加熱抵抗器に制御された出力値を付与する工程と、
    加熱抵抗器に接触する流体を、加熱抵抗器と熱交換させることにより加熱する工程と、
    抵抗器上の電流および抵抗器の表面温度である加熱抵抗器のパラメータを測定する工程とを含み、
    流体加熱工程において、予め定められた時間間隔(t)の間、一定の出力値を抵抗器に付与し、
    それぞれの時間間隔(t)の途中で測定した加熱抵抗器(3)のパラメータの値を観察する工程と、
    時間間隔(t)の途中で抵抗器のパラメータの値が変化したことを検知したときに、その時間間隔に抵抗器に付与されている出力が最大臨界出力Wであると判断し、それに対応する流体の組成を特定する工程であって、それぞれの燃料組成およびそれらの混合物に対応する最大臨界熱流量q’’maxと、流体に接触する抵抗器の表面積をmを用いて、以下の数3から予め算出された、それぞれの流体に対応する最大臨界出力値Wを含んだプログラム済みのメモリを参照することにより、この特定を行う工程とをさらに含む、流体組成特定方法。
    Figure 0005898208
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