JP5897192B1 - チップアンテナ及びそれを用いたアンテナモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】チップアンテナとしての高い性能を得るとともに、それを用いたアンテナモジュールの厚みを抑えることのできるチップアンテナ及びアンテナモジュールを得る。【解決手段】鍔部とその上方に胴部とを有し、鍔部側の底面にのみ開放面を有する開口を設けた磁性体製のリベットコアを用意する。前記リベットコアの胴部に導線を巻回して、リベットコアの底面に導線を引き出す。引き出した導線を、リベットコア底面の電極面に接続し、小型低背のチップアンテナを得る。電子部品を載置した基板に、前記開口の内側に電子部品が収納されるように、前記チップアンテナで蓋をして、小型低背のアンテナモジュールを得る。【選択図】図4

Description

本発明はチップ型のアンテナ及びそれにICチップ等の電子部品を組合せたアンテナモジュールに関する。
従来、チップ型アンテナは、凸字状の磁性体製リベットコアの胴部に導線を巻回して作成していた。そして、このチップ型アンテナに別途ICチップやコンデンサ等の電子部品を組合せることで、アンテナモジュールを作成していた。
近年、このようなアンテナモジュールにおいて、小型低背化の要望が高まっており、特許文献1には、図11(a)、図11(b)に示すような、電子部品41を載置した基板42をチップ型アンテナ43の内部に収納することで全体を小型低背化したアンテナモジュール44が記載されている。
特許第3649128号
しかしながら、前記アンテナモジュール44は、使用するリベットコア45の胴部46に、電子部品41に導線47を繋ぐためのスリット48が設けられているため、前記アンテナモジュール44の水平方向の通信範囲を測定すると、図12に示すようにスリット48のある方は通信範囲が小さくなり、通信範囲が全方向に均等にならず、いびつな形になるという課題があった(第1の課題)。
また、リベットコア45の底をくり抜いて前記電子部品41と前記基板42を内包するため、その分前記胴部46の磁性体の体積が低下し、アンテナ性能が低下するという課題があった(第2の課題)。
したがって、本発明の課題は、小型低背であり、アンテナ性能の低下を抑えた、水平方向の通信範囲が均等であるチップアンテナ及びそれを用いたアンテナモジュールを提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を採用すれば、厚みを抑えながら、水平方向の通信範囲が均等に広がるチップアンテナ及びアンテナモジュールを得られることを見出した。
柱状の胴部及びその一方の端面から板状に張り出した鍔部からなる磁性体製のリベットコアと、前記胴部に巻回された導線とからなるチップアンテナにおいて、前記鍔部側の面にのみ開放面を有する開口を設けたことを特徴とするチップアンテナとすることにより、胴部及び鍔部において、それらの側面及び上面は、開口に通じる切欠き又はそれに類するものがない構造となる。
さらに、前記胴部及び前記鍔部が、略正方形状の外郭形状を有するチップアンテナとすることにより、正方形の設置面において、最大限、リベットコアを大きくすることができる。なお、本発明において、「外郭形状」とは、胴部又は鍔部の水平方向の断面形状のうち、最外周の輪郭線の形状を意味する。
さらに、前記胴部の水平断面において、前記胴部の外周部と前記開口の内周との距離が、すべて均一であるチップアンテナとすることにより、チップアンテナの胴部で収束させる磁束は、水平方向に均一に広がる。
さらに、前記鍔部が、その一部に切欠き部を有するチップアンテナとすることにより、胴部に巻回した導線を切欠き部から鍔部裏側に引き出すことができる。
さらに、前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前記切欠き部に通して、前記リベットコアの裏面側に延出させるチップアンテナとすることにより、導線の巻き始め及び/又は巻き終わりの引き出し線が、鍔部がなす形状より外側に飛び出すことがなくなる。
さらに、前記切欠き部が、前記鍔部の角部にあるチップアンテナとすることにより、切欠きによる性能の低下を小さくすることができる。
さらに、前記鍔部が、前記リベットコアの方向を定めるための位置決め部を有するチップアンテナとすることにより、巻き始め、巻き終わり、電極の位置等の方向性を容易に判別できる。
さらに、前記開口が、略直方体であるチップアンテナとすることにより、一般的に直方体である電子部品を収納しやすくなる。なお、本発明における「開口」とは、「磁性体内部をくり抜いた空洞部分」を意味する。
電子部品を上面に載置している基板と、前記基板の上に載置される柱状の胴部及びその一方の端面から板状に張り出した鍔部からなり前記鍔部側の面にのみ開放面を有する開口を設けた磁性体製のリベットコア及び前記胴部に巻回された導線とからなるチップアンテナとからなり、前記開口の内部に前記電子部品を収納してなるアンテナモジュールとすることにより、アンテナモジュールに必要な部品を1個にまとめて、高さと設置面積を抑えたコンパクトなアンテナモジュールを得ることができる。
さらに、前記基板が、前記鍔部の外郭形状と略同一の外郭形状を有するアンテナモジュールとすることにより、アンテナモジュールの設置面積を最小限に抑えることができる。
さらに、前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前記切欠き部に通して、前記リベットコアの裏面側に延出させるアンテナモジュールとすることにより、導線は、アンテナモジュールよりも外側に突出することがなくなる。
さらに、前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前記リベットコアの裏面に設けられたコア側電極に電気的に接続されるアンテナモジュールとすることにより、チップアンテナ部分を基板に面実装して一体化することが可能になる。
さらに、前記導線が、前記コア側電極を介して前記基板に電気的に接続されるアンテナモジュールとすることにより、導線を基板に直接接続する必要がなくなる。
本発明によると、電子部品にチップアンテナが覆い被さることにより、アンテナモジュールを小型低背化できるという効果がある。また、開口の開放面が鍔部側の底面のみであることにより、胴部に切欠きやスリットがない形状となるため、水平方向の通信範囲を均等にすることができる効果がある。
本発明に用いるリベットコアの表側を示す斜視図。 本発明に用いるリベットコアの裏側を示す斜視図。 図1(a)のリベットコアのA−A’断面を示す断面図。 本発明に係るチップアンテナを示す斜視図。 本発明に係るアンテナモジュールを示す組立斜視図。 本発明に係るアンテナモジュールを示す斜視図。 本発明に係るアンテナモジュールとカバーを示す組立斜視図。 本発明に係るチップアンテナの通信範囲を示す上面図。 鍔部に切欠きのないリベットコアの巻始めを示す断面図。 鍔部に切欠きを有するリベットコアの巻始めを示す断面図。 本発明に係るアンテナモジュールを示す断面図。 公知例のアンテナモジュールを示す斜視図。 図11(a)のアンテナモジュールのB−B’断面を示す断面図。 公知例のチップアンテナの通信範囲を示す上面図。
本発明に係るチップアンテナ及びそれを用いたアンテナモジュールを製造するための形態について、例を挙げて説明する。なお、一部の図面は、ある箇所を強調するため又は説明しやすくするために、発明の本質に影響しない程度に大きさ、形状等を変更したり簡略化したりして表現している。
まず、図1(a)、図1(b)に示す磁性体製のリベットコア1を用意する。前記リベットコア1は、外郭形状が略正方形の鍔部2の上方に外郭形状が正方形の胴部3が設けられている。さらに、鍔部側の底面4にのみ開放面5を有する水平断面が正方形の開口6が設けられており、底面4には、コア側電極7が設けられている。
図2に示すように、前記リベットコア1の各部位の長さは、鍔幅cを5.5〜9.5[mm]、胴幅bをb=c−0.8〜2[mm]、コア厚さdを0.7〜4.0[mm]、鍔厚fを0.3〜0.8[mm]とし、好ましくは鍔幅cと胴幅bとの比A2=b/cが0.8<A2<0.9、コア厚さdと鍔厚fとの比A4=f/dが0.18≦A4<0.45となるように製造する。鍔幅cが胴幅bよりも2[mm]を超えて大きくなると、後述する電極面と導線とを接続する際に、鍔部2の強度が足りずに破損してしまう。逆に、鍔幅cと胴幅bとの差が0.8[mm]未満となると、導線をリベットコア1に巻回するスペースが確保できなくなり、必要なインダクタンスを得られず、目的のチップアンテナが得られなくなる。なお、本発明において、「開口幅」、「胴幅」、後述する「鍔幅」とは、外郭形状又は開放面の形状が略正方形の場合はその一辺の長さを、円形の場合はその直径の長さを、それ以外の形状の場合はその形状と同じ面積の円の直径の長さを意味する。また、[mm]という表記は、その直前の数値又は数式の単位がミリメートルであることを示す短縮表記である。
また、開口の大きさは、最低限、後述する電子部品を1個以上収納できる大きさであればよいが、開口幅aをa=b−1〜2[mm]、開口深さeをe=d−0.5[mm]、好ましくは、前記胴幅bと前記開口幅との比A1=a/bが0.6<A1<0.8、前記コア厚さdと前記開口深さeとの比A3=e/dが0.25<A3<0.75となるようにする。開口幅aと開口深さeが大きすぎると胴部が薄くなり、後述の工程に必要な強度が得られず、破損するおそれがある。さらに、胴部3の磁性体量が少なくなるため、必要なアンテナ性能が得られなくなる。逆に小さすぎると、アンテナ性能と強度は高まるが、開口6の内部に電子部品を収納できなくなる。
ここで、胴部を水平に切断した断面において、外周部と内周部との距離(壁厚さ)gが一定でない場合、磁性体の量に偏りが生じてしまう。磁性体の量が偏ったリベットコアを用いてアンテナを作成すれば、水平方向に通信できる距離に偏りが生じてしまう。したがって、開口は、胴部の外周部と開口の内周部との距離(壁厚さ)gが、そのすべてにおいて等しい距離となるようにするのが好ましい。
前記鍔部2の角部8にのみ、切欠き9を設けておくのが好ましい。また、前記切欠き9は、最低限、導線を通すことができる大きさであればよいが、角部8における前記胴部3と前記鍔部2との境界点10まで到達する大きさの正方形とするのが好ましい。胴部3の付け根部分である境界点10にまで達する切欠きにより、後述する巻き方が可能になる。
前記切欠き9は、任意の個数を鍔部2に設けることができるが、好ましくは、4つの角部8のうち3箇所である。3箇所とすることにより、導線の両端をそれぞれ別の切欠き9から底面側に通すことができるとともに、鍔部2に方向性が生じ、製造時に上下左右の取り違いを防ぐことができる。
前記リベットコア1の材質は、フェライト(Ni−Zn、Mn−Zn)、鉄粉、圧粉、Ni−Zn系、Mn−Zn系といった磁性体を使用することができる。前記リベットコア1は、このような粉末材料を、上記の形状にプレス成型して、800〜1000℃で焼成して得られる。リベットコアの形成方法は、図示しないが、胴部・鍔部・開口を全て一度にプレス成型する、胴部と鍔部を一体成型したものを削って開口を設ける、複数のパーツに分割して成型・焼成したものを接着して成形する等の方法を選択できる。
次に、図3に示すように、切欠き9を通して胴部3と鍔部2に沿って導線11を巻き始め、その後、順次胴部3に導線11を巻回する。この巻き方により、リベットコア全体の厚さを大きくすることなく、目標とする巻き数を得ることが可能になる。さらに、開口の分だけリベットコアに使用する磁性体の量が減ることによるアンテナ性能の低下を抑制することができる。導線は、例えばウレタン、ビニール、ポリイミド等で絶縁被覆した銅を使用できる。
前記胴部3に前記導線11を巻回した後、その両方の端部12は、後述する基板に直接、接続しても良いが、好ましくは、底面4に形成したコア側電極7に、圧着やはんだ付け等の方法により電気的な接続を行う。前記導線11の端部12をコア側電極7に固定することで、チップアンテナ13が完成する。
次に、前記チップアンテナ13を用いてアンテナモジュールを製造する。図4に示すように、ICチップやコンデンサ等の電子部品14を載置した基板15を用意する。ただし、前記電子部品14は、その全てが前記開口6の内側に収まるように配置される。このとき、前記基板15には、前記チップアンテナ13のコア側電極7に対応した位置に、基板側電極16を設けておく。前記チップアンテナ13を、前記電子部品14に蓋を被せるようにして前記基板に載置し、基板側電極16と前記導線11及び/又は前記コア側電極7とを圧着やはんだ付け等によって電気的に接続し、チップアンテナ13と基板15とを固定する。これにより、チップアンテナ13から導線11を引き出して基板15に接続する必要がなくなり、導線11と基板15とを電気的に接続するのが容易になる。以上の手順により、図5に示すアンテナモジュール17が完成する。
なお、量産化するにあたって、製品保護のため、図6に示すアンテナモジュール17にカバー18をかぶせることが好ましい。カバー18は、プラスチックや樹脂等の非磁性体の材質を使用するのが望ましい。非磁性体とするのは、磁性体を素材としたカバーを使用すると、通信のための磁界が閉磁路を形成してしまい、通信距離が著しく短くなってしまうためである。前記カバー18は、リベットコア全体を覆うような形状にしてもよいし、前記胴部3の上に載置する形状のもの(図示なし)であってもよい。
このようにして得られた本発明のチップアンテナ13及びそれを用いたアンテナモジュール17の効果について説明する。一般に、磁性体製のコアに導線を巻いたチップアンテナの性能(X)は、巻き数(N)と導線が巻かれている磁性体の体積(V。以下、「有効体積」という。)に定数(C)をかけた値からなる評価式(X=N×V×C)で評価される。したがって、以下、巻き数N及び/又は有効体積Vの大小によって、アンテナ性能の高低を評価する。
まず、開放面5がリベットコア1の底面4のみである効果について説明する。図11(a)、図11(b)に示す特許文献1のアンテナモジュール44は、胴部46に開口49に通じるスリット48が設けられている。このスリット48により、胴部46の外郭形状は、円形ではなく、大きく窪んだ形状となっている。
一般的に、アンテナモジュールの通信範囲は、信号の強度に応じて等高線のようにして描かれるが、その形状が円形に近ければ近いほど良いとされる。前記アンテナモジュール17の水平方向の通信範囲は、図12に示すように、スリット48のある方が凹んだ形状となっており、方向によって通信範囲が安定していない。また、スリットの大きさは、最小でも導線が通る大きさまでしか小さくできないため、アンテナモジュールを小型にしていくにつれて、胴部に対してスリットの占める比率は大きくなり、前述した通信範囲への影響は大きくなる。通信範囲が安定していないと、アンテナモジュール17を通信範囲内に置いたつもりであっても、通信の信号を正しく送受信できなかったり特定の状況でしか通信できなくなったりしてしまう。さらに、胴部にスリットがあることによって、有効体積Vが減少する。
しかし、図7に示す本発明のアンテナモジュール17の水平方向の通信範囲は、アンテナに近い方は角の丸い正方形状をしており、アンテナから遠ざかるにつれてきれいな円形に近づき、安定している。そのため、安定して信号を送受信できるようになる。また、スリットがない分だけ有効体積Vが大きくなるため、開口部による有効体積Vの減少を最小限にとどめることができる。したがって、本発明のアンテナモジュール17は、開口を設けたことによるアンテナ性能の低下を最小限とすることができる。
次に、鍔部に設けた切欠きの効果について説明する。図8、図9は、胴部3に導線11を巻回したチップアンテナ13の、角部8の周辺の断面図を表している。この2つの図における導線は、11a→図面奥→11b→図面手前→11c→図面奥→11d→・・・を繰り返して巻回されている。また、図8、図9に示したチップアンテナ13は、切欠き9の有無以外の、胴幅b、鍔幅c、コア厚さd、鍔厚さf、導線の線径等は同一である。
切欠きのない鍔部2を有するリベットコア1を使用する場合、図8に示すように、鍔部2の上を通って導線11を導入して巻き始める。この方法では、前記導線11の導入部11aが鍔部2の上にあり、前記導入部11aが導線11を邪魔してしまうため、導線を巻ける回数(巻き数)が7回と少なくなる。
しかし、切欠き9を有する鍔部2を有するリベットコア1を使用する場合、図9に示すように、切欠き9から導線11を導入して巻き始めるため、鍔部2の上には導入部11aが存在せず、巻回した導線11の邪魔をしないため、導線の巻き数が9回となり、切欠き9がない場合よりも2回分多くできる。この巻き方を採用することによって巻き数を増やせる効果は、鍔幅cやコア厚さdが小さいという物理的制約のために巻き数を多くできない、例えば巻き数Nが30回以下である、本発明のような小型低背のアンテナにおいて、より顕著に表れる。
巻き数Nが30回以下の場合において、それを2回増やすことができる効果について、前記評価式を用いて説明する。本発明における巻き方を採用すると、有効体積Vを一定としたままで巻き数を増やすことができるため、巻き数Nの増加率がそのままアンテナ性能Xの向上率となる。例えば、図8と図9に示したようにNが7回から9回に増加した場合、アンテナ性能Xは、9÷7≒1.2857より、約28.6%向上したことになる。また、巻き数Nが28回から30回に増加した場合であっても、30÷28≒1.0714より、約7.1%向上したことになる。したがって、巻き数Nが少ない場合において、それを2回増やすことができると、アンテナ性能Xは、約7〜29%程度向上させることができ、向上する割合は、巻き数が少ない方が大きくなるということである。
もし、同様の性能向上率を有効体積を増やすことによって得ようとすると、胴幅やコア厚みを同等に大きくしなければならないため、製品への設置面積やチップアンテナ全体の厚みが最大で約29%増加することになり、チップアンテナやアンテナモジュールを搭載しようとする製品の小型化が難しくなる。したがって、本発明の様に切欠きから導線を引き出して巻き始めることは、アンテナ性能を大きく向上させる。
次に、切欠きを設ける場所と影響について説明する。リベットコアにおいて、胴部は、アンテナ性能に直結する磁束の収束性能に大きく関係する。鍔部は、磁束を放出する方向に関係するが、磁束の収束性能には影響しない。したがって、特許文献1のように胴部に切欠きやスリットを設けると、上述のように通信範囲に大きく影響してしまうが、本発明のように鍔部のみに切欠きを設けることによって、アンテナ性能に影響を及ぼさないようにすることができる。
また、鍔部に切欠きを設けることによって、鍔部の輪郭線とほぼ一致する正方形の外側に導線の巻き始め及び/又は巻き終わりをはみ出させることなく鍔部の裏側に固定することができる。
次に、基板と、その上に実装した電子部品と、前記基板の上に載置されるチップアンテナとからなるアンテナモジュールを製造する効果について説明する。アンテナモジュールを製造する場合、電波を送受信するコイルやインダクタ等のアンテナ部と、受信した電波を処理するICチップやコンデンサ等の電子部品とから構成されるが、従来は、基板上に別々に載置されるため、広い設置面積が要求される。しかし、図5に示す本発明のように、電子部品にチップアンテナで蓋を被せる構造とすることにより、本発明に係るアンテナモジュールに必要な設置面積はチップアンテナ1個分だけとなり、アンテナモジュール全体としての設置面積を狭くすることが可能になり、チップアンテナを搭載する製品の小型化に貢献する。
ただし、このとき、図11に示す特許文献1のように、電子部品を載せた基板42の大きさが開口49よりも小さくなると、基板42ごと開口49の内部に収納され、一見すると省スペースに思えるが、前記基板42の厚みの分だけリベットコアのコア厚さd0を大きくする必要があり、薄型化が難しくなる。また、導線47と基板42とを接続するためにはリベットコア45の胴部46にスリット48を設ける必要があったり、アンテナモジュール44とそれを載置する基板(図示なし)との接続が煩雑になったりする。さらに、開口深さeを内包させる基板の分だけ深くする必要があるため、有効体積Vはその分だけ小さくなり、アンテナ性能Xが低下してしまう。しかし、図5に示す本発明のアンテナモジュール17では、基板15が、前記鍔部3の外郭形状と略同一の外郭形状を有することにより、導線11と基板15との接続の際に胴部3にスリットを設ける必要がなく、また、図10に示すように、アンテナモジュール17とそれを載置する基板15との接続がはんだ20を用いて容易に行うことができる。さらに、開口深さeは、基板に搭載される電子部品の高さの分だけで良いため、有効体積Vの減少を最小限とすることができ、アンテナ性能Xの低下を最小限にとどめることができる。
以上、本発明の詳細について、実施例を示しながら説明してきたが、ここで示したのは本発明の具体的な実施形態であり、その技術思想を踏まえた上で、発明の効果を著しく損なわない程度において、前記実施形態の一部を変更して実施することが可能であることが理解されるべきである。
例えば、(1)胴部・鍔部の外郭形状と開口の水平断面を、正方形以外の多角形や円形とすることができる。(2)実装用電極の数を、2個ではなく、3個、4個とすることができる。特に、実装用電極を正方形の基板の四隅全てに配置すると、アンテナモジュールを製品の基板にはんだで実装する際に、融けたはんだの表面張力によって自動的にバランスがとられ、アンテナモジュールの回転や実装位置のズレを抑制する効果が得られる。また、コアの形状を、鍔部が胴部の一方端にのみ存在するリベット型から、胴部の両端に存在するドラム型にすることにより、本発明のチップアンテナをインダクタとして使用し、アンテナモジュール以外のモジュールを製造することもできる。
本発明によると、フェリカアンテナ、RFIDタグ用アンテナ等の近距離通信用アンテナの分野に、周波数帯に関係なく、幅広く利用することができる。
1:リベットコア
2:鍔部
3:胴部
4:底面
5:開放面
6:開口
7:コア側電極
8:角部
9:切欠き
10:境界点
11:導線
11a:導入部
11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、11j、11k、11l、11m、11n、11o、11p、11q:導線
12:端部
13:チップアンテナ
14:電子部品
15:基板
16:基板側電極
17:アンテナモジュール
18:カバー
19:通信範囲
20:はんだ
21:実装用電極
22:実装基板
41:電子部品
42:基板
43:チップ型アンテナ
44:アンテナモジュール
45:リベットコア
46:胴部
47:導線
48:スリット
49:開口
a:開口幅
b:胴幅
c:鍔幅
d、d0:コア厚さ
e:開口深さ
f:鍔厚
g:壁厚さ

Claims (16)

  1. 電子部品を上面に実装する基板に底面を介して載置される柱状の胴部及び、前記胴部の底面側の端から側方に張り出した板状の鍔部を有する磁性体製コアと
    前記胴部の側部に巻回された導線とを備え、
    前記コアには、前記電子部品を内部に収納すべく、前記胴部の底面側のみに開放された空洞部分が設けられていることを特徴とするチップアンテナ。
  2. 前記胴部の水平断面において、前記胴部の外周部と前記開口の内周との距離が、すべて均一である請求項1に記載のチップアンテナ。
  3. 前記胴部及び前記鍔部が、略正方形状の外郭形状を有する請求項1に記載のチップアンテナ。
  4. 前記鍔部が、その一部に切欠き部を有する請求項1又は3に記載のチップアンテナ。
  5. 前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前記切欠き部に通して、前記アの底面側に延出させる請求項4に記載のチップアンテナ。
  6. 前記切欠き部が、前記鍔部の角部にあり、前記鍔部の角部における前記胴部と前記鍔部との境界点まで到達する大きさの正方形である、請求項4又は5に記載のチップアンテナ。
  7. 前記鍔部が、前記アの方向を定めるための位置決め部を有する請求項1に記載のチップアンテナ。
  8. 前記開口が、略直方体である請求項1に記載のチップアンテナ。
  9. 電子部品を上面に載置している基板と
    底面を介して前記基板の上に載置される柱状の胴部及び、前記胴部の底面側の端から側方に張り出した板状の鍔部を有する磁性体製コアと、
    前記胴部の側部に巻回された導線と、を備え、
    前記コアには、前記胴部の底面側のみに開放された空洞部分が設けられ、前記空洞部分の開口面積が前記基板の面積よりも小さく、且つ、前記空洞部分に前記電子部品を収納してなるアンテナモジュール。
  10. 前記胴部の底面には、前記導線の両端が電気的に接続された複数のコア側電極が設けられ、前記電子部品を前記空洞部分に収納した状態で、前記基板の基板側電極と前記胴部のコア側電極とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項9に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記基板が、前記鍔部の外郭形状と略同一の外郭形状を有する請求項10に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記鍔部が、その一部に切欠き部を有し、前記切欠き部が、前記鍔部の角部にあり、前記鍔部の角部における前記胴部と前記鍔部との境界点まで到達する大きさの正方形である、請求項9から11のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  13. 前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前記切欠き部に通して、前コアの底面側に延出させる請求項12に記載のアンテナモジュール。
  14. 前記導線が、その巻き始め及び/又は巻き終わりを前コアの底面に設けられたコア側電極に電気的に接続される請求項9に記載のアンテナモジュール。
  15. 前記導線が、前記コア側電極を介して前記基板に電気的に接続される請求項14に記載のアンテナモジュール。
  16. 前記胴部及び前記鍔部が、略正方形状の外郭形状を有し、前記複数のコア側電極が前記略正方形状の4隅に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナモジュール。
JP2015143626A 2014-09-08 2015-07-21 チップアンテナ及びそれを用いたアンテナモジュール Active JP5897192B1 (ja)

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