JP5896867B2 - 下穴の仕上げ加工方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、被加工物と切削工具との相対回転位置の変化につれて切削工具全体に対する切削抵抗が変動する場合、例えば、鋳造物の下穴のように内周面に凹凸が存在する場合には、充分な加工精度を得ることができなかった。
基準穴としては、加工すべき下穴とは別に高精度で形成された穴(勿論、仕上げ穴と同軸であることが必要である)を使用することも可能であるが、1つ以上の切刃の1つによる下穴の中仕上げ加工により形成された中仕上げ穴自体を基準穴として使用することも可能である。すなわち、切削工具として、2つ以上のガイドパッドを1つの以上の切刃より基端部側に位置するものを使用し、1つの以上の切刃の1つにより下穴の内周面を切削加工させて形成した中仕上げ穴自体を基準穴として、中仕上げ加工工程,たわみ解消工程および仕上げ加工工程を実施するのである。この態様においては、1つ以上の切刃は2つ以上のガイドパッドより自由端側に位置しているため、中仕上げ加工工程において、切削工具が自由端側から下穴に進入させられる場合、まず1つ以上の切刃のうちの1つが下穴の内周面を切削して中仕上げ穴を形成し、その中仕上げ穴の内周面に2ガイドパッドが摺接して、1つの切刃が受ける切削抵抗を中仕上げ穴の内周面に伝達する。切削工具は、2ガイドパッドにおいて中仕上げ穴の内周面に受けられることにより、切削抵抗に起因するたわみ量が設定量に抑制されつつ中仕上げ加工を行うのである。
最も単純な構造の切削工具として、1つの切刃と2つのガイドパッドとのみ備え、1つ切刃による切削時にその切刃が受ける切削抵抗が2つのガイドパッドを介して中仕上げ穴の内周面により受けられるものを使用することができる。勿論、1つの切刃と2つのガイドパッドとは、1つの切刃が受ける切削抵抗を2つのガイドパッドが中仕上げ穴の内周面に有効に伝達し得る周方向位置に設けられることが必要である。
なお、下穴の中仕上げ加工により形成された中仕上げ穴自体を基準穴として使用する場合には、中仕上げ加工を開始する前は未だ基準穴が存在していないため、前記「当該切削工具と基準穴とが同軸に対向する状態で」とは、「切削工具の軸線が仕上げ穴の軸線として想定されている直線上に位置する状態で」ということである。
この場合、下穴が、互いに反対側の第1開口端と第2開口端とを備えたものである態様が典型的な態様であるが、下穴を含む穴全体が貫通穴であることは不可欠ではない。例えば、穴全体は行き止まり穴であっても、下穴部の底部側にその下穴部より大径の大径部が設けられており、その結果、下穴部が第1開口端と第2開口端とを備えたものとなっていればよいのである。
また、下穴が第1開口端とは反対側に第2開口端を備えないものである場合でも、本発明は実行可能である。前記中仕上げ加工工程の実行後、前記1つ以上の切刃の1つを前記前進端位置において停止させた状態で、その切刃の1つに、下穴の内周面を、当該切削工具のたわみが解消されるまで切削加工させる工程をたわみ解消工程とすればよいのできる。切削工具の下穴に対する相対的な前進を停止させた状態で、切削工具と下穴との相対回転を続行させれば、内周面の軸方向の1か所における直径が大きくなって、切削工具のたわみが解消されるのであり、その後、切削工具を下穴に対して相対的に後退させれば、仕上げ加工工程が開始されるのである。
しかも、切削工具と下穴とを軸方向に相対的に1往復させればよいため、加工時間の延長や設備コストの上昇を良好に回避することができる。
さらに付言すれば、スペーサ44を厚さの異なるものと交換し、あるいはスペーサ44を研削加工することによっても、切刃30の半径方向位置を調整することができる。
そして、この状態で切削工具20が後退させられ、やがて切刃30が中仕上げ穴の内周面130を切削加工することとなるが、この加工代は微小であるため切削抵抗が小さく、切削工具20のたわみが無視し得るほど小さくて済み、仕上げ穴の直径(小径部10の直径)は、無負荷状態における切刃30の旋回軌跡円の直径と実質的に等しい大きさとなる。
しかも、仕上げ加工時にはガイドパッドG1,G2,G3がいずれも仕上げ穴の内周面132には接触しないため、ガイドパッド32の擦過痕が残る恐れもない。
また、ガイドパッド32と小径部10の内周面との間には微小な隙間が存在することとなるが、本実施形態においては、ガイドパッド32のリーディングエッジ(回転方向に関して先端側の縁)の直前に、クーラント噴出口96から激しくクーラントが噴出させられるため、このクーラントの噴流によって、切屑がガイドパッド32と仕上げ穴の内周面132との間に侵入することが防止され、切屑の噛込みに起因する擦過痕の発生も良好に防止される。
そうであるにもかかわらず、上記第1実施形態において、無負荷状態におけるガイドパッドG1,G3の旋回軌跡円が、ガイドパッドG2の旋回軌跡円の直径より大きくされている。その理由は以下のようである。
また、ガイドパッドG1,G2に案内機能を果たさせるためには、切削工具20がある程度たわむことが必要であるため、切削工具20の1回転当たりの送り量が過小であってはならず、本実施形態においては1回転当たりの送り量が0.2(mm)とされる。
なお、これまでの説明は、中仕上げ穴を仕上げ穴に切削加工する際の加工代は全周にわたって均一であるかのように行ったが、厳密には均一ではない。したがって、この不均一が存在してもなお、上記の条件が満たされるように、中仕上げ穴の直径と仕上げ穴の直径との差が選定され、それに基づいてガイドパッドG1,G2,G3の無負荷状態における旋回軌跡円の直径が決定されることが必要である。
さらに付言すれば、切削抵抗のX方向の成分と中仕上げ穴の内周面150とが直交するため、前記実施形態におけるように、切削抵抗のX方向の成分をY方向の成分に変更する斜面の効果は実質上ないと考えて差し支えない。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、切刃142が切削工具140の下穴に対する相対回転方向において2つのガイドパッド146に先行する第1切刃として機能し、切刃144がその第1切刃に先行する第2切刃として機能する。
なお、本実施形態における切刃142,144およびガイドパッド146の配設位置を第1段加工部24および第2段加工部26を有する切削工具について採用することも可能である。
Claims (8)
- 工具保持装置に片持ち状態で保持させた切削工具により、被加工物の下穴の内周面を仕上げ加工する方法であって、
前記切削工具として、前記工具保持装置により保持される基端部とは反対側の自由端部に、前記下穴の内周面を切削する1つ以上の切刃と、その切刃による切削の基準となる基準穴の内周面に摺接する2つ以上のガイドパッドとを備えたものを使用し、
当該切削工具と前記基準穴とが同軸に対向する状態で、切削工具と前記被加工物とを相対回転させつつ切削工具を前記自由端部側から前記下穴に進入させ、前記1つ以上の切刃の1つに下穴の内周面を切削加工させて中仕上げ穴を形成させるとともに、前記基準穴の内周面の周方向に互いに隔たった2カ所に、前記2つ以上のガイドパッドのうちの2つである2ガイドパッドをそれぞれ摺接させることにより、前記切刃の1つに対する切削抵抗に基づく当該切削工具のたわみ量を設定量に規制した状態で、前記1つ以上の切刃を前記下穴に対して予め定められた前進端位置まで相対的に前進させる中仕上げ加工工程と、
その中仕上げ加工工程の実行後、当該切削工具の切削抵抗に基づくたわみを解消するたわみ解消工程と、
そのたわみ解消工程の実行後、当該切削工具を前記中仕上げ穴に対して相対的に後退させ、前記2ガイドパッドが前記基準穴の内周面に接触せず、前記前記1つ以上の切刃のうち前記中仕上げを行った切刃自体、あるいは別の切刃が前記中仕上げ穴の内周面を切削して仕上げ穴を形成する状態で、その仕上げ穴から抜け出すまで後退させる仕上げ加工工程と
を含むことを特徴とする下穴の仕上げ加工方法。 - 前記切削工具として、前記2つ以上のガイドパッドが前記1つ以上の切刃より前記基端部側に位置するものを使用し、前記1つ以上の切刃の1つにより下穴の内周面を切削加工させて形成した中仕上げ穴自体を前記基準穴として、前記中仕上げ加工工程,前記たわみ解消工程および前記仕上げ加工工程を実施する請求項1に記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記たわみ解消工程が、前記1つ以上の切刃の1つを、前記下穴の切削工具進入側の開口端である第1開口端とは反対側の第2開口端から突出するまで前進させる工程である請求項1または2に記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記たわみ解消工程が、前記1つ以上の切刃の1つを前記前進端位置において停止させた状態で、その切刃の1つに、下穴の内周面を当該切削工具のたわみが解消されるまで切削加工させる工程である請求項1または2に記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の90度より大きい範囲に分散して位置する3つ以上のガイドパッドを備えたものを使用し、それら3つ以上のガイドパッドを当該切削工具の中心軸線の位置出しに使用するとともに、それら3つ以上のガイドパッドのうちの2つを前記2ガイドパッドとして機能させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の120度間隔の位置にある3つのガイドパッドを備えるとともに、それら3つのガイドパッドのうちの周方向において互いに隣接する2つの間に前記切刃を1つ備えたものを使用し、それら3つのガイドパッドのうちで、間に前記1つの切刃が設けられていない2つを、前記2ガイドパッドとして機能させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の90度間隔の4つの位置のうちの互いに隣接する2つの位置にそれぞれ前記2ガイドパッドの1つずつを備えるとともに、ガイドパッドを備えない2つの位置にそれぞれ前記切刃を備えたものを使用し、それら切刃のうち、当該切削工具の前記下穴に対する相対回転方向において前記ガイドパッドに先行する切刃である第1切刃に前記中仕上げ加工工程を実行させ、その第1切刃に先行する切刃である第2切刃に前記仕上げ加工工程を実行させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
- 前記被加工物を回転させることなく前記切削工具を回転させて、前記中仕上げ加工工程および前記仕上げ加工工程を実施する請求項1ないし7のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
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