JP5896867B2 - 下穴の仕上げ加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下穴の内周面を切削により仕上げ加工する方法に関するものであり、特に、鋳造物の鋳抜き穴のように、切削工具に対する切削抵抗の変化が大きい穴加工を高精度でしかも能率良く行い得る切削加工方法に関するものである。
寸法精度の低い下穴を、要求精度を満たし得る切削加工穴に仕上げるためには、従来、荒切削加工および仕上げ切削加工の2工程を必要とし、加工所要時間が長くなることを避け得なかった。その上、場合によっては荒加工用の設備と仕上げ加工用の設備との両方が必要となり、設備費用も増大することがあった。
この問題に対処するための対策の一つとして、120度の角度間隔で3つの切刃を備えた切削工具が使用されており、これを使用すれば、切削工具全体として切削抵抗の半径方向成分がバランスし、目的を達成し得る場合がある。
しかしながら、被加工物と切削工具との相対回転位置の変化につれて切削工具全体に対する切削抵抗が変動する場合、例えば、鋳造物の下穴のように内周面に凹凸が存在する場合には、充分な加工精度を得ることができなかった。
本発明は、上記の問題を解決することを目的として、工具保持装置に片持ち状態で保持させた切削工具により、被加工物の下穴の内周面を仕上げ加工する新しい方法を得ることを課題として為されたものである。
本発明に係る下穴の仕上げ加工方法は、上記課題を解決するために、切削工具として、工具保持装置により保持される基端部とは反対側の自由端部に、下穴の内周面を切削する1つの以上の切刃と、その切刃による切削の基準となる基準穴の内周面に摺接する2つ以上のガイドパッドとを備えたものを使用し、(a)当該切削工具と基準穴とが同軸に対向する状態で、切削工具と被加工物とを相対回転させつつ切削工具を自由端部側から下穴に進入させ、前記1つ以上の切刃の1つに下穴の内周面を切削加工させて中仕上げ穴を形成させるとともに、前記基準穴の内周面の周方向に互いに隔たった2カ所に、前記2つ以上のガイドパッドのうちの2つである2ガイドパッドをそれぞれ摺接させることにより、前記切刃の1つに対する切削抵抗に基づく当該切削工具のたわみ量を設定量に規制した状態で、前記1つ以上の切刃を下穴に対して予め定められた前進端位置まで相対的に前進させる中仕上げ加工工程と、(b)その中仕上げ加工工程の実行後、当該切削工具の切削抵抗に基づくたわみを解消するたわみ解消工程と、(c)そのたわみ解消工程の実行後、当該切削工具を中仕上げ穴に対して相対的に後退させ、前記2ガイドパッドが基準穴の内周面に接触せず、前記1つ以上の切刃のうち前記中仕上げを行った切刃自体、あるいは別の切刃が中仕上げ穴の内周面を切削して仕上げ穴を形成する状態で、その仕上げ穴から抜け出すまで後退させる仕上げ加工工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る下穴の仕上げ加工方法においては、工具保持装置により保持される基端部とは反対側の自由端部に、下穴の内周面を切削する1つ以上の切刃と、基準穴の内周面に摺接して切削工具をガイドする2つ以上のガイドパッドとを備えたものが使用される。
基準穴としては、加工すべき下穴とは別に高精度で形成された穴(勿論、仕上げ穴と同軸であることが必要である)を使用することも可能であるが、1つ以上の切刃の1つによる下穴の中仕上げ加工により形成された中仕上げ穴自体を基準穴として使用することも可能である。すなわち、切削工具として、2つ以上のガイドパッドを1つの以上の切刃より基端部側に位置するものを使用し、1つの以上の切刃の1つにより下穴の内周面を切削加工させて形成した中仕上げ穴自体を基準穴として、中仕上げ加工工程,たわみ解消工程および仕上げ加工工程を実施するのである。この態様においては、1つ以上の切刃は2つ以上のガイドパッドより自由端側に位置しているため、中仕上げ加工工程において、切削工具が自由端側から下穴に進入させられる場合、まず1つ以上の切刃のうちの1つが下穴の内周面を切削して中仕上げ穴を形成し、その中仕上げ穴の内周面に2ガイドパッドが摺接して、1つの切刃が受ける切削抵抗を中仕上げ穴の内周面に伝達する。切削工具は、2ガイドパッドにおいて中仕上げ穴の内周面に受けられることにより、切削抵抗に起因するたわみ量が設定量に抑制されつつ中仕上げ加工を行うのである。
最も単純な構造の切削工具として、1つの切刃と2つのガイドパッドとのみ備え、1つ切刃による切削時にその切刃が受ける切削抵抗が2つのガイドパッドを介して中仕上げ穴の内周面により受けられるものを使用することができる。勿論、1つの切刃と2つのガイドパッドとは、1つの切刃が受ける切削抵抗を2つのガイドパッドが中仕上げ穴の内周面に有効に伝達し得る周方向位置に設けられることが必要である。
なお、下穴の中仕上げ加工により形成された中仕上げ穴自体を基準穴として使用する場合には、中仕上げ加工を開始する前は未だ基準穴が存在していないため、前記「当該切削工具と基準穴とが同軸に対向する状態で」とは、「切削工具の軸線が仕上げ穴の軸線として想定されている直線上に位置する状態で」ということである。
前記たわみ解消工程は、前記1つ以上の切刃の1つを前記下穴の切削工具進入側の開口端である第1開口端とは反対側の第2開口端から突出するまで前進させる工程とすることができる。中仕上げ加工を行った切刃が第2開口端から突出すれば、その切刃に作用していた切削抵抗が無くなり、切削工具のたわみが解消されるのである。
この場合、下穴が、互いに反対側の第1開口端と第2開口端とを備えたものである態様が典型的な態様であるが、下穴を含む穴全体が貫通穴であることは不可欠ではない。例えば、穴全体は行き止まり穴であっても、下穴部の底部側にその下穴部より大径の大径部が設けられており、その結果、下穴部が第1開口端と第2開口端とを備えたものとなっていればよいのである。
また、下穴が第1開口端とは反対側に第2開口端を備えないものである場合でも、本発明は実行可能である。前記中仕上げ加工工程の実行後、前記1つ以上の切刃の1つを前記前進端位置において停止させた状態で、その切刃の1つに、下穴の内周面を、当該切削工具のたわみが解消されるまで切削加工させる工程をたわみ解消工程とすればよいのできる。切削工具の下穴に対する相対的な前進を停止させた状態で、切削工具と下穴との相対回転を続行させれば、内周面の軸方向の1か所における直径が大きくなって、切削工具のたわみが解消されるのであり、その後、切削工具を下穴に対して相対的に後退させれば、仕上げ加工工程が開始されるのである。
切削工具のたわみが解消されれば、2ガイドパッドが基準穴(上記のように中仕上げ穴である場合もある)の内周面から離間する一方、中仕上げ加工を行った切刃または別の切刃が中仕上げ面を仕上げ面に加工するための半径方向位置に位置する状態となる。中仕上げ面を仕上げ面に加工する際の加工代は、切刃と2ガイドパッドとの半径方向および周方向における相対位置により変化するが、いずれにしても無負荷状態(切削工具がたわんでいない状態)における切刃の旋回半径と2ガイドの少なくとも一方の旋回半径との差に基づいて決まる。例えば、仕上げ加工を行う切刃が中仕上げ加工を行った切刃自体である場合は、仕上げ加工の切削加工代が上記2ガイドパッドにより規定されるたわみ量となり、このたわみ量を、仕上げ加工時における切削工具のたわみを無視し得、かつ、実質的な切削が行われることを保証し得る程度に小さくすればよい。また、仕上げ加工を行う切刃が中仕上げ加工を行った切刃とは異なる場合であっても、それら切刃の半径方向における相対位置を、仕上げ加工を行う切刃の切削抵抗に基づく半径方向変異が無視し得るほど小さく、かつ、実質的な切削が行われることを保証し得る相対位置に設定することが可能である。いずれにしても、仕上げ面の寸法を十分に高くすることができる。
さらに付言すれば、本発明は、以上説明したように、鋳抜き穴等内周面の凹凸が大きい穴の内周面を精度良く仕上げることができる方法を得ることを直接の目的として為されたものであるが、その後の実験により、例えば、下穴が切削加工により形成されたものであっても、キー溝,潤滑用溝のように、内周面の一部に凹部が存在することにより、切削抵抗の半径方向成分の変動が激しい下穴の加工に使用しても十分効果が得られることが判明した。この効果は、中仕上げ穴自体を基準穴とするのではなく、別の穴を基準穴とし、その基準穴が内周面の一部に凹部が存在しないものである場合に特に顕著である。したがって、本発明は、鋳抜き穴等の仕上げ加工に限定されるものではない。
本発明に係る加工方法によれば、仕上げ加工時に、切削抵抗に起因する切削工具および工具保持装置のたわみに基づく切刃の半径方向変位を、切削工具および工具保持装置の剛性により、無視し得るほど小さく保つことが可能であり、仕上げ穴の寸法精度および位置精度を所望の高さまで高めることができる。
しかも、切削工具と下穴とを軸方向に相対的に1往復させればよいため、加工時間の延長や設備コストの上昇を良好に回避することができる。
本発明の一実施形態である下穴の仕上げ加工方法の実施に使用される切削工具を、その切削工具の回転方向において第1段加工部の切刃の前方に位置するガイドパッドを煩雑さを避けるために省略するとともに、第2段加工部の面取り切刃を段部切刃に対してその切削工具の回転方向後方へ120°回転させて示す正面図である。 図1における第1段加工部と第2段加工部とを拡大して示す正面図である。 上記切削工具の第1段加工部の図2におけるA矢視図である。 上記切削工具の第2段加工部の図2におけるB−B断面図である。 上記切削工具の図2におけるC矢視図である。 上記切削工具の図5におけるD−D断面図である。 上記切削工具のガイドパッド近傍における切屑排除の機能を説明するための図である。 上記切削工具により加工された段付仕上げ穴を示す正面断面図である。 上記切削工具による段付仕上げ穴の加工精度向上原理を説明するための説明図である。 上記切削工具による段付下穴の中仕上げ加工時における切刃に隣接するガイドパッドの移動イメージを示す図である。 本発明の別の実施形態である下穴の仕上げ加工方法における加工精度向上原理を説明するための説明図である。 本発明のさらに別の実施形態である下穴の仕上げ加工方法に使用される切削工具を示す図1に相当する正面図である。 図12に示す切削工具の先端部を拡大して示す図2に相当する正面図である。 図13におけるF矢視図である。 図12に示す切削工具による下穴の仕上げ加工方法における加工精度向上原理を説明するための説明図である。
発明の実施の形態
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施形態の他、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
まず、図1ないし図10に基づいて第1実施形態を説明する。本実施形態は、アルミニウム製の鋳造物に形成された図8に二点鎖線で示す段付下穴2の仕上げ加工を1つの切削工具により行い、段付仕上げ穴4に仕上げる形態である。段付下穴2には、予め面取り8が形成されており、本実施形態においては、小径部10および大径部12の内周面の仕上げ加工と、段付き部の肩面14およびヌスミ16と、大径部12の開口端の面取り18との切削加工が行われる。また、図示は省略するが、小径部10および肩面14と、大径部12の内周面と、直径方向に隔たった2カ所ずつに、潤滑用溝となるべき凹部が形成されており、これらの箇所において切削が断続する。
図1に、第1実施形態において使用される切削工具20の全体を示すが、本切削工具20は、図示を省略する工具保持装置により保持される基端部としてのテーパシャンク22を備え、自由端側に切削加工部を備えている。切削加工部は、段付下穴の小径部を加工する第1段加工部24と大径部を加工する第2段加工部26とを備えている。被加工物たる鋳造物を回転させてもよいが、本実施形態においては切削工具20が回転させられるものとする。
第1段加工部24は、図2および図3から明らかなように、1つの切刃30と3つのガイドパッド32とを備えている。3つのガイドパッド32は、工具本体34の外周部に120°の角度間隔で配設され、それら3つのガイドパッド32のうちの互いに隣合う2つの間に1つの切刃30が配設されており、ガイドパッド32の1つと切刃30とは180°の角度間隔で設けられ、工具本体34の一直径上に位置している。切刃30は小径部10の内周面を切削加工するものであり、ガイドパッド32は切刃30の切削加工により形成された小径部10の内周面上を摺動して切削工具20のたわみを微小量に規制するものである。
切刃30は、カートリッジ36に着脱可能に取り付けられた切削チップ38によって形成されており、カートリッジ36が締付ねじ40によって工具本体34の取付座42に固定されるのであるが、カートリッジ36と取付座42との間にはスペーサ44が介在させられ、さらに、取付座42に形成されたガイド溝48とスペーサ44との間に調整駒50が介在させられている。ガイド溝48と調整駒50との底部の互いに接触する面は工具本体34の中心軸線に対して傾斜させられているとともに、調整駒50と工具本体34との間には調整ねじ52が介在させられている。調整ねじ52の調整駒50と工具本体34とにそれぞれ螺合する2つのねじ部のピッチが互いに異ならされており(左右逆ねじとされてもよい)、調整ねじ52の回転操作により、調整駒50のガイド溝48内における位置が変えられて、切刃30の半径方向(切削工具20の半径方向であり、以下同様とする。)の位置が調整される。また、切刃30の軸方向(切削工具20の軸方向であり、以下同様とする。)の位置は、カートリッジ36に螺合され、頭部が工具本体34の受面に当接させられた調整ねじ54の回転操作により、カートリッジ36の軸方向位置が変えられることにより調整される。
なお、軸方向に関して、切刃30の自由端側の端がガイドパッド32の自由端側の端より僅かに自由端側に位置するようにされているため、切削工具20が段付下穴2に進入させられる(この方向を前進方向とする)とき、ガイドパッド32は必ず切刃30によって切削加工された穴(中仕上げ穴)の内周面に摺接し、切削工具20が後退させられるとき、切刃30はガイドパッド32から出外れた部分の内周面を切削加工することとなる。上記調整ねじ54の回転操作によるカートリッジ36の軸方向位置の変更を、切刃30の軸方向位置の調整に利用することができる。
さらに付言すれば、スペーサ44を厚さの異なるものと交換し、あるいはスペーサ44を研削加工することによっても、切刃30の半径方向位置を調整することができる。
一方、ガイドパッド32は、図2および図3に示すように、締付ねじ60によって取付座62に取り付けられているが、取付座62とガイドパッド32との間には図5,6に示す調整くさび64が介在させられ、この調整くさび64を取付座62に沿って移動させることにより、ガイドパッド32の半径方向位置を調整し得るようにされている。工具本体34には、軸方向に対して傾斜した雌ねじ穴66が形成され、その雌ねじ穴66に調整ねじ68が螺合されている。雌ねじ穴66は、図5に示すように一部が切り欠かれているが、雌ねじ穴66と調整ねじ68とは半周を超える部分において螺合させられている。一方、調整くさび64には、調整ねじ68の両端面の一部ずつと係合する欠70が形成されており、調整ねじ68が回転操作により雌ねじ穴66内において進退させられるにつれて、調整くさび64が取付座62に沿って進退させられ、それによりガイドパッド32が平行移動により半径方向に移動させられて、半径方向位置が調整される。そのために、調整くさび64の長手方向の中間部には長穴72が形成され、締付ねじ60によって調整くさび64の移動が妨げられないようにされている。
ガイドパッド32の取付座62は図5に示すように溝状を成しているが、その取付座62の一方の溝側面80に図7に拡大して示すように段付部82が形成されて、溝の幅が開口近傍部において底近傍部に比較して広くされている。一方、調整くさび64の溝側面80に対向するくさび側面84には、図5および図6に示すように、長手方向のほぼ全長にわたってクーラント溝86が形成され、このクーラント溝86が全長にわたって上記段付部82と対向している。クーラント溝86は、ガイドパッド32の内部に形成されたクーラント通路88および調整くさび74の長穴72により、工具本体34内の枝クーラント通路90に連通させられており、枝クーラント通路90は主クーラント通路92に連通している。他のガイドパッド32およびそれらのクーラント通路も同様に構成されており、主クーラント通路92には、さらに図2に示すように、前記取付座42の切刃30近傍に開口する枝クーラント通路94も連通している。結局、主クーラント通路92には、3本の枝クーラント通路90と1本の枝クーラント通路94とが連通していることとなり、その上、第2段加工部26の枝クーラント通路も連通しているのであるが、主クーラント通路92の横断面積はこれらすべての枝クーラント通路の横断面積の和より大きく、すべての枝クーラント通路には主クーラント通路92の内圧がそのまま作用する。そして、ガイドパッド32のクーラント通路88の横断面積,クーラント溝86の横断面積,および段付部82とガイドパッド32の側面との間の細長い隙間(クーラント噴出口96と称する)の開口面積は、記載の順序が後のものほど小さくなっている。したがって、クーラント噴出口96には主クーラント通路92の内圧がほぼそのまま作用することとなり、クーラントが勢いよく噴出する。
ガイドパッド32の側面は図7(a)に示すように一平面とすることも可能であるが、図7(b)に示すように、工具本体34の外周面と同じ半径方向位置に段付部98を設けることが望ましい。発明者は図7(a)の形態と図7(b)の形態との両方について実験を行ったのであるが、前者の形態においては稀にではあるが細い切屑100がクーラント噴出口96へ侵入することがあるのに対し、後者の形態においてはそのような事態の発生が良好に回避されることが判明したのである。
ガイドパッド32は、クーラント溝86やクーラント通路88が形成される部分である基部102と、小径部10の内周面と摺接する摺接部104とから成っており、基部102は炭素鋼製であるが、摺接部104は超硬合金製とされ、さらに表面である摺接面106にはダイヤモンドライクカーボンのコーティングが施されている。ダイヤモンドライクカーボンは、耐摩耗性,耐溶着性に優れており、摩擦係数が小さいため、被加工物に疵を付けることを良好に回避することができる。
第2段加工部26は、図2および図4から明らかなように、2つの切刃110,112を備えている。切刃110は前記大径部12の内周面と前記肩面14およびヌスミ16とを切削加工するものであり、切刃112は面取り18を切削加工により形成するものである。切刃110は、カートリッジ114に着脱可能に取り付けられた切削チップ116により形成され、切刃112は、カートリッジ118に着脱可能に取り付けられた切削チップ120により形成されている。切削チップ116とカートリッジ114との間には調整機構122が設けられて、切刃110の半径方向位置の調整が行われ、カートリッジ114および118と工具本体34との間にそれぞれ調整機構124および126が設けられて、切刃110および112の軸方向位置の調整が行われる。この点は前記第1段加工部24における切刃30についてと同様であるため、詳細な説明は省略するが、切削チップ116の調整機構122は平行移動型とされて半径方向位置の調整に伴って切刃110の傾きが変化しないようにされている。
本実施形態においては、以上のように構成された切削工具20が切削を行っていない無負荷状態にいおいては、図9(a)に誇張して示すように、切刃30の旋回軌跡円の直径が56.02(mm)であるのに対し、切刃30の両隣に位置するガイドパッド32(区別するためにG1,G3で表す)の旋回軌跡円の直径は56.00、切刃30から直径方向に隔たった位置にあるガイドパッド32((G2で表す)の旋回軌跡円の直径は55.98とされている。ガイドパッドG1,G3の旋回軌跡円の直径が、切刃30の旋回軌跡円の直径とガイドパッドG2の旋回軌跡円の直径との中央の大きさとされているのである。
この切削工具20により中仕上げ加工が行われる際には、図9(b)に示すように、ガイドパッドG1,G2が、切刃30の切削により形成された中仕上げ穴の内周面130に摺接し、ガイドパッドG3は中仕上げ穴の内周面130から離間した状態となる。また、切削工具20により仕上げ加工が行われる際には、図9(c)に示すように、切削工具20およびそれを保持する工具保持装置のたわみを無視できる状態で、切刃30が仕上げ穴の内周面132を直径56.02に上げ切削加工し、すべてのガイドパッドG1,G2,G3は仕上げ穴の内周面132から離間した状態となる。以下その理由を、図10に示すガイドパッドG1の移動イメージ図を参照しつつ説明する。
図10において、二点鎖線で示す円弧は無負荷状態における切刃30の半径方向における最先端部の旋回軌跡円を示し、同じ無負荷状態においてはガイドパッドG1が二点鎖線で示す位置にある。そして、切刃30が段付下穴2の小径部を切削する状態においては、切削抵抗により切削工具20がたわまされるため、ガイドパッドG1は矢印Eの方向に変位し、図10に細線で示す位置において、切刃30の切削によって形成された穴の内周面130に当接する。この穴の内周面は、切削抵抗の図9(b)に示すY方向の成分により変位した切刃30によって形成されたものとみなすことができ、内径は無負荷状態における切刃30の旋回軌跡円の直径よりは小さい。ガイドパッドG1が上記穴の内周面130に当接すれば、この内周面の斜面の効果により、切削抵抗の図9(b)に示すX方向の成分がY方向の成分に変換され、切削工具20のY方向のたわみが大きくなるが、この方向のたわみは切刃30から直径方向に隔たったガイドパッドG2が穴の内周面に当接することにより規制される。それにより、切刃30の旋回軌跡円がさらに小さくなり、ガイドパッドG1は、結局、矢印Fで示す方向に変位し、実線で示す位置において安定する。切刃30の切削抵抗に起因する切削工具20のたわみの方向および大きさと、ガイドパッドG1,G2の周方向および半径方向の位置との関係が、以上の現象が生じることを許容するものである限り、切刃30によって形成された中仕上げ穴の内周面上をガイドパッドG1,G2が摺動する状態で段付下穴2の小径部10の中仕上げ加工が行われることとなる。中仕上げ穴の内径は、上記のように切削工具20がたわんだ状態におけるガイドパッドG1,G2の旋回軌跡円の直径56.00となるのであり、無負荷状態におけるガイドパッドG1の旋回軌跡円の直径56.00とガイドパッドG2の旋回軌跡円の直径55.98とはこのことを考慮して決定される。
上記の状態で小径部10の中仕上げが進行し、ついに切刃30が小径部10の大径部12側とは反対側の端から突出すれば、切削工具20のたわみが解消され、図9(c)に示すように、切刃30が無負荷状態における旋回軌跡円を描くこととなる。この状態ではガイドパッドG1,G3は勿論、ガイドパッドG2も仕上げ穴の内周面132から離間する。
そして、この状態で切削工具20が後退させられ、やがて切刃30が中仕上げ穴の内周面130を切削加工することとなるが、この加工代は微小であるため切削抵抗が小さく、切削工具20のたわみが無視し得るほど小さくて済み、仕上げ穴の直径(小径部10の直径)は、無負荷状態における切刃30の旋回軌跡円の直径と実質的に等しい大きさとなる。
以上、段付下穴2の小径部10の加工について詳細に説明したが、本実施形態においては、切削工具20が第1段加工部24に加えて第2段加工部26を備えており、小径部10の中仕上げ加工が完了して切刃30が小径部10から突出した後に、切刃110が大径部12の中仕上げ加工を開始するようにされている。ただし、切刃110による中仕上げ加工の間も、切削工具20のたわみが第1段加工部24のガイドパッド32(G1,G2)により微小量に規制されているため、第2段加工部26による中仕上げ加工に関しても第1段加工部24による中仕上げ加工におけるのと同様の効果が得られる。
本実施形態においては、小径部10の中仕上げのためのガイドパッド32が、幸便に大径部12の中仕上げのためのガイドパッドとして利用されると考えることができ、その観点からすれば、切刃30の切削により形成された小径部10の中仕上げ穴が、切刃110が大径部12の中仕上げ加工を行う際の基準穴として機能することとなる。第2段加工部26による大径部12の加工方法も本発明の実施形態(第2実施形態)なのである。
なお、小径部10の中仕上げ加工が行われている間に、大径部12の内周面の中仕上げ加工が並行して行われるようにすることも可能であり、実際そのようにしても類似の効果が得られる。そうであるのに、図1および図2に示す実施形態において上記のように、小径部10の中仕上げ加工の完了後に大径部12の中仕上げ加工が開始されるように、第1段加工部24と第2段加工部26との軸方向の間隔が定められているのは、第1段加工部24による加工と第2段加工部26による加工とが互いに影響を及ぼし合うことによって、加工精度が低下することを回避するためである。
やがて切削チップ116が肩面14の切削加工を行う状態となるが、肩面14の加工が所定量に達したならば、切削工具2の前進が停止させられ、その状態切削工具20の回転が続行される。そのため、大径部12の1カ所が他の部分に比較して多く切削され、肩面14に隣接する部分の直径が大きくなって、切削工具20の中仕上げ時における切削抵抗に起因するたわみが解消される。大径部12に関しては、この工程がたわみ解消工程なのであり、この工程の実施によって、切削チップ116の旋回軌跡円の直径が増加し、仕上げ加工を行う状態となる。この状態で、切削工具20が後退させられれば、大径部12の仕上げ加工が行われるが、この仕上げ加工の加工代も微小であるため、大径部12の内径は無負荷状態における切削チップ116の旋回軌跡円の直径と実質的に等しくなる。
以上説明したように、切削工具20の前進時に中仕上げ加工を行い、後退時に仕上げ加工を行えば、段付下穴2を段付仕上げ穴4に精度良く仕上げることができる。段付下穴2は鋳造によって形成されたものであるため、切削加工により形成されたものに比較して、寸法精度が低く、かつ、部分的な凹凸が存在することが多い。したがって、ガイドパッドを備えない中ぐり工具で切削加工すれば、仕上げ穴の寸法が局部的に変動し、かつ、仕上げ穴間における寸法のばらつきが大きくなる不都合があるのであるが、本実施形態の方法によれば、切削工具20の往復により十分に高い加工精度を得ることができる。
しかも、仕上げ加工時にはガイドパッドG1,G2,G3がいずれも仕上げ穴の内周面132には接触しないため、ガイドパッド32の擦過痕が残る恐れもない。
また、ガイドパッド32と小径部10の内周面との間には微小な隙間が存在することとなるが、本実施形態においては、ガイドパッド32のリーディングエッジ(回転方向に関して先端側の縁)の直前に、クーラント噴出口96から激しくクーラントが噴出させられるため、このクーラントの噴流によって、切屑がガイドパッド32と仕上げ穴の内周面132との間に侵入することが防止され、切屑の噛込みに起因する擦過痕の発生も良好に防止される。
なお、以上の説明から明らかなように、ガイドパッドG3は中仕上げ加工工程においても、仕上げ加工工程においても、穴の内周面に接触することはなく、切削加工のみを考えれば不要なのであるが、本実施形態においては、切削工具20の回転中心の位置を検出する目的で設けられており、ガイドパッドG3の旋回軌跡円がガイドパッドG1の回転軌跡円と一致するようにガイドパッドG3の位置が決定されている。
さらに付言すれば、上記のように切削工具20の回転中心の位置を検出する目的でG3を設けるのであれば、図11(a)に例示するように、無負荷状態におけるガイドパッドG1,G2,G3すべての旋回軌跡円が一致するように決定する方が合目的的であり、実際そのようにすることも可能であって、この態様も本発明の実施形態である。
そうであるにもかかわらず、上記第1実施形態において、無負荷状態におけるガイドパッドG1,G3の旋回軌跡円が、ガイドパッドG2の旋回軌跡円の直径より大きくされている。その理由は以下のようである。
切削工具20のたわみはY方向とX方向とのたわみの合成であり、切削抵抗により発生するが、切削抵抗が小さい場合には切刃30の旋回軌跡が中仕上げ径となるのに必要なたわみが発生しないことがあり得る。切刃30の旋回軌跡が中仕上げ径となるためにはY方向のたわみが発生すればよく、X方向のたわみは小さい方がX,Y両方向の構成である切削工具20のたわみが小さくて済み、切削抵抗が小さい場合に切刃30の旋回軌跡が中仕上げ径となることを保証し易い。また、ガイドパッドG2のX方向の移動量も小さくなるため、図11(b)と図9(b)とを比較すれば明らかなように、ガイドパッドG2のリーディングエッジが局部的に穴の内周面に強く当たる傾向を緩和することができ、図11の場合に比較して図9の場合の方が有利なのである。
もっとも、ガイドパッドG1,G2,G3の無負荷状態における旋回軌跡円の直径を上記実施形態におけるより大きく、例えば、56.01にすれば、ガイドパッドG2のリーディングエッジの影響を緩和することができる。しかし、そのようにすれば、仕上げ加工時に、切刃30が中仕上げ穴の内周面に切り込まず、仕上げ加工が行われなくなる恐れがある。したがって、仕上げ加工のための切込みが行われることが保証され、かつ、仕上げ加工時における切削工具20のたわみが無視できるほど小さくなるように、中仕上げ穴の直径と仕上げ穴の直径との差が選定されることが必要である。
また、ガイドパッドG1,G2に案内機能を果たさせるためには、切削工具20がある程度たわむことが必要であるため、切削工具20の1回転当たりの送り量が過小であってはならず、本実施形態においては1回転当たりの送り量が0.2(mm)とされる。
なお、これまでの説明は、中仕上げ穴を仕上げ穴に切削加工する際の加工代は全周にわたって均一であるかのように行ったが、厳密には均一ではない。したがって、この不均一が存在してもなお、上記の条件が満たされるように、中仕上げ穴の直径と仕上げ穴の直径との差が選定され、それに基づいてガイドパッドG1,G2,G3の無負荷状態における旋回軌跡円の直径が決定されることが必要である。
図12に本発明の第3実施形態において使用される切削工具140を示す。本切削工具140は、第2段加工部を備えない点と、第1段加工部に相当する部分の構成とにおいて、前記第1および第2実施形態において使用される前記切削工具20と異なっている。すなわち、自由端部に、図14に示すように、切刃142,144とガイドパッド146とを90°間隔で2つずつ備える点とにおいて異なっているのである。その他の点においては、切削工具20と同様であるため、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、切削工具140の軸方向において、切刃142が切刃144より自由端側の位置に設けられており、中仕上げ加工が切刃142により行われ、仕上げ加工が切刃144により行われる。中仕上げ加工時には切削工具140のたわみが、2つのガイドパッド146の、中仕上げ穴の内周面150への摺接により規制され、仕上げ加工時には2つのガイドパッド146および切刃142が仕上げ穴の内周面から離間した状態で、切刃144により仕上げ切削加工が行われる。2つのガイドパッド146の切削工具140の周方向における配設位置は前記切削工具20における配設位置とは異なるものの、切刃142の切削抵抗の方向が、工具本体34を図15に矢印Gで示す方向にたわませる方向であり、このたわみが2つのガイドパッド146の中仕上げ穴の内周面150への摺接により規制されることに変わりはない。
ただし、無負荷状態において、切刃142の旋回軌跡円の直径が仕上げ穴のねらい寸法である56.00とされているのに対し、その切刃142の90°後方(回転方向において)に位置するガイドパッド146(G1で表す)の旋回軌跡円の直径が55.96、180°後方に位置する(切刃142に対して直径方向に隔たった)ガイドパッド146(G2で表す)の旋回軌跡円の直径が56.00、切刃144の旋回軌跡円の直径が56.02とされている。すなわち、ガイドパッドG2と切刃142との旋回軌跡円の直径が等しくされるとともに、切刃144の旋回軌跡円の直径がそれらより大きくされる一方、切刃144とは直径方向に離れたガイドパッドG1の旋回軌跡円の直径がそれらより小さくされているのである。しかし、切刃142により中仕上げ加工が行われる状態では、切削工具140のたわみにより、切刃144の旋回軌跡円の直径が切刃142の旋回軌跡円の直径より小さくなって切刃144は中仕上げ穴の内周面150から離間した状態に保たれ、ガイドパッドG1は中仕上げ穴の内周面150に摺接する状態となる。
さらに付言すれば、切削抵抗のX方向の成分と中仕上げ穴の内周面150とが直交するため、前記実施形態におけるように、切削抵抗のX方向の成分をY方向の成分に変更する斜面の効果は実質上ないと考えて差し支えない。
中仕上げ加工の進行により切刃142が中仕上げ穴から突出すれば、切削工具140のたわみが解消する。したがって、切削工具140が後退させられれば、図15(c)に示すように、切刃144により仕上げ穴の内周面152の仕上げ切削加工が行われる状態となる。この状態においては、切刃142およびガイドパッドG1,G2がいずれも仕上げ穴の内周面152から離間した状態に保たれる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、切刃142が切削工具140の下穴に対する相対回転方向において2つのガイドパッド146に先行する第1切刃として機能し、切刃144がその第1切刃に先行する第2切刃として機能する。
本実施形態におけるように、中仕上げ切削加工と仕上げ切削加工とをそれぞれ専用の切刃に行わせることは、被加工物が鋳鉄製等、切刃を摩耗させ易い材料から成るものである場合に特に有効である。
なお、本実施形態における切刃142,144およびガイドパッド146の配設位置を第1段加工部24および第2段加工部26を有する切削工具について採用することも可能である。
さらに付言すれば、前記第2実施形態においては、1つの切削工具20の第1段加工部24の切刃30によって形成された小径部10の中仕上げ穴が、第2段加工部26の切刃110による大径部12の中仕上げ加工のための基準穴として使用されていたが、これは不可欠ではなく、別の切削工具により予め形成されている穴を基準穴として使用することも可能である。
2:段付下穴 4:段付仕上げ穴 10:小径部 12:大径部 14:肩面 20:切削工具 22:テーパシャンク 24:第1段加工部 26:第2段加工部 30:切刃 32:ガイドパッド 34:工具本体 36:カートリッジ 38:切削チップ 40:締付ねじ 42:取付座 44:スペーサ 46:調整駒 48:ガイド溝 50:調整駒 52:調整ねじ 54:調整ねじ 60:締付ねじ 62:取付座 64:調整くさび 66:雌ねじ穴 68:調整ねじ 70:切欠 80:溝側面 82:段付部 84:くさび側面 86:クーラント溝 88:クーラント通路 90:枝クーラント通路 92:主クーラント通路 94:枝クーラント通路 96:クーラント噴出口 98:段付部 100:切屑 106:摺接面 110:切刃 112:切刃 122:調整機構 124:調整機構 126:調整機構 130:中仕上げ穴の内周面 132:仕上げ穴の内周面

Claims (8)

  1. 工具保持装置に片持ち状態で保持させた切削工具により、被加工物の下穴の内周面を仕上げ加工する方法であって、
    前記切削工具として、前記工具保持装置により保持される基端部とは反対側の自由端部に、前記下穴の内周面を切削する1つ以上の切刃と、その切刃による切削の基準となる基準穴の内周面に摺接する2つ以上のガイドパッドとを備えたものを使用し、
    当該切削工具と前記基準穴とが同軸に対向する状態で、切削工具と前記被加工物とを相対回転させつつ切削工具を前記自由端部側から前記下穴に進入させ、前記1つ以上の切刃の1つに下穴の内周面を切削加工させて中仕上げ穴を形成させるとともに、前記基準穴の内周面の周方向に互いに隔たった2カ所に、前記2つ以上のガイドパッドのうちの2つである2ガイドパッドをそれぞれ摺接させることにより、前記切刃の1つに対する切削抵抗に基づく当該切削工具のたわみ量を設定量に規制した状態で、前記1つ以上の切刃を前記下穴に対して予め定められた前進端位置まで相対的に前進させる中仕上げ加工工程と、
    その中仕上げ加工工程の実行後、当該切削工具の切削抵抗に基づくたわみを解消するたわみ解消工程と、
    そのたわみ解消工程の実行後、当該切削工具を前記中仕上げ穴に対して相対的に後退させ、前記2ガイドパッドが前記基準穴の内周面に接触せず、前記前記1つ以上の切刃のうち前記中仕上げを行った切刃自体、あるいは別の切刃が前記中仕上げ穴の内周面を切削して仕上げ穴を形成する状態で、その仕上げ穴から抜け出すまで後退させる仕上げ加工工程と
    を含むことを特徴とする下穴の仕上げ加工方法。
  2. 前記切削工具として、前記2つ以上のガイドパッドが前記1つ以上の切刃より前記基端部側に位置するものを使用し、前記1つ以上の切刃の1つにより下穴の内周面を切削加工させて形成した中仕上げ穴自体を前記基準穴として、前記中仕上げ加工工程,前記たわみ解消工程および前記仕上げ加工工程を実施する請求項1に記載の下穴の仕上げ加工方法。
  3. 前記たわみ解消工程が、前記1つ以上の切刃の1つを、前記下穴の切削工具進入側の開口端である第1開口端とは反対側の第2開口端から突出するまで前進させる工程である請求項1または2に記載の下穴の仕上げ加工方法。
  4. 前記たわみ解消工程が、前記1つ以上の切刃の1つを前記前進端位置において停止させた状態で、その切刃の1つに、下穴の内周面を当該切削工具のたわみが解消されるまで切削加工させる工程である請求項1または2に記載の下穴の仕上げ加工方法。
  5. 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の90度より大きい範囲に分散して位置する3つ以上のガイドパッドを備えたものを使用し、それら3つ以上のガイドパッドを当該切削工具の中心軸線の位置出しに使用するとともに、それら3つ以上のガイドパッドのうちの2つを前記2ガイドパッドとして機能させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
  6. 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の120度間隔の位置にある3つのガイドパッドを備えるとともに、それら3つのガイドパッドのうちの周方向において互いに隣接する2つの間に前記切刃を1つ備えたものを使用し、それら3つのガイドパッドのうちで、間に前記1つの切刃が設けられていない2つを、前記2ガイドパッドとして機能させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
  7. 前記切削工具として、その切削工具の中心軸線まわりの中心角の90度間隔の4つの位置のうちの互いに隣接する2つの位置にそれぞれ前記2ガイドパッドの1つずつを備えるとともに、ガイドパッドを備えない2つの位置にそれぞれ前記切刃を備えたものを使用し、それら切刃のうち、当該切削工具の前記下穴に対する相対回転方向において前記ガイドパッドに先行する切刃である第1切刃に前記中仕上げ加工工程を実行させ、その第1切刃に先行する切刃である第2切刃に前記仕上げ加工工程を実行させる請求項1ないし4のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
  8. 前記被加工物を回転させることなく前記切削工具を回転させて、前記中仕上げ加工工程および前記仕上げ加工工程を実施する請求項1ないし7のいずれかに記載の下穴の仕上げ加工方法。
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