JP5896239B2 - フルクトース吸収阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、フルクトース吸収阻害剤、フルクトース吸収阻害作用を有する組成物、食品、医薬および動物飼料に関する。
肥満は体内に脂肪が過剰に蓄積した状態であり、脂肪が体内に蓄積する原因の一つに糖質(炭水化物)の過剰摂取が挙げられる。一般に、飲食物中に含まれる糖質は、体内に摂取されると、消化酵素によって消化され、主に単糖となって腸管より体内に吸収される。
単糖の一種であるグルコース(ブドウ糖)は、消化吸収後、解糖系と呼ばれる酵素群により代謝される。これらの酵素のうち、ホスホフルクトキナーゼを経る段階で代謝調節を受けるため脂肪への変換が制御される。しかし、同じく単糖のフルクトース(果糖)は、グルコースとは異なった代謝経路を通り代謝調節を受けない系で代謝されるので、肝臓において容易に脂肪に変換される。過剰に発生した脂肪は脂肪組織に蓄積されていく。よって、通常の摂取量では健康・安全性に問題は生じないが、過剰摂取すると、肥満等の病態を惹起するリスクが高まる。
また、フルクトースは、単糖類の中でも甘みが強く、温度が低くなると甘みが増強される特性があるため、冷菓や果糖ブドウ糖液糖(high-fructose corn syrup, HFCS)を含む清涼飲料水など加工食品の甘味料として広く使用されており、近年、急速に消費量が増加している。
このような果糖ブドウ糖液糖入り清涼飲料水の多量摂取は各国において社会問題になっていることはよく知られている。日本でも主に若年男性において、毎日1リットル以上の清涼飲料水を摂取し、ケトーシスあるいはケトアシドーシスを惹き起こす、いわゆる「ペットボトル症候群」あるいは「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれる症例が増加しつつある。さらに、糖尿病患者においてはフルクト−スの血中濃度あるいは尿中排泄量が増加しており、特に食後の血中フルクト−ス濃度の高値が糖尿病性網膜症と相関することが報告されるなど(非特許文献1)、糖尿病合併症の原因ともなり得ることが示されている。
このような社会背景のもと、2007年にはADA(米国糖尿病協会)が、糖尿病診療のガイドラインでショ糖の代替品としてフルクト−スを使用するといった行為に対して警告を発している(非特許文献2)。
フルクトースの過剰摂取は、上記以外にも様々な疾病を惹き起こす要因となりうる。すなわち、生体内の酸化ストレスの亢進(非特許文献3)、タンパクの糖化(glycation)(非特許文献4)、カルシウムの腎臓沈着(非特許文献5)、高尿酸血症(非特許文献6)、インスリン抵抗性の惹起(非特許文献7)、心血管系の腎臓病の惹起(非特許文献8)などである。
タンパクの糖化とは、生体内で糖とタンパクが反応して、AGE(Advanced Glycation End-product, 最終糖化産物またはグリケーション後期反応生成物)が生成することをいう。この反応の過程で細胞の老化、タンパク変性をおこす。また、生成したAGEは周辺のタンパク等と反応して、変性等を促進する。血管の老化等にかかわる。白内障、腎機能低下等の原因のひとつである。
ところで、前記糖質の一種である砂糖(スクロース)は、糖質分解消化酵素により前記グルコースとフルクトースに分解される。砂糖を大量に摂取すると、速やかなグルコースの吸収により血糖値が急上昇し、それに伴ってインスリンも一気に分泌される。インスリンはフルクトースやグルコースから脂質へと変換させる系やグリコーゲン合成、脂肪細胞のグルコース取り込みを促進させる働きがある。したがって、砂糖もまた肥満等を惹き起こす物質として医学上重要視されている。
しかしながら、砂糖は甘味料として風味上最も優れているので、ジュース、菓子類、料理等に大量に消費されている。
このため、砂糖を大量に摂取しても、砂糖の消化により生成するグルコースとフルクトースの体内吸収を阻害することができれば、総摂取カロリー量を減らす効果が期待できる。しかしながら、グルコースは哺乳動物の生化学上最も重要な単糖であり、様々な組織の主エネルギー源である。特に脳は通常グルコースを唯一のエネルギー源とする。それゆえ、グルコースの吸収を強力に阻害することは安全上問題がある。
一方、フルクトースは、前記したように、カロリー源としての役割以外はほとんど確認されていないため、栄養学的にグルコースほど重要視されていない。したがって、糖質を過剰に摂取した場合の肥満等の予防方法としては、腸管が体内にフルクトースを吸収する過程を特異的に阻害させることが最善の策であるといえる。
しかしながら、フルクトースの体内吸収を特異的に阻害させる天然物由来の物質については、ユーカリ抽出物がフルクトースの吸収阻害作用を有することが報告されている以外は(特許文献1)、全く知られていないのが実情である。
特開2003−160504号公報
T.Kawasaki et al., Metabolism, 53, 583-588 (2004) American Diabetes Association, Diabetes Care, 30, S48-65 (2007) Cavarape, A. et al., J. Endocrinol. Invest., 24, 838-845 (2001) 河崎孝弘ら,糖尿病,48, 419-421 (2005) 江指隆年,食衛誌,35, 409-412 (1994) Gao, X. et al., Hypertension, 50, 306-312 (2007) S.S.Elliott et al., Am.J.Clin.Nutr., 76, 911-922 (2002) R.J.Johnson et al., Am.J.Clin.Nutr., 86, 899-906 (2007)
前記したユーカリ抽出物は、フルクトースの吸収阻害作用に優れているが、独特の風味があり(苦味等)、食品の用途や医薬品の形態によっては服用しにくい場合がある。従って、各種の食品や医薬品の用途に使用するのに適した様々な風味のフルクトース吸収阻害剤を提供することが望まれている。
本発明の目的は、天然物由来でフルクトースの体内吸収を特異的に阻害させることができ、しかも安全でかつ各種の食品、医薬品、動物飼料に適用可能で摂取が容易なフルクトース吸収阻害剤ならびに組成物、食品、医薬製剤および動物飼料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の植物の抽出物が腸管からのフルクトース吸収阻害作用に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のフルクトース吸収阻害剤は、バナバ、オリーブ、グァバ、ガラナ、ブルーベリー、クミン、カテキン類、月見草、オレンジフラワー、紅茶、月桃、花椒、橙皮、紅景天、西洋タンポポおよび北五加皮からなる群より選ばれる少なくとも1種から抽出した抽出物を有効成分とする。特に、前記抽出物が、オリーブ、グァバ、カテキン類、月見草、紅景天、北五加皮からなる群より選ばれる少なくとも1種から抽出したものであるのが好ましい。
また、本発明の組成物は、フルクトースの吸収阻害に有効な上記抽出物と、フルクトースまたはフルクトースを含む二糖類以上の多糖類とを含有する。本発明の組成物の具体例としては、例えば食品、医薬品、動物飼料、動物飼料用添加剤等の形態が挙げられる。これらの組成物はフルクトースを含有しているので風味が損なわれずに摂取でき、しかもフルクトースの吸収を阻害することができる。
本発明の食品は、フルクトースの吸収阻害に有効な上記抽出物をフルクトース吸収阻害用添加剤として含有する。ここで、食品とは、固形食品、クリーム状ないしジャム状の半流動食品、ゲル状食品、飲料等の他、これらに添加する食品添加物も含むものである。
本発明の医薬製剤は、フルクトースの吸収阻害に有効な上記抽出物を有効成分として含有する。医薬製剤の形態は特に限定されない。
本発明の動物飼料は、フルクトースの吸収阻害に有効な上記抽出物を有効成分として含有する。
さらに、本発明は、フルクトースの吸収を阻害する医薬、食品および動物飼料を製造するための、バナバ、オリーブ、グァバ、ガラナ、ブルーベリー、クミン、カテキン類、月見草、オレンジフラワー、紅茶、月桃、花椒、橙皮、紅景天、西洋タンポポおよび北五加皮からなる群より選ばれる少なくとも1種から抽出した抽出物の使用をも提供するものである。
本発明のフルクトース吸収阻害剤は、腸管からの高いフルクトース吸収阻害作用を有する。従って、フルクトースの過剰摂取によって生じる肥満や種々の疾病を予防、改善・治療するのに有効である。しかも、本発明における抽出物は天然物由来であるため安全性が高いという効果もある。
さらに、本発明における前記各抽出物は、いずれも摂取または服用が容易であるので、各種抽出物が有する風味を考慮して、適切な食品、医薬品、動物飼料等に含有させることができ、摂取や服用に適した各種食品、医薬品、動物飼料などを製造することができる。
本発明に係るフルクトース吸収阻害剤の有効成分は、以下に示す植物の抽出物である。
(1)バナバ
学名:Lagerstroemia spesiosa L.
和名:オオバナサルスベリ
(2)オリーブ
学名:Olea europaea L.
(3)グァバ
学名:Psidium guajava L.
和名:バンジロウ
(4)ガラナ
学名:Paullinia cupana Kunth.
(5)ブルーベリー
学名:Vaccinium spp.(V. corymbosum L.、V. angustifolium、V. ashei、V. pallidum、V. myrtillus等)
(6)クミン
学名:Cuminum cyminum L.(V. corymbosum L.、V. angustifolium、V. ashei、V. pallidum、V. myrtillus等)
(7)カテキン類
常法に従って緑茶(チャノキCamellia sinensisの葉)等から抽出、精製して得られた(-)-epigallocatechin gallate、(-)-epicatechin gallate、(-)-epigallocatechin、(+)-gallocatechin、(-)-epicatechin、(+)-catechinのいずれか1種類以上を主要成分として10%以上含むことが認められるポリフェノール組成物である。
(8)月見草(つきみそう)
学名:Oenothera spp.(メマツヨイグサO. biennis L.、コマツヨイグサO. laciniata Hill、マツヨイグサO. striata L.、オオマツヨイグサO. erythrosepala Borbas、ツキミソウO. tetraptera Cav.等)
(9)オレンジフラワー
学名:Citrus aurantium L.
和名:ダイダイ
ダイダイの花を使用するものである。
(10)紅茶
例えば、チャノキのアッサム種Camellia sinensis var. assamicaの葉を加熱することなく萎凋(Withering)・揉捻(Rolling)・発酵(Fermenting)・干燥(Drying)の工程を経て、酸化酵素による反応を十分おこなったものである。
(11)月桃(げっとう)
学名:Alpinia spp.(Alpinia zerumbet、フイリゲットウA. sanderae hort. Sander.等)
(12)花椒(かしょう)
学名(和名):Zanthoxylum simulans Hance(トウザンショウ),Z. bungeanum Maxim.(カホクザンショウ),Z. schinifolium Sieb.(イヌザンショウ)
(13)橙皮(とうひ)
学名:Citrus aurantium L.var.daidai Makino
和名:ダイダイ
ダイダイの皮を使用するものである。
(14)紅景天(こうけいてん)
学名:Rhodiola spp.(R. sacra、R. rosea L.、R. kirilowii、R. sachalinensis、R. crenulata等)
(15)西洋タンポポ
学名:Taraxacum officinale Weber
(16)北五加皮(ほくごかひ)
学名:Periploca sepium Bunge
これら植物の抽出物の中でも、オリーブ、グァバ、カテキン類、月見草、紅景天、北五加皮より選ばれる植物の抽出物が好ましい。これら抽出物は、1種又は2種以上で本発明の阻害剤の有効成分として使用することができる。
上記植物の抽出物の製造方法は特に制限されるものではなく、通常用いられる方法により製造することができる。また、抽出条件も特に制約はなく、例えば、上記植物の各種部位(全草、花、萼、種子、果実、葉、枝、樹皮、根皮、根茎、根等)をそのまま、または裁断、粉砕もしくは細紛した後、搾取または溶媒で抽出することにより製造される。
このうち、溶媒を用いた抽出は、一般に使用する溶媒に合わせて常圧〜加圧下で常温〜溶媒の沸点の温度条件下で10分〜1週間程度行えばよい。抽出に使用する溶媒としては、植物種や処理工程にあわせて通常用いられる溶媒を適宜選択して用いればよく、例えば、水やアルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、又はプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、その他キシレン、ベンゼン、クロロホルム等の有機溶媒が挙げられる。なお、食品として用いる場合のように、有機溶媒の残留が好ましくない場合は、特に水、エタノール、含水エタノール等を使用することが好ましい。これらの溶媒は単独で用いることもできるが、2種類以上を任意に組み合わせて使用することもできる。抽出方法としては、特に制限はなく、常温ホモジナイズ抽出、還流抽出、超臨界流体抽出等が使用可能である。
具体的には、例えば以下の方法が使用できる。すなわち、植物原体あるいは乾燥物を細砕し、抽出溶媒を5〜20倍量加え、常圧下、室温で1週間程度静置、又は抽出溶媒の沸点付近で10〜30分程抽出してから濾過して得られた濾液を減圧乾固あるいは凍結乾燥して植物抽出物を得る。
上記のようにして得られた植物の抽出物はそのままの状態で使用することもできるが、必要に応じ、その効力に影響のない範囲で更に脱臭、脱色等の精製処理を加えても良い。このような精製処理としては、通常の手段を任意に選択して行えば良く、例えば濾過又はイオン交換樹脂や活性炭カラム等を用い、吸着・脱色・精製等を行なえば良い。更に、凍結乾燥又は濃縮処理等により溶液状、ペースト状、ゲル状、又は粉末状の精製物を得ることができる。
本発明のフルクトース吸収阻害剤は、上記抽出処理によって得られた抽出物を有効成分として含有するものである。このフルクトース吸収阻害剤の形態としては、特に限定されず、抽出物をそのまま用いてもかまわないが、例えば前記抽出物と必要に応じて加えられる他の成分とからなる組成物が挙げられる。このような組成物としては、例えば前記抽出物と適当な担体(食品または医薬品に使用されている担体等)とからなる組成物や、前記抽出物とフルクトースまたはフルクトースを含む二糖類以上の多糖類とを含有する組成物等が挙げられる。これらの組成物の具体例としては、例えば摂取に適した食品(飲食物等)、医薬品、動物飼料、動物飼料用添加剤等の形態が挙げられる。前記多糖類としては、例えばスクロース(砂糖)、ラクトスクロース、ラフィノース、エルロース、1−ケストース、イヌリン等が挙げられる。このような形態で上記抽出物を摂取する際における該抽出物の人または哺乳動物への投与量は、通常、1日当たり0.01〜2000mg/kg体重の範囲であるのがよいが、投与量が1000mg/kg体重/ 日を超えても、抽出物自体は植物由来の天然物であるゆえ安全性に問題はない。
食品形態とするには、上記抽出物を食品に使用する各種成分と混合し、例えば固形食品、クリーム状ないしジャム状の半流動食品、ゲル状食品、飲料等の形態に調製する。また、抽出物はそのまま食品に配合してもよく、あるいは、必要に応じて適当な担体と組み合わせて製造した粉状、顆粒状、カプセル状、タブレット状、液状等の形態で配合してもよい。このような食品形態で使用する際には、特にフルクトースおよび/またはこれを含む前記多糖類と併用すると、嗜好性に優れ、しかもフルクトースの吸収を阻害することができる食品を製造することができる。
上記抽出物と共に食品に配合されるその他の成分は特に制限はなく、通常使用される各種成分がいずれも使用可能である。このような成分としては、例えばブドウ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB群、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられ、これらを食品の種類に応じて適宜配合すればよい。
前記食品の具体例としては、清涼飲料、ジュース、コーヒー、紅茶、リキュール、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料、キャンデー、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング等が挙げられる。抽出物の食品への含有量は0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。
食品添加剤として使用する場合、例えば上記抽出物をそのまま食品に添加してもよく、あるいはフルクトースまたはフルクトースを含む二糖類以上の多糖類と混合してあってもよい。食品添加剤の形態は、粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等に調製されたものであってもよい。この食品添加剤を添加する食品には、特に制限はなく種々の調理食品や加工食品が挙げられる。また添加量は前記した食品の配合量と同程度であればよい。食品添加剤の添加時期は調理前、調理中、調理後のいずれの段階でもよい。
前記医薬製剤の形態で使用するには、上記抽出物に通常の製薬上許容される担体を加えて、固体、半固体または液体の形態に調製する。具体的な形態としては、例えば錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散剤、乳濁液、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤等の経口投与剤、坐薬等の非経口投与剤が挙げられる。
製剤化に際しては、剤形に応じて従来から使用されている界面活性剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤等の担体を使用することができる。好ましくは、例えばデンプン、乳糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体、さらに各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等の油性担体等が挙げられる。
前記医薬製剤は、フルクトースの吸収阻害に有効な上記抽出物を有効成分として含有することから、フルクトース吸収阻害作用を有する。そのため、フルクトースの過剰摂取によって生じる種々の障害や疾病の予防、改善、治療に有効である。
具体的には、例えば生体内における酸化ストレスの亢進、タンパクの糖化、カルシウムの腎臓沈着、高尿酸血症、ケトーシス、インスリン抵抗性の惹起、心血管系の腎臓病の惹起といった疾病のほか、高脂血症および脂肪肝の予防または治療剤の他、抗肥満剤、内臓脂肪や皮下脂肪等の脂肪蓄積抑制剤、抗動脈硬化症剤、血栓防止剤、トリグリセリド低下作用剤、血中コレステロール低下作用剤等の用途にも適用可能である。
上記医薬製剤の投与量としては、剤形や疾患等に合わせて適宜調整すればよいが、内服剤であれば、製剤全量中、前記植物抽出物を固形分換算で、0.5〜99質量%、好ましくは5〜90質量%の範囲で配合すればよい。
本発明における前記抽出物を使用して、フルクトースの吸収を阻害する動物飼料を製造する場合には、当該抽出物の1種または2種以上を動物飼料に使用する各種成分と混合して調製する。動物飼料の具体例としては、家畜用飼料、キャットフード、ドッグフード等のペットフード等が挙げられる。ユーカリ抽出物の動物飼料への配合量は、0.5〜100mg/gの範囲が適当であるが、この範囲よりも多量に配合しても安全性や効果に問題はない。
また、本発明における前記抽出物を動物飼料用添加剤の形態で使用してもよい。この場合、抽出物をそのまま動物飼料に添加してもよく、あるいは粉末、顆粒、カプセル、シロップ、ゲル状、液状、固形状等の形態に調製されたものであってもよい。前記動物飼料用添加剤を添加する動物飼料には、前記したような種類の動物飼料が挙げられる。また添加量は前記した動物飼料の配合量と同程度であればよい。動物飼料の添加時期は製造時または製造後のいずれの段階でもよい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例で使用した抽出物の調製、フルクトース吸収阻害活性の評価、および測定されたデータの取り扱いは以下の方法により行った。
<抽出物の調製方法>
原料500gを30%エタノール4.5kgで2時間還流を行い、室温冷却後、ろ過し、ろ液を一晩冷蔵放置した。ついで、ろ液をさらにろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し、さらに凍結乾燥して抽出物を得た。
なお、以下の試料は、市販の精製品を使用した。
カテキン類…商品名:サンフェノン(太陽化学社製)(使用部位:チャノキの葉)
月見草精製物…商品名:月見草ポリフェノール(オリザ油化社製)(使用部位:種子)
ブドウ種子精製物…商品名:グラヴィノール(キッコーマン社製)
リンゴ精製物…商品名:アップルフェノン(ニッカウヰスキー社製)(使用部位:果実)
<腸管フルクトース吸収阻害活性の評価方法>
フルクトース投与糖負荷試験を実施した。すなわち、18時間絶食したWistar系ラット(雄)に、注記しない限りラット体重1kg当たり抽出物の投与量が1gとなるように調製した試験液(抽出物の水懸濁液)を経口投与した。そして、5分後にラット体重1kg当たりフルクトースの投与量が2gとなるように調製したフルクトース水溶液を経口投与した。フルクトース投与30分後にエーテル麻酔下、門脈血約0.15 mlを採取した。門脈血は遠心後(12000 rpm, 1 min.)、上清を採取、−80℃で冷凍保存した。
門脈血中のフルクトース濃度を以下の方法にて測定した。門脈血のフルクトース濃度は、D−フルクトースデヒドロゲナーゼ(Gluconobacter sp.由来)を用いた酵素法によって測定した。すなわち、100 mM リン酸緩衝(pH 6.0)、1 % Triton X-100、0.2 mM WST-1、8μM 1-methoxy PMS、5Uフルクトースデヒドロゲナーゼを含む混合液0.99 mlに血清を0.01 ml添加し、30℃で3時間反応させたのち、生成した還元型WST-1の438 nmの吸収を測定することでフルクトース量を求めた。
<データの処理方法>
有意差検定はstudentのt検定をおこない、有意水準を危険率5%未満とした。
(実施例1)
リコリス(甘草)(Glycyrrhiza spp.)(使用部位:根)、バナバ(使用部位:葉)、オリーブ(使用部位:葉)、グァバ(使用部位:葉)の各抽出物について、フルクトース吸収阻害作用を検討した。結果を表1に示す。表1から、バナバ、オリーブ、グァバに有意なフルクトース吸収阻害作用が認められた。なお、コントロールは、抽出物を加えなかった試料をいう(以下同じ)。
Figure 0005896239
(実施例2)
ガラナ(使用部位:種子)の抽出物について試験を行った。その結果を表2に示す。ガラナに有意なフルクトース吸収の阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例3)
ギムネマ(Gymnema sylvestre (Retz.) Schult. 使用部位:葉・茎)、ブルーベリー(使用部位:果実)、クミン(使用部位:果実)を検討した。その結果を表3に示す。ブルーベリー、クミンにフルクトース吸収阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例4)
カテキン類、月見草、ブドウ種子、リンゴの各精製物(市販品)ついて、フルクトース吸収阻害作用を検討した。この実施例では、マウスに0.5 g/kg体重の用量で投与した。それらの結果を表4に示す。カテキン類、月見草精製物に有意なフルクトース吸収阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例5)
レモンバーム(Melissa officinalis L.)(使用部位:葉)、オレンジフラワー(使用部位:花)、マジョラム(Origanum majorana L)(使用部位:葉)、紅茶ついて、フルクトース吸収阻害作用を検討した。結果を表5に示す。オレンジフラワー、紅茶に有意なフルクトース吸収の阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例6)
月桃(使用部位:葉)、花椒(使用部位:果皮)、橙皮(使用部位:果皮)、紅景天(使用部位:根茎)について、フルクトース吸収阻害作用を検討した。結果を表6に示す。いずれも有意なフルクトース吸収阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例7)
ヒソップ(Hyssopus officinalis L.)(使用部位:花・葉)、西洋タンポポ(使用部位:全草)、アシタバ(学名Angelica keiskei (Miq.)Koidz.)(使用部位:全草)、春ウコン(Curcuma aromatica Salisb)(使用部位:根茎)について、フルクトース吸収阻害作用を検討した。結果を表7に示す。西洋タンポポに有意なフルクトース吸収阻害作用が認められた。
Figure 0005896239
(実施例8)
ダイウイキョウ(Illicium verum H.)(使用部位:果実)、ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)(使用部位:花)、北五加皮(使用部位:根皮)について、フルクトース吸収阻害作用を検討した。結果を表8に示す。北五加皮に有意なフルクトース吸収阻害作用が認められた。
Figure 0005896239

Claims (1)

  1. グァバ抽出物を有効成分とするフルクトース吸収阻
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