JP5896214B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関するものである。
トランジスタ、ICやLSIなどの半導体素子を実装する接合方法が種々知られている。また、半導体素子のうち発光ダイオード(以下、「LED」ともいう。)やレーザダイオード(以下、「LD」ともいう。)などの光を発する半導体発光素子に適する接合方法も種々知られている。
従来、半導体素子のダイアタッチ方法は大きく分類してエポキシ樹脂接着剤を使用する接合方法(以下、「樹脂接合」という。)と、300℃以上の高温に共晶点を有する共晶金属による接合方法(以下、「共晶接合」という。)の二つに分かれている。その使い分けは、半導体素子をマウントするリードフレーム材や基板との熱膨張挙動の整合性や、信頼性、価格などを考慮して決定される。たとえば価格が優先される小型携帯機器などの液晶バックライト用発光ダイオードなどには樹脂接合が用いられ、長寿命が要求される照明用発光ダイオードや高信頼性が要求されるレーザダイオードなどには共晶接合が一般的に用いられている。
共晶接合としては、AuSn共晶が知られている。このAuSn共晶は、AuとSnの組成物を用いて製造する方法が知られている。このAuとSnの組成物を用いる場合、得られる半導体装置は、電気抵抗率が低く、かつ熱伝導性が高いという特性を有する。一方、このAuとSnの組成物を用いる場合、接合するためには300℃以上の高温が必要である。そのため、PPA(ポリフタルアミド)等の一般的に使用されている樹脂パッケージでは高温に耐えることが難しく、AuとSnの組成物を用いることができなかった。また、発光ダイオードを実装する配線基板やリードフレームの表面に高い反射率を有する銀メッキを施しても、共晶金属は光線反射率が低いため、光取り出し効果の向上を図ることができなかった。
これらの欠点を解決するため、銀層と銀層とを用いる接合方法が近年開発されている(例えば特許文献1)。この接合方法によれば、基体の表面に施された銀もしくは酸化銀と、半導体素子の表面に施された銀もしくは酸化銀とを200〜900℃の温度を加えて接合することができる。
国際出願第2010/084746号パンフレット
本発明は、銀層と銀層とを用いて半導体素子と基体とが接合された半導体装置であって、半導体素子と基体との接合強度のさらなる向上を目的とする。
本発明は、基板と、前記基板の表面に配置された第1の銀層とを含む基体における前記第1の銀層と、第2の銀層を表面に有する半導体素子の前記第2の銀層とが接合された半導体装置の製造方法であって、
前記基板の表面に配置された凹凸のある銀層の表面に、平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第1の銀層を得るか、および/または、
凹凸のある銀層を表面に有する半導体素子の前記凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第2の銀層を得る工程と、
前記第1の銀層と前記第2の銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第1の銀層と、前記第2の銀層とを接合させる工程とを含むことを特徴とする。本明細書中、この製造方法は、便宜上、半導体装置の第1の製造方法と呼ぶことがある。
また、本発明は、基板と、前記基板の表面に配置された第Iの銀層とを含む基体における前記第Iの銀層と、第IIの銀層を表面に有する半導体素子の前記第IIの銀層とが接合された半導体装置の製造方法であって、
前記第Iの銀層と前記第IIの銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第Iの銀層と、前記第IIの銀層とを接合させる工程とを含み、
前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmであり、かつ、
前記基板が、研磨により表面を平坦にされた基板であることを特徴とする。本明細書中、この製造方法は、便宜上、半導体装置の第2の製造方法と呼ぶことがある。
本発明の半導体装置は、半導体素子と基体との接合強度が高いという利点がある。
図1は、第1の実施の形態に係る半導体発光素子の実装状態を示す概略断面図である。 図2は、第2の実施の形態に係る半導体発光素子の実装状態を示す概略断面図である。 図3は、参考例1および実施例1における半導体装置の状態を示す概略断面図である。 図4は、実施例1における基体の表面に施された銀層が平坦化される前の状態を示す断面SEM写真である。 図5は、実施例1における基体の表面に施された銀層が平坦化された後の状態を示す断面SEM写真である。
半導体装置の製造において、セラミック製基板の表面に下地層、次いで銀層を配置した基体の銀層の上に、表面に銀層が施された半導体素子を配置して接合した場合に、基体と半導体素子との接合強度が不足する場合があった。本発明者らは、このような場合、銀層の表面の凹凸を低減することにより、この接合強度が向上することを見出した。具体的には、基板の表面に配置された第1の銀層と、第2の銀層を表面に有する半導体素子の前記第2の銀層とを接合する際、前記第1の銀層および前記第2の銀層の少なくとも一方の表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである場合、基体と半導体素子との得られた接合強度が向上していることを見出した。この際、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmの表面を有する銀層は、凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を押し付け、調製する。また、基板の表面に配置された第Iの銀層と、半導体素子の第IIの銀層とを接合する際、前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである場合、基体と半導体素子との得られた接合強度が向上していることを見出した。この際、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmの表面を有する第Iの銀層は、研磨により表面を平坦にされた基板を、その下に配置して、調製する。これらの知見に基づき、本発明者らは、銀層と銀層とを用いて半導体素子と基体とが接合された半導体装置であって、半導体素子と基体との接合強度がさらに向上した半導体装置の製造方法を完成した。
すなわち、本発明は、基板と、前記基板の表面に配置された第1の銀層とを含む基体における前記第1の銀層と、第2の銀層を表面に有する半導体素子の前記第2の銀層とが接合された半導体装置の製造方法(半導体装置の第1の製造方法)であって、
前記基板の表面に配置された凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第1の銀層を得るか、および/または、
凹凸のある銀層を表面に有する半導体素子の前記凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第2の銀層を得る工程と、
前記第1の銀層と前記第2の銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第1の銀層と、前記第2の銀層とを接合させる工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、基板と、前記基板の表面に配置された第Iの銀層とを含む基体における前記第Iの銀層と、第IIの銀層を表面に有する半導体素子の前記第IIの銀層とが接合された半導体装置の製造方法(半導体装置の第2の製造方法)であって、
前記第Iの銀層と前記第IIの銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第Iの銀層と、前記第IIの銀層とを接合させる工程とを含み、
前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmであり、かつ、
前記基板が、研磨により表面を平坦にされた基板であることを特徴とする。なお、本明細書中、言及が無いかぎり「製造方法」は、半導体装置の第1の製造方法と第2の製造方法の両方を意味する。
本発明の第1の製造方法において、前記第1の銀層および第2の銀層の少なくとも一方の表面の中心線平均粗さ(Ra)は、前記のように0.01μm〜0.7μmであり、好ましくは0.01μm〜0.65μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.6μmである。前記第1の銀層および前記第2の銀層の少なくとも一方の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.01μm〜0.7μmであると、基体と半導体素子との得られた接合の強度が向上するためである。また、本発明の第2の製造方法において、前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)は、前記のように、0.01μm〜0.7μmであり、好ましくは0.01μm〜0.67μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.64μmである。前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.01μm〜0.7μmであると、基体と半導体素子との得られた接合の強度が向上するためである。
前記Raは、JIS0601−1976表面粗さの測定方法に準拠して、測定することができる。具体的には、前記Raは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次の式で与えられるR(a)の値をマイクロメートルで表したものである。このRaは、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
また、本発明の第1の製造方法において、前記第1の銀層および第2の銀層の少なくとも一方の表面の十点平均粗さ(Rz)は、例えば0.1μm〜40μmであり、好ましくは0.1μm〜35μmであり、より好ましくは0.1μm〜30μmである。前記第1の銀層および第2の銀層の少なくとも一方の表面の十点平均粗さ(Rz)が0.1μm〜40μmであると、基体と半導体素子との得られた接合の強度が向上するためである。また、本発明の第2の製造方法において、前記基板の表面の十点平均粗さ(Rz)は、例えば0.1μm〜40μmであり、好ましくは0.1μm〜30μmであり、より好ましくは0.1μm〜20μmである。前記基板の表面の十点平均粗さ(Rz)が0.1μm〜40μmであると、基体と半導体素子との得られた接合の強度が向上するためである。
前記Rzは、JIS0601−1976表面粗さの測定方法に準拠して、測定することができる。具体的には、前記Rzは、断面面積から基準長さだけ抜き取った部分の平均線に平衡な直線のうち高い方から3番目の山頂を通るものと、深い方から3番目の谷底を通るものを選び、この2本の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値をマイクロメートル単位で表したものである。このRzは、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
このような本発明の製造方法により得られた半導体装置においては、ダイシェア強度は例えば3MPa以上、好ましくは20MPa以上である。また半導体装置の信頼性を確保しかつ半導体装置の初期特性の低下を少なくするため、ダイシェア強度は120MPa以上がより好ましい。ダイシェア強度は、例えば室温で、半導体装置に対して、基体から半導体素子を剥す方向にそれぞれせん断力をかけ、剥離したときの強度を測定して、測定することができる。
本発明の第1の製造方法において、前記第1の銀層と前記第2の銀層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。第1の銀層の厚みは、例えば、0.5μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜5μmである。第1の銀層の厚みが0.5μm〜10μmであると、前記第1の銀層と前記第2の銀層の接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。第2の銀層の厚みは、例えば、0.5μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜5μmである。第2の銀層の厚みが0.5μm〜10μmであると、前記第1の銀層と前記第2の銀層の接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。
本発明の第2の製造方法において、前記第Iの銀層と前記第IIの銀層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。第Iの銀層の厚みは、例えば、0.5μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜5μmである。第Iの銀層の厚みが0.5μm〜10μmであると、前記第Iの銀層と前記第IIの銀層の接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。第IIの銀層の厚みは、例えば、0.5μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μm、より好ましくは2μm〜5μmである。第IIの銀層の厚みが0.5μm〜10μmであると、前記第Iの銀層と前記第IIの銀層の接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。
本発明の製造方法において、前記銀層は、例えば、蒸着、スパッタ、メッキ等により形成することができ、スパッタまたはメッキにより形成するのが好ましい。前記銀層がスパッタにより形成されると、基体の銀層と半導体素子の銀層との接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。また、前記銀層がメッキにより形成されると、コストを安く抑えられるためである。本発明の半導体装置の第1の製造方法において、中心線平均粗さ(Ra)が0.01μm〜0.7μmの範囲の表面を有する前記第1の銀層は、例えば、凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えることにより、得ることができる。または、このような前記第1の銀層は、表面が平坦なチップのプレスにより得ることができる。また、本発明の半導体装置の第2の製造方法において、中心線平均粗さ(Ra)が0.01μm〜0.7μmの範囲の表面を有する前記第Iの銀層は、例えば、セラミック基板焼結後の研磨加工やサファイア基板の研磨加工の表面上へ銀層を形成することにより得ることができる。
本発明の半導体装置の第1の製造方法は、凹凸のある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記銀層の表面を平坦にして、前記中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第1の銀層および前記第2の銀層の少なくとも一方を得る工程を含む。このような工程により前記第1の銀層を得ると、半導体素子を配置する第1の銀層の表面が、広く平坦になり、半導体素子の第2の銀層と前記基体の第1の銀層との接合強度が強固になるためである。または、このような工程により前記第2の銀層を得ると、基体を配置する第2の銀層の表面が、広く平坦になり、前記半導体素子の第2の銀層と前記基体の第1の銀層との接合強度が強固になるためである。
本発明の半導体装置の第1の製造方法において、前記基板と前記第1の銀層との間に第1の下地層が配置され、前記第1の下地層が、チタン、白金、金、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムおよび金属窒化物からなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。下地層を配置すると、第1の銀層と第2の銀層との接合強度がより高くなるためである。
また、本発明の半導体装置の第1の製造方法において、前記半導体素子の基板と前記第2の銀層との間に第2の下地層が配置され、前記第2の下地層が、チタン、白金、金、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムおよび金属窒化物からなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。下地層を配置すると、第1の銀層と第2の銀層との接合強度がより高くなるためである。
本発明の半導体装置の第2の製造方法において、前記のように、前記基板と前記第Iの銀層との間に第Iの下地層が配置され、前記第Iの下地層は、チタン、白金、金、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムおよび金属窒化物からなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。下地層を配置すると、第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度がより高くなるためである。
また、本発明の半導体装置の第2の製造方法において、前記半導体素子の基板と前記第IIの銀層との間に第IIの下地層が配置され、前記第IIの下地層が、チタン、白金、金、ルテニウム、ニッケル、アルミニウムおよび金属窒化物からなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。下地層を配置すると、第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度がより高くなるためである。
前記下地層(以下、言及が無い限り第1の下地層、第2の下地層、第Iの下地層および第IIの下地層すべてに関する)の厚みは例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.5μmである。この下地層の厚みが0.005μm〜5μmであれば、第1の銀層と第2の銀層との接合強度、および第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度が高くなるためである。第1の下地層と第2の下地層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。第Iの下地層と第IIの下地層の厚みも、同一であっても異なっていてもよい。第1の下地層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.5μmである。第1の下地層の厚みが0.005μm〜5μmであると、第1の銀層と第2の銀層との接合強度が高いためである。第2の下地層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.5μmである。第2の下地層の厚みが0.005μm〜5μmであると、第1の銀層と第2の銀層との接合強度が高いためである。第Iの下地層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.5μmである。第Iの下地層の厚みが0.005μm〜5μmであると、第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度が高いためである。第IIの下地層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.5μmである。第IIの下地層の厚みが0.005μm〜5μmであると、第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度が高いためである。
前記下地層は、例えば、蒸着、スパッタ、メッキ等により形成することができ、前記銀層を蒸着により形成する場合、前記下地層は蒸着により形成するのが好ましい。前記下地層が蒸着により形成されると、前記銀層との接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。前記銀層をスパッタにより形成する場合、前記下地層はスパッタにより形成するのが好ましい。前記下地層は、スパッタにより形成されると、前記銀層との接合強度が高くなり、その結果、基体と半導体素子との接合強度が高くなるためである。前記銀層をめっきにより形成する場合は、いずれの手法で下地層を形成してもよい。
本発明の半導体装置の第1の製造方法において、前記基板と前記第1の銀層との間に第1の密着層が配置され、前記第1の密着層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。密着層を配置すると、前記基板と前記第1の銀層との接合強度がより高くなるためである。
また、本発明の半導体装置の第1の製造方法において、前記半導体素子の基板と前記第2の銀層との間に第2の密着層が配置され、前記第2の密着層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。密着層を配置すると、前記半導体素子の基板と前記第2の銀層との接合強度がより高くなるためである。
本発明の半導体装置の第2の製造方法において、前記基板と前記第Iの銀層との間に第Iの密着層が配置され、前記第Iの密着層は、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。密着層を配置すると、前記基板と前記第Iの銀層との接合強度がより高くなるためである。
また、本発明の半導体装置の第2の製造方法において、前記半導体素子の基板と前記第IIの銀層との間に第IIの密着層が配置され、前記第IIの密着層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されているのが好ましい。密着層を配置すると、前記半導体素子の基板と前記第IIの銀層との接合強度がより高くなるためである。
この密着層は、チタンおよびニッケルからなる群から選択される金属から形成されるのがより好ましく、チタンからなる群から選択される金属から形成されるのがさらに好ましい。なお、下地層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよび金属窒化物から形成される場合、そのような下地層は、密着層を兼ねることができる。また、半導体素子の基板と銀層または、基体の基板と銀層との間に、下地層が既に設けられており、別途、密着層を配置する場合には、基板と銀層、基板と下地層、下地層と銀層の間のいずれか、密着性を向上させる必要が在る箇所に、密着層を配置すればよい。
前記密着層(以下、言及が無い限り第1の密着層、第2の密着層、第Iの密着層および第IIの密着層すべてに関する)の厚みは例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.1μmである。この密着層の厚みが0.005μm〜5μmであれば、前記基板と前記第1の銀層との接合強度、前記半導体素子の基板と前記第2の銀層との接合強度、前記基板と前記第Iの銀層との接合強度または前記半導体素子の基板と前記第IIの銀層との接合強度が高くなるためである。第1の密着層と第2の密着層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。第Iの密着層と第IIの密着層の厚みも、同一であっても異なっていてもよい。
第1の密着層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.1μmである。第1の密着層の厚みが0.005μm〜5μmであると、前記基板と前記第1の銀層との接合強度が高いためである。
第2の密着層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.1μmである。第2の密着層の厚みが0.005μm〜5μmであると、前記半導体素子の基板と前記第2の銀層との接合強度が高いためである。
第Iの密着層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.1μmである。第Iの密着層の厚みが0.005μm〜5μmであると、前記基板と前記第Iの銀層との接合強度が高いためである。
第IIの密着層の厚みは、例えば、0.005μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜2μm、より好ましくは0.03μm〜0.1μmである。第IIの密着層の厚みが0.005μm〜5μmであると、前記半導体素子の基板と前記第IIの銀層との接合強度が高いためである。
前記密着層は、例えば、蒸着、スパッタ、メッキ等により形成することができ、前記銀層を蒸着により形成する場合、前記密着層は蒸着により形成するのが好ましい。前記密着層が蒸着により形成されると、前記銀層との接合強度が高くなるためである。前記銀層をスパッタにより形成する場合、前記密着層はスパッタにより形成するのが好ましい。前記密着層は、スパッタにより形成されると、前記銀層との接合強度が高くなるためである。前記銀層をめっきにより形成する場合は、いずれの手法で密着層を形成してもよい。
本発明の半導体装置の第1の製造方法は、前記基体の第1の銀層と、前記半導体素子の前記第2の銀層との間に、有機溶剤または水を塗布する工程をさらに含むのが好ましい。
また、本発明の半導体装置の第2の製造方法は、前記基体の第Iの銀層と、前記半導体素子の第IIの銀層との間に、有機溶剤または水を塗布する工程をさらに含むのが好ましい。
有機溶剤または水を塗布する際には、基体上へ有機溶剤若しくは水を塗布し、更にその上へ半導体素子をマウントしてもよい。これにより有機溶剤若しくは水の表面張力により続く接合工程までの半導体素子のマウント位置精度の維持が可能となる。この場合、有機溶剤としては、沸点が100℃〜300℃であるのが好ましい。沸点が100℃以上であれば、有機溶剤は容易に蒸発せず、半導体素子のマウント位置精度の維持をし易くすることができるからである。また、後に続く接合工程を経ても有機溶剤が残留すると接合不良原因となるため、有機溶剤の沸点は加熱温度より100℃以内高くてもよく、熱分解することなく速やかに揮発させるため300℃以下であるのが好ましい。前記有機溶剤としては、または、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびトリエチレングリコールからなる群から選択される1以上が挙げられる。
前記半導体装置の第1の製造方法においては、前記接合する工程は、大気中または酸素雰囲気中で行われるのが好ましい。このような雰囲気中で接合することにより、銀同士の接合点が増加し、第1の銀層と第2の銀層との接合強度の向上が期待できるからである。また、前記半導体装置の第2の製造方法においては、前記接合する工程は、大気中または酸素雰囲気中で行われるのが好ましい。このような雰囲気中で接合することにより、銀同士の接合点が増加し、第Iの銀層と第IIの銀層との接合強度の向上が期待できるからである。
前記半導体装置の第1の製造方法においては、前記半導体素子は、透光性無機基板上に半導体層が形成されており、前記透光性無機基板は前記半導体層が形成されている側と反対側の側に第1の銀が施されており、前記第1の銀と接合される緩衝部材が設けられており、前記緩衝部材の表面に前記銀若しくは酸化銀が施されているものを使用することができる。また、前記半導体装置の第2の製造方法においては、前記半導体素子は、透光性無機基板上に半導体層が形成されており、前記透光性無機基板は前記半導体層が形成されている側と反対側の側に第Iの銀が施されており、前記第Iの銀と接合される緩衝部材が設けられており、前記緩衝部材の表面に前記銀若しくは酸化銀が施されているものを使用することができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体素子は、半導体発光素子であるのが好ましい。銀は金属中で最も可視光線の反射率に優れており、半導体素子表面へ銀コーティングを施すことは高効率な反射鏡を半導体素子に備えることにもなり半導体発光素子に最も適した形態となる。また基体表面へ銀コーティングを施すことにより半導体装置全体を反射鏡構造とすることが可能であり、更に高効率に光を取り出すことができる。半導体発光素子に用いられうる透光性無機基板は、光吸収が極めて低いため、高い発光効率を持つ半導体発光素子を作製するために利用できる。半導体発光素子としては、例えば、透光性無機基板の上面に半導体層である発光層が形成されており、その発光層を上面となるよう配置し反対側の裏面となる透光性無機基板へ銀若しくは酸化銀を施したものが用いられる。このような半導体発光素子により、発光層から放射された光を高効率に反射させ、光出力の大きな半導体装置を得ることができる。
この製造方法によれば、たとえば発光ダイオード、レーザダイオード等の半導体発光素子を用いる半導体装置へ高い発光効率を付与することができる。また、この製造方法によれば、樹脂等の接合材料を介さないため低い電気抵抗や熱抵抗が得られるため信頼性を向上させることができる。また、この製造方法によれば、樹脂接合と変わらぬ温度領域で接合が可能であるため、半導体装置に使用されるプラスチック部材の熱劣化を回避することができる。この製造方法によれば、接合部材に樹脂を使用しないため半導体装置の寿命を改善することができる。さらに、この製造方法によれば、工程が簡易で貴金属の使用量が極端に少ないため、安価に半導体装置を製造することができる。
基体はリードフレーム、又は、金属配線を備えた有機あるいは無機基板などを用いることができ、リードフレームの表面、金属配線の表面が銀でコーティングされていてもよい。半導体素子の接合面の表面は、基体と同様に銀コーティングされており、導電部位、絶縁部位を問わない。
本発明の半導体装置の第2の製造方法において、前記基板は、研磨により表面を平坦にされた基板である。このような基板を用いれば、半導体素子の第IIの銀層と前記基体の第Iの銀層との接合強度が強固になるためである。
この製造方法においては、基体及び半導体素子に150℃〜400℃の温度を加え接合点を増加させ、且つ銀を相互拡散させることにより接合を強固なものとし接合させることができる。金属拡散は温度の関数となるため高温であるほど速やかに接合強度を向上させることができるが、半導体装置に使用されるプラスチック部材の酸化劣化若しくは溶融等を避けるため汎用される熱可塑性樹脂の融点上限である350℃付近を上限とすることが望ましい。但し、基体に耐熱性を有するセラミックス基板等を用いる場合は、400℃付近まで温度を加えることができる。下限温度については実用的な時間範囲で強固な接合得るためには200℃以上であるのが好ましい。従って、半導体素子及び基体に200℃〜350℃の温度を加え、半導体素子と基体とを接合させることができるが、200℃〜300℃の温度を加えることが好ましい。また、加熱時間は、例えば0.5時間〜4時間、好ましくは1時間〜2時間である。この接合工程は、一段階である必要はなく、徐々に温度を上げていったり上下動を繰り返したりする多段階とすることもできる。
ダイシェア強度は接合時の加熱温度と加熱時間に依存しており、温度が高く時間が長いほど強度は向上するが、製造コストならびに半導体装置に使用されるプラスチック部材の酸化劣化を考慮すると温度が低く時間が短いほど有利である。従って、加熱温度を150℃〜350℃、好ましくは150℃〜300℃、より好ましくは200℃〜300℃とし、加熱時間を任意に設定することによりダイシェア強度を調整することが可能である。実用的にはワイヤーボンド時の超音波衝撃や半導体装置の熱衝撃試験に耐える必要があり13MPaは最低でも必要であり、上限は350℃加熱による接合時にダイシェア強度が飽和する140MPaであることが好ましい。
<半導体装置の製造方法>
(第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法)
第1の実施の形態に係る半導体装置の一例を、図面を用いて説明する。図1は第1の実施の形態に係る半導体発光素子の実装状態を示す概略断面図である。半導体素子として、発光ダイオードを用いた半導体発光素子を元に説明するが、半導体発光素子以外のトランジスタ、IC、LSIなどにも本発明を適用することができる。
半導体装置は、基体500の表面の第1の銀層530と、半導体発光素子100の表面の第2の銀層140とが直接接合されている。「直接」とは、本明細書中において、第1の銀層530と第2の銀層140との間に樹脂接着剤を含まないことを意味する。
半導体発光素子100は、透光性無機基板110と、光を放射する半導体層120と、半導体層120に設けられた電極130と、半導体層120が形成されている側と反対側に施された第2の銀層140とを有する。半導体層120は、透光性無機基板110上にn型半導体層121、n型半導体層121の上にp型半導体層122を積層して有している。電極130は、n型半導体層121にはn型電極131を設け、p型半導体層122にはp型電極132を設けている。半導体発光素子100は、透光性無機基板110の逆側となる同一面側にn側電極131とp側電極132とを有し、電極が透光性無機基板の上になるように実装されるフェイスアップ構造を採っている。半導体発光素子100の表面の第2の銀層140は、1層だけでなく2層以上であってもよい。また、半導体発光素子100の表面の第2の銀層140の膜厚は、例えば0.5μm〜10μm程度である。
基体500は、基板510と、前記基板510の表面に配置された第1の密着層(下地兼用)520と、前記第1の密着層(下地兼用)520の表面に配置された第1の銀層530とを有する。基板510は導電性でも絶縁性でもよい。基板510に用いられる導電性部材として、銅や鉄などのリードフレームが挙げられる。また、基板510の表面に施された第1の銀層530の膜厚は、例えば0.5μm〜10μm程度である。なお、第1の密着層(下地兼用)520は、基板510と第1の銀層530との接着性を高めるため(密着層として)、もしくは第1の銀層530と第2の銀層140との接合力を高めるため(下地層として)に設けられるものである。従って、基板510と第1の銀層530との接着性が高い場合や第1の銀層530と第2の銀層140との接合力が十分な場合、第1の密着層(下地兼用)520は設けなくともよい。
一方、基板510に用いられる絶縁性部材として、ガラスエポキシ基板、ポリフタルアミドや液晶ポリマーなどの樹脂部材、セラミックス部材などが挙げられる。基板510にこれらの絶縁性部材を用いた場合、ガラスエポキシ基板上に所定の回路配線を行い、その回路配線に第1の銀層530が施される。
基体500の形状は平板形状、カップ形状など種々の形態を採ることができる。半導体発光素子100の実装のし易さから、基体500の形状として平板形状のものを用いることが好ましい。また、半導体発光素子100からの光取り出し効率の向上を図るため、基体500はカップ形状を採ることもできる。基体500をカップ形状とした場合、基体500の外部に導電性の配線の一部を端子として露出させることもできる。基体500上には同じ機能を有する半導体発光素子や、異なる機能を有する半導体素子をマウントすることもできる。また基体500上には抵抗素子、コンデンサーといった電子素子もマウントすることができる。
半導体発光素子100に設けられた電極130は、所定の電気的接続とるため金ワイヤー等で配線が施される。また半導体発光素子100からの光を吸収し異なる波長へ変換する蛍光体やフィラー、光拡散部材等を含む封止部材で半導体発光素子100を覆い、半導体装置とすることができる。
基体500の上に半導体発光素子100を実装する際、基体500の表面の第1の銀層530の上に、半導体発光素子100の表面の第2の銀層140が接触するように配置する。基体500の表面の第1の銀層530と、半導体発光素子100の表面の第2の銀層140との間には半田や樹脂などが存在していない。基体500には基板510に所定の回路配線が施されており、その回路配線の最表面に第1の銀層530が施されている。半導体発光素子100の位置決めのため、半導体発光素子100の外形と同形状の回路配線を形成したり、半導体発光素子100の外形よりわずかに小さい略同形状の回路配線を形成したり、略四角の頂点が半導体発光素子100の四隅まで延びる回路配線を形成したり、種々の形状を成すこともできる。なお、前記第1の銀層530および前記第2の銀層140の少なくとも一方の表面の中心線平均粗さ(Ra)は、0.01μm〜0.7μmである。
表面の中心線平均粗さ(Ra)0.01μm〜0.7μmの第1の銀層を有する基体は、例えば、基板の表面に施された凹凸がある銀層の表面に平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記銀層の表面を平坦にして前記第1の銀層を有する前記基体を得てもよい。この際、前記平坦な面を有する型としては、裏面が鏡面であるガラスチップ、シリコンチップ、GaNチップ、SiCチップ等が挙げられる。この平面な面を有する型が、銀層に接する面は、後に配置する半導体素子が第1の銀層に接する面より大きいのが好ましい。このような型を用いて前記第1の銀層を得ると、半導体素子を配置する第1の銀層の表面が、広く平坦になり、半導体素子の第2の銀層と前記基体の第1の銀層との接合面が平坦になり、その結果、接合強度が強固になるためである。
また、表面の中心線平均粗さ(Ra)0.01μm〜0.7μmの第2の銀層を有する半導体素子は、例えば、半導体素子の基板の表面に施された凹凸がある銀層の表面に、平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記銀層の表面を平坦にして前記第2の銀層を有する前記基体を得てもよい。前記平坦化はウェハの段階で行うのが量産性に富むため好ましい。この際、前記平坦な面を有する型としては、裏面が鏡面である金属、金属酸化物、金属窒化物等から形成された型、半導体等が挙げられる。このような型を用いて前記第2の銀層を得ると、基体と面する第2の銀層の表面が、広く平坦になり、半導体素子の第2の銀層と前記基体の第1の銀層との接合面が平坦になり、その結果、接合強度が強固になるためである。
この平坦な面を有する型の面の粗さとしては、例えば、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μm、好ましくは0.01μm〜0.2μmである。また、この平坦な面を有する型の面の粗さとしては、例えば、十点平均粗さ(Rz)が、0.1μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μmである。この際、加える圧力としては、例えば5MPa〜200MPaであり、好ましくは10MPa〜175MPaであるが、半導体発光素子100や基体500が破壊されてない程度の圧力であれば許容される。
半導体発光素子100及び基体500に150℃〜400℃の温度を加え、半導体発光素子100と基体500とを接合する。半導体発光素子100及び基体500に加える温度は強固に接合できる200℃以上が好ましい。また半導体発光素子100が破壊されない温度の400℃以下である。また半導体発光素子100やパッケージが耐えうる温度として350℃以下が特に好ましい。接合する工程は、大気中若しくは酸素雰囲気中で行うこともできる。接合に要する時間も長時間である方が好ましいが、特に限定されず、30分〜4時間程度あればよい。半導体発光素子100を基体500に実装した後、ワイヤー接続を行い、封止部材で被覆して半導体装置とすることができる。
なお、この第1の実施形態において、基体の側に密着層520が備えられているが、半導体素子側、すなわち、透光性無機基板110と、第1の銀層140との間にも密着層を備えてもよい。
(第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法)
第2の実施の形態に係る半導体装置の一例を、図面を用いて説明する。図2は第2の実施の形態に係る半導体発光素子の実装状態を示す概略断面図である。第1の実施の形態に係る半導体装置と、ほぼ同一の構成を採るため、一部説明を省略することもある。
半導体装置は、基体600の表面の第Iの銀層630と、半導体発光素子200の表面の第IIの銀層240とが直接接合されている。
半導体発光素子200は、透光性無機基板210と、光を放射する半導体層220と、半導体層220に設けられた電極230と、半導体層220が形成されている側と反対側に施された第IIの銀層240とを有する。半導体層220は、透光性無機基板210上にn型半導体層221、n型半導体層221の上にp型半導体層222を積層して有している。電極230は、n型半導体層221にはn型電極231を設け、p型半導体層222にはp型電極232を設けている。半導体発光素子200は、透光性無機基板210の逆側となる同一面側にn側電極231とp側電極232とを有し、電極が透光性無機基板の上になるように実装されるフェイスアップ構造を採っている。半導体発光素子200の表面の第IIの銀層240は、1層だけでなく2層以上であってもよい。また、半導体発光素子200の表面の第IIの銀層240の膜厚は、例えば0.5μm〜10μm程度である。
基体600は、基板610と、前記基板610の表面に配置された第Iの密着層(下地兼用)620と、前記第Iの密着層(下地兼用)620の表面に配置された第Iの銀層630とを有する。基板610は導電性でも絶縁性でもよい。基板610に用いられる導電性部材として、銅や鉄などのリードフレームが挙げられる。また、基板610の表面の第Iの銀層630の膜厚は、例えば0.5μm〜10μm程度である。なお、第Iの密着層(下地兼用)620は、基板610と第Iの銀層630との接着性を高めるため(密着層として)、もしくは第Iの銀層630と第IIの銀層240との接合力を高めるため(下地層として)に設けられるものである。従って、基板610と第Iの銀層630との接着性が高い場合や第Iの銀層630と第IIの銀層240との接合力が十分な場合、第Iの密着層(下地兼用)620は設けなくともよい。
なお、この第2の実施形態において、基体の側に密着層620が備えられているが、半導体素子側、すなわち、透光性無機基板210と、第1の銀層140との間にも密着層を備えてもよい。
本発明の半導体装置の第2の実施形態において、前記基板610は、研磨により平坦にされた基板である。このような基板を用いると、基体600の表面に施された第Iの銀層630と、半導体発光素子200の表面に施された第IIの銀層240との接着強度が高くなるためである。また、前記基板610としては、セラミック基板、サファイア基板等を用いてもよい。
(半導体素子)
半導体素子として、発光ダイオードやレーザダイオードなどの半導体発光素子の他、トランジスタやIC、LSI、ツェナーダイオード、コンデンサー、受光素子なども用いることができる。
半導体発光素子は、例えば、無機基板上に半導体層を積層したものである。無機基板としては、透光性を有するものが好ましい。透光性無機基板としてはサファイア、GaP、GaN、ITO、ZnO、無機ガラス、セラミックスなどから形成された基板を用いることができ、半導体層としては、GaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが用いることができる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。発光層は、量子効果が生ずる薄膜とした単一量子井戸構造や多重量子井戸構造としても良い。
屋外などの使用を考慮する場合、高輝度な半導体発光素子を形成可能な半導体層として窒化ガリウム系化合物半導体を用いることが好ましく、また、赤色ではガリウム・アルミニウム・砒素系の半導体層やアルミニウム・インジュウム・ガリウム・燐系の半導体層を用いることが好ましいが、用途によって種々利用することもできる。
半導体層に窒化ガリウム系化合物半導体を使用した場合、透光性無機基板にはサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnOやGaN等の材料を用いることができる。結晶性の良い窒化ガリウムを量産性良く形成させるためには透光性無機基板にサファイアを用いることが好ましい。半導体発光素子をフェイスダウンで用いる場合、透光性無機基板は透光性が高いことを要する。
電極は光を遮らない材質が好ましいが、光を遮る材質も使用することができる。同一面側にn型電極とp型電極とを有する半導体発光素子の場合、p型電極が半導体層の広範囲を占めるように施されていることが好ましい。
透光性のp型電極は、膜厚が150μm以下の薄膜で形成されていてもよい。また、p型電極は金属以外のITO、ZnOから形成されてもよい。ここで透光性のp型電極の代わりに、メッシュ状電極などの複数の光取り出し用開口部を備えた電極形態としてもよい。
電極の形状は、直線状以外に、曲線状、ひげ状、櫛状、格子状、枝状、鉤状、網目状等でもよい。p型電極の総面積に比例して遮光効果が増大するので、遮光効果が発光増強効果を上回らないように延長導電部の線幅および長さを設計することが好ましい。p型電極はAu、Au―Sn等の金属や、金属以外のITO、ZnOから形成されてもよい。また透光性のp型電極の代わりに、メッシュ状電極などの複数の光取り出し用開口部を備えた電極形態としてもよい。半導体発光素子のサイズは任意に決めてよい。
(基体)
基体は、基板の表面に銀層を施している。基板としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタンまたはこれらの混合物を含むセラミック基板、Cu、Fe、Ni、Cr、Al、Ag、Au、Tiまたはこれらの合金を含む金属基板、リードフレーム、ガラスエポキシ基板、BTレジン基板、ガラス基板、樹脂基板、紙等を用いることができる。リードフレームとしては、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はそれらの合金より形成される金属フレ−ムが挙げられ、銅、鉄又はそれらの合金より形成される金属フレームが好ましい。リードフレームとしては、放熱性が必要な半導体装置では銅合金、半導体素子との接合信頼性が必要な半導体装置では鉄合金であるのがより好ましい。
配線基板又はリードフレームは、その表面が銀、酸化銀、銀合金、銀合金の酸化物、Pt、Pt合金、Sn、Sn合金、金、金合金、Cu、Cu合金、Rh、Rh合金等により被覆されていてもよく、半導体素子がマウントされる部位の最表面が銀層で被覆されている。これらの被覆は、メッキ、蒸着、スパッタ、印刷、塗布等により行うことができる。
基体として、樹脂を用いたパッケージも使用することができる。パッケージとしてはリードが一体成型されているものの他、パッケージを成型した後にメッキなどにより回路配線を設けたものであってよい。パッケージは、カップ形状や平板形状など種々の形態を採ることができる。パッケージを構成する樹脂としては、耐光性、耐熱性に優れた電気絶縁性のものが好適に用いられ、例えばポリフタルアミドなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、セラミックスなどを用いることができる。また、半導体発光素子からの光を効率よく反射させるためにこれらの樹脂に酸化チタンなどの白色顔料などを混合させることができる。パッケージの成形法としては、リードを予め金型内に設置して行うインサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成型などを用いることができる。
(有機溶剤)
有機溶剤は、常温領域で半導体素子を固定でき、加熱接合後に残渣が残れなければ何でもよい。有機溶剤の沸点は100℃〜300℃であることが好ましく、接合時の加熱温度に合わせ種々選択することができる。たとえば炭素原子2〜10個(20個)を有するアルキル基と水酸基1〜3個とを有する低級アルコールから高級アルコール(例えばn-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、2−メチルブタノール、n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、4−メチルペンタノール、1−エチルブタノール、2−エチルブタノール、1,1−ジメチルブタノール、2,2−ジメチルブタノール、3,3−ジメチルブタノール、および1−エチル−1−メチルプロパノールなどの低級アルコールから、ノナノール、デカノールなどの高級アルコール);2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール;炭素原子8〜20個を有する炭化水素溶媒や脂肪族溶媒(例えば、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-テトラデカンなど);カルボキシル基、アルコキシル基、を有する溶媒(例えば、酢酸イソペンチル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸エチルなど);芳香族溶媒(例えば、トルエン、キシレン、アニソール、フェノール、アニリン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど);ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの中より少なくとも一つを含むことができる。
(封止部材)
基体に実装された半導体素子を外力、埃などから保護するため、半導体装置には封止部材を用いてもよい。封止部材により、半導体発光素子からの光を効率よく外部に透過させることもできる。封止部材に使用される樹脂は、例えば、エポキシ系、フェノール系、アクリル系、ポリイミド系、シリコーン系、ウレタン系、熱可塑性系等が挙げられる。中でもシリコーン系が耐熱耐光性に優れ長寿命な半導体装置を作製できるため好ましい。気密カバー又は非気密カバーとしては無機ガラス、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等により形成されたカバーが挙げられる。中でも無機ガラスが耐熱耐光性に優れ長寿命な半導体装置を作製できるため好ましい。
(その他)
封止部材は、蛍光物質及びフィラー及び光拡散部材などを含有してもよい。蛍光物質としては、半導体発光素子からの光を吸収し、この光とは異なる波長の蛍光を発するものであればよく、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体または酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体、又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び無機錯体等から選ばれる少なくとも1以上であることが好ましい。蛍光物質としては、(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce、(Ca,Sr,Ba)2SiO4:Eu、(Ca,Sr)2Si58:Eu、CaAlSiN3:Eu、(Ca,Sr)AlSiN3:Euなどがより好ましい。
フィラーとしては、アルミナ、シリカ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、チタン酸カリウム、マイカ、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ガラスフレークならびに繊維を用いることができる。また応力緩和のために、フィラーとして、シリコーンゴム粒子、シリコーンエラストマー粒子を用いることができる。光線透過率はフィラー粒径の影響が大きく平均粒径5μm以上が好ましいが、ナノ粒子も使用することができる。これにより封止部材の透光性や光分散性を大幅に向上させることができる。
光拡散部材としては、アルミナ、シリカ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、チタン酸カリウム、マイカ、ケイ酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ガラスフレークならびに繊維を用いることができる。また光拡散部材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナニン樹脂、メラミン樹脂の熱硬化性樹脂の粒子を用いることができる。光拡散性能はフィラー粒径の影響が大きく0.1μm〜5μmの範囲が好ましい。これにより少量の光拡散部材で光拡散が可能となる。
また蛍光物質及びフィラー、光拡散部材は半導体素子の表面上へ印刷、ポッティング、電着、スタンピングによりコーティングすることもできる。その上面へ封止部材を被覆することができる。これにより封止部材がレンズ形状を有する場合に光学設計が容易となり高品位な半導体装置を得ることができる。
<実施例>
以下、実施例を用いて本発明に係る半導体装置及びその製造方法を説明する。
[参考例1]
半導体発光素子300として、500μm×290μm×厚さ120μmのサファイアを用いた透光性無機基板310と、透光性無機基板310の上面に積層されたInGaNの半導体層320と、透光性無機基板310の下面に厚み2μmでスパッタにより形成された第2の銀層340との積層体を用いた(図3参照)。基体700として、カップ形状のアルミナセラミックス基板710と、前記アルミナセラミックス基板710の表面に高融点金属であるタングステン層720を設けたものを台座部として形成し、前記タングステン層720の表面にニッケルから形成された厚み0.1μmの第1の密着層(下地兼用)730をめっきにより形成し、前記第1の密着層(下地兼用)730の表面に厚み2μmでめっきにより形成された銀層との積層体を用いた。前記積層体は、まず深さ600μmのカップ形状となるようにアルミナセラミックス(基板710)を成形し、その表面にタングステン層720を配置し、その後、焼成して得られたアルミナセラミックス基板710のタングステン層720にニッケルメッキと銀メッキを施して第1の密着層(下地兼用)730と銀層を形成して製造した。
基体700の銀層上に有機溶剤2―エチル−1,3−ヘキサンジオールを塗布し、その上に半導体発光素子300の第2の銀層340が前記銀層と直接接触するように載置した。半導体発光素子300を載置後、基体700を、大気雰囲気中、約300℃で約1時間加熱し接合を行った。これにより半導体発光素子300を基体700に直接接合することができた。
半導体発光素子300として、500μm×290μm×厚さ120μmのサファイアを用いた透光性無機基板310と、透光性無機基板310の上面に積層されたInGaNの半導体層320と、透光性無機基板310の下面に厚み2μmでスパッタにより形成された第2の銀層340との積層体を用いた(図3参照)。基体700として、カップ形状のアルミナセラミックス基板710と、前記アルミナセラミックス基板710の表面に高融点金属であるタングステン層720を設けたものを台座部として形成し、前記タングステン層720の表面にニッケルから形成された厚み0.1μmの第1の密着層(下地兼用)730をめっきにより形成し、前記第1の密着層(下地兼用)730の表面に厚み2μmでめっきにより形成された銀層との積層体を用いた。前記積層体は、まず深さ600μmのカップ形状となるようにアルミナセラミックス(基板710)を成形し、その表面にタングステン層720を配置し、その後、焼成して得られたアルミナセラミックス基板710のタングステン層720にニッケルメッキと銀メッキを施して第1の密着層(下地兼用)730と銀層を形成して製造した。
基体700の銀層上に1mm×1mm×厚み1mmの、裏面が鏡面(中心線平均粗さ(Ra)が、0.09μm、十点平均粗さ(Rz)が、1μm)であるガラスチップを載置した。カップ形状のアルミナセラミックス基板710より上側に400μm程度突出したガラスチップ上面を、プレス装置により153MPaの圧力で加圧し、基体の銀層の鏡面化プレス加工を行った。図4にプレス加工前の基体700の断面SEM写真を示す。また図5にプレス加工後の基体700の断面SEM写真を示す。プレス加工後、基体700からガラスチップを取り除き、基体700の銀層を鏡面化した第1の銀層740(厚み2μm)を得た。前記第1の銀層740上に有機溶剤2―エチル−1,3−ヘキサンジオールを塗布し、その上に半導体発光素子300の第2の銀層340が前記第1の銀層740と直接接触するように載置した。半導体発光素子300を載置後、基体700を大気雰囲気中、約300℃で約1時間加熱し接合を行った。これにより半導体発光素子300を基体700に直接接合することができた。
半導体発光素子200として、500μm×290μm×厚さ120μmのサファイアを用いた透光性無機基板210と、透光性無機基板210の上面に積層されたInGaNの半導体層220と、透光性無機基板210の下面に厚み2μmでスパッタにより形成された第2の銀層240との積層体を用いた。基体600として、20mm×20mm×厚み0.8mmの研磨済み基板(片面研磨済みセラミック基板)610と、研磨済み基板610の表面に厚み0.1μmの密着層(下地兼用)(チタン層)620をスパッタにより形成し、前記密着層(下地兼用)620の表面に厚み2μmでスパッタにより形成された第Iの銀層630との積層体を用いた。
基体600の第Iの銀層630上に有機溶剤2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを塗布し、その上に半導体発光素子200の第IIの銀層240が直接接触するように載置した。半導体発光素子200を載置後、基体600を、大気雰囲気中、約300℃で約1時間加熱し接合を行った。これにより半導体発光素子200を基体600に直接接合することができた。
<測定結果>
実施例1および2ならびに参考例1に係る半導体装置について、ダイシェア強度を測定した。ダイシェア強度は、室温で基体から半導体発光素子を剥す方向にそれぞれせん断力をかけ、剥離したときの強度を測定した。また、実施例1および参考例1に係る基体700の第1の銀層740、ならびに実施例2における基板610の第Iの銀層630について、半導体発光素子の載置前に、表面粗さをレーザー顕微鏡にて測定した。レーザー顕微鏡はキーエンス製VK-9710を使用し、20倍の対物レンズにて高繊細モードを用いて、Z軸のデータ取り込み間隔を0.1μmとして測定を行った。解析においては、ノイズ除去と傾き補正を行った後、500μm×290μmのエリアで表面粗さを算出した。表1に得られたダイシェア強度(MPa)の測定結果と十点平均粗さRaと中心線平均粗さRzの測定結果を示す。
前記表1に示すように、Raが0.01μm〜0.7μmの範囲である、基体の表面に施された第1の銀層と、第2の銀層を表面に有する半導体素子の前記第2の銀層とを接触させ、加熱して接合させると、その強度が向上することが確認できた(実施例1および2)。
本発明の半導体装置の製造方法は、例えば、部品電極の接続、ダイアタッチ、微細バンプ、フラットパネル、ソーラ配線等の製造用途およびウェハ接続等の用途、またこれらを組み合わせて製造する電子部品の製造に適用できる。また、本発明の半導体装置の製造方法は、例えば、LEDやLDなどの半導体発光素子を用いた半導体装置を製造する際にも適用できる。
100、200、300 半導体発光素子
110、210、310 透光性無機基板
120、220、320 半導体層
121、221、321 n型半導体層
122、222、322 p型半導体層
130、230、330 電極
131、231、331 n型電極
132、232、332 p型電極
530、740 第1の銀層
140、340 第2の銀層
520、730 第1の密着層(下地兼用)
630 第Iの銀層
240 第IIの銀層
500、600 基体
510、710 基板
610 研磨済み基板
620 第Iの密着層(下地兼用)
720 タングステン層

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板の表面に配置された第1の銀層とを含む基体における前記第1の銀層と、第2の銀層を表面に有する半導体素子の前記第2の銀層とが接合された半導体装置の製造方法であって、
    前記基板の表面に配置された凹凸のある銀層の表面に、平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第1の銀層を得るか、および/または、
    凹凸のある銀層を表面に有する半導体素子の前記凹凸のある銀層の表面に、平坦な面を有する型を配置して前記平坦な面が接触するようにし、前記型に圧力を加えて前記凹凸のある銀層の表面を平坦にして、中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmである前記第2の銀層を得る工程と、
    前記第1の銀層と前記第2の銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第1の銀層と、前記第2の銀層とを接合させる工程とを含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記基板と前記第1の銀層との間に第1の密着層が配置され、前記第1の密着層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されている請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1の銀層と、前記第2の銀層との間に、有機溶剤または水を塗布する工程をさらに含む請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 基板と、前記基板の表面に配置された第Iの銀層とを含む基体における前記第Iの銀層と、第IIの銀層を表面に有する半導体素子の前記第IIの銀層とが接合された半導体装置の製造方法であって、
    前記第Iの銀層と前記第IIの銀層が接触するように配置された前記半導体素子と前記基体とに、150℃〜400℃の温度を加え、前記第Iの銀層と、前記第IIの銀層とを接合させる工程とを含み、
    前記第Iの銀層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が、0.01μm〜0.7μmであり、かつ、
    前記基板が、研磨により表面を平坦にされた基板である半導体装置の製造方法。
  5. 前記基板と前記第Iの銀層との間に第Iの密着層が配置され、前記第Iの密着層が、チタン、ニッケル、アルミニウムおよびタンタルからなる群から選択される金属から形成されている請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第Iの銀層と、前記第IIの銀層との間に、有機溶剤または水を塗布する工程をさらに含む請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体素子は、半導体発光素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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